JP2007191700A - 分散体の製造方法、および、該方法により得られる分散体を用いたインク - Google Patents

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Abstract

【課題】 混合させる液体同士の飛散を抑制することで長時間安定的に分散体を製造することができる分散体の製造方法の提供。
【解決手段】 少なくとも2種類の液体を反応させて反応生成物を生成する工程を含み、該反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体の製造方法において、前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させると共に、それぞれ吐出した液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わり、且つ前記少なくとも2種類の液体がその後一体となって流れるように、前記少なくとも2種類の液体の吐出流量が定められている分散体の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、分散体の製造方法および、該方法により得られる分散体を用いたインクに関する。
機能性物質を含有する水性分散材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、また着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。
そして、インク、トナー等に含有される色材として顔料が用いられるようになってきている。こうした中、顔料を用いて良好な顔料分散体を得るためにマイクロジェットリアクターを利用した顔料分散方法提案されている。
例えば、特許文献1はリアクターチャンバー内の筐体内で粗顔料が溶媒に溶解した溶液と沈殿媒体とをノズルから噴霧、衝突させて、顔料の懸濁液を得る方法を開示する。
特開2002−155221号公報
特許文献1においては、顔料を含む溶液と沈殿媒体とを互いに相対するノズルから正面で噴霧して混合させるため、液体がチャンバー中の筐体内に飛散する。
この場合、飛散した液体または反応物は筐体内壁に付着、堆積し、時間の経過に伴って筐体内壁から離脱、剥離することが考えられる。
そして、離脱、剥離した液体または反応物がノズルから新たに噴霧された液体と2次的反応を生ずる恐れがある。
このため特開特許文献1に開示された方法では長時間安定的に均質な顔料分散体を得ることは必ずしも容易ではない。
本発明は、このような背景技術に鑑みてなされたもので、混合させる液体同士の飛散を抑制することで長時間安定的に分散体を製造することができる分散体の製造方法を提供するものである。
また、この製造方法で得られた分散体を用いて、顔料粒子の分散性に優れ印字物が高い光沢度を示す顔料インクを提供するものである。
本発明により提供される分散体の製造方法は、少なくとも2種類の液体を反応させて反応生成物を生成する工程を含み、前記反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体の製造方法において、それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させ、反応生成物を生成させることを特徴とするものである。
本発明により提供される分散体は、少なくとも2種類の液体を反応させて成る反応生成物を含み、前記反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体において、
それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させて生成される反応生成物を含むことを特徴とする。
本発明の方法によれば、液体の飛散を抑えることで液体飛散に起因する2次的反応を排除し、長時間安定的に分散体を製造することができる。
本発明の分散体の製造方法は、少なくとも2種類の液体を反応させて反応生成物を生成する工程を含み、該反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体の製造方法において、それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させ、前記反応生成物を生成させることを特徴とするものである。
本発明においては、吐出させる液体の吐出流量はノズル開口面積をS(mm)、液体の吐出流量をL(ml/min)としてL/Sが26以上360以下の範囲に収まる流量に定めることができる。
本発明における反応は再沈殿反応を包含する。この場合、2種類の液体の一方は、顔料と分散剤とを溶解した溶液で、他方は溶解した顔料の溶解度を低下させる溶媒とすることができる。
本発明における反応はカップリング反応を包含する。この場合、2種類の液体の一方は、カプラ−と分散剤を溶解した溶液で、他方はジアジニウム塩を含有するものとすることができる。
本発明における反応は加水分解重縮合反応を包含する。この場合、2種類の液体の一方は、無機アルコキシド化合物の溶液で、他方は水性溶媒とすることができる。
本発明の方法によれば、液体の飛散を抑えることで液体飛散に起因する2次的反応を排除し、長時間安定的に分散体を製造することができる。
本発明は、分散体を包含する。本発明の分散体は、少なくとも2種類の液体を反応させて成る反応生成物を含み、前記反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体において、それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させて生成される反応生成物を含むことを特徴とする。
本発明における前記2種類の液体の一方は、顔料と分散剤とを溶解した溶液で、他方は溶解した顔料の溶解度を低下させる溶媒とすることができる。
本発明による分散体はインクジェット記録用の顔料として用いることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の第一の発明である分散体製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の分散体の製造方法に適用し得る液体混合装置システムの全体を示す模式図である。
図1において、100はノズル121及び122を備えた混合装置であり、ノズル121及び122から吐出された液体どうしは接触混合して、混合液体回収手段108より回収される。
図1において、131及び132は液体供給手段であり液体は不図示の液体貯蔵槽から液体供給手段131、132に供給される。液体供給手段131、132としては市販のシリンジポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、電磁ポンプ等を採用することができる。
混合装置100と液体供給手段131、132との間には配管171及び172を介してそれぞれ、モニター手段141、142、制御手段151、152、温度制御手段161、162が接続されている。
モニター手段141、142は流量計、圧力計等で構成され、制御手段151、152は弁、バルブ等で構成される。温度制御手段161、162はヒーター、冷却機等で構成することができる。
これらの各部品を接続するのは搬送する液体に対して耐性のあるチューブ等で構成される配管171、172である。液体混合装置100と液体供給手段131、132との間に設けられた各部品は、必要に応じて設けられるもので、全ての部品を設けなくても良い。
ノズル121及び122より吐出された液体の混合液体回収手段108への搬送は液体の自重による流れを利用してもよいし、ポンプによる圧力を利用することもできる。
次に本発明の製造方法を具現化するために適用し得る液体混合装置の形態について、図2から図8を用いて説明する。液体混合装置は液体の混合や反応行うための小型の化学装置である。
ここで採用し得る液体混合装置は複数の液体をそれぞれ個別に設けられたノズル開口より吐出させて、ノズルの延長線上の領域で液体同士を接触させ混合を開始させるものである。
複数のノズルはノズルより吐出した液体の進行方向が120度以下(θ)で交わるように設ける。120度を超えると混合させる液体の飛散が生ずる可能性が高くなる。
ノズルの数は2つもしくはそれ以上設けることが可能である。
ノズルの数が2つの場合の例を図2、図3及び図4に示した。
図2に示した液体混合装置100においては、2つのノズル121及び122にそれぞれ設けられた開口111及び112から2つの液体191及び192が吐出される。
ここで、2つのノズル121及び122は液体191及び192の進行する方向θが120度以下となるように配されている。
図2において、221はノズルの開口が設けられた開口面であり、181は混合した液体、108は混合液体回収手段である。混合液体181は一体となって混合液体回収手段の方向に移動する。
図3に示した例は、ノズル122を図2に示したものよりも立たせた配置としている点が図2の例との違いである。この場合でも混合液体181は一体となって移動するようにしてある。
また、図4に示した例は、液体の吐出方向が重力方向に対して略直角となるようにした点が図2及び図3の例と異なる点である。
2つのノズルを使用する液体混合装置では、ノズル配置はここに示したものに限定されるものではない。
液体の進行方向のなす角度が120度以下の範囲に収まり、液体の粘度、液体の流速等を考慮して混合後の液体が一体となって流れるように吐出できるものであればよい。
図5に示した装置は、ノズルの数を3つとした例である。ノズル121及び122に加えてノズル123が設けられ、ノズル123から液体193が吐出されている。
上述したようにノズルは、ノズルの延長線上の領域で混合を開始した液体181が一体となってひとつの方向に流れるように設ける。
これにより混合を開始した液体181を一つの方向に流れさせるためのキャリアー流体を設ける必要は無い。また、混合を開始した液体が多方向に飛散せず一体となることから混合生成物を取りこぼすことなく回収が容易になる。
ノズルの延長線のなす角度が120度より大きくなると混合を開始した液体が多方向に飛散しやすくなり、新たに筐体で囲いを設けたり、キャリアー流体を設けたりして一方向に液体の移動を矯正する必要が生じる。
本発明においては、液体を一体として流すため、混合部を筐体で囲む必要がない。
本発明においては、量産を考慮して必要な生産量に応じて工夫した混合装置を採用し得る。
図6、図7に示した混合装置は、ノズルを並列に並べることによって処理する液体の量を増加させたものである。
図6においては、ノズル列125とノズル列126が対応して配され、ノズル列125からは液体195が列状に吐出され、ノズル列126からは液体196が列状に吐出される。図7に示した装置においては、ノズル部材321には開口面221に開口155が列状に形成され、ノズル部材322には同様に開口156が列状に形成されている。
これら列状の開口155及び156からは液体195及び196が列状に吐出される。
図8に示した装置は、対応するノズルのうち一方のノズル157を薄片状の液体195を吐出できるように構成したもので、他方のノズル126は図6で示したものと同様のものである。
また、図9に示した装置は一対のノズル157及び158の両方を薄片状の液体195及び196を吐出するように構成したものである。
本発明においては、少なくとも2種類の液体の反応により生じる反応生成物に粒子等の固体が生成するものであっても混合場はチャンバー等で覆われておらず開放空間であるため混合装置内で詰まりや生成物の堆積が生じることはない。
本発明の方法に採用される液体混合装置においては、ノズルの開口は異なる面に設けることが好ましい。
異なる面に開口を設けるとは連続した同一平面上に複数の開口が設けられていないことをいう。
例えば、図3においてノズル121の開口221とノズル122の開口222とは連続した同一平面には設けられていない。図3の混合装置ではノズル121及びノズル122から吐出される液体191及び192は異種の液体である。
従って、ノズルの開口221及び222が連続した同一平面に設けられていると開口面において異種の液体が回り込み、異種同士の液体の反応が生じてしまう恐れがある。
より具体的には開口面221及び222との濡れ性が高い液体を吐出する際、開口が連続した同一面に設けられていと、吐出した液体の一部が開口面間に濡れ伝わり、液滴となってノズル開口面間で反応してしまうことが考えられる。
そして、開口面間で生じた反応生成物が反応生成物回収手段内に混入し、また、ノズルから吐出される液体に混入することにより、反応生成物の性能、機能のばらつきを誘発する要因となる。
こうしたことから本発明において採用される液体混合装置では、異なる液体を吐出させるノズルの開口は連続した同一平面ではなく、異なる面に設けるのが好ましい。
但し、同一種の反応液は同じ面に設けられた開口から吐出させてもよい。例えば、前述の図7に示した装置では、ノズル部材321の開口列155は連続した平面221に設けられている。この場合、開口列155から吐出される液体195は同一種の液体であることから開口面221に液体が回り込んでも不必要な反応を生じないからである。
ノズルの開口形状は丸型、楕円型、正方形等の多角形、長方形の何れでもよい。複数のノズルの各々の開口面積は等しくても、それぞれ異なっていてもよい。
ノズルの開口径の短辺は5000μmより小さく、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
本発明に採用される液体混合装置のノズルとして使用される材料の例としては、金属、ガラス、シリコン、テフロン(登録商標)、セラミックス、プラスチックなどが挙げられる。
耐熱、耐圧および耐溶剤性が必要な場合として金属、ガラス、シリコン、テフロン(登録商標)、セラミックスであるが、好ましくは金属である。
金属の例としてステンレス、ハステロイ(Ni−Fe系合金)ニッケル、金、白金、タンタル等が挙げられるがこれに限定されるものでない。
いずれにせよ吐出する液体に対して耐食性のある材料から選定される。
また、ノズルの耐食性や所望の表面エネルギーを得るためにノズル表面にライニング加工を施したものを用いてもよい。
本発明の分散体の製造方法においては少なくとも2種類の液体を個別に設けられたノズル開口より吐出させる。
そして、吐出した液体の進行方向が互いに120度以下の範囲で交わり、少なくとも2種類の液体が一体となって流れるように2種類の液体の吐出流量を定める。
これにより混合が開始された液体が多方向に飛散せず反応生成物を取りこぼすことなく回収可能となる。
ここで、少なくとも2種類の液体が一体となって流れるとは、混合させるべき液体の総量の99%以上が一体となって流れることをいう。
混合液体を一体として流すための条件は液体の粘度、流量等に応じて適宜選択されるが、一般的な反応に用いる液体の場合、液体の吐出流量を所定の流量とすることが挙げられる。
例えば、吐出流量をノズル開口面積をS(mm)、液体の吐出流量をL(ml/min)としてL/Sが26以上360以下の範囲に収まる流量に定めることができる。
本発明においては、少なくと2つの液体が混合領域にて所定の速度をもって衝突するため、液体同士の慣性力が働き、瞬時に且つ効率的に混合、反応を行うことができる。
本発明の分散体の製造方法において、液体同士の接触混合により微粒子が生成する反応を行うと、反応が瞬時に進行し生じた多数の核に基づいて多数の粒子が成長するため、一次粒径の小さい微粒子が形成される。
よって一次粒径の小さい機能物質の微粒子を得ることが可能となる。また、少なくとも2種類の液体は常に同じタイミングで接触するため反応が秩序よく進む(秩序性がある)ため粒度分布を狭く抑えることができる。
また、少なくとも2種類の液体の少なくとも一種類に沈殿する微粒子を媒体に分散させるための分散剤を含有させることにより、微粒子生成後、瞬時に分散を行わせることができる。
これによると生成した微粒子の凝集は抑制され粒径の小さな反応生成物の分散体を得ることができる。特に分散粒子の粒径及び粒径の均一さが機能物質の機能に大きく影響を及ぼすものに対しては、本発明の分散体の製造方法は有効である。
ノズルの開口から吐出される液体は、細棒状、薄片状の液体として吐出され、細棒状もしくは薄片状の状態で接触、混合が開始されることが好ましい。
液体を吐出後、液体の短辺の幅が大きく広がってしまった状態で接触させると接触前に飛散してしまう液体部分ができ未混合の液体部分が発生しやすくなる。
また、液体の短辺の幅が大きく広がった状態で接触すると、混合を開始した液体の幅も大きくなるため、混合液体内での個々の反応液の混合に必要な移動距離が大きくなり混合時間が長くなる。
液体の接触直前の液体断面の短辺はノズルの開口径の短辺に対し一般的には1から20倍であり、好ましくは1から10倍、より好ましくは1から5倍、更に好ましくは1から2倍である。
少なくとも2種類の液体は、混合開始後に反応を生じ、反応生成物が分散された分散体を生成する組合せとされる。
この場合、液体に含まれる物質の全てが反応しなくてもよい。すなわち反応に関与する物質のうち、どちらか一方の物質が過剰に存在してもよいし、溶媒のように反応に関与しないものも含んでもよい。
反応生成物は分散媒体中で固体でも液体でもよい。反応生成物が液体の場合は、分散媒体に対して溶解性の乏しい分散剤が反応生成物の液体分子に吸着もしくは化学結合して分散している状態を示す。
複数種の液体が接触混合開始後生ずる反応としては再沈殿反応、カップリング反応、加水分解重縮合反応等があるが、これに限定されるものではない。
例えば、イオン反応、ラジカル反応、脱水反応、付加重合、重縮合、酸化反応、還元反応、中和反応や酵素反応等であり、また、これら反応を組合せてもよい。
本発明においては機能物質として、好ましく色材が用いられる。色材としては前述したように顔料が例としてあり、無機の無彩色顔料、有機、無機の有彩色顔料があり、また、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。
本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
例えば再沈殿反応において、一方の液体は顔料を溶解した溶解液で他方の液体は顔料の沈殿媒体(顔料の溶解度を低下させる貧溶媒)という組合せが一例として挙げられる。
このとき反応生成物は析出する顔料であり、顔料を分散する分散体を得るために2種類の液体のどちらか一方もしくは両方に分散剤を含ませておく。
特に反応生成物の顔料が沈殿媒体に対して所望の分散性を有しているのなら分散剤は必ずしも2種類の液体のどちらか一方もしくは両方に含ませる必要はない。
本発明に適用される顔料の種類は特に限定されず、公知の顔料を用いることができる。
例えば、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ系顔料;キナクリドン系顔料;イソインドリノン系顔料;インダンスロン系顔料;ジケトピロロピロール系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリレン系顔料;ペリノン系顔料;アントラキノン系顔料等が挙げられるが、使用可能な顔料はこれらに限定されるわけではない。
上記顔料は、市販されている顔料を用いても良く、黒、シアン、マゼンタ、イエローについて、市販されている顔料を例示すると以下となる。
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRA II、Raven1190 ULTRA II(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができる。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられる。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.PigmentRed−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.PigmentRed−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられる。
黄色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.PigmentYellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられる。
本発明において使用される顔料を溶解する溶解溶媒としては以下のものが例示される。
有機溶剤としては、アルカリ存在下で有機顔料を溶解させるものであればいかなるものでも使用可能であるが、水に対する溶解度が5%以上であるものが好ましく利用され、さらには水に対して自由に混合するものがより好ましい。
水に対する溶解度が5%より小さい溶剤を用いて顔料を可溶化した場合は、水と混合する際に有機顔料が析出しにくく、粗大な粒子になり易い点で不利である。
また、得られる顔料分散体の分散安定性に対して悪影響を及ぼす傾向があるという点でも不利である。
有機溶媒の一例として、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
この中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリルが好ましいものである。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用することもできる。
酸としては、酸単独または有機溶剤中で有機顔料を可溶化するものであればいかなるものでも使用可能であり、有機プロトン酸、無機プロトン酸を使用することが可能である。
有機プロトン酸の一例として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸;これらがハロゲンで置換されたトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のハロゲン化アルキルスルホン酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸等のアルキルカルボン酸;これらがハロゲンで置換されたトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、クロロカプロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウンデカン酸等のハロゲン化アルキルカルボン酸;安息香酸、テトラフルオロ安息香酸等の芳香族カルボン酸;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸を挙げることができる。
無機酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、塩化水素酸、過塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クロロスルホン酸を挙げることができる。
また、これらの酸は、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
酸もしくはアルカリを有機溶剤と混合して用いる際に、完全に溶解させるために、若干の水や低級アルコールおよびグリセリンなどの酸に対して高い溶解度をもつ溶剤を、有機溶剤に添加することが出来る。
これにより酸もしくはアルカリの溶解度が低い有機溶剤であっても有機顔料の溶解が容易になる。
沈殿媒体(顔料の溶解度を低下させる貧溶媒)の例を挙げると以下となる。
即ち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒類、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの炭化水素類を挙げることができる。
水は全てのpH範囲で使用可能であるが、好ましくはpHは1から14の間である。
また、これらの沈殿媒体は1種類単独でまたは2種類以上の混合物として用いてもよい。
さらに沈殿反応速度や得られる顔料分散体の分散安定性を増すために、上記沈殿媒体中に酸やアルカリを添加して用いてもよい。
カップリング反応の場合、例えば一方の液体をカプラー溶液、他方の液体をジアゾニウム塩溶液という組合せが挙げられる。
このとき、反応生成物はアゾ化合物となり、アゾ化合物の分散体として得るために2種類の液体のどちらか一方もしくは両方に分散剤を含有させる。
ただし、反応生成物のアゾ化合物が分散媒体に対して所望の分散性を有しているのなら分散剤は必ずしも含ませる必要はない。
アゾ化合物としてはアゾ、ビスアゾ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ系顔料が挙げられる。
顔料としては、市販されている顔料を用いても良い。市販されている顔料を以下に例示した。
即ち、C.I.Pigment Yellow74、93、94、95、120、128、151、154、166、175、180、181、C.I.Pigment Red 5、31、144、146、147、150、166、176、184、269、Pigment Orange31等が挙げられる。
ジアゾニウム塩としては芳香族アミン、複素環式アミン構造を有する化合物から誘導されるジアジニウム塩を用いることができる。
カプラーとしてはアニリン、フェノール、ナフトール系構造を有する芳香族化合物やアセトアセトキシ基を有する化合物を有するカプラーを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
加水分解重縮合反応については、一方の液体は無機アルコキシドで他方の液体は水を含む溶液という組合せが一例として挙げられる。
このとき、反応生成物は無機アルコキシド加水分解重縮合物となる。
無機アルコキシドの加水分解と、それに続く重縮合反応は、ゾル−ゲル法と呼ばれる反応である。無機アルコキシドを溶液中で加水分解・重縮合反応させて溶液を無機酸化物または無機水酸化物の微粒子が溶解したゾルとし、さらに反応を進めてゲルとする反応である。無機アルコキシド加水分解重縮合物の分散体として得るために反応液Aと反応液Bのどちらか一方もしくは両方に分散剤を含ませておく。
しかし、反応生成物Cの無機アルコキシド加水分解重縮合物が分散媒体に対して所望の分散性を有しているのなら分散剤は必ずしも反応液Aと反応液Bのどちらか一方もしくは両方に含ませる必要はない。
無機アルコキシドとしては、例えば、次式(I)で示される化合物である。
M(ORm−n ・・・・・(I)
式(I)中Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、V、Sn、Li、Beから選択される原子、Rはアルキル基であり、Rはアルキル基、官能基を有するアルキル基、mはMの原子価、およびnは1からmまでの整数である。
式(I)の化合物のうち汎用されるのは、n=0、つまりMにアルコキシ基のみが結合した化合物である。
MがTiの場合には、Tiの原子価mは4であり、このようなアルコキシドは、Ti(ORで表される。
このようなチタニウムアルコキシドとしては、Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC、Ti(OCH(CH、Ti(OCなどが挙げられる。
MがSiの場合には、Siの原子価mは4であり、このようなアルコキシドは、Si(Rで表される。
このようなアルコキシシランとしては、Si(OCH、Si(OC、HNCHSi(OCH、HNCHSiCH(OCH、HNCHCHSi(OCH、HNCHCHCHSi(OCHCH、HN(CH)CHSi(OCH、HN(CH)CHCHSi(OCH、HN(CH)CHCHCHSi(OCH、HN(CH)CHCHCHSi(OCHCH、N(CHCHSi(OCH、N(CHCHCHSi(OCH、N(CHCHCHCHSi(OCHCH、Cl(CHCHSi(OCH、Cl(CHCHCHSi(OCH、Cl(CHCHCHCHSi(OCH、Cl(CHCHCHCHSi(OCH、Cl(CHCHCHCHSi(OCHCH、CNHCHCHCHSi(OCH、NHCONHCHCHCHSi(OCH、NHCHCHNHCHCHCHSi(OCHなどが挙げられる。
MがAlの場合には、Alの原子価mは3であり、このようなアルコキシドは、Al(ORで表される。
このようなアルミニウムアルコキシドとしては、Al(OCH、Al(OC、Al(OC、Al(OCH(CH、Al(OCなどが挙げられる。
他の無機アルコキシドとしては、例えば、Ca(OC、Fe(OC、V(OCH(CH、Sn(OC(CH)4、Li(OC)、Be(OC等が挙げられる。
また、アルコキシでなくORがハロゲンである無機ハライドを用いてもよい。
本発明の分散体の製造方法は上述したの反応に限定されるものではなく、金属ナノ粒子の分散体等の製造方法にも利用することができる。
分散剤としては、混合させる少なくとも2種類の液体の少なくとも1種に溶解するものを用いる。
分散剤は反応生成物の分散媒体に対して溶解性であっても非溶解性であってもよい。分散剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。
共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されるものではない。
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。
なお、界面活性剤についても同様、上述したものに限定されるものではない。
次に、本発明の第二の発明である分散体について詳細に説明する。
分散体製造方法の項で述べた顔料および沈殿溶媒(溶解した顔料の溶解度を低下させる貧溶媒)を用い、上述の反応を行って得られる反応生成物を用いれば、顔料粒子を分散媒中に分散させた顔料分散体とすることが出来る。
本発明の分散体は上述の反応で得られた反応生成物をそのまま使っても良い。
また反応後の反応生成物を含む液中からろ過、透析、限外ろ過等の手段を用いて顔料分散体及び/またはそれ以外の成分の濃度を調節して使用目的・使用方法に適したものにしても良い。
更に複数種類の顔料分散体粒子を一定の比率で混合して、単独の顔料とは異なった色や粒径分布等の特徴を付与しても良い。また、使用方法、使用目的に合わせて、新たな添加剤を入れても良い。
添加剤は特に限定されないが、例えば印刷媒体が紙のような繊維状のものや表面にインク吸収層を持ったものならば、印刷媒体へインクが浸透する速度等を制御する浸透剤を添加することが考えられる。
印刷手段がノズルやスリットである場合、添加剤としてノズル等の壁面の濡れ性を改善するためのノニオン系界面活性剤を使用しても良い。
インクジェットプリンタがノズル内のヒーターで加熱発泡させてインクを突出させる駆動方法の場合、インクに耐熱性を付与する添加剤を添加しても良い。
また、その他インクとしての品質の保持向上のために、グリコール類、グリコールエーテル類、アミド類、ピロリドン類等の湿潤剤、結着剤、酸素吸収剤、物性調整剤、荷電調整剤、防黴剤、キレート化剤等の添加剤を添加してもよい。
下記使用方法に合わせて最適なものを選択して添加すればよいし、また何も添加しなくても良い。
本発明の分散体を用いた顔料インクの使用方法は、特に限定されない。
紙のような一定の面を持った印刷媒体の表面に塗布して一部分または全面を着色する塗布用インクが上げられる。
塗布方法としては、例えばノズルやスリットから顔料インクを印刷用媒体へ噴射して塗布する方法がある。ノズルから噴射させて印刷媒体へ塗布する手段としては例えばインクジェットプリンタがある。
またその他の塗布方法としては、例えば顔料インクが付着した印刷用治具を印刷用媒体に接触させることで塗布する方法がある。
具体的には、ハケや繊維状のペン先のような溶液を保持できる塗布用治具に顔料インクを一度染み込ませた上で塗布用治具を印刷用媒体に接触させて塗布する方法の他、以下のものを挙げられる。
即ち、ノズルの先端に回転する玉をはめ込み玉を印刷用媒体に接触回転させることで玉の表面に付着した顔料インクを印刷用媒体に塗布する方法、凸版・凹版・謄写版等の印刷用治具を用いて顔料インクを印刷用媒体に転写する方法などがある。
また、流動性のある透明な素材に懸濁させた後その素材を硬化させ着色素材とする製法で用いられる着色剤として用いても良い。
また、分散剤の安定性が良いため、顔料インクそのものを液体または流動性の色剤として用いても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、図10に示した液体混合装置100を用いた。一方の液体を吐出させるノズル121はテフロン(登録商標)製で開口径は300μmφである。他方の液体を吐出されるノズル122はガラス製で開口径は470μmφである。そして両方の液体の進行する方向のなす角度は40度とした。
ノズル121から吐出させる液体は以下のように調整した。
C.I.Pigment Red 122のキナクリドン顔料10部にジメチルスルホキシド100部を加え懸濁させた。
つづいて分散剤としてラウリル硫酸ナトリウムを40部加え、これらが溶解するまで25%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液を調製した。ノズル122から吐出させる液体としてはイオン交換水を用いた。
液体供給手段としてシリンジポンプを用いて2種類の液体をそれぞれのノズル121及び122に供給した。
ノズル121から吐出させる液体は、流量7ml/minで、ノズル122から吐出させる液体は、流量10ml/minでシリンジポンプから供給した。
ノズルより吐出された2種類の液体はそれぞれの進行方向の延長線上で接触し、再沈殿反応と分散が瞬時に起こりキナクリドン顔料の分散体が得られた。
その分散体の粒子の粒径も非常に揃った均一なものであり平均粒径が30nmであった。
(実施例2)
本実施例では、図4に示した液体混合装置を用いた。
一方の液体を吐出させるノズル122はテフロン(登録商標)製で開口径は200μmφとした。他方の液体を吐出されるノズル121はガラス製で開口径は310μmφである。2つの液体の進行する方向のなす角度は90度とした。
ノズル122から吐出させる液体は次のようにして調整した。C.I.PigmentYellow 128のジスアゾ顔料10部にジメチルスルホキシド50部を加え懸濁させた。
つづいて分散剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルを40部加え、これらが溶解するまで25%水酸化カリウム水溶液を加えていき反応液を調製した。
ノズル121から吐出させる液体はイオン交換水を用いた。
液体供給手段としてプランジャーポンプを用いて2種類の液体をノズル122と121に供給した。液体はノズル122については流量7ml/minで、ノズル121については流量10ml/minでプランジャーポンプから供給した。
液体191と液体192とはそれぞれの進行方向の延長線上で接触し、再沈殿反応と分散が瞬時に起こりジスアゾ顔料の分散体を得た。その分散体の粒子の粒径も非常に揃った均一なものであり平均粒径が25nmであった。
(実施例3)
本実施例では第一実施例と同様な液体混合装置を用いた。
3,3’−ジクロロベンジデンテトラアゾ水溶液をノズル121に、濃度約5%のカプラー水溶液をノズル122に流し、ピグメントイエロー83の粒子を合成したところ第1実施例と同様に粒径が小さく大きさの揃った粒子が得られた。
ノズル121はテフロン(登録商標)製で開口径は300μmφとし、ノズル122はガラス製で開口径は470μmφとした。液体191と液体192の進行する方向のなす角度は60度とした。
ノズル121から吐出させる液体は3,3’−ジクロロベンジデンテトラアゾ水溶液とし、ノズル122から吐出させる液体には濃度約5%のカプラー水溶液にポリオキシエチレンラウリルエーテルを溶解させた溶液を用いた。
2種類の液体はそれぞれの進行方向の延長線上で接触し、合成反応と分散が瞬時に起こりC.I.Pigment Yellow 83の分散体が得られた。
得られた分散体の粒子の粒径は非常に揃った均一なものであり平均粒径が30nmであった。
(実施例4)
本実施例では、図5に示す3つのノズルが設けられた液体混合装置を用いた。
ここで、ノズル121は疎水表面に表面修飾したガラス製で開口径は300μmφとし、ノズル122は疎水表面に表面修飾したガラス製で開口径は470μmφとした。
ノズル123はテフロン(登録商標)製で開口径は470μmφとした。ノズル121から吐出される液体191とノズル122から吐出される液体192の進行する方向のなす角度は90度とした。
また、液体191とノズル123から吐出される液体193の進行する方向のなす角度は60度とし、液体192と液体の進行する方向のなす角度は60度とした。
液体191は脂溶性染料オイルイエロー(オリエント化学製)7重量部をテトラヒドロフラン25重量部に溶解した溶液である。
液体192には分散剤としてブロック共重合体を用いた。
ここで2−(4−メチルフェニル)エチルビニルエーテルをAセグメントに、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルビニルエーテルをBセグメントに、4−(2−ビニルオキシ)エトキシ安息香酸エチルをCセグメントにした。
共重合モル比はA/B/C=90/80/14とし、トリブロック共重合体のCブロックは安息香酸エチルの脱保護を行ったものとした。
このトリブロック共重合体10重量部とテトラヒドロフラン25重量部に溶解した溶液を液体192として調製した。
液体193として0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液を用いた。液体供給手段としてプランジャーポンプを用いて液体191、192、及び193をそれぞれのノズルに供給した。
液体191は流量6ml/minで、液体192は流量7ml/minで液体193は流量14ml/minでプランジャーポンプから供給した。
液体191と液体192及び液体193はそれぞれの進行方向の延長線上で接触し、Cブロックの安息香酸が水酸化カリウムで中和されトリブロック共重合体での脂溶性染料オイルイエローの内包が瞬時に進行し、均一で小さな多数のミセルが形成された。
平均粒径は60nmであった。
(実施例5)
本実施例では第1実施例と同様な混合装置を用いた。
実施例ではノズル121から吐出させる液体191はチタンテトライソプロポキシド、ノズル122から吐出させる液体192を濃度約60%のイソプロピルアルコール水溶液とした以外、第1実施例と同様に液体の混合を行った。
これにより加水分解重縮合物としてチタニアの単分散体が得られ、平均粒径が30nmと粒径の非常に揃ったものであった。
(比較例1)
液体191と液体192の進行する方向のなす角度を180度にした以外は実施例1と同様にして同様の反応を行った。そうしたところ液体同士は接触後あらゆる方向に飛散し分散体の回収は困難であった。さらに飛散した分散体が落下時に、ノズルの開口から吐出される反応液内に混入される様子が確認された。
得られた分散体には大きな粒径のものが混在し粒径の均一性は低かった。
(比較例2)
液体191と液体192の進行する方向のなす角度を130度にした以外は実施例1と同様にして同様の反応を行った。本比較例においても液体の飛散が確認され、分散体の回収は困難であった。さらに飛散した分散体が落下時に、ノズルの開口から吐出される反応液内に混入される様子が確認された。
得られた分散体には大きな粒径のものが混在し粒径の均一性は低かった。
(実施例6)
実施例1で得られた平均粒径30nmの均一な粒径のC.I.Pigment Red 122のキナクリドン顔料粒子の分散体を含む水溶液を用いてインクを製造した。
具体的には、分散体を含む水溶液を限外ろ過して液中に溶解している過剰なラウリル硫酸ナトリウムと共に水を除去して顔料粒子濃度を濃縮した。
次いで、これにイソプロピルアルコール及びエチレングリコールを添加してインクジェットプリンタ用顔料インクとした。
この顔料インクを透明なガラス容器に充填して密封し、数週間室温で蛍光灯の光で照明されている実験室に静置したが、沈殿が生じる事はなかった。
また、吸光光度計(UV3100:島津製作所社製)を用いてインクの吸収スペクトルを測定したが、静置前後でほとんど差が無く、顔料粒子は分散性を維持し、インクとして安定していることがわかった。
このインクを適宜希釈して、キナクリドン顔料粒子の濃度が異なる5種類のインクを作製した。
それぞれをキヤノン社製のインクジェットプリンタ用インクカートリッジに充填し、そのカートリッジをインクジェットプリンタ(PIXUS950:キヤノン社製)に装填し、写真画質インクジェット用紙(PR−101:キヤノン社製)に画だしを行なった。
インクが乾燥した後、それぞれのJIS Z8741に基づく20度及び60度光沢度を光沢度計(GMX−203:村上色彩技術研究所社製)で、OD(反射濃度)をOD計(Gretag Macbeth RD−19:サカタインクス社製)で測定した。
その結果を、図11及び図12に示す。20度光沢はODが1〜2.5のいずれでも150程度の値に、また60度光沢はODが1〜2.5のいずれでも130から140程度の値になることがわかった。
またODが2.48のインクで画だししたものの表面をAFM(NanoScopeIIIa:ビーコ社製)で観察し、一片2μmの正方形の範囲の表面粗さを算出した。3箇所観察して算出した値の平均は5.18nmだった。
同様に、写真画質インクジェット用紙そのものの表面粗さも同様の方法で測定し平均値を求めたところ10.4nmで、本実施例で作製した顔料インクを印字することによって表面粗さが約5nm改善することが確かめられた。
(比較例3)
粉砕処理をして平均粒径が100nmのC.I.Pigment Red 122のキナクリドン顔料粒子を、分散剤にラウリル硫酸ナトリウム、分散媒に水を用いて分散体を作製した。
更にイソプロピルアルコール及びエチレングリコールを添加して、実施例6と同様の濃度のインクジェットプリンタ用顔料インクとした。
この顔料インクを実施例6と同様にインクジェットプリンタを用いて写真画質インクジェット用紙に画だしし、光沢度及びODを測定した。
その結果を図11及び図12に示す。20度光沢はODが1〜2.5のいずれでも110程度の値に、また60度光沢はODが1.2では93、それ以上では120程度の値になることがわかった。
またODが2.48のインクで画だししたものの表面粗さを実施例6と同様に算出したところ14.1nmで、実施例6の画だし面はもとより、画だしした写真画質インクジェット用紙の表面より荒れていることがわかった。
本発明の分散体の製造方法に適用可能な液体の混合装置を用いた液体混合装置システムの全体を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の分散体の製造方法に適用可能な混合装置の一部を示す模式図である。 本発明の顔料インク及び一般的な粉砕顔料インクを画だししたものの20度光沢度のグラフである。 本発明の顔料インク及び一般的な粉砕顔料インクを画だししたものの60度光沢度のグラフである。
符号の説明
100 混合装置
121、122、123、125、126、321、322 ノズル
191、192 液体
111、112、155、156 開口
221、 開口面

Claims (11)

  1. 少なくとも2種類の液体を反応させて反応生成物を生成する工程を含み、前記反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体の製造方法において、
    それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させ、反応生成物を生成させることを特徴とする分散体の製造方法。
  2. 前記吐出させる前記液体の流量は、ノズル開口面積をS(mm)、液体の吐出流量をL(ml/min)としてL/Sが26以上360以下の範囲に収まる流量に定められている請求項1に記載の分散体の製造方法。
  3. 前記反応は再沈殿反応であることを特徴とする請求項1に記載の分散体の製造方法。
  4. 前記2種類の液体の一方は、顔料と分散剤とを溶解した溶液で、他方は溶解した顔料の溶解度を低下させる溶媒であることを特徴とする請求項3に記載の分散体の製造方法。
  5. 前記反応はカップリング反応であることを特徴とする請求項1に記載の分散体の製造方法。
  6. 前記2種類の液体の一方は、カプラ−と分散剤を溶解した溶液で、他方はジアジニウム塩を含有するものであることを特徴とする請求項5に記載の分散体の製造方法。
  7. 前記反応は加水分解重縮合反応であることを特徴とする請求項1に記載の分散体の製造方法。
  8. 前記2種類の液体の一方は、無機アルコキシド化合物の溶液で、他方は水性溶媒であることを特徴とする請求項7に記載の分散体の製造方法。
  9. 少なくとも2種類の液体を反応させて成る反応生成物を含み、前記反応生成物からなる粒子を分散媒中に分散させた分散体において、
    それぞれ吐出させた前記液体の進行方向が互いに120度以下の範囲内で交わるように、且つ前記液体がその後一体となって流れるように前記少なくとも2種類の液体をそれぞれ個別に設けられたノズルから吐出させて生成される反応生成物を含むことを特徴とする分散体。
  10. 前記2種類の液体の一方は、顔料と分散剤とを溶解した溶液で、他方は溶解した顔料の溶解度を低下させる溶媒であることを特徴とする請求項9に記載の顔料分散体。
  11. 前記顔料分散体を含有することを特徴とするインクジェット記録用顔料インク。
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