JP2007186046A - 揺動式横ヒレ推進人力船 - Google Patents

揺動式横ヒレ推進人力船 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は一対の対称翼を横揺れさせることによって羽ばたかせて推進力と同時に動的な横安定を得ることができる揺動式横ヒレ推進人力船を提供することにある。
【解決手段】 予備浮力の小さい水密型船体と、この船体の両側に下反角付きに取付けられる一対の対称翼と、前記船体の上部でほぼ浮力中心で前記船体をクロスする左右方向でほぼ肩幅の位置に設けられた反復横揺れさせる一対の踏み足部とで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
【選択図】 図1

Description

本発明は揺動式横ヒレ推進人力船に関するものである。
従来の人力船では推進具として、オール、パドル、櫓、フィン、プロペラ等を用いた、また、横安定性に関しては、復原性能を持った船体で構成されている。
したがって、横安定性を得ようとすると単胴船では船幅を大きくして復原力を得るために排水量型小型船では水の諸抵抗によって速度性能が低く、そして、オールやパドルの扱いによっても横安定性は得られるがそれらが空中にある時には安定性に寄与しない欠点があった。
揺動方式でフィン推進の舟艇(例えば、特許文献1参照)では、人力及び動力の揺動式フィン推進であって、船体の揺動も伴うが、尾ひれ式のフィンの揺動によって後方に水流を押し出す作用と考えられ、また、安定性の要因としてはフィンが水を押す時の抗力(付加慣性力)が主と考えられるので従来の人力船と同様に復原性も考慮した船体とで構成されている。
したがって、前記従来の人力船と同様に船体に復原力を求めるとともに、フィンを大きく揺動しようとして水中のフィン軸を長くするとその軸が抵抗を増やすという欠点があった。
水中翼を振動翼として推進力も得るもの(例えば、特許文献2参照)では、水中翼の揚力で全体の重量を支える一方で乗り手は体重を使って加重と抜重を繰り返す両足跳び運動で、水平の振動翼を羽ばたかせるように構成されている。
したがって、全体の重量を支えるためには常に水中翼の翼走スピード以上で走り続けなければならず、また、走り出しの時点でも最低翼走スピードが要求されるうえにスピードがそれ以下になると沈没する。また、連続した両足跳び運動では乗り手が疲れる欠点があった。
船体を全没させる潜水艇(例えば、特許文献3参照)では、人間が入り潜水走行するので潜水中は造波抵抗が発生しないように構成されている。
したがって、人間が入り得る容積とそれを沈める重量が必要となるうえに構造が複雑になる欠点があった。
特公 昭47ー36591 U.S.Patent 6,099,369 特開 2000ー1197
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、静的復原力を持つた船体には拠らずに、横ヒレ(推進用振動翼)1の翼面が水流を受ける時に発生する揺動とは反対方向の揚力を利用して、揺動を続ける事によって主に揚力による動的な横安定性を得られる揺動式横ヒレ推進人力船を提供することを目的としている。
また、全体の重量を支えるために水中翼の揚力ではなくて、船体2やその他の浮力によって全体の重量を支える排水量型船とすることで静止、低速から波、風等の状況にも対応する航行性能を持つ揺動式横ヒレ推進人力船を提供することを目的としている。
また、両足跳び動作に対しても、自然界では左右対称の羽ばたき動作が一般的だが、2足歩行の人類では左右交互の足踏み動作が得意であり持久的であると同時に、揺動では常に振動翼に力を加え続けられる揺動式横ヒレ推進人力船を提供することを目的としている。
また、中に人が乗込む潜水艇ではなくて、船体だけを水中に沈めて乗り手は水面上に位置する全没型船を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特長は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は予備浮力の小さい水密型船体と、この船体の両側に下反角付きに取付けられる一対の対称翼と、前記船体の上部でほぼ浮力中心で前記船体をクロスする左右方向でほぼ肩幅の位置に設けられた反復横揺れさせる一対の踏み足部3とで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第2の発明においては、請求項1記載の踏み足部の前方で船体の上部に体の安定と舵取りのためのハンドルを設けるとともに前記ハンドルと連動する方向舵とで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第3の発明においては、前記対称翼を前記船体に限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できる手段とで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第4の発明においては、前記対称翼を横方向で分割してその前縁近くで限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できる手段とで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第5の発明においては、前記船体を前後に2分割し、前記対称翼と前記踏み足部とで構成されるユニットが前記2分割した船体とは独立して横揺れできるように分割間に配置されていることとで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第6の発明においては、前記ユニットを前記船体とは独立して横揺れさせられるように軸支されていることとで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第7の発明においては、前記船体の船底を波乗りにも適した平板状にするとともに、前記一対の対称翼の後退角度を変えられる機構を設けたこととで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第8の発明においては。前記船体の予備浮力を極端に小さくしてその前後に下向きの迎角を付けたピッチング安定翼を設けたこととで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
第9の発明においては、前記船体を極端に小さくして前記対称翼に浮力を受持たせるとともに、前記ピッチング安定翼の迎角を調節できる調節手段を設けたこととで揺動式横ヒレ推進人力船を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)予備浮力の小さい水密型船体と、この船体の両側に下反角付きに取付けられる一対の対称翼と、前記船体の上部で浮力中心をクロスする左右方向でほぼ肩幅の位置に設けられた反復横揺れさせる一対の踏み足部とで構成されているので、振動翼の揚力による動的な横安定性が得られる、したがって横復原力に拠らない船体の細身化、小型、軽量化が計れる。
(2)前記(1)によって船体の細身、小型、軽量化が計れるので、水の諸抵抗を小さく抑えられて推進力の小さい人力であっても排水量型船の効率化が計れる。
(3)前記(1)によって動的な安定性が得られるので、前向き立ち乗りでの無理の無い姿勢がとれて全身の力が発揮できるとともに、広い視野が得られる。
(4)前記踏み足部の前方で船体の上部に体の安定と舵取りのためのハンドルを設けるとともに前記ハンドルと連動する方向舵を前記船体に設けたこととで構成されているので、安定が取り易く方向転換が容易である。したがって、航行性能の良い人力船が提供できる。
(5)前記対称翼を前記船体に限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できるように構成されているので、振動翼の相対流に対する迎角を艇速の変化に対応して適正化できて、また、方向転換もできる。したがって、揚抗比の高い翼を使って推進力を増大させられ、また、運動性能も向上する。
(6)前記対称翼を横方向で分割してその前縁近くで限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できるように構成されているので、翼の全域での相対流に対する迎角を適正化できて、また、方向転換もできる。したがって、翼の推進力を増大させられ、また、運動性能も向上する。
(7)前記船体を前後に2分割して前記対称翼と前記踏み足部とで構成されるユニットが前記2分割した船体とは独立して横揺れできるように分割間に配置されるように構成されているので、収納、運搬性と操縦性を確保したままで船体を長くすることができる。したがって、扱い易い船を高速化することができる。
(8)前記ユニットを前記船体とは独立して横揺れさせられるように軸支されるように構成されているので、船体とは独立して横ヒレを揺動羽ばたきできる。したがって船の運動性能を向上させられる。
(9)前記船体の船底を波乗りにも適した平板状にするとともに、前記一対の対称翼の後退角度を変えられる機構を設けるように構成されているので、船底と後退させた振動翼とで波乗りにも適した底面を形作ることができる。したがって、海岸近くで波乗りができる。
(10)前記船体の予備浮力を極端に小さくしてその前後に下向きの迎角を付けたピッチング安定翼を設けるように構成されているので、表面積が小さく摩擦抵抗の少ない船がスピードを増すと船体が全没して造波抵抗も減らすことができる。したがって、超小型船を高速化することができる。
(11)前記船体を極端に小さくして前記一対の対称翼に浮力を受持たせるとともに、前記ピッチング安定翼の迎角を調節できる調節手段を設けるように構成されているので、水の諸抵抗を減らすことができる。したがって、船を高速化することができる。
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
図1から図3に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は揺動による羽ばたきで推進力を得るとともに、揚力と抗力によって動的な横安定性をも得ることを目的とした、可撓性を持った対称翼で固定型の横ヒレ(推進用振動翼)である。2は全体の重量を支える浮力を主に得るための予備浮力の小さい水密型の船体であって、揺動しやすく、また、水の諸抵抗を減らすために静的復元力を無視した細身、小型、軽量であり、その中央下部の左右に横ヒレ1を、揺動の時に横ヒレ1が水面上に出ないように低い位置で水平より下方向に片側10度から20度の下反角をつけた結合軸9で固定する。3は前記2の上部に揺動しても水面に着かない位置で浮力中心の上方に取り付けられた肩幅よりも広い足幅で踏ん張るための滑り止め15を付した踏み足部である。4は前記3の前方で前記
2内の軸受けパイプ16に上方から差し込むハンドルである。5は前記2の下方から前記4に差し込んで固定してハンドルの回転と連動する方向舵前ヒレである。6は前記2の後方下部に固定された方向安定用の後ヒレである。
上記構成の揺動式横ヒレ推進人力船は、乗り手がハンドル4を両手で握って前向きに踏み足部3に立って乗り、肩幅より広い程の足幅で踏ん張って体重を掛けて船を横に揺らす、上り坂で自転車を揺らす要領で船の揺れの周期よりも少し早めに反対側に体重を移動させて揺動を続ける。
図3に示す固定式でなだらかな円弧型の左右対称の後退翼である横ヒレ(推進用振動翼)1の水中での羽ばたきによって、前縁近くが厚く後縁が薄い翼型(例えばN.A.C.A.-64-0009〜0014)の翼端の後退域 E が水圧で押されて翼の後縁が捲れるために翼の根元から翼端に向かって捻リを生じてその傾きによって前向きの揚力を発生させてそれを推進力とする。
また、前記横ヒレ(推進用振動翼)1は固定式であり、可撓性材のプラスチック中空成形材や内部発泡材、発泡体との組合わせで複合素材のF.R.P.や C.F.R.P.その他や軽量合金
材料そして木材や合板等の撓りを利用して翼の反復捻りを形成する。
そして、前記船体2、方向舵前ヒレ5、後ヒレ6等においても前記材質を目的に合わせた剛性や可撓性を選択して使用することができる。
[発明の横ヒレによる推進力と動的安定性の説明]
図4に示す横ヒレ(推進用振動翼)1が揺動によって下向きに羽ばたいている時の翼長の中間点の翼断面において、艇速と羽ばたきとを合算した相対流V が下向きに傾斜した翼面と成す迎角から翼の上面に流れる水流によって揚力L を発生させて、その分力として推進力T と揺動に対抗する力Z が得られる。また、反対側の横ヒレではこれの対称となる。
このように前記横ヒレは羽ばたきによる翼の揚力推進であるために推進性能を高めるためには翼長/翼幅比を大きくすることが有効であるが、反対に足ヒレ式に水を後方に押し出す方式では翼幅を大きくすることが有利となる。
図5に示す通り揺動の角度は片側10度〜20度であって、横ヒレ1を常に水中に位置させるためには水平より下方向に片側10度から20度の下反角が必要とされる一方で対称翼断面をもった左右対称の横ヒレ1が左右反対に反復捻リを形成するので推進力は左右ほぼ均等である。
図6に示す回転翼と水流の関係はプロペラの技術において一般的であるので説明を省くが、揺動船の場合にはこの相対流V に対する迎角適正捻りを揺動に対応して反復反転させる。また、翼の根元近くでは失速の起き難い厚い翼断面を用いて翼端に向かっては揚抗比の高い効率の良い翼断面を用いる。
図7に示す翼面が揚力を発生させている時にその揚力は揺動とは反対方向の力であるために揺動を続けて前進を続ける間中は動的な主に揚力による横安定性を得られる。また、水中を広い面積の横ヒレを移動させる時に付加慣性力による抗力も受けて横安定に寄与するが、速度を増して走行する時に揺動の振れ角が小さくても横安定を増すことからも分るように揚力による動的安定が確認される。そして縦横比の大きい翼では翼長方向での揚力中心が船体縦中心から外側に離れるので安定力を増大させる。
次に、上記構成の揺動式横ひれ推進船の組み立て順序について説明する。・後ひれ6の軸19を、船体2後部の軸受けパイプ18に下方から差し込み、穴20と穴21をピンまたはリング等で固定する。・ハンドル4を船体2の軸受パイプ16に上方から差し込む。
・方向舵前ヒレ5の軸17を船体2の下部から、ハンドル4の軸パイプに差し込み、スプリングラッチ11と受け穴12で固定する。・横ヒレ1の軸受パイプ10を、船体2の軸9に差し込んで行き、同時に回り止めピン13を受け穴14に差し込んで、スプリングラッチ11と受け穴12とで固定する。
上記構成の揺動式横ひれ推進船は、海(沿岸近く)、湖、川等で使用されるが羽ばたき翼であるため浅瀬では使用出来ない。波や流れに対しても翼が揚力を発生させる限り動的な安定性を得られて、また、船体が水密型で小型軽量であるために転倒からの復帰が簡単で速い。そして、乗り込みの時が横安定が抗力だけなので一番不安定ではあるが、水流や波に向かう方向での乗り込みに対しては比較的に容易である。
また、両手でハンドル4を握って、両足を踏み足部3の上で踏ん張る姿勢での左右交互の揺動運動は、姿勢や身体の動きに無理が少なく持久力が保てると同時に、横ヒレ(推進用振動翼)1に対して常に力を加え続けられる。
また、前述の通り、横ヒレ1の推進力を得るための翼の捻りは、材質の弾性と形状に頼っているために、加速する時には鋭く踏み込んで揺動動作を行うことによって翼を大きく捻り、速度が増した後は柔らかく揺動させて捻リを小さくする等して振動翼の性能を発揮させる。
次に、図8から図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、横ヒレ1を船体2と軸接合する時に、軸9にバネ材あるいはゴム等の弾性材料の軸22を用いて軸受パイプ10と接合することによって、横ヒレ1を限定的に回転させることで相対流V との迎角を適正化させて加速力を向上させる。また、前記22から離れた位置でワイヤー24等を用いて横ヒレ1の限定的な回転範囲をハンドル4あるいは踏み足部付近に備えた調節レバー23を用いて調節できることによって揚抗比が高いが失速もし易い翼型でも適正な迎角の範囲内に翼を傾斜させることを可能とした点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図9に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、横ヒレ1の相対流に対する適正な迎角を得るための捻りを形作るために、横ヒレ1を分割して、その前縁近くで軸25によって接合して、後縁近くに26より内通したワイヤー24をハンドル4あるいは踏み足部付近に備えた調節レバー23を用いてその捲れの回転範囲を調節できるとしたことによって、翼全域での迎角の適正化が計れると共に艇速にも対応して翼の捻りを調節できる点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1及び2の形態と同様な作用効果が得られる。
図10に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、船を長くして速度性能を向上させるいっぽうで、持ち運びや収納にも便利なように、船体2を前後2分割させ、引っ掛け金具29を受け金具30に引っ掛けて、フランジ31どうしをボルト32で締め込んで繋げる。また、踏み足部3と左右の横ヒレ1との組み合わせユニットUと、船体2やハンドル4その他とが揺動回転軸27と前後の船体2にある軸受パイプ28によって独立して揺動できるように軸支するとともに、任意の角度でラチェット33とラチェット溝34によってロックも可能であること。そして、方向舵として後ラダ−7を設けてその上部のフランジ35とハンドル4の軸に取り付けたフランジ35とをワイヤー36でクロスさせて繋ぐことによってハンドル4と連動する前後二枚の方向舵によって細長い船体の方向転換を容易にできるので、操縦性能が良くて収納、運搬性も良くできる点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図11A に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための第4の形態と主に異なる点は、前記左右横ヒレ1と横ヒレ取付軸9と踏み足部3とでなる前記組み合わせユニットU を船体2に跨がらせるように揺動回転軸27で軸支する点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1及び4の形態と同様な作用効果が得られる。
図11B に示す本発明を実施するための第6の形態において、前記本発明を実施するための第4及び5の形態と主に異なる点は、前記船体2の下方から前記横ヒレ取付軸9の縦軸40を差込んで揺動回転軸27で軸支して、上方から踏み足部3を組付ける点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1、4及び5の形態と同様な作用効果が得られる。
図11C に示す本発明を実施するための第7の形態において、前記本発明を実施するための第4、5及び6の形態と主に異なる点は、前記揺動回転軸27で左右の前記横ヒレ取付軸9が各々独立して揺動回転できるように軸支するいっぽうで、ロック機構を設けて左右一体の揺動もできて片側だけの揺動もできるようにした点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1、4、5及び6の形態と同様な作用効果が得られる。
図12に示す本発明を実施するための第8の形態において、前記本発明を実施するための第1及び4の形態と主に異なる点は、船体2の船底を波乗りにも適したを平板状に形成するとともに、横ヒレ1の後退角を回転軸39とスリット38と左右に分れて取付けられたハンドル4とを使ってそれを前後に倒すことによって後退角度を変えられる機構を設けたことによって、方向舵を使用せずに機敏な方向転換を可能としたり海岸近くで波乗りをする用に特化した点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1及び4の形態と同様な作用効果が得られる。
図13に示す本発明を実施するための第9の形態において、前記本発明を実施するための第1、4及び8の形態と主に異なる点は、船体2の浮力を小さくして、予備浮力を極端に小さくした状態で、前後方向の姿勢制御を行うためのピッチング安定翼8を軸37によって横回転自由に取り付けることで揺動から独立して水平を保てる、水平より下向きの迎角をもったピッチング安定翼8によって、速度が増すと船体が水中に沈み込む全没船とすることによって造波抵抗を免れて小型で表面積が最小にも拘らず高速化ができる点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第1、4及び8の形態と同様な作用効果が得られる。
図14に示す本発明を実施するための第10の形態において、前記本発明を実施するための第9の形態と異なる点は、横ヒレ1にほとんどの浮力を受け持たせることによって、船体を極小化する一方で、振動翼の付根近くでは翼を分厚く大きくして浮力を作り出して翼端に向かって抵抗の少ない薄い翼断面型として、また、前方にピッチング安定翼を備え、その安定翼の迎角の調節をハンドル4を前後に傾ける動作で操作できるとした点で、このように形成した揺動式横ヒレ推進人力船にしても、前記本発明を実施するための第9の形態と同様な作用効果が得られる。
本発明を実施するための最良の第1の形態の斜視図 本発明を実施するための最良の第1の形態の斜視分解図 本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図及び正面図 本発明を実施するための最良の第1の形態の作用説明図 本発明を実施するための最良の第1の形態の原理説明図 本発明を実施するための最良の第1の形態の原理説明図 本発明を実施するための最良の第1の形態の作用説明図 本発明を実施するための第2の形態の平面図及び説明図 本発明を実施するための第3の形態の平面図及び説明図 本発明を実施するための第4の形態の斜視分解図 本発明を実施するための第5,6,7の形態の斜視図 本発明を実施するための第8の形態の斜視図 本発明を実施するための第9の形態の斜視図 本発明を実施するための第10の形態の斜視図
符号の説明
1 横ヒレ(推進用振動翼)
2 船体
3 踏み足部
4 ハンドル
5 方向舵前ヒレ
6 後ヒレ
7 後ラダー
8 ピッチング安定翼
9 横ヒレ取付軸
27揺動回転軸

Claims (9)

  1. 予備浮力の小さい水密型船体と、この船体の両側に下反角付きに取付けられる一対の対称翼と、前記船体の上部でほぼ浮力中心で前記船体をクロスする左右方向でほぼ肩幅の位置に設けられた反復横揺れさせる一対の踏み足部とで構成される揺動式横ヒレ推進人力船。
  2. 請求項1記載の踏み足部の前方で船体の上部に体の安定と舵取りのためのハンドルを設けるとともに前記ハンドルと連動する方向舵を前記船体に設けたことを特徴とする請求項1記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  3. 前記対称翼を前記船体に限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できることを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  4. 前記対称翼を横方向で分割してその前縁近くで限定的に軸回転できるように軸接合するとともに、その軸回転範囲を調節できる調節手段を設け、また、それを左右別々にも調節できることを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船
  5. 前記船体を前後に2分割し、前記対称翼と前記踏み足部とで構成されるユニットが前記2分割した船体とは独立して横揺れできるように分割間に配置されていることを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  6. 前記ユニットを前記船体とは独立して横揺れさせられるように軸支されていることを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  7. 前記船体の船底を波乗りにも適した平板状にするとともに、前記一対の対称翼の後退角度を変えられる機構を設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  8. 前記船体の予備浮力を極端に小さくしてその前後に下向きの迎角を付けたピッチング安定翼を設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
  9. 前記船体を極端に小さくして前記対称翼に浮力を受持たせるとともに、前記ピッチング安定翼の迎角を調節できる調節手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の揺動式横ヒレ推進人力船。
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