JP2007187479A - 酵素電極、バイオセンサ、及び酵素電極の製造方法 - Google Patents

酵素電極、バイオセンサ、及び酵素電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酵素が生成する過酸化水素を高感度に長時間、安定して検出することのできる酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池を提供する。
【解決手段】絶縁基板と、前記絶縁基板上にバインダーで炭素粒子が固定化されている炭素粒子層と、前記炭素粒子層上に設けられた白金層と、酵素を含み、前記白金層を被覆するように設けられた固定化酵素層と、を具備し、前記バインダーはガラス転位点を有し、前記炭素粒子層は、前記ガラス転位点以上の温度で熱処理を施されて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、酵素電極に関し、特に燃料電池に用いられるバイオセンサの酵素電極に関する。
溶液中の特定成分を分解し、分解反応で生じる電流からその特定成分の濃度を検出するバイオセンサが知られている。そのバイオセンサを、直接型メタノール燃料電池(以下、DMFCと記載する)に使用される燃料の成分を検出するために用いることがある。
DMFCは、燃料極および酸化剤極と、これらの間に設けられた電解質を有している。燃料極には燃料が、酸化剤極には酸化剤が供給されて電気化学反応により発電する。燃料としては、一般的には水素が用いられるが、近年、安価で取り扱いの容易なメタノール等のアルコールを燃料として直接利用する直接型の燃料電池の開発が盛んに行われている。
燃料として水素を用いた場合、燃料極での反応は以下の式(1)のようになる。
(化学式1);3H → 6H + 6e
一方、燃料としてメタノールを用いた場合、燃料極での反応は以下の式(2)のようになる。
(化学式2);CHOH + HO → 6H + CO + 6e
また、いずれの場合も、酸化剤極での反応は以下の式(3)のようになる。
(化学式3)3/2O + 6H + 6e → 3HO (3)
特に、直接型の燃料電池では、アルコール水溶液から水素イオンを得ることができるので、改質器等が不要になり、小型化および軽量化を図ることができる。また、液体のアルコール水溶液を燃料とするため、エネルギー密度が非常に高いという特徴がある。
しかし、直接型の燃料電池では、発電状況により、燃料中のアルコール濃度が変化してしまうため、燃料電池の電力を安定的に保つためには、燃料中のアルコール濃度を適正な範囲に保つ必要がある。そのため、燃料中のアルコール濃度を検出する装置が要求される。
すなわち、液体燃料電池は使用する燃料であるメタノール濃度をモニタリングするためのセンサを備える必要があり、そのセンサは一定範囲の濃度を正確にモニタできる能力が求められる。
こうしたセンサの一つとして、酵素反応を利用したバイオセンサが用いられる。このバイオセンサは酵素反応による生成物がメタノール濃度に依存して濃度変化することからメタノール濃度の変化をモニタするものである。バイオセンサは、作用極及び対極を有している。作用極及び対極は、電極面上に酵素が固定化されたものである。
酵素としてアルコール酸化酵素を用いた場合の酵素反応を以下の式(4)に示す。
(化学式4);CHOH + O → HCHO + H
式(4)に示される反応によって、メタノールから過酸化水素が生成する。生成した過酸化水素は、作用極にて式(5)で示される反応により電子を生成する。
(化学式5); H → O + 2H + 2e
一方、対極では下式(6)で示される反応が起こる。
(化学式6); 1/2O + 2H + 2e → H
このような電気化学反応により、作用極と対極との間で電流が流れる。バイオセンサによるメタノール検出は、この電流を測定することで行われる。
上述のようなバイオセンサに対する要求としては次のようなことが挙げられる。(1)長期間安定して成分の検出が行われること。(2)微細加工が可能であること。(3)製造工程が簡素化されていること。
上記と関連して、特許文献1は、白金電極の表面に、アビジンとビオチン標識アルコール酸化酵素とが交互に積層された多重層膜を設けたことを特徴とするアルコールセンサ、を開示している。
また、特許文献2は、導電性支持体の表面に固定化あるいは吸着された酵素を有し、特異的気質の存在化でその酵素の触媒活性に電気的に応答することが可能な酵素電極であって、その導電性支持体が予め互いに均一に混合、析出又は吸着されたカーボン粒子あるいはグラファイト粒子が樹脂バインダーを用いて形成されてなる多孔質層と、酵素を吸着あるいは固定化するための多孔質層を形成する高純度の白金族元素とからなり、そのカーボン粒子あるいはグラファイト粒子が樹脂バインダーにより成形されて実質的に不均一な層を形成しその中にその白金族元素が略一様に分散された構成を有する酵素電極、を開示している。
また、特許文献3にもまた、酵素反応を利用したセンサが開示されている。このセンサに使われている導電性支持体は、白金族金属がカーボンまたはグラファイトを基準として1−20重量%の割合で予め吸着された粒径3−50nmカーボン粒子またはグラファイト粒子が樹脂バインダーによって形成された多孔質層であり、そして酵素が前述のカーボン粒子またはグラファイト粒子表面に形成されていることが記載されている。
また、特許文献4は、絶縁性基板上に形成したスクリーン印刷法カーボン電極上に酵素−電子伝達体混合物層を更に形成させたバイオセンサにおいて、カーボン電極をアセチレンブラック−グラファイト(重量比;1:2.5〜5.5)混合物よりなるカーボンペーストから形成せしめたバイオセンサ、を開示している。
また、特許文献5は、イオン感応膜と酵素固定膜を順次積層した感応膜を有する電極を用いて検体液の感応値を電気的に検出できるようにしたバイオセンサにおいて、イオン感応膜と酵素固定膜のそれぞれに架橋剤と反応性を有するポリマー又はプレポリマーを含有させ、これらの両方の膜のポリマー又はプレポリマーを上記架橋剤により化学結合したことを特徴とするバイオセンサ、を開示している。
また、特許文献6は、少なくとも作用極と対極を基板上に有し、その電極上に選択透過膜及び酵素膜を順次積層したバイオセンサであって、その選択透過膜は、その作用極の少なくとも表面を被覆するものであり、その酵素膜は、カップリング剤を介してその基板の表面に接合し、その作用極とその選択透過膜を密着させるものであることを特徴とするバイオセンサ、を開示している。
特開平9−257742号 公報 特開平1−240849号 公報 特公平7−21479号 公報 特開平11−83786号 公報 特公平7−23882号 公報 特開2000−2683号 公報
ところで、バインダーを用いて炭素粒子を白金に結着させた場合には、炭素粒子間に容易に溶液が浸透し、炭素粒子が容易に脱落・剥離することがあった。
また、バインダーと絶縁基板間の結着力が弱く、炭素粒子を絶縁基板等に安定して固定化することができないことがあった。この理由は、バインダーを構成する材料が、他の材料との親和性が著しく低いため、接着性が悪くなるからであると考えられる。
また、酸化酵素で生成される過酸化水素によって、バインダーが酸化分解されることがあった。
更に、環境変化として温度変化が生じた場合に、バインダーの膨潤収縮が生じ、炭素粒子がバインダーから脱落・剥離することがある。この脱落・剥離は長期間の使用や、酵素活性が最も良い温度状態、すなわち40−50℃程度での使用において、顕著に発生する。
また、酵素が導電性支持体の表面に固定化され、これらがカーボン粒子やグラファイト粒子と共にバインダーにより形成された構造とした場合には、加熱処理を施すことができない。この理由は加熱処理により酵素が失活してしまうためである。よって、このような場合に、バインダーによる炭素粒子の固定化は、溶媒中でバインダー粒子、酵素、及び炭素粒子を混錬し、これを絶縁基板上に塗布、溶媒を揮発させて乾燥させることで行われていた。溶媒が揮発してしまうと、バインダー表面に多数かつ微細なポーラス形状が現れ、炭素粒子の均一な被覆ができず、被覆力が低下し、炭素粒子の脱落・剥離となると考えられる。
さらに、長時間の使用により、測定精度が低下することがある。この理由としては、サンプル中に含まれる様々な成分、特にタンパク質等が汚染物質としてバインダーと反応し、吸着するため、サンプル測定後の洗浄が困難になる。センサの洗浄が不十分であると、応答速度が低下したり、電極表面近傍での過酸化水素の拡散係数が変動してしまうからであると考えられる。
また、酵素がバインダー中に保持された構成とした場合、微細加工技術の一つであるパターニング工程を利用し、微小なセンサを製作することが困難である。この理由として、通常、レジストを用いてパターニングを行う際には、熱処理工程が必要不可欠であるが、この熱処理を行うと酵素が失活するからである。
即ち、本発明の目的は、酵素が生成する過酸化水素を高感度に長時間、安定して検出することのできる酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、汚染物質により劣化しない酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、微細加工が可能な酵素電極、バイオセンサ、及びそれを用いた燃料電池を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、製造工程が簡素化された酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明に係る酵素電極(12)は、絶縁基板(1)と、絶縁基板(1)上にバインダー(2)で炭素粒子が固定化された炭素粒子層(3)と、炭素粒子層(3)の上に設けられた白金層(4)と、酵素を含み、白金層(4)を被覆するように設けられた固定化酵素層(5)と、を備える。バインダー(2)はガラス転位点を有する。炭素粒子層(3)は、そのガラス転位点以上の温度で熱処理を施されて形成されている。
上述の構成に依れば、炭素粒子層(3)がガラス転移点以上の温度で熱処理されて形成されていることにより、炭素粒子を含むバインダー(2)は、一度流動化する。流動化(ガラス化)したバインダー(2)は、絶縁基板(1)との接着性が向上する。また、ガラス化により、バインダー(2)の表面形状が均一且つ緻密になり、炭素微粒子表面の形状に沿った状態になるので、炭素粒子への被覆力が向上する。バインダー表面において、ポーラス形状となったり、凹凸やクラックが生じたりしないので、長時間の使用によっても炭素粒子の剥離、脱落することがない。
本発明に係る酵素電極において、バインダー(2)は、炭化水素、及び炭化フッ素からなる集合から選択される少なくとも一の高分子であることが好ましい。
本発明に係る酵素電極(12)において、バインダー(2)は、パーフルオロカーボンのスルフォン酸樹脂及び感光性樹脂からなる集合から選択される少なくとも一の樹脂を含むことが好ましい。
本発明に係る酵素電極(12)は、更に、白金層(4)と固定化酵素層(5)との間に設けられた結合層(6)を備える。結合層(6)は、シラン含有化合物を含んでいることが好ましい。
結合層(6)を形成することによって、白金層(4)と固定化酵素層(5)との接着力が向上する。
本発明に係る酵素電極(12)において、結合層(6)はシランカップリング剤を含んでいることが好ましい。
シランカップリング剤は、白金層(4)及び固定化酵素層(5)の双方との親和性が高いので、白金層(4)と固定化酵素層(5)をより強固に接着させることができる。
本発明に係る酵素電極(12)において、その炭素粒子は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びカーボンナノチューブからなる集合から選択される少なくとも一種類以上の物質を含んでいることが好ましい。
上述のような物質は比表面積が大きいので、検出感度を向上させることができる。
本発明に係る酵素電極(12)において、そのカーボンナノチューブはカーボンナノホーンであることが好ましい。
カーボンナノホーンは比表面積が大きいので、検出感度を向上させることができる。
本発明に係るバイオセンサ(13)は、酵素電極(12)と、絶縁基板(1)上に設けられ、固定化酵素層(5)によって被覆された参照極(11)と、を備える。酵素電極(12)と参照極(11)とは、電気的に接続されている。
本発明に係るバイオセンサ(13)は、更に、対極(11)を備えている。
本発明に係る酵素電極の製造方法は、絶縁基板(1)の主面に、ガラス転移点を有するバインダー(2)によって炭素粒子を固定する工程(ステップS10)と、炭素粒子を固定したバインダー(2)をバインダー(2)のガラス転移点よりも高い温度に熱して炭素粒子層(3)を形成する工程(ステップS20)と、炭素粒子層(3)上に白金層(4)を形成する白金層形成工程(ステップS30)と、酵素を含む固定化酵素層(5)を、炭素粒子層(3)及び白金層(4)を被覆するように形成する固定化酵素層形成工程(ステップS40)と、を備える。
炭素粒子層(3)を形成した後に、ガラス転移点以上の高温で炭素粒子層(3)を熱することで、バインダー(2)は、流動化する。流動化(ガラス化)したバインダー(2)は、絶縁基板(1)との接着性が向上する。また、ガラス化により、バインダー(2)の表面形状が均一且つ緻密になり、炭素微粒子表面の形状に沿った状態になるので、炭素粒子への被覆力が向上する。すなわち、バインダー表面がポーラス形状やバインダーに起因する凹凸やクラックの発生が生じることが無くなり、長時間の使用によっても炭素粒子の剥離、脱落することがない。
本発明に係る酵素電極の製造方法は、更に、白金層形成工程(ステップS30)の後に、白金層(4)をパターニングして複数の電極部を形成する工程と、固定化酵素層形成工程(ステップS40)の後に、絶縁基板(1)をダイシングして複数の酵素電極に分割する工程(ステップS50)を備える。
本発明に係る燃料電池(14)は、バイオセンサ(13)と、燃料極(15)と、酸化剤極(16)と、燃料極(15)及び酸化剤極(16)に挟持された電解質膜(23)と、
を備える。バイオセンサ(13)は燃料極(15)の近傍に配置されている。
本発明に係る燃料電池(14)において、その酵素は、アルコール酸化酵素である。
本発明に係る燃料電池(14)において、燃料濃度はリアルタイムに計測される。
本発明によれば、酵素が生成する過酸化水素を高感度に長時間、安定して検出することのできる酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池が提供される。
更に、本発明に依れば、汚染物質により劣化しない酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池が提供される。
更に、本発明に依れば、微細加工された酵素電極、バイオセンサ、及びそれを用いた燃料電池が提供される。
更に、本発明に依れば、製造工程が簡素化された酵素電極、バイオセンサ、及び燃料電池が提供される。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、適宜説明を省略する。第1の実施形態について図1と図2を参照して説明する。
酵素電極12は、絶縁基板1と、炭素粒子がバインダー2に固定された炭素粒子層3と、白金層4と、固定化酵素層5と、を有している。
絶縁基板1の材料としては、セラミックス、ガラス、石英、プラスチックス等の絶縁性の高い材料から主としてなるものを用いることができる。耐水性、耐熱性、耐薬品性およびバインダー2との密着性に優れた材料であることが好ましい。低価格であることからガラスが特に好ましい。
炭素粒子層3は、絶縁基板1上に設けられ、炭素粒子がバインダー2に覆われた層である。炭素粒子をバインダー2で覆うことによって、大きい比表面積が得られる。被検査対象成分の濃度を検出する際に、電気化学反応を広面積で行うことができるので、検出感度が向上する。
バインダー2は、ガラス転移点を有しているものが用いられる。炭素粒子層3は、絶縁基板1に炭素粒子を含むバインダー2が配置され、その後、バインダー2のガラス転移点以上の温度で熱処理が施されて形成されている。
ガラス転移点以上の温度で熱処理が行われることで、バインダー2がガラス転移状態となり、絶縁基板1、炭素粒子3、および白金層4との密着性が著しく向上する。
また、このような物理化学的特性の向上に加えて、ガラス転移状態となることで、炭素粒子3を覆うバインダー2の表面形状が炭素粒子3の形状を正確に反映する。炭素粒子が持つ比表面積を低下させずにすむことが可能になる。
さらに、ガラス転移が生じることにより、バインダー2は緻密になり、物理的強度が向上する。バインダー2に起因する凹凸やクラックの発生を防ぐことが可能になる。よって、白金層4との密着性が向上し、より安定性の高いセンサの構築が可能になる。また、クラック等から溶液が浸透しないので、炭素粒子が剥離したり、絶縁基板1からバインダー2が剥離することがない。
バインダー2の材料としては、絶縁基板1、炭素粒子3、および白金層4との密着性に優れ、さらに水、酸、アルカリやアルコールなどに対する耐水性および耐薬品性の優れ、更に、熱膨張係数が小さく、熱安定性に優れている物質が好ましい。このような材料として、より具体的には、炭化水素系の高分子やフッ素系の高分子を主成分とし、さらにスルフォン酸基、リン酸基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基等の極性基を有するものが挙げられる。
このような特性を持つバインダー2としては、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1、4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾール等の芳香族縮合系高分子、スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製)(登録商標)、アシプレックス(旭化成社製))、カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオンS膜(旭硝子社製)(登録商標))等が例示される。スルフォン酸基含有パーフルオロカーボンとしては図2に示されるものが挙げられる。図2中、m、nは整数である。
これらは熱安定性や酸アルカリおよびメタノール等の耐薬品性が高いため、万が一白金層4の欠損等が生じ、溶液がバインダー2層内に侵入しても、バインダー2の強度および密着力が低下することがない。長期間に渡って炭素粒子3を絶縁基板1に固定化でき、さらに炭素粒子3間の脱落、剥離を防ぐことが可能である。また、熱膨張係数が小さいため、環境温度が変化しても炭素粒子3間で脱落、剥離しない。
尚、バインダー2としては、感光性の樹脂を用いることもできる。
一度絶縁基板1上に形成させた炭素粒子を含むバインダー2を加熱する際の温度としては、バインダー2のガラス転移点よりも高い温度であれば特に限定されない。上述の物質を用いた場合、通常、80℃から200℃の範囲である。尚、バインダー2として感光性樹脂を用いた場合には、その感光性樹脂の熱硬化が起こる温度以上で加熱されることが好ましい。
炭素粒子3はカーボンナノホーン、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびカーボンナノチューブなどの炭素粒子を用いることができる。これらは単一種類で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。カーボンナノホーンは、比表面積が大きく、絶縁基板1、バインダー2および白金層4との密着性に優れ、また、バインダー2の溶液中で容易に分散される特性を持ち、絶縁基板1上でのパターニングが容易であるので、特に好ましく用いることができる。
白金層4は、バインダー2を被覆するように設けられている。白金層4は少なくともバインダー2の全体を覆うように形成されていることが好ましい。
白金層4は、白金族元素が好ましく用いられ、白金、金、ルテニウム、パラジウムなどが挙げられる。このなかで、耐薬品性が高く、比較的低電位で過酸化水素を検出できる特性を示す材料として白金が特に好ましい。
白金層4はスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、ケミカル・ベーパー・ディポジッション法、及び電解法等により形成することができる。形成方法に限定はないが、スパッタリング法が好ましく用いられる。炭素粒子3との密着性が良好なだけでなく、正確なパターニングが可能、量産性が高いなどがその理由である。
固定化酵素層5は、白金層4を被覆するように設けられている。有機高分子を母材(バインダー)として、触媒機能をもつアルコール酸化酵素を固定化したものである。
固定化酵素層5は、例えば、アルコール酸化酵素、グルタルアルデヒド等のタンパク質架橋剤、およびアルブミンを含む溶液を、白金層4上に滴下し、スピンコート法にて形成される。アルブミンは、アルコール酸化酵素を架橋剤の反応から保護するとともにタンパク質の基材となる。
また、本実施の形態では燃料電池に使用される燃料としてアルコール濃度を検出するセンサについて記載しているが、固定化酵素層5に他の酵素を用いて他の成分を測定することも可能であることはいうまでもない。この場合、乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、ラクトース酸化酵素、スクロース酸化酵素、エタノール酸化酵素、メタノール酸化酵素、スターチ酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、モノアミン酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素およびピルビン酸酸化酵素等、触媒反応の生成物として過酸化水素を生成する酵素が挙げられる。
ここで、2種類以上の酵素を同時に用いて過酸化水素を生成させてもよい。例えば、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、およびサルコシンオキシダーゼがこれに該当する。これらの酵素を用いることによってクレアチニンの検出が可能になる。また、酵素と補酵素を同時に用いてもよい。例えば、3−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)がこれに該当する。これらの酵素を用いることによって3−ヒドロキシ酪酸の検出が可能になる。さらに、酵素と電子メディエータを同時に用いてもよい。この場合は、酵素によって還元された電子メディエータが電極表面上で酸化され、このときに得られる酸化電流値を測定する。例えば、グルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムがこれに該当する。これらを用いることによってグルコースの検出が可能になる。
以上述べたように、固定化酵素層5は、少なくとも酵素を含み、測定対象物質を電極感応物質である過酸化水素等に変換する機能を持つ構成であれば、特に限定されない。
固定化酵素層5の形成方法については、均一な膜厚を形成できる方法であれば特に制限されない。このような方法として、スピンコート法、スプレーコート法、ディップ法などが挙げられる。このうちスピンコート法が好ましい。品質および厚みの均一な制限透過層が安定的に得られるからである。
上述のような構成を有する酵素電極12は、バイオセンサの作用極として機能する。実際にバイオセンサとして使用する際には他に参照極11ならびに対極10が適宜用いられる。
(製造方法)
続いて、本実施の形態に係る酵素電極の製造方法について説明する。図8は、本実施の形態に係る酵素電極の製造方法のフローチャートを示している。酵素電極の製造方法は、炭素粒子をバインダー2で固定する工程(ステップS10)、熱処理を行う工程(ステップS20)、白金層4を形成する工程(ステップS30)、固定化酵素層5を形成する工程(ステップS40)、及びダイシングする工程(ステップS50)を備えている。各工程の方法について、以下に詳述する。
ステップS10;炭素粒子をバインダーで固定
まず、絶縁基板1上に、炭素粒子を含むバインダーを塗布する。炭素粒子を含むバインダーは、溶媒を含むバインダー中に炭素粒子を添加することで作成できる。絶縁基板1上に塗布する方法としては、スピンコート法による塗布などが挙げられる。
ステップS20;熱処理
続いて、バインダー2が塗布された絶縁基板1の熱処理を行う。熱処理は、バインダー2のガラス転移点以上の温度で、所定の時間行われる。熱処理により、バインダー2に含まれる溶媒が揮発する。また、バインダー2はガラス転移状態となり、高流動状態となる。絶縁基板1及び炭素粒子の表面形状に沿った形状となる。高流動状態になるので、表面がポーラス形状となったり、凹凸やクラックが発生することはなく、バインダー内部も緻密になる。このようにして、熱処理が行われた炭素粒子層3が絶縁基板1上に形成される。熱処理が行われた基板は、常温まで冷却される。
ステップS30、31;白金層の形成
炭素粒子層が形成された絶縁基板1上に、スパッタリング法によって白金層4が形成される(ステップS30)。更に、所定の位置に形成された炭素粒子層3及び白金層4を除去して、パターニングが行われる(ステップS31)。パターニングの方法としては、メタルマスクを用いたサンドブラストなどが挙げられる。
ステップS40(41、42);固定化酵素層形成
続いて、酵素を含む溶液を、パターニングが行われた基板上に滴下して、スピンコートする。続いて、乾燥させる。溶媒が揮発して固定化酵素層5が形成される。なお、ステップS41における塗布方法は、スピンコート法に限定されるものではなく、スプレーコート法等を用いてもよい。
ステップS50;ダイシング
パターニングされた形状に対応して基板がダイシングされる。複数の酵素電極が切り分けられる。ダイシングの方法としては、ダイシングソーや、スクライブ装置を用いることができる。
以上のステップS10〜50までの工程によって、酵素電極12が作成される。作成された酵素電極12はバイオセンサの作用極として用いられる。即ち、ワイヤーボンディング等の方法により、外部の基板を介して電流測定装置(図示せず)等と電気的に接続される。対極9や参照極11などと合わせてバイオセンサ13として用いられる。
尚、バインダー2として、感光性樹脂を用いた場合には、熱処理工程(S20)においてバインダー2が硬化する。バインダー2を硬化させた後にフォトリソグラフ法によって一度パターニングし、白金層4を形成した後に再度同様の形状にパターニングしてもよい。フォトリソグラフ法を用いることで、微細加工が可能である。このように、フォトリソグラフ法によってパターニングすることで、特性の揃った酵素電極12を一度に大量に製作することが可能である。即ち、任意のデザインおよび面積にパターニングし、これらの上に白金層4を形成し、白金電極を製作することも容易に可能である。特に、微小な酵素電極12の製作や、基板上に特性の揃った、大量の酵素電極12を一度に生産する上で有利である。
本実施の形態に依れば、炭素粒子層3がバインダー2のガラス転移点以上の温度で処理されているために、比表面積を向上させることができる。比表面積を向上させることで、酵素反応が発生する部分の面積が増大するので、バイオセンサ13の感度を向上させることができる。
さらには、熱処理によってバインダー2が高流動状態となるので、バインダー2表面の凹凸やクラックが発生しない。炭素粒子3や絶縁基板1との接着面積を確保することができる。炭素粒子の脱落や、絶縁基板1からの剥離が防止できる。凹凸やクラックが発生しないので、測定中において、内部に溶液が浸透しない。溶液の浸透による炭素粒子の脱落や、絶縁基板1からの剥離も防止される。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3を参照して説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については、説明が省略されている。本実施の形態の酵素電極は、第1の実施形態に係る酵素電極12に対して、結合層6が追加されている。
図3に示すように、絶縁基板1上に炭素粒子がバインダー2に覆われ、かつ絶縁基板1面上に固定化されている。そして、バインダー2を被覆するように白金から主としてなる白金層4が形成されている。白金層4は少なくともバインダー2部分に形成されていることが好ましく、白金層4の一部が炭素粒子3部分に形成されていてもよい。そして、これらの上に、絶縁基板1ならびに白金層4を、固定化酵素層5と結合させる結合層6が形成され、そして、有機高分子を母材として酵素を固定化した固定化酵素層5が結合層6の上に形成されている。
結合層6は前述したようにその上の固定化酵素層5と、絶縁基板1および白金層4との密着性(結合力)を向上させる。また、絶縁基板1の表面の濡れ性を改善し、酵素を固定化した固定化酵素層5を形成する際の膜厚の均一性を向上させる効果もある。
結合層6は、たとえばシランカップリング剤により構成することができる。シランカップリング剤の種類としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)、が挙げられるが、このうち、層間結合力に優れたアミノシランの一種であるγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。
結合層6は、固定化酵素層形成(S40)する前に、パターニングされた基板上に形成される。結合層の形成は、例えばシランカップリング剤溶液をスピンコートすることにより形成することができる。この際、シランカップリング剤濃度は、1v/v%(体積%)程度とすることが好ましい。この濃度で十分な結合性が発揮されるからである。
本実施の形態に依れば、結合層6によって固定化酵素層と、パターニングされた絶縁基板1との結合力が向上する。固定化酵素層の剥離などが防止できる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図4を参照して説明する。本実施形態の酵素電極12は、第1の実施形態に対して、導電基板8が追加されている。導電基板8以外の構成については、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、導電基板8は、絶縁基板1上に設けられている。炭素粒子層2及び白金層4は導電基板8上に形成されている。白金層4は、炭素粒子層2を被覆するように形成されており、端部で導電基板8に接触している。固定化酵素層5は、絶縁基板1、炭素粒子層2、及び白金層4を被覆するように形成されている。
導電基板8は絶縁基板1上に配線として形成されている。導電基板8は、図示しない電源装置や、電気化学測定装置と電気的に接続されている。このような構成により、白金層4上で固定化酵素層5によって生成された過酸化水素の酸化電流が、導電基板8を通じて、電源装置や電気化学測定装置で測定される。
導電基板8の材料としては特に限定されないが、電気抵抗が少ない材料であることが好ましい。このため、白金族元素である白金が好ましく用いられる。
このような構成にすることによって、電気抵抗がきわめて小さくなる。導電基板8が白金層4に接触するように配置されているため、酸化電流が速やかに導電基板8に流れる。酸化電流を損失することなく測定することが可能になる。
導電基板8を形成する際には、絶縁性基板1との密着性をあげるために、チタンやクロムなどをこれらの間に形成させてもよい。
導電基板8の形成は炭素粒子をバインダーで固定する工程(ステップS10)より以前に行われる。導電基板8の形成法としては、スパッタリング法等が挙げられれる。
本実施の形態に依れば、導電基板8と白金層4とが接触するように配置されているため、酸化電流が速やかに導電基板8を流れる。白金層4上で固定化酵素層5によって生成された過酸化水素の酸化電流が導電基板8を通じて、電源装置や電気化学測定装置で測定することが可能になる。酸化電流の損失が少なくなるので、測定感度が更に向上する。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係るバイオセンサ13の断面図を示している。
バイオセンサ13は、絶縁基板1と、作用極9と、対極10と、参照極11と、固定化酵素層5と、を有している。図5では、バイオセンサ13が複数個(2個)、絶縁基板1上に形成されている構造を示している。
固定化酵素層5は、作用極9、対極10、及び参照極11を被覆するように設けられている。尚、作用極9は、炭素粒子層3及び白金層4を有している。作用極9に、絶縁基板1と固定化酵素層5と併せたものは酵素電極12である。酵素電極12としては、第1〜第3の実施形態のいずれに記載のものも用いることができる。
対極10は白金族元素が好ましく用いられる。対極10としては、耐薬品性に優れた白金がより好ましい。なお、白金を形成する際には密着強度を向上させるため、絶縁基板1との間にチタン層やクロム層を挟んでもよい。
参照極11は銀/塩化銀で形成されていることが望ましい。耐薬品性が高く、燃料中に触れても正確な自然電位を発生できるからである。銀/塩化銀を形成する際には密着強度を向上させるため、絶縁基板1との間にチタン層やクロム層を挟んでもよい。
対極10及び参照極11は、リフトオフ法によって絶縁基板1上に形成させることができる。対極10及び参照極11は、白金層4を形成してパターニングする工程(S31)より前に形成してもよいし、後に形成してもよい。尚、対極10が、白金層4と同じ材質である場合には、白金層4をスパッタリングで形成する工程(S30)と、対極10を形成する工程とを同時に行うこともできる。
単一の絶縁基板1上に、複数のバイオセンサ13を形成させた後、各バイオセンサ13単位でダイシングすることで、バイオセンサ13が切り分けられる。
単一の絶縁基板1上に作用極9、対極10、及び参照極11を複数個設け、各バイオセンサ単位で切り分けることにより、量産性に優れたバイオセンサ13を製作することができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について図6および図7を参照して説明する。図6は本実施の形態に係る燃料電池14の断面構成図であり、図7は、燃料電池14の上面図である。
図6を参照する。燃料電池14は、膜−触媒電極接合体32とバイオセンサ13とを有している。バイオセンサ13としては、第4の実施形態に記載されているものが使用される。
膜−触媒電極接合体32は、アノード集電体21、アノード触媒層22、電解質膜23、カソード触媒層24、カソード集電体25、アノードのガス拡散層30、及びカソードのガス拡散層31を有している。尚、アノードのガス拡散層30とアノード触媒層22を本発明においては燃料極15とし、カソードのガス拡散層31とカソード触媒層24を酸化剤極16とする。
電解質膜23は、アノード触媒層22とカソード触媒層24によって内側に挟持されている。アノード触媒層22の外側には、アノードのガス拡散層30が設けられている。また、カソード触媒層24の外側には、カソードのガス拡散層31が設けられている。アノード集電体21は、アノードのガス拡散層30に接触して配置されている。カソード集電体25は、カソードのガス拡散層31に接触して配置されている。バイオセンサ13は、アノードのガス拡散層30の外側に配置されている。
カソード触媒層24は触媒担持体(図示せず)と、触媒(図示せず)と、プロトン伝導性材料(図示せず)を含む構造を成している。ただし、触媒(図示せず)に白金黒などを用いる場合においては、必ずしも触媒担持体(図示せず)を必要としない。この場合、カソード触媒層24は触媒(図示せず)およびプロトン伝導性材料(図示せず)とで構成される。
その触媒担持体(図示せず)はアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノホーンなどの炭素粒子を用いることができる。そのうち、触媒固定化力の優れ、かつ触媒(図示せず)を均一に安定して担持することが可能なケッチェンブラックが好ましく用いられる。
その触媒(図示せず)は白金もしくは白金−ルテニウム合金等の貴金属触媒が用いられる。特に好ましく用いられる触媒としては、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、レニウム、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウム、またはこれらの合金等がよい。また、先に記述したように触媒担持体(図示せず)を必要としない触媒として白金黒を用いてもよい。
そのプロトン伝導性材料(図示せず)としてはプロトン伝導性を示すものであれば特に限定されないが、炭化水素系の高分子電解質やフッ素系の高分子電解質を主成分とするものが好ましい。具体例としては、スルフォン酸基、リン酸基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基等の極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1、4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾール等の芳香族縮合系高分子;スルフォン酸基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製)(登録商標)、アシプレックス(旭化成社製));カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオンS膜(旭硝子社製)(登録商標));等が例示される。これらは熱安定性や酸アルカリおよびメタノール等の耐薬品性が高いため、長期間に渡って安定したプロトン伝導性を保持することが可能であるためである。
カソードのガス拡散層31は、酸素がカソード触媒層に速やかに浸透する構造を備え、低抵抗の伝導材料であればよく、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、および金属繊維シート等導電性の多孔性材料を用いることができる。このうち集電特性に優れた焼結金属、発泡金属、および金属繊維シート等の金属が好ましく用いられる。いずれの材料を用いた場合においても、酸素がカソード触媒層24に速やかに浸透するサイズの穴を有することが望ましい。このため、カソードのガス拡散層31として多孔質の金属を用いてもよいことは言うまでもない。
アノード集電体21およびカソード集電体25は、低抵抗の伝導材料であればよく、また、酸アルカリ及び有機溶媒に腐食されない材料であればよく、カーボンやステンレスが好ましく用いられる。また、形状についても問われず、例えば、バイポーラ電極などを用いることができる。
膜−触媒電極接合体32の製造方法としては、公知のものを使用することができる。バイオセンサ13は膜−触媒電極接合体32が形成された後に形成される。例えば、アノードのガス拡散層30に、絶縁基板1をリフトオフ法などで形成し、その上に作用極9、対極10、および参照極11をパターニングとリフトオフ法で形成する。そして、固定化酵素層5をスプレーコート法などで形成すればよい。なお、これらの製造方法に限定されないことは言うまでもない。
このような燃料電池14では、燃料極14側に液体燃料(メタノール)が供給されるようになっている。バイオセンサ13の作用極9は、供給されるメタノールに浸漬される。バイオセンサ13によって、液体燃料中のメタノール濃度が検出される。
また、本実施の形態においては、バイオセンサ13がアノードのガス拡散層30上に配置されているが、バイオセンサ13中の酵素電極(作用極)がアノード近傍に配置されていれば、対極10及び参照極11は別の場所に配置されていてもよい。この場合、対極10及び参照極11は、作用極9と導通が取れる場所に配置されていればよい。
本実施の形態のように、燃料電池14の燃料極15近傍にバイオセンサ13を配置することで、燃料電池14の燃料濃度を高精度で測定することができる。
尚、上述の各実施の形態は、夫々独立したものではなく、必要に応じて複数の実施形態を組み合わせることもできる。
以下、実施例と比較例を用いて本発明を説明する。
(実施例1)
実施例1の燃料電池の製造方法について説明する。
はじめに、10mm×6mm×0.515mmの石英ウエハを用意し、アセトンで洗浄した後、同量の過酸化水素と硝酸を含む溶液で洗浄した。
つづいて50mgのカーボンナノホーンを5mlのナフィオン溶液(デュポン社製DE520)に添加し、超音波洗浄機にて3分間分散させた。尚、そのナフィオン溶液のガラス転移温度は110〜140℃と考えられる。そして、200μlのカーボンナノホーンを含むナフィオン溶液をピペットで分取し、石英基板上に滴下し、3000rpmのスピンコート処理を行った。140℃の窒素雰囲気中で1時間乾燥させた。白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成した。メタルマスクを用いてサンドブラスト処理を行い、図10に示す電極デザインをパターニングして、作用極9(電極面積;5mm)と対極10(電極面積;5mm)を形成した。
つづいて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、5mMの塩化第二鉄溶液に浸漬して、銀層の表面を銀/塩化銀層にした。そして、リフトオフ法で図10に示すように電極デザインをパターニングして、参照極11(電極面積1mm)を形成した。
つづいて、1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、適宜[APTES」と称する。)水溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の40℃で1時間乾燥させて結合層を形成した。
次に、183mg/100μl(純水)のアルコール酸化酵素(EC 1.13.13、PichiaPastoris由来、33U/mg protein)を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の4℃で24時間乾燥させて固定化酵素層を形成し全体を被覆した。これにより、実施例1のバイオセンサ13が得られた。
つづいて、各電極とフレキシブル基板とをワイヤーボンディングで電気的に接続し、作用極に流れる電流を測定できるように配線した。ここで、ワイヤーボンディングで結線した部分にはを防水処理を施した。
(比較例1)
また、比較例1として、カーボンナノホーンとナフィオン溶液を使用せず、スパッタリングのみで形成した作用極、対極、および参照極を石英基板上に形成し、同様に結合層と固定化酵素層を形成したバイオセンサを製作した。
実施例1と比較例1のバイオセンサのメタノールに対する応答特性を評価した。図13に測定結果が示される。比較例1では、1mMメタノールに対して検出された電流は0.8μAであったのに対し、実施例1では5.5μAの電流が検出された。実施例1では、のメタノールに対する出力が比較例1に対して約7倍に向上し、検出感度が改善されることが明らかになった。
(実施例2)
実施例2の燃料電池の製造方法について説明する。
はじめに、10mm×6mm×0.515mmの石英ウエハを用意し、アセトンで洗浄した後、同量の過酸化水素と硝酸を含む溶液で洗浄した。そして石英ウェハ上に白金の導電基板をスパッタリング法により製作した。この導電基板の厚さは300nmとした。
つづいて、50mgのカーボンナノホーンを5mlのフォトレジスト(シプレー社の1400−17)に添加し、超音波洗浄機と攪拌機にてそれぞれ3分間分散および撹拌させた。このフォトレジストのガラス転移温度は、80〜100℃と考えられる。そして、この溶液を、石英基板に滴下し、3000rpmのスピンコート処理を行った。100℃、10分間の加熱処理を行った後、白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成し、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングして、作用極(電極面積5mm)と対極(電極面積5mm)を形成した。
つづいて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、5mMの塩化第二鉄溶液に浸漬して、銀層の表面を銀/塩化銀層にした。そして、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングして、参照極(電極面積1mm)を形成した。
つづいて、183mg/100μl(純水)のアルコール酸化酵素(EC 1.13.13、PichiaPastoris由来、33U/mg protein)を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の4℃で24時間乾燥させて固定化酵素層を形成して全体を被覆した。これにより、実施例2のバイオセンサ13が得られた。
つづいて、各電極とフレキシブル基板とをワイヤーボンディングで電気的に接続し、作用極に流れる電流を測定できるように配線した。ここで、ワイヤーボンディングで結線した部分にはを防水処理を施した。
(比較例2)
比較例2のバイオセンサは、実施例2において、加熱処理を行わなかったものを用いた。
(比較例3)
比較例3のバイオセンサ13は、バインダーにポリメタクリル酸エチルを用いた。尚、加熱処理は施されていない。その他は実施例2と同様に作成した。
(比較例4)
比較例4のバイオセンサ13は、バインダーにポリカーボネートを用いた。尚、加熱処理は施されていない。その他は実施例2と同様に作成した。
実施例2、比較例2〜4のバイオセンサのメタノールに対する長期安定性について評価した。評価はメタノール溶液中にバイオセンサを40℃で30日間浸漬して、浸漬前後の電流値を測定し安定性を求めて行った。図14に初日と30日のメタノールに対する電流値を百分率で示す。その結果、実施例2のバイオセンサのメタノールに対する電流値は30日後でも初日に対して95%の電流値を示したのに対し、比較例2では39%、比較例3では55%、比較例4では51%であった。実施例2のバイオセンサは比較例2〜4のバイオセンサと比較して、長期間使用時の安定性に優れていることが確認された。
(実施例3)
実施例3の燃料電池の製造方法について説明する。
はじめに、4インチの石英ウエハを用意し、アセトンで洗浄した後、同量の過酸化水素と硝酸を含む溶液で洗浄した。
つづいて、作用極の製作は、50mgのカーボンナノホーンを5mlのナフィオン溶液(デュポン社製DE520)に添加し、超音波洗浄機にて3分間分散させた。そして、2mlのカーボンナノホーンを含むナフィオン溶液をピペットで分取し、石英基板上に滴下し、3000rpmのスピンコート処理を行った。140℃の窒素雰囲気中で1時間乾燥させた後、リフトオフ法にて図10に示す電極デザインのパターニングを行い、作用極(電極面積5mm)を80個形成した。
つづいて、白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成し、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングして、対極を80個形成した。
つづいて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、5mMの塩化第二鉄溶液に浸漬して、銀層の表面を銀/塩化銀層にした。そして、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングして、参照極(電極面積1mm)を80個形成した。
尚、80個の作用極、対極、及び参照極は、1個づつ対応して組を形成している。即ち、全体として80組が形成されている。80組は、石英基板上にて、10列×8行に配置されるようにした(図11)。
つづいて、1v/v%のAPTES水溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の40℃で1時間乾燥させて結合層を形成した。次に、183mg/100μl(純水)のアルコール酸化酵素(EC 1.13.13、PichiaPastoris由来、33U/mg protein)を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の4℃で24時間乾燥させて固定化酵素層を形成し、バイオセンサを製作した。
つづいて、ダイシング装置で80組を切り分けた。に切り分けた後各組をフレキシブル基板とワイヤーボンディングで結線した後、結線部分に防水処理を施した。これにより、80個のバイオセンサを得た。
そして、バイオセンサのメタノールに対する応答特性を評価した。図12は、1mMメタノールに対して検出された電流値を示している。尚、図12に示される評価結果において、80個のバイオセンサの位置を、図11の行と列に付した番号に対応させて結果を示している。その結果、80個のバイオセンサは、ある程度均一に製作され、高感度でメタノールを測定できることが明らかになった。即ち、単一の石英ウェハ上に複数のバイオセンサを形成させても特性上に問題のないことが確認された。
(実施例4)
実施例4の燃料電池の製造方法について説明する。
初めにルテニウム−白金合金を担持したケッチェンブラック100mgに、デュポン社製5%ナフィオン溶液3mlを加え、超音波混合器で50℃にて3時間攪拌して触媒ペーストとした。ルテニウム−白金合金の合金組成は50atom%Ruで、合金とケッチェンブラックの重量比は1:1とした。このペーストをガス拡散層として1cm×1cmのカーボンペーパー(TGP−H−120:東レ社製)上に2mg/cm塗布し、130℃で乾燥させ、アノード触媒層を形成し、燃料極を作製した。また、触媒金属に白金を用い、アノード触媒層の形成と同様の方法を用いてカソード触媒層を形成し、酸化剤極を作製した。得られた燃料極と酸化剤極を、ナフィオン117(デュポン社製、登録商標)膜の両面に温度150℃、圧力10kgf/cm(10秒間)の条件でヒートプレスし、膜−触媒電極接合体を得た(以下、MEAと記述する)。
つづいて、下記条件で燃料極側に本発明によるバイオセンサを実装した。図6に示すその構造を示す。
実装したバイオセンサの作成方法について説明する。まず、10mm×6mm×0.515 mmの石英ウエハを用意し、アセトンで洗浄した後、同量の過酸化水素と硝酸を含む溶液で洗浄した。
100mgのカーボンナノホーンを5mlのナフィオン溶液(デュポン社製DE520)に添加し、超音波洗浄機にて3分間分散させた。そして、200μlのカーボンナノホーンを含むナフィオン溶液をピペットで分取し、石英基板上に滴下し、3000rpmのスピンコート処理を行った。140℃の窒素雰囲気中で1時間乾燥させた後、白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成し、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングした。これにより、作用極(電極面積5mm)と対極(電極面積5mm)を形成した。
つづいて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、5mMの塩化第二鉄溶液に浸漬して、銀層の表面を銀/塩化銀層にした。そして、リフトオフ法で図10に示す電極デザインをパターニングして、参照極(電極面積1mm)を形成した。
つづいて、1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、適宜[APTES」と称する。)水溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の40℃で1時間乾燥させて結合層を形成した。次に、183mg/100μl(純水)のアルコール酸化酵素(EC 1.13.13、PichiaPastoris由来、33U/mg protein)を含み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の4℃で24時間乾燥させて固定化酵素層を形成した。これにより、バイオセンサを得た。
つづいて、ダイシングソーで個々のバイオセンサに切り分けた後、フレキシブル基板とワイヤーボンディングで結線した後、結線部分に防水処理を施した。このようなバイオセンサをMEAに実装させた。
そして、バイオセンサが実装されたMEAを電池性能評価装置にセットした。電池性能評価装置が示す電流値が十分に安定した後、8v/v%メタノール溶液を循環させる装置に設置して、定電流で24時間放電させ、所定の時間において、電池性能評価装置の示す値を確認した。また、所定の時間において、メタノール溶液をサンプリングした。
サンプリングしたメタノールは、ガスクロマトグラフで測定した。8v/vメタノールを100%としてそれぞれの測定値を百分率で算出した。バイオセンサによる測定値と、ガスクロマトグラフによる測定値の比較結果を図9に示す。
図9に示されるように、実施例4のバイオセンサによる測定値は、ガスクロマトグラフによる測定値に対して、最大で1%の誤差しかないことがわかった。即ち、実施例4のバイオセンサは、ガスクロマトグラフと同等の測定精度を有することが確認された。
第1の実施形態における酵素電極の断面図である。 スルフォン酸基含有パーフルオロカーボンの構造式を説明する図である。 第2の実施形態における酵素電極の断面図である。 第3の実施形態における酵素電極の断面図である。 第4の実施形態におけるバイオセンサの断面図である。 第5の実施形態における燃料電池の断面図である。 第5の実施形態における燃料電池の平面図である。 酵素電極の製造方法のフローチャートである。 実施例4のバイオセンサの実験結果である。 バイオセンサのパターニングの様子を示す平面図である。 実施例3において、80組の電極の配置を示す図である。 実施例3の実験結果である。 実施例1の実験結果である。 実施例2の実験結果である。
符号の説明
1 絶縁基板
2 バインダー
3 炭素粒子層
4 白金層
5 固定化酵素層
6 結合層
8 導電基板
9 作用極
10 対極
11 参照極
12 酵素電極
13 バイオセンサ
14 燃料電池
15 燃料極
16 酸化剤極
21 アノード集電体
22 アノード触媒層
23 電解質膜
24 カソード触媒層
25 カソード集電体
30 アノードのガス拡散層
31 カソードのガス拡散層
32 膜−触媒電極接合体

Claims (14)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上にバインダーで炭素粒子が固定化されている炭素粒子層と、
    前記炭素粒子層上に設けられた白金層と、
    酵素を含み、前記白金層を被覆するように設けられた固定化酵素層と、
    を具備し、
    前記バインダーはガラス転位点を有し、
    前記炭素粒子層は、前記ガラス転位点以上の温度で熱処理を施されて形成されている
    酵素電極。
  2. 請求項1に記載された酵素電極であって、
    前記バインダーは、炭化水素、及び炭化フッ素からなる集合から選択される少なくとも一の高分子である
    酵素電極。
  3. 請求項2に記載された酵素電極であって、
    前記バインダーは、パーフルオロカーボンのスルフォン酸樹脂及び感光性樹脂からなる集合から選択される少なくとも一の樹脂を含む
    酵素電極。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された酵素電極であって、
    更に、
    前記白金層と固定化酵素層との間に設けられた結合層
    を具備し、
    前記結合層は、シラン含有化合物を含んでいる
    酵素電極。
  5. 請求項4に記載された酵素電極であって、
    前記結合層はシランカップリング剤を含んでいる
    酵素電極。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された酵素電極であって、
    前記炭素粒子は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びカーボンナノチューブからなる集合から選択される少なくとも一種類以上の物質である
    酵素電極。
  7. 請求項6に記載された酵素電極であって、
    前記カーボンナノチューブはカーボンナノホーンである
    酵素電極。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された酵素電極と、
    前記絶縁基板上に設けられ、前記固定化酵素層によって被覆された参照極と、
    を具備し、
    前記酵素電極と前記参照極とは、電気的に接続されている
    バイオセンサ。
  9. 請求項8に記載されたバイオセンサであって、
    更に、対極を具備する
    酵素電極。
  10. 絶縁基板の主面に、ガラス転移点を有するバインダーによって炭素粒子を固定する工程と、
    前記炭素粒子を固定した前記バインダーを、前記バインダーのガラス転移点よりも高い温度に熱して炭素粒子層を形成する工程と、
    前記炭素粒子層上に白金層を形成する白金層形成工程と、
    酵素を含む固定化酵素層を、前記前記炭素粒子層及び前記白金層を被覆するように形成する固定化酵素層形成工程と、
    を具備する
    酵素電極の製造方法。
  11. 請求項10に記載された酵素電極の製造方法であって、
    更に、
    前記白金層形成工程の後に、前記白金層をパターニングして複数の電極部を形成する工程と、
    前記固定化酵素層形成工程の後に、前記絶縁基板をダイシングして複数の酵素電極に分割する工程と、
    を具備する
    酵素電極の製造方法。
  12. 請求項8又は9に記載されたバイオセンサと、
    燃料極と、
    酸化剤極と、
    前記燃料極及び前記酸化剤極に挟持された電解質膜と、
    を具備し、
    前記バイオセンサは前記燃料極の近傍に配置されている
    燃料電池。
  13. 請求項12に記載された燃料電池であって、
    前記酵素は、アルコール酸化酵素である
    燃料電池。
  14. 請求項10乃至13のいずれかに記載された燃料電池であって、
    燃料濃度をリアルタイムで計測する
    燃料電池。
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