JP2007187086A - ガス流体用往復ポンプ - Google Patents

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浩二 曽根
Satoko Machida
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Abstract

【課題】低消費電力で高い吐出圧力の得られる小型のガス流体用往復ポンプを提供する。
【解決手段】非磁性材料で出来たシリンダーと、その一端に吸入口を、他の一端に排出口を設け、吸入口側のシリンダー内部に固定磁石を配置するとともに、排出口側のシリンダーの外周にソレノイド型電磁石を配置する。シリンダーの内部で排出口から固定永久磁石との間に永久磁石から出来た振動子を摺動出来るように配置し、電磁石に電圧を与えることにより、振動子を往復運動させて、ガス流体を吸入口からシリンダー内部に導き排出口から排出するポンプ動作を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス流体用往復ポンプに関するものであり、より詳細には電磁力を用いて振動子を往復振動させガス流体を圧縮及び搬送するガス流体用往復ポンプの技術に係る。特に空調機及び化学分析器、環境分析器、燃料電池、医療関連機器などでガス流体の圧縮部及び搬送部に使用されるガス流体用往復ポンプ、あるいは携帯用の電子機器に組み込まれる空気などのガスを圧縮及び搬送を行うための小型のガス流体用往復ポンプに関する。
図13に、従来の流体用往復ポンプを示す。図13において、シリンダー1は、それぞれ逆流防止手段を有する吸入口3と吐出口4が取り付けられており、シリンダー1の両端に電磁石6が取り付けられている。シリンダー1の内部には、永久磁石を有する振動子5があり、対面する電磁石6の磁極が反転するように、電磁石6に同一方向の交流電流を印加することにより、振動子5がシリンダー1内部で往復運動を行う。振動子5の中には非磁性球体Aとこれを止めるピン状ストッパーBが配置されている。
電磁石6に同一方向の交流電流を印加し、振動子5が吸入口3に向かう時には、非磁性球体Aは、ピン状ストッパーB側に移動し振動子5のロート口Cが開放されることにより、外部流体が吸入口3より吸引され、ロート口Cを経由して吐出口4側に導引される。反対に、振動子5が吐出口4に向かう時には非磁性球体Aがロート口Cを塞ぐことにより導引された流体に圧力をかけることにより、吐出口4から流体が吐出される。このような動作を交互に行うことにより、流体を移動するポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、振動子5が吸入口3側から吐出口4側に移動するとき、振動子5が吐出口4側に近づくに連れてシリンダー1の吐出口側領域の流体圧力が高くなるので、振動子5には移動方向と反対の向きに加わる力が増加する。また、電磁石6から振動子5に与えられる電磁力は、振動子5と電磁石6との距離に反比例する。従って、シリンダー1の中央近傍では電磁力が最も弱くなるため、振動子5を移動させる力は弱くなる。さらに振動子5を吐出口4側に移動させると、吐出口側領域の流体圧力による振動子5の移動を妨げる力が増加するので、振動子5の移動速度は、さらに低下してしまう。そのため、シリンダー1内部の振動子5の往復運動を早くすることが困難になる。その解決のため、特許文献1では、振動子5とシリンダー1との摺動部隙間を大きく設け吐出側の流体を吸入側へ一部逃がし、加圧時に振動子5が受ける吐出側圧力による移動抵抗を低下させ、振動子の往復運動を早くするという方法を用いている。
特開2004−183638号公報
しかしながら前記従来の構成では、振動子の往復運動の低下を防止することができるが、吐出側の流体を吸入側に逃がすため、吐出口4からの吐出圧力が低下してしまう。これを改善するために、電磁石への電力を上げて所望の圧力と流量を得るという方法もあるが、大電力を必要とするので、電池等で動作する携帯用電子機器などに応用が困難である。本発明は、前記従来の課題を解決するもので、振動子の往復運動を低下することなく、低消費電力で高い吐出圧力が得られる小型のガス流体用往復ポンプを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス流体用往復ポンプは、非磁性材料から成るシリンダーと、前記シリンダーの一方の端部に配置された吸入口と、前記シリンダーの他方の端部に配置された吐出口と、前記吸入口の近傍にあり、前記シリンダーの内部に配置された貫通孔を持つ固定永久磁石と、前記吐出口の近傍にある前記シリンダーの表面に配置されたソレノイド型の電磁石と、前記シリンダーの内部で前記固定永久磁石と前記吐出口との間に摺動可能に配置された貫通孔をもつ永久磁石からなる振動子と、前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記吸入口から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出する事を特徴としたものである。
さらに本発明のガス流体用往復ポンプは、非磁性材料から成るシリンダーと、前記シリンダーの端部に固定された円柱型の固定永久磁石と、前記シリンダーの他の端部に固定され前記シリンダーの内部と連通する貫通口を通って2方向への分岐口を有するマニホールドと、前記シリンダーの外部で前記マニホールドの近傍に配置されたソレノイド型の電磁石と、前記シリンダーの内部で前記固定永久磁石と前記マニホールドとの間に摺動可能に配置された円柱形状をもつ永久磁石からなる振動子と、前記マニホールドの2方向分岐口の一方に設けられた吸入逆止弁を有する吸入口と、前記マニホールドの2方向分岐口の他方に設けられた吐出逆止弁を有する吐出口と、前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記吸入口から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出することを特徴とする。
さらに本発明のガス流体用往復ポンプは、非磁性材料から成るシリンダーと、前記シリンダーの一方の端部に固定された円柱形状の固定永久磁石と、前記シリンダーの他の端部に固定された吐出口と、前記シリンダーの前記吐出口近傍の周囲に固定されたソレノイド型の電磁石と、前記シリンダーの内部で前記吐出口と前記固定永久磁石との間に摺動可能に配置された円柱型永久磁石からなる振動子と、前記固定永久磁石固定部から前記電磁石近傍の間に形成された前記シリンダー隔壁を貫通するスリット状の通気部と、前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記通気部から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出することを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、電磁石の電磁力から振動子の移動力へのエネルギー変換効率を高め、低消費電力で高い吐出圧力の得られる小型のガス流体用往復ポンプを提供することができる。
以下に、本発明のガス流体用往復ポンプの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるガス流体用往復ポンプの断面図、図2は本発明の実施例1における逆止弁の部品図、図3は本発明の実施例1におけるシリンダーの非圧縮領域の断面図、図4は、本発明の実施例1における電磁石が振動子に及ぼす電磁力の説明図である。
図1において、シリンダー1は、円筒形状を持った非磁性材料、すなわち電磁石の磁界を乱さない例えばプラスチック及びガラス、アルミニウムなどの材料で形成されている。吸入口3は、前記シリンダー1の一方の端部に密閉して固定されている。固定永久磁石2は、前記吸入口3の近傍に固定されており、前記吸入口3から吸入したガス流体が通過できるよう中空となっている。吐出口4は、前記吸入口3と反対側の前記シリンダー1の端部に密閉して固定されている。吐出逆止弁8は、吐出逆止弁保持部材9に外周部が密閉固定され前記吐出口4に隣接して配置されている。電磁石6は、中空型の形状であり、前記吐出口4の近傍で前記シリンダー1の外周に固定さている。振動子5は、前記シリンダー1の内部に固定永久磁石2と吐出口4との間に摺動可能に配置されており、中心部に貫通孔を持つ永久磁石である。また振動子5の固定永久磁石側の面の極性は、固定永久磁石2と同一の極性となるように構成されている。吸入逆止弁7は前記振動子5の前記吐出口4側に密閉して固定されている。ストッパー10は、前記電磁石6近傍で前記シリンダー内部に配置されており、前記振動子5の移動を停止させるものである。通気部11は、シリンダー1の内壁に前記吸入口3近傍から前記電磁石6近傍まで形成された溝である。
固定永久磁石2は、厚み方向に磁化された中心部に孔を持つ永久磁石であり磁束密度の高いネジオム材料が好適であり、前記シリンダー1の吸入側端面から挿入され前記シリンダー1の内面に設けられたストッパーに前記吸入口3の方向に押し付けて接着剤等にて接続固定されている。
図2に、吸入逆止弁7の形状を示す。吸入逆止弁7は、薄板状のウレタンゴムおよびシリコンゴムなどの弾性ゴムから出来ており、外周部は前記振動子5の吐出側端面に接着固定され、振動子の貫通孔を吸入逆止弁7の舌状部材が塞ぐように配置される。前記吸入逆止弁7の舌状部材は、外周のみが固定されているため前記振動子5が吸入側へ移動するときは、吸入逆止弁7の舌状部材が片持ち梁変形を受けて振動子5の吐出側端面から離れるため、貫通孔を開放させることにより、吸入側から貫通孔を通して流体の移動が可能となる。
一方、振動子5が吐出側へ移動するときは、吸入逆止弁7の舌状部材が前記振動子5の吐出側端面に流体圧力により押し付けられるため、前記振動子5の貫通穴は閉塞状態となり流体の移動が遮断される。
ストッパー10は、ゴム及び多孔質材料などの弾性体材料で作られ、吐出逆止弁保持部材9に接着固定されており、振動子5が吐出逆止弁保持部材9に直接衝突することを防ぐとともに、衝突時の騒音の防止を図っている。
吐出逆止弁8は、シリンダー1の吐出側端面から吐出逆止弁保持部材9を吸入側に向けてストッパーまで挿入した後で挿入され、吐出口4にて押し当てられ接着剤などで密封固定される。図2に、この吐出逆止弁8の形状を示すが、吐出逆止弁8は吸入逆止弁7と同一形状であり、その開閉動作も同様であるので、説明は省略する。
電磁石6は、シリンダー1の外側に銅線などの導電性ワイヤーをコイル状に巻いて形成した後、振動子5に最も効率よく力を与えるため、図1に示す様に吐出逆止弁保持部材10の近傍のシリンダー1外周に配置固定する。
図4に、シリンダー1の外周部に配置された電磁石6とシリンダー1の内部に配置された振動子5の位置と振動子5に及ぼす電磁力との関係を示す説明図である。図4には電磁石6と振動子5の位置関係を示す模式図に対応させて振動子5の受ける力を反発力14と吸引力15に分けて表している。振動子5に加わる反発力14及び吸引力15は、図中の一点鎖線で囲まれた電磁石6の巻き線領域にある時が強く、特に電磁石6の中央部で最大になる。ここで、振動子5の長さは、振動子5の対極の影響によるロスを防ぐため、電磁石6の長さの2倍以上の長さするのが望ましい。
この図から反発力14及び吸引力15共に、振動子5の端面が電磁石6の中空領域にあるときが振動子5への電磁力が強く働き、特に電磁石6の中央近傍で大きくなっていることが分かる。従って、前記ストッパー10を電磁石6の巻き線領域に配置し、振動子5の端面を電磁石6の中空領域に確実に停止させ、電磁石6から振動子5に高効率で電磁力を与えられるようにするものである。
さらに、固定永久磁石2の磁力の強さとストッパー10と固定永久磁石2との間隔は、電磁石6に電圧を印加していない時には、振動子5が固定永久磁石2の磁力による反発力でストッパー10に接触するように設定されていることが望ましい。これは初期状態、すなわちガス流体往復ポンプを駆動する前の状態では、振動子5の端部が常に電磁石6の中空領域に配置させるためである。このため、駆動開始時に電磁石6に与えられた電流により発生する電磁力を効率よく振動子5に与えることが出来るので、瞬時に振動子5を駆動することが出来る。
図3にシリンダー1の断面図を示す。図3において11に示す部分は通気部である。この通気部11は溝形状であり、図1に示すようにシリンダー1の内部の吸入側端面から電磁石6の端面までの間に通気部11が1本以上形成されている。この通気部11は、前記振動子5がシリンダー内部を吸入側から吐出側へ移動するとき、吐出側の圧力が上昇し前記振動子5に移動抵抗が発生しないよう通気部11から空気を吸入側へ排出するためのものである。本実施例では、この通気部11が形成された領域を非圧縮領域13と呼び、振動子5の往復移動抵抗が低くなる領域である。一方、図1の12に示す部分は、通気部11が形成されていない領域であり、圧縮領域12と呼ぶ。この圧縮領域12では通気部11が形成されていないため、シリンダー1の内部を前記振動子5が吸入側から吐出側へ移動すると、振動子5の吐出側端面に接続された吸入逆止弁7が閉じているので、吐出逆止弁8と吸入逆止弁7との間の流体を圧縮することが出来る。
なお、振動子5の摺動抵抗を軽減するために、シリンダー1の内壁面と振動子5の外周面に、両者の摩擦抵抗を小さくするよう適した表面粗さに加工する、あるいはフッ素樹脂に代表される低摩擦係数の材料とを被覆する、あるいはフッ素樹脂に代表される低摩擦係数の材料から出来た部材をいずれかの面の表面に挿入することが望ましい。
次に、本発明の実施例1に関するガス流体用往復ポンプの動作を図5、図6、図7、図8、図9を用いて詳細に説明する。図5、図6、図7、図8は本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの動作を説明する断面図、図9は本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの駆動タイミングチャートである。
図5は、電磁石6に電圧を印加していない初期状態の断面図を示す。前記振動子5の吐出側端面は、固定永久磁石2の磁力によって前記電磁石6の巻き線領域のストッパー10に軽く押し当てられている。図9のタイミングチャートに示す動作開始時間T0にて電圧+V、幅PWの電圧パルスを電磁石6に印加すると、前記振動子5は電磁力を受け吸入側へ移動する。
このとき、図6に示すように、前記吸入逆止弁7は吸入側から前記振動子5の貫通穴を通過して流体圧を受けるため開放状態となり、吸入における流体の抵抗をほとんど受けることなく、圧縮領域12の区間を通過する。パルス幅Pwは、振動子が巻き線領域を通過時間に設定している。これは、電磁石6の電磁力は前記電磁石の巻き線領域を過ぎると急激に弱くなるので、巻き線領域以外では、電圧を印加しないことで消費電力を抑えることが出来る。
さて、振動子5は運動エネルギーが蓄積されているので、圧縮領域12を過ぎて非圧縮領域13に突入しても運動し続ける。この非圧縮領域13では、通気部11を通って吸入側の流体が吐出側に流入するため、吸入逆止弁7は閉じた状態となるが、前記振動子5は吸入側の正の圧力による流体抵抗及び吐出側の負の圧力による流体抵抗を受けない。振動子5が吐出側方向に移動しているとき、吸入口逆止弁7は閉じた状態であるが、振動子5は通気部11が設けられた領域を移動しているため、吐出側の流体圧縮は行われず、その移動抵抗を受けない
前記振動子5が、固定永久磁石2に近づくとその反発力を受け、振動子5の移動が停止し、今度は、振動子5と固定永久磁石2との間で蓄積された磁力が振動子5に対する運動エネルギーとなり、振動子5は吐出側方向へ移動を開始する。振動子5が、非圧縮領域13を移動している状態を図7に示す。
次に、図8に示すように、振動子5が圧縮領域12に達すると、振動子5の運動エネルギーは、吸入逆止弁7と吐出逆止弁7との間の流体を圧縮するための圧縮エネルギーへ変換され始める。さらに、振動子5が移動し、この圧縮された圧力が吐出口4の外側の圧力に達すると、吐出逆止弁8が開放されてガス流体が吐出口4の外側へ吐出される。さらに振動子5が移動すると、図5で示された初期状態になり、ポンプ動作は終了する。
図9で示すように、このポンプの一連の動作期間dT1を、次の駆動パルス印加開始時間T4までの期間dT2と一致させると共振動作となり、適切に制御すれば駆動電圧をより低下させることも可能である。吐出流体の圧力及び流量は、印加電圧とdT2を超えない周期以内の周波数と電圧で制御可能である。また、復路で振動子5の端面が電磁石6近傍に帰ってきたとき、すなわちT3よりパルス幅Pwの時間だけ前から負の電圧パルスを印加して前記振動子5に吸引力を追加すれば、さらに吐出圧力を高めることが出来る。
従来の技術では、シリンダー内部のストローク領域は全てが圧縮領域となっていたため、振動子が吸入側から吐出側に移動する際には、移動開始直後から振動子に対して移動抵抗が発生していた。また、シリンダーの両端に電磁石を置き、振動子の移動力を電磁石による電磁力のみで賄っているため、振動子と電磁石との距離が離れると、振動子への移動力不足が生じる。このため、電磁力の使用効率が低下しエネルギー損失に繋がっていた。本発明では、電磁石をシリンダーの外周部に構成し、初期状態では、電磁石の巻き線領域内に永久磁石からなる振動子を配置する。駆動開始時には、電磁石に電圧印加を与え電磁力が最も高効率で振動子に与えられる期間のみ電圧パルスPwを印加する構成にしているので、電磁石の電磁力を効率よく振動子の運動エネルギーへ変換することが出来る。
さらに、振動子を永久磁石で構成し、その極性を吸入口側の永久磁石と同一極性にしたので、振動子が吐出側から吸入側へ移動する際には、吸入口に配置された永久磁石の磁力により振動子の運動方向を効率よく反転することが出来る。さらに、吐出側の圧縮領域に振動子が突入すると、振動子の運動エネルギーが瞬時に衝撃力となって圧縮エネルギーに変換されるため、高い流体圧力を得ることが出来る。
以上のように、本実施例1においては、低消費電力で高い吐出圧力の得られるガス流体用往復ポンプを提供することができる。特に、実施例1に示すようなシリンダー1の片方の端面に吸入口3を、他方の端面に吐出口4を有する構成は、両端にチューブを挿入することでチューブサイズのコンパクトなガス流体往復ポンプとなり、小型の流体システムに有用である。
図10は本発明の実施例2におけるガス流体用往復ポンプの断面図である。実施例1の構成と異なるところは、前記吸入口3と前記吐出口4が前記シリンダー1の同一端面に隣接して配置されていることと、前記振動子5に前記吸入逆止弁7及び前記振動子5に貫通孔が無く円柱型となっている点にある。
図10において、シリンダー1は非磁性材料で作られており、円柱形状をした固定永久磁石2はシリンダー1の端部に密封固定されている。電磁石6はソレノイド形状をしており、固定永久磁石2とは反対の方向のシリンダー1の端部の外周に固定している。
マニホールド16は、シリンダー1の内部と連通する貫通口を通って2方向への分岐口を有し、固定永久磁石2とは反対のシリンダー1の端部に固定されている。マニホールド16の2方向分岐口の一方に、吸入口3が設けられており、吸入逆止弁7がマニホールド内部に開けられた吸入口に密着して設けられている。マニホールド16の2方向分岐口の他の一端には吐出口4が設けられており、吐出逆止弁8がと密着しており、マニホールド内部に開けられた吐出口に密着して設けられている。
ストッパー10は、中心に貫通孔を持つ円盤形状をしており、シリンダー1に接続固定されたマニホールド16に接続されている。円柱型永久磁石からなる振動子5は、シリンダー1の内部で、固定永久磁石2とストッパー10との間で摺動可能に配置されている。通気部11は溝であり、シリンダー1の内壁に固定永久磁石2から電磁石6の近くまで形成されている。
このような構成にすることによって、振動子5の永久磁石を円柱形にすることができ、この円柱型永久磁石は実施例1の中空型より電磁石6から強い電磁力を得ることができるため、同一の動作電力でさらに強い吐出力を得ることができる。実施例2のポンプ動作は、実施例1と同様であるので、ここでは省略する。
図11は本発明の実施例3におけるガス流体用往復ポンプの断面図、図12は本発明の実施例3におけるシリンダーの非圧縮領域の断面図である。実施例2の構成と異なるところは、図12に示すように通気部11を溝でなく穴とすることで、外気供給口としての機能を持たせた点にある。すなわち、実施例1及び2のように吸入口11を設ける必要が内ので、簡素な構造が実現出来、ポンプの小型化が容易になる利点がある。
図11において、シリンダー1は、非磁性材料で出来ており、固定永久磁石2は、円柱型で前記シリンダー1の一方の端部に固定されている。吐出口4は、固定永久磁石2と反対側のシリンダー1の端部に固定されている。吐出逆止弁保持部材9は、前記吐出口4に隣接して設けられており、吐出逆止弁保持部材9の吐出口側には吐出逆止弁8が、また、吐出逆止弁保持部材9の吐出口側と反対の面には中央に貫通孔を持つストッパー10が設けられている。電磁石6は、ソレノイドで構成されており、吐出口4付近のシリンダー1の外周に固定されている。円柱型の形状をした振動子5は、シリンダー1の内部で、ストッパー10と固定永久磁石2との間に摺動可能に配置されている。吸入口を兼ねる通気部11は、シリンダー1の固定永久磁石2固定部から電磁石6の近傍まで前記シリンダー1の隔壁を貫通するスリットで形成されている。以下、実施例3のポンプ動作は、通気部11が吸入口を兼ねる以外は、実施例1と同様であるので、ここでは割愛する。
本発明にかかる流体用往復ポンプは、電磁力を用いて振動子を往復直動して気体の圧縮及び搬送を行う電磁方式のガス流体ポンプに係り、シリンダーに圧縮領域と非圧縮領域を設け、電磁石の電磁力から振動子の移動力へのエネルギー変換効率を高めることによって、低消費電力で高い吐出圧力の得られる効果を有し、空調機及び化学分析器、環境分析器、燃料電池、医療関連分析器などでガス流体の圧縮及び搬送用途に適用でき、特に前記用途の分野におけるポータブル及びモバイルと称される携帯用の電子機器に組み込まれる空気又は大気を圧縮及び搬送する小型、安価、低消費電力の空気ポンプとして好適に利用できるものである。
本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの断面図 本発明の実施例1における逆止弁の部品図 本発明の実施例1におけるシリンダーの非圧縮領域の断面図 本発明の実施例1における電磁石が振動子に及ぼす電磁力の説明図 本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの動作を説明する断面図 本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの動作を説明する断面図 本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの動作を説明する断面図 本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの動作を説明する断面図 本発明の実施例1におけるガス流体用往復ポンプの駆動タイミングチャート 本発明の実施例2におけるガス流体用往復ポンプの断面図 本発明の実施例3におけるガス流体用往復ポンプの断面図 本発明の実施例3におけるシリンダーの非圧縮領域の断面図 従来の往復ポンプの断面図
符号の説明
1 シリンダー
2 固定永久磁石
3 吸入口
4 吐出口
5 振動子
6 電磁石
7 吸入逆止弁
8 吐出逆止弁
9 吐出逆止弁保持部材
10 ストッパー
11 通気部
12 圧縮領域
13 非圧縮領域
14 振動子の反発力を示す特性曲線
15 振動子の吸引力を示す特性曲線
16 マニホールド

Claims (20)

  1. 非磁性材料から成るシリンダーと、
    前記シリンダーの一方の端部に配置された吸入口と、
    前記シリンダーの他方の端部に配置された吐出口と、
    前記吸入口の近傍にあり、前記シリンダーの内部に配置された貫通孔を持つ固定永久磁石と、
    前記吐出口の近傍にある前記シリンダーの表面に配置されたソレノイド型の電磁石と、
    前記シリンダーの内部で前記固定永久磁石と前記吐出口との間に摺動可能に配置された貫通孔をもつ永久磁石からなる振動子と、
    前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記吸入口から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出するガス流体用往復ポンプ。
  2. 前記電磁石の巻き線領域内の前記シリンダー内部に配置された貫通孔を持つ吐出逆止弁保持部材と、前記貫通孔を塞ぐように前記吐出逆止弁保持部材の前記吐出口側面に配置された吐出逆止弁と、前記吐出側面と反対の面に前記振動子を停止させるための貫通孔を持つストッパーとを配置した請求項1に記載のガス流体用往復ポンプ。
  3. 前記吐出逆止弁保持部材は、前記シリンダー内部で前記電磁石の前記吐出口側端部付近の位置に固定されている請求項2に記載のガス流体用往復ポンプ。
  4. 前記振動子の前記固定永久磁石側の極性は、前記固定永久磁石の極性と同一であり、かつ前記振動子の前記吐出口側の面の貫通孔を塞ぐように吸入逆止弁が接着固定されている請求項1に記載のガス流体用往復ポンプ。
  5. 前記シリンダーの内壁には、前記電磁石の巻き線領域の前記永久磁石側から前記吸入口近傍までの間に形成された少なくとも1以上の溝状の通気部が形成されている請求項1に記載のガス流体用往復ポンプ。
  6. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記固定永久磁石の磁力を前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項4に記載のガス流体用往復ポンプ。
  7. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記ストッパーと前記固定永久磁石との間隔は、前記電磁石に電圧を印加していない状態で前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項4に記載のガス流体用往復ポンプ。
  8. 前記電圧は、前記振動子の吐出側端面が前記電磁石の巻き線領域に存在している期間中、前記電磁石に印加されている請求項1に記載のガス流体用往復ポンプ。
  9. 非磁性材料から成るシリンダーと、
    前記シリンダーの端部に固定された円柱型の固定永久磁石と、
    前記シリンダーの他の端部に固定され前記シリンダーの内部と連通する貫通口を通って2方向への分岐口を有するマニホールドと、
    前記シリンダーの外部で前記マニホールドの近傍に配置されたソレノイド型の電磁石と、
    前記シリンダーの内部で前記固定永久磁石と前記マニホールドとの間に摺動可能に配置された円柱形状をもつ永久磁石からなる振動子と、
    前記マニホールドの2方向分岐口の一方に設けられた吸入逆止弁を有する吸入口と、
    前記マニホールドの2方向分岐口の他方に設けられた吐出逆止弁を有する吐出口と、
    前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記吸入口から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出するガス流体用往復ポンプ。
  10. 前記シリンダー内部と連通する前記マニホールドの貫通口部に固定された前記振動子を停止させるための貫通孔を持つストッパーと、
    前記シリンダーの内壁には、前記電磁石の巻き線領域の前記永久磁石側端面から前記永久磁石までの間に形成された、少なくとも1以上の溝状の通気部が形成されている請求項9に記載のガス流体用往復ポンプ。
  11. 前記振動子の前記固定永久磁石側の極性は、前記固定永久磁石の極性と同一である請求項9に記載のガス流体用往復ポンプ。
  12. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記固定永久磁石の磁力を前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項11に記載のガス流体用往復ポンプ。
  13. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記ストッパーと前記固定永久磁石との間隔は、前記電磁石に電圧を印加していない状態で前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項11に記載のガス流体用往復ポンプ。
  14. 前記電圧は、前記振動子の吐出側端面が前記電磁石の巻き線領域に存在している期間中、前記電磁石に印加されている請求項9に記載のガス流体用往復ポンプ。
  15. 非磁性材料から成るシリンダーと、
    前記シリンダーの一方の端部に固定された円柱形状の固定永久磁石と、
    前記シリンダーの他の端部に固定された吐出口と、
    前記シリンダーの前記吐出口近傍の周囲に固定されたソレノイド型の電磁石と、
    前記シリンダーの内部で前記吐出口と前記固定永久磁石との間に摺動可能に配置された円柱型永久磁石からなる振動子と、
    前記固定永久磁石固定部から前記電磁石近傍の間に形成された前記シリンダー隔壁を貫通するスリット状の通気部と、
    前記電磁石に電圧を印加することにより前記振動子を前記シリンダー内部で往復動作させて、ガス流体を前記通気部から吸入して前記シリンダー内部に導き前記吐出口から排出するガス流体用往復ポンプ。
  16. 前記シリンダー内部で、前記吐出口近傍に固定された貫通孔を持つ吐出逆止弁保持部材と、前記貫通孔を塞ぐように前記吐出逆止弁保持部材の前記吐出口側面に配置された吐出逆止弁と、前記前記吐出側面と反対の面に前記振動子を停止させるための貫通孔を持つストッパーとを持つ請求項15に記載のガス流体用往復ポンプ。
  17. 前記振動子の前記固定永久磁石側の極性は、前記固定永久磁石の極性と同一である請求項15に記載のガス流体用往復ポンプ。
  18. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記固定永久磁石の磁力を前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項17に記載のガス流体用往復ポンプ。
  19. 前記電磁石に電圧を印加していない状態では、前記ストッパーと前記固定永久磁石との間隔は、前記電磁石に電圧を印加していない状態で前記振動子が前記固定永久磁石の磁力による反発力で前記ストッパーに達するように設定してある請求項17に記載のガス流体用往復ポンプ。
  20. 前記電圧は、前記振動子の吐出側端面が前記電磁石の巻き線領域に存在している期間中、前記電磁石に印加されている請求項15に記載のガス流体用往復ポンプ。
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