地点情報を検索する際に、ユーザは複数の目的を一回の外出で行うために、ユーザの現在地点周辺において、「レストラン」や「遊戯施設」等の地点の分類情報や、「食事」や「ボーリング」等の地点で行う行為を複数入力し、それらに適した地点の検索を行うことがある。しかしながら、従来、入力された情報に対して満足する地点が検索されなかった場合には、検索結果がないという情報しかユーザに提示されない。また、「検索結果がない」という情報を確認した後に、再びユーザは検索条件を入力する必要がある。また、各条件を満足する検索結果があったとしても、それらの情報がそれぞれ独立して提供されるにとどまり、希望する行為や訪問したい施設の分類等(以下、これらを「目的」と呼ぶ。)を効率的に遂行(あるいは、訪問)することができる地点の組み合わせに関する提案はされない。
そこで、本実施の形態では、複数の目的に関する地点の分類や行為に関する情報が入力された場合に、それらの検索条件の両方(あるいは、複数の検索情報の全て)を満足するのに最適な地点を検索し、その地点の情報を提供する。もし、そのような地点が存在しなかった場合には、各検索条件を満足する地点情報から、地点の位置に関する条件を修正することで、ユーザから入力された複数の目的を効率的に遂行することができる最適な地点に関する情報を提供することとしている。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1における地点情報検索装置について説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る地点情報検索装置の基本概念を説明し、以降の実施の形態2〜4において、具体例を用いて、より詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における地点情報検索装置200の構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置200は、カーナビ等の移動体端末に備えられ、地点に関する情報を検索してユーザに提供する装置であって、移動体端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部210と、地点の位置情報と地点の分類又は地点で行うことができる行為に関する属性情報とを対応付けた地点情報を記憶している地点情報記憶部220と、ユーザが望む行為である目的について、複数の目的を特定する情報を取得する複数目的取得部230と、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する検索部240と、検索部240によって検索された地点情報に含まれる位置情報が示す地点に関する情報を提供する情報提供部250とを備える。
ここで、一定の関係の具体例として、例えば、検索部240は、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた距離の範囲内にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する。これによって、複数の目的を達成するのに必要な地点が一定の関係、例えば、一定の距離の範囲内にある場合に、その地点の情報が提供されるので、ユーザは、複数の目的を果たす行動をする場合に、距離の離れた複数の目的地を順に移動して回るという非効率な行動を回避することができる。
検索部240は、付加的な機能として、さらに、位置条件修正部241、再検索部242及び距離算出部243を有する。
位置条件修正部241は、検索部240で検索された地点情報の数が予め定められた一定数より少ない場合に、上記一定の関係を修正する処理部である。
再検索部242は、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが位置条件修正部241によって修正された一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する処理部である。
たとえば、位置条件を修正することによって、検索部240は、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を検索した後に、検索された地点情報に含まれる位置情報が示す地点と一定の関係にある地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報を地点情報記憶部220に記憶された地点情報から検索する。そして、情報提供部250は、検索部240によって検索された複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報と複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報とに含まれる位置情報が示す地点に関する情報を提供する。
これによって、複数の目的を達成するのに好都合な地点が1箇所に集中していない場合であっても、それぞれの目的を達成するのに好都合な地点どうしが一定の関係、例えば、一定の距離の範囲内に位置する場合に、それらの地点に関する情報が提供されるので、位置条件が少し緩和されたうえで、複数の目的を達成するのに便利な次の候補となる地点が判明する。
一条件の緩和に関する具体例として、検索部240は、複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を複数検索した後に、検索された複数の地点情報に含まれる位置情報が示す複数の地点について単位面積あたりの密度の高い地点と一定の関係にある地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報を地点情報記憶部220に記憶された地点情報から検索したり、複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を複数検索した後に、検索された複数の地点情報に含まれる位置情報が示す複数の地点の近くを通る道路を特定し、特定した道路に沿った地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報を地点情報記憶部220に記憶された地点情報から検索したりする。
距離算出部243は、地点情報に、駐車場を示す情報と当該駐車場から地点までの距離を示す情報とが含まれる場合に、検索部240によって検索された複数の地点情報に含まれる距離を示す情報を参照することで、複数の地点情報に対応する目的を達成するのにユーザが移動すべき距離を算出する処理部である。情報提供部250は、距離算出部243で算出された距離が小さい駐車場に関する情報を提供する。これよって、車での移動時における移動距離がユーザに提示され、便利である。
複数目的取得部230は、付加的な機能として、さらに、移動履歴蓄積部231、目的オントロジー蓄積部232、信頼値算出部233及び信頼目的抽出部234を有する。
移動履歴蓄積部231は、移動体端末の移動履歴を蓄積するハードディスク等を内蔵する処理部である。
信頼目的抽出部234は、移動履歴蓄積部231に蓄積された移動履歴と位置情報取得部210によって取得された位置情報とから、ユーザの予測される行為である信頼目的を特定する処理部である。この信頼目的抽出部234によって、複数目的取得部230は、信頼目的抽出部234で特定された信頼目的を含む複数の目的を特定することができる。
より具体的には、移動履歴蓄積部231は、地点情報記憶部220に記憶されている地点情報を参照することで、移動履歴の到達地点に対応する属性情報を特定し、特定した属性情報を目的として到達地点の情報とともに含む移動履歴を蓄積する。
信頼値算出部233は、移動履歴蓄積部231に蓄積された移動履歴を参照することで、移動体端末の予測された到達地点に対応する目的を特定し、特定した目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。これにより、信頼目的抽出部234は、信頼値算出部233によって算出された目的ごとの信頼値に基づいて、信頼目的を特定することができる。
例えば、移動履歴蓄積部231は、移動履歴に含ませる目的ごとに、当該目的の行動がとられる確率である信頼値を算出し、算出した信頼値を対応する目的とともに含む移動履歴を蓄積し、信頼値算出部233は、移動体端末の予測された複数の到達地点に対応する複数の移動履歴を移動履歴蓄積部231から特定し、特定した複数の移動履歴に含まれる同一目的に対応する信頼値を加算することで、目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。
あるいは、移動履歴蓄積部231は、移動経路に含まれる地点と、自宅であることを示す情報を含む当該地点の分類情報とを含ませて移動履歴を蓄積し、信頼目的抽出部234はさらに、移動履歴に含まれる分類情報を参照することで、ユーザの自宅から信頼目的に対応する到着地点までの距離を算出し、算出した距離を利用して、信頼目的を特定する。これによって、より高い的中率で、複数の目的を達成するのに最適と予測される地点の情報が提供されるので、利便性が向上される。
目的オントロジー蓄積部232は、地点情報の属性情報が示す目的に関する同意語を蓄積するハードディスク等である。信頼値算出部233はさらに、目的オントロジー蓄積部232に蓄積された同意語を参照することで、移動履歴蓄積部231に蓄積された移動履歴に含まれる目的の同一性を判断し、移動体端末の予測された到達地点に対応する目的を特定し、特定した目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。そして、信頼目的抽出部234は、信頼値算出部233によって算出された目的ごとの信頼値に基づいて、信頼目的を特定する。これによって、目的オントロジーを参照することで、履歴では異なる目的であっても、例えば、上位概念として共通している場合には、共通する目的として解釈することで、ユーザの行動を反映した目的の判定が可能となり、その結果、ユーザにとって有益な目的情報が提供される。
以下、本発明に係る地点情報検索装置について、具体例を用いて、より詳細に説明する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における地点情報検索装置について説明する。
図2は、本発明の実施の形態2における地点情報検索装置の構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、カーナビ等の移動体端末に備えられ、ユーザから入力された複数の目的を遂行するのに適した地点に関する情報を提供する装置であり、位置情報取得部210a、地点情報記憶部220a、複数目的取得部230a、検索部240a及び情報提供部250aを備える。
位置情報取得部210aは、移動体端末の位置を示す位置情報を取得する処理部、つまり、実施の形態1における位置情報取得部210に対応するものであり、本実施の形態では、その一例として、位置情報検出部101を有する。
地点情報記憶部220aは、地点の位置情報と地点の分類又は地点で行うことができる行為に関する属性情報とを対応付けた地点情報を記憶している記憶装置、つまり、実施の形態1における地点情報記憶部220に対応するものであり、本実施の形態では、その一例として、地点情報蓄積部103を有する。
複数目的取得部230aは、ユーザが望む行為である目的について、複数の目的を特定する情報を取得する処理部、つまり、実施の形態1における複数目的取得部230に対応するものであり、本実施の形態では、その一例として、複数目的入力部131を有する。
検索部240aは、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する処理部、つまり、実施の形態1における検索部240に対応するものであり、本実施の形態では、地点情報検索部122、目的合致判定部126、密度算出部132、再検索部133、距離算出部124、位置条件生成部511及び位置条件修正部512を有する。
情報提供部250aは、検索部240によって検索された地点情報に含まれる位置情報が示す地点に関する情報を提供する処理部、つまり、実施の形態1における情報提供部250に対応するものであり、本実施の形態では、その一例として、地点情報提示部125を有する。
以下、各構成要素の機能について詳細に説明する。
位置情報検出部101は、この地点情報検索装置が組み込まれている移動体端末の位置、あるいは、その地点情報検索装置を携帯するユーザの位置を示す位置を検出(つまり、位置情報を取得)するGPS等である。なお、位置情報検出部101は、ユーザからの位置情報の入力を受け付け、ユーザから直接、移動体端末やユーザの位置、あるいは、検索する地域等の位置情報として取得する入力装置であってもよい。
複数目的入力部131は、ユーザが望む行為である目的について、複数の目的を特定する情報を取得する処理部であり、本実施の形態では、ユーザの行おうとしている目的を複数入力するための入力装置である。図3は、例えば、カーナビ等で構成された本装置の表示画面を示したものであり、ユーザの現在位置が画面に示されている。また、図3は、タッチパネル等で構成された表示画面とし、複数目的入力部131は、例えばタッチパネルを用いてユーザの入力を受け付ける処理部である。ユーザからの目的の入力については、地点の分類(例えば、「レストラン」「ボーリング場」「テニスコート」「ガソリンスタンド」等)に関する情報が入力されることや、地点で行う行為(「食事」「ボーリング」「テニス」「給油」等)に関する情報が複数種類入力される。
図3には、複数の目的の入力を受け付けるカーソルが画面右上に示されている。ここでは、プルダウンメニュー等により、ユーザによって、例えば、目的「ボーリング」と「ファミレス」が入力されたことを示している。なお、直接、ユーザがテキストの入力を行ってもよい。
このように、ユーザは移動する際に、ひとつの目的を行うために移動先を検索するのではなく、複数の目的を果たそうと移動する場合がある。また、その目的を果たすことができるのであれば、その場所についてはそれほど重要視しないこともある。具体的には、今、ユーザは「ボーリング」を目的の一つとしてはいるが、特定のボーリング場を指定して検索しているのではない。ボーリングという行動の目的さえ果たすことができれば、ユーザは、「ボーリング場A」であろうと「ボーリング場B」であろうとかまわないと考えている。このように、地点は特定しないが、所定の目的を果たそうと移動先を検索することが日常よくある。
一方、ボーリング場の種類は問わないが、「ファミレス」で食事を行いたいとも考えている。しかし、その目的「ファミレス」も、ある特定の店舗を指定して検索を行っているのではなく、ユーザは、「ファミレス」で食事を行えればファミレスCでもファミレスDでもかまわないと考えている。つまり、ある地点を特定して地点の検索を行っているのではなく、複数の目的を入力し、それら複数目的を一箇所で、あるいは、効率よく果たすことができる地点の検索を行っている。従来、カテゴリ等の検索キーワードを入力して該当する地点を検索する技術が開示されているが、このように複数の目的を入力し、それらを効率よく果たすことが可能な場所を提案する技術は開示されていない。そこで、本実施の形態では、これら複数の目的を効率よく果たすことができる場所を提案する地点情報検索装置を説明する。
ある目的が入力された場合、その目的を果たすことが可能な地点を検索するために、本実施の形態では、地点情報を用いている。本実施の形態において、地点情報とは、所定の地点と、その地点に関わる情報(属性情報)を有する情報と定義し、例えば、XML等、汎用的な形式でサーバ等に蓄積されている。地点情報蓄積部103は、このような地点情報を蓄積しているハードディスク等である。つまり、地点情報蓄積部103地点の位置情報と、地点の分類又は地点で行うことができる行為に関する属性情報とを対応付けた地点情報を蓄積しているハードディスク等である。以下、まず地点情報について詳細に説明する。
図4(a)及び(b)は、ある「レストランN」の駐車場Nに関する地点情報を示している。地点情報は、基準となる地点の「位置情報」と、地点の分類又は地点で行うことができる行為に関する情報、つまり、その位置に関わる「属性情報」とからなる。なお、位置情報は、様々なアプリケーションで利用できるように、汎用的な情報、例えば、緯度経度情報等を有し、一方、属性情報は、アプリケーションに応じて、あるいは、各地点情報
利用会社等が独自に作成することができるものであってもよい。
図4(a)及び(b)に示されるように、位置情報は、例えば、基準となる位置と、その地点の名称に関する情報を有する。また、その地点情報が考慮する範囲(カバーエリア)に関する情報を有する。基準となる位置は、緯度経度で表すこととし、例えば、「緯度タグ」「経度タグ」によって示される。また、名称は「名称タグ」、カバーエリアは「カバーエリアタグ」によって示されている。例えば、「駐車場N」の地点情報は、図4(b)に示されるように、基準となる位置として、緯度「N35.41」、経度「E135.51」、名称「駐車場N」、カバーエリア「半径100m」となっている。
図5は、図4(a)及び(b)に示される「駐車場N」の地点情報を説明する図である。図5において、バツ印(×)は、基準となる位置(N35.41、E135.51)である。また、点線で描かれた円は、カバーエリア「半径100m」を示している。つまり、このカバーエリア「半径100m」以内における地点では、この「駐車場N」の地点情報を利用することとなる。例えば、斜線で示す位置にユーザがいる場合、利用する地点情報は、「駐車場N」の地点情報ということになる。
さらに、地点情報は、カバーエリア内に存在する周辺の店舗等の情報を属性情報として有する。図5に示されるように、「駐車場N」のカバーエリア内には、「レストランN」が存在している。そこで、地点情報は、さらに、これら店舗の情報を有する。図4(a)及び(b)に示される地点情報には、属性情報として、これら周辺店舗の情報が記されている。例えば、周辺店舗情報として「レストランN」が記されている。さらに、各店舗の商用情報として、例えば「レストランN」のホームページは「www.Restaurant−N.com」等、商用情報が記されたアドレスがリンク付けされている。
以上のように、地点情報とは、ある地点と、その地点に関する属性情報、例えば、周辺店舗に関する情報等を対応づけて蓄積した情報をいう。
また、地点周辺の店舗は一つとは限らず、複数の店舗が隣接する地点情報であってもよい。例えば、図6(a)及び(b)は、ある「駐車場A」に関する地点情報を示している。「駐車場A」の地点情報は、基準となる位置として緯度「N35.01」、経度「E135.01」、名称「駐車場A」、カバーエリア「半径100m」となっている。さらに、この「駐車場A」の場合、周辺店舗は複数存在し、カバーエリア内に存在する周辺の店舗等の情報が記されている。図7を用いて、図6(a)及び(b)に示される「駐車場A」の地点情報を説明する。
図7において、バツ印は、基準となる位置(N35.01、E135.01)である。また、点線で描かれた円は、カバーエリア「半径100m」を示している。つまり、このカバーエリア「半径100m」以内における地点では、この「駐車場A」の地点情報を利用することとなる。例えば、斜線で示す位置にユーザがいる場合、利用する地点情報は、「駐車場A」の地点情報ということになる。さらに、地点情報は、カバーエリア内に存在する周辺の店舗等の情報を属性情報として有する。図7に示されるように、「駐車場A」のカバーエリア内には、「家電ショップB」、「レストランC」、「映画館D」と複数の店舗が存在している。地点情報は、さらにこれら複数の店舗の情報を有する。図6(a)及び(b)に示される地点情報には、属性情報として、これら周辺店舗の情報が記されている。例えば、周辺店舗情報として「家電ショップB」、「レストランC」、「映画館D」等が記されている。さらに、各店舗の商用情報として、例えば「家電ショップB」のホームページは「www.kaden.com」等、商用情報が記されたアドレスがリンク付けされている。
図8は、属性情報のひとつである周辺情報の利用の一例を説明する図である。例えば、画面1に示される位置にユーザが位置するとする。ここで、ユーザが周辺の店舗の検索を行うこととする。従来、周辺の店舗を検索する場合、ユーザが関連ページにアクセスし、求める情報を自ら探すか、あるいは、カーナビ等、各装置によって予め蓄積された情報の中から、県や地域等をキーワードとしてフィルタリングしながら検索する等の方法で行われるのが一般的であるが、本実施の形態においては、地点情報を用いて行うことが可能である。
まず、ユーザが位置する地点をもとに、該当する地点情報、「駐車場A」の地点情報が利用されることとなる。「駐車場A」の地点情報には、前述したように、周辺の店舗情報が記されている。よって、例えば、ユーザが「周辺検索」を行うと(画面1)、地点情報の周辺店舗情報が利用され、該当する店舗「電気ショップB」、「レストランC」、「映画館D」が候補として挙げられる(画面2)。さらに、例えば「電気ショップB」を選択したとすると(画面3)、店舗情報のうち「電気ショップB」にリンクされている「www.kaden.com」がアクセスされ、商用情報が表示される(画面4)。このように地点情報は、所定の地点を基準とし、地点および周辺に関わる情報を有しており、例えば周辺検索等を行う場合にも利用することができる。なお、前述した周辺検索に地点情報を用いる説明は、一例であり、地点情報の利用方法としては、これに限ったものではない。本実施の形態における地点情報とは、汎用的な形式、例えば、緯度経度で示された位置情報を基準とすることで、異なる機器で、地点を基準とした地点情報の利用が可能であり、さらに属性情報として個々の装置や機能で必要な情報を含めておくことで、いろいろなアプリケーションや機能を実現することができる。
本実施の形態において地点情報は、地点と、その地点で果たすことが可能な目的とを対応させて蓄積するものとする。図4(a)及び(b)に示される「駐車場N」の地点情報には、属性情報として「目的情報」を有している。目的情報とは、その地点からの移動先候補での目的を反映させた情報とし、ここでは、「目的タグ」によって記されている。例えば、「駐車場N」では和食の食事を行うことができるため、「駐車場N」に来たユーザの移動先候補として「レストランN」があり、さらに、本実施の形態では移動先での目的「食事(和食)」があり、その情報を目的情報として有している。
また、目的情報は、ひとつの地点に対し、複数あってもよい。例えば、図6(a)及び(b)に示される「駐車場A」の目的情報としては、「家電ショップB」では家電製品を購入することができるため、「駐車場A」に来たユーザの移動先候補のひとつとして「電気ショップB」があり、さらに本実施の形態では移動先での目的「家電製品購入」があり、その情報を目的情報として有している。あるいは、他の移動先候補として「レストランC」があり、そこで食事をすることができるため、目的情報として「食事」を有している。さらに、移動先候補として「映画館D」があり、そこでの目的「映画鑑賞」を有している。このように、地点情報は、地点に関わる情報のひとつとして例えばカバーエリアにおける店舗をもとに、その地点からの移動先候補の店舗や、その店舗での行動の目的等を反映させた目的情報を有している。
ここで、地点情報のいくつかの応用例を説明する。図9は、ある「駐車場E」付近の地図を示している。「駐車場E」付近には、「本屋F」、「CDショップG」が存在する。一方、「駐車場H」付近には、スーパーIが存在している。これらの地点には地点情報が存在する。例えば、「駐車場E」の地点情報は、基準となる地点「E135.11、N35.11」を中心とし、半径80mをカバーエリアとしている。また、「駐車場H」の地点情報については、基準となる地点は「E135.21N35.10」であり、カバーエリアは「駐車場H」を囲む形となっている。このように、地点情報では、汎用的な値である例えば緯度経度をもとに、カバーエリアの大きさや形を任意にすることも可能である。例えば、周辺の駐車場の位置を基に地点情報のカバーする領域を変更することが可能である。
図10(a)及び(b)は、図9に示された「駐車場E」及び「駐車場H」の地点情報の詳細を示したものである。前述の「駐車場A」の地点情報と同様、位置やカバーエリアや名称等が記されている。また、「駐車場E」の地点情報には、属性情報として、周辺店舗「本屋F」「CDショップG」、さらにそれら店舗の商用情報が記されている。また、移動先候補情報として「本屋F」で行われるであろう目的「書籍購入」や、「CDショップG」で行われるであろう目的「CD購入」等が記されている。一方、「駐車場H」の地点情報には、周辺店舗「スーパーI」、「CDショップG」が記されている。このように、周辺店舗情報としては、複数の地点にわたることとしてもよい。例えば、大きな百貨店等、多くの駐車場と契約している店舗は、複数の地点情報に商用情報を記すことができ、利用するユーザへの宣伝効果にもつながる。また、目的情報として「スーパーI」で行われるであろう目的「食料品購入」、「洋服購入」等が記されている。このように、ひとつの店舗においても、行われる目的は一つとは限らず、複数の目的を記すことも可能である。例えば、同じ「スーパーI」を利用するユーザであっても、その目的に応じて提供する情報を変更することが可能となる。
なお、目的情報は、システム設計者が付与するのはもちろん、地図製作会社、駐車場経営者や、周辺の店舗経営者等、宣伝を目的とする者が付与することとしてもよい。さらに、ホームページや、店舗等の宣伝情報などの商用情報より、形態素解析等を行い、目的となるキーワードを抽出し、自動的に作成することとしてもよい。
本実施の形態では、地点情報に記された目的情報を用いて、入力された目的を果たすことが可能な目的地の検索を行う。
位置条件生成部511は、位置情報検出部101で入力された位置情報を基に、地点情報蓄積部103を検索するための位置に関する条件を生成する。例えば、ある位置(緯度、経度)が入力されると、その位置から所定の範囲(例えば1kmの範囲)等の位置条件を生成し、これによって、生成された位置条件内で入力された目的の検索を可能にしている。また、位置条件生成部511は、車両での周辺検索の場合には、車両の現在位置を基準に、車両の走行方向を考慮して所定の範囲(例えば3Kmの範囲)の位置情報の検索条件を生成する。例えば、車両の場合、向きを変更することは容易ではなく、走行方向を考慮した検索が好ましい場合があるからである。また、このように所定の位置条件を設けない場合、地点情報蓄積部103に日本全国の地点に関する情報が蓄積されていた場合には、これら地点情報は膨大なものとなり、不要な情報を検索してしまうことになる。図12に示されるように、位置条件生成部511は、位置情報検出部101で入力または検出された基準位置に対して、いくつかの位置条件を生成することが可能である。
例えば、図12に示される位置条件の例のように、位置条件Aは、基準位置に対して所定の距離の地点を検索する位置条件であり、位置条件Bは、車両の進行方向を考慮した位置条件である。また、位置条件Cは、基準地点を含む矩形による位置条件であり、位置条件Dは基準位置から最も近い主要道路に隣接している地点を検索するための条件である。例えば、車両等の場合、経路沿いや、さらには比較的走行しやすい主要道路沿いに隣接している地点の店舗等である方がユーザにとっても訪れやすく、検索としても適している場合が多いためである。このように、位置条件を設定することで、ユーザが現在必要とする可能性の高い地点情報を効率的に検索することが可能になる。
地点情報検索部122は、地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報検出部101で取得された位置情報が示す位置とが位置条件生成部511で生成された位置条件を満たす地点情報を検索する。そして、目的合致判定部126は、地点情報検索部122によって検索された地点情報の中から、複数目的入力部131で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する。これら地点情報検索部122及び目的合致判定部126によって、複数目的入力部131で入力された複数の目的と、位置条件生成部511で生成された位置に関する条件をもとに、地点情報蓄積部103に蓄積された地点の位置情報より、複数の目的を果たすことが可能な地点が検索される。
例えば、ユーザの現在位置を中心として半径500メートル以内である位置検索条件が生成された場合、その領域の地点情報を検索する。図11は、検索された地点情報をリスト形式で示したものである。例えば、地点情報「001」として位置「東経135度01分、北緯35度01分」、名称「駐車場A」、目的「ファミレス」の地点情報が取得されている。上述したように、地点情報は、このように所定の地点とその周辺の店舗等から得られる目的情報が付帯されて蓄積されており、例えば「駐車場A」に駐車して周辺のファミレスで食事が行えることを示している。
一方、「ファミレス」に該当する地点は「駐車場A」に限らず、図11に示される例では、地点情報「002」の「西丸百貨店」、地点情報「003」の「ジョイフール」、地点情報「004」の「華町総合レストラン」等でもファミレスで食事を行えることが、検索された地点情報から示されている。このように、所定の目的を果たすことが可能な地点は、場合によっては多く存在し、複数検索されることとなる。
図13は、図11に示される目的「ファミレス」に該当する地点を地図で表した図である。ユーザの現在位置を中心として、半径500メートル以内に位置する地点の地点情報として取得された「西丸百貨店」、「ジョイフール」、「総合レストラン」、「リーガルホスト」等の位置が、地図で示されている。
地点情報検索部122は、さらに、もう一つの目的である「ボーリング」に該当する地点情報を検索し、取得された地点情報を用いて「ファミレス」と「ボーリング」の目的を果たすことができる地点を算出し、ユーザに提供する。
例えば、これら複数の目的「ファミレス」と「ボーリング」の目的を果たすことができる地点がある場合は、目的合致判定部126が、合致しているか否かを判定し、地点情報提示部125が、これらの地点情報を提示する。あるいは、後述するように、距離算出部124がこれら複数の目的を果たすことができる店舗間の距離等を考慮してより適切な地点を算出し、情報を提供することとしてもよい。
しかしながら、必ずしもこれら複数の目的すべてに合致する地点が存在するとは限らない。今後、様々な店舗等の商用情報などを示した地点情報が利用可能となる環境下、これらすべての地点情報を検索するのは検索コスト等の面でも非現実的であり、例えば、本実施の形態に示されるように、位置条件を設け、効率的に検索する必要が生じる。一方で、位置条件を設けることで、これら複数の目的に合致する地点が必ずしも検索されるとは限らないことになる。例えば、本例の場合、位置条件生成部511で生成された位置条件では、当該検索範囲内に該当する地点が存在しなかったとする。つまり、図13において、ユーザを中心とする半径500メートル以内に、もうひとつの目的である「ボーリング」を行うことができる地点が存在しなかったとする。目的合致判定部126では、合致しないと判定することとなる。
そこで、本実施の形態では、密度算出部132が、単位面積あたりの地点情報の数、つまり、地点情報の密度を算出し、再検索部133が、位置条件生成部511で生成された位置条件を変更することで再度地点情報の検索を行う。
再検索部133は、地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報検出部101で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的入力部131で取得された複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を検索した後に、検索された地点情報に含まれる位置情報が示す地点と一定の関係にある地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報を地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から検索する処理部である。本実施の形態では、再検索部133、密度算出部132及び距離算出部124の協調動作によって、複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を複数検索した後に、検索された複数の地点情報に含まれる位置情報が示す複数の地点について単位面積あたりの密度の高い地点と一定の関係にある地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報が地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から検索される。以下、再検索部133の機能について、具体例を用いて説明する。
図13に示されるように、地点情報は、地域によっては複数存在する場合がある。例えば、市街地や都市などでは店舗も比較的多く、地点情報も多く存在することとなる。また、地点情報は「ファミレス」に限ったものではなく、あらゆる店舗等の情報を蓄積しているため、その数は膨大なものともなりうる。このような環境のもと、単に検索範囲を広げたのでは、検索の計算コストもかかり好ましいものではない。そこで、密度算出部132が地点情報の密度を算出し、位置条件生成部511で生成された位置条件を位置条件修正部512が位置条件の修正を行う。
位置条件修正部512は、地点情報検索部122で検索され、かつ、目的合致判定部126で複数目的入力部131から入力された目的と合致すると判定された地点情報の数が予め定められた一定数より少ない場合に(本実施の形態では、密度算出部132で算出された密度が一定値よりも低い場合に)、位置条件生成部511が生成した位置条件を修正する。
例えば、ひとつの目的である「ファミレス」に該当する地点情報のみを用い、その地点情報が密集している中心点を算出する。Segmental-K-Means法等、空間に位置するサンプルから所定の数の中心点を算出するクラスタリング手法が従来知られており、ここでは、中心点の求め方は問わないものとする。例えば、緯度をX軸、経度をY軸として2次元の座標をとり、地点情報に付与された各地点の緯度経度情報を用いて密集する地点の算出を行う。
図14に示されるように、ひとつの目的「ファミレス」に該当する「西丸百貨店」、「ジョイフール」、「リーガルホスト」、「華町総合レストラン」等より、地点情報が密集している中心点Zが算出されている。そこで、位置条件修正部512は、上記中心点Zを中心とした半径500メートル以内をあらたな検索エリアとし、そのあらたな検索エリアにおいて、再検索部133は、もうひとつの目的「ボーリング」に該当する地点情報の検索を行う。図15は、検索エリアを広げて再度、地点情報を検索した結果を示す図である。図15には、目的「ボーリング」に該当する「スターボーリング」と「ストライクNo1」が示されている。
地点情報検索部122は、複数目的入力部131で入力された各入力情報ごとに地点の地点情報蓄積部103で蓄積されている地点の検索を行い、位置条件修正部512は、複数目的入力部131で入力された単一の入力情報を満足する地点の位置情報を用いて、単位面積あたりの検索された地点の密度から、位置条件生成部511で生成された位置条件を上記密度が高い地点を含むように修正している。これにより、複数の目的を達成する地点が存在しなかった場合でも、位置に関する検索条件を修正することで検索結果をユーザに提示することが可能になる。しかしながら、これら複数の目的「ファミレス」と「ボーリング」の目的を果たすことができる地点は一つとは限らず複数算出される場合もある。この場合、これら算出された複数の地点を地点情報提示部125が提示し、ユーザに選択させることとしてもよいが、さらにより効率的にこれら複数の目的を果たすことが可能な地点を算出し、ユーザに提供することとしてもよい。
例えば、複数の目的を果たすことが可能な店舗が存在する地点をユーザに提供する場合、これら店舗間の距離等もユーザの重要な関心事項であることが多い。例として、ユーザが徒歩で移動する場合、複数の目的のうち各々の目的を果たすことが可能な店舗間を移動することとなるため、その移動距離は少ない方が好ましいことが多い。また、ユーザが車両で移動する場合も、駐車は一度で済ませ、その店舗間を徒歩等で移動することとなるため、やはりその移動距離は短い方が好ましいことが多い。そこで、本実施の形態では、これら目的を果たすことができる複数の地点間の距離を算出し、よりユーザに適する地点の情報を提供することとする。
距離算出部124は、目的を果たすことができる複数の地点間の距離を算出する、つまり、複数の地点情報に対応する目的を達成するのにユーザが移動すべき距離を算出する処理部である。例えば、選択された複数の目的「ファミレス」と「ボーリング」に該当する地点情報を用いて、地点間の距離を算出し、もっとも効率よく、これら複数の目的を果たすことができる地点の算出を行う。
図16は、目的「ファミレス」である「西丸百貨店」、「ジョイフール」、「華町総合レストラン」、「リーガルホスト」と、目的「ボーリング」である「スターボーリング」、「ストライクNo1」との距離を表で示している。ここでは、「スターボーリング」と「西丸百貨店」との距離「340メートル」が地点情報より算出されている。同様に「ジョイフール」と「400メートル」、「華町総合レストラン」と「300メートル」、「リーガルホスト」と「620メートル」と、各地点間の距離が算出されている。また、「スターボーリングNo1」と「西丸百貨店」との距離「500メートル」、「ジョイフール」と「480メートル」、「華町総合レストラン」と「720メートル」、「リーガルホスト」と「420メートル」と算出されている。そして、この場合「スターボーリング」と「華町総合レストラン」との距離が「300メートル」と最も近くなっていることから、今回の目的「ファミレス」と「ボーリング」をもっとも効率よく果たすことができる地点として、これらの情報を地点情報提示部125が画面等を介してユーザに提供する。
地点情報提示部125は、地点情報検索部122によって検索され、目的合致判定部126において複数目的入力部131で入力された目的と合致すると判定された地点情報、あるいは、その条件に加えて、再検索部133で再検索され、距離算出部124で算出された地点間距離が一定範囲内である地点情報を対象とし、その地点情報に含まれる位置情報が示す地点、に関する情報を画面等を介してユーザに提供する処理部である。上記の例においては、「スターボーリング」と「華町総合レストラン」が検索されたために、図18に示されるように、現在地から先に「華町総合レストラン」に寄り、次に「スターボーリング」に行く経路と、各地点における商用情報を提供する。なお、地点情報提示部125は、この地点情報検索装置が組み込まれているカーナビが内部に蓄積している地図情報や商用情報から読み出す、あるいは、無線通信でインターネット上のWebサイトにアクセスすることで、各地点における商用情報等の地点に関する情報を取得し、ユーザに提供する。
複数の目的に対して、各地点の間の距離が十分に短い(例えば、徒歩圏内などの)場合には、車両の一回の駐車で目的を果たすことが可能である。そのため、訪問の順序を決定する必要は必ずしもない。一方、各地点間の距離が比較的遠い場合、さらに、訪問する順序を決定することとしてもよい。従来、図19に示されるように、各目的に対して、それぞれの検索条件の結果を提示している。そのため、一回の外出で複数の目的を行うためには、図19に示されるように、提示された検索結果の地点情報に対して、再び、どの組み合わせの訪問が適しているかを検討する必要がある。しかしながら、本実施の形態では、各地点の距離を考慮して複数の目的によって検索された地点の組み合わせを選択することにより、ユーザは、検索結果の地点の組み合わせを検討する必要がなくなる。さらに、その地点間の距離を考慮し、訪問する順序を決定することで、ユーザが必要とする情報を煩雑な操作なく提供することが可能となる。例えば、再検索部133等に、さらに距離に関する規則等を蓄積する。そして当該規則、例えば、300m未満を徒歩圏内とし、徒歩圏外の場合は訪問順序をさらに算出して提示することとしてもよい。
本実施の形態に示されるように、複数の目的に該当する地点が存在しなかった場合、一つの目的を果たすことが可能な地点が密集した地点をもとに検索範囲を広げることで、検索にかかるコストを減少することが可能となる。また、一つの目的に該当する地点が密集している地点をもとに検索しているので、ユーザ側としては選択肢が広がることとなる。例えば、仮に算出された「華町総合レストラン」を利用しないこととした場合においても、その代替となる「ファミレス」である「華町総合レストラン」、「西丸百貨店」、「ジョイフール」、「リーガルホスト」は近辺に位置するため、他の「ファミレス」を利用することとした場合においても比較的効率よく目的を果たすことが可能となる。
次に、以上のように構成された本実施の形態における地点情報検索装置の動作フローを、図17を用いて説明する。まず、複数目的入力部131は、地点に関する分類や地点での行為の内容等の目的についてのユーザによる複数の入力を受け付ける(ステップS501)。図3に示されるように、本例では目的「ファミレス」と「ボーリング」が入力されている。次に、地点情報検索部122は、入力された目的に該当する地点情報を、地点情報蓄積部103から検索する。ただし、位置情報検出部101で検出された位置を用いて位置条件生成部511が位置に関する検索条件を生成し(ステップS502)、地点情報検索部122は、例えば、半径500メートル以内の地点情報を検索する(ステップS503)。
そして、目的合致判定部126は、複数の目的に該当する地点情報が存在するか否かの判定を行う(ステップS504)。存在する場合は(ステップS504のYes)、地点情報提示部125は、当該地点情報を用いて商用情報や経路情報等、ユーザが必要とする情報を提示する(ステップS509)。また、ここで複数検索された場合は、上記で説明したように、距離算出部124が地点間の距離を算出し、もっとも近いものを地点情報提示部125が提示することとしてもよい(ステップS508)。
一方、複数目的に該当する地点情報が存在しない場合(ステップS504のNo)、例えば、一つでも目的に該当する地点情報を用いて、密度算出部132は、密集する地点の算出を行う(ステップS505)。例えば、図14のバツ印は、目的のひとつである「ファミレス」に該当する地点情報を用いて密集する地点を算出したものである。該当する目的が存在しない場合、単に検索エリアを拡大したのでは検索コスト的に好ましいものではない。そこで、一方の目的に該当する地点情報が密集するエリアを基準として位置条件修正部512が位置に関する条件を修正することで、検索コストの削減になり、また、もう一方の目的に該当する地点が算出された場合に、両者を考慮した地点の算出も効率的に行える。
次に、得られた中心点をもとに再検索部133は、目的に該当する地点情報を再び検索する(ステップS506)。そして、目的に該当する地点が存在するか否かの判定を行い(ステップS507)、存在する場合は(ステップS507のYes)、距離算出部124が検索された地点間の距離を算出し(ステップS508)、地点情報提示部125が情報を提供する(ステップS509)。一方、存在しない場合(ステップS507のNo)は位置条件修正部512が再び位置条件を修正し(ステップS505へ)、再検索部133が検索を行う。図15は、再度検索エリアを拡大して目的「ボーリング」に該当する地点を算出する例を示す図である。図13に示される検索エリアでは検索できなかった「スターボーリング」と「ストライクNo1」が新たに検索されていることが示されている。
そして、上記で説明したように、距離算出部124は、複数の目的に該当する地点情報を用いて、それら複数の目的を果たすことができる地点間の距離を算出する(ステップS508)。図16は、算出された各々の地点間距離を示す図である。この場合、「スターボーリング」と「華町総合レストラン」との距離「300メートル」が最も近い距離となっており、これらを最も効率よく複数の目的を果たすことが可能な地点として、地点情報提示部125は情報を提示する(ステップS509)。
このように、本実施の形態によれば、地点情報を利用して、ユーザから入力された複数の目的を効率よく遂行するのに適した目的地や移動経路が示され、ユーザは、何度も経路検索を繰り返したり、非効率な経路を移動したりすることが回避される。
なお、本実施の形態では、複数目的入力部131が入力された単一の目的を満足する地点を検索し、その位置情報の重心を用いて位置条件生成部511で生成された位置条件を修正した。これに代えて、単一の目的を満足する地点を検索した後に、その地点がある道路沿いに密集していた場合には、その道路に沿って次の目的を満足する地点を検索するように、位置に関する検索条件を修正してもよい。これにより、同じ道路に面した複数の目的を満足する地点が検索される可能性が高くなり、ユーザにとっても効率的な地点に関する情報を提供できるようになる。
図20は、このように、検索された地点情報の道路を用いて検索条件を修正する変形例における地点情報検索装置の構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、カーナビ等の移動体端末に備えられ、ユーザから入力された複数の目的を遂行するのに適した地点に関する情報を提供する装置であり、位置情報取得部210a、地点情報記憶部220a、複数目的取得部230a、検索部240b及び情報提供部250aを備える。この地点情報検索装置は、実施の形態2における地点情報検索装置と基本的に同様の構成を備えるが、検索部240aに代えて検索部240bを備える点が実施の形態2と異なる。
検索部240bは、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する処理部、つまり、実施の形態1における検索部240に対応するものであり、本変形例では、地点情報検索部122、関連道路抽出部126a、道路決定部132a、再検索部133、位置条件生成部511及び位置条件修正部512を有する。以下、実施の形態2と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
関連道路抽出部126aは、位置条件生成部511で生成された地点情報の位置に関する条件と、複数目的入力部131で入力された一つの目的について地点情報蓄積部103B蓄積されている地点情報を地点情報検索部122で検索された地点情報の沿線となる道路を抽出する。各地点と道路との対応関係については、地点情報蓄積部103において、蓄積されているものとする。または、各地点の位置情報から、最も近い道路を算出し、その道路を各地点の沿線道路としてもよい。例えば、複数目的入力として「レストラン」と「ボーリング」が入力されていたとする。このとき、図21に示されるように、矢印の地点に車両が存在し、その周辺の地点情報を検索するように位置情報に関する検索条件が生成されたとする。さらに、図21に示されるように、複数の目的に対しては、現在位置に近い範囲では、「レストラン」の地点情報しか存在せず、「ボーリング」の地点情報が存在しなかったとする。このとき、図22(a)に示されるように、検索されたレストランAからEに対して、各レストランの存在する場所に近い道路の抽出を関連道路抽出部126aが抽出する。その結果、図22(a)に示されるように、各レストランに対して、道路IDが関連付けられた表が生成される。
道路決定部132aは、関連道路抽出部126aで抽出された道路から検索条件に用いる道路を決定する。例えば、図22(a)に示されるように、道路が抽出された場合には、それらの道路を、検索条件を拡張するときに利用する道路とする。これらの道路情報を用いて、位置条件生成部511Bで生成された検索条件を緩和する。
位置条件修正部512は、道路決定部132aで決定された道路情報を用いて、位置条件生成部511で生成された検索条件の修正を行う。例えば、図22(a)に示されるように、道路R201、R202、R210が選択されたときには、各道路において、複数目的入力部で入力されたが地点情報が検索できなかった条件に対して再び検索を行う。
再検索部133は、位置条件修正部512で修正された検索条件で再び地点情報の検索を行う。つまり、再検索部133は、複数目的入力部131で入力された複数の目的のうちの一つに対応する属性情報を含む地点情報を地点情報検索部122が複数検索した後に、検索された複数の地点情報に含まれる位置情報が示す複数の地点の近くを通る道路を特定し、特定した道路に沿った地点を示す位置情報を含み、かつ、複数の目的のうちの残る目的に対応する属性情報を含む地点情報を地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から検索する。
たとえば、図22(a)に示されるように、再検索部133は、選択された道路を用いて再び「ボーリング」の条件で検索を行う。その結果、図22(b)に示されるように、各道路沿いにおいて「ボーリング」ができる地点情報が検索される。各道路は、「レストラン」の検索の結果得られた道路情報であるため、各道路ごとに、図22(c)に示されるように、レストランとボーリング場の組合せを選択することが可能になる。このように、複数の目的の一部の目的を満足する地点情報が検索できなかった場合にも、道路情報を用いて地点情報を効率的に検索することが可能になる。
本変形例における地点情報検索装置の動作フローを図23に示す。なお、本フローにおいては、道路情報を用いた検索条件の修正のフローを中心に説明する。はじめに、複数目的入力部131が複数の目的を入力する(S58F0)。位置条件生成部511は、地点情報を検査するための位置に関する検索条件を決定する(S58F1)。例えば、現在位置から半径1KM以内の地点情報の検索条件を生成する。入力された複数目的に対して、位置条件生成部511Bで生成された検索条件の範囲で地点情報の検索を行う(S58F2)。複数の目的に対して満足する地点情報があった場合には(S58F3のNo)、S58F6へ進み、地点情報提示部125は、地点情報の組合せを提示する(S58F6)。複数の目的を満足する地点情報がなかった場合には(S58F3のYes)、S58F4へ進む。複数の目的の両方を満足する地点情報が存在しなかったときには、関連道路抽出部126aは、複数の目的のうちの1つを満足する地点情報の選択を行い、各地点情報に対して最寄りの道路を抽出する(S58F4)。その結果、本例においては、図22(a)に示されるように、各地点情報に対して道路が決定される。さらに、道路決定部132aは、道路情報を用いて検索条件の修正を行い、S58F2へ戻る(S58F5)。以上の動作の結果、同一の道路沿いにおいて複数の目的を行うための地点情報が検索されるため、複数の目的に対して車両等で移動しやすい地点情報の検索を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態では、複数入力された目的に含まれる1つの目的を満足する地点が存在しなかった場合に、位置条件に関する検索条件の修正を行ったが、1つの目的を満足する地点の数が所定の数よりも少ない場合には、検索条件を修正するようにしてもよい。例えば、表示装置において表示できる地点データの数より少ない数のデータしか検索されなかった場合には、地点条件に関する検索条件を修正するようにしてもよい。
また、本実施の形態では距離算出部124を設け、算出された複数目的地間の距離を算出し、よりユーザに適する地点を提供する実施例を示したが、本構成要素は必ずしも必要とは限らず、この距離算出部124を除いた構成、つまり、図24に示される構成としてもよい。ユーザは、複数の目的を果たすことを移動の目的としており、その間の移動距離は必ずしもユーザにとっては関心事項であるとは限らない。入力された複数の目的が果たせれば、その地点間の距離は問わない、あるいは、提示された地点の候補からユーザが能動的に選ぶこととしてもよいため、距離算出部124を除いた構成要素としてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
上記実施の形態2では、地点情報を用いて、入力された複数の目的を効率よく果たすことが可能な地点を検索し、情報を提供する手法について説明を行った。また、複数の目的が果たせる地点が必ずしも検索範囲に存在するとは限らないこと、及び、単に検索範囲を拡大したのでは膨大な地点情報の処理コスト等も問題となるため、例えば、一方の目的を基準に検索範囲を変更し、より効率よく複数の目的を果たすことが可能な地点の検索方法について説明した。
ところで、ユーザが自らこれら複数の目的をすべて入力するのではなく、一つの目的が入力された際に、複数の目的を推測してこれら複数の目的を同時に果たすことが可能な目的地が推薦されることも便利である。例えば、普段の移動の履歴を蓄積しておき、ユーザが一つの目的を入力した場合、過去その目的と同時に他の目的を行ったことがある目的を考慮して、移動先を推薦する等である。特に近年、さまざまな店舗が融合してできた複合施設の登場により、ユーザはある一箇所で複数の目的を果たすことが可能となっている。また、ユーザも、一度の駐車で複数の用事を済ませようとして、そのような施設に訪問している場合もある。例えば、ある地点へ訪れ、書籍、CD購入等、複数の目的を果たす場合もあり、さらに一度の駐車でこれら複数の目的を済ませようとする場合がある。あるいは、ボーリング等を行った後、レストランで食事するといった場合もある。これら複数の目的をその都度入力するのは煩雑であり、移動履歴を基に一方の目的から他方の目的を推測し、これら複数の目的を同時に果たすことが可能な目的地が推薦されるならば、ユーザのより容易な操作支援が可能となる。
従来、移動履歴から、その運転者の好みの移動先を予測し、その地点までの経路情報や、その地点での新たな情報を提供しようという技術が開示されている。
しかしながら、このような従来技術は、ユーザのこれら複数の目的を考慮したものはなく、好みの移動先はあくまで一つである。ユーザの目的は、一つであることは少なく、複数の目的を同時に処理できる場所を求めている場合もある。そこで、本実施の形態では、目的情報を用いて複数の目的が果たせる場所を提案する地点情報検索装置について説明する。例えば、ユーザの移動履歴をもとに、「書籍購入」という目的が入力された場合に、さらに目的「CD購入」等、ユーザの複数の目的を推定し、これら複数の目的が果たせる場所を提案する。
図25は、本実施の形態における地点情報検索装置の構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、入力された一方の目的から他方の目的を推測し、これら複数の目的を同時に果たすことが可能な目的地及びその目的地の情報を提供する装置であり、位置情報取得部210a、地点情報記憶部220a、複数目的取得部230b、検索部240d及び情報提供部250aを備える。この地点情報検索装置は、実施の形態1における地点情報検索装置と基本的に同様の構成を備えるが、複数目的取得部230に代えて複数目的取得部230bを備え、検索部240に代えて検索部240dを備える点が実施の形態1と異なる。
複数目的取得部230bは、ユーザが望む行為である目的について、複数の目的を特定する情報を取得する処理部、つまり、実施の形態1における複数目的取得部230に対応するものであり、本実施の形態では、位置情報蓄積部121、到達地点特定部102、移動先候補特定部1031、移動履歴蓄積部104、信頼値算出部106、信頼目的抽出部123及び複数目的入力部131を有する。
検索部240dは、地点情報記憶部220に記憶された地点情報から、地点情報に含まれる位置情報が示す地点と位置情報取得部210で取得された位置情報が示す位置とが予め定められた一定の関係にあり、かつ、複数目的取得部230で取得された複数の目的に対応する属性情報を含む地点情報を検索する処理部、つまり、実施の形態1における検索部240に対応するものであり、本実施の形態では、地点情報検索部122及び距離算出部124を有する。
以下、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明する。
位置情報検出部101は、移動体端末の現在位置を検出する処理部である。位置情報検出部101は、例えば移動体端末に備えられたGPSアンテナ等により構成され、ユーザの緯度経度情報を検出する。
位置情報蓄積部121は、検出された位置情報を蓄積するハードディスク等である。例えば、図26は、本地点情報検索装置を有するカーナビの移動を地図で示す図である。図26における黒い太線に示されるように、今ユーザが自宅を出発し、第1、第2、第3交差点を通過してきたとする。一方、白い丸印は、位置情報検出部101において検出される位置情報である。
図27は、位置情報の例を具体的に数値で示している。なお、GPSより得られる時刻、あるいはカレンダー時計等を設け、位置情報が検出された日付時刻情報を同時に検出することとしてもよい。ここでは「2004年12月10日8時10分」に「東経135度20分35秒、北緯34度44分35秒」位置した等が検出されている。
到達地点特定部102は、検出された位置情報より、ユーザの到達地点を判定する処理部である。例えば、カーナビにおいては、エンジンをストップさせた地点を到達地点として判定することが可能である。図28に示されるように、第3交差点を右折してきたユーザが「駐車場A」近辺でエンジンをストップさせたとする。この場合、例えばカーナビに蓄積された地図のランドマーク情報等を用いることで、駐車場Aを到達地点として判定することができる。なお、例えば、携帯電話を用いて歩行者が利用する場合、所定の滞在時間をもとに到達地点と判定することも可能である。
従来の情報提供装置は、これら到達地点を蓄積しておき、蓄積された到達地点の履歴を用いて、ユーザの好みの目的地等を判断して情報提供を行っている。例えば、到着した場所があるレストランであり、このレストランに頻度よく訪れる場合、そのレストランを好みのレストランと判定し、そのレストランの情報の提供を行うことができる。
このような従来の情報提供装置では、好み等を判断する際の地点はあくまで一つであり、複数の目的を反映させるものではない。例えば、図28に示されるように、駐車場Aに到達したことがある場合、駐車場Aという地点に対する到達の頻度を考慮することは可能であるが、その地点におけるユーザの本来の目的である移動先までは推定することができない。例えば、あるユーザは駐車場Aへ到達した後、電化製品を購入するため電気ショップBへ移動するかもしれない。あるいは、映画鑑賞のために映画館Dへ訪れるのかもしれない。さらには、映画館Dで映画を鑑賞した後、レストランCで食事と複数の目的を果たすために駐車場Aへ訪れたのかもしれない。したがって、ユーザに情報を提供しようとしても、目的が特定できないため、正確な情報提供を行うことができない。例えば、前者の場合、提供する情報は電気屋Bでのセールス情報であったり、後者の場合は映画の上映時刻情報等であるのが好ましいと考えられる。さらには、近年、複合施設の登場により、このようにある一つの到着地点に対して複数の隣接した店舗が存在し、ユーザはこれら複数の店舗で複数の目的を果たすために訪れることも考えられる。また、カーナビの場合、運転タスクを妨げることは好ましくないため、これら移動先候補のすべての情報を提供するのではなく、ユーザの移動先や目的に応じた情報を提供する必要がある。
そこで、本実施の形態では、上記実施の形態2で示した地点に対応して付与された目的情報を用い、移動履歴と、さらにその地点での目的を蓄積し、ユーザの好みの目的を判定し、目的に応じた移動先を推薦する手法を採用している。そのために、本実施の形態においては、到達地点と、さらに到達地点からの移動先や移動先での目的を特定するため、前述の「地点情報」を用いている。
移動先候補特定部1031は、地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報を用いて、到達地点からの移動先の候補を特定する処理部である。
移動履歴蓄積部104は、到達地点と、さらに到達地点からの移動先候補での目的を含む移動履歴を蓄積する処理部であり、内部にハードディスク等を有する。例えば、図26に示されるように、自宅を出発し、第1交差点、第2交差点、第3交差点を経由してきたユーザは、図28に示されるように、「駐車場A」へ到達したとする。移動履歴蓄積部104は、到達した地点からの移動先、つまり「駐車場A」における移動先候補を、地点情報の移動先候補情報をもとに蓄積する。例えば、図6(a)及び(b)に示されるように、「駐車場A」の地点情報には、移動先候補情報として「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」があり、これら移動先(本実施の形態では移動先での目的とする)を蓄積する。
図29は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の履歴の例を示す図である。例えば、移動先候補履歴ID「001」には、到達地点「駐車場A」からの移動先「電気ショップA」の「電化製品購入」、「レストランC」の「食事」、「映画館D」の「映画鑑賞」が蓄積されている。
信頼値算出部106は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の信頼値を算出する処理部であり、つまり、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴を参照することで、予測された到達地点に対応する目的を特定し、特定した目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。より、詳しくは、信頼値算出部106は、予測された複数の到達地点に対応する複数の移動履歴を信頼値算出部106から特定し、特定した複数の移動履歴に含まれる同一目的に対応する信頼値を加算することで、目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。
以下、具体例を用いて信頼値算出部106の機能を説明する。図30(a)は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の履歴を示している。例えば、移動先候補履歴ID「001」には、到達地点「駐車場A」からの移動先や、移動先での目的として「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」が蓄積されている。また、移動先候補履歴ID「002」には、到達地点「西丸百貨店」からの移動先での目的「食料品購入」、「食事」、「書籍購入」が蓄積されている。さらに、本実施の形態では、各到達地点での各移動先候補に対し、信頼値が与えられている。
信頼値とは、各到達地点からの各移動先に付与され、その位置(到達地点)からその目的の行動(移動先への移動)がとられる確率を示している。この信頼値を用いて今回の移動先が判定される。ひとつの到達地点であっても、そこからの本来の移動先は複数存在する場合があり、ユーザによって意図する目的は異なる。例えば、「駐車場A」へ到達したという履歴が存在する場合、「駐車場A」という地点まで行ったことは確かであるが、一方、そこからの移動先は、「電化製品購入」が行える「電気ショップB」、「食事」の「レストランC」、「映画鑑賞」の「映画館D」と複数移動先候補あり、ユーザが何を目的として「駐車場A」へ行ったのかは分からない。例えば、あるユーザはいつも「電化製品購入」を目的としており、「映画鑑賞」は全く目的としていない場合もある。一方、別のユーザはその逆で、いつも「映画鑑賞」を目的に「駐車場A」という地点へ行っていることもある。そこで、まず各到達地点の履歴ごとに信頼値(例えば1とする)を与え、さらにそこからの移動先ごとに、値を等しく分配する。例えば移動先候補履歴ID「001」の場合、到達地点は「駐車場A」であり、そこでの移動先候補「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」の3つに等しく「1/3」が分配される。また、移動先候補履歴ID「003」の場合、到達地点は「華町アミューズメント」であり、そこでの移動先候補「カラオケ」、「ボーリング」の2つに、等しく「1/2」が分配される。つまり、ある到達地点へ行ったとしても、その地点からの移動先が複数存在する場合は移動先が絞りきれないため、この値は低くなり、一方、移動先が限られている場合、この値は自動的に高いこととなる。
本実施の形態における移動先の判定は、この信頼値を用いて判定する。例えば、信頼値算出部106は、移動先候補履歴にある各移動先候補の信頼値の総和を算出し、信頼目的抽出部123及び地点情報検索部122は、信頼値の高い目的の中から、ユーザが訪問する目的を判定する。つまり、ある到達地点Aに目的α が存在したとする。一方、他の到達点Bにおいても目的αが存在したとする。この場合、到達地点は異なるが、これらが複数存在するということは、おそらくユーザはこの目的αを行うためにこれらの地点へ到達しているのであろうと解することができ、これを信頼値の総和で反映させたものである。
例えば、図30(a)に示される移動先候補履歴の場合、信頼値算出部106は、移動先候補履歴ID「001」、到達地点「駐車場A」における移動先のひとつ「食事」の信頼値「1/3」、目的履歴ID「002」、到達地点「西丸百貨店」における移動先「食事」の信頼値「1/3」より、図30(b)に示されるように、目的「食事」は「2/3(=1/3+1/3)」と算出する。同様に、信頼値算出部106は、図30(a)の履歴例では、図30(b)に示されるように、「書籍購入」として「4/3」、「CD購入」として「1」、ボーリング及びカラオケとして「1/2」、電化製品購入及び食料品購入として「1/3」と、信頼値を算出する。
信頼目的抽出部123は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴と位置情報検出部101によって取得された位置情報に基づいて、ユーザの予測される行為である信頼目的を特定する処理部であり、ここでは、信頼値算出部106で算出された目的のうち、信頼値の高い目的を抽出する。
移動履歴蓄積部104に蓄積されたユーザが行った目的の中で、信頼値の高い目的は、ユーザがよく行う目的としてとらえることができる。信頼目的抽出部123は、信頼値算出部106で算出された各目的の信頼値より、値の高いものを信頼目的として算出する。ここでは、信頼値が「4/3」、「1」と比較的高い「書籍購入」と「CD購入」が抽出される。このように、履歴に蓄積された目的履歴から算出された信頼値の高い目的は、ユーザが所定の地点で行っていると考えられる目的であり、また複数存在する場合がある。また、ユーザはこれら複数の目的を異なる場所で行うのではなく、一度の駐車で済ませたいと考えることもある。そこで、本実施の形態では、これら複数の目的を果たせる場所を検索している。
地点情報検索部122は、地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報から、前述に示される信頼値の高い目的に該当する地点情報を検索する処理部である。例えば、前述の複数目的入力部131で入力された一つの目的と、さらに信頼値の高い目的を併せた複数の目的とし、これら複数目的を果たすことが可能な地点を検索する。なお、複数目的入力部131は、ユーザからの入力された目的と、信頼目的抽出部123で抽出されら信頼目的とを併せた複数の目的を地点情報検索部122に伝えてもよい。
また、検索の範囲は、例えば、図31に示されるように現在位置を中心とした半径500メートル等、ユーザの現在位置、あるいは進行方向等を考慮した検索対象としてもよい。例えば、いま、複数目的入力部131において、まず、目的「CD購入」が入力されたとする。一方、信頼目的抽出部123において、信頼値の高い目的「書籍購入」が算出されており、この信頼値の高い目的「書籍購入」は普段、ユーザが「CD購入」に伴って果たそうとする目的であると考えられ、これら「CD購入」と「書籍購入」とを同時に行える地点の検索を行うこととする。図31に示された例では、現在位置を中心とした半径500メートル内に駐車場J、駐車場K、駐車場Lが存在し、これらの地点情報が該当することとなる。地点情報には、上記実施の形態2に示されるように、その地点と地点周辺の店舗等をもとにその地点で行える目的に関する情報(目的情報)が示されていることとする。
図32は、取得された目的情報の例を示している。地点情報「001」は、駐車場Jにおける目的である「書籍購入」、「CD購入」、「食事」が行える旨を示している。同様に、地点情報「002」は、駐車場Kにおける目的である「書籍購入」、「CD購入」を示し、地点情報「003」は、駐車場Lにおける目的である「CD購入」、「テニス」、「水泳」を示している。地点情報検索部122は、検索された地点情報の中から、信頼値の高い目的に該当する地点情報を抽出する。
この場合、「書籍購入」と「CD購入」が同時に行える地点情報を抽出される。その結果、図33に示されるように、「書籍購入」と「CD購入」が同時に行える地点として、地点情報「001」の駐車場Jと、地点情報「002」の駐車場Kの二つが抽出される。本実施の形態では、後述するように、続いて、該当する地点のうち、例えば各目的が果たせる地点の地点間の距離等を考慮して、最もユーザに適する地点の情報が選択され、提供される。
近年、様々な店舗が融合した複合施設の登場により、さまざまな目的を一度に果たせるような場所が多く存在する。例えば、レストランや映画館、さらにショッピング等が行えるようにあらゆる施設が融合した場所が多く存在する。一方、ユーザもある目的地へ移動する際に、そこで果たそうと思う目的は一つとは限らず、複数の目的を一度に済ませることが可能な場所を求めて移動することが多々ある。しかし、地点によってはユーザの複数の目的を果たせる店舗等が必ずしも隣接しているとは限らない。例えば同じ「書籍購入」や「CD購入」の複数の目的が果たせる駐車場であっても、店舗が離れている等のため、ユーザは徒歩で長い距離を移動する必要が生じることもある。そこで、各目的を果たすことができる地点間の距離等を考慮し、もっともユーザに適する地点の情報を提供している。
図34(a)及び(b)は、駐車場Jと駐車場Kの地点情報の例を示している。実施の形態2と同様、地点に関する情報と、その地点周辺の店舗等から得られる目的情報が付帯されて蓄積されている。ここでは、駐車場Jは北緯35度16分、東経135度21分に位置し、周辺店舗として「ブック1番」、「トップレコード」、「ラーメン虎吉」が存在している。また、これら店舗より、その地点で行える目的「書籍購入」、「CD購入」、「食事」が蓄積されている。さらに、本実施の形態では、周辺店舗に関する情報として、その地点(この場合駐車場J)から店舗までの距離が記されている。ここでは、「ブック1番」は、駐車場Jから200メートルの位置にある旨が記されている。同様に「トップレコード」までの距離は300メートルと示されている。このように、地点情報は所定の地点とそこでの目的に関する情報のみならず、その店舗までの距離等を蓄積するものでもよい。同様に、駐車場Kの地点情報においても、駐車場Kから「森書房」までの距離は50メートル、駐車場Kから「浜崎CD」までの距離は70メートル等、駐車場からの距離が蓄積されている。
距離算出部124は、これら地点情報に記された駐車場等からの距離を用いて複数の目的を果たす際にユーザが移動する必要がある距離を算出する。
図35は、駐車場Jと「ブック1番」、「トップレコード」の位置関係、および駐車場Kと「浜崎CD」、「森書房」の位置関係を地図で示している。地点情報にもあるように、駐車場Jと「ブック1番」は200メートル、「トップレコード」とは300メートルの距離に位置する。また、駐車場Kと「浜崎CD」は70メートル、「森書房」とは50メートルの距離に位置している。そこで、距離算出部124は、これらの距離を総和するなどしてユーザの移動する必要な距離を算出する。この場合、駐車場Jは500メートル(300+200)、駐車場Kは120メートル(70+50)ということになる。そこで、地点情報提示部125は、移動距離の少ない駐車場Kを複数の目的が果たせる最も適した場所と判断し、その駐車場Kの情報を提供する。
図36は、地点情報提示部125によるカーナビ等の画面表示例を示す図である。ユーザの現在位置と周辺の地図や現在時刻「9時20分」等が表示されている。また、駐車場Kに関する情報が画面右上に表示されている。駐車場Kとその近辺の地図、到着予想時刻、さらに地点情報等より取得した情報が示されている。ここでは、ユーザは「書籍購入」「CD購入」を目的としているため、「森書房」の商用情報として「新作今行きます入荷」等の情報や、「浜崎CD」の商用情報として「Az新曲ミラクルソウル」等の情報が示されている。
次に、以上のように構成された本実施の形態における地点情報検索装置の動作フローを、図37、図38のフローチャートを用いて説明する。
まず、位置情報蓄積部121は移動履歴(位置情報)を蓄積する。例えばエンジンスタート等によって位置情報検出部101で位置が検出されるため、出発地に関する位置情報を蓄積する(ステップS101)。そして、移動とともに所定の間隔で位置情報検出部101によって位置情報が検出される(ステップS102)。そこで、位置情報蓄積部121は、エンジンがストップされたか否かを判断し(ステップS103)、エンジンストップされずに移動が行われる場合(ステップS103のNo)、交差点を通過したか否かを判断する(ステップS104)。交差点を通過した場合(ステップS104のYes)、通過交差点を蓄積する(ステップS105)。一方、交差点を通過していない場合(ステップS104のNo)、位置の検出ループに戻る(ステップS102へ)。エンジンストップされた場合(ステップS103のYes)、到達地点特定部102は、到達地点と特定し、蓄積する(ステップS106)。各地点での目的が、地点情報の目的情報として、サーバ等、地点情報蓄積部103に蓄積されている(図6(a)及び(b)など)。そこで、移動先候補特定部1031は、到達地点の地点情報を参照し(ステップS107)、到達地点の目的を移動履歴蓄積部104に蓄積する(ステップS108)。
次に、信頼値算出部106は、蓄積された目的履歴より、目的の信頼値を算出する(ステップS303)。本実施の形態においては、信頼値の算出は、例えば各目的の信頼値の総和等により算出することとする。図30(b)に示されるように、「書籍購入」の信頼値「4/3」、「CD購入」の信頼値「1」等が算出される。
そして、信頼目的抽出部123は、信頼値が閾値以上の目的の有無を判定する(ステップS304)。存在する場合は(ステップS304のYes)ステップS305へ、存在しない場合は(ステップS304のNo)終了する。存在する場合(ステップS304のYes)、閾値以上の目的を信頼目的とする(ステップS305)。例えば、閾値を「1」とすると、「書籍購入」、「CD購入」の複数の目的が算出されることとなる。
次に、地点情報検索部122は、複数目的入力部131を介してユーザから入力された1つの目的、例えば、「書籍購入」とともに、上記信頼目的を検索する目的とし(ステップS401)、所定の範囲の地点情報を地点情報蓄積部103から取得する(ステップS402)。例えば、図31に示されるように現在位置を中心として半径500メートル以内の地点情報を取得する。そして、地点情報検索部122は、取得した地点情報のうち、検索する目的を有する地点情報の存在の有無を判定する(ステップS403)。存在する場合は(ステップS403のYes)、ステップS404へ、存在しない場合は終了する(ステップS403のNo)。さらに、地点情報検索部122は、該当する地点が複数存在するか否かを判定する(ステップS404)。存在する場合はステップS405へ、存在しない場合(ステップS404のNo)、つまりひとつの場合は、地点情報提示部125は、当該地点情報に関する情報を提示する(ステップS408)。
図32に示された例では、検索する目的「書籍購入」と「CD購入」に対し、両目的を有する地点情報は「駐車場J」と「駐車場K」の2箇所が該当することとなる(ステップS404のYes)。したがって、距離算出部124は、ステップS405以降の地点情報の距離に関する情報を参照し(ステップS405)、複数目的を果たすことができる地点の距離を算出する(ステップS406)。
図34(a)及び(b)、図35に示されるように、「駐車場J」から「ブック1番」までの距離は200メートル、「駐車場J」から「トップレコード」までの距離は300メートルと、これら複数の目的を果たすためには合計500メートル移動する必要があることになる。対して、「駐車場K」から「森書籍」までの距離は50メートル、「駐車場J」から「浜崎CD」までの距離は70メートルと、これら複数の目的を果たすためには合計120メートル移動する必要があることになる。したがって、地点情報提示部125は、「駐車場K」の方が複数の目的を果たすためにより効率的な場所であるとして(ステップS407)、「駐車場K」に関する情報を提示する(ステップS408)。図36は、「駐車場K」を目的地として情報を提示した画面表示例を示している。
このように、本実施の形態によれば、一つの移動系列(あるいは、一つの到着地点)に基づいて、続く行動の目的(移動先)が推定され、ユーザが指定した目的と併せた複数の目的を効率よく達成するのに最も相応しい地点の情報が提供された。これによって、ユーザは、複数の目的を入力する煩わしい操作から解放されるとともに、短時間に効率よく複数の目的を達成することが可能な便利な地点を知ることができる。
なお、本実施の形態では、複数の目的は、入力された目的と、信頼値の高い予測された目的とから構成され、これら複数の目的を同時に果たすことが可能な地点が検索されたが、本発明は、これに限ったものではない。
例えば、入力された一つの目的に対して、移動履歴に蓄積された目的の履歴を基に、過去その目的と同時に行われた目的のみを考慮して地点の検索を行うこととしてもよい。以下、具体例を用いて説明する。図39(a)は、移動履歴蓄積部104に蓄積された目的の履歴である。ここでは、ID「001」には、地点「駐車場A」に到達した履歴があり、そこでの目的「食事」と「映画鑑賞」が蓄積されている。また、これら目的の信頼値を算出すると、図39(b)に示されるように、目的地別信頼値211に示されるように、目的「書籍購入」と「CD購入」の信頼値が「4/3」ともっとも高くなっている。したがって、例えば、目的「映画鑑賞」が入力された場合、これら信頼値が高い目的をもう一つの目的とし、「映画鑑賞」と「CD購入」、「書籍購入」を同時に果たすことが可能な地点を検索してもよい。
ところで、これら信頼値の高い目的は、ユーザがよく行う目的ではあるが、必ずしも「映画鑑賞」と同時に行うことを欲しているとも限らない。例えば、本例に示されるユーザの場合、「CD購入」や「書籍購入」は同時に行うため、履歴に頻度よく存在し、また結果信頼値も高いものとなっているが、一方で「映画鑑賞」を行うときは、その後食事を行う行動傾向があり、履歴にも、目的「映画鑑賞」と「食事」が同時に行える場所の履歴が多く蓄積されている。そこで、単に信頼値の高い目的を他の目的とするのではなく、同時に行われた目的を考慮することとしてもよい。例えば、図39(a)における目的の履歴では、「映画鑑賞」が行われた目的のみに着目すると、履歴ID「001」、「002」、「006」が該当する。そして、これらの目的の信頼値を算出すると、図39(c)に示されるように、目的「食事」の信頼値が「5/3」と最も高くなる。つまり、目的「映画鑑賞」を行うときは同時に「食事」を行っていることを示している。そこで、ユーザによって目的「映画鑑賞」が入力された場合、履歴をもとに同時によく行われる「食事」を他方の目的とし、これら複数の目的を同時に果たすことが可能な地点の検索を行い、情報を提供することとしてもよい。
また、本実施の形態における地点間の距離は、例えば、メートル単位で表した直線距離を用いて算出しているが、本発明は、これに限ったものでなない。例えば歩行者用の経路探索を行うべく、歩行者専用の地図情報をさらに備え、この歩行者専用の地図情報を用いて地点間の距離を経路探索してコストを算出し、このコストを用いて地点を提供することとしてもよい。
つまり、ユーザは車両を駐車した後、これら複数の目的を果たすことが可能な店舗間を徒歩で移動するのが一般的である。そこで、単に直線距離を用いるのではなく、これら店舗間を徒歩で移動した場合のコストを、たとえば徒歩専用の地図情報等を用いて算出し、このコストを考慮して移動先を提供することで、実際にユーザが徒歩で移動した際の距離感を反映させた移動先を提供することができる。近年、移動体端末において歩行者専用のナビゲーションシステムが登場しており、この歩行者専用のナビゲーションはいわゆるカーナビにおける車両用経路探索とは異なり、歩行者用の地図を用いて経路探索を行うのが一般的である。これらは、例えば、歩行者用の歩道の有無や、横断歩道の幅等を考慮して経路コストを算出するため、単に直線距離ではなく、実際にユーザが徒歩で移動した場合の距離感をコストで算出することが可能となる。そこで本実施の形態において、単に複数目的の店舗間の距離のみならず、この店舗間を徒歩で移動した場合の経路コストを算出し、コストを考慮してよりユーザに適した移動先を提供することとしてもよい。さらに、天気等の情報を取得する手段をあらたに設け、雨天の場合は多少距離が遠くなっても地下歩道がある地点を推薦することとしてもよい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
上記実施の形態3では、地点とその地点で行われる目的を対応づけて蓄積した地点情報を用いて、ユーザの移動先での目的を蓄積しておき、ユーザの好みの目的を把握し、より適切な移動先を提供する手法について説明を行った。ユーザが移動する際に、その移動先での目的は一つとは限らず、複数の目的を果たそうと移動することがある。さらに、車で移動する場合、駐車は一度で済ませたい等、なるべく効率よく目的が果たせる場所を欲することも多い。このとき、地点情報を用いてユーザの目的を把握し、さらに距離等を考慮して効率よくその目的が果たせる場所を推薦することができると便利である。さらに、地点情報を用いてユーザの移動先での目的を蓄積しておき、ユーザの現在の移動経路より移動先を予測し、さらにその移動先で行おうとしている目的を推測するのが望まれる。
従来、カーナビゲーションシステム等の移動体端末において、蓄積されたユーザの移動履歴より到達地点を予測し、情報を提供する手法がある。
しかしながら、従来の移動先予測装置において、予測される到達地点とは、あくまで地点であり、その到達地点から、ユーザが本来、目的としている移動先までを予測するものではない。例えば、ユーザの履歴として蓄積された地点が駐車場であり、さらに駐車場の周辺にいくつかの店舗が存在する場合、その駐車場までは予測することができたとしても、どの店舗へ行こうとしたのか、つまり本来の移動先を予測するものでない。また、ユーザは、一度の駐車で複数の店舗へ訪れ、各々の店舗で目的の用事を済ませようとして、その地点、つまり駐車場へ到達している場合もある。この場合は、事前にユーザの目的に応じた情報を提供する場合、到達する駐車場のみを特定できても、移動先を考慮した正確な情報提供を行うことはできない。
そこで、本実施の形態は、ユーザの到達地点からの移動先あるいは移動先での目的等を有する地点情報を履歴として蓄積し、蓄積された履歴をもとに本来の移動先を特定し、特定された移動先に関する情報を提供することを可能とする。
図40は、本発明の実施の形態4における地点情報検索装置の全体構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、予測した移動先に応じた情報を提供する装置であり、カーナビゲーション等の情報提供装置である移動体端末100と地点情報記憶部220aとから構成される。移動体端末100は、さらに、位置情報取得部210a、複数目的取得部230c、検索部240d及び情報提供部250aを備える。この地点情報検索装置は、全体の機能構成として、実施の形態3における地点情報検索装置と基本的に同様の構成を備えるが、複数目的取得部230bに代えて複数目的取得部230cを備える点が実施の形態3と異なる。
複数目的取得部230bは、ユーザが望む行為である目的について、複数の目的を特定する情報を取得する処理部、つまり、実施の形態1における複数目的取得部230に対応するものであり、本実施の形態では、到達地点特定部102、移動先候補特定部1031、移動履歴蓄積部104、到達地点予測部105、信頼値算出部106、信頼目的抽出部123及び複数目的入力部131を有する。信頼値算出部106は、予測された到達地点からの移動先を算出する処理部であり、図41に示されるように、さらに、信頼移動先判定部1061、移動先信頼値再算出部1062、移動先検索部1063から構成されている。
以下、実施の形態1〜3と異なる点を中心に説明する。
位置情報検出部101は、移動体端末100の現在位置を検出する処理部である。位置情報検出部101は、例えば移動体端末に備えられたGPSアンテナ等により構成され、ユーザの緯度経度情報を検出する。上記実施の形態3と同様、ユーザの移動に伴って所定の間隔で位置情報が検出される(図26、図27、図28)。
従来の到達地予測装置は、これら到達地点を蓄積しておき、蓄積された到達地点の履歴を用いて、現在の走行時における到達地点を予測している。例えば、現在、走行している方向に、過去到達した地点がある場合、その地点を予測到達地点とすることができる。あるいは、出発地と通過経路、および到達地点の組で蓄積しておき、現在走行と蓄積された経路が一致した場合、その一致した経路上の到達地点を予測到達地点とする、というものである。
一方、これら従来の到達地予測装置において、予測するのはあくまで地点であり、その地点からの移動先を予測するものではなかった。例えば、図28に示されるように、駐車場Aに到達したことがある場合、駐車場Aという地点へ行くと予測することは可能であるが、その地点におけるユーザの本来の目的である移動先までは予測することができない。例えば、あるユーザは駐車場Aへ到達した後、電化製品を購入するため電気ショップBへ移動するかもしれない。あるいは、映画鑑賞のために映画館Dへ訪れるのかもしれない。したがって、ユーザに情報を提供しようとしても、移動先が特定できないため、正確な情報提供を行うことができない。例えば、前者の場合、提供する情報は電気屋Bでのセール情報であったり、後者の場合は映画の上映時刻情報等であるのが好ましいと考えられる。カーナビの場合、運転タスクを妨げることは好ましくないため、これら移動先候補すべての情報を提供するのではなく、ユーザの移動先や目的に応じた情報を提供する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、到達地点と、さらに到達地点からの移動先や移動先での目的を特定するため、前述の「地点情報」を用いている。例えば、図28において、「駐車場A」にユーザが到達したとする。ここで、履歴として「駐車場A」を蓄積しておくことで、以降、到達地点「駐車場A」までは予測することが従来の手法より可能となるが、「駐車場A」からの本来の移動先までは予測することはできない。しかし、「駐車場A」近辺には「家電ショップB」、「レストランC」、「映画館D」が存在することが地点情報より分かるため、少なくともこれら周辺の店舗を移動先候補として考慮することができることとなる。さらに、本実施の形態では、過去の到達地点の地点情報の履歴を蓄積しておき、履歴をもとに、今回の移動先を予測することとする。例えば、過去の到達地点での移動先候補、あるいは移動先候補の目的を示す情報を蓄積しておき、これら情報をもとに今回の移動先を予測することが可能となる。
図6(a)及び(b)に示されるように、「駐車場A」の地点情報は、属性情報として「目的情報」を有している。例えば、「家電ショップB」では家電製品を購入することができるため、「駐車場A」に来たユーザの移動先候補のひとつとして「電気ショップB」があり、さらに本実施の形態では移動先での目的「家電製品購入」があり、その情報が目的情報として登録されている。あるいは、他の移動先候補として「レストランC」があり、そこで食事をすることができるため、目的情報として「食事」が登録されている。さらに、移動先候補として「映画館D」があり、そこでの目的「映画鑑賞」が登録されている。このように、地点情報は、地点に関わる情報のひとつとして、例えば、カバーエリアにおける店舗をもとに、その地点からの移動先候補の店舗や、その店舗での行動の目的等を反映させた目的情報を有している。本実施の形態では、これら目的情報を移動履歴とともに蓄積しておき、これら目的情報の履歴より判定することとする。
移動履歴蓄積部104は、ユーザの到達地点と、さらに到達地点からの移動先候補での目的を含む移動履歴を蓄積する処理部であり、内部にハードディスク等を有する。例えば、到達地点特定部102で特定された到達地点をもとに、地点情報蓄積部103に蓄積された地点情報の目的情報を取得し、移動先候補特定部1031が移動先候補での目的として特定し、移動履歴蓄積部104に蓄積する。
また、本実施の形態では、さらに、移動履歴より到達地点を予測するため、移動履歴蓄積部104は、出発地、経由した経路、到達地の移動履歴を同時に蓄積する。まず移動履歴について説明する。
図26に示されるように、いま、自宅を出発し、第1交差点、第2交差点、第3交差点を経由してきたユーザは、図28に示されるように、「駐車場A」へ到達したとする。移動履歴蓄積部104は、これをユーザの移動履歴として蓄積する。
図42は、蓄積された移動履歴の例を示している。移動履歴ID「001」として、日時「2005年1月8日(土)10時00分」に「自宅」を出発し、第1交差点、第2交差点、第3交差点を経由して「駐車場A」へ到達した履歴が蓄積されている。
さらに、移動履歴蓄積部104は、到達した地点からの移動先、つまり「駐車場A」における移動先候補を、地点情報の移動先候補情報をもとに蓄積する。例えば、図6(a)及び(b)に示されるように、「駐車場A」の地点情報には、移動先候補情報として「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」が登録され、移動履歴蓄積部104は、これら移動先(本実施の形態では移動先での目的とする)を蓄積する。
図43は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の履歴例を示す図である。ここでは、移動先候補履歴ID「001」は到達地点「駐車場A」からの移動先「電気ショップA」の「電化製品購入」、「レストランC」の「食事」、「映画館D」の「映画鑑賞」が蓄積されている。
まず、本実施の形態では、移動履歴よりユーザの到達地点を予測する。到達地点予測部105は、位置情報検出部101で検出される現在位置と、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴より、ユーザの到達地点を予測する処理部である。
例えば、図44に示されるように、ユーザが今、自宅を出発して第1交差点を右折したとする。ここで、到達地点予測部105は、これよりユーザがどこへ向かおうとしているのかを予測する。なお、予測の起点は、例えば所定の数(例えば一つ目)の交差点を通過した場合に行うこととしてもよいし、出発してから所定の時間(例えば5分後等)としてもよい。
一方、図45(a)は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴の例を示している。移動履歴ID「001」には、「自宅」を出発し、「第1交差点」、「第2交差点」、「第3交差点」を通過して「駐車場A」へ到達した履歴が蓄積されている。また、移動履歴ID「002」も同様に、「自宅」を出発して「第1交差点」、「第2交差点」、「第3交差点」を経由して「駐車場A」へ到達した履歴である。このように、履歴に頻度良く存在する移動を、ユーザがよく行う行動パターンとして、図45(b)に示されるように、例えば、予測候補として抽出しておく。図45(b)には、予測候補ID「001」として出発地点「自宅」、経由地点「第1交差点」、「第2交差点」、「第3交差点」、到達地点「駐車場A」が抽出されている。
図44に示される移動例より、現在ユーザが「自宅」を出発し「交差点1」を通過したことが位置情報検出部101より検出されるので、到達地点予測部105は、予測候補とマッチングを行うことで到達地点を予測することが可能となる。この場合、予測候補ID「001」の出発地点「自宅」、経路「第1交差点」がマッチすることより、「駐車場A」へ到達することが予測できる。なお、移動履歴をもとに到達地点を予測する手法は従来、さまざまな手法が開示されており、ここでは問わないものとする。
さらに、本実施の形態では、到達地点「駐車場A」からの移動先を判定する。信頼値算出部106は、到達地点予測部105で予測された予測到達地点と、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の履歴より、到達地点からの移動先を判定する処理部である。
例えば、図44に示されるユーザの移動の場合、予測される到達地点は「駐車場A」となり、そこからの移動先候補は、地点情報(図6(a)及び(b))より「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」となっている。そこで、これら移動先候補の中から、移動先候補履歴をもとに判定することとなる。
図46(a)は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動先候補の履歴を示す図である。ここでは、移動先候補履歴ID「001」には、到達地点「駐車場A」からの移動先や移動先での目的として「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」が蓄積されている。また、移動先候補履歴ID「002」には、到達地点「西丸百貨店」からの移動先での目的「食料品購入」、「食事」が蓄積されている。さらに、各到達地点での各移動先候補に対し、前述に示される信頼値が与えられている。例えば、図46に示される移動先候補履歴の場合、移動先候補履歴ID「002」、到達地点「西丸百貨店」における移動先のひとつ「食料品購入」の信頼値「1/2」、目的履歴ID「004」、到達地点「ドンキースーパー」における移動先「食料品購入」の信頼値「1/2」、移動先候補履歴ID「005」の「スーパー華町」での目的「食料品購入」の信頼値「1/2」より、図46(b)に示されるように、目的「食料品購入」は「3/2(=1/2+1/2+1/2)」となる。同様に、「家具購入」は1、映画鑑賞、食事は「5/6」、ボーリング「1/2」、電化製品購入「1/3」となる。
例えば、ここで、ユーザが「西丸百貨店」へ到達すると予測されたとする。一方、「西丸百貨店」での目的候補は「食料品購入」、「食事」であるとする。このとき、前述の各目的の信頼値を参照し、値の高い目的をユーザの目的として判定する。例えば、図46(c)に示されるように、この場合、「食料品購入」の信頼値は「3/2」と、食事の信頼値「1/2」より高いため、ユーザの目的は「食料品購入」と判定する。これは、単に「西丸百貨店」へ到達しただけでは分からないユーザの目的を、過去ユーザが到達した他の地点での目的をもとに判定していることを意味する。つまり、過去ユーザが到達した地点「ドンキースーパー」や「スーパー華町」では、目的「食料品購入」が行われる可能性があり、これら目的「食料品購入」の信頼値が高いため、今回の「西丸百貨店」でも「食料品購入」が目的であろうと判定していることとなる。このように、他の地点での目的を考慮することで、ユーザの目的を判定することができる。さらに、本実施の形態において、目的の判定は、単に信頼値の高い目的を用いるのみならず、ひとつの地点に複数の目的が対応して蓄積されている特徴を考慮する。以下、「駐車場A」が到達地点として予測された例(図46(b))を用いて説明する。
図46(b)に示されるように、「駐車場A」の目的候補は「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」である。一方、目的履歴より、図46(c)に示されるように、各目的の信頼値の総和が算出されている。「電化製品購入」の信頼値は「1/3」、「食事」の信頼値は「5/6」、「映画鑑賞」の信頼値は「5/6」となっている。つまり、単に信頼値の総和では、目的「食事」と「映画鑑賞」の信頼値は等しくなり、この場合判定することができないこととなってしまう。また、単に信頼値の総和のみでは、履歴に頻度よく存在する目的が結果的に判定され、ユーザの特性を必ずしも反映することができない。そこで、ひとつの地点に複数の目的が対応して蓄積されている特徴を考慮する。ひとつの地点に複数の目的が対応して蓄積されている特徴とは、例えば、ある到達地点における目的が複数存在しても、ユーザの求める目的は必ずしもすべてではない、ということである。具体的には、例えば、目的履歴ID「002」の「西丸百貨店」における目的は「食料品購入」と「食事」となっており、これらに等しい信頼値「1/2」が与えられているが、実際にユーザの目的は、場合によってこれらどちらかと判定することが可能である、ということである。例えば「食料品購入」が、他の到達地点での目的等を考慮することで高い信頼値が得られる場合、「西武百貨店」での目的も「食料品購入」と考えられ、同時に履歴としては等しい値で存在していた、もう一方の目的「食事」ではないとして信頼値を減少させることができる。これに伴い、前述の単に信頼値の総和では等しい値であった、目的「食事」と「映画鑑賞」に差が生じ、「映画鑑賞」と判定することが可能となる。具体的な数値を用いて図47(a)〜(c)に例を示す。
図47(b)には、各目的履歴より、目的の有効値の総和が示されている。信頼移動先判定部1061は、例えば閾値を設け(例えば、信頼値1以上とする)、信頼値の高い目的を信頼目的として判定する。図47(c)に示されるように、信頼値が閾値以上である「食料品購入」、「家具購入」が信頼目的として判定される。信頼目的とは、信頼値が高いため、少なくともこの目的は高い確率で信頼できるという目的である。地点における目的の候補は複数あり、その中から目的を判定することは容易ではないが、一方で、ユーザの意図する目的は、地点によらず、比較的いろいろな場所でも行われるのが一般的である。例えば、主婦がマイカーを用いて総合ショップ、八百屋等、百貨店等、多くの場所へ訪れた場合、これら到達地点に共通して対応づけされている「食料品購入」等は、比較的高い確率で信頼できるのが一般的である。そこで、これら信頼できる目的を判定すべく、信頼値の総和を算出し、高いものを信頼目的とすることとする。
次に、移動先信頼値再算出部1062において、信頼目的として判定された目的を用いて、再度、信頼値の算出を行う。例えば、図47(c)に示されるように、「食料品購入」、「家具購入」が信頼目的として判定される。つまり、これら信頼目的が存在する到達地点において、他の目的が行われた可能性は低いとし、これらの信頼値を減少させることができる。例えば、目的履歴ID「002」の「食事」の信頼値を「1/2」から「0」にし、その値を「食料品購入」に加算している。「食料品購入」の信頼値は「1/2」から「1」へと増加している。
そして、あらためて各目的の信頼値を算出する。すると、図47(d)に示されるように、「食料品購入」の信頼値は「2」、「家具購入」の信頼値は「1」、「映画鑑賞」の信頼値は「5/6」、食事の信頼値は「1/3」等、各目的の信頼値に差が生じる。これは、信頼できる目的を考慮し、さらに各地点における目的は複数存在するが、本来の目的はすべてではなく、例えばひとつであると考えられる特性を考慮した結果である。
ここで、移動先検索部1063において、予測された到達地点「駐車場A」の目的候補を参照し、最も信頼値が高い「映画鑑賞」が検索され、目的と判定されることとなる。
図48は、到達地点予測部105で予測された到達地点と、さらに信頼値算出部106で判定された目的をもとに、検索部240dが検索した情報を情報提供部250aがユーザに提供している例を示している。ここでは、ユーザが「第1交差点」を通過後、「駐車場A」へ「映画鑑賞」を目的として移動しているため、「到着時刻11:20」と、さらにこの時刻を考慮した、上映時間の検索等、ユーザにとって事前に把握しておきたい情報を提供することが可能となっている。
次に、以上のように構成された本実施の形態における地点情報検索装置の動作を、フローチャート(図49、図50、図51)を用いて説明する。本実施の形態の動作フローは、大きくわけて履歴等の蓄積ステップと、蓄積された履歴等より到達地、そして到達地点での目的を予測するステップに分けられる。まず、履歴等の蓄積ステップについて説明する。
まず、移動履歴蓄積部104は、移動履歴を蓄積する。本実施の形態において移動履歴は、到達地点を予測するために、出発地、通過した交差点、到達地点の組で移動履歴蓄積部104に蓄積される。例えば、エンジンスタート等によって位置情報検出部101で位置が検出されるため、移動履歴蓄積部104は、出発地を蓄積する(ステップS101)。そして、移動とともに所定の間隔で位置情報が検出される(ステップS102)。そこで、エンジンストップされたか否かを判断し(ステップS103)、エンジンストップされずに移動が行われる場合(ステップS103のNo)、交差点を通過したか否かを判断する(ステップS104)。交差点を通過した場合(ステップS104のYes)、移動履歴蓄積部104は、通過交差点の情報を蓄積する(ステップS105)。一方、交差点を通過していない場合(ステップS104のNo)、位置の検出ループに戻る(ステップS102へ)。エンジンストップされた場合(ステップS103のYes)、到達地点特定部102において到達地点と特定し、移動履歴蓄積部104に蓄積する(ステップS106)。
例えば、ユーザが図26に示される移動を行った場合、「自宅」が出発地点として移動履歴蓄積部104に蓄積され(ステップS101)、通過した「第1交差点」、「第2交差点」、「第3交差点」が移動履歴蓄積部104に蓄積される(ステップS102からS105のループ)。そして、図8に示される「駐車場A」でエンジンストップした場合(ステップS103のYes)、「駐車場A」が到達地点として移動履歴蓄積部104に蓄積される。図13は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴の例を示し、ここでは、「自宅」を出発し、「第1交差点」、「第2交差点」、「第3交差点」を通過し、「駐車場A」へ到達した履歴が蓄積されている。
一方、各地点での目的が、地点情報の目的情報として、サーバ等、地点情報蓄積部103に蓄積されている(図6(a)及び(b)など)。そこで、到達地点の地点情報を参照し(ステップS107)、移動先候補特定部1031は、到達地点の目的を移動履歴蓄積部104に蓄積する(ステップS108)。
例えば、図6(a)及び(b)は「駐車場A」の地点情報を示ししており、ここでは、目的情報として「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」が記されている。これを参照することで(ステップS107)、例えば、図43に示されるように、移動履歴蓄積部104に蓄積された目的、例えば、目的履歴ID「001」には、「駐車場A」での目的「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」が蓄積される。
次に、これら蓄積された移動履歴をもとに到達地点を予測する動作フローについて説明する。まず、到達地点予測部105は、エンジンスタートによって検出される位置情報をもとに、例えば出発地を検出する(ステップS201)。移動に伴って位置情報検出部101によって位置情報が検出される(ステップS202)。到達地点予測部105は、交差点を通過したか否かを判断し(ステップS203)、していない場合は(ステップS203のNo)、これら検出のループを繰り返す。一方、交差点を通過した場合(ステップS204のYes)、到達地点予測部105は、移動履歴蓄積部104に蓄積された移動履歴を参照する(ステップS204)。そして、到達地点予測部105は、現在までの走行とマッチする履歴が存在するか否かを判断し(ステップS205)、該当する履歴が存在する場合(ステップS205のYes)、該当する履歴の到達地点を予測到達地点とする(ステップS206)。
例えば、図44に示されるように、ユーザが「自宅」を出発し(ステップS201)、第1交差点を通過したとする(ステップS204)。図45(a)に示される移動履歴には「自宅」を出発し「第1交差点」等を通過し、「駐車場A」へ到達した履歴が存在するので(ステップS205のYes)、到達地点予測部105は、「駐車場A」を予測到達地点とする(ステップS206)。
次に、信頼値算出部106は、予測された到達地点での目的を判定する。まず予測された到達地点での目的を参照する(ステップS301)。そして目的履歴を参照し(ステップS302)、目的の信頼値を算出する(ステップS303)。例えば、予測された到達地点は「駐車場A」であり、目的は「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」とあり(図6(a)及び(b)の地点情報より)、この中から判定することとなる。判定には、移動履歴蓄積部104に蓄積された目的の履歴より判定する。図46(a)は、目的の履歴を示している。信頼値算出部106は、まず、各目的の信頼値を算出する。例えば、各到達地点ごとに等しく分配された信頼値の総和を算出することで、各目的の信頼値とする。この場合、図46(c)に示されるように、「食料品購入」の信頼値は「3/2」、「家具購入」の信頼値は「1」、「映画鑑賞」の信頼値は「5/6」と算出される。
次に、信頼値算出部106は、信頼値が閾値以上(例えば1とする)である信頼目的があるか否かを判断し(ステップS304)、閾値以上の目的を信頼目的とする(ステップS305)。この場合、「食料品購入」と、「家具購入」が信頼目的と判定される。
続いて、信頼値算出部106は、これら信頼目的が各目的履歴に存在するか否かを検索する。例えば、目的履歴ID「001」をスタートにセットし(ステップS306)、各目的履歴の目的候補の中に信頼目的が存在するか否かを判断する(ステップS307)。図47(a)において、目的履歴ID「001」にはこれら信頼目的が存在しないため(ステップS307のNo)、次の目的履歴が存在するか否かを判断し(ステップS309)、目的履歴ID「002」が存在するので(ステップS309のYes)、目的履歴ID「002」をセットする(ステップS310)。そして目的履歴ID「002」にこれら信頼目的が存在するか否かを判断し(ステップS307)、存在するので(ステップS308)、信頼目的以外の目的候補を減少させる。例えば、目的履歴ID「002」には信頼目的「食料品購入」があるので、これ以外、つまり「食事」の信頼値を減少させる。「食料品購入」の信頼値は「1」、「食事」の信頼値は「0」となる。同様のループを繰り返す。
これらのループ処理を行い、目的履歴が存在しなくなったら(ステップS309のNo)、つまりすべての目的履歴に対してこれらの処理を行った後、移動先信頼値再算出部1062は、各目的の信頼値を再計算する(ステップS311)。再計算された結果は目的別の信頼値(図47(d))に示される通りである。
移動先検索部1063は、予測到達地点「駐車場A」の目的に該当する目的があるか否かを判断し(ステップS312)、存在する場合(ステップS312のYes)、当該目的を到達地点での目的と判定する(ステップS313)。この場合、「食事」の信頼値「1/3」、および「電化製品購入」の信頼値「1/3」に対して、「映画鑑賞」の信頼値が「5/6」と最も高いため、「映画鑑賞」を目的と判定する。最後に、実施の形態3と同様にして、検索部240dは、その移動先検索部1063によって判定された目的に関する情報を検索し、情報提供部250aは、検索された情報をユーザに提供する。
図48は、到達地点予測部105で予測された到達地点と、さらに信頼値算出部106で判定された目的をもとに、検索部240dが検索した情報を情報提供部250aがユーザに提供している例を示している。
ユーザが「第1交差点」を通過後、「駐車場A」へ「映画鑑賞」を目的として移動しているため、「到着時刻11:20」と、さらにこの時刻を考慮した、上映時間の検索等、ユーザにとって事前に把握しておきたい情報を提供することが可能となっている。
このように、本実施の形態によれば、ユーザは入力操作をすることなく、地点情報及び移動履歴に基づいて、駐車場等の車の到達地点が予測され、その到達地点に基づいて、さらに、映画鑑賞等の本来の目的が予測され、その目的に沿った情報がユーザに提供される。よって、車での移動先と、車から降りてからの本来の移動先とを区別した態様で、ユーザは、目的地に到達する前に、有益な情報を入手することができる。
なお、本実施の形態において、信頼値は、各到達地点における目的候補ごとに均等に分配したが、あらかじめ、目的によって信頼値に傾斜(重み付け)をつけることとしてもよい。例えば、多くのユーザが、ある目的をもってその地点へ行くような場合、その地点における当該目的に対して、あらかじめ高い信頼値を設定しておくことで、本手法における目的判定でも反映されることとなる。例えば、ある「駐車場D」に対し、目的「書籍購入」、「電化製品購入」、「花見」等、目的の候補が複数あったとする。一方、多くの他のユーザが目的「花見」を目的として到達していたとする。この場合、「花見」の信頼値をあらかじめ高く設定することで、他の多くの他人の目的を利用することが可能となる。さらに、本手法に時期や曜日や時刻等を考慮することとしてもよい。例えば、普段は「駐車場D」へ「書籍購入」を目的としているユーザであっても、4月等、所定の時期に多くの他のユーザが「花見」を目的として到達することにより、これら他のユーザの目的が反映されることとなる。あるいは、ユーザ自身の操作等を利用し、信頼値に傾斜をつけることも可能である。例えば、「映画鑑賞」が目的なのか、「ボーリング」が目的なのか分からない場合、両方の情報を提供し、ユーザが選択した方に高い信頼値を付与することとしてもよい。
また、本実施の形態では、ユーザの到達地点での目的を判定するために、過去にユーザが到達した各地点における目的に信頼値を与え、この信頼値をもとに目的を判定していた。例えば、信頼値の総和を求め、値の高いものを目的としていた。これによって、過去に多くの他の地点でも行われたであろう目的は、今回の予測到達地点での目的でもある可能性が高いであろう、というユーザの行動特性を反映させることが可能となる。しかしながら、本発明は、ユーザの目的を判定するための要件としては、これに限ったものではない。例えば、時間や曜日、あるいはエリアに応じて、ユーザの目的を判定することも可能である。そこで、ここでは、これらのパラメータを考慮した変形例について説明する。
図52は、本実施の形態の変形例1における地点情報検索装置の構成(信頼値算出部106aを中心とする構成)を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、基本的には実施の形態4の地点情報検索装置と同様の構成を備えるが、信頼値算出部106aが、実施の形態4の構成(図40、図41)に加え、目的判定条件蓄積部1064、目的判定条件設定部1065を有する。
目的判定条件蓄積部1064は、よりユーザの行動の特性を反映させて目的の判定を行うための条件が蓄積された記憶装置等である。
図53は、目的判定条件蓄積部1064に蓄積された条件の一例を示している。ここでは、「休日」か、「平日」か、といった曜日等を問う質問形式の条件が蓄積されている。また、条件は、例えば、ツリー構造として蓄積される。ここでは、ツリーの上位には、休日か平日かといった上位の概念で条件を蓄積しておき、各条件の下位には、下位の概念の条件を蓄積させておく。図53の例では、上位概念「休日」の下位に「土曜日」か「日曜日」か、という条件、さらに「土曜日」の下位には「午前」か、「午後」か、といった条件が蓄積されている。
本変形例では、この条件を目的判定条件設定部1065が設定し、信頼移動先判定部1061は、その条件と移動履歴蓄積部104に蓄積された目的の履歴とを用い、ユーザの予測到達地における目的を精度よく予測する。例えば、ユーザによっては曜日によって目的が異なる特性を持つ者もいる。平日は通勤のために移動し、休日は娯楽、さらに土曜日はスポーツ等、これらユーザの特性は個々に様々であり、ユーザに応じて条件を設定する必要が生じる。以下、具体例を用いて地点情報検索装置の動作を説明する。
図54(a)は、移動履歴蓄積部104に蓄積されたあるユーザの目的履歴を示している。ここでは、目的履歴ID「001」には、日時「2005年1月1日(土)」に「駐車場A」へ到達し、「駐車場A」での目的の候補は「電化製品購入」、「食事」、「映画鑑賞」であったことが示されている。一方、目的履歴ID「003」には、日時「2005年1月11日(月)」に「華町会社」へ到達し、「華町会社」での目的の候補は「会社」であったことが示されている。また、ユーザは通勤に利用しているため、この「華町会社」への移動履歴が頻度よく存在していることとする。
この場合、図54(c)に示されるような、単に信頼値の総和のみでは、精度よくユーザの行動特性を反映させることができない場合も生じる。例えば、今、図54(b)に示されるように、ユーザの移動によって到達地点「駐車場D」が予測されたとする。また「駐車場D」での目的候補は「映画鑑賞」と「食事」であったとする。この場合、目的「仕事」の信頼値が「4」と高くなり、例えば、最も高い信頼値の目的を目的とするとした場合、「仕事」に該当する目的候補が存在しないため、目的を正確に判定することができないこととなってしまう。さらに、この場合、この目的「仕事」の信頼値は、普段、平日に通勤をしているため、たまたま高くなっている値でもあり、ユーザの目的の判定には適していない場合もある。
そこで、本変形例では、信頼移動先判定部1061は、目的判定条件蓄積部1064に蓄積された条件を利用する。例えば、今回の「駐車場D」への移動は「2005年1月20日(土)」であるため、条件「休日」を利用することとする。目的判定条件設定部1065によって設定された「休日」という条件を用い、信頼移動先判定部1061は、目的の履歴より休日の履歴のみを抽出する。図55(a)は、休日の目的履歴の例を示している(平日の移動は斜線で示し、考慮しないこととする)。このような休日の目的履歴より、信頼移動先判定部1061によって信頼値を算出すると、図55(c)に示されるように、最も高い信頼値は「5/6」の「映画鑑賞」と「食事」となる。つまり、一様に目的履歴の信頼値を算出するのみでは反映しきれなかったユーザの行動特性でも、条件を設定することでより正確に反映することが可能となっている。
一方、図55(b)に示されるように、予測到達地「駐車場D」の目的候補には「映画鑑賞」、「食事」がともに存在するため、目的判定条件設定部1065は、さらに条件を設定することとする。例えば、今回の移動が「2005年1月22日(土)」と土曜日に行われているので、条件「休日」の下位概念である「土曜日」を設定する。目的履歴のうち、「土曜」に該当するのは、目的履歴ID[001]と「007」より、移動先信頼値再算出部1062がこれらの目的の信頼値を再び算出すると、目的「映画鑑賞」が信頼値「5/6」、目的「食事」の信頼値は「1/3」となり、今回の移動の目的は「映画鑑賞」と判定することができる(図56(a)〜(c))。このように、条件にさらに下位概念の条件を付帯させて蓄積しておくことで、ユーザの行動特性を最も正確に反映できる条件を自動的に設定することが可能となる。
なお、どの条件を用い、また、どの階層が最もユーザの行動特性を反映しているかを判定する手法については、本発明は、これに限ったものではなく、ID3(Induction of Decision Trees;決定木アルゴリズム)等、従来、開示されている手法を用いてもよい。
また、ユーザの行動をより反映させるための条件は曜日や時間に限ったものではなく、行動の周期や、前回の目的等を考慮してもよい。例えば、曜日ではなく、1日おき等、周期で目的を判定することとしてもよい。また、前回の目的を考慮することとしてもよい。たとえば、前回、目的に「食事」があった場合、今回の予測到達地点の目的候補に「食事」があっても、再び食事であることはないとして、信頼値を下げ、他の目的から判定してもよい。
また、ユーザの行動の特性は、エリア等を考慮することによっても反映させることが可能である。以下、エリアを考慮することでユーザの行動特性を反映した目的の判定をする本実施の形態の変形例2における地点情報検索装置について、具体例を用いて説明する。
図57(a)は、本変形例2における移動履歴蓄積部104に蓄積されたあるユーザの目的履歴を示している。ここでは、目的履歴ID「001」には、日時「2005年1月1日(土)」に「駐車場A」へ到達し、「駐車場A」での目的の候補は「食料品購入」、「薬品購入」、「家具購入」であったことが示されている。また目的履歴ID「003」には、日時「2005年1月10日(月)」に「駐車場B」へ到達し、「駐車場B」での目的の候補は「食料品購入」、「書籍購入」であったことが示されている。
図58は、これら到達地点である「駐車場A」や「駐車場B」の位置関係を地図で示している。「駐車場A」や「駐車場B」はユーザの自宅近辺にあることが分かる。つまり、ユーザは、自宅近辺であるこの「駐車場A」、「駐車場B」で目的「食料品購入」等を行っていることとなる。
一方、図57(a)の目的履歴には、「駐車場D」、「駐車場E」に到達した履歴も蓄積されている。例えば、目的履歴ID「002」には、日時「2005年1月9日(日)」に「駐車場D」へ到達し、「駐車場D」での目的の候補は「映画鑑賞」、「食事」であったことが示されている。また、目的履歴ID「004」には、日時「2005年1月11日(火)」に「駐車場E」へ到達し、「駐車場E」での目的の候補は「ボーリング」、「カラオケ」であったことが示されている。
図58には、これら到達地点「駐車場D」や「駐車場E」の位置関係も示されている。「駐車場D」や「駐車場E」は、ユーザの自宅から離れた地点(例えば自宅の住所とは別の市や県とする)にあることが示されている。つまり、ユーザは、自宅から離れた地点であるこの「駐車場D」、「駐車場E」で目的「映画鑑賞」、「ボーリング」等を行っていることとなる。
さて、現在「2005年1月22日(土)13時00分」にユーザが移動を行い、上記実施の形態2で示した到達地点予測手法によって、図57(b)に示されるように、「駐車場G」が到達地点として予測されたとする。「駐車場D」での目的候補は、目的タグ等により、「映画鑑賞」、「食料品購入」であったとする。そこで、移動履歴蓄積部104に蓄積された目的履歴(図57(a))をもとに、信頼移動先判定部1061は、今回の移動の目的を判定する。
まず、信頼移動先判定部1061は、上記実施の形態4で示すように各目的の信頼値を算出する。例えば、目的履歴ID「001」、到達地点「駐車場A」における目的のひとつ「食料品購入」の信頼値「1/3」、目的履歴ID「003」、到達地点「駐車場B」における目的「食料品購入」の信頼値「1/2」、目的履歴ID「005」の「駐車場C」での目的「食料品購入」の信頼値「1/2」より、目的「食料品購入」は「4/3(=1/3+1/2+1/2)」となる。同様に、「映画鑑賞」、「食事」は「1」、「日用品購入」は「5/6」等、各目的の信頼値が算出される。一方、予測到達地点である「駐車場E」での目的候補は「映画鑑賞」、「食事」、「食料品購入」であり、これら各目的候補の信頼値を参照すると、「食料品購入」の「4/3」が最も高く、「食料品購入」が今回の目的と考えられる。
しかし、この場合、単に信頼値の総和のみでは、精度よくユーザの行動特性を反映しているとは限らない。例えば、図57(a)に示される目的履歴を持つユーザは、確かに「食料品購入」を目的とする履歴が多く存在するため、図57(c)に示されるように、信頼値が高くなり、ユーザの行動の目的のひとつとして考えられるが、一方で「食料品購入」は、自宅近辺の「駐車場A」、「駐車場B」、「駐車場C」で行われている行動である。これに対して、自宅から遠方へ移動した場合、例えば「駐車場D」、「駐車場E」等では、「映画鑑賞」や「ゲームセンター」「ボーリング」等、娯楽に関する目的が多いと考えられる。つまり、単に信頼値の総和では、これらエリアを考慮したユーザの行動特性を正確に反映しておらず、目的を正確に判定することが必ずしもできない。そこで、これらエリアを考慮した目的を反映すべく、目的判定条件設定部1065が、エリアに関する条件を設定することとする。
図59は、目的判定条件蓄積部1064に蓄積されたエリアに関する条件を示す図である。例えば、登録された自宅をもとに所定の閾値、例えば、自宅と同じ「エリア(県や市)内であるか」、「エリア外であるか」、というエリアに関する条件が蓄積されている。なお、上記変形例で示すように、上位概念である「エリア内」をさらに下位概念「1km以内か」等、ツリー構造で蓄積することとしてもよい。
次に、目的判定条件設定部1065は、これら条件を設定し、信頼移動先判定部1061は、これら条件に従って、各目的の信頼値を再度算出する。
図60(a)は、例えば、条件「エリア内」が設定された場合において算出される信頼値を示している。条件「エリア内」を満たす目的履歴は、目的履歴の到達地をもとに判定できる。説明のために、図58を用いる。図58において、自宅近辺に位置する「駐車場A」、「駐車場B」、「駐車場C」はエリア内ということになる。従って、信頼移動先判定部1061は、到達地点が「駐車場A」である目的履歴ID[001]、「駐車場B」である目的履歴ID[003]、「駐車場C」である目的履歴ID[005]を用いて、図60(c)に示されるように、各目的の信頼値を算出することとなる。目的履歴ID「001」、到達地点「駐車場A」における目的のひとつ「食料品購入」の信頼値「1/3」、目的履歴ID「003」、到達地点「駐車場B」における目的「食料品購入」の信頼値「1/2」、目的履歴ID「005」の「駐車場C」での目的「食料品購入」の信頼値「1/2」より、図60(c)に示されるように、目的「食料品購入」は「4/3(=1/3+1/2+1/2)」となる。同様に、「日用品購入」は「5/6」等、各目的の信頼値が算出される。
これに対して、図61(a)は、例えば、条件「エリア外」が設定された場合において算出される信頼値を示している。条件「エリア外」を満たす目的履歴は、図58において、自宅から離れた地点に位置する「駐車場D」、「駐車場E」、「駐車場F」ということになる。従って、信頼移動先判定部1061は、到達地点が「駐車場D」である目的履歴ID[002]、「駐車場E」である目的履歴ID[004]、「駐車場F」である目的履歴ID[006]を用いて、図61(c)に示されるように、各目的の信頼値を算出することとなる。目的履歴ID「002」、到達地点「駐車場B」における目的のひとつ「映画鑑賞」の信頼値「1/2」、目的履歴ID「004」、到達地点「駐車場D」における目的「映画鑑賞」の信頼値「1/2」より、図61(c)に示されるように、目的「映画鑑賞」は「1(=1/2+1/2)」となる。同様に、「食事」は「1/2」、「ゲームセンター」は「1/2」等、各目的の信頼値が算出される。
信頼移動先判定部1061は、現在の予測到達地点は「駐車場G」(図61(b))と「エリア外」に該当するため、条件「エリア外」を用いて再び算出された信頼値(図61(c))を用いて目的を判定する。予測到達地点「駐車場F」での目的候補に「映画鑑賞」が存在し、信頼値が最も高いため「映画鑑賞」と判定されることとなる。
このように、ユーザによってはエリアに応じて目的が異なり、このエリアを考慮することでユーザの行動を反映することができる。例えば、生活エリアでは、到達地点にかかわらず、食事や食料品購入、生活用品を購入を目的とし、一方、生活エリアを離れた地点では、そこでしか果たせない目的等を行うことが多々ある。したがって、単に蓄積された目的履歴のみならず、その到達地点を考慮することで、よりユーザの行動を反映することが可能となる。
また、上記実施の形態4において、目的情報は予め付与されたものとして説明してきたが、本発明は、これに限ったものではない。例えば、地点情報のうち、例えば、周辺店舗等の商用情報から自動的に作成し、付与するものであってもよい。また、付与された目的情報が必ずしも統一的な形式であるとも限らない。このような環境のもとでは、さらに目的情報を解析し、適切に目的を判定する必要がある。そこで、ここではこれら目的情報の自動付与、さらに自動付与された目的を解析し、目的を判定する手法について説明する。
図62は、本実施の形態の変形例3における地点情報検索装置の構成を示すブロック図である。この地点情報検索装置は、基本的には実施の形態4の地点情報検索装置と同様の構成を備えるが、複数目的取得部230cに代えて複数目的取得部230dを備える点で実施の形態4と異なる。複数目的取得部230dは、実施の形態4の複数目的取得部230cの構成(図40、図41)に加えて、目的オントロジー蓄積部108を有する。
まず、目的情報の自動付与について説明する。図63は、地点情報蓄積部103に蓄積された、ある地点「駐車場A」の地点情報である。地点情報には、上記実施の形態2で示したように、地点に関する位置情報や、周辺の商用情報等が蓄積されている。
一方、本変形例における地点情報には、上記実施の形態4と異なり、目的情報が付与されていない。目的情報とは、上記実施の形態2で示したとおり、その地点で行われるであろう、ユーザの目的を判定するために必要な情報である。そこで本変形例では、目的情報を、例えば、商用情報として蓄積されている情報をもとに自動的に付与することとする。
目的情報には、例えば、周辺の店舗に関する商用情報を蓄積されている。例えば、図63に示されるように、周辺には、店舗3として「映画館D」が存在し、「映画館D」の詳細な商用情報は「www.△△.com」でリンク付けされている。さらに「www.△△.com」でリンク付けされた商用情報には「本日の上映タイトル」等、詳細な商用情報が蓄積されている。そこで、これら商用情報より、例えば、形態素解析等を行い、目的情報となりうるキーワードを抽出する。
目的オントロジー蓄積部108は、地点情報の属性情報が示す目的に関する同意語を蓄積する記憶装置であり、具体的には、目的情報となりうる単語や、そして単語と単語の同意関係、上位概念等、言語の関係(オントロジー)を蓄積したハードディスク等である。本変形例では、移動履歴蓄積部104a及び信頼値算出部106bは、この目的オントロジー蓄積部108を参照し、目的情報となりうるキーワードを抽出する。
信頼値算出部106bは、目的オントロジー蓄積部108に蓄積された同意語を参照することで、移動履歴蓄積部104aに蓄積された移動履歴に含まれる目的の同一性を判断し、到達地点予測部105によって予測された到達地点に対応する目的を特定し、特定した目的ごとに、移動先候補としての信頼値を算出する。
目的オントロジーには、例えば、目的情報の候補となりうるキーワードである「目的単語」がある。例えば「映画鑑賞」が目的単語に該当する。しかし、必ずしも商用情報等に「映画鑑賞」として記されているとは限らないため、さらに目的単語と同じ意味(目的)を持つ「同意語」を有する。例えば「映画鑑賞」の同意語は「映画」、「ムービー」、「上映」であることを示している。さらに、目的オントロジーには同意語のみならず、これら目的単語の上位概念である「上位目的」を有する。例えば、目的単語「映画鑑賞」、「カラオケ」、「ボーリング」は、「アミューズメント」という「上位目的」を有する。本変形例では、移動履歴蓄積部104a及び信頼値算出部106bは、この目的オントロジーを用いて目的情報を自動抽出する。
図64に示されるように、商用情報を形態素解析し、例えば名詞を抽出すると、目的単語「映画鑑賞」の同意語「上映」という単語が含まれていることが分かる。そこで、「駐車場A」の目的候補のひとつとして「映画鑑賞」が蓄積されることとなる。
図65は、移動履歴蓄積部104aに蓄積された目的の履歴を示している。目的履歴ID[001]では、到達地点が「駐車場A」であり、目的の候補のひとつとして「映画鑑賞」が蓄積されていることが分かる。
次に、目的オントロジーを用いてユーザの目的を判定する手法について図66(a)〜(d)を用いて説明する。
いま、「2005年1月22日(土)」にユーザが移動し、上記実施の形態2で示した到達地点予測手法によって「駐車場D」が到達地点として予測されたとする。「駐車場D」での目的候補は、前述の目的オントロジーにより、「カラオケ」、「食品購入」、「パチンコ」と抽出されとする。そこで、移動履歴蓄積部104aに蓄積された目的履歴(図66(a))をもとに今回の移動の目的を判定することとする。
まず、上記実施の形態2で示すように、信頼値算出部106bが各目的の信頼値を算出すると、図66(c)に示されるように、目的「映画鑑賞」は「1/3」、「和食食事」は「1/3」、「ゲームセンター」は「1/2」、「ボーリング」は「1/2」、「テニス」は「1/2」、「卓球」は「1/2」となる。そして、今回の到達地点「駐車場D」での目的候補は存在しないため、このままでは目的を判定することができないこととなってしまう。そこで、目的オントロジーの、例えば、上位目的を利用することとする。目的オントロジーには、各目的の上位概念を示した上位目的が蓄積されており、これを参照し、信頼値算出部106bは、各上位目的の信頼値を算出する。例えば「映画鑑賞」、「ボーリング」は上位目的「アミューズメント」で一致しており、つまり、これら目的は、アミューズメントを目的として到達しているとも考えられる。そこで、信頼値算出部106bは、各目的の信頼値の総和を算出し、上位目的の信頼値を算出する。この場合、上位目的「アミューズメント」の信頼値は、図66(d)に示されるように、「映画鑑賞」の「1/3」と「ボーリング」の「1/2」より「5/6」となる。この値が高いということは、つまり、ユーザはよく「アミューズメント」を目的として移動していることを反映していることとなる。一方、図66(b)に示されるように今回の到達地点の目的候補のひとつに「カラオケ」があり、また目的「カラオケ」の上位目的は「アミューズメント」と一致しているため、今回の移動の目的も、「アミューズメント」であり、つまり、そのうちのひとつ「カラオケ」であると、ユーザの普段の行動を反映した目的判定を行うことが可能となる。
このように、本変形例によれば、目的オントロジーを参照することで、履歴では異なる目的であっても、上位概念として共通している場合には、共通する目的として解釈することで、ユーザの行動を反映した目的の判定が可能となり、その結果、ユーザにとって有益な目的情報が提供される。また、目的情報が必ずしも統一的な形式でない場合であっても、目的情報を解析し、適切に目的を判定することが可能となり、目的情報の自動付与、さらに、自動付与された目的の解析も可能となり、各種形態の目的情報に対応した地点情報検索装置が実現される。
(実施の形態5)
前記実施の形態において地点情報は、システム設計者、地図製作会社、駐車場経営者、周辺施設店舗の経営者等によって予め設計されるものとして説明を行ってきたが、この地点情報を自動的に作成することもできる。
目的情報については、例えばホームページや店舗の宣伝情報などの商用情報より、形態素解析等を行い、目的となるキーワードを抽出して目的情報を作成することを述べたが、さらに本実施の形態では、施設などの目的情報がカバーするエリアや地点情報を自動的に生成する手法について説明を行う。
図67は本実施の形態のシステム構成図である。前記実施の形態で示す構成要素には同じ符号を付与している。
地点情報取得部301は、例えば表示パネルを覆うタッチパネルを用いてユーザが指定した地点を受け付ける処理部である。
図68は地点情報取得部301において指定された地点の取得を説明する図である。表示画面に対し、ユーザがある地点を指定した例を示している。
位置条件生成部511は、地点情報取得部301で取得された地点を基準に地点情報を検索する位置条件を生成する処理部である。なお、前記実施の形態では位置情報取得部210においてユーザの現在位置をもとに位置条件を生成したが、本実施の形態に示すようにユーザが検索範囲を定めるための地点を指定することとしてもよい。すなわち、地点情報取得部301を別途設けるのではなく、位置情報取得部210の入力情報として地点情報を検索する基準となる地点を指定する構成でもよい。
図69は取得された地点を基準にした位置条件の生成を説明する図である。例えばタッチパネルで覆われた表示画面の横軸をX軸、縦軸をY軸、そして左下を原点(0、0)とし、指定されたドットを検出する。
例えば今(300、150)が指定されたとする。一方、画面に表示されている地図は北を上に表示するヘディングアップ表示とし、原点(0、0)が(東経135度30分、北緯35度10分)、画面右下(640、0)が(東経135度36分40秒、北緯35度10分)、画面右上(640、480)が(東経135度36分40秒、北緯35度14分80秒)とする。これより指定された地点として東経135度33分、北緯35度12分50秒)と算出される(1ドットを1秒とする)。
位置条件生成部511はこの指定された地点を基準に、例えば前記実施の形態同様半径500メートルを、地点情報を検索するための検索領域として生成する。
複数目的取得部230aは前記実施の形態同様、地点で行う目的を取得する処理部である。そして地点情報検索部122も前記実施の形態同様、生成された検索領域内から、取得された目的に該当する地点情報を検索する処理部である。
図70は地点情報の検索を説明する図である。ユーザは今梅田駅周辺で食事をとろうとしており、目的情報として「食事」が入力され、梅田駅近辺を指定し、指定された地点を中心として半径500メートル内に位置する該当施設として「天下ラーメン」と「やき鳥屋」が検索されている。
位置条件修正部512は位置条件を修正する処理部である。例えば前記実施の形態と同様、該当する施設が所定数に満たない場合や、あるいは所定数を越える場合等、位置条件修正部512において位置条件を修正する。そして地点情報再検索部133において再度地点情報を検索する。
前記実施の形態では、例えば図2の密度算出部132及び距離算出部124と、位置条件修正部512との協調動作によって、施設が密集する地点をもとに検索領域を修正したり、ユーザが走行している経路をもとに修正する手法について説明を行ったがこれに限ったものではなく、例えばユーザの現在位置と指定された地点との距離に応じて修正することとしてもよい。例えば図68において、指定された地点とユーザの現在位置は5000メートルとなっている。これに対し図71においては10000メートルとなっている。
本実施の形態では、この距離が例えば5000メートル以下の場合は半径500メートル、10000メートル以上の場合は半径1000メートル等といったように、位置条件修正部512が、この距離をもとに位置条件を修正する。本実施の形態の検索部240eは、図2の検索部240aから密度算出部132及び距離算出部124等を省略して構成される。
なお、この距離は直線距離でもよいし、あるいは経路探索を行った結果の距離などでもよい。また、現在の地図の縮尺に応じて変更することとしてもよい。例えば現在の縮尺が400メートル等比較的広域表示の場合、ユーザは広い範囲にわたって検索を求めている可能性が高く、一方100メートル等、比較的縮小表示の場合、指定した地点やその周辺など狭い範囲における検索を求めている可能性が高い。そこで現在の地図の縮尺を考慮して位置条件を生成することとしてもよい。
一般的にユーザはある地点に関する情報を検索する場合、その指定された地点はおおよその目安であって、周辺に該当する施設を検索する場合が多い。一方、その周辺の概念も、現在位置に応じて変わる場合が多い。
例えば指定された地点と現在位置が近い場合、指定された地点から大きく離れた周囲まで検索するのは遠回りになり好ましくないが、指定された地点と現在位置が遠い場合、つまり指定地点までまだ距離が多く残っているような場合、指定された地点はあくまで目安であり、指定された地点から多少遠くても当該周辺施設までそれほど遠回りになることもなく、検索する範囲は広いほうが望ましい場合もある。そこで例えば本実施の形態に示すように現在位置と指定地点との関係から検索条件を生成することとしてもよい。
近年、地図上に一般の人がある施設に関する情報を書き込んだり、あるいは自己の日記や掲示板などにレストランの紹介情報などをアップロードし、第三者はこれを利用できるようになっている。このような場合、従来のテキスト情報検索とは異なり、これら情報にタグ付けされた緯度経度も利用して検索が行われる。例えば、本実施の形態に示すように位置条件として生成された範囲内に含まれる緯度経度を含む地点情報を検索することとなる。
しかしながら生成された地点情報内に必ずしも該当する施設が存在しなかったり、逆に単に地点とその周辺という条件のみでは膨大な地点情報が検索され、ユーザが求める情報を提供することができない場合もある。特にカーナビや携帯電話等、移動体端末における情報検索は、机に座って行う検索とは異なり、操作性が必ずしも良いとは限らず、さらに運転中に煩雑な操作は危険を生じる場合もある。
そこで本実施の形態や、前記実施の形態で示すように、状況に応じてその検索条件を修正することでよりユーザに適した情報検索を行うことが可能となる。
地点情報掲示部125は、前記実施の形態同様、検索された地点情報を掲示する処理部である。図72は指定地点を基準として半径1000メートルで検索を行った結果の表示画面を示している。目的「食事」に該当する施設として「すし次郎」、「パスタ&パスタ」等、複数の施設が検索されている。このように検索された情報を表示部などに表示することでユーザは当該地点情報を把握することができる。
さらに本実施の形態では、特徴的な処理として、ユーザの指定に応じて検索部240eで検索された地点情報と、その地点情報が検索された後のユーザの行動とから、新たな地点情報を生成する。
一般的にユーザは地図で検索を行う場合、目的とする施設を直接指定するとは限らない。例えば目的とする施設自体が決まっておらず、とりあえずある施設や地域などを指定し、その周辺を検索して最終的に目的地を決めることがある。また、目的とする施設の位置が正確には分からず、近辺の目印となる施設から辿って検索する場合もある。さらに、カーナビや携帯等表示画面に制限がある端末では地点を正確に指定できるとは限らず、単に周辺500メートル等の検索では検索できない場合もある。
そこで本実施の形態では、例えば位置情報取得部210で取得されたユーザの位置から最終的に到着した地点を到着地点検出部302において検出し、この到着地点と地点情報取得部301で取得された地点をもとに新たな地点情報の生成を行う。地点情報生成部303は地点情報をひとたび検索した後のユーザの行動をもとに新たな地点情報を生成する処理部である。以下、図を用いて説明する。
図69、図70等に示すようにユーザは梅田駅周辺で食事をするため、梅田駅近辺を指定し、周辺施設の地点情報を検索している。例えば本実施の形態では単に指定された地点のみならず、指定された地点から近辺の施設や地域等の地点情報を抽出する。例えば現在の地図の縮尺上で表示される施設のうち最も近い施設を指定された施設とする。本例の場合、指定された地点「E135.33.00、N35.12.50」と「梅田駅」が抽出されている。
図73は到着地点の検出を説明する図である。図73には検索された地点情報の一つであるピザ・ポッター付近の地図が示されている。前記実施の形態と同様、位置情報取得部210で取得された位置を白い丸印で示している。ピザ・ポッターの地点情報には例えば前記実施の形態同様カバーエリアの情報が付帯されており、このカバーエリア内で停車した、つまりエンジンを止めた場合、到着地点検出部302において到着と判定することとする。
図73においてカバーエリアは、「ピザ・ポッター」の基準となる地点「東経135度32分13秒、北緯35度11分20秒」を中心として100メートル×50メートルの施設と駐車場を囲む領域とする。ユーザがこのカバーエリア内で停車すると、到着地点検出部302は、その位置を到着地点として検出する。そして、そのユーザが「ピザ・ポッター」へ訪れたと検出されることとなる。
地点情報生成部303は、到着地点検出部302で検出された実際のユーザの到着地点をもとに地点情報を生成する処理部である。
図74(a)及び(b)は「ピザ・ポッター」に関する地点情報103を示したものである。「ピザ・ポッター」の位置「E135.32.13、N35.11.20」、カバーエリア「50m×100m」、名称「ピザ・ポッター」、目的「食事」など、前記実施の形態同様、地点とその地点に関する情報が示されている。
地点情報生成部303は、到着地点検出部302で検出された実際のユーザの到着地点である「ピザ・ポッター」の地点情報(図74(a))に対し、地点情報取得部301で取得された地点の情報を付与し、あらたに地点情報(図74(b))として生成する。地点リンク(PositionLink)として「E135.33.00、N35.12.50」、施設「梅田駅」が付与されている。
この地点リンクは地点情報の実際の地点との関係を示す情報である。前記実施の形態に示すよう、地点情報はある地点やそのカバーエリアと、その地点での目的情報を対応した情報であり、地点情報はシステム設計者や地図製作会社等が予め設計するものとして説明してきた。そしてその地点を指定したり、検索範囲として地点やそのカバーエリアが含まれる場合、当該地点情報をユーザは享受できるが、含まれない場合は情報を受けることができないこととなる。
一方、地図上で情報を検索する場合、ユーザは必ずしも目的とする地点を正確に把握しているとは限らず、したがって地点やカバーエリアを必ずしも含むように検索できるとは限らない。また、地図の縮尺が広域の場合も正確に指定できるとも限らない。
例えば梅田駅周辺に有名な店「ピザ・ポッター」があることは知っているが、その店がどこにあるのか分からない場合、まずは梅田駅を指定して周辺検索するのが一般的であるが、その周辺に含まれない場合は検索できないこととなる。その後周辺距離を変えたり、条件を変えたりして検索し、最終的にその店へ訪れることとなるが、この行為を反映させてあらたに地点情報を生成することで、梅田駅と関係付けられた当該店を容易に検索することが可能となる。
図75は地点の指定を説明する図である。今再びユーザは目的「食事」とし、梅田駅近辺を指定している。例えば周辺500m等定められた領域を検索することとなり、例えば「サンゼリア」が500m内に含まれるためその地点情報が検索されることとなる。それと共に、前述に示すように「ピザ・ポッター」の地点情報には梅田駅が地点リンクとして付与されているため、たとえ500m内という所定の検索領域内に含まれなくても検索され、梅田駅を媒体として抽出されるので、その地点情報を享受できる。
さらに本実施の形態は1人のユーザが行う情報検索に閉じたものではない。例えばあるユーザAが上記例に示すように梅田駅を指定して食事ができる場所を検索し、最終的に「ピザ・ポッター」へ到着し、上記地点情報が生成されたとする。この地点情報を例えばサーバへアップし、他のユーザと共有することでさらに地点情報の検索が効率化する。
例えば別のユーザBが再び梅田駅を指定して食事ができる場所を検索した場合、今度はこの「梅田駅」と「ピザ・ポッター」の地点が地点リンクとして関係付けられているため、検索領域を広げなくても検索候補として提供されるようになる。例えば新規にできたお店や、複数人が好む店であって、一方正確な地点が分からず、例えば近辺の目印や一般の人がよく指定する地点と関係付けることで、他のユーザもこの情報が共有でき、本発明に示す地図をもとに情報を検索する有効な手段となる。
以下、本実施の形態に示す地点情報の生成について、他の例を用いて説明する。図76はあるユーザが高速道路上にて中山パーキングエリアに停車中、目的「スキー場」として「北IC」を指定した状況を示している。例えば所定の距離を指定して周辺検索する従来技術ではその領域内に位置する施設しか検索できなかった。例えば本例の場合、「Bスキー場」しか検索されないこととなる。
しかし本実施の形態によれば、他のユーザの検索によって関係付けられた地点リンクを持つ地点情報が生成されている場合には、その地点情報によってより適切に情報検索が可能となる。例えば図77(a)及び(b)に示すように一般に「北IC」で高速を降りるユーザが向かう「Aスキー場」や「Cスキー場」が関係付けられているとする。つまり、「Aスキー場」や「Cスキー場」の地点情報103が、位置「E135.35.00、N35.31.50」で示される施設「北IC」からの地点リンクを持つように生成されているとする。これにより、後に地点の検索を行うユーザは「北IC」を指定するだけで「Aスキー場」や「Cスキー場」が掲示され、煩雑な操作なく欲しい情報を享受することが可能となる。
図78では大型施設の駐車場を例に説明を行う。今ユーザは目的「駐車場」として「百貨店タイガー」を指定している。この場合、ここまでの実施の形態で説明した技術では所定のカバーエリア内から駐車場を検索するのみであり、例えば「百貨店タイガー」の周辺の第1駐車場と第2駐車場はカバーエリアに含まれ検索されるが、第3駐車場と第4駐車場はカバーエリアに含まれず検索されないことになる。しかし本例で示すように本実施の形態では地点リンクで第3駐車場、第4駐車場はこの「百貨店タイガー」と関連付けられているため検索されることとなる。
この検索が可能となるのは、具体的には図79に示すように、例えば他のユーザがひとたび百貨店タイガーを指定してその地点情報を検索した後、第3駐車場及び第4駐車場で停車したため、それぞれ図80(a)及び(b)に示すように、「百貨店タイガー」への地点リンクを持つ第3駐車場の地点情報又は第4駐車場の地点情報が新たに生成されたためである。
近年、路上駐車の強化取締りを背景に、その施設に駐車場がない場合、近辺の駐車場へ駐車することが多い。ある施設へ向かうため施設を目的地として設定するが、一方かならずしもその施設の駐車場へ駐車するとは限らず、近辺の駐車場へ最終的には駐車する場合も多い。このような場合に、その施設への地点リンクを持つその駐車場の新たな地点情報を生成することで今後、その施設へ訪れる際、その駐車場の地点情報もヒットして情報を表示することが可能となる。なお、その駐車場の地点情報が既に存在する場合は、その既存の地点情報にそのような地点リンクを追加しても、もちろん構わない。
以下、図81を用いて本実施の形態の地点情報検索装置の動作フローを説明する。まず複数目的取得部230aにおいて目的を取得する(ステップS601)。そして地点情報取得部301において地点の指定を取得する(ステップS602)。位置条件生成部511において例えば指定地点を中心とした所定の位置条件を生成し、地点情報検索部122において地点の検索を行う(ステップS603)。
地点情報検索部122では地点情報記憶部220に該当する地点が存在するか否かを判定し(ステップS604)、存在する場合はステップS608へ進み、存在しない場合はステップS605へ進む。存在しない場合、位置条件修正部512で位置条件を修正し、地点情報再度検索部133で検索する(ステップS605)。存在する場合はステップS608へ進み、存在しない場合は終了する。
ステップS604またはステップS607において地点情報が存在する場合、到着地検出部302において到着地点を検出し(ステップS608)、地点情報生成部303において、その地点情報への地点リンクを持つ実際の到着地点の地点情報を新たに生成し(ステップS609)、地点情報記憶部220へと蓄積し(ステップS610)終了する。
以上、本発明に係る地点情報検索装置について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態及び変形例に限定されるものではない。たとえば、各実施の形態及び変形例における構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も本発明に含まれる。例として、図2に示される位置条件生成部511や位置条件修正部512を図62に示される変形例における移動体端末に備えさせることで、目的オントロジーを用いて、緩和された目的の同一性を判断し、かつ、修正された位置条件を用いて緩和された位置条件を満たす複数の目的を達成するのに最適な地点情報が検索する地点情報検索装置が実現される。
また、上記実施の形態における地点情報検索装置は、地点情報蓄積部103を備えたが、本発明に係る地点情報検索装置は、地点情報蓄積部103を備えない構成であってもよい。つまり、本発明に係る地点情報検索装置は、図40に示される移動体端末100のように、地点情報蓄積部と接続される移動体端末に備えられ、地点情報蓄積部と通信しながら地点情報を検索してユーザに提供する装置であってもよい。
なお、特許請求の範囲の構成要素と実施の形態及び変形例における構成要素との対応関係は、図1等に示されるように、以下の通りである。
つまり、特許請求の範囲における位置情報取得手段は、実施の形態等における位置情報取得部210に対応し、その一例が位置情報検出部101等である。
特許請求の範囲における地点情報記憶手段は、実施の形態等における地点情報記憶部220に対応し、その一例が地点情報蓄積部103等である。
特許請求の範囲における複数目的取得手段は、実施の形態等における複数目的取得部230に対応し、その一例が(1)複数目的入力部131、(2)さらに移動履歴蓄積部231、目的オントロジー蓄積部232、信頼値算出部233及び信頼目的抽出部234の少なくとも一つを有するもの、(3)複数目的取得部230b、(4)複数目的取得部230c、(5)複数目的取得部230d等である。
特許請求の範囲における検索手段は、実施の形態等における検索部240に対応し、その一例が(1)地点情報検索部122、(2)さらに位置条件修正部241、再検索部242及び距離算出部243の少なくとも一つを有するもの、(3)検索部240a、(4)検索部240b、(5)検索部240c、(6)検索部240d、(7)検索部240e等である。
特許請求の範囲における情報提供手段は、実施の形態等における情報提供部250aに対応し、その一例が地点情報提示部125等である。
特許請求の範囲における位置条件修正手段は、実施の形態等における位置条件修正部241に対応し、その一例が位置条件修正部512等である。
特許請求の範囲における再検索手段は、実施の形態等における再検索部242に対応し、その一例が(1)再検索部133、(2)さらに密度算出部132、道路決定部132a及び関連道路抽出部126aの少なくとも一つを有するもの等である。
特許請求の範囲における距離算出手段は、実施の形態等における距離算出部243に対応し、その一例が距離算出部124等である。
特許請求の範囲における移動履歴蓄積手段は、実施の形態等における移動履歴蓄積部231に対応し、その一例が(1)移動履歴蓄積部104、(2)移動履歴蓄積部104a等である。
特許請求の範囲における信頼目的抽出手段は、実施の形態等における信頼目的抽出部234に対応し、その一例が信頼目的抽出部123等である。
特許請求の範囲における信頼値算出手段は、実施の形態等における信頼値算出部233に対応し、その一例が(1)信頼値算出部106、(2)信頼値算出部106a、(3)信頼値算出部106b等である。
特許請求の範囲における目的オントロジー蓄積手段は、実施の形態等における目的オントロジー蓄積部232に対応し、その一例が目的オントロジー蓄積部108等である。
特許請求の範囲における到着地点検出手段の一例が、実施の形態における到着地点検出部302である。
特許請求の範囲における地点情報生成手段の一例が、実施の形態における地点情報生成部303である。