JP2007192845A - 眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させること。
【解決手段】所定の曲率で形成された曲面を有する凸状の凸面11と、この凸面の反対側に位置し、当該凸面の曲率とは異なる曲率で形成された曲面を有する凹状の凹面12と、上記凹面の周縁に位置し、この凹面の周縁の仮想曲面14よりも凸面側に形成された周縁部13とを備えた眼鏡レンズ1であって、上記周縁部13の曲面は、当該周縁部に連設する凹面12と反対側の凸面11の曲率と同一の曲率に形成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法に係り、特に、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させることができる眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
近視用の眼鏡レンズについて、図6を参照して説明する。図6(A)は、従来の近視用の眼鏡レンズ50を直径に沿って切断して示す断面図であり、図6(B)は、従来の上記眼鏡レンズ50と同じ材質で形成されると共に、上記眼鏡レンズ50よりも屈折度数が大きな眼鏡レンズ51を直径に沿って切断して示す断面図である。なお、眼鏡レンズ50、51を図6中の矢印F方向から見た場合の形状は円形状である。また、以下、眼鏡レンズ一般における側面の厚さを「こば厚」と称する。
図6(A)に示すように、眼鏡レンズ50は、所定の曲率で形成された凸状の曲面を有する凸面61と、この凸面61の反対側に位置し、当該凸面61の曲率よりも大きな曲率で形成された凹状の曲面を有する凹面62とを備えている。このようなメニスカス形状の眼鏡レンズ50の屈折度数(屈折力)は、凸面61の面屈折力と凹面62の面屈折力との和で表され、これらの凸面61、凹62の面屈折力Pは、
=(n−1)/R=(n−1)×C
で表される。ここに、nは眼鏡レンズ50の屈折率であり、Rは凸面61、凹面62のそれぞれの曲率半径を代表して示し、Cは凸面61、凹面62のそれぞれの曲率を代表して示す。
従って、眼鏡レンズ50の屈折度数(屈折力P)が大きくなると、凸面61、凹面62の曲率Cが大きくなる。このため、眼鏡レンズ50よりも屈折度数が大きな眼鏡レンズ51では、特に凸面61Aの曲率が凸面61の曲率よりも小さい場合に、凹面62Aの曲率は、凹面62の曲率よりもきわめて大きくなる。この結果、眼鏡レンズ51のこば厚t2は、眼鏡レンズ50のこば厚t1よりも大きくなり、従って、眼鏡レンズ51は眼鏡レンズ50よりも重くなると共に、外観が損なわれてしまう。
これに対し、実開平6−36028号公報(特許文献1)には、所定の曲率で形成された曲面を有する凸状の凸面と、この凸面の反対側に位置し、この凸面の曲率よりも大きな曲率で形成された曲面を有する凹状の凹面と、この凹面の周縁に位置し、この凹面の周縁の仮想曲面よりも凸面側(レンズ内部側)に形成された平面状の周縁部とを備えた眼鏡レンズが開示されている。この仮想曲面は、例えば、眼鏡レンズ51の凹面62Aの周縁を想定した場合の曲面であり、この仮想曲面よりも凸面側に周縁部が形成されることにより、眼鏡レンズ51よりもこば厚を小さくすることができる。
一方、眼鏡レンズ51の材質よりも屈折率の高い材質を使用することにより、眼鏡レンズ51と同じ屈折度数を有しつつ、眼鏡レンズ51のこば厚t2よりも小さなこば厚を有する眼鏡レンズを形成する技術が知られている。
実開平6−36028号公報
しかしながら、屈折率の高い材質は一般に高価であるという課題がある。これに対し、上記特許文献1に開示された眼鏡レンズは、屈折率の高い材質を使用せずにこば厚を小さくすることができる。ところが、特許文献1に記載の眼鏡レンズの周縁部は平面状に形成されているので、その周縁部にプリズム作用が生じ、被写体の位置が実際の位置からずれて見えてしまうという課題がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させることができる眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係る眼鏡レンズは、視力補正機能を備えた眼鏡レンズであって、処方度数を有するレンズ有効領域の周辺領域に、処方度数を有しない領域が設けられたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る眼鏡レンズは、所定の曲率で形成された曲面を有する凸状の凸面と、この凸面の反対側に位置し、当該凸面の曲率とは異なる曲率で形成された曲面を有する凹状の凹面と、上記凸面または上記凹面の周縁に位置し、その凸面または凹面の周縁の仮想曲面よりもレンズ内部側に形成された周縁部と、を備えた眼鏡レンズであって、上記周縁部の曲面は、当該周縁部が連設して形成された上記凸面または上記凹面に対し反対側の面の曲率と同一の曲率に形成されたものである。
請求項3に記載の発明に係る眼鏡レンズは、請求項2に記載の発明において、上記周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状は、半径1.0から2.5cmの円形状であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係る眼鏡レンズは、請求項2に記載の発明において、上記周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状は、水平方向に横長の楕円形状であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る眼鏡レンズの製造方法は、所定の曲率の曲面を有する凸状の凸面を成形すると共に、この凸面の反対側に、当該凸面の曲率とは異なる曲率の曲面を有する凹状の凹面を成形する成形工程を備えた眼鏡レンズの製造方法であって、上記成形工程の後に、上記凸面または上記凹面の周縁を切削して、この周縁が切削された面と反対側の面の曲率と同一の曲率の曲面を有する周縁部を形成する切削工程を備えることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明に係る眼鏡レンズの製造方法は、請求項5に記載の発明において、上記成形工程の後に、凹面の周縁よりも内側を掘削し、上記凹面の曲率よりも大きな曲率の曲面を形成する掘削工程を備えることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明に係る眼鏡レンズの製造方法は、請求項6に記載の発明において、上記掘削工程は、切削工程の前に行われることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明に係る眼鏡レンズの製造方法は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明において、上記切削工程は、この切削工程により形成された周縁部と、凸面、凹面又は掘削工程により掘削された曲面との継ぎ目を平滑にする平滑工程を備えることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、処方度数を有するレンズ有効領域の周辺領域に、処方度数を有しない領域が設けられたことから、この周辺領域を透過する光が屈折しないので、被写体の位置を正確に視認できると共に、周辺領域を通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
また、レンズ有効領域の周辺領域が処方度数を有しない領域とされたことから、眼鏡レンズの全面に処方度数が設けられた場合に比べ、コストを上昇させることなく、眼鏡レンズを軽量化でき、更にこば厚を小さくして眼鏡レンズの外観を向上させることができる。
請求項2に記載の眼鏡レンズによれば、凸面または凹面の周縁に位置し、その凸面または凹面の周縁の仮想曲面よりもレンズ内部側に形成された周縁部は、当該周縁部が連設して形成された上記凸面または上記凹面に対し反対側の面(周縁部が凸面に連設する場合には凹面、周縁部が凹面に連設する場合には凸面)の曲率と同一の曲率に形成されるので、その周縁部の屈折度数(屈折力)の値はゼロとなる。即ち、周縁部は、その周縁部を通過する光を屈折させることなく通過させるので、プリズム作用が発生することがない。その結果、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ周縁部を通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
また、周縁部が、凸面または凹面の周縁の仮想曲面よりもレンズ内部側に形成されるので、眼鏡レンズは、仮想曲面に沿って凸面または凹面が形成された場合の眼鏡レンズよりもこば厚を小さくでき、軽量化できると共に、外観を向上させることができる。また、屈折率の高い材質を使用せずにこば厚を小さくできるので、こば厚が同じ場合であれば、屈折率の高い材質を使用する場合よりも、眼鏡レンズを安価に製造することができる。
請求項3に記載の眼鏡レンズによれば、周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状が半径1.0から2.5cmの円形状に構成されている。ここで、人間の眼が眼鏡レンズを使用する際には、当該眼鏡レンズにおいて、人間の眼に対応するアイポイントを中心とする半径略2cmの円形状の領域が使用される。よって、凸面または凹面の外周形状が半径1.0から2.5cmの円形状とされたことから、人間の眼の視野を狭めることなく、人間の眼の視力を、所定の屈折度数を有する凸面または凹面の領域で良好に補正することができる。
請求項4に記載の眼鏡レンズによれば、周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状が、水平方向に横長の楕円形状に構成されている。ここで、人間の視野は、上下の視野よりも左右の視野の方が広い。即ち、凸面または凹面の外周の形状が水平方向に横長の楕円形状とされているので、かかる水平方向に横長の人間の視野を、所定の屈折度数を有する凸面または凹面の領域で良好に補正することができる。
請求項5に記載の眼鏡レンズの製造方法によれば、成形工程により所定の曲率の曲面を有する凸状の凸面が成形されると共に、この凸面の反対側に、当該凸面の曲率とは異なる曲率の曲面を有する凹状の凹面が成形され、その後に、切削工程により上記凸面または上記凹面の周縁が切削されて、この周縁が切削された面と反対側の面の曲率と同一の曲率の曲面を有する周縁部が成形される。よって、凸面または凹面の曲率と同一の曲率で成形される周縁部を、既成の眼鏡レンズを用いて形成することができる。
また、形成された周縁部は、当該周縁部が連設して形成された凸面または凹面に対し反対側の面(周縁部が凸面に連設する場合には凹面、周縁部が凹面に連設する場合には凸面)の曲率と同一の曲率で形成されるので、その周縁部の屈折度数がゼロとなる。即ち、周縁部は、その周縁部を通過する光を屈折させることなく通過させるので、プリズム作用が発生せず、その結果、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ周縁部を通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
また、凸面または凹面の周縁を切削して周縁部を形成するので、眼鏡レンズを薄くすることができ、その分、眼鏡レンズ自体を軽量化でき、また、こば厚が小さくなって外観を向上させることができる。更に、屈折率の高い材質を使用せずにこば厚を小さくするので、こば厚が同じ場合であれば、屈折率の高い材質を使用する場合よりも眼鏡レンズを安価に製造することができる。
請求項6に記載の眼鏡レンズの製造方法によれば、成形工程の後に、凹面の周縁よりも内側が掘削工程によって掘削され、その凹面の曲率よりも大きな曲率の曲面が形成される。よって、成形工程の後において、凹面の周縁よりも内側の屈折度数を大きくすることができ、その分、眼鏡装用者の視力に合わせて眼鏡レンズを製造することができる。
請求項7に記載の眼鏡レンズの製造方法によれば、掘削工程が切削工程の前に行われる。よって、掘削工程により掘削された曲面の形状に基づいて周縁部を形成することができるので、周縁部を形成する際の、当該周縁部の位置決めを容易に行うことができる。
請求項8に記載の眼鏡レンズの製造方法によれば、平滑工程が、切削工程により形成された周縁部と、凸面、凹面または掘削工程により掘削された曲面との継ぎ目を平滑にする。よって、切削工程により形成された周縁部と、凸面、凹面または掘削加工により掘削された曲面とを滑らかに連続させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
(A) 第1実施形態(図1、図2)
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態の眼鏡レンズ1について説明する。図1(A)は、第1実施形態の眼鏡レンズ1の正面図であり、図1(B)は、図1(A)の1B−1B線に沿う断面図である。
図1(A)に示すように、眼鏡レンズ1の平面形状は中心軸Oを中心とする円形状であり、図1(A)の手前側に後述する凸状の凸面11を備えている。なお、図1(A)中の破線Aは、後述する凹面12と周縁部13との継ぎ目、即ち、凹面12の外周を示すものである。この凹面12の外周の形状は、例えば半径2cmの円形状である。また、眼鏡レンズ1は、プラスチック材料で形成されている。
次に、図1(B)に示すように、眼鏡レンズ1は、曲率中心点Mを中心とする曲率半径Rの曲面で形成された凸状の凸面11と、この凸面11の反対側に位置し、曲率中心点Lを中心とする曲率半径rの曲面で形成された凹状の凹面12と、この凹面12に連設してその周縁に位置し、曲率中心点Hを中心とする曲率半径Rの曲面で形成された凹状の周縁部13とを備え、こば厚t3を有している。尚、曲率中心点L、M、Hは眼鏡レンズ1の中心軸O上に位置し、凹面12からは曲率中心点L、曲率中心点M、曲率中心点Hの順に遠ざかっており、曲率中心点Lが最も凹面12に近い。
一般に、曲率は曲率半径の逆数で表され、曲率半径Rは曲率半径rよりも大きいので、凸面11の曲率は凹面12の曲率よりも小さくなる。この凸面11の曲率により規定される凸面11の面屈折力と、凹面12の曲率により規定される凹面12の面屈折力との和によって、凹面12の領域に所定の屈折度数(処方度数)が設定される。従って、この凹面12の領域が処方度数を有するレンズ有効領域となる。
上記周縁部13は、曲率半径Rの曲面で形成されており、周縁部13が連設して形成される凹面12に対し反対側の凸面11の曲率に等しい。この周縁部13は、凹面12の周縁の仮想曲面14よりもレンズ内部側、つまり凸面11側に形成されている。この仮想曲面14とは、凹面12の周縁(継ぎ目A)よりも半径方向外側において想定された、曲率中心点Lを中心とする曲率半径rの曲面である。よって、周縁部13は、凸面11の曲率と同一の曲率で形成されるので、その屈折度数の値がゼロとなり、当該周縁部13を通過する光を屈折させることなく通過させる屈折度数のない領域となる。
また、周縁部13が仮想曲面14よりも凸面11側に形成されているので、眼鏡レンズ1のこば厚t3を、屈折率の高い材質を使用せずに、仮想曲面14に沿って凹面12が形成された場合のこば厚t4よりも小さくすることができる。即ち、第1実施形態の眼鏡レンズ1によれば、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ周縁部13を通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
また、人間の眼が眼鏡レンズ1を使用する際には、当該眼鏡レンズ1において、人間の眼に対応するアイポイントを中心とする半径略2cmの円形状の領域が使用される。よって、凹面12の外周の形状が例えば半径2cmの円形状で構成されているので、人間の眼の視野を狭めることなく、人間の眼の視力を所定の屈折度数を有する凹面12の領域で良好に補正することができる。
次に、図2を参照して、眼鏡レンズ1の製造方法について説明する。
図2は、図1(B)に対応し、図1の眼鏡レンズ1の製造方法を説明するための製造工程を順次示す眼鏡レンズの断面図である。
まず、図2(A)に示すように、曲率中心点Mを中心とする曲率半径Rの曲面で形成された凸状の凸面11と、この凸面11の反対側に位置し、曲率中心点Lを中心とする曲率半径rの曲面で形成された凹面12Aとを備え、こば厚t4を有する既成の眼鏡レンズ21を用意する。なお、この凹面12Aの形状は、図1(B)で示した凹面12と仮想曲面14とが連続している場合の形状に一致する。また、眼鏡レンズ21は、例えば、型成形、または円筒状のプラスチック材料を研磨することにより成形されたものである。
次に、図2(B)及び(C)に示すように、レンズ加工機(図示せず)を用いて曲面12Aの周縁を切削し、周縁部13を形成していく。このとき、かかるレンズ加工機により、凹面12Aと周縁部13との継ぎ目Aを平滑にしつつ周縁部13を形成する。この周縁部13は、曲率中心点Hを中心とする曲率半径Rの曲面に形成される。
その結果、図2(C)に示すように、上記凸面11、凹面12、及び周縁部13を備え、こば厚t3(t3<t4)を有する眼鏡レンズ1を形成することができる。なお、その後、凸面11、凹面12、及び周縁部13の表面にコーティング塗料(例えば、コロイド充填物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、または酸化アンチモンなどの無機酸化物)がコーティングされる。
よって、眼鏡レンズ1は、凸面11の曲率と同一の曲率で形成される周縁部13を、既成の眼鏡レンズ21を用いて形成することができる。また、形成された凹面12と周縁部13との継ぎ目Aを平滑にするので、これらの凹面12と周縁部13とを滑らかに連続させることができる。更に、凸面11、凹面12、及び周縁部13の表面がコーティング塗料によりコーティングされるので、コーティングされた部分に傷または汚れが発生することを防止できる。
(B) 第2実施形態(図3)
次に、図3を参照して、第2実施形態の眼鏡レンズ1Aの製造方法について説明する。図3は、図1(B)に対応し、第2実施形態の眼鏡レンズ1Aの製造方法を説明するための製造工程を順次示す眼鏡レンズの断面図である。
前記第1実施形態の眼鏡レンズ1の製造方法は凹面12Aの周縁のみを切削する方法であったが、第2実施形態の眼鏡レンズ1Aの製造方法は、凹面12Aの周縁よりも内側を掘削する点が異なる。これにより、眼鏡装用者の視力に合わせて眼鏡レンズを製造することができる。なお、第2実施形態の眼鏡レンズ1Aの製造方法において、前記第1実施形態の眼鏡レンズ1の製造方法と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
まず、図3(A)に示すように、前述の既成の眼鏡レンズ21(図2(A))を用意する。次に、図3(B)に示すように、レンズ加工機で凹面12Aの周縁よりも内側を掘削し、曲率中心点Pを中心とする曲率半径rAの曲面で形成された凹状の凹面12Bを形成する。この曲率中心点Pは眼鏡レンズ21の中心軸O上に位置し、曲率中心点Pの凹面12Bからの距離は曲率中心点Lよりも小さい。また、曲率半径rAは曲率半径rよりも小さく、凹面12Bの曲率は凹面12Aの曲率よりも大きい。
図3(C)及び(D)に示すように、凹面12Bの形成後、この凹面12Bの外周に基づいてレンズ加工機で凹面12Bの周縁を切削し、曲率中心点Hを中心とする曲率半径Rの曲面を有する凹状の周縁部13Aを、凹面12Bに連設して形成していく。尚、このとき、凹面12Bと周縁部13Aとの継ぎ目Aを平滑にしつつ、周縁部13Aを形成する。
その結果、図3(D)に示すように、上記凸面11、凹面12B及び周縁部13Aを備え、こば厚t5を有する眼鏡レンズ1Aを形成することができる。その後、凸面11、凹面12B及び周縁部13Aの表面にコーティング塗料をコーティングする。
よって、眼鏡レンズ1Aの製造方法において、凹面12Bの屈折度数を凹面12Aの屈折度数よりも大きくできるので、眼鏡装用者の視力に合わせて眼鏡レンズを製造することができる。また、形成された凹面12Bの形状に基づいて周縁部13Aを形成するので、周縁部13Aを形成する際の位置決めを容易に行うことができる。また、製造された眼鏡レンズ1Aにおいて、周縁部13Aが凸面11の曲率と同一の曲率で形成されるので、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ周縁部13Aを通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
(C) 第3実施形態(図4)
次に、図4を参照して、第3実施形態の眼鏡レンズ1Bについて説明する。図4(A)は、第3実施形態の眼鏡レンズ1Bの正面図であり、図4(B)は、図4(A)のIVB-IVB線に沿う断面図である。
前記第1実施形態の眼鏡レンズ1の凹面12、及び第2実施形態の眼鏡レンズ1Aの凹面12Bの外周の形状は円形状に構成されていたが、第3実施形態の眼鏡レンズ1Bの凹面12Cの外周の形状は、水平方向に横長の楕円形状に構成されている点が異なる。これにより、水平方向に横長の人間の眼の視野を狭めることなく、その視力を、所定の屈折度数(処方度数)を有する凹面12Cの領域で補うことができる。なお、第3実施形態の眼鏡レンズ1Bにおいて、第1実施形態の眼鏡レンズ1及び策2実施形態の眼鏡レンズ1Aと同様な構成は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図4(A)に示すように、眼鏡レンズ1Bの平面形状は中心軸Oを中心とする円形状であり、図4(A)の手前側に凸面11を備えている。尚、図4(A)中の楕円形状の破線Bは、第1実施形態の凹面12と同一の曲率の曲面を有する凹面12Cの外周を示している。この凹面12Cの外周の形状は、例えば、水平方向(長軸)の長さが4cmで、上下方向(短軸)の長さが2.5cmの水平方向に横長の楕円形状である。
また、図4(B)に示すように、眼鏡レンズ1Bは、凸面11と、この凸面11の反対側に位置し、曲率中心点Lを中心とする曲率半径rの曲面で形成された凹状の凹面12Cと、この凹面12Cに連設してその周縁に位置し、曲率中心点Hを中心とする曲率半径Rの曲面で形成された周縁部13Bとを備え、こば厚t3を有している。
ここで、人間の眼の視野は、上下の視野よりも左右の視野の方が広い。本第3実施形態では、凹面12Cの外周形状が水平方向に横長の楕円形状とされているので、かかる水平方向に横長の人間の眼の視野を狭めることなく、その視力を、所定の屈折度数を有する凹面12Cの領域で良好に補正することができる。
また、第3実施形態の眼鏡レンズ1Bにおいても、周縁部13Bが凸面11の曲率と同一の曲率で形成されるので、周縁部13を通過する光を屈折させることなく通過させることができる。更に、周縁部13Bが仮想曲面14よりも凸面11側に形成されているので、眼鏡レンズ1Bのこば厚t3を、屈折率の高い材質を使用せずに、仮想曲面14に沿って凹面12Cが形成された場合のこば厚t4よりも小さくすることができる。このように、この第3実施形態の眼鏡レンズ1Bにおいても、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ周縁部13Bを通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減できる。
尚、上述の各実施形態において、請求項に記載の成形工程としては、形成型、または、円筒状のプラスチック材料を研磨して眼鏡レンズ21を成形する工程が該当する。また、切削工程としては、レンズ加工機で凹面12Aの周縁を切削して周縁部13を形成する工程、凹面12Bの周縁を切削して周縁部13Aを形成する工程、及び凹面12Cの周縁を切削して周縁部13Bを形成する工程が該当する。また、掘削工程としては、レンズ加工機で凹面12Aの周縁よりも内側を掘削する工程が該当する。更に、平滑工程としては、周縁部13と凹面12との継ぎ目Aを平滑にする工程、周縁部13Aと凹面12Bとの継ぎ目Aを平滑にする工程、及び周縁部13Bと凹面12Cとの継ぎ目Bを平滑にする工程が該当する。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第1及び第2実施形態における凹面12、12Bの外周形状は、半径2cmの円形状の場合を述べたが、半径を1.5〜2.5cmの範囲の値とした円形状としても良い。かかる場合においても、人間の眼の視野を狭めることなく人間の眼の視力を、所定の屈折度数を有する凹面12の領域で良好に補正することができる。
また、図3に示した眼鏡レンズ1Aの製造方法において、凹面12Bを形成した後に周縁部13Aを形成するものを述べたが、周縁部13Aを形成した後に凹面12Bを形成しても良い。かかる場合においても、軽量化及び外観の向上を安価に行いつつ、被写体の位置を正確に視認させること等を実現できる。
更に、上記第1〜第3実施形態においては、凹面12、12B、12Cの周縁に屈折度数のない周縁部13、13A、13Bを設けたものを述べたが、凸面11の周縁に、屈折度数のない周縁部を設けてもよい。
また、本発明に係る眼鏡レンズを、図5に示すサングラス30に適用することができる。この第4実施形態のサングラス30は、左右一体型のサングラスであり、眼鏡装用者の両眼に対応するそれぞれの位置に、所定の屈折度数(処方度数)を有するレンズ有効領域31が設けられ、これらのレンズ有効領域31の周辺の、当該レンズ有効領域31以外の領域に屈折度数のない領域32が設けられる。このサングラス30にあっても、レンズ有効領域31以外の領域32に屈折度数が設けられていないので、軽量化を達成できると共に、こば厚が小さくなって外観を向上させることができる。その他、このサングラス30にあっても、被写体の位置を正確に視認させることができ、且つ上記領域32を通して見える眼鏡装用者の顔の輪郭の変化を低減することができる。
また、上記第1〜第4実施形態において、屈折度数を有する凹面12、12B、12Cの各領域、またはレンズ有効領域31は、単焦点レンズを構成する場合の他、多焦点レンズ(2重焦点レンズ、3重焦点レンズ、累進焦点レンズ等)を構成する場合も含まれる。
(A)は、第1実施形態の眼鏡レンズの正面図であり、(B)は、図1(A)のIB-IB線に沿う断面図である。 図1(B)に対応し、図1の眼鏡レンズの製造方法を説明するための製造工程を順次示す眼鏡レンズの断面図である。 図1(B)に対応し、第2実施形態の眼鏡レンズの製造方法を説明するための製造工程を順次示す眼鏡レンズの断面図である。 (A)は、第3実施形態の眼鏡レンズの正面図であり、(B)は、図4(A)のIVB-IVB線に沿う断面図である。 第4実施形態の眼鏡レンズ(サングラス)を示す正面図である。 (A)は、従来の近眼用の眼鏡レンズを直径に沿って切断して示す断面図であり、(B)は、従来の図6(A)の眼鏡レンズと同じ材質で形成されると共に、従来の上記眼鏡レンズよりも屈折度数が大きな眼鏡レンズを直径に沿って切断して示す断面図である。
符号の説明
1、1A、1B 眼鏡レンズ
11 凸面
12、12A、12B、12C 凹面(レンズ有効領域)
13、13A、13B 周縁部
14 仮想曲面
t1〜t5 こば厚
30 サングラス(眼鏡レンズ)
31 レンズ有効領域
32 領域

Claims (8)

  1. 視力補正機能を備えた眼鏡レンズであって、
    処方度数を有するレンズ有効領域の周辺領域に、処方度数を有しない領域が設けられたことを特徴とする眼鏡レンズ。
  2. 所定の曲率で形成された曲面を有する凸状の凸面と、
    この凸面の反対側に位置し、当該凸面の曲率とは異なる曲率で形成された曲面を有する凹状の凹面と、
    上記凸面または上記凹面の周縁に位置し、その凸面または凹面の周縁の仮想曲面よりもレンズ内部側に形成された周縁部と、を備えた眼鏡レンズであって、
    上記周縁部の曲面は、当該周縁部が連設して形成された上記凸面または上記凹面に対し反対側の面の曲率と同一の曲率に形成されたことを特徴とする眼鏡レンズ。
  3. 上記周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状は、半径1.0から2.5cmの円形状であることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 上記周縁部に連設する凸面または凹面の外周の形状は、水平方向に横長の楕円形状であることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  5. 所定の曲率の曲面を有する凸状の凸面を成形すると共に、この凸面の反対側に、当該凸面の曲率とは異なる曲率の曲面を有する凹状の凹面を成形する成形工程を備えた眼鏡レンズの製造方法であって、
    上記成形工程の後に、上記凸面または上記凹面の周縁を切削して、この周縁が切削された面と反対側の面の曲率と同一の曲率の曲面を有する周縁部を形成する切削工程を備えることを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
  6. 上記成形工程の後に、凹面の周縁よりも内側を掘削し、上記凹面の曲率よりも大きな曲率の曲面を形成する掘削工程を備えることを特徴とする請求項5に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  7. 上記掘削工程は、切削工程の前に行われることを特徴とする請求項6に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  8. 上記切削工程は、この切削工程により形成された周縁部と、凸面、凹面又は掘削工程により掘削された曲面との継ぎ目を平滑にする平滑工程を備えることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
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