JP2007187818A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤容器内の現像剤の状態を維持して安定した画像形成を行えるようにするために、キャリアを柔軟に現像剤容器にリサイクルする画像形成装置を提供するものである。
【解決手段】画像形成装置には、YMCK各色を扱う複数の現像ユニット30が設けられており、各現像ユニット30にはそれぞれ現像剤容器31が配されている。この各現像剤容器31に対しては、混合容器80で混合された現像剤が供給されるが、この混合容器80にはキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からはキャリアが、また現像剤カートリッジ72からは高濃度液体現像剤が供給されるよう構成されている。混合容器80をバッファ的に用いることにより現像剤容器内の現像剤のトナー重量比がつねに一定となるようにコントロールされる。
【選択図】図4
【解決手段】画像形成装置には、YMCK各色を扱う複数の現像ユニット30が設けられており、各現像ユニット30にはそれぞれ現像剤容器31が配されている。この各現像剤容器31に対しては、混合容器80で混合された現像剤が供給されるが、この混合容器80にはキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からはキャリアが、また現像剤カートリッジ72からは高濃度液体現像剤が供給されるよう構成されている。混合容器80をバッファ的に用いることにより現像剤容器内の現像剤のトナー重量比がつねに一定となるようにコントロールされる。
【選択図】図4
Description
本発明は、複数の像担持体と、不揮発性溶剤をキャリアとする液体現像剤を用い前記複数の像担持体上のそれぞれに形成された静電潜像を現像する複数の現像装置と、前記複数の像担持体のそれぞれに対応する1次転写部で前記現像されたトナー像を順次転写して重ね合わせ担持し搬送する中間転写体と、前記中間転写体から重ね合わせたトナー像を2次転写部で搬送路上のシート材に転写して画像を出力する出力装置とを備えた画像形成装置に関する。
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性の有機溶剤(キャリア)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
現像剤を構成するキャリアは、粒子径1μm前後のトナー粒子の飛散防止の他に、トナー粒子を帯電状態にさせ、さらに均一分散状態にする機能を有し、現像や転写工程では、トナー粒子が電界作用で容易に移動できるようにするための役割も担っている。このように、キャリアはトナー保存、トナー搬送、現像、転写工程で必要な成分であるが、非画像領域にも付着し、現像後の過剰なキャリアは転写乱れ等を引き起こす原因となる。そのため、通常、感光体上、中間転写体上の現像剤に対してキャリアを除去(スクイーズ)することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、湿式画像形成装置においては、中間転写ベルト、さらには二次転写ベルトを使用した場合、ベルト表面に付着した液体現像剤(キャリアと固形分)をクリーニングブレードにより除去することが行われ(例えば、特許文献2参照)、現像剤のリサイクルでは、複数の現像装置を感光体ドラムに対して選択的に対向配置し、当該現像装置の下流側に夫々の現像器に対応したスクイーズ装置を設けて現像器と同様に感光体ドラムに対して選択的に対向配置して、このスクイーズ装置により感光体ドラムに現像された余剰の現像剤をスクイーズし、スクイーズ装置に回収した余剰の現像剤を循環装置によって対応した現像器に循環搬送して再利用するシステムがある(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−296918号公報
特開2002−189354号公報
特開2003−107913号公報
上記従来の現像剤のリサイクルシステムにおいては、スクイーズ装置により感光体ドラムに現像された余剰の現像剤をスクイーズし、スクイーズ装置に回収した余剰の現像剤を循環装置によって対応した現像器に循環搬送するだけのシステムとなっている。
ところで、このようなシステムだと、画像形成装置で作像した現像像のトナー濃度が高い場合には現像器内のトナー濃度が低下し、逆に作像した現像像のトナー濃度が低い場合には現像器内のトナー濃度の低下が僅かとなる、といったように、画像形成装置で作像する画像の種類に応じて、トナー濃度は複数の現像器毎に刻々と変化することとなる。そこで、本来は、例えば、それぞれの現像器毎にトナーの分散重量比率を検知する検知手段等を設けておき、このような検知手段による検知結果に基づいて現像剤カートリッジ及びキャリアカートリッジ等から現像剤やキャリアを所定量補充して現像器内のトナー重量比を概略一定にコントロールすることが必要となる。トナー重量比を一定にコントロールする場合には、キャリア量が不足する場面と過多になる場面とが発生するので、このような両場面に対応して、キャリアの過不足に柔軟に対応できる現像剤のリサイクルシステムが必要となる。
しかしながら、上記従来の現像剤のリサイクルシステムにおいては、余剰の現像剤をスクイーズし、この回収した現像剤を現像器に循環搬送するだけのシステムであり、上述したようなことが全く考慮されていない。
そこで本発明は、現像剤容器内の現像剤の状態を維持して安定した画像形成を行えるようにするために、キャリアを柔軟に現像剤容器に供給する構成を提供するものである。
そのために、請求項1に係る本発明は、複数の像担持体と、前記複数の像担持体上の形成された静電潜像を不揮発性溶剤をキャリアとするそれぞれ異なる色の液体現像剤を用いて現像する複数の現像装置と、前記複数の像担持体のそれぞれに対応する1次転写部で前記現像された現像剤像を順次転写して重ね合わせ担持し搬送する中間転写体と、前記中間転写体から重ね合わせた現像剤像を2次転写部で搬送路上のシート材に転写して出力する出力装置とを備え、現像剤回収手段を複数の位置に配置して余剰現像剤を回収し画像形成を行うようにした画像形成装置において、該複数の現像装置にはそれぞれ現像剤容器が設けられており、該現像剤容器の各々に対して現像剤を供給する複数の混合容器を具備することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、該現像剤容器の液体現像剤よりも高濃度の液体現像剤を、該複数の混合容器の各々に対して供給する複数の現像剤カートリッジを有することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、該混合容器にキャリアを供給するキャリア収納タンクを有することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、該現像剤カートリッジから該混合容器に供給する高濃度の液体現像剤の量を調整することにより該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御は、該現像剤容器に設けられた濃度検知手段に基づいて行うことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御は、出力する画像のドット数のカウント値に基づいて行うことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、該現像剤回収手段としては、像担持体スクイーズ装置、像担持体クリーニング装置、中間転写体スクイーズ装置、中間転写体クリーニング装置、2次転写ローラクリーニング装置の各々を有し、これらの該現像剤回収手段から回収された回収現像剤を同一の流路に合流させてバッファタンクに回収することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、請求項7記載の画像形成装置において、該バッファタンクからキャリアを該複数の混合容器に対して分配搬送することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置において、該キャリア収納タンクに貯蔵されたキャリアに優先して該バッファタンクに貯蔵されたキャリアを、該現像剤容器に対して供給することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、該バッファタンクには、トナー濃度センサが設けられることを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、バッファタンクからキャリア利用を中止するモードを備えることを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、ユーザーに該バッファタンクの交換を促す交換モードを備えることを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、ユーザーに該フィルタ手段のフィルタの交換を促すフィルタ交換モードを備えることを特徴とする。
本発明によれば、像担持体スクイーズ装置、像担持体クリーニング装置、中間転写体スクイーズ装置、中間転写体クリーニング装置、2次転写ローラクリーニング装置から、バッファタンクへと現像剤を回収してから、このバッファタンクからキャリアを複数の混合容器に対して分配搬送し、混合容器でキャリアと高濃度現像剤を混合し、混合された現像剤を現像剤容器に供給する構成を有している。このため、キャリアを柔軟に現像剤容器にリサイクルし得る構成となっているので、現像剤容器のトナー重量比を一定にコントロールすることが容易に行え、従って、安定した画像形成を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図、図2は画像形成部、現像ユニット及び中間転写体スクイーズ装置の主要構成要素を示す断面図である。画像形成部、現像ユニット及び中間転写体スクイーズ装置は、図1において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色に対し、同じ構成要素については、各色を表すY、M、C、Kをそれぞれに付して同一番号を用いている。そのうち、イエロー(Y)の画像形成部、現像ユニット及び中間転写体スクイーズ装置の構成を示したのが図2である。以下、各画像形成部、現像ユニット及び中間転写体スクイーズ装置の詳細については図2を参照して説明する。
画像形成部は、像担持体10Yの外周の回転方向(移動方向)に沿って、潜像イレーサ16Y、像担持体のクリーニングブレード17Y及び現像剤回収部18Yからなるクリーニング装置、帯電ローラ11Y、露光ユニット12Y、現像ユニット30Yの現像ローラ20Y、像担持体スクイーズローラ13Yとその付属構成であるクリーニングブレード14Y及び現像剤回収部15Yからなるクリーニング装置が配置されている。現像ユニット30Yは、現像ローラ20Yの外周に、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラを用いた現像剤供給ローラ32Yとその現像剤供給量を規制する規制ブレード33Y、現像剤圧縮ローラ22Yとその表面の現像剤を書き落とし除去するクリーニングブレード23Yが配置され、液体現像剤が収容された現像剤容器(リザーバ)31Yの中に、現像剤を一様分散状態に攪拌する現像剤攪拌ローラ34Yが配置されている。また、中間転写体40を挟み像担持体10Yと対向する位置に一次転写部50Yの一次転写ローラ51Yが配置され、中間転写体40に沿ってその移動方向下流側に中間転写体スクイーズ装置52Yが、さらに各色の一次転写部50(M、C、K)、中間転写体スクイーズ装置52(M、C、K)が配置されている。中間転写体スクイーズ装置52Yは、中間転写体スクイーズローラ53Y、バックアップローラ54Y、中間転写体スクイーズローラのクリーニングブレード55Y、現像剤回収部15Mにより構成されている。
現像剤容器31Yに収容される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性溶剤をキャリアとする液体現像剤である。すなわち、本実施形態における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤である。現像剤容器31Yに収容される液体現像剤は、像担持体への現像にともなって変化する現像剤濃度に応じ、現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を、キャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアをそれぞれ現像剤容器31Yに補給して液体現像剤攪拌ローラ34Yにより攪拌することにより一様分散状態にし、概略重量比でキャリア75%の中にトナー25%を分散させたものである。
画像形成部及び現像ユニット30Yでは、帯電ローラ11Yにより、像担持体10Yを一様に帯電させ、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の光学系を有する露光ユニット12Yにより、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザ光を照射して、帯電された像担持体10Y上に静電潜像を形成する。そして、各色(こではイエロー)の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yから規制ブレード33Yにより供給現像剤量を規制して現像剤供給ローラ32Yから現像ローラ20Yに現像剤を供給して像担持体10Y上に形成された静電潜像を現像している。
中間転写体40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、駆動ローラ41とテンションローラ42との間に巻き掛けて張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで像担持体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kが中間転写体40を挟んで像担持体10Y、10M、10C、10Kと対向配置され、像担持体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された像担持体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を中間転写体40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成している。中間転写体40には、このように複数の像担持体(感光体)10Y、10M、10C、10Kに形成したトナー像を順次一次転写して重ね合わせて担持し、一括してシート材に二次転写する。そのため、二次転写行程においてシート材にトナー像を転写するに当たって、シート材表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って二次転写特性を向上させる手段として、弾性ベルト部材を採用している。
二次転写ユニット60は、二次転写ローラ61が中間転写体40を挟んでベルト駆動ローラ41と対向配置され、さらに二次転写ローラのクリーニングブレード62、現像剤回収部63からなるクリーニング装置が配置される。二次転写ユニット60では、中間転写体40上に色重ねして形成されたフルカラーのトナー画像や単色のトナー画像が二次転写ユニット60の転写位置に到達するタイミングに合せてシート材搬送経路Lにて用紙、フィルム、布等のシート材を搬送、供給し、そのシート材に単色のトナー画像やフルカラーのトナー画像を二次転写する。シート材搬送経路Lの前方には、不図示の定着ユニットが配置され、シート材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体(シート材)に融着させ定着させ、最終的なシート材上の画像形成を終了する。二次転写ローラ61も、表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って二次転写特性を向上させる手段として、表面に弾性体を被覆した弾性ローラで構成している。これは、複数の像担持体10Yに形成したトナー像を順次一次転写して中間転写体40に重ね合わせて担持し、一括してシート材に二次転写する中間転写体40に採用した弾性ベルト部材と同様の目的である。
ベルト駆動ローラ41と共に中間転写体40を張架するテンションローラ42側には、その外周に沿って、中間転写体40に当接するように現像剤圧縮ローラ43が対向配置され、その現像剤圧縮ローラ43より中間転写体40の移動方向下流側に、クリーニングブレード46、現像剤回収部47からなるクリーニング装置が配置されている。そして、この現像剤圧縮ローラ43の外周にもクリーニングブレード44、現像剤回収部45からなるクリーニング装置が対向配置され、現像剤圧縮ローラ43に対し、中間転写体40上の残留トナーを中間転写体40に押し付ける方向のバイアスが印加される。二次転写ユニット60を通過後の中間転写体40は、テンションローラ42の巻きかけ部へと進み、現像剤圧縮ローラ43により現像剤が圧縮された後、クリーニングブレード46により中間転写体40上のクリーニングが行われ、再び、一次転写部50へと向かう。
現像剤容器31Yにおいて、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、現像剤は、撹拌ローラ34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、現像剤供給ローラ32Yが回転することによって、現像剤容器31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって現像剤量が規制されて現像ローラ20Yに供給される。初期的には現像剤容器31Y内に貯蔵した現像剤はキャリア内に概略トナー重量比25%程度で一様分散した状態であるが、像担持体10Yへの現像において画像デューティーが高い現像の場合にはトナー分の消費比率が多く、逆に画像デューティーが低い現像の場合にはトナー分の消費比率が少なくなる。即ち、現像剤容器31Y内に貯蔵された現像剤のトナー重量比率は像担持体10Yへの現像にともなって刻々と変化し、常時この変化を監視して概略トナー重量比25%程度に分散した状態に維持コントロールしていく必要がある。
現像剤容器31Yにおける現像剤を濃度コントロールするため、濃度を検知する手段として、図示省略したトナーの分散重量比率を検知する透過型のフォトセンサあるいは現像剤攪拌ローラ34Yの攪拌トルクを検知するトルク検知手段等及び現像剤容器31Y内の現像剤液面を検知する反射型のフォトセンサ等々が夫々の現像ユニット30Yに設けられる。そして、所定の現像剤量においてトナーの分散重量比率が少なくなった場合にはトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤カートリッジ72Yから現像剤容器31Yに所定量補充する。逆にトナーの分散重量比率が高くなった場合にはキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアを現像剤容器31Yに所定量補充する。これらの補充により概略トナー重量比25%程度にコントロールしている。
キャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアを現像剤容器31Yに所定量補充するための調節はポンプ75Yの動作制御によって、また、現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤容器31Yに所定量補充するための調節はポンプ79Yの動作制御によってそれぞれ行う。
また、現像剤の濃度コントロールは、画像信号を管理するコントローラ(CPU)において、出力する画像のドット数をカウントすることによって現像剤の消費量を予測し、これに応じて現像ユニット30Y内の現像剤濃度を予測して現像剤カートリッジ72Y及びキャリア収納タンク73、キャリアバッファタンク74からの補充量を予測制御することも可能である。このような予測制御によりコントロール応答性と信頼性を高めることができる。
このように本実施形態の画像形成装置では、現像剤容器31Yに対し、像担持体への現像にともなって変化する現像剤濃度に応じ、現像剤カートリッジ72Yから高濃度に分散した現像剤を、キャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアをそれぞれ補給して概略重量比でキャリア75%の中にトナー25%を一様分散させている。この現像剤を用い、種々のプロセス行程を経て画像形成し終段階のシート材に2次転写して図示省略した定着行程に進行する段階において、好ましい2次転写機能及び定着機能を発揮させるためには、当該液体現像剤は概略トナー重量比で40%〜60%程度の分散状態になっていることが望ましい。そのため、適宜複数の位置に余剰現像剤、余剰キャリアを除去し回収する、所謂現像剤回収手段として、上記のようなクリーニングブレードを有する像担持体スクイーズ装置(13〜15)、像担持体クリーニング装置(17、18)、中間転写体スクイーズ装置(52〜55)、中間転写体クリーニング装置(42〜47)、さらには2次転写ローラクリーニング装置(62、63)等を配置している。これらおクリーニングブレードが、例えば像担持体スクイーズローラ13Yのクリーニングブレード14Y、像担持体10Yのクリーニングブレード17Y、中間転写体スクイーズ装置52Yのクリーニングブレード55Y、二次転写ローラ61のクリーニングブレード62、中間転写体現像剤圧縮ローラ43のクリーニングブレード44、中間転写体40のクリーニングブレード46である。
本実施形態においては、例えば1色目の現像剤回収部15Yにクリーニングブレード14Yで掻き落とし回収した現像剤と現像剤回収部45にクリーニングブレード44で掻き落とし回収した現像剤と現像剤回収部47にクリーニングブレード46で掻き落とし回収した現像剤を同一の流路を合流させる。そして、現像剤回収部18Yにクリーニングブレード17Yで掻き落とし回収した現像剤と現像剤回収部15Mにクリーニングブレード55Y及び次の色のクリーニングブレード14Mで掻き落とし回収した現像剤を同一の流路を合流させ、2色目以降も同様に回収した現像剤を同一の流路に合流させる。そして、4色目の現像剤回収部18Kにクリーニングブレード17Kで掻き落とし回収した現像剤と現像剤回収部56Kにクリーニングブレード55Kで掻き落とし回収した現像剤を同一の流路に合流させる。さらに、これら合流させた流路と現像剤回収部63にクリーニングブレード62で掻き落とし回収した現像剤の流路を現像剤回収流路70に併合してポンプ76からフィルタ手段77に搬送する。
フィルタ手段77によってフィルタリングしたキャリアは、一旦キャリアバッファタンク74に貯蔵され、複数の現像剤容器31Yに分配搬送され、複数の現像剤容器31Yにおけるキャリア再利用率を平均化して安定したキャリアの再利用を可能にしている。また、上記のように現像剤を各現像剤回収部からフィルタ手段を通して、キャリアバッファタンク74へと、一つのポンプ76によって吸引して合流させるので、現像ユニット毎にポンプ等の給送手段を設ける必要がない。
各クリーニングブレードにより掻き落とし回収された現像剤は、搬送する流路を併合した回収流路70からフィルタ77を通してキャリアバッファタンク74に貯蔵し再利用を可能にしている。複数の現像ユニットから現像された現像剤を回収すると、トナーが混色状態になり、回収したままで再利用することはできないので、搬送経路にフィルタ手段77を設けてトナー粒子をフィルタリングしてキャリアのみを再利用可能にしているのである。キャリアバッファタンク74に貯蔵されたキャリアの再利用は、現像剤搬送路78を通して現像剤容器31Yに分配搬送することによって行うが、前述したように現像剤容器31Y内のトナー重量比を25%程度にコントロールするための制御を行うために、ポンプ75Yの動作制御により、現像剤容器(リザーバ)31Yへのキャリア供給量が調節される。
フィルタ手段77は、各現像剤回収手段を通して回収された現像剤の流路を回収流路に併合してからフィルタリングしトナー固形成分や紙粉をキャリア成分から分離するものであり、例えば濾紙や静電フィルタその他のフィルタが用いられる。トナー等が分離され再利用可能になったキャリアはキャリアバッファタンク74に貯蔵し、一旦バッファに貯蔵したキャリアを複数の現像ユニットの現像剤容器(リザーバ)31Yへそれぞれ分配搬送して再利用するシステムにすることによってキャリア再利用率が平均化し安定した再利用を可能にしている。そのため、現像剤を搬送するためのポンプ76はフィルタ手段77と共に共通に機能させ搬送経路と共にシンプルかつ安価な構成を実現することができる。また、2次転写ローラ61及び中間転写体40のクリーニング装置から回収する現像剤には異物や紙紛等を含んでいる場合があるので、再利用せずに廃却する方法もある。しかし、本実施形態のようにフィルタリング行程を設定して、異物や紙紛等も合せてフィルタリングすることにより、各部からの回収現像剤を再利用可能にしている。なお、フィルタ手段77に除去された混色トナー及び異物や紙紛等は、図示省略したフィルタ状態の検知手段の検知結果に基づいて交換するシステムにすることで、フィルタリング機能を安定して維持することができる。
キャリアバッファタンク74には、図示省略したトナー濃度センサを設けておき、このトナー濃度センサが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、キャリアバッファタンク74からキャリア再利用を中止するモードを備えておくこともできる。このようなモードとしては、キャリアバッファタンク74からキャリアの再利用を禁止してしまう禁止モード、ユーザーにキャリアバッファタンク74の交換を促す交換モード、或いは、トナー濃度センサによって所定濃度以上の濃度が検知されるのはフィルタの状態が悪くなっていることが原因であると考えられるので、ユーザーにフィルタの交換を促すフィルタ交換モード、等の各種モードを設定することができる。
本実施形態では、キャリアバッファタンク74とは別にもうひとつのキャリア収納タンク73を着脱可能に設けることにより、満杯になったキャリア収納タンク73をキャリアとともに除去可能としたり、或いはキャリアの必要量が回収量より大きい場合には新品のキャリアをキャリア収納タンク73で補充したりすることができる構成にしている。このようにすると、画像形成装置でキャリアが枯渇した場合にすばやくキャリア収納タンク73で供給したり、満杯のキャリア収納タンク73を空のキャリア収納タンクと交換して保管したりすることが可能になるので、無駄のない効率的なキャリアの再利用が可能になるとともにキャリアバッファタンク74の容量を極端に大きく設定する必要がなく装置の小型化に有用である。このキャリア収納タンク73は、不図示の機構により現像剤搬送路78に対してキャリアを供給したり、現像剤搬送路78からキャリアを回収したりすることができるように構成される。
このキャリア収納タンク73に貯蔵されたキャリアも現像剤搬送路78を通して現像剤容器(リザーバ)31Yに分配搬送することによって行われる。キャリア収納タンク73内に貯蔵されたキャリアも、キャリアバッファタンク74に貯蔵されたキャリアと同様に、現像剤容器(リザーバ)31Y内のトナー重量比を25%程度にコントロールするために利用される。
なお、キャリア収納タンク73、キャリアバッファタンク74のどちらか一方に貯蔵されたキャリアを優先して使用することにより、キャリアの管理を行いやすくすることができる。例えば、キャリアバッファタンク74に貯蔵されるキャリアを優先使用することで、回収されたキャリアを優先使用し、新品状態のキャリア収納タンク73に貯蔵されたキャリアを温存する、といった使用形態が可能となる。
キャリア成分は、現像剤カートリッジ72Yから補給するトナー重量比が高いときには相対的に不足になる場合が生じ、逆に現像剤カートリッジから補給するトナー重量比が低いときには相対的に余剰になる場合が生ずる。キャリア成分が不足になる場合、本実施形態では、現像剤カートリッジ72Yと共にキャリア搬送路経路内に新品のキャリア収納タンク73を着脱可能に構成することにより補給操作を簡便に行えるようにしている。また、トナー重量比が低いときだけでなく、画像デューティーが高い現像のときにも現像剤の消費と共に、現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の現像剤を補給しながら2次転写、定着時には40%〜60%程度までトナー重量比を上げるので、キャリアの回収量が多くなり、キャリア成分は、相対的に余剰になってくる。このように現像剤カートリッジ72Yには、トナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤が収容されているので、画像デューティーが高い現像により現像剤が消費されれば、それだけキャリア成分の回収が相対的に余剰になる。キャリア成分が余剰になる場合、本実施形態では、キャリアバッファタンク74とは別のキャリア収納タンク73を着脱可能に設けることにより満杯になったキャリア収納タンク73をキャリアとともに除去可能な構成にしている。このようにすると、満杯のキャリア収納タンクを空のキャリア収納タンクと交換して保管することが可能になるので、無駄のない効率的なキャリアの再利用が可能になるとともにキャリアバッファタンク74の容量を極端に大きく設定する必要がなく装置の小型化に有用である。
次に、現像容器31の前段にキャリアカートリッジ71を設ける実施形態につき図3を参照しつつ説明する。図3は、キャリアカートリッジを具備する本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。この実施形態においては、図3に示すように、現像剤容器31Yの前段に、ポンプ75Yを介してキャリアカートリッジ71Yを設け、このキャリアカートリッジ71Yには、現像剤搬送路78を介してキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアの供給を受けるように構成する。また、この実施形態においては、各種現像剤回収装置、ポンプ76、フィルタ77、キャリア収納タンク73、キャリアバッファタンク74等の使用形態は前述のものと変わらない。
現像剤容器31Yに収容される液体現像剤は、像担持体への現像にともなって変化する現像剤濃度に応じ、現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を、キャリアカートリッジ71Yからキャリアをそれぞれ現像剤容器31Yに補給して液体現像剤攪拌ローラ34Yにより攪拌することにより一様分散状態にし、概略重量比でキャリア75%の中にトナー25%を分散させる。この現像剤を用い、種々のプロセス行程を経て画像形成し終段階のシート材に2次転写して図示省略した定着行程に進行する段階において、好ましい2次転写機能及び定着機能を発揮させるためには、当該液体現像剤は概略トナー重量比で40%〜60%程度の分散状態になっていることが望ましい。
キャリアカートリッジ71Yからキャリアを現像剤容器31Yに所定量補充するための調節はポンプ75Yの動作制御によって、また、現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤容器31Yに所定量補充するための調節はポンプ79Yの動作制御によってそれぞれ行う。
現像剤容器31Yにおける現像剤を濃度コントロールするため、濃度を検知する手段として、図示省略したトナーの分散重量比率を検知する透過型のフォトセンサあるいは現像剤攪拌ローラ34Yの攪拌トルクを検知するトルク検知手段等及び現像剤容器31Y内の現像剤液面を検知する反射型のフォトセンサ等々が夫々の現像ユニット30Yに設けられる。そして、所定の現像剤量においてトナーの分散重量比率が少なくなった場合にはトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤カートリッジ72Yから現像剤容器31Yに所定量補充する。逆にトナーの分散重量比率が高くなった場合にはキャリアカートリッジ71Yからキャリアを現像剤容器31Yに所定量補充する。これらの補充により概略トナー重量比25%程度にコントロールしている。また、現像剤の濃度コントロールは、画像信号を管理するコントローラ(CPU)において、出力する画像のドット数をカウントすることによって現像剤の消費量を予測し、これに応じて現像ユニット30Y内の現像剤濃度を予測して現像剤カートリッジ72Y及びキャリアカートリッジ71Yからの補充量を予測制御することも可能である。このような予測制御によりコントロール応答性と信頼性を高めることができる。
キャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74に貯蔵されたキャリアの利用は、現像剤搬送路78を通してキャリアカートリッジ71Yに分配搬送することによって、現像剤容器(リザーバ)31Yに現像剤カートリッジ72Yからの現像剤の補給と共にキャリアカートリッジ71Yからキャリアを補給することによって行われる。
キャリアカートリッジ71Yを用いる場合、現像剤カートリッジ72Yと共にキャリア搬送路経路内にキャリアカートリッジ71Yを着脱可能に構成し、さらに、キャリアカートリッジ71Yをキャリア収納タンク73と着脱互換性を有する構成にしておくと、空になったキャリアカートリッジ71Yをキャリア収納タンク73としてそのまま活用することが可能であり、利便性を高めることができる。なお、キャリアカートリッジ71Y、キャリア収納タンク73に対してキャリアはキャリア搬送路と双方向に流出入可能であっても良いが、チェック弁機能を有して流出を阻止するように接続すると、着脱操作にも好都合である。
現像剤の配合手段として現像ユニットとは別に設けた配合ボトルなどで配合してから現像剤容器31Yに供給してもよいが、刻々と変化する現像剤容器31Y内の現像剤濃度に対してコントロールのタイムラグが生じないようにする為には、相応の配慮が必要になる。本実施形態のように、現像ユニット内にトナーの分散重量比率を検知する検知手段及び現像剤量を検知する検知手段の検知内容に基づいて高濃度に分散した現像剤及びキャリアを現像剤容器31Y内に補給し攪拌して一様分散させる構成とすることにより、濃度コントロールのタイムラグもなく安定した濃度コントロールが達成される。
上記のように本実施形態は、現像剤回収手段の有するクリーニング装置により現像剤を掻き落として回収し現像ユニット30Yに分配搬送し再利用しているが、さらに、それぞれ現像剤回収手段について説明する。現像ユニット30Yでは、現像ローラ20Yに担持された液体現像剤のトナーを圧縮状態にする現像剤圧縮ローラ22Yのクリーニングを行うクリーニングブレード23Y、現像ローラ20Yのクリーニングを行うクリーニングブレード21Yを有する。クリーニングブレード21Yは、現像ローラ20Yが像担持体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラ20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ20Yに残存する現像剤を掻き落とし、クリーニングブレード23Yは、図中矢印方向に回転して現像剤圧縮ローラ22Yの現像剤を掻き落として除去しリザーバ31Y内の現像剤に合流(併合)させて再利用される。尚、これら合流するキャリア及びトナーは混色状態にはない。
像担持体スクイーズ装置は、像担持体10Yに対向して現像ローラ20Yより回転方向下流側に配置され、像担持体スクイーズローラ13Yと、該像担持体スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Yと現像剤回収部15Yから構成され、像担持体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。本実施形態では、像担持体スクイーズローラ13Yを像担持体10Yに対して略同一周速度でウィズ回転させ、像担持体10Yに現像された現像剤から重量比5〜10%程度の余剰キャリアを回収して双方の回転駆動負荷を軽減するとともに、像担持体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。像担持体スクイーズローラ13Yによって回収された余剰なキャリア及び不要なカブリトナーはクリーニングブレード14Yの作用によって像担持体スクイーズローラ13Yから現像剤回収部15Yに回収してプールされる。尚、この回収した余剰なキャリア及びカブリトナーは専用の孤立した像担持体10Yから回収しているので各色の画像形成部において混色現象は発生しない。
一次転写部50Yでは、像担持体10Yと中間転写体40が等速度で移動して像担持体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラ51Yにより中間転写体40へ転写することにより、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、像担持体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。なお、1色目の一次転写部50Yでは初回一次転写なので混色現象は発生しないが、2色目以降は既に一次転写されたトナー像部位に更に異なるトナー像を転写して色重ねするので中間転写体40から像担持体10(M、C、K)へトナーが移行する所謂逆転写現像によって逆転写トナーと転写残りトナーは混色して余剰キャリアとともに像担持体10(M、C、K)に担持されて移動し、クリーニングブレード17(M、C、K)の作用によって像担持体から回収してプールされる。
終段階のシート材に二次転写して図示省略した定着行程に進行する段階で、好ましい二次転写機能及び定着機能を発揮させるために、現像剤(キャリア内に分散したトナー)の望ましい分散状態は、前述したように概略トナー重量比で40%〜60%程度である。中間転写体スクイーズ装置52Yは、この終段階に現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、中間転写体40から更に余剰キャリアを除去する手段として設けられている。中間転写体スクイーズ装置52Yは、一次転写部50Yより中間転写体40の移動方向下流側に配置され、中間転写体スクイーズローラ53Y、中間転写体40を挟んで中間転写体スクイーズローラ53Yと対向配置されるバックアップローラ54Y、中間転写体スクイーズローラ53Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55Y及び現像剤回収部15Mから構成され、中間転写体40に一次転写された現像剤から余剰なキャリアを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。現像剤回収部15Mは、中間転写体40の移動方向下流側に配置されたマゼンタの像担持体スクイーズローラのクリーニングブレード14Mで回収されるキャリアの回収機構を中間転写体スクイーズローラ53Yのクリーニングブレード55Yにも兼用するものである。このように2色目以降の像担持体スクイーズ装置の現像剤回収部15(M、C、K)において、その前の色の一次転写部50(Y、M、C)より中間転写体40の移動方向下流側に配置された中間転写体スクイーズ装置52(Y、M、C)の現像剤回収部として兼用することにより、それらの間隔を一定に規制することができ、構造を簡潔にして小型化を図ることができる。
なお、1色目の中間転写体スクイーズ部位では初回中間転写体スクイーズなので混色現象は発生しないが、2色目以降は既に一次転写されたトナー像部位に更に異なるトナー像が転写されて色重ねされているので中間転写体40から中間転写体スクイーズローラ53Yへトナーが移行した場合のトナーは混色して余剰キャリアとともに中間転写体スクイーズローラ53Yに担持されて移動し、クリーニングブレードの作用によって中間転写体スクイーズローラ53Yから回収してプールされる。また、上述した中間転写体スクイーズ行程上流側の一次転写部位の像担持体10Yによるスクイーズ能力及び像担持体スクイーズローラ53Yのスクイーズ能力が充分な能力をもって行われる場合には、必ずしも全ての一次転写行程より中間転写体40の移動方向下流側に中間転写体スクイーズ装置52を設ける必要はない。
中間転写体40上に色重ねしたトナー像が2次転写部位に到達するタイミングに合わせてシート材を供給し、シート材にトナー画像を2次転写して定着行程へと進め最終的なシート材上の画像形成を終了するが、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、全てのトナー画像が二次転写ロールに転写されて回収されるものではなく、一部は中間転写体上に残り、また、通常の二次転写行程においても中間転写体40上のトナー像は100%二次転写されてシート材に移行するものではなく、数パーセントの二次転写残りが発生する。特に、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、シート材が介在しない状態でトナー画像が二次転写ローラ61に接して転写されシート材裏面汚れを引き起こす。これら不要トナー像に対し、現像剤圧縮ローラ43に、液体現像剤のトナー粒子を中間転写体40側に押しつける方向のバイアス、つまり、トナー粒子の帯電極性と同極性のバイアスを印加する。ジャム等のトラブルが発生した場合に印加するこのバイアスは、二次転写ローラ61や中間転写体スクイーズローラ53Y(いずれか)に印加してもよい。このことにより、中間転写体40に残った液体現像剤のトナー粒子を中間転写体40側に押しつけて現像剤圧縮状態にして、二次転写ローラ61側にキャリア液を回収(スクイーズ)し、効率よく中間転写体のクリーニングブレード46による中間転写体40上のクリーニング、二次転写ローラのクリーニングブレード62による二次転写ローラ61のクリーニングを行う。このように二次転写ローラのクリーニングブレード62は、二次転写ローラ61に転写された現像剤(キャリア内に分散したトナー)を除去する手段として備え、二次転写ローラ61から現像剤を回収してプールされる。このプールした現像剤は混色状態のものであり、紙粉等の異物も含んでいる場合があるが、これら前述したようにフィルタ77によって分離される。
次に、現像容器31の前段に混合容器80を設ける実施形態につき図4を参照しつつ説明する。図4は、混合容器を具備する本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。この実施形態においては、図4に示すように、現像剤容器31Yの前段に、ポンプ75Yを介して混合容器80Yを設ける。そして、この混合容器80は、現像剤搬送路78を介してキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からキャリアの供給を、また、ポンプ79Yを介して現像剤カートリッジ72Yから高濃度に分散した現像剤の供給を受けるように構成する。この実施形態においては、各種現像剤回収装置、ポンプ76、フィルタ77、キャリア収納タンク73、キャリアバッファタンク74等の使用形態は前述のものと変わらない。
現像剤容器31Yに収容される液体現像剤の現像剤濃度は、像担持体への現像にともなって時々刻々変化する。この実施形態では、現像剤カートリッジ72Yからのトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤とキャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74からのキャリアとを、一端混合容器80Yで混合しておき、この混合したものをそれぞれ現像剤容器31Yに補給する。すわなち、混合容器80Yは、現像剤容器31Yにて現像剤濃度を一定に保つためにバッファ的な役割を担っている。混合容器80Yから現像剤容器31Yに補給された現像剤は、液体現像剤攪拌ローラ34Yにより攪拌することにより一様分散状態にし、概略重量比でキャリア75%の中にトナー25%を分散させる。この現像剤を用い、種々のプロセス行程を経て画像形成し終段階のシート材に2次転写して図示省略した定着行程に進行する段階において、好ましい2次転写機能及び定着機能を発揮させるためには、当該液体現像剤は概略トナー重量比で40%〜60%程度の分散状態になっていることが望ましい。このように本実施形態では、混合容器80Yをバッファ的に用いることができるので、現像剤容器31Yの液体現像剤の概略トナー重量比を一定に保ちやすいというメリットを有する。
現像剤カートリッジ72Yからトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を混合容器80Yに所定量補充するための調節はポンプ79Yの動作制御によって、また、混合容器80Yから現像剤容器31Yに現像剤を所定量補充するための調節はポンプ75Yの動作制御によってそれぞれ行う。
現像剤容器31Yにおける現像剤を濃度コントロールするため、濃度を検知する手段として、図示省略したトナーの分散重量比率を検知する透過型のフォトセンサあるいは現像剤攪拌ローラ34Yの攪拌トルクを検知するトルク検知手段等及び現像剤容器31Y内の現像剤液面を検知する反射型のフォトセンサ等々が夫々の現像ユニット30Yに設けられる。そして、所定の現像剤量においてトナーの分散重量比率が少なくなった場合にはトナー重量比35〜55%程度の高濃度に分散した現像剤を現像剤カートリッジ72Yから混合容器80Yに所定量補充する。そして、この混合容器80Yから、現像剤容器31Yに現像剤を補充することにより、現像剤容器31Y中の現像剤を概略トナー重量比25%程度となるようにコントロールしている。現像剤の濃度コントロールは、画像信号を管理するコントローラ(CPU)において、出力する画像のドット数をカウントすることによって現像剤の消費量を予測し、これに応じて現像ユニット30Y内の現像剤濃度を予測して、現像剤カートリッジ72Yから混合容器80Yへの現像剤補充量、及び、混合容器80Yからキャリアカートリッジ71Yへの現像剤補充量を予測制御することも可能である。このような予測制御によりコントロール応答性と信頼性を高めることができる。
キャリア収納タンク73及びキャリアバッファタンク74に貯蔵されたキャリアの利用は、現像剤搬送路78を通して混合容器80Yに分配搬送することによって行われる。本実施形態においても、現像剤回収手段の有するクリーニング装置により現像剤を掻き落として回収し現像ユニット30Yに分配搬送し再利用している。現像剤回収手段による現像剤の回収メカニズムは先の実施形態と同様である。
10…像担持体、11…帯電ローラ、12…露光ユニット、13…像担持体スクイーズローラ、14、17、21、23、44、46、55、62…クリーニングブレード、15、18、45、47、63…現像剤回収部、16…潜像イレーサ、20…現像ローラ、22…現像剤圧縮ローラ、30…現像ユニット、31…現像剤容器、32…現像剤供給ローラ、33…規制ブレード、21、34…撹拌ローラ、40…中間転写体、41、42…ベルト駆動ローラ、43…現像剤圧縮ローラ、50…一次転写部、51…一次転写バックアップローラ、52…中間転写体スクイーズ装置、53…中間転写体スクイーズローラ、54…バックアップローラ、60…二次転写ユニット、61…二次転写ローラ、70…現像剤回収流路、71…キャリアカートリッジ、72…現像剤カートリッジ、73…キャリア収納タンク、74…キャリアバッファタンク、75、76、79…ポンプ、77…フィルタ、78…現像剤搬送路、80・・・混合容器
Claims (13)
- 複数の像担持体と、前記複数の像担持体上の形成された静電潜像を不揮発性溶剤をキャリアとするそれぞれ異なる色の液体現像剤を用いて現像する複数の現像装置と、前記複数の像担持体のそれぞれに対応する1次転写部で前記現像された現像剤像を順次転写して重ね合わせ担持し搬送する中間転写体と、前記中間転写体から重ね合わせた現像剤像を2次転写部で搬送路上のシート材に転写して出力する出力装置とを備え、現像剤回収手段を複数の位置に配置して余剰現像剤を回収し画像形成を行うようにした画像形成装置において、該複数の現像装置にはそれぞれ現像剤容器が設けられており、該現像剤容器の各々に対して現像剤を供給する複数の混合容器を具備することを特徴とする画像形成装置。
- 該現像剤容器の液体現像剤よりも高濃度の液体現像剤を、該複数の混合容器の各々に対して供給する複数の現像剤カートリッジを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 該混合容器にキャリアを供給するキャリア収納タンクを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 該現像剤カートリッジから該混合容器に供給する高濃度の液体現像剤の量を調整することにより該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御は、該現像剤容器に設けられた濃度検知手段に基づいて行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 該現像剤容器内の液体現像剤の濃度を制御は、出力する画像のドット数のカウント値に基づいて行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 該現像剤回収手段としては、像担持体スクイーズ装置、像担持体クリーニング装置、中間転写体スクイーズ装置、中間転写体クリーニング装置、2次転写ローラクリーニング装置の各々を有し、これらの該現像剤回収手段から回収された回収現像剤を同一の流路に合流させてバッファタンクに回収することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該バッファタンクからキャリアを該複数の混合容器に対して分配搬送することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 該キャリア収納タンクに貯蔵されたキャリアに優先して該バッファタンクに貯蔵されたキャリアを、該現像剤容器に対して供給することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
- 該バッファタンクには、トナー濃度センサが設けられることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、バッファタンクからキャリア利用を中止するモードを備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、ユーザーに該バッファタンクの交換を促す交換モードを備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 該トナー濃度センサで該バッファタンクが所定濃度以上の濃度を検知した場合には、ユーザーに該フィルタ手段のフィルタの交換を促すフィルタ交換モードを備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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