JP2007193131A - 光学部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学薄膜の内部応力のために基板が歪んだり膜剥がれが発生する等のトラブルを効果的に回避できる光学部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板1の成膜面の反対側面に、光学薄膜3を単独で基板1に形成した場合に基板1に生ずる反りとは逆の方向に反りを与える反り付与層2を予め形成する工程と、反り付与層2の形成後に基板1の成膜面に光学薄膜3を形成する工程と、光学薄膜3の形成後に反り付与層2を除去する工程とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学多層膜を有する光学部品の製造方法に関する。
一般に、反射防止膜、ハーフミラー、ローパスフィルタ 等、電子機器装置に多用される光学多層膜フィルタは、基板上に真空蒸着やスパッタリング等によって成膜された多層の薄膜から構成される。
真空蒸着やスパッタリング等では、加熱状態で膜堆積を行い、その後冷却するという温度変化の大きな工程を繰り返して多層の薄膜を形成する。その場合、薄膜を構成する素材と基板とでは熱膨張率(熱収縮率)が異なるため、薄膜内部に応力が発生する。また、薄膜が凝固するときの体積変化に起因する応力も発生する。この応力を内部応力というが、薄膜が多層になると、各々の内部応力が加算され、全体として極めて大きな応力となり、基板を変形させることがある。
基板が変形すると、電子機器の光学性能に悪影響を及ぼすだけでなく、薄膜全体あるいはその一部分が剥がれる等のトラブルも発生しやすくなる。
これを防ぐために、従来、基板の両面に薄膜を形成することにより、その内部応力によって基板に作用する力を釣り合わせる方法(例えば、特許文献1)、薄膜の内部応力によって発生する基板の歪と逆向きで同じ大きさの歪を予め基板に与えておく方法(例えば、特許文献2)、あるいは、内部応力が圧縮応力である薄膜と内部応力が引張応力である薄膜とを組み合わせて多層膜全体の内部応力を低減する方法(例えば、特許文献3)、さらには、薄膜と基板の間に薄膜の内部応力を打ち消すような層を設ける方法(例えば、特許文献4)が開示されている。
特開昭58−217901号公報 特開昭62−249105号公報 特開2003−29024号公報 特開平8−262224号公報
しかしながら、特許文献1のように、基板の両面に成膜する方法では、基板の両面とも光学特性を満足するように精度良く薄膜を形成することが困難である。例えば、そのような方法では、反り防止用として光学的性能を損ねる特性の薄膜は使用できない。もちろん、基板に薄膜を残せない場合には適用できない。また、特許文献2のように、基板に予め歪を与えておく方法では、基板を変形させる工程が付加されるだけでなく、応力のバランスをとることが困難であり、生産性の低下を招いてしまう。しかも、基板をどのように変形させるのかについて具体的な方法の記述がない。図面からは、研磨やプレス加工により変形させるようであるが、このような曲面加工を精度良く行うことは煩雑であり、極めてコストがかかる。また、特許文献3のように、圧縮応力を内部応力とする薄膜と引張応力を内部応力とする薄膜を組み合わせて多層膜を製作する方法や、特許文献4のように、薄膜と基板との間に薄膜の内部応力を打ち消すような層を設ける方法は、多層膜全体の内部応力が低減されるために基板の表面を歪ませるおそれはないが、光学的特性を満足させながら、応力が釣り合うように各層の材料と、膜厚を選択するのが困難であることと、引張応力を内部応力とする薄膜と圧縮応力を内部応力とする薄膜とが接する部分において、その応力差のために膜が剥がれやすいという問題がある。
そこで、本発明は、薄膜の内部応力のために基板が歪んだり膜剥がれが発生する等のトラブルを効果的に回避できる光学部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に光学薄膜を形成する光学部品の製造方法であって、前記基板の成膜面の反対側面に、前記光学薄膜を単独で前記基板に形成した場合に前記基板に生ずる反りとは逆の方向に反りを与える反り付与層を予め形成する反り付与層形成工程と、前記反り付与層形成工程後に前記基板の成膜面に前記光学薄膜を形成する光学薄膜形成工程と、 前記光学薄膜形成工程後に前記反り付与層を前記基板から除去する除去工程とを備えることを特徴とする。
ここで、反り付与層としては、基板上に形成されて基板に反りを与えることができ、かつ基板から除去できるものであればその材質や形成方法は特に制限されない。例えば、金属の薄膜を適当な接着剤で貼り付けたり、あるいは、蒸着やスパッタリングで金属や金属酸化物などを形成してもよい。
本発明の光学部品の製造方法によれば、光学薄膜に起因して基板に生ずる反りとは逆の方向に反りを与え、かつ除去可能な反り付与層を予め基板の成膜面の反対側(以下、「裏面」ともいう)に成膜する。そして、光学薄膜を基板に形成した後に裏面の反り付与層を除去すると、反り付与層が光学薄膜とは逆方向に反り(変位)を与えていた割合だけ応力が緩和され、光学薄膜により生じた応力により基板が変形するため、この反り戻しにより結果的に基板の反りを少なくすることが可能となる。しかも、反り防止層は除去されるため、その光学特性(透明性等)が問題とされることもない。特に、光学薄膜形成面の反対側を研磨して、基板の軽量化を図ろうとする場合においても有効である。
一般に、光学薄膜形成時に基板の温度を上昇させた方が強固で良好な膜を得られるため、形成される光学薄膜が圧縮応力を発現する場合、すなわち光学薄膜面が凸状に変形する場合は、反り付与層として基板より線膨張係数の大きい材料を選び、光学薄膜成膜時の温度より低い温度で形成することが好ましい。例えば、反り付与層を蒸着やスパッタリングで形成する場合は、凝固時に発生する内部応力も圧縮応力となるように反り付与層形成条件を選択することが望ましい。具体的にはイオンやプラズマを作用させ反り付与層の充填密度を上げるような条件を選ぶことがよい。
また、光学薄膜が引張応力を発現する場合、すなわち光学薄膜面が凹状に変形する場合は、反り付与層として基板より線膨張係数の小さい材料を選び、光学薄膜形成時の温度より低い温度で形成することが望ましい。例えば、反り付与層を蒸着やスパッタリングで形成する場合は、凝固時に発生する内部応力も引張応力となるように選択するとよい。
なお、反り付与層としては、基板との乖離が容易な下地層と、反り応力を生じる応力層との2層構造としてもよい。
本発明では、前記光学薄膜の形成が蒸着またはスパッタリングによるものであることが好ましい。
この発明によれば、光学薄膜の形成が蒸着またはスパッタリングによるものであるので、光学薄膜と基板との線膨張係数の違いにより生ずる熱応力と、光学薄膜の凝固時の体積変化により生ずる内部応力(大きさ、向きは様々)とから基板の反りの程度を容易に推定することができ、反り付与層の形成条件に反映させることが容易となる。ここで、熱応力は、具体的には、光学薄膜形成時と常温との温度差、基板と光学薄膜の線膨張係数の差、基板と光学薄膜各々の弾性率及びポアソン比から決定される。
なお、反り付与層の材質として、形成時の温度において剥離や破壊の生じない耐熱性と、線膨張により基板に反りを生じさせることが可能な柔軟性を有することが好ましい。
本発明では、前記反り付与層形成工程では、前記反り付与層が金属薄膜または高分子薄膜から形成され、前記反り付与層が接着剤により前記基板に接着されることが好ましい。
この発明によれば、反り付与層の材料として、接着剤により貼り付けることができる種々の物質を選択することが可能となる。例えば、金属薄膜を構成する素材としては、金属箔が用いられ、金属箔としては、アルミニウム、亜鉛、クロム、すず、ステンレス鋼、チタン、銅、あるいはニッケル等の極薄の箔が適用可能である。金属箔以外は、例えば、ポリカーボネートやポリエステルなどの高分子系薄膜も適用可能である。こららは、基板に反りを生じさせることが可能な柔軟性を有するため、適宜に基材へ反りを与えることができる。さらに接着剤で貼り付けた反り付与層は容易に剥がすことも可能となるため、利便性に優れる。例えば、水溶性の接着剤であれば水で容易に反り付与層を剥がすことができる。また、有機溶剤可溶な接着剤であればそのような有機溶剤により容易に反り付与層を剥がすことができる。
本発明では、前記反り付与層の除去を研削、研磨、あるいは洗浄により行うことが好ましい。
この発明によれば、反り付与層を研削、研磨により物理的に除去したり、あるいは洗浄により化学的に除去するので反り付与層の除去が効率的である。洗浄としては、酸洗浄、アルカリ洗浄あるいは有機溶剤による洗浄が好適である。
本発明では、前記反り付与層に基づく反り量dと、前記光学薄膜を単独で基板に形成した場合の反り量dとの比が下記式(1)の反り量比Rで示され、前記反り量比Rが2〜10であることが好ましい。
R=d/d (1)
[ここで、Rは、弧状に反った前記基板の凸部を上にして平坦な床面に置いた場合の床面から前記基板凹部頂点までの距離を反り量としたときに、前記反り付与層に基づく反り量dと、前記光学薄膜を単独で基板に形成した場合の反り量dとの比である。反り量の測定は、いずれも前記光学薄膜形成時の温度下で行う。]
この発明によれば、反り量比Rが2〜10と特定の範囲にあるので、光学薄膜の反対側から基板に反りを与えていた反り防止層が除去されると、光学薄膜による反りの影響が強くなり、基板が効果的に平面に近づくことができる。ここで、反り量比Rは、2〜5であることがより好ましい。Rが2より小さいと、反り付与層の効果が十分ではなく、一方、Rが10を越えると反り付与層の効果が大きすぎてしまい、反り付与層除去後に基板が平面となりにくくなる。
本発明では、該光学部品が光学多層膜フィルタであることが好ましい。
この発明によれば、光学部品が、反りの少ない基板からなる光学多層膜フィルタであるので、例えば、従来の光学多層膜フィルタに比較して反り幅の少ない、UV−IRカットフィルタ(Ultraviolet-Infrared cut filter)やIRカットフィルタ(Infrared cut filter)として好適に使用することができる。
本発明では、前記基板が、ガラス板または水晶板であることが好ましい。
この発明によれば、基板がガラス板で構成されることにより、反りの少ない例えばCCD(電荷結合素子)などの映像素子の防塵ガラスとして、しかも所望のフィルタ機能を一体的に構成した、例えばUV−IRカットフィルタ及びIRカットフィルタ機能を含む光学多層膜フィルタを得ることができる。また、前記基板が水晶板板で構成されることにより、反りの少ない例えば光学ローパスフィルタとして、しかも所望のフィルタ機能を一体的に構成した、例えばUV−IRカットフィルタ及びIRカットフィルタ機能を含む光学多層膜フィルタを得ることができる。
このような光学多層膜フィルタを組み込んだ電子機器装置によれば、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの映像装置や、いわゆるカメラ付携帯電話、いわゆるカメラ付携帯型パソコン(パーソナルコンピュータ)などとして有効に活用できる。
本発明は、基板上に光学薄膜を形成する光学部品の製造方法であって、基板の成膜面の反対側に、光学薄膜を単独で基板に形成した場合に基板に生ずる反りとは逆の方向に反りを与える反り付与層を予め形成する反り付与層形成工程と、基板に光学薄膜を形成する光学薄膜形成工程と、前記光学薄膜の形成後に前記反り付与層を除去する除去工程とを備えることを特徴とするが、以下に、図面を参照しつつ一実施形態を詳細に説明する。
[反り付与層形成工程]
図1は、基板1に反り付与層2を形成した多層膜の概略断面図である。
基板1としては、ガラス基板、水晶基板などいずれの基板も用いられる。反り付与層2としては、基板1の上に形成されて基板1に反りを与えることができ、かつ基板から除去できるものであればその材質や形成法は特に制限されない。
図1に示すように、平滑であった基板1に反り付与層2を形成し、所定の温度に加熱すると、基板1と反り付与層2の熱膨張係数の差により、基板1にはdで示す反り量を付与できる。具体的には、弧状に反った基板1を、凸部を上にして平坦な床面に置いた場合の床面から基板凹部頂点までの距離が、反り付与層2に基づく反り量dである。この反り量は、例えば、高精度フラットネステスタFT−900(株式会社ニデック製)により測定できる。
この反り付与層2は、基板1から除去された後も基板1に対して恒久的な歪み(反り)を残留させる働きをするものである。
反り付与層2の材質としては、形成時の温度において剥離や破壊の生じない耐熱性と、線膨張により基板1に反りを生じさせることが可能な柔軟性を有することが好ましい。
例えば、反り付与層2として用いるには、金属の薄膜や高分子の薄膜を適当な接着剤で貼り付ければよい。例えば、金属箔としてアルミニウム、亜鉛、クロム、すず、ステンレス鋼、チタン、銅、あるいはニッケル等の極薄の箔が適用可能である。高分子の薄膜としては、例えば、ポリカーボネートやポリエステルなどの薄膜が適用可能である。接着剤としては耐熱性に優れていることが好ましく、エポキシ系やポリイミド系の接着剤が好適に使用可能である。また、反り付与層2としては、蒸着やスパッタリングで金属や金属酸化物などを形成してもよい。
[光学薄膜形成工程]
図2は、基板1に単独で光学薄膜3を形成した場合の多層膜の概略断面図である。このような多層膜は、例えば、光学多層膜フィルタを目的にしたものであれば、イオンプレーティング法やイオンアシスト法により、高屈折率材料層の材料としてTiO、Ta5、Nbなどを用い、低屈折率材料層の材料としてSiO、MgFなどを用いて交互に積層することで形成することができる。
図2に示すように、基板1には、光学薄膜形成時の温度で反り量dで示される反りが認められる。
ここで、下記式(1)で示される反り量比Rが2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
R=d/d (1)
Rが2より小さいと、反り付与層2の効果が十分ではなく、逆にRが10を越えると、反り付与層2の効果が強すぎて、いずれにしても、後述する反り付与層2除去後に基板1が平面となりにくくなる。
図3は、基板1に反り付与層2を形成した後に、反対側に光学薄膜3を形成した多層膜の概略断面図である。図3に示すように、光学薄膜3の影響で、基板1の反りはいくぶん減少しているが依然として、反り付与層2の与える反り影響が大きく、基板1には未だに反りが残っている。
[反り付与層の除去工程]
図4は、図3の多層膜から反り付与層2を除去した後の基板1と光学薄膜3からなる光学多層膜10の概略断面図である。
反り付与層2の除去方法は、前記したような反り付与層2の材質に応じて適宜採用すればよい。例えば、接着剤で貼り付けた反り付与層2は有機溶剤で剥がすかあるいは、酸で洗浄してもよい。
前記したような実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)光学薄膜3に起因して基板1に生ずる反りとは逆の方向に反りを与え、かつ除去可能な反り付与層2を予め基板1の裏面に成膜し、その後に裏面の反り付与層2を除去するので、反り付与層2が光学薄膜3とは逆方向に変位を与えていた割合だけ応力が緩和され、光学薄膜3により生じた応力により基板が変形するため、この反り戻しにより結果的に基板1の反りが少なくなる。その結果、図4に示すような反りの少ない多層膜10が得られる。この多層膜10は、例えば、図5に示すように、光学歪みの少ない光学多層膜フィルタ10を備えた電子機器装置400として利用することができる。
(2)反り付与層2は、最終的に除去されるため、その光学特性(透明性等)が問題とされることもない。それ故、熱膨張係数を勘案して金属箔や高分子フィルムなど等様々な種類の材料の中から選定できるので材料選定の自由度が高い。
(3)反り付与層2を接着剤により基板1に貼り付けたものは、容易に剥がすことが可能となるため、利便性に優れる。例えば、水溶性の接着剤であれば水で容易に反り付与層を剥がすことができる。また、有機溶剤可溶な接着剤であればそのような有機溶剤により容易に反り付与層2を剥がすことができる。
(4)また、反り防止層2が除去されるため、除去後の面を研磨して、基板の軽量化を図ろうとする場合においても有効である。
(5)反り付与層2に基づく反り量dと、光学薄膜3を単独で基板に形成した場合の反り量dとの比である反り量比Rが2〜10と特定の範囲にあると、光学薄膜3の反対側から基板1に反りを与えていた反り防止層2が除去されたときに、光学薄膜3による反りの影響が強くなり、基板1が効果的に平面に近づくことができる。このようなパラメータを用いることにより、反り防止層2の設計を定量的に行うことができる。
以下、本発明を実施例及び図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によって何等限定されるものではない。なお、各実施例とも、実施形態と同様の構造・機能を有するものは同じ符号を付けて説明する。
〔実施例1〕
本実施例は、可視波長域を通過し、所定波長以下の紫外波長域と所定波長以上の赤外波長域での光の吸収が少ない良好な反射特性を有する光学多層膜フィルタ(UV−IRカットフィルタ)の製造に適用した一例である。
(反り付与層2の形成)
基板1の材料として直径30mmの白板ガラス(n=1.52、厚み:0.7mm)を用い、後述する光学薄膜3を形成する面の反対側(裏面)に以下のようにして反り付与層2を形成した。
市販のアルミニウム箔(厚み:0.1mm)を、25℃で基板1の裏面にエポキシ系接着剤(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ製Araldite rapid)を用い強固に接着した。このエポキシ系接着剤は、接着時の収縮が少なく耐熱性のあるものである。
裏面にこのアルミニウム箔を貼った基板1を150℃に加熱するとアルミニウム箔面が凸状となるように基板1が反り、反り量dは45μmとなった。
なお、後述する光学薄膜の形成を単独で(反り付与層を形成せず)行った場合に、同じ温度で生ずる反り量dは9μmであり、反り量比Rは5である。
(光学薄膜3の形成)
次に、反り付与層を形成した基板の反対側に光学薄膜(多層膜)を形成した。使用した多層膜の各層の材料は、高屈折率層(H)がTa2O5、低屈折率層(L)がSiO2である。これら以外にも高屈折率層(H)としてTaO2、Nb2O5、低屈折率層(L)としてMgF2など一般に用いられる蒸着材料も使用できる。
高屈折率層(H)の膜厚を光学膜厚nd=1/4λの値を1Hとして標記し、膜厚構成は設計波長λが755nm、基板1側から1.14H、1.09L、1.03H、1.01L、(0.99H、0.99L)6、1.02H、1.08L、1.31H、0.18L、1.37H、1.24L、1.27H、1.28L、(1.28H、1.28L)6、1.26H、1.28L、1.25H、0.63Lの40層とした。総膜厚(物理膜厚)は4.6μmであった。成膜方法として、通常のイオンプレーティング法を用いて行った。
この成膜により、SiO2(強い圧縮応力)/TiO2(弱い圧縮応力)は、光学薄膜(光学多層膜)3側を凸状とするべく、反り付与層2による反りを押し戻すような力を基板1に与えるが、反り付与層2による応力が勝っているため、結果的に反り量は30μmに減少しただけである。
(反り付与層2の除去)
反り付与層2及び光学薄膜3を形成した基板1を室温に戻し、溶剤(アセトン)に100時間浸漬してアルミニウム箔と接着剤を除去した。
その結果、反り付与層2除去後の最終的な基板1(光学多層膜フィルタ10)の反り量は常温(25℃)で1.1μmと非常に小さな値を示した。
〔実施例2〕
実施例2では、反り付与層2用の接着剤を、硬化温度は150℃と高いが耐熱性に優れた無機シリカ系接着剤(東亜合成製 アロンセラミックC)に代え、光学薄膜3の成膜温度を300℃とした点、及び接着剤の除去方法を代えた点のみが実施例1と異なる。ちなみに、裏面にアルミニウム箔を貼った基板1は、300℃における反り量dが60μmであった。なお、300℃におけるdは12であり、反り量比Rは5であった。
アルミニウム箔と接着剤の除去は、硫酸に20時間浸漬することで行った。反り付与層除去後の最終的な基板1(光学多層膜フィルタ10)の反り量は常温(25℃)で0.8μmと非常に小さな値を示した。
実施例1、2においては、基板1として白板ガラスを用いて説明したが、これに限定せず、BK7、サファイアガラス、ホウケイ酸ガラス、青板ガラス、SF3、及びSF7等の透明基板であってもよいし、一般に市販されている光学ガラスも使用できる。あるいは、水晶基板を用いてもよい。
高屈折率材料層の材料としてTiOを用いた場合で説明したが、Ta5、Nbを適用することもできる。また、低屈折率材料層の材料としてSiOを用いた場合で説明したが、MgFを適用することもできる。
光学薄膜3の成膜は、イオンプレーティング法で説明したが、イオンアシスト法であっても良い。
〔実施例3〕
以下に、実施例1の光学多層膜フィルタ10を含んで構成される電子機器装置について説明する。本実施例は、電子機器装置として、例えば、静止画の撮影を行うデジタルスチルカメラの撮像装置に適用した一実施例である。
図5は、本発明の電子機器装置の一構成例を示す説明図であり、撮像モジュールと、この撮像モジュールを含む撮像装置の構成例を示す。
図5に示す撮像モジュール100は、光学多層膜フィルタ10と、光学ローパスフィルタ110と、光学像を電気的に変換する撮像素子のCCD(電荷結合素子)120と、この撮像素子120を駆動する駆動部130を含んで構成されている。
光学多層膜フィルタ10は、本発明の実施例1において説明したように、ガラス基板1と光学薄膜2により構成され、IRカットフィルタ機能を有する。この光学多層膜フィルタ10は、前記したCCD120の前面に、CCD120と貼り合わされて一体的に構成され、CCD120の防塵ガラス機能を併せて有している。
この撮像モジュール100と、光入射側に配置されるレンズ200と、撮像モジュール100から出力される撮像信号の記録・再生等を行う本体部300とを含んで、撮像装置400を構成することができる。なお、図示しないが、本体部300は、撮像信号の補正等を行う信号処理部と、撮像信号を磁気テープ等の記録媒体に記録する記録部と、この撮像信号を再生する再生部と、再生された映像を表示する表示部などの構成要素が含まれる。
このように構成されたデジタルスチルカメラは、CCD120と防塵ガラス機能とIRカットフィルタ機能とを一体的に備えた光学多層膜フィルタ10の搭載により、貼り合わせ精度のよい、良好な光学特性のデジタルスチルカメラを提供することができる。
なお、実施例の撮像モジュール100は、レンズ200を分離して配置した構造で説明したが、レンズ200も含めて撮像モジュールが構成されていてもよい。
本発明の光学部品の製造方法は、基板の反りが少ない光学多層膜フィルタ等の製造方法として、電子機器装置の分野で好適に利用することができる。
本実施形態に係る多層膜(基板と光学薄膜)の構成を示す概略断面図。 前記実施形態における多層膜(基板及び反り付与層)の構成を示す概略断面図。 前記実施形態における多層膜(基板、光学薄膜及び反り付与層)の構成を示す概略断面図。 前記実施形態における光学多層膜の構成を示す概略断面図。 本実施形態における電子機器装置(撮像装置)の概略を示すブロック図。
符号の説明
1…基板(ガラス基板)、2…反り付与層、3…光学薄膜、10…光学多層膜(光学多層膜フィルタ)、100…撮像モジュール、110…光学ローパスフィルタ、120…撮像素子、130…駆動部、200…レンズ、300…本体部、400…電子機器装置(撮像装置)

Claims (6)

  1. 基板上に光学薄膜を形成する光学部品の製造方法であって、
    前記基板の成膜面の反対側面に、前記光学薄膜を単独で前記基板に形成した場合に前記基板に生ずる反りとは逆の方向に反りを与える反り付与層を予め形成する反り付与層形成工程と、
    前記反り付与層形成工程後に前記基板の成膜面に前記光学薄膜を形成する光学薄膜形成工程と、
    前記光学薄膜形成工程後に前記反り付与層を前記基板から除去する除去工程とを備えることを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学部品の製造方法において、
    前記光学薄膜の形成が蒸着またはスパッタリングによるものであることを特徴とする光学部品の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学部品の製造方法において、
    前記反り付与層形成工程では、前記反り付与層が金属薄膜または高分子薄膜から形成され、前記反り付与層が接着剤により前記基板に接着されることを特徴とする光学部品の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記反り付与層の除去を研削、研磨、あるいは洗浄により行うことを特徴とする光学部品の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記反り付与層に基づく反り量dと、前記光学薄膜を単独で基板に形成した場合の反り量dとの比が下記式(1)の反り量比Rで示され、前記反り量比Rが2〜10であることを特徴とする光学部品の製造方法。
    R=d/d (1)
    [ここで、Rは、弧状に反った前記基板の凸部を上にして平坦な床面に置いた場合の床面から前記基板凹部頂点までの距離を反り量としたときに、前記反り付与層に基づく反り量dと、前記光学薄膜を単独で基板に形成した場合の反り量dとの比である。反り量の測定は、いずれも前記光学薄膜形成時の温度下で行う。]
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    該光学部品が光学多層膜フィルタであることを特徴とする光学部品の製造方法。
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