JP2007185389A - 回転自走式内視鏡システム、プログラム、回転自走式内視鏡システムの駆動方法 - Google Patents

回転自走式内視鏡システム、プログラム、回転自走式内視鏡システムの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 負荷の増大に基づく回転筒体の駆動源の停止を事前に予測して回避し、作業効率を向上させることができる回転自走式内視鏡システム等を提供する。
【解決手段】 挿入部の外周側に設けられた回転筒体をモータにより回転させる回転自走式内視鏡システムにおいて、回転数が一定となるようにモータを正転させ(S1)、電流値Iを検出して(S2)、その時間的な変化割合ΔI/Δtが所定値α以上であり(S4)、かつ電流値Iが上限電流値Imax よりも小さい所定の閾値Ith以上に達したときに(S5)、モータを一時停止(S7)および一時逆転(S8)させ、その後に電流値Iが目標電流値Ita以下となったときに(S11)、再びモータの正転を行う(S1)ようにした回転自走式内視鏡システム。
【選択図】図6

Description

本発明は、挿入部の外周側の少なくとも一部に回転筒体を備えた回転自走式内視鏡システムと、その駆動制御のためのプログラムおよび駆動方法と、に関する。
内視鏡は、医療等の分野において、管腔内等の直接目視することができない部位を観察するために広く用いられている。こうした内視鏡は、一般に細長の挿入部を備えて構成されており、使用者の手技により被検体内へ挿入されていた。
これに対して、近年、自己の推進力により挿入されるようになされた内視鏡(自己推進式内視鏡)が研究されている。このような内視鏡には種々のタイプのものがあるが、一例を挙げれば、経肛門により大腸内へ挿入を行うようになされた内視鏡において、挿入部の外周側に、螺旋形状部を備えた軸周りに回動可能な回転筒体を設けて、該回転筒体を回転させることにより、体腔内への挿入を自動的に行うことができるようにした回転自走式内視鏡がある。
このような自己推進式内視鏡は、被検体内への挿入長が長くなるにつれて、挿入部と被検体との接触面積が増大し、つまり回転筒体を駆動するための駆動源への摩擦抵抗による負荷が増大することになる。このとき、例えば動摩擦が静止摩擦に変化すると、負荷が急激に増大することがある。
上述したような駆動源にかかる負荷は、駆動源に供給する電流にほぼ比例する。従って、例えば、上限電流値を設けて、電流値がこの上限値に達したときに駆動源の駆動を停止することにより、負荷の急激な増大に対応することが考えられる。
しかし、こうしたいわゆる緊急停止は、その後に内視鏡システムを通常の駆動状態に復帰させるまでに、幾つもの作業手順を経ることが必要であるために、頻繁にこうした緊急停止が発生すると、内視鏡検査の作業効率が低下し、検査時間も長い時間を要することになってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、負荷の増大に基づく回転筒体の駆動源の停止を事前に予測して回避し、作業効率を向上させることができる回転自走式内視鏡システム、プログラム、回転自走式内視鏡システムの駆動方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明による回転自走式内視鏡システムは、挿入部の外周側の少なくとも一部に該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、前記回転筒体を回転させるための駆動源と、前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出手段と、前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出手段と、前記回転検出手段により検出される回転数が一定となるように前記駆動源を駆動制御しながら前記電流検出手段により検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し算出した変化割合が所定値以上であるときには該駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御手段と、を具備したものである。
また、第2の発明による回転自走式内視鏡システムは、上記第1の発明による回転自走式内視鏡システムにおいて、前記駆動制御手段が、前記変化割合が所定値以上であって、かつ、前記電流検出手段により検出されている電流値が所定の閾値以上であるときに、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御するものである。
さらに、第3の発明による回転自走式内視鏡システムは、上記第2の発明による回転自走式内視鏡システムにおいて、前記駆動制御手段が、さらに、前記電流検出手段により検出されている電流値が所定の上限電流値以上であるときには前記駆動源を停止させるように制御するものであり、前記所定の閾値は、前記上限電流値に1未満の所定数を乗算することにより算出されたものである。
第4の発明による回転自走式内視鏡システムは、上記第1の発明による回転自走式内視鏡システムにおいて、前記駆動源が、正転駆動および逆転駆動が可能なものであって、前記駆動制御手段は、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるとともに、さらに、該駆動源を一時的に逆転駆動させるように制御するものである。
第5の発明による回転自走式内視鏡システムは、上記第2の発明による回転自走式内視鏡システムにおいて、前記駆動制御手段が、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させた後に、該駆動源を試験的に駆動させ、該試験駆動時に前記電流検出手段により検出された電流値が、所定の目標電流値以下になるまでは駆動源の一時停止を繰り返して行わせ、目標電流値以下になったところで該駆動源の駆動を再開させるように制御するものである。
第6の発明による回転自走式内視鏡システムは、上記第5の発明による回転自走式内視鏡システムにおいて、前記閾値をIth、前記目標電流値をItaとするとき、前記駆動制御手段は、前記駆動源の一時停止を開始した時刻における、該駆動源が通常駆動されていたと想定したときの予測電流値Ifoを算出するとともに、1以下の所定の定数βを用いて、次の数式
Ita=Ith−(Ith−Ifo)×β
に基づき、前記目標電流値Itaを算出するものである。
第7の発明によるプログラムは、コンピュータに、挿入部の外周側の少なくとも一部に該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、前記回転筒体を回転させるための駆動源と、を備えた回転自走式内視鏡システムの駆動制御を行わせるためのプログラムであって、コンピュータに、前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出ステップと、前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出ステップと、前記電流検出ステップにより検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し、算出した変化割合が所定値以上であるときには前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
第8の発明による回転自走式内視鏡システムの駆動方法は、挿入部の外周側の少なくとも一部に該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、前記回転筒体を回転させるための駆動源と、を備えた回転自走式内視鏡システムを駆動するための回転自走式内視鏡システムの駆動方法であって、前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出ステップと、前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出ステップと、前記電流検出ステップにより検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し、算出した変化割合が所定値以上であるときには前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御ステップと、を含む方法である。
本発明の回転自走式内視鏡システム、プログラム、回転自走式内視鏡システムの駆動方法によれば、負荷の増大に基づく回転筒体の駆動源の停止を事前に予測して回避することができ、作業効率を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図7は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は回転自走式内視鏡システムの構成を示す図、図2は回転自走式内視鏡における回転筒体の駆動機構の構成を示す図、図3は回転自走式内視鏡システムの電気的な構成を示すブロック図、図4はモータを定速駆動するために必要な電流値の時間による変化の一例を示す図、図5はモータの駆動制御を行うための論理回路の一例を示す図、図6はモータの駆動制御を示すフローチャート、図7は回転自走式内視鏡における回転筒体の駆動機構の構成の他の例を示す図である。
まず、図1を参照して、回転自走式内視鏡システムの構成を説明する。
この回転自走式内視鏡システム(以下では適宜、単に内視鏡システムと略称する。)1は、回転自走式内視鏡(以下では適宜、単に内視鏡と略称する。)2と、制御装置3と、モニタ4と、フットスイッチ5と、プリンタ6と、を備えている。
内視鏡2は、手元側の操作部11から細長の挿入部12を延設している。この挿入部12は、被検体内に実際に挿入され得る挿入部本体13と、この挿入部本体13をサポートするための後述するようなその他の各部と、を含んで構成されている。そして、挿入部12は、操作部11に対して着脱自在となっていて、例えば、1回の使用毎に廃棄されるようなディスポーザブルなものとして構成されている。
挿入部本体13の外周側には、外周面に螺旋状凸部が形成された回転筒体14が、挿入軸周りに回動可能となるように設けられている。
挿入部本体13におけるこの回転筒体14の先端側には、自在に湾曲可能な湾曲部15が設けられていて、回転筒体14の先端がこの湾曲部15の基端側の当付部に当接して、回転により発生した推進力を伝達するようになっている。
この湾曲部15に連設された挿入部本体13の最先端側には、先端硬性部16が設けられている。この先端硬性部16には、後述するような撮像/照明部89(図3参照)や、送気ノズル、送水ノズル、吸引口などが配設されている。
このような挿入部本体13は、未使用時および使用終了後に、その大部分が挿入部12を構成する収納ケース17内に収納されるようになっている。この収納ケース17は、例えば平板に近い直方体形状の箱体をなしており、何れの主面を天地として載置することも可能となっていて、各主面の四隅には載置用の脚部17aが設けられている。この収納ケース17は、内側の高さが、回転筒体14の直径よりもやや大きく、回転筒体14の直径の2倍よりも小さくなるように構成されている。これにより、収納ケース17は、回転筒体14に加わる回転力によって挿入部本体13が捻れてのたうつのを防止するようになっている。すなわち、挿入部本体13が捻れてのたうつと、回転力が捻れに費やされてしまい、推進されるための力として十分に伝達されなくなってしまうためである。
同様の理由により、収納ケース17と操作部11との間は挿入部12を構成する操作部側案内管18により、収納ケース17から先端側の所定長さ分は挿入部12を構成する先端側案内管19により、それぞれ捻れてのたうつのを防止されながら、保護されるようになっている。
先端側案内管19よりもさらに先端側には、挿入部本体13の外周に遊嵌されるように、被検体内へ挿入する際に用いられる挿入補助具20(これも挿入部12の一部である。)が設けられている。この回転自走式内視鏡システム1は、例えば、経肛門により大腸等へ内視鏡2を自動挿入する際に用いることが考えられるが、挿入補助具20は、このときに肛門部を保護しながら挿入を円滑に行うことができるようにするためのものである。
また、挿入部12の手元側には、操作部11の後述するモータボックス32と接続するためのコネクタ部21が設けられている。
一方、操作部11は、各種の操作釦等が頭部31aに設けられたグリップ部31と、このグリップ部31の先端側に連設されたモータボックス32と、を有している。
モータボックス32は、回転筒体14を駆動するための駆動源としてのモータ81(図2、図3参照)を内蔵するものであり、上述した湾曲部15を湾曲させるための図示しない湾曲ワイヤも、このモータボックス32とコネクタ部21との接続を介して、後述する湾曲ノブ側の駆動機構へ接続されるようになっている。
その他、撮像/照明部89への信号線等も、このモータボックス32とコネクタ部21との接続を介して、制御装置3側への信号線と電気的に接続されるようになっている。
掌で把持するためのグリップ部31の頭部31aには、送気や送水を行うための送気/送水ボタン33、吸引を行うための吸引ボタン34、静止画像を撮像するための撮像ボタン35、観察画像中における上(U)または下(D)方向へ上述した湾曲部15を湾曲させるためのU/D用湾曲ノブ36、観察画像中における右(R)または左(L)方向へ該湾曲部15を湾曲させるためのR/L用湾曲ノブ37、回転筒体14の前進/停止/後退を操作するための回転操作レバー38などが設けられている。
このグリップ部31の頭部31aからは、撮像/照明部89と制御装置3との信号の伝達を行うための電気ケーブル39が延設されており、その先端側に設けられたコネクタ39aが、制御装置3のコネクタ受けに接続されるようになっている。
また、挿入部12の手元側のコネクタ部21からは、挿入部本体13内に配設されている送気チューブ41、送水チューブ42、吸引チューブ43が延出されており、これらのチューブの基端側にコネクタ44が設けられている。
このコネクタ44は、送気中継チューブ46、送水中継チューブ47、吸引中継チューブ48の先端側に設けられたコネクタ45と着脱可能に接続されるようになっており、接続時には、送気チューブ41と送気中継チューブ46とが、送水チューブ42と送水中継チューブ47とが、吸引チューブ43と吸引中継チューブ48とが、それぞれ連通される。
なお、上述したような送気チューブ41,送水チューブ42,吸引チューブ43、および送気中継チューブ46、送水中継チューブ47、吸引中継チューブ48も、ディスポーザブルな挿入部12の一部である。
これらの送気中継チューブ46、送水中継チューブ47、および吸引中継チューブ48は、電気ケーブル39に対して、1つまたは複数(図1に示す例では3つ)の仮固定具51を用いて着脱可能に固定されるようになっている。そして、送気中継チューブ46、送水中継チューブ47、および吸引中継チューブ48が、電気ケーブル39に対して固定されることにより、各々が垂れ下がる等がなくなって、内視鏡2の取り回しが容易になる。
上述したような各中継チューブ46〜48は、基端側を制御装置3に接続されるようになっている。ここに、制御装置3は、後述するように、撮像/照明部89の制御や、送気/送水/吸引の制御、モータ81の制御などを行うためのものであり、側面部に、送気/送水に用いられる送水タンク53が取り付けられるようになっている。
より詳しくは、吸引中継チューブ48は、基端側が制御装置3の挿入部側吸引接続部66に接続されるようになっている。なお、この挿入部側吸引接続部66は、制御装置3の表面に固定された挿入部側吸引接続部保持部材65に対して着脱可能に取り付けられている。また、送気中継チューブ46および送水中継チューブ47の基端側には送気送水口金49が設けられており、この送気送水口金49が、送気送水コネクタ52を介して、制御装置3に設けられた送気送水コネクタ接続部67に接続されるようになっている。ここに、送気送水コネクタ52は、送気送水コネクタ接続部67に接続されるものであって、さらに、上述した送気送水口金49と、送水タンク53から延設される送水管54と、を接続するためのものであり、単独の部材として構成されている。
上述した挿入部側吸引接続部66は、挿入部側吸引チューブ68の一端側に設けられている。この挿入部側吸引チューブ68は、制御装置3の正面に設けられたピンチバルブ69に挟み込まれた後に、分岐部71に接続されている。この分岐部71からは、リーク側チューブ72が分岐されており、このリーク側チューブ72は、先端に設けられた接続部73を介して、制御装置3内のリーク管路へ接続されている。
上述した挿入部側吸引接続部66、挿入部側吸引チューブ68、分岐部71、リーク側チューブ72、接続部73は、予め組み立てられた一体的な部材として構成されており、これらの内の分岐部71が、制御装置3に設けられた係止部75に係止され、着脱可能に固定されるようになっている。
そして、分岐部71には吸引器接続口金が設けられており、吸引器7から延設される吸引器側吸引チューブ7aの先端が接続されるようになっている。この吸引器7は、例えば病院等に備え付けのものを用いることが可能である。ただし、回転自走式内視鏡システム1自体に、システム構成の一部として吸引器7を設けるようにしてももちろん構わない。
制御装置3には、電源スイッチ61や、電源状態を表示するLED62、各種の操作等を行うためのフロントパネル63などが設けられている。ここに、フロントパネル63は、スタンバイスイッチや回転筒体14の回転を制御するためのスイッチ等を含んで構成されている。
フットスイッチ5は、制御装置3に着脱可能に接続されるようになっており、回転筒体14を前進させるための前進ボタン5aと、回転筒体14を後退させるための後退ボタン5bと、を有して構成されている。なお、ここではフットスイッチ5を、回転筒体14の回転を制御するために用いているが、その他の用途に利用するようにしても構わない。
このようにして、回転筒体14は、操作部11の回転操作レバー38、フットスイッチ5、制御装置3の何れを用いることによっても、回転状態を操作することが可能となっている。
モニタ4は、制御装置3に着脱可能に接続されており、撮像/照明部89により撮像されているモニタ画像を表示するとともに、回転筒体14の回転状態、回転筒体14の回転に要するトルクの状態、など、各種の情報も表示するようになっている。
プリンタ6は、制御装置3に着脱可能に接続されるようになっており、内視鏡2の撮像ボタン35が押圧されたときに、制御装置3の制御に基づいて、静止画像をプリントアウトするようになっている。
次に、図2を参照して、回転自走式内視鏡2における回転筒体14の駆動機構の構成について説明する。
操作部11のモータボックス32内には、駆動源としてのモータ81が内蔵されている。このモータ81は、例えば、正転駆動および逆転駆動が可能なものとなっている。そして、このモータ81の単位時間当たりの回転数は、該モータ81に付随して配設された回転検出手段たる回転検出部82により検出されるようになっている。
モータ81から発生された回転駆動力は、減速機83を介して減速された後に、第1プーリ84に伝達されるようになっている。この第1プーリ84にはベルト85が掛けられており、該ベルト85はさらに第2プーリ86に掛けられている。こうして、第1プーリ84の駆動力は、ベルト85を介して第2プーリ86に伝達されるようになっている。
この第2プーリ86は、回転伝達部材87を介して回転筒体14と回動一体となるように構成されている。従って、第2プーリ86に伝達された回転駆動力により、回転筒体14が挿入部本体13の挿入軸周りに回転されるようになっている。ただし、回転されるのは回転筒体14のみであり、回転筒体14の内部に位置する挿入部本体13の内蔵物(後述する撮像/照明部89への信号線や、送気チューブ41、送水チューブ42、吸引チューブ43など)は回転の影響を受けることはない。
なお、この図2に示す例では、ベルト85およびプーリ84,86を用いて、モータ81の駆動力を回転筒体14へ伝達するようにしているが、例えば、図7に示すように構成しても良い。
この図7に示す例では、モータ81から発生された回転駆動力は、減速機83を介して減速された後に、第1ギヤ84Aに伝達されるようになっている。この第1ギヤ84Aは第2ギヤ86Aに噛合しており、この第2ギヤ86Aは、回転伝達部材87を介して回転筒体14と回動一体となるように構成されている。
さらに、これら図2や図7に示したような例に限らず、その他の種々の駆動機構を用いて、モータ81の駆動力を回転筒体14へ伝達することが可能である。加えて、これら図2や図7に示したような例においては、モータ81からの駆動力を、回転筒体14の手元側端から伝達するようにしていたが、これに限らず、回転筒体14の何れか一の部分(あるいは全部)において伝達するようにすれば良い。従って、駆動力の伝達を行う一の部分は、回転筒体14の基端側であっても先端側であっても途中であっても構わない。
回転筒体14は、例えば、金属素線を螺旋状に巻回し、結果的に外周面に螺旋状凸部が形成されるようにした部材である。より具体的には、金属素線は、ステンレス等の金属でなる細長の平板である。そして、この金属素線を、長手方向に垂直な断面が略S字状をなすように形成する。その後、断面略S字状の金属素線を、隣接するピッチの辺縁同士が係合し合うように螺旋状に巻回することにより、総体として細長の管状をなす回転筒体14を形成したものである。
そして、この回転筒体14が回転すると、外周面の螺旋状凸部が被検体の体腔内壁と当接して推力が発生し、該回転筒体14自体が挿入方向へ進行しようとする。このとき、回転筒体14の先端面が、湾曲部15基端側の突当部に当接して湾曲部15および先端硬性部16を押圧し、挿入部本体13が被検体内へ挿入されるようになっている。
挿入部本体13の先端部に設けられた湾曲部15は、さらに先端側に連設される先端硬性部16を所望の方向へ向けるために、U/D(アップ/ダウン)方向、およびR/L(ライト/レフト)方向へ自在に湾曲するための部位である。
先端硬性部16には、被検体を撮像するための撮像光学系およびCCD等の撮像素子(撮像部)と、撮像される被検体を照明するための照明光学系およびLED等の光源(照明部)と、を備えた撮像/照明部89(図3参照)が配設されている。この先端硬性部16には、さらに、光学系を洗浄するための送水ノズルと、この送水ノズルによる洗浄後の水滴を吹き飛ばすための送気ノズルと、吸引を行うための吸引口と、が配設されている。送水ノズルは送水チューブ42に、送気ノズルは送気チューブ41に、吸引口は吸引チューブ43に、それぞれ接続されている。
次に、図3を参照して、回転自走式内視鏡システム1の電気的な構成を説明する。
制御装置3は、CPU91と、モータ駆動回路92と、リレー93と、AWS用電磁弁駆動回路94と、リレー95と、電磁弁96と、ポンプ駆動回路97と、リレー98と、ポンプ99と、撮像/照明制御および映像信号処理回路100と、バッファ回路101と、フロントパネル63と、プリンタ制御回路102と、非常停止ボタン103と、非常停止解除ボタン104と、を備えている。
また、内視鏡2は、モータ81と、回転検出部82と、モータ識別部88と、撮像/照明部89と、を備えている。
CPU91は、この回転自走式内視鏡システム1を統括的に制御するための制御手段であり、モータ駆動回路92を介してモータ81の駆動制御を行うための駆動制御手段を兼ねたものである。
モータ駆動回路92は、リレー93を介してモータ81に接続されており、所定の制御プログラムを実行するCPU91の制御に基づいて、このモータ81を駆動制御するための駆動制御手段である。また、モータ駆動回路92は、モータ81を駆動する電流値を検出して、その検出値を随時CPU91へ出力する電流検出手段を兼ねたものとなっている。CPU91は、この検出値が所定の上限電流値Imax に達した場合には、自動的にモータ81の駆動を停止するように制御し、安全を図るようになっている。
回転検出部82は、モータ81の回転数を検出するためのものであり、検出結果はCPU91へ出力される。CPU91は、回転検出部82により検出された回転数に基づき、モータ81の定速駆動等の制御を行うようになっている。
モータ識別部88は、内視鏡2に内蔵されているモータ81の種類を示すモータ識別情報を、CPU91へ出力するものである。内視鏡2は、駆動源として異なる種類のモータ81を内蔵することが考えられるが、モータ81の種類が異なるとその駆動法も異なることになる。従って、CPU91は、接続された内視鏡2に内蔵されているモータ81の種類をモータ識別部88から取得して、その種類に応じた駆動を行わせるようにモータ駆動回路92を制御するようになっている。なお、モータ識別部88は、内視鏡2と制御装置3とが接続されたときに、能動的にモータ識別信号を出力するものであっても良いし、受動的にCPU91からモータ識別情報を読み取られるような不揮発性メモリ等であっても構わない。
AWS用電磁弁駆動回路94は、CPU91の制御に基づき、リレー95を介して、送気(A)、送水(W)、吸引(S)を制御するための電磁弁96を駆動するものである。
ポンプ駆動回路97は、CPU91の制御に基づき、リレー98を介して、ポンプ99を駆動するものである。このポンプ99は、送気/送水に用いられるポンプである。
撮像/照明制御および映像信号処理回路100は、撮像/照明部89と接続されていて、CPU91の制御に基づき、照明部に照明用の電力を供給するとともに、撮像部に駆動クロック等を供給し、さらに撮像部から出力される映像信号に各種の映像信号処理を施すものである。
この撮像/照明制御および映像信号処理回路100は、バッファ回路101に接続されていて、このバッファ回路101は、モニタ4に接続されるとともに、さらにプリンタ6に接続されている。上述したように、操作部11の撮像ボタン35を押圧すると、静止画像の記録が行われるようになっているが、このときにモニタ4上に表示される観察画像が停止すると、手技を行う際に不便である。そこで、観察用の映像出力にはモニタ4を、画像記録用の映像出力にはプリンタ6を、それぞれ接続するようにしたものである。これにより、撮像ボタン35の押圧にともなって、プリンタ6からは静止画像がプリントアウトされるが、このときにもモニタ4上では動画像を引き続いて観察することができるようになる。
フロントパネル63は、各種のスイッチやLED等を配置して構成された操作入力手段であり、ボタン操作等が行われると、操作信号がCPU91へ出力されるようになっている。このフロントパネル63には、スタンバイスイッチが含まれている。このスタンバイスイッチが押圧されると、CPU91から、モータ駆動回路92、AWS用電磁弁駆動回路94、ポンプ制御回路、撮像/照明制御および映像信号処理回路100へ制御信号が一斉に送信され、モータ81の停止、AWS用の電磁弁96への駆動電源供給の停止、ポンプ99の停止、撮像/照明部89への電源供給の停止、が行われる。そして、この状態で、NS部の交換を行うことが可能となっている。NS部を交換した後に、再びスタンバイスイッチを押圧すると、停止された各機能が元の動作状態に復帰される。
プリンタ制御回路102は、CPU91の制御に基づいて、プリンタ6の動作を制御するものである。例えば、内視鏡2の操作部11に設けられた撮像ボタン35が押圧されたときには、バッファ回路101に蓄積された静止画像を印刷するように、プリンタ制御回路102がプリンタ6を制御するようになっている。
非常停止ボタン103は、CPU91と、リレー93,95,98と、に接続されていて、非常停止モードを設定するための操作ボタンである。上述したように、CPU91は、モータ81の駆動電流値を検出して、検出値が上限電流値Imax に達した場合には、自動的にモータ81の駆動を停止するように制御している。この内視鏡システム1においては、さらに非常停止ボタン103を設けて、手動により各種動作を緊急停止することができるように構成している。すなわち、この非常停止ボタン103が押圧されると、非常停止信号が送信され、CPU91はいかなる状況においても非常状態であると認識して、モータ駆動回路92、AWS用電磁弁駆動回路94、ポンプ駆動回路97をそれぞれ停止させる。その一方で、非常停止ボタン103からの非常停止信号は、リレー93,95,98に直接出力され、モータ駆動回路92とモータ81との電気的接続が遮断されるとともに、AWS用電磁弁駆動回路94と電磁弁96との電気的接続が遮断され、ポンプ駆動回路97とポンプ99との電気的接続が遮断される。ただし、撮像/照明制御および映像信号処理回路100と撮像/照明部89との電気的接続は、その後に安全に内視鏡2を抜去する際に、あるいは処置を行う際に必要であるために、遮断はしない。
非常停止解除ボタン104は、上述した非常停止ボタン103により設定された非常停止モードを解除するための操作ボタンであり、長押しすることにより、その機能を発揮するように構成されている。非常停止モードを解除するために非常停止解除ボタン104を長押しなければならないように構成したのは、非常停止を行うことになった要因を取り除いたという操作者の意志を確認するためである。
次に、図4から図6を参照して、CPU91によるモータ駆動回路92を介したモータ81の制御について説明する。
まず、図4を参照して、モータ81を定速駆動するために必要な電流値の時間による変化の一例について説明する。
上述したように、CPU91は、回転検出部82により検出された回転数に基づき、モータ81が定速駆動されるように、モータ駆動回路92を介してモータ81へ供給する電流を制御している。ここに、モータ81へ供給する電流値と、モータ81から発生されるトルクとは、ほぼ比例していると考えて良い。
このときに、被検体内への挿入部本体13の挿入長が長くなるにつれて、回転筒体14と被検体の体腔との摩擦が増大し、定速回転するに要するトルクが増大する。図4において、電流値が全般的に増加しているのは、これを示している。
また、CPU91は、所定の上限電流値Imax を設定して、モータ81への供給電流がこの上限電流値Imax に達した場合には、モータ81の駆動を停止するようにしている。
ただし、実際の運用においては、この上限電流値Imax による制御だけでは不便を来すことがある。すなわち、回転筒体14と被検体の体腔とは、通常の駆動時には動摩擦の状態にある。しかし、何らかの原因で、目標部位に到達する前に、静止摩擦の状態になってしまうことがある。このようなときには、トルクが急激に増大し、モータ81へ供給する電流が上限電流値Imax に到達すると、モータ81の駆動が停止されてしまうことになる。そして、このときには、モータ81の駆動を再開するための一連の所定の操作等を行わなければならない。
そこで、本実施形態は、急激な電流値の増大等を監視して、電流値が上限電流値Imax に到達するか否かを予測し、電流値が上限電流値Imax に到達すると予測される場合には、電流値が上限電流値Imax に到達する前の段階で、トルクを減少させるための所定の処理を行うようにしたものとなっている。
すなわち、上限電流値Imax に1未満の所定係数を乗算した閾値Ithを設定する。具体的には、閾値Ithは、例えば上限電流値Imax に0.9を掛けた値などが挙げられる。そして、CPU91は、検出している電流値Iが、この閾値Ithに到達したか否かを監視する。
さらに、CPU91は、検出している電流値Iの所定時間Δt当たりの変化量ΔI、つまり電流値Iの時間に対する変化割合ΔI/Δtを算出して、この変化割合ΔI/Δtが所定値α以上になったか否かを監視する。なお、電流値Iの変化割合ΔI/Δtを算出する際のΔtは、微小なノイズの影響などを避けるために、ある程度の時間間隔をとるようにした方が良い。
そして、変化割合ΔI/Δtが所定値α以上であり、かつ電流値Iが閾値Ithに到達した場合には、CPU91は、モータ81の駆動を一時停止させ、その後にモータ81を逆転させて、さらにその後にモータ81を駆動するための電流値Iが所定の目標電流値Ita以下になったことが検出されたときに、再びモータ81の駆動を継続して行うようにしている。
ここで、図5を参照して、モータ81の駆動制御を行うための論理回路の一例について説明する。
この論理回路は、例えば3つのアンド回路111,112,113を有して構成されている。
アンド回路111には、モータ81を駆動する電流値Iと、所定の閾値Ithと、が入力されるようになっている。そして、アンド回路111は、電流値Iが閾値Ith未満であるときにはロー(L)を、電流値Iが閾値Ith以上であるときにはハイ(H)を、出力する。従って、このアンド回路111は、実際には比較器等により構成されている。
また、アンド回路112には、電流値Iの変化割合ΔI/Δtと、所定値αと、が入力されるようになっている。そして、アンド回路112は、変化割合ΔI/Δtが所定値α未満であるときにはロー(L)を、変化割合ΔI/Δtが所定値α以上であるときにはハイ(H)を、出力する。従って、このアンド回路112も、実際には比較器等により構成されている。
そして、アンド回路113は、アンド回路111からの出力と、アンド回路112からの出力と、をアンド演算する。すなわち、アンド回路113は、アンド回路111からの出力がハイ(H)であり、かつ、アンド回路112からの出力がハイ(H)であるときのみ、ハイ(H)を出力し、その他のときにはロー(L)を出力する。
CPU91は、このアンド回路113からの出力に基づいて、該出力がハイ(H)であるときにはモータ81の一時停止・逆転制御を行い、該出力がロー(L)であるときにはモータ81の正転をそのまま継続するように制御するようになっている。
次に、図6を参照して、回転自走式内視鏡システム1におけるモータ81の駆動制御処理について説明する。
この処理を開始すると、モータ81を正転させて回転筒体14を回転させる(ステップS1)。このとき、CPU91は、モータ81の回転数を回転検出部82から取得して、モータ81が所定の回転数で定速回転するように、つまり回転筒体14が定速回転するように、制御する。
さらに、CPU91は、モータ駆動回路92を介して、モータ81を駆動する電流値Iを検出している(ステップS2)。
そして、電流値Iが上限電流値Imax 以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
ここで、電流値Iが上限電流値Imax 未満である場合には、さらに、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値α以上であるか否かを判定する(ステップS4)。
電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値α以上である場合には、さらに、電流値Iが所定の閾値Ith以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS4において、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値α未満であるとき、または、ステップS5において、電流値Iが所定の閾値Ith未満であるときは、上記ステップS1へ戻って、モータ81の正転を継続して行う。
一方、ステップS5において、電流値Iが所定の閾値Ith以上であると判定されたとき(このときには、ステップS4において、既に変化割合ΔI/Δtが所定値α以上であると判定されている)には、目標電流値Itaを算出する(ステップS6)。
この目標電流値Itaは、トルクが通常の状態に戻ったときの電流値として算出される。すなわち、図4の時刻t1 からの急激な電流値Iの増加がないと想定した場合に、時刻t2 において到達したと予想される電流値に、幾らかのマージンを考慮した値を、目標電流値Itaとして設定する。
目標電流値Itaの算出方法は、種々のものを適用することが可能であるが、一例として、次のように行うことができる。まず、時刻t1 以前の電流値Iの変化割合ΔI/Δt(これをγとする)を算出し、時刻t1 における電流値をI(t1 )とすると、通常の駆動が行われたときの時刻t2 における予測電流値Ifoは、次の数式1に示すように算出される。
[数1]
Ifo=I(t1 )+γ(t2 −t1 )
従って、マージンを考慮するための1以下の定数βを用いて、目標電流値Itaを次のように算出することができる。
[数2]
Ita=Ith−(Ith−Ifo)×β
=Ifo+(1−β)(Ith−Ifo)
すなわち、この数式2によれば、予測電流値Ifoに対して、閾値Ithと予測電流値Ifoとの差の(1−β)倍のマージンを設定していることになる。従って、βを1に近付ければ、マージンは0に近付いて、目標電流値Itaが予測電流値Ifoに近付くことになる。
続いて、モータ81の駆動を一時停止させ(ステップS7)、その後にモータ81を逆転する(ステップS8)。
モータ81の一時停止および逆転を行ったら、電流値Iが正常な状態に復帰したか否かを判定するために、テスト用のモータ正転(試験駆動)を行い(ステップS9)、電流値Iを検出する(ステップS10)。
検出した電流値Iが目標電流値Ita以下になったか否かを判定し(ステップS11)、まだ目標電流値Itaよりも大きい場合にはステップS7へ戻ってモータ81の一時停止および逆転を行う。
なお、ステップS11からステップS7へ戻るループ内に目標電流値Itaの算出を入れないために(つまり、目標電流値Itaの算出は一度で足りるために)、ステップS5においてイエスと判定されたときに、まずステップS6の処理を行うようにしているが、実際には、まずステップS7におけるモータ81の一時停止を優先して行い、その後のステップS11の判定を行うまでの間の時間的な余裕があるときに、ステップS6の算出を一度だけ行うようにすると良い。
一方、ステップS11において、電流値Iが目標電流値Ita以下になったことが検出された場合には、ステップS1へ戻って、通常のモータ正転を行う。
その後、ステップS3において電流値Iが上限電流値Imax に到達したと判定された場合には、モータ81を停止して(ステップS12)、この処理を終了する。
この図6に示したような処理の具体的な流れを、図4を参照して説明する。
すなわち、図4に示すように、時刻t1 になるまでは、モータ81の駆動が通常の通りに行われている。なお、時刻t1 になるまでの間に、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値αを超えるような小ピークが存在したとしても、電流値I自体が閾値Ithに到達しない限りは、モータ81の一時停止および逆転の処理は行われない。従って、モータ81が頻繁に一時停止および逆転するのを回避することが可能となっている。
そして、時刻t1 において、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値αを超えたものとする。すると、ステップS4において、イエスと判定されるが、このときにはまだ電流値Iは閾値Ith未満であるために、ステップS5においてノーと判定され、ステップS1におけるモータ正転が継続して行われる。
その後、時刻t2 において、電流値Iが閾値Ithに到達すると、ステップS5においてイエスと判定される。すなわち、2つの条件、つまり電流値Iが閾値Ithに到達した条件と、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値αを超える条件と、が揃ったために、ステップS7の処理により、この時刻t2 においてモータ81の駆動を一時停止する。
次に、ステップS8の処理により、時刻t3 から時刻t4 までの所定時間だけ、モータ81の逆転を行う。
続いて、ステップS9の処理により、時刻t5 から時刻t6 までの短い所定時間だけ、モータ81をテスト正転する。
このテスト正転において検出された電流値Iは、図4に示す例では、目標電流値Itaを上回っている。従って、ステップS11においてノーと判定され、時刻t6 においてモータ81の駆動を再び一時停止する。
そして、再びステップS8の処理を行い、時刻t7 から時刻t8 までの所定時間だけ、モータ81を逆転する。
その後、時刻t9 において、ステップS9によりモータ81をテスト正転し、ステップS10により検出した電流値IをステップS11により目標電流値Itaと比較する。この図4に示す例では、ここで電流値Iが目標電流値Itaを下回っているために、ステップS1へ戻ってモータ81の正転をそのまま継続して行う。
図4に示す例においては、その後、電流値Iが閾値Ithに到達するが、このときには電流値Iの変化割合ΔI/Δtは所定値α未満であるために、モータ81の一時停止は行われず、そのまま正転が継続される。
そして、時刻t10において、電流値Iが上限電流値Imax に到達したところで、ステップS3においてイエスと判定され、ステップS12においてモータ81の正転を停止して、この処理を終了する。
なお、上述では、電流値Iの変化割合ΔI/Δtが所定値α以上になるという第1の条件と、電流値Iが所定の閾値に到達するという第2の条件と、の両方が満たされたときに負荷を低減する処理を行うようにしているが、これに限らず、第1の条件、または第2の条件の一方のみが満たされたときに、トルクを緩和する処理を行うようにしても構わない。
また、上述では、負荷を低減するために停止および逆転を行っているが、停止のみを行うことによっても、ある程度の効果を奏することができる。
このような実施形態1によれば、負荷の増大に基づく回転筒体の駆動源の停止を事前に予測して、電流値Iが上限電流値Imax に到達する前に、駆動源を一時停止し、負荷が低下するのを待ってから、再び駆動源を駆動するようにしたために、駆動源の停止を未然に回避することができる。従って、内視鏡検査の作業効率を向上させることができる。
このときさらに、駆動源を一時停止するだけでなく、逆転もするようにしたために、より短時間で効率的に駆動源の負荷を低減することが可能となる。
そして、駆動源の停止の予測を、電流値Iの時間的な変化割合に基づいて行っているために、電流値Iが上限電流値Imax に到達する前の時間的余裕がある段階で、予測を行うことが可能となる。
さらに、駆動源の停止の予測を行う際に、電流値Iが所定の閾値Ithに達したかを判定しているために、微小なノイズ等の影響により駆動の一時停止が頻繁になされるのを回避することができる。
加えて、上限電流値Imax に1未満の所定係数を乗算することにより閾値Ithを算出するようにしているために、所定係数の選択に応じて、上限電流値Imax に近い閾値Ithを設定したり、あるいは上限電流値Imax までは余裕のある比較的低い値の閾値Ithを設定したりすることが可能となる。
また、駆動源の一時停止および逆転後に、駆動源を試験的に駆動して、電流値Iが所定の目標電流値Ita以下になるまでは駆動源の一時停止を繰り返して行い、電流値Iが目標電流値Ita以下になったと判定されたときに始めて駆動源の駆動を再開するようにしたために、駆動の再開を、確実に通常の駆動状態に戻ってからにすることが可能となる。
さらに、目標電流値Itaの算出を、予測電流値Ifoと閾値Ithとを用いて、数式2に示すように行っているために、駆動源が適切な誤差範囲内で通常駆動に戻るようにすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明は、挿入部の外周側の少なくとも一部に回転筒体を備えた回転自走式内視鏡システムと、その駆動制御のためのプログラムおよび駆動方法と、に好適に利用することができる。
本発明の実施形態1における回転自走式内視鏡システムの構成を示す図。 上記実施形態1の回転自走式内視鏡における回転筒体の駆動機構の構成を示す図。 上記実施形態1における回転自走式内視鏡システムの電気的な構成を示すブロック図。 上記実施形態1において、モータを定速駆動するために必要な電流値の時間による変化の一例を示す図。 上記実施形態1において、モータの駆動制御を行うための論理回路の一例を示す図。 上記実施形態1におけるモータの駆動制御を示すフローチャート。 上記実施形態1の回転自走式内視鏡における回転筒体の駆動機構の構成の他の例を示す図。
符号の説明
1…回転自走式内視鏡システム
2…回転自走式内視鏡
3…制御装置
4…モニタ
5…フットスイッチ
5a…前進ボタン
5b…後退ボタン
6…プリンタ
7…吸引器
7a…吸引器側吸引チューブ
11…操作部
12…挿入部
13…挿入部本体
14…回転筒体
15…湾曲部
16…先端硬性部
17…収納ケース
17a…脚部
18…操作部側案内管
19…先端側案内管
20…挿入補助具
21…コネクタ部
31…グリップ部
31a…頭部
32…モータボックス
33…送気/送水ボタン
34…吸引ボタン
35…撮像ボタン
36…U/D用湾曲ノブ
37…R/L用湾曲ノブ
38…回転操作レバー
39…電気ケーブル
39a…コネクタ
41…送気チューブ
42…送水チューブ
43…吸引チューブ
44…コネクタ
45…コネクタ
46…送気中継チューブ
47…送水中継チューブ
48…吸引中継チューブ
49…送気送水口金
51…仮固定具
52…送気送水コネクタ
53…送水タンク
54…送水管
61…電源スイッチ
62…LED
63…フロントパネル
65…挿入部側吸引接続部保持部材
66…挿入部側吸引接続部
67…送気送水コネクタ接続部
68…挿入部側吸引チューブ
69…ピンチバルブ
71…分岐部
72…リーク側チューブ
73…接続部
75…係止部
81…モータ(駆動源)
82…回転検出部(回転検出手段)
83…減速機
84…第1プーリ
84A…第1ギヤ
85…ベルト
86…第2プーリ
86A…第2ギヤ
87…回転伝達部材
88…モータ識別部
89…撮像/照明部
91…CPU(駆動制御手段)
92…モータ駆動回路(駆動制御手段、電流検出手段)
93…リレー
94…AWS用電磁弁駆動回路
95…リレー
96…電磁弁
97…ポンプ駆動回路
98…リレー
99…ポンプ
100…撮像/照明制御および映像信号処理回路
101…バッファ回路
102…プリンタ制御回路
103…非常停止ボタン
104…非常停止解除ボタン
111,112,113…アンド回路

Claims (8)

  1. 挿入部の外周側の少なくとも一部に、該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、
    前記回転筒体を回転させるための駆動源と、
    前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出手段と、
    前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出手段と、
    前記回転検出手段により検出される回転数が一定となるように前記駆動源を駆動制御しながら、前記電流検出手段により検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し、算出した変化割合が所定値以上であるときには該駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御手段と、
    を具備したことを特徴とする回転自走式内視鏡システム。
  2. 前記駆動制御手段は、前記変化割合が所定値以上であって、かつ、前記電流検出手段により検出されている電流値が所定の閾値以上であるときに、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡システム。
  3. 前記駆動制御手段は、さらに、前記電流検出手段により検出されている電流値が所定の上限電流値以上であるときには、前記駆動源を停止させるように制御するものであり、
    前記所定の閾値は、前記上限電流値に1未満の所定数を乗算することにより算出されたものであることを特徴とする請求項2に記載の回転自走式内視鏡システム。
  4. 前記駆動源は、正転駆動および逆転駆動が可能なものであって、
    前記駆動制御手段は、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるとともに、さらに、該駆動源を一時的に逆転駆動させるように制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡システム。
  5. 前記駆動制御手段は、前記駆動源を所定時間だけ一時停止させた後に、該駆動源を試験的に駆動させ、該試験駆動時に前記電流検出手段により検出された電流値が、所定の目標電流値以下になるまでは駆動源の一時停止を繰り返して行わせ、目標電流値以下になったところで該駆動源の駆動を再開させるように制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の回転自走式内視鏡システム。
  6. 前記閾値をIth、前記目標電流値をItaとするとき、
    前記駆動制御手段は、前記駆動源の一時停止を開始した時刻における、該駆動源が通常駆動されていたと想定したときの予測電流値Ifoを算出するとともに、1以下の所定の定数βを用いて、次の数式
    Ita=Ith−(Ith−Ifo)×β
    に基づき、前記目標電流値Itaを算出するものであることを特徴とする請求項5に記載の回転自走式内視鏡システム。
  7. コンピュータに、挿入部の外周側の少なくとも一部に該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、前記回転筒体を回転させるための駆動源と、を備えた回転自走式内視鏡システムの駆動制御を行わせるためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出ステップと、
    前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出ステップと、
    前記電流検出ステップにより検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し、算出した変化割合が所定値以上であるときには前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  8. 挿入部の外周側の少なくとも一部に該挿入部の挿入軸周りに回動可能に設けられた回転筒体と、前記回転筒体を回転させるための駆動源と、を備えた回転自走式内視鏡システムを駆動するための回転自走式内視鏡システムの駆動方法であって、
    前記駆動源の駆動状態を検出することにより前記回転筒体の回転数を検出する回転検出ステップと、
    前記駆動源へ供給する電流値を検出する電流検出ステップと、
    前記電流検出ステップにより検出されている電流値の時間的な変化割合を算出し、算出した変化割合が所定値以上であるときには前記駆動源を所定時間だけ一時停止させるように制御する駆動制御ステップと、
    を含むことを特徴とする回転自走式内視鏡システムの駆動方法。
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