JP2007192131A - 内燃機関の排気浄化触媒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で効率的に触媒暖機を行う。
【解決手段】内燃機関1の排気管3の所定の位置に触媒コンバータ5を設ける。触媒コンバータ設置位置は、機関暖機運転時のファストアイドル回転数のときに共鳴により生じる圧力変動の定常波の圧力変動の腹が触媒コンバータ上流側に、節が下流側に位置し、触媒上流側端部での排気圧力変動の振幅が触媒下流側端部での排気圧力変動の振幅より大きくなる位置とされる。これにより、機関ファストアイドル運転時には、圧力脈動による熱音響効果により触媒コンバータ担体53の上流側端部の温度が上昇し、短時間で効率的に触媒暖機が行われるようになる。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関1の排気管3の所定の位置に触媒コンバータ5を設ける。触媒コンバータ設置位置は、機関暖機運転時のファストアイドル回転数のときに共鳴により生じる圧力変動の定常波の圧力変動の腹が触媒コンバータ上流側に、節が下流側に位置し、触媒上流側端部での排気圧力変動の振幅が触媒下流側端部での排気圧力変動の振幅より大きくなる位置とされる。これにより、機関ファストアイドル運転時には、圧力脈動による熱音響効果により触媒コンバータ担体53の上流側端部の温度が上昇し、短時間で効率的に触媒暖機が行われるようになる。
【選択図】図1
Description
本発明は内燃機関の排気浄化触媒装置に関し、詳細には内燃機関始動後短時間で触媒を暖機可能な排気浄化触媒装置に関する。
従来、熱音響現象を利用して熱エネルギと音響エネルギとの間の変換を行う技術が知られている。
例えば、この種のエネルギ変換の例としては、特許文献1に記載されたものがある。
例えば、この種のエネルギ変換の例としては、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の装置は、内燃機関の排気通路にダイアフラムを介して密閉型の枝管を接続し、この枝管内に熱音響スタックを配置した構成とされている。
枝管内には、比較的高圧の窒素、ヘリウム等の気体が封入されており、熱音響スタックは、金属メッシュなどの蓄熱材の入口側と出口側とにそれぞれ熱交換器を配置した構成とされている。
枝管内には、比較的高圧の窒素、ヘリウム等の気体が封入されており、熱音響スタックは、金属メッシュなどの蓄熱材の入口側と出口側とにそれぞれ熱交換器を配置した構成とされている。
排気管内の排気は機関の各気筒の行程サイクルに応じて圧力が脈動している。特許文献1の装置は、枝管をダイアフラムを介して排気管に接続することにより、枝管内に封入した気体と排気が混合することなく排気の脈動のみが封入気体に伝達されるようにしたものである。
これにより、排気脈動の周波数が枝管の管長に応じて定る共鳴周波数に一致すると枝管内の封入気体には定常波が発生する。このような気柱振動の定常波中に熱音響スタックを置くと、熱音響スタックには温度勾配が生じ、一方の側が高温に、他方の側が低温になる、いわゆる熱音響現象が生じることが知られている。
特許文献1の装置は、この熱音響現象により生じた温度勾配の高温側に配置された熱交換器を高温源として、低温側に配置された熱交換器を低温源としてそれぞれ利用し、例えば低温源を吸入空気の冷却や車室内の空調に利用するものである。
また、特許文献2には、機関運転中に高温になる排気浄化触媒を高温源として使用し、熱音響スタックに温度勾配を生じさせ、上記とは逆にこの温度勾配により熱音響スタックにより音波を発生させる構成が開示されている。
特許文献2では、上記熱音響現象により発生させた圧力脈動(音波)をトランスジューサにより電気に変換し、電気エネルギーとして回収している。
特許文献1の装置は、内燃機関の排気もしくは吸気の脈動エネルギを回収して有効利用するものであるが、実際には非常にエネルギー回収の効率が低い問題がある。
これは、特許文献1の装置では枝管(共鳴管)内には比較的高圧の窒素、ヘリウムなどの作動気体を封入し、この作動気体にダイヤフラムを介して排気の圧力変動を伝達するようにしているためである。
すなわち、ダイヤフラムは片側では高圧の封入作動流体に接し、もう一方の側では比較的低圧の排気流と接しているため、排気圧力の脈動程度の力ではダイヤフラムはほとんど変位しない。このため、実際には排気の脈動によって熱音響現象として有効な圧力変動や温度変動を発生させることは困難である。従って、実際の運転では特許文献1の装置により効率的に排気(または吸気)の脈動エネルギを回収することはできない。
また、特許文献1の装置では熱音響スタックの蓄熱材に生じた高温と低温とを熱交換器を介して回収し、熱媒(冷媒)を介して車両の他の部分の加熱、冷却に使用している。このため、熱交換器による回収ロスや移送ロスが生じ、更にエネルギの回収効率を低下させている。
本発明は、上記問題に鑑み、内燃機関の排気脈動エネルギを効率的に回収することが可能な内燃機関の排気浄化触媒装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の排気通路に配置した触媒コンバータを有する排気浄化触媒装置であって、前記触媒コンバータを、内燃機関を暖機アイドル回転数で運転したときに排気通路に発生する気柱振動定常波の圧力変動の振幅が触媒コンバータ上流側端部で下流側端部より大きくなる排気通路上の位置に配置したことを特徴とする、内燃機関の排気浄化触媒装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では熱音響効果を利用して排気脈動エネルギにより触媒の暖機を促進する。
機関始動後の暖機運転では、排気浄化触媒の温度をできるだけ短時間で上昇させ、触媒が排気浄化作用を発揮できる活性化温度に到達させる必要がある。この場合、触媒の上流側端が活性化して排気浄化作用を開始すれば上流側端で反応熱が発生し、触媒の下流側端も加熱されるようになるため、触媒の上流側端を優先的に昇温させることにより短時間で触媒全体を活性化することができる。
本発明では、触媒コンバータを、排気の圧力脈動による圧力変動振幅がコンバータ上流側端部で下流側端部より大きくなる位置に配置することにより、熱音響効果により触媒コンバータの上流側端部の温度を上昇させるようにしている。
本発明では、触媒コンバータの担体が熱音響スタックの蓄熱材として機能する。後述するように、定常波中に蓄熱材を配置すると熱音響効果により圧力変動の振幅の大きい側の蓄熱材の端部に熱が移動して温度が上昇する。このため、触媒コンバータの上流側端での圧力変動振幅が下流側端での圧力変動振幅より大きくなる位置に触媒コンバータを配置することにより、触媒の上流側端部の温度が上昇するようになる。
また、排気系における気柱振動のモードは圧力脈動の周波数、すなわち機関回転数に応じて変化する。従って、本発明では内燃機関の暖機運転時の、暖機後より高いアイドル回転数(ファストアイドル回転数)での気柱振動モードにおいて、触媒コンバータ上流側端部での圧力変動振幅が下流側端部での振幅より大きくなるような排気通路上の位置に触媒コンバータを配置している。
これにより、機関始動後の暖機アイドル運転中に触媒上流側端部の温度が短時間で上昇し上流側端部で排気浄化作用が開始されるため、短時間で排気浄化触媒全体を昇温することが可能となる。
すなわち本発明では、熱音響効果により排気の圧力脈動を直接に熱エネルギに転換して触媒の加熱に利用しているため、排気の圧力脈動を効率的に回収することが可能となっている。
請求項2に記載の発明によれば、更に、前記触媒コンバータ下流側の排気通路に接続された容積部からなる共鳴器を備え、内燃機関の回転数の変動にかかわらず排気通路の前記共鳴器接続部の前記圧力変動の振幅が前記触媒コンバータの上流側端部での圧力変動の振幅より小さくなるようにした、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化触媒装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では共鳴器が設けられている。共鳴器は、十分に大きなな容積を有する容積部を触媒コンバータ下流側の排気通路に接続した構成とされる。
気柱振動においては、常に管路の閉鎖端が圧力変動の振幅が最大になり、開放端がでの圧力変動の振幅が最小になる(以下、圧力変動の振幅が最大になる点を「圧力変動モードの腹」もしくは単に「腹」と、振幅が最小になる点を「圧力変動モードの節」もしくは単に「節」と、それぞれ称している)。
このため、排気通路の任意の点に容積部からなる共鳴器を接続した場合、容積部の容積が十分に大きければ排気通路の共鳴器接続部は常に圧力変動モードの節となる。
前述したように、気柱振動のパターンは機関回転数により変化するが、上記のように共鳴器を設けることにより共鳴器の接続部は機関回転数にかかわらず常に圧力変動が最小となり気柱振動のパターンは共鳴器接続部が節になるように変化する。
このため、共鳴器を触媒コンバータ下流側に設けることにより、回転数にかかわらず触媒コンバータ上流側端部での圧力変動が下流側端部(共鳴器接続部)での圧力変動より大きくなるようにすることが可能となり、暖機アイドル運転中に限らず回転数が変化した場合にも効率的に排気の圧力脈動エネルギーを回収して触媒上流側端部を加熱することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、更に、前記共鳴器接続部に、前記容積部と排気通路との接続部に調整弁を備え、機関の運転状態に応じて前記調整弁開度を変更する、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化触媒装置が提供される。
すなわち、請求項3の発明では共鳴器の接続部に調整弁を備えており、この調整弁の開度を機関の回転数などの運転状態に応じて変更する。共鳴器と排気通路との接続部の開度を変更すると共鳴器の効果も変化するため、調整弁の開度を変更することにより共鳴周波数や気柱振動モードを変化させることができる。このため、本発明では、機関運転状態(回転数)に応じて調整弁の開度を変更することにより、共鳴周波数や気柱振動モードを変化させることが可能となる。
これにより、例えば触媒温度が低いときには回転数にかかわらず触媒コンバータ上流側端部と下流側端部との圧力変動振幅の差が大きくなるように気柱振動モードを変化させて最大の熱音響効果を得るようにして触媒暖機を促進したり、或は触媒暖機完了後は逆に触媒コンバータ上流側端部と下流側端部との圧力変動振幅の差が小さくなるようにして触媒上流側端部の温度が過度に上昇することを防止すること等が可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、機関の排気の有する圧力脈動のエネルギを効率的に回収し、触媒上流側端部を加熱する熱エネルギとして使用することが可能となるため、始動後短時間で触媒を活性化温度まで昇温することが可能となり機関始動時の排気エミッションを良好に維持することが可能となる。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を説明する図である。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を説明する図である。
図1において、1は内燃機関、3は機関1の排気管、5は排気管3に配置された触媒コンバータ、7、9はそれぞれマフラー(消音器)を示している。
触媒コンバータ5は、ケーシング51内に触媒を担持した担体53を収納した構成とされる。
触媒コンバータ5は、ケーシング51内に触媒を担持した担体53を収納した構成とされる。
触媒担体53は、例えばコージェライト、ゼオライトなどの材料から形成された概略円筒形状の形状とされ、内部には軸線方向に担体を貫通する多数の細い排気通路(セル)形成されている。この排気通路の壁面には、酸化触媒、還元触媒、等の用途に応じた触媒成分が担持されている。
本実施形態では、触媒コンバータ5は排気通路3上で、コンバータ5上流側端部での排気圧力変動振幅が下流側端部での振幅より大きくなるような位置、具体的には排気の圧力脈動により排気通路に形成される気柱振動の定常波の圧力変動の節(圧力変動振幅が最小になる部分)が触媒コンバータ5の下流側に位なり、圧力変動の腹(圧力変動振幅が最大になる部分)が触媒コンバータ5の上流側になる位置に配置されている。
図2は、本実施形態の上記気柱振動定常波による圧力変動と触媒コンバータの位置との関係を示し、図2(B)は、図1の実施形態の排気系を、図2(A)は排気系に生成される気柱振動の定常波の圧力変動振幅の分布を、それぞれ示している。
機関から排出された排気の圧力には、機関の回転数に比例した周波数の脈動が生じている。この圧力脈動の周波数が排気通路の管路長により定る共鳴周波数に一致すると排気通路内に気柱振動の定常波が生成される。定常波の波長(共鳴モード)は、圧力脈動の周波数(機関回転数)に応じて変化する。
図2(A)は本実施形態において、機関が通常運転時より高い暖機運転時のアイドル回転数(ファストアイドル回転数)で運転された時の共鳴モードにおける排気通路各部分の圧力変動振幅を示している。図2(A)のカーブに示すように、本実施形態では機関のファストアイドル回転数では、定常波の波長λの3/4が排気通路の管長と一致する共鳴モード(3/4λモード)の気柱振動が生じるようにファストアイドル回転数と排気通路管路長が設定されている。
図2(A)のカーブにおいて、点Aは圧力変動振幅が最大になる点(圧力変動の腹)、点Bは圧力変動が最小になる点(圧力変動の節)を示している。気柱振動においては、大気開放端(排気通路出口)には常に圧力変動の節が形成され、排気通路の閉鎖端(図1に31で示す機関の排気マニホルド)には圧力変動の腹が形成される。
図2(A)、(B)に示すように、本実施形態ではファストアイドルにおける共鳴モードで触媒コンバータの上流側に圧力変動の腹が、下流側に圧力変動の節が位置するように配置されているため、触媒コンバータ上流側端部での排気圧力変動振幅が下流側端部での振幅より大きくなっている。このように、触媒コンバータ5上流側の圧力変動振幅を下流側のそれより大きくすることにより、触媒コンバータ5の担体53内には上流側の温度が高く、下流側で低い温度勾配が生じ、ファストアイドル運転時に短時間で触媒コンバータ上流側端部が昇温するようになる。
排気の圧力変動により触媒単体53に温度勾配が生じる現象は、熱音響現象として知られており、温度勾配は以下のメカニズムにより生じると考えられている。
図3は、排気通路3内に共鳴に上述の3/4λモードの定常波が生じた時の定常波による管内圧力変動の様子を模式的に示している。共鳴のモードは共鳴周波数に応じて変化するが、図3はその一例として枝管長が定常波の波長の3/4の場合((3/4)λモード)の枝管内の圧力変動モードを示している。
図3の圧力変化モード内に示した円R内の直線は、このモードにおける各点の管内気体粒子の運動と圧力とを模式的に示している。すなわち、排気通路内の気体粒子は内燃機関から排気通路出口に向けて流れる定常的な運動に加えて、図3の円Rに示したように、圧力が上昇中はそれぞれ腹Aに向って移動し、圧力の低下中は節Bに向って移動する運動を行っており、これにより各部分の圧力が変動する。円内のX1点は圧力が最低になったときの粒子位置、X2点は最高になったときの粒子位置を、それぞれ示している。
図4(A)、(B)は、上記の気体粒子の移動をより詳細に説明する図であり、図3の円Rの位置の気体粒子を例にとって示している。
図4(A)は触媒単体53の各細孔(排気通路)の中の粒子の運動を示している。前述したように、円Pの位置では通路内の気体粒子は圧力変動に応じて点X1とX2との間を往復移動している。なお、実際には、気体粒子の運動には機関から排気通路出口に向う方向の排気流による定常的な速度成分が加わるのだが、定常波による気体粒子の往復動速度に較べて排気流による速度成分の大きさは小さいため、以下の説明では排気流による定常的な速度成分は無視している。
図4(B)は、上記気体粒子移動に伴う温度変化を示す図である。例えば、圧力上昇時に図4(B)のX1点から温度T1で出発しX2に向って移動する粒子は、移動中に断熱圧縮されるため温度が上昇する。このため、仮に通路壁面との熱交換がなかった場合には、粒子温度はX2到達時にはT1′まで上昇する。しかし、実際には気体粒子は触媒担体53内の通路の壁面と熱交換を行うため、気体粒子は管壁に熱量Qを与えX2到達時にはT1′より低いT2で壁面温度と平衡する。
すなわち、この粒子の移動によりX2点の壁面には粒子から熱量Qが与えられ、壁面温度はT2になる。
次に、圧力低下時について考える。この場合には、気体粒子は壁面と同じ温度T2でX2点を出発し、壁面と熱交換しつつ膨張しながらX1に向うためX1点に到達時には温度はT1になる。すなわち、この場合には、粒子温度はX1点到達時の断熱膨張における到達温度T2′(T2′<T1)から壁面温度T1まで上昇することになり、粒子は壁面から熱量Qを与えられる。
気体粒子は、図3の定常波中で上記の往復動を繰返すが、上記の壁面との熱の授受について考えると粒子が1回往復する毎に熱量QがX1点からX2点に運ばれたことになる。
このような熱の授受は、触媒担体53の通路内の各部分で行われるため、上記によりX1点からX2点に移動した熱量QはX2点に隣接する点の気体粒子の運動により更に隣接した腹側の点に運ばれる。この熱の移動は触媒担体53の全長にわたって生じることになり、担体53内では圧力変化モードの節側端から腹側端に向う熱の流れ(本実施形態では下流側端から上流側端に向う熱の流れ)が生じる。
この熱の流れにより、触媒担体53には腹側である上流側端が高温になり節側である下流側端が低温になる温度勾配が生じるようになる。
上記から判るように、触媒担体上流側端部の温度は担体53の排気通路各部分での圧力変動の振幅が大きいほど、また、最大(最小)圧力の管路に沿った変化率(圧力勾配)が大きい程大きくなる。
上記から判るように、触媒担体上流側端部の温度は担体53の排気通路各部分での圧力変動の振幅が大きいほど、また、最大(最小)圧力の管路に沿った変化率(圧力勾配)が大きい程大きくなる。
このため、触媒担体53の上流側温度を高くして、効率的な触媒暖機を行うためには、触媒コンバータ5を上記条件が満たされる場所に置く必要がある。
この点から見ると圧力変化モードにおける節(図3、B点)近傍は圧力変化の振幅が小さいため適当ではない。また、圧力変化モードにおける腹(図3、A点)近傍は圧力変化の振幅は大きいものの圧力勾配は小さくなる。このため、触媒コンバータ5の設置場所は、圧力変化モードにおける腹と節との近傍から両端が十分に離れた場所であり、かつ十分な圧力変化振幅と圧力勾配とが得られる場所とすることが好ましい。
この観点から最適な触媒コンバータの設置位置は、機関の型式や排気系の構成に頼子となってくる。このため、実際には排気通路に配置した触媒コンバータ5の位置を変化させて機関をファストアイドルで運転する実験を行い最適な位置を決定することが好ましい。
この観点から最適な触媒コンバータの設置位置は、機関の型式や排気系の構成に頼子となってくる。このため、実際には排気通路に配置した触媒コンバータ5の位置を変化させて機関をファストアイドルで運転する実験を行い最適な位置を決定することが好ましい。
上述のように本実施形態では、触媒コンバータ5を、上流側端部での排気圧力変動振幅が下流側端部での排気圧力変動振幅より大きくなるような位置に配置したことにより、排気の有する圧力脈動のエネルギを効率的に回収して触媒上流側端部を加熱する熱エネルギとして使用することが可能となり、始動後短時間で触媒を活性化温度まで昇温して、機関始動時の排気エミッションを良好に維持することが可能となる。
次に、図5を用いて本発明の別の実施形態について説明する。
図5において、図1と同じ参照符号は図1と同様な要素を示している。
本実施形態では、排気通路3の触媒コンバータ5下流側に共鳴器10が接続されている点が図1の実施形態と相異している。
図5において、図1と同じ参照符号は図1と同様な要素を示している。
本実施形態では、排気通路3の触媒コンバータ5下流側に共鳴器10が接続されている点が図1の実施形態と相異している。
共鳴器10は、十分に大きな容積を有する容器から構成され、制御弁11を介して排気通路3に接続されている。
前述したように、排気通路の大気開放端などのように大きな容積部に連通する排気通路部分では圧力変動の振幅は常に小さくなり、節が形成される。このため、排気通路3に十分に大きな容積部を接続すると、その接続部分では圧力変動の振幅が小さくなるため接続部に節が形成されるようになる。
また、前述したように、共鳴モードは圧力脈動の周波数(機関回転数)とともに変化する。
図1の実施形態ではファストアイドル回転数では図2(A)に示す3/4λの共鳴モードが成立し、圧力変動の腹と節とが触媒コンバータ5の上流側と下流側とにそれぞれ形成されるようになるものの、回転数が変化すると共鳴モードもそれに応じて変化してしまい、圧力変動の腹と節との位置が触媒暖機に最適な位置からずれてしまう。
図1の実施形態ではファストアイドル回転数では図2(A)に示す3/4λの共鳴モードが成立し、圧力変動の腹と節とが触媒コンバータ5の上流側と下流側とにそれぞれ形成されるようになるものの、回転数が変化すると共鳴モードもそれに応じて変化してしまい、圧力変動の腹と節との位置が触媒暖機に最適な位置からずれてしまう。
これに対して、本実施形態では排気通路3に開度調整可能な制御弁11を介して共鳴器10を接続しているため、制御弁11の開度を変えて共鳴器10の容積部としての影響を調整することが可能となっている。このため、本実施形態では共鳴が生じる周波数を制御弁11の開度調整により変化させることができ、回転数が変化した場合でも排気通路3内に共鳴による定常波を生成することが可能となる。
更に本実施形態では、共鳴が生じる場合にも共鳴器10の接続部付近(すなわち、触媒コンバータ5の下流側)に圧力変動の節が形成されるようになるため、共鳴時に触媒コンバータ5内に大きな圧力勾配が生成され、触媒上流側端部を効率的に昇温することが可能となる。
また、触媒暖機が完了して触媒温度が十分に上昇した後は共鳴が生じると、触媒コンバータ5上流側端部の温度が過度に上昇する可能性がある。このため、本実施形態では触媒暖機完了後は、逆に制御弁11開度を調整することにより共鳴が生じることを抑制する。
本実施形態では制御弁11の開度は機関1の図示しない電子制御装置(ECU)からの信号に応じて機関1の運転状態に応じた開度をとるようにされている。
すなわち、ECUは、排気温度、機関冷却水温度、潤滑油温度などのうち一つまたはそれ以上を検出し、触媒暖機が完了したか否かを判断し、暖機が完了していない場合には、制御弁11開度を、排気通路内で共鳴が生じるように機関回転数に応じて予め定められた値に調整する。これにより、機関回転数にかかわらず触媒コンバータ5内には比較的大きな圧力勾配と圧力変動とが生成され、触媒上流側端部が効率的に昇温される。
一方、触媒暖機が完了した場合には、ECUは上記とは逆に、排気通路内で共鳴が生じることを抑制するように機関回転数に応じて予め定められた値に制御弁11開度を調整する。これにより、触媒暖機完了後に触媒コンバータ上流側端部の過度の温度上昇が防止される。
1 内燃機関
3 排気管
5 触媒コンバータ
10 共鳴器
11 制御弁
53 触媒担体
3 排気管
5 触媒コンバータ
10 共鳴器
11 制御弁
53 触媒担体
Claims (3)
- 内燃機関の排気通路に配置した触媒コンバータを有する排気浄化触媒装置であって、
前記触媒コンバータを、内燃機関を暖機アイドル回転数で運転したときに排気通路に発生する気柱振動定常波の圧力変動の振幅が触媒コンバータ上流側端部で下流側端部より大きくなる排気通路上の位置に配置したことを特徴とする、内燃機関の排気浄化触媒装置。 - 更に、前記触媒コンバータ下流側の排気通路に接続された容積部からなる共鳴器を備え、内燃機関の回転数の変動にかかわらず排気通路の前記共鳴器接続部の前記圧力変動の振幅が前記触媒コンバータの上流側端部での圧力変動の振幅より小さくなるようにした、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化触媒装置。
- 更に、前記共鳴器接続部に、前記容積部と排気通路との接続部に調整弁を備え、機関の運転状態に応じて前記調整弁開度を変更する、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化触媒装置。
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JPWO2009005086A1 (ja) * | 2007-07-05 | 2010-08-26 | 日産自動車株式会社 | 温度制御装置 |
US20120260626A1 (en) * | 2009-06-05 | 2012-10-18 | Anthony Colette | IC Power Plant and Method of Operation |
JP2021116732A (ja) * | 2020-01-24 | 2021-08-10 | フタバ産業株式会社 | 消音装置 |
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2006
- 2006-01-19 JP JP2006011179A patent/JP2007192131A/ja active Pending
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