JP2007192142A - 蒸発燃料処理装置の異常検出装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置の異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】システム異常と共に異常の内容を簡易に判定できる蒸発燃料処理装置の異常検出装置を提供する。
【解決手段】ECU150は、エンジン停止時に、蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて蒸発燃料処理装置に異常がないかを検出し、異常を検出した場合には、エンジン駆動中に、燃料タンク10内の圧力に基づいて異常の内容を判定する。これによれば、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンクからの蒸発燃料の大気への排出を抑制する蒸発燃料処理装置の異常検出装置に関する。
燃料タンクから蒸発燃料が大気に排出されることを防止する目的で、タンクからの蒸発燃料を活性炭等の吸着剤を収納したキャニスタに導き、燃料蒸気を吸着剤に吸着させて燃料蒸気の大気放出を防止する蒸発燃料処理装置が一般的に知られている。また、蒸発燃料の外部への漏れを一層確実に抑制するために、キャニスタだけでなく、密閉制御弁を設けてエンジンの停止中は燃料タンクを密閉できる蒸発燃料処理装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
上記のような蒸発燃料処理装置では、装置の故障、特にキャニスタや燃料タンク、これらを接続する配管を含むパージ系に洩れ、穴あきなどの故障が生じ気密を維持できなくなると、燃料蒸気が機関に供給されずに大気に放出されてしまい大気汚染の原因となる。このため、蒸発燃料処理装置の故障診断技術についても種々開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−105896号公報 特開2003−97362号公報
ところで、蒸発燃料処理装置の故障診断は、例えば、蒸発燃料処理装置内を負圧に強制的に変化させ、そのときの圧力や圧力変動を検出することにより、システム異常を検出する。
しかしながら、従来においては、システムの異常は検出可能であるが、異常内容を簡易に特定できない場合があった。具体的には、例えば、燃料タンクに穴あきなどの故障があると、燃料タンク内の圧力を負圧にしても、圧力が所望の圧力まで低下しないので異常が検出できるが、燃料タンクに故障がなくても圧力センサに異常がある場合にも異常が検出される。このような場合には、燃料タンクの故障であるのか、圧力センサの異常であるのかを特定できない。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、システム異常と共に異常の内容を簡易に判定できる蒸発燃料処理装置の異常検出装置を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る蒸発燃料処理装置の異常検出装置は、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、を備える蒸発燃料処理装置における異常検出装置であって、内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中である際の燃料タンク内の圧力に基づいて、システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、システム異常検出手段により蒸発燃料処理装置の異常が検出された場合には、内燃機関が駆動中である際の燃料タンク内の圧力に基づいて異常内容が判定される。これにより、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
本発明の第2の観点に係る蒸発燃料処理装置の異常検出装置は、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、封鎖弁が非封鎖状態にあるときの、燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、例えば、内燃機関が停止中ににおいてシステム異常検出手段によりシステム異常が検出されると、内燃機関が駆動中で封鎖弁が非封鎖状態にあるときの燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、異常内容が判定される。これにより、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、封鎖弁が封鎖状態で固着している異常であると判断する、構成を採用できる。
また、上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、燃料タンク内の圧力を検出するセンサが正常であると判断する構成を採用できる。
本発明の第3の観点に係る蒸発燃料処理装置の異常検出装置は、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、封鎖弁が封鎖状態にあるときの、燃料タンク内の圧力と燃料タンク内以外の圧力とに基づいて、システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力と燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、キャニスタがリーク状態にある異常であると判断する、構成を採用できる。
また、上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力と燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、燃料タンクと封鎖弁が正常であると判断する、構成を採用できる。
本発明によれば、蒸発燃料処理装置に発生した異常の内容を判定するのに新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る蒸発燃料処理装置の構成図である。
この蒸発燃料処理装置は、燃料タンク10、キャニスタ20、燃料タンク10とキャニスタ20とを連通するベーパ通路70を開閉する密閉制御弁30(密閉制御弁30はベーパ通路を封鎖することにより燃料タンク10やキャニスタ20を密閉状態にするものであり、封鎖弁と称してもよい)、キャニスタ20と図示しないエンジンの吸気通路100とを連通するパージ通路40を開閉するパージ弁50、キャニスタ20と大気との間に設けられたポンプモジュール60、燃料タンク10内の圧力を検出する圧力センサ80、圧力センサ80の検出信号が入力されると共に密閉制御弁30,パージ弁50,ポンプモジュール60等を制御する内燃機関の制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit))150等から構成されている。
図1において、吸気通路100は、図示しない内燃機関のシリンダに連通している。この吸気通路100の上流側に設けられたスロットルバルブ110はECU150により制御されて、シリンダへの流入空気量を調整する。
燃料タンク10は、給油口15からガソリン等の燃料Fが供給されてこれを内部に貯留する。
キャニスタ20は、その内部に活性炭等の吸着材料が設けられており、この吸着材料がベーパ通路70を通じて供給される燃料タンク10で発生した燃料Fの蒸発燃料を吸着すると共に吸着した蒸発燃料をパージ通路40を通じてエンジンの吸気通路100へパージする。
密閉制御弁30は、ベーパ通路70の途中に設けられており、弁体31をソレノイド等により駆動してベーパ通路70を開閉すると共に、ベーパ通路70を閉鎖することにより燃料タンク10内を密閉状態にする。この密閉制御弁30は、ECU150により制御され、エンジン停止中に燃料タンク10から蒸発燃料が外部へ排出されるのを確実防止する役割を果たす。
パージ弁50は、吸気通路100への蒸発燃料のパージ量を制御するためにECU150により制御されて、パージ通路40の開度を調整する。
ポンプモジュール60は、ECU150により制御されると共に、蒸発燃料処理装置に漏れがないかの異常検出の際に、蒸発燃料処理装置の内圧を負圧に変化させる。
ここで、ポンプモジュール60の構造及び動作について図2ないし図4を参照して説明する。
図2はポンプモジュール60の構造を示す概略図であり、図3は通常時のポンプモジュール60の動作を示す図であり、図4は異常検出時のポンプモジュール60の動作を示す図である。
ポンプモジュール60は、図2に示すように、圧力センサ61、ポンプ62、切替弁63、ソレノイド64、キャニスタ20と連通する管路L1、管路L1とポンプ62とを連通する管路L2、大気側と連通する管路L3、管路L2に設けられた基準オリフィス65、チェック弁66等から構成されている。尚、圧力センサ
切替弁63は、2つの通路63Aと63Bとを備えており、ソレノイド64により駆動されて、管路L1〜L3間の接続状態を後述するように切替える。
ソレノイド64は、ECU150により駆動されて、切替弁63を通常位置と異常検出位置との間で移動する。
ポンプ62は、管路L2側の空気(ガス)を管路L3側(大気側)へ排気する。
基準オリフィス65は、管路L2の中途に形成されており、例えば、0.5mm程度の直径を有する。
圧力センサ61は、管路L2内のポンプ62と基準オリフィス65との間に設けられており、ポンプ62と基準オリフィス65との間の圧力を検出してECU150へ出力する。
上記構成のポンプモジュール60は、通常時においては、図3に示すように、切替弁63の通路63Aが管路L1と管路L3とを連通する状態に維持される(以下において、この位置を通常側とする)。切替弁63が通常側にある状態でポンプ62を駆動すると、空気FLは、大気側から通路63A及び管路L2へ流入し、基準オリフィス65を通過してポンプ62により大気側へ排出される。このときの圧力センサ61の検出する圧力を異常検出の際の基準圧力とする。
ポンプモジュール60は、異常検出の際には、図4に示すように、切替弁63の通路63Bが管路L1と連通し、管路L1がポンプ62と直結された状態となる(以下において、この位置を異常検出側とする)。
切替弁63が異常検出側にある状態でポンプ62を駆動すると、キャニスタ20側の空気(ガス)が大気側へ排出される。すなわち、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖した状態でポンプモジュール60を動作させると、燃料タンク10やキャニスタ20内から空気(ガス)が大気へ排出され、燃料タンク10やキャニスタ20内が減圧されて負圧となる。
ECU150は、プロセッサ、メモリ等のハードウエア及び所要のソフトウエアから基本的に構成され、内燃機関に設けられた図示しない各種のセンサの検出信号に基づいて、点火制御、燃料噴射量制御、パージ制御等により内燃機関を総合的に制御する。
また、ECU150は、蒸発燃料処理装置を制御すると共に蒸発燃料処理装置の異常検出装置、システム異常検出手段及び判定手段を構成している。尚、ECU150による具体的な異常検出処理等については後述する。
次に、ECU150におけるキーOFF時における異常検出処理の一例について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、図5に示す処理は、イグニションスイッチをオフした後(エンジン停止後)所定時間が経過してからソークタイマによりECU150が起動された場合に一度実行される。この際の所定時間は、エンジン停止後に燃料タンク10内の状態が安定状態(エンジンの熱により新たに燃料タンク10内にベーパが発生しないようなエンジンが十分に冷却された状態)になるのに十分な時間である。
ECU150は、先ず、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖すると共に、切替弁63の位置を通常側にする(ステップST1)。
次いで、燃料タンク10内の圧力(内圧P1)の検出すると共に(ステップST2)、ポンプモジュール60の駆動を開始し(ステップST3)、燃料タンク10内のガスをベーパ通路70及びキャニスタ20を通じて排気する。
次いで、ECU150は、ポンプモジュール60の起動から所定時間が経過したかを判断し(ステップST4)、所定時間が経過した場合には、燃料タンク10内の圧力(内圧P2)を検出し(ステップST5)、ポンプモジュール60の駆動を停止する(ステップST6)。
次いで、ECU150は、検出した内圧P1とP2との差の絶対値が所定値以上かを判断する(ステップST7)。
内圧P1とP2との差の絶対値が所定値以上の場合には、密閉制御弁30の閉固着異常と、燃料タンク10の圧力センサ80のスタック異常とを含むシステム異常状態であると判断し、このシステム異常状態を記憶する(ステップST8)。
次いで、密閉制御弁30の閉固着異常と圧力センサ80のスタック異常時におけるフェールセーフ処理を実行する(ステップST9)。
具体的には、ECU150は、圧力センサ80のスタック異常については、例えば、圧力センサ80の検出値を所定のフェールセーフ値に置き換える。密閉制御弁30の閉固着異常については、閉固着故障が実際に発生していると温度上昇等により燃料タンク10内の圧力が過剰に上昇する恐れがあるので、車両の運転者等に燃料タンク10の給油口15を開くように指示する、あるいは、給油口15の自動開閉機構を備えている場合には、これを制御して給油口15を開放し、燃料タンク10内の圧力上昇を防止する等の処理を行う。
次に、ECU150におけるキーON時における異常検出処理の一例について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、図6に示す処理は、図5の処理が実行された後であって、イグニションスイッチをオン(エンジンを始動)した後に一度実行される。
ECU150は、先ず、システム異常状態の記憶があるかを判断し(ステップST21)、記憶がない場合には処理を終了し、記憶がある場合には、密閉制御弁30を開放すると共にパージ弁50を閉鎖し、切替弁63の位置を異常検出側にする(ステップST22)。
次いで、ECU150は、燃料タンク10内の圧力(内圧P3)を検出し(ステップST23)、シリンダへの流入空気量の積算値が所定値以上となったかを判断する(ステップST24)。ここで、シリンダへの流入空気量の積算値で判断することによりエンジンの駆動により燃料タンク10の内圧が上昇している状態か否かを詳細に判定できる。尚、上記したのと同様に、イグニションスイッチがオンされたりエンジンが始動されてから一定時間経過したかで判断してもよい。
ECU150は、シリンダへの流入空気量の積算値が所定値以上となると、燃料タンク10内の圧力(内圧P4)を検出する(ステップST25)。
次いで、ECU150は、検出した内圧P3とP4との差の絶対値が所定値以上かを判断する(ステップST26)。
ECU150は、内圧P3とP4との差の絶対値が所定値より小さい場合には、燃料タンク10の圧力センサ80のスタック異常と判断し(ステップST29)、圧力センサ80のスタック異常時及び密閉制御弁30の閉固着異常時のフェールセーフ処理を実行する(ステップST30)。双方の異常のフェールセーフ処理を実行する理由は、二重故障の場合も想定されるからである。尚、二重故障の可能性が低い場合には、圧力センサ80のスタック異常時のフェールセーフ処理のみを実行してもよい。
ECU150は、ステップST26において、内圧P3とP4との差の絶対値が所定値以上の場合には、燃料タンク10の圧力センサ80は正常であり、密閉制御弁30が閉固着異常であると判断する(ステップST27)。
そして、ECU150は、密閉制御弁30の閉固着異常時のフェールセーフ処理を実行する(ステップST28)。
以上のように、本実施形態によれば、燃料タンク10内の圧力に基づいて異常内容を判定することにより、蒸発燃料処理装置において密閉制御弁30を開放制御した状態において発生する異常内容を新たなセンサ等を設けることなく簡易に判定することが可能となる。また、故障箇所を修理する場合には、故障箇所が詳細に判定されているので、対応しやすい。さらに、燃料タンク10の圧力センサ80が正常であると判定できた場合に、圧力センサ80のスタック異常時のフェールセーフ処理を実行しなくてもよい。
尚、図6に示した処理は、イグニションスイッチがオンされる毎に実行されるが、図6に示す異常検出処理を一度実行すれば十分である場合には、ステップST28及びステップST30の処理の後に、システム異常状態の記憶を消去するステップを追加すればよい。
次に、ECU150におけるキーOFF時における異常検出処理の他の例について図7に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、図7に示す処理は、イグニションスイッチをオフした後(エンジン停止後)所定時間が経過してからソークタイマによりECU150が起動された場合に一度実行される。
ECU150は、先ず、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖すると共に、切替弁63の位置を異常検出側にする(ステップST31)。
次いで、ポンプモジュール60内の圧力(内圧P5)を圧力センサ61により検出すると共に(ステップST32)、ポンプモジュール60の駆動を開始し(ステップST33)、燃料タンク10内のガスをベーパ通路70及びキャニスタ20を通じて排気する。
次いで、ECU150は、ポンプモジュール60の起動から所定時間が経過したかを判断し(ステップST34)、所定時間が経過した場合には、ポンプモジュール60内の圧力(内圧P6)を検出し(ステップST35)し、ポンプモジュール60の駆動を停止する(ステップST36)。
次いで、ECU150は、検出した内圧P5とP6との差の絶対値が所定値以上かを判断する(ステップST37)。
内圧P5とP6との差の絶対値が所定値以上の場合には、キャニスタ20の大穴異常(キャニスタリーク異常)、密閉制御弁30の開固着異常、及び、燃料タンク10のタンク大穴異常(タンクリーク異常)を含む異常状態と判断し、この異常状態を記憶する(ステップST38)。
そして、ECU150は、キャニスタ20の大穴異常(キャニスタリーク異常)、密閉制御弁30の開固着異常、及び、燃料タンク10のタンク大穴異常(タンクリーク異常)時のフェールセーフ処理、例えば、パージ制御を禁止する処理等を実行する(ステップST39)。
次に、ECU150におけるキーON時における異常検出処理の他の例について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、図8に示す処理は、図7の処理が実行された後であって、イグニションスイッチをオン(エンジンを始動)した後に繰り返し実行される。
ECU150は、先ず、システム異常状態の記憶があるかを判断し(ステップST41)、記憶がない場合には処理を終了し、記憶がある場合には、判定済みフラグがオンされているかを判断する(ステップST42)。
ECU150は、判定済みフラグがオンの場合は、後述するキーON時の異常判定が行われているとして、処理を終了し、判定済みフラグがオンの場合には、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖すると共に切替弁63の位置を通常側にする(ステップST43)。切替弁63の位置を通常側にすると、ポンプモジュール60内の圧力センサ61が検出する圧力(ポンプモジュール内圧)は大気圧と等しくなる。
次いで、燃料タンク10内の圧力(タンク内圧)とポンプモジュール内圧とを検出し(ステップST44)、タンク内圧とポンプモジュール内圧との圧力差を算出する(ステップST45)。
次いで、タンク内圧とポンプモジュール内圧との圧力差が所定値以上かを判断し(ステップST46)、圧力差が所定値よりも小さい場合には、処理を終了し、圧力差が所定値以上の場合には、燃料タンク10及び密閉制御弁30は正常であり、キャニスタ20に大穴異常(キャニスタリーク異常)があると判定し(ステップST47)、キャニスタリーク異常時のフェールセーフ処理を実行する(ステップST48)。そして、、判定済みフラグをオンして処理を終了する(ステップST49)。
図8に示した処理では、タンク内圧とポンプモジュール内圧を比較した場合について説明したが、ポンプモジュール内に設けた圧力センサ61の代わりに大気圧センサを用いてもよい。
また、タンク内圧と大気圧を比較する構成について説明したが、大気圧の代わりに切替弁63を異常検出側にした際のポンプモジュール内に設けた圧力センサ61の検出値(キャニスタ内圧)をタンク内圧と比較する等、タンク内圧よりも圧力上昇が少ない他の検出圧力を用いてもよい。
また、図8に示した処理では、ステップST46において、燃料タンク10及び密閉制御弁30が正常と判定されるまで、エンジン駆動中は継続して異常検出処理が繰り返されるが、図6において説明したステップST24と同様にシリンダの吸入空気量の積算値が所定値以上になった場合など、タンク内圧が上昇した状態であると判断できる場合には、ステップST46において、圧力差が所定値より小さい場合であっても処理を終了するようにしてもよい。このように構成することにより、ステップST46において、圧力差が所定値より小さい場合であっても、密閉制御弁30を閉鎖するなどの異常検出のために実行していた状態と異なる状態にすることができるので、システム異常時のフェールセーフ処理が容易となる。
上記実施形態では、ECU150により異常検出装置を構成した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、エンジン制御装置とは別に異常検出装置を構成することも可能である。
本発明の一実施形態に係る蒸発燃料処理装置の構成図である。 ポンプモジュールの構造を示す概略図である。 通常時のポンプモジュールの動作を示す図である。 異常検出時のポンプモジュールの動作を示す図である。 エンジン停止時(キーOFF時)における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。 エンジン駆動中時(キーON時)における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。 エンジン停止時(キーOFF時)における異常検出処理の他の例を示すフローチャートである。 エンジン駆動中(キーON時)における異常検出処理の他の例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…燃料タンク
20…キャニスタ
30…密閉制御弁(封鎖弁)
40…パージ通路
50…パージ弁
60…ポンプモジュール
61…圧力センサ
70…ベーパ通路
80…圧力センサ
100…吸気通路
110…スロットルバルブ
150…ECU(異常検出装置、システム異常検出手段、判定手段)

Claims (7)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、を備える蒸発燃料処理装置における異常検出装置であって、
    内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、
    前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中である際の前記燃料タンク内の圧力に基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  2. 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、前記ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、
    前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、前記封鎖弁が非封鎖状態にあるときの、前記燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  3. 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、前記封鎖弁が封鎖状態で固着している異常であると判断することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  4. 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、前記燃料タンク内の圧力を検出するセンサが正常であると判断することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  5. 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、前記ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、前記封鎖弁が封鎖状態にあるときの、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力とに基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、前記キャニスタがリーク状態にある異常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
  7. 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、前記燃料タンクと前記封鎖弁が正常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
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