JP2007194542A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Chishio Hosokawa
地潮 細川
Hisayuki Kawamura
久幸 川村
Hironobu Morishita
浩延 森下
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Abstract

【課題】低電圧で駆動でき、かつ長寿命な有機EL素子を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
Figure 2007194542

(式中、Rは、ハロゲン、フルオロアルキル基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であり、R〜Rは、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基又は複素環である。また、RとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよい。mは、0〜4の整数を示し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「エレクトロルミネッセンス」を「EL」と略記することがある)は、電界を印可することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。
イーストマン・コダック社のC.W.Tang等による積層型素子による低電圧駆動有機EL素子の報告(非特許文献1等)がなされて以来、有機材料を構成材料とする有機EL素子に関する研究が盛んに行われている。
Tang等が報告した有機EL素子は、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)を発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層にする積層構造を有する。積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、及び発光層内で生成した励起子を閉じ込めること等が挙げられる。
有機EL素子の積層構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層の二層型、又は正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型等がよく知られている。こうした積層型構造素子では、注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、素子構造や形成方法の工夫がなされている。
従来、有機EL素子に用いられる正孔輸送材料として、特許文献1記載の芳香族ジアミン誘導体や、特許文献2記載の芳香族縮合環ジアミン誘導体が知られていた。
それらの芳香族ジアミン誘導体を正孔輸送材料に用いた有機EL素子は、十分な発光輝度を得るために印加電圧が高くなるため、素子寿命の低下や消費電力の大きくなる等の問題を生じていた。
これらの問題の解決法として、有機EL素子の正孔注入層にルイス酸等の電子受容性化合物をドープする方法が提案されている(特許文献3〜6等)。ただし、それらで用いられている電子受容性化合物は、有機EL素子の製造工程において取扱い上、不安定であったり、あるいは有機EL素子駆動時において、耐熱性等の安定性が不足し、寿命が低下する等の問題があった。
また、特許文献5,7,8等に例示されている電子受容性化合物であるテトラフルオロジシアノキノジメタンは、分子量が小さいことやフッ素で置換されていることにより、昇華性が高く、有機EL素子を真空蒸着で作製する際に、装置内に拡散し、装置や素子を汚染する恐れがあった。
米国特許4,720,432号明細書 米国特許5,061,569号明細書 特開2003−031365号公報 特開2001−297883号公報 特開2000−196140号公報 特開平11−251067号公報 特開平4−297076号公報 特表2004−514257号公報 C.W.Tang,S.A.Vanslyke,Applied Physics Letters,51,913(1987)
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、低電圧で駆動でき、かつ長寿命な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、電子受容性化合物であるチオピラン化合物に着目した。この化合物は、電子写真感光体の電子輸送材料として知られている(特開平6−295080号公報)。
ところで、有機EL素子として用いる際には、電子写真感光体との異なり、素子駆動時の耐久性・耐熱性や、素子作製時の真空蒸着性等の特性が重要となる。
そして、本発明者らは研究を進めた結果、耐熱性や電子受容性に優れる特定の構造のチオピラン誘導体を有機EL素子に適用する場合に駆動電圧の低電圧化や長寿命化を発現できることを見出した。
本発明によれば、以下の有機EL素子用材料等が提供される。
1.下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
Figure 2007194542
(式中、Rは、ハロゲン、フルオロアルキル基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であり、R〜Rは、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基又は複素環である。また、RとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよい。mは、0〜4の整数を示し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよい。)
2.陽極と陰極と、
前記陽極と陰極の間に、発光層を含む一層又は複数層の有機薄膜層を有し、
前記有機薄膜層の少なくとも一層が、1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記有機薄膜層が、陽極側から正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの順に含む積層体である2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記正孔輸送層が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記有機薄膜層が、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの順に含む積層体であり、
前記正孔注入層が前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する正孔輸送層又は正孔注入層が、さらに下記式(2)で表されるフェニレンジアミン化合物を含有する4又は5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2007194542
(式中、R〜R11は、水素、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基又は複素環である。これらは結合するフェニル基とともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1又は2である。)
本発明によれば、新規な有機EL素子用材料が提供できる。
また、本発明によれば、低電圧で駆動でき、かつ長寿命な有機EL素子が提供できる。
はじめに、本発明の有機EL素子用材料について説明する。
本発明の有機EL素子用材料は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2007194542
式(1)において、Rは、ハロゲン、フルオロアルキル基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であり、R〜Rは、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基又は複素環である。また、RとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよい。mは、0〜4の整数を示し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよい。
式(1)の化合物を有機EL素子に使用することで素子の駆動電圧を低下することができ、また、寿命を向上できる。
また、素子の製造時において、成膜装置内部に飛散することがないため、成膜装置又は有機EL素子を汚染することもない。
式(1)において、Rを示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素が好ましい。
を示すフルオロアルキル基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロアダマンチル基等があり、トリフルオロメチル基が好ましい。
を示すアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等がある。
この中でも、メチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
また、Rを示すアリール基として、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチル−フェニル基、4−シアノ−フェニル基、フルオレン基等がある。
この中でも、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチル−フェニル基が好ましい。
式(1)において、R〜Rを示すアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等がある。
この中でも、メチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
また、R〜Rを示すアリール基として、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチル−フェニル基、4−シアノ−フェニル基、フルオレン基等がある。
この中でも、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチル−フェニル基が好ましい。
〜Rを示すフルオロアルキル基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロアダマンチル基等があり、トリフルオロメチル基が好ましい。
〜Rを示す複素環として、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、キノリン環、イミダゾピリジン環等があり、ピリジン環が好ましい。

また、RとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよい。例えば、以下に示される環を形成する。好ましくは、シクロヘキサン環、ピラジン環である。
Figure 2007194542
以下に式(1)で表される化合物の好適例を示す。尚、これらの化合物の合成方法の例については、後述する実施例にて詳細に説明する。
Figure 2007194542
Figure 2007194542
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極の間に、発光層を含む一層又は複数層の有機薄膜層を有する。
図1は本発明の有機EL素子の一実施形態を示す概略断面図である。
有機EL素子1では、基板(図示せず)上に陽極10、正孔注入層20、正孔輸送層30、発光層40、電子輸送層50、陰極60がこの順に積層されている。この素子において、有機薄膜層は正孔注入層20、正孔輸送層30、発光層40及び電子輸送層50からなる積層構造となっている。
式(1)で表される化合物を含有する有機薄膜層を形成する層に対するこの材料の含有量は、好ましくは1〜100mol%である。
本発明の有機EL素子においては、陽極10と発光層40との間の領域(正孔輸送帯域)にある層、具体的には、正孔注入層20又は正孔輸送層30が、式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。尚、本実施形態のように、正孔注入層20及び正孔輸送層30の両者を有する素子においては、陽極側にある正孔注入層20が上記材料を含有することが好ましい。
尚、式(1)で表される化合物を正孔輸送帯域の層に用いる場合、本発明の化合物単独で正孔注入層又は正孔輸送層を形成してもよいし、他の材料と混合して用いてもよい。
例えば、式(1)で表される化合物と芳香族アミン誘導体とを混合して、正孔注入層又は正孔輸送層を形成する場合、式(2)で表されるフェニレンジアミン化合物が好ましい。
Figure 2007194542
式(2)において、R〜R11は、水素、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基又は複素環である。これらは結合するフェニル基とともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1又は2である。
このフェニレンジアミン化合物を含有させると、本発明の化合物を単独に使用した際の膜質の均質性や、耐熱性、あるいは電荷注入性を改良できる場合もある。
式(2)において、R〜R11を示すハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
〜R11を示すアルキル基として、例えば、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
〜R11を示すアリール基として、例えば、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基が好ましい。
〜R11を示す複素環として、例えば、ピリジン環、ピラジン環が好ましい。
またR〜R11は、結合するフェニル基を含んでナフタレン骨格やカルバール骨格、フルオレン骨格を形成してもよい。
正孔輸送層又は正孔注入層に対する式(2)の化合物の含有量は、好ましくは0.1〜99mol%である。
以下に式(2)の化合物の好適例を示す。
Figure 2007194542
Figure 2007194542
本発明の有機EL素子の構成は、上記実施形態1に限定されるものではなく、例えば、以下に示す(1)〜(15)の構成を有していてもよい。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/付着改善層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極(図1)
(7)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(9)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(10)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(11)陽極/無機半導体層/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(12)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
(14)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(15)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/絶縁層/陰極
これらの中で通常(4)、(6)、(7)、(8)、(12)、(13)及び(15)の構成が好ましく用いられる。
以下、本発明の有機EL素子を構成する各部材について説明する。
(透光性基板)
本発明の有機EL素子は透光性の基板上に作製する。ここでいう透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で、平滑な基板が好ましい。
具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
尚、光取り出し方向の反対側に支持基板が位置する場合には透光性は不要である。
(陽極)
有機薄膜EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、陽極側に透明性を必要とする場合は、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛合金(IZO)、金、銀、白金、銅等が適用できる。また、透明性を必要としない、反射型電極とする場合には、それらの金属の他に、アルミ、モリブデン、クロム、ニッケルなどの金属や合金を使用することもできる。
これら材料は単独で用いることもできるが、これら材料同士の合金や、その他の元素を添加した材料も適宜選択して用いることができる。
陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
(発光層)
有機EL素子の発光層は以下の機能を併せ持つものである。
(1)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入・輸送層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入・輸送層より電子を注入することができる機能
(2)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能
(3)発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能
尚、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法を適用することができる。発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。
ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
発光層に用いられる材料は、長寿命な発光材料として公知のものを用いることが可能であるが、式(3)で示される材料を発光材料として用いることが望ましい。
Figure 2007194542
(式中、Arは核炭素数6〜50の芳香族環もしくは核原子数5〜50の複素芳香族環であり、Xは置換基であり、mは1〜5の整数、nは0〜6の整数である。)
Arを示す芳香族環及び複素芳香族環として、具体的には、フェニル環、ナフチル環、アントラセン環、ビフェニレン環、アズレン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナントレン環、フルオランテン環、アセフェナンスリレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ベンズアントラセン環、ナフタセン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、キノキサリン環、キノリン環、ピリミジン環、トリアジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアンスレン環、フラン環、ベンゾフラン環、ピラゾール環、ピラジン環、ピリダジン環、インドリジン環、キナゾリン環、フェナントロリン環、シロール環、ベンゾシロール環等が挙げられる。
好ましくはフェニル環、ナフチル環、アントラセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナントレン環、フルオランテン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ベンズアントラセン環、ペリレン環が挙げられる。
Xを示す置換基として、具体的には、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のカルボキシル基、置換又は無置換のスチリル基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等である。
置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、3−フルオランテニル基等が挙げられる。
好ましくはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、3−フルオランテニル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の核原子数5〜50の芳香族複素環基の例としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基は−OYで表される基であり、Yの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアラルキル基の例としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基は−OY’と表され、Y’の例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基は−SY”と表され、Y”の例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のカルボキシル基は−COOZと表され、Zの例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
置換又は無置換のスチリル基の例としては、2−フェニル−1−ビニル基、2,2−ジフェニル−1−ビニル基、1,2,2−トリフェニル−1−ビニル基等が挙げられる。
ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
mは、好ましくは1〜2である。nは、好ましくは0〜4である。m≧2の時は、(3)内のArはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。同様に、n≧2の時は、(3)内のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
発光層に用いられる材料として、さらに好ましくは下記式(4)に示されるアントラセン誘導体が挙げられる。
−L−A (4)
(式中、A及びAは、それぞれ置換若しくは無置換のモノフェニルアントリル基又は置換若しくは無置換のジフェニルアルアントリル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Lは単結合又は二価の連結基を示す。)
他に式(5)に示されるアントラセン誘導体が挙げられる。
−An−A (5)
(式中、Anは置換若しくは無置換の二価のアントラセン残基を示し、A及びAは、それぞれ置換若しくは無置換の一価の縮合芳香族環基又は置換若しくは無置換の炭素数12以上の非縮合環系アリール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
式(4)で表されるアントラセン誘導体としては、例えば式(4−a)又は式(4−b)で表されるアントラセン誘導体を好ましく挙げることができる。
Figure 2007194542
(式中、R12〜R21は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シクロアルキル基,置換してもよいアリール基,アルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミノ基,アリールアミノ基又は置換してもよい複素環式基を示し、a及びbは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R12同士又はR13同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR12同士又はR13同士が結合して環を形成していてもよいし、R14とR15,R16とR17,R18とR19,R20とR21が互いに結合して環を形成していてもよく、Lは単結合又は−O−,−S−,−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。)
Figure 2007194542
(式中、R22〜R31は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シクロアルキル基,置換してもよいアリール基,アルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミノ基,アリールアミノ基又は置換してもよい複素環式基を示し、c,d,e及びfは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R22同士,R23同士,R27同士又はR28同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR22同士,R23同士,R27同士又はR28同士が結合して環を形成していてもよいし、R24とR25,R29とR30がたがいに結合して環を形成していてもよい。Lは単結合又は−O−,−S−,−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。)。
尚、ここで置換してもよいとは、置換又は無置換を意味する。
上記式(4−a)及び(4−b)において、R12〜R31の内のアルキル基としては炭素数1〜6のものが、シクロアルキル基としては炭素数3〜6のものが、アリール基としては炭素数5〜18のものが、アルコキシル基としては炭素数1〜6のものが、アリーロキシ基としては炭素数5〜18のものが、アリールアミノ基としては炭素数5〜16のアリール基で置換されたアミノ基が、複素環式基としてはトリアゾール基,オキサジアゾール基,キノキサリン基,フラニル基やチエニル基等が好ましく挙げられる。
また、L及びLの内の−N(R)−におけるRで示されるアルキル基としては炭素数1〜6のものが、アリール基としては炭素数5〜18のものが好ましい。
発光層にはさらに蛍光性化合物をドーパントとして少量添加し、発光性能を向上させることが可能である。このようなドーパントは、それぞれ長寿命な発光材料として公知のものを用いることが可能であるが、下記式(6)で示される材料を発光材料のドーパント材料として用いることが望ましい。
Figure 2007194542
(式中、Ar〜Arは置換又は無置換の核炭素数6〜50の芳香族基、置換又は無置換のスチリル基である。)
置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、3−フルオランテニル基等が挙げられる。
好ましくはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、3−フルオランテニル基等が挙げられる。
置換又は無置換のスチリル基の例としては、2−フェニル−1−ビニル基、2,2−ジフェニル−1−ビニル基、1,2,2−トリフェニル−1−ビニル基等が挙げられる。
pは1〜4の整数である。尚、p≧2の時、式(6)内のAr、Arはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
(正孔輸送層:正孔注入層)
正孔輸送層は発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい。このような正孔輸送層としてはより低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば10〜10V/cmの電界印加時に、少なくとも10−4cm/V・秒であれば好ましい。
上述したように、本発明の有機EL素子用材料を正孔輸送帯域に用いる場合、本発明の化合物単独で正孔輸送層を形成してもよいし、他の材料と混合して用いてもよい。また、混合する場合は、上記式(2)で表されるフェニレンジアミン化合物が好ましい。
しかしながら、混合物としては式(2)の化合物に限定されるものではなく、その他、正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、EL素子の正孔注入層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いてもよい。
尚、正孔輸送帯域以外の層が本発明の材料を含む場合は、下記の混合材料が単独で正孔輸送層を形成してもよい。
混合材料の具体例として、例えば、トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
正孔輸送層の他、さらに正孔の注入を助けるために別途正孔注入層を設けることが好ましい。正孔注入層の材料としては本発明の有機EL用材料単独でもよいし、他の材料と混合して用いてもよい。他の材料としては正孔輸送層と同様の材料を使用することができるが、上記式(2)で例示した化合物の他に、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
また米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する)、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を挙げることができる。
また、芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層の材料として使用することができる。
正孔注入層又は正孔輸送層は、例えば、上述した化合物を真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層、正孔輸送層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。正孔注入、輸送層は正孔輸送帯域に本発明の化合物を含有していれば、上述した材料の一種又は二種以上からなる一層で構成されてもよいし、又は前記正孔注入、輸送層とは別種の化合物からなる正孔注入、輸送層を積層したものであってもよい。
尚、有機半導体層も正孔輸送層の一部であるが、これは発光層への正孔注入又は電子注入を助ける層であって、10−10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に開示してある含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。
(電子注入、輸送層)
電子注入層(電子輸送層と表記する場合もある)は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きく、また付着改善層は、この電子注入層の中で特に陰極との付着がよい材料からなる層である。電子注入層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体が好適である。
上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物が挙げられる。
例えば発光材料の項で記載したAlqを電子注入層として用いることができる。
一方オキサジアゾール誘導体としては、以下の式で表される電子伝達化合物が挙げられる。
Figure 2007194542
(式中Ar,Ar,Ar10,Ar12,Ar13,Ar16はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。またAr11,Ar14,Ar15は置換又は無置換のアリーレン基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
ここでアリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げられる。またアリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。また置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形成性のものが好ましい。
上記電子伝達性化合物の具体例としては下記のものを挙げることができる。
Figure 2007194542
本発明の好ましい形態に、電子を輸送する領域又は陰極と有機層の界面領域に、還元性ドーパントを含有する素子がある。ここで、還元性ドーパントとは、電子輸送性化合物を還元ができる物質と定義される。従って、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも一つの物質を好適に使用することができる。
また、より具体的に、好ましい還元性ドーパントとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1.95eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ土類金属が挙げられる仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
これらのうち、より好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又はCsであり、最も好ましいのは、Csである。
これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性ドーパントとして、これら2種以上のアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであることが好ましい。
Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
本発明においては陰極と有機層の間に絶縁体や半導体で構成される電子注入層をさらに設けてもよい。この時、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲナイド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。
具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe及びNaOが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF及びBeFといったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、電子輸送層を構成する半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、電子輸送層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。
尚、このような無機化合物としては、上述したアルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
(陰極)
陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属等が挙げられる。
この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
ここで発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。
また陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。
(絶縁層)
有機ELは超薄膜に電界を印可するために、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入することが好ましい。
絶縁層に用いられる材料としては例えば酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、弗化セシウム、炭酸セシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられる。
これらの混合物や積層物を用いてもよい。
(有機EL素子の作製例)
以上例示した材料及び方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、及び必要に応じて電子注入層等を形成し、さらに陰極を形成することにより有機EL素子を作製することができる。また陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
以下、透光性基板上に陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子の作製例を記載する。
まず適当な透光性基板上に陽極材料からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように蒸着やスパッタリング等の方法により形成して陽極を作製する。
次に、この陽極上に正孔輸送層を設ける。正孔輸送層の形成は、前述したように真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行うことができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。
真空蒸着法により正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物(正孔輸送層の材料)、目的とする正孔輸送層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度10−7〜10−3torr、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
次に、正孔輸送層上に発光層を設ける。発光層の形成も、所望の有機発光材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャスト法等の方法により有機発光材料を薄膜化することにより形成できるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なるが、一般的に正孔輸送層と同じような条件範囲の中から選択することができる。
次にこの発光層上に電子輸送層を設ける。正孔輸送層、発光層と同様、均質な膜を得る必要から真空蒸着法により形成することが好ましい。蒸着条件は正孔輸送層、発光層と同様の条件範囲から選択することができる。
最後に陰極を積層して有機EL素子を得ることができる。
陰極は金属から構成されるもので、蒸着法、スパッタリングを用いることができる。しかし下地の有機物層を製膜時の損傷から守るためには真空蒸着法が好ましい。
これまで記載してきた有機EL素子の作製は一回の真空引きで一貫して陽極から陰極まで作製することが好ましい。
尚、本発明の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本発明の有機EL素子用材料を含有する有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、又は材料を溶媒に解かした溶液を使用したディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
有機EL素子は電極間に電圧を印加することによって発光する。有機EL素子に直流電圧を印加する場合、陽極を+、陰極を−の極性にして、5〜40Vの電圧を印加すると発光が観測できる。尚、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。また、交流電圧を印加した場合には陽極が+、陰極が−の極性になった時のみ均一な発光が観測される。印加する交流の波形は任意でよい。
以下、本発明の有機EL素子について、実施例をもとに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定されない。
尚、各実施例で使用した化合物の構造を以下に示す。
Figure 2007194542
実施例1
(A−2)の合成
合成は特開平6−295080号公報等に記載されている方法を参考に行った。
2−(4−メチルフェニル)−6−フェニル−4H−チオピラン−4−オン−1,1−ジオキシド1.0gをエタノール50mlに溶解し、4,5,6,7−テトラフルオロインダン−1,3−ジオン0.82gを投入し、70℃で5時間加熱攪拌した。冷却後、エタノールを減圧で濃縮し、橙色結晶を得た。さらに昇華精製し、式(A−2)の化合物を0.7g得た。
その化合物のIRを測定し、1692cm−1にカルボニル基の吸収が確認された。マススペクトル測定によりM/Z=510が確認された。
得られた化合物をアセトニトリル中に0.01モル/リットルの濃度で溶解させ、支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)、参照電極に飽和カロメル(SCE)電極を用い、サイクリック・ボルタンメトリーにより還元電位を測定し、0.0Vであった。
またTGDTA法により、耐熱性を評価した結果、5%重量減温度は280℃であった。
実施例2
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmで、実施例1で合成した式(A−2)の化合物及び下記式(C−1)で表される化合物を、2:98(モル比)の比になるように成膜した。この混合膜は、正孔注入層として機能する。
続けて、この混合膜上に膜厚20nmで、下記式で示す化合物(HTM−1)の層を成膜した。この膜は正孔輸送層として機能する。
さらに膜厚40nmのEM1を蒸着し成膜した。同時に発光分子として、下記のスチリル基を有するアミン化合物D1を、EM1とD1の重量比が40:2になるように蒸着した。この膜は、発光層として機能する。
この膜上に膜厚10nmのAlq膜を成膜した。これは、電子注入層として機能する。この後、還元性ドーパントであるLi(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層(陰極)としてAlq:Li膜(膜厚10nm)を形成した。このAlq:Li膜上に金属Alを蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
電流密度10mA/cmにおける駆動電圧と、初期輝度1000nit、室温、DC定電流駆動での発光の半減寿命を測定した結果を表1に示す。
Figure 2007194542
比較例1
正孔注入層を式(C−1)で示される化合物単独で成膜した以外は、実施例2と同様にして有機EL発光素子を形成し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007194542
本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子の構成材料、特に、正孔輸送層、正孔注入層の材料として好適である。また、電子写真感光体の電荷輸送材料としても用いることができる。
本発明の有機EL素子は、平面発光体やディスプレイのバックライト等の光源、携帯電話、PDA、カーナビゲーション、車のインパネ等の表示部、照明等に好適に使用できる。
本発明の有機EL素子の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 有機EL素子
10 陽極
20 正孔注入層
30 正孔輸送層
40 発光層
50 電子輸送層
60 陰極

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
    Figure 2007194542
    (式中、Rは、ハロゲン、フルオロアルキル基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であり、R〜Rは、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基又は複素環である。また、RとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよい。mは、0〜4の整数を示し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよい。)
  2. 陽極と陰極と、
    前記陽極と陰極の間に、発光層を含む一層又は複数層の有機薄膜層を有し、
    前記有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機薄膜層が、陽極側から正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの順に含む積層体である請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記正孔輸送層が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記有機薄膜層が、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層をこの順に含む積層体であり、
    前記正孔注入層が前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する正孔輸送層又は正孔注入層が、さらに下記式(2)で表されるフェニレンジアミン化合物を含有する請求項4又は5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2007194542
    (式中、R〜R11は、水素、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基又は複素環である。これらは結合するフェニル基とともに、ナフタレン骨格、カルバゾール骨格又はフルオレン骨格を形成してもよい。nは1又は2である。)
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