JP2007192142A - 蒸発燃料処理装置の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU150は、エンジン停止時に、蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて蒸発燃料処理装置に異常がないかを検出し、異常を検出した場合には、エンジン駆動中に、燃料タンク10内の圧力に基づいて異常の内容を判定する。これによれば、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
【選択図】図1
Description
上記のような蒸発燃料処理装置では、装置の故障、特にキャニスタや燃料タンク、これらを接続する配管を含むパージ系に洩れ、穴あきなどの故障が生じ気密を維持できなくなると、燃料蒸気が機関に供給されずに大気に放出されてしまい大気汚染の原因となる。このため、蒸発燃料処理装置の故障診断技術についても種々開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来においては、システムの異常は検出可能であるが、異常内容を簡易に特定できない場合があった。具体的には、例えば、燃料タンクに穴あきなどの故障があると、燃料タンク内の圧力を負圧にしても、圧力が所望の圧力まで低下しないので異常が検出できるが、燃料タンクに故障がなくても圧力センサに異常がある場合にも異常が検出される。このような場合には、燃料タンクの故障であるのか、圧力センサの異常であるのかを特定できない。
この構成によれば、システム異常検出手段により蒸発燃料処理装置の異常が検出された場合には、内燃機関が駆動中である際の燃料タンク内の圧力に基づいて異常内容が判定される。これにより、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
この構成によれば、例えば、内燃機関が停止中ににおいてシステム異常検出手段によりシステム異常が検出されると、内燃機関が駆動中で封鎖弁が非封鎖状態にあるときの燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、異常内容が判定される。これにより、異常内容の判定のための新たなセンサ等が必要なく、異常内容を簡易に判定できる。
また、上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、燃料タンク内の圧力を検出するセンサが正常であると判断する構成を採用できる。
また、上記構成において、判定手段は、燃料タンク内の圧力と燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、燃料タンクと封鎖弁が正常であると判断する、構成を採用できる。
図1は本発明の一実施形態に係る蒸発燃料処理装置の構成図である。
この蒸発燃料処理装置は、燃料タンク10、キャニスタ20、燃料タンク10とキャニスタ20とを連通するベーパ通路70を開閉する密閉制御弁30(密閉制御弁30はベーパ通路を封鎖することにより燃料タンク10やキャニスタ20を密閉状態にするものであり、封鎖弁と称してもよい)、キャニスタ20と図示しないエンジンの吸気通路100とを連通するパージ通路40を開閉するパージ弁50、キャニスタ20と大気との間に設けられたポンプモジュール60、燃料タンク10内の圧力を検出する圧力センサ80、圧力センサ80の検出信号が入力されると共に密閉制御弁30,パージ弁50,ポンプモジュール60等を制御する内燃機関の制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit))150等から構成されている。
パージ弁50は、吸気通路100への蒸発燃料のパージ量を制御するためにECU150により制御されて、パージ通路40の開度を調整する。
ここで、ポンプモジュール60の構造及び動作について図2ないし図4を参照して説明する。
図2はポンプモジュール60の構造を示す概略図であり、図3は通常時のポンプモジュール60の動作を示す図であり、図4は異常検出時のポンプモジュール60の動作を示す図である。
ソレノイド64は、ECU150により駆動されて、切替弁63を通常位置と異常検出位置との間で移動する。
ポンプ62は、管路L2側の空気(ガス)を管路L3側(大気側)へ排気する。
基準オリフィス65は、管路L2の中途に形成されており、例えば、0.5mm程度の直径を有する。
切替弁63が異常検出側にある状態でポンプ62を駆動すると、キャニスタ20側の空気(ガス)が大気側へ排出される。すなわち、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖した状態でポンプモジュール60を動作させると、燃料タンク10やキャニスタ20内から空気(ガス)が大気へ排出され、燃料タンク10やキャニスタ20内が減圧されて負圧となる。
また、ECU150は、蒸発燃料処理装置を制御すると共に蒸発燃料処理装置の異常検出装置、システム異常検出手段及び判定手段を構成している。尚、ECU150による具体的な異常検出処理等については後述する。
尚、図5に示す処理は、イグニションスイッチをオフした後(エンジン停止後)所定時間が経過してからソークタイマによりECU150が起動された場合に一度実行される。この際の所定時間は、エンジン停止後に燃料タンク10内の状態が安定状態(エンジンの熱により新たに燃料タンク10内にベーパが発生しないようなエンジンが十分に冷却された状態)になるのに十分な時間である。
次いで、燃料タンク10内の圧力(内圧P1)の検出すると共に(ステップST2)、ポンプモジュール60の駆動を開始し(ステップST3)、燃料タンク10内のガスをベーパ通路70及びキャニスタ20を通じて排気する。
内圧P1とP2との差の絶対値が所定値以上の場合には、密閉制御弁30の閉固着異常と、燃料タンク10の圧力センサ80のスタック異常とを含むシステム異常状態であると判断し、このシステム異常状態を記憶する(ステップST8)。
具体的には、ECU150は、圧力センサ80のスタック異常については、例えば、圧力センサ80の検出値を所定のフェールセーフ値に置き換える。密閉制御弁30の閉固着異常については、閉固着故障が実際に発生していると温度上昇等により燃料タンク10内の圧力が過剰に上昇する恐れがあるので、車両の運転者等に燃料タンク10の給油口15を開くように指示する、あるいは、給油口15の自動開閉機構を備えている場合には、これを制御して給油口15を開放し、燃料タンク10内の圧力上昇を防止する等の処理を行う。
尚、図6に示す処理は、図5の処理が実行された後であって、イグニションスイッチをオン(エンジンを始動)した後に一度実行される。
ECU150は、シリンダへの流入空気量の積算値が所定値以上となると、燃料タンク10内の圧力(内圧P4)を検出する(ステップST25)。
ECU150は、内圧P3とP4との差の絶対値が所定値より小さい場合には、燃料タンク10の圧力センサ80のスタック異常と判断し(ステップST29)、圧力センサ80のスタック異常時及び密閉制御弁30の閉固着異常時のフェールセーフ処理を実行する(ステップST30)。双方の異常のフェールセーフ処理を実行する理由は、二重故障の場合も想定されるからである。尚、二重故障の可能性が低い場合には、圧力センサ80のスタック異常時のフェールセーフ処理のみを実行してもよい。
そして、ECU150は、密閉制御弁30の閉固着異常時のフェールセーフ処理を実行する(ステップST28)。
尚、図7に示す処理は、イグニションスイッチをオフした後(エンジン停止後)所定時間が経過してからソークタイマによりECU150が起動された場合に一度実行される。
次いで、ポンプモジュール60内の圧力(内圧P5)を圧力センサ61により検出すると共に(ステップST32)、ポンプモジュール60の駆動を開始し(ステップST33)、燃料タンク10内のガスをベーパ通路70及びキャニスタ20を通じて排気する。
内圧P5とP6との差の絶対値が所定値以上の場合には、キャニスタ20の大穴異常(キャニスタリーク異常)、密閉制御弁30の開固着異常、及び、燃料タンク10のタンク大穴異常(タンクリーク異常)を含む異常状態と判断し、この異常状態を記憶する(ステップST38)。
そして、ECU150は、キャニスタ20の大穴異常(キャニスタリーク異常)、密閉制御弁30の開固着異常、及び、燃料タンク10のタンク大穴異常(タンクリーク異常)時のフェールセーフ処理、例えば、パージ制御を禁止する処理等を実行する(ステップST39)。
尚、図8に示す処理は、図7の処理が実行された後であって、イグニションスイッチをオン(エンジンを始動)した後に繰り返し実行される。
ECU150は、判定済みフラグがオンの場合は、後述するキーON時の異常判定が行われているとして、処理を終了し、判定済みフラグがオンの場合には、密閉制御弁30及びパージ弁50を閉鎖すると共に切替弁63の位置を通常側にする(ステップST43)。切替弁63の位置を通常側にすると、ポンプモジュール60内の圧力センサ61が検出する圧力(ポンプモジュール内圧)は大気圧と等しくなる。
また、タンク内圧と大気圧を比較する構成について説明したが、大気圧の代わりに切替弁63を異常検出側にした際のポンプモジュール内に設けた圧力センサ61の検出値(キャニスタ内圧)をタンク内圧と比較する等、タンク内圧よりも圧力上昇が少ない他の検出圧力を用いてもよい。
20…キャニスタ
30…密閉制御弁(封鎖弁)
40…パージ通路
50…パージ弁
60…ポンプモジュール
61…圧力センサ
70…ベーパ通路
80…圧力センサ
100…吸気通路
110…スロットルバルブ
150…ECU(異常検出装置、システム異常検出手段、判定手段)
Claims (7)
- 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、を備える蒸発燃料処理装置における異常検出装置であって、
内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、
前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中である際の前記燃料タンク内の圧力に基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。 - 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、前記ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
内燃機関が停止中にある際の蒸発燃料処理装置内の圧力に基づいて、蒸発燃料処理装置が異常状態であることを検出するシステム異常検出手段と、
前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、前記封鎖弁が非封鎖状態にあるときの、前記燃料タンク内の圧力の変化に基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。 - 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、前記封鎖弁が封鎖状態で固着している異常であると判断することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力の変化が所定値以上である場合に、前記燃料タンク内の圧力を検出するセンサが正常であると判断することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
- 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクとベーパ通路を介して接続されると共にエンジンの吸気通路にパージ通路を介して接続されるキャニスタと、前記ベーパ通路を封鎖することが可能な封鎖弁と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
前記システム異常検出手段によって異常状態であると検出された場合に、内燃機関が駆動中で、かつ、前記封鎖弁が封鎖状態にあるときの、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力とに基づいて、前記システム異常検出手段によって異常状態と検出された蒸発燃料処理装置の異常内容を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の異常検出装置。 - 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、前記キャニスタがリーク状態にある異常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記燃料タンク内の圧力と当該燃料タンク内以外の圧力との差が所定値以上である場合に、前記燃料タンクと前記封鎖弁が正常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置の異常検出装置。
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