JP2007181320A - 小型モータ - Google Patents

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高広 大竹
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秀和 斉藤
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【課題】モータ性能を低下させることなく、整流子とブラシの整流に伴う電流変動及びトルク変動を抑えると共に、整流により整流子とブラシ間に発生する火花を低下させて、モータの長寿命化を図る。
【解決手段】整流子片数を、磁極コア数の2倍の数にし、かつ、磁極コア数と同一数の巻線を1群として、第1及び第2の2群の巻線を備える。第1の群の巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、対応する磁極コアの上に第1の方向に巻回する。第2の群の巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、この接続する整流子片とは径方向反対側に位置する磁極コアの上に、第1の方向とは逆の第2の方向に巻回して、隣り合う整流子片に接続される各巻線の巻方向を交互に逆巻きにする。
【選択図】図1

Description

本発明は主に音響・映像機器・家電・電装等の駆動用に使用される小型モータの回転時の1回転当たりに於けるトルク変動・電流変動を低減して、制御性を向上すると共に、電気ノイズ及びブラシ磨耗の低減を図った小型モータに関する。
図11は、通常の小型モータの全体を、上半分断面で示す縦断面図である(特許文献1参照)。図示したように、金属材料により有底中空筒状に形成されたモータケースの内周面にマグネットが取り付けられている。このモータケースの開口部は、金属製のケース蓋が嵌着されている。ケース蓋の中央部には、シャフトのための軸受が収容される。シャフトの他端は、有底中空筒状のモータケースの底部中央に設けられた軸受によって支持されている。このシャフトには、回転子磁極コアと、該磁極コア上に巻いた巻線と、整流子とが通常に備えられて、小型モータの回転子を構成している。そして、この整流子に接触する一対のブラシは、そのブラシアームが金属製のケース蓋に固定された樹脂製のブラシホルダによって支持されると共に、それに接続された外部端子により外部との電気的接続が行われる。
このような小型モータを、例えば、精密な制御性が求められるプリンターの紙送り或いはヘッド駆動等に用いる場合には、モータ1回転当たりに於けるトルク変動及び電流変動を低減することが求められる。或いは、例えば、比較的に高電圧で使用される電動工具用に用いる場合には、高電圧のためにブラシと整流子間で火花が発生して、モータ寿命が低下することを防ぐことが求められる。
トルク変動及び電流変動を低減するために、一般的には、通常同数である回転子磁極数及び整流子極数(即ち、整流子片数)を両方とも同様に増加させている。図12及び図13は、回転子磁極及び整流子極数を増加させることにより、トルク変動及び電流変動が低減できることを説明する図である。
図12は、通常の3極の回転子磁極及び整流子構成を説明する図である。3個の整流子片が互いの間に溝を設けて配置されている。回転子磁極コアにそれぞれ巻かれた3個の巻線a、b、cのそれぞれの両端が、隣接する整流子片にそれぞれ接続されている。今、図12(A)に示すように、対向配置されている一方のブラシAが、整流子片aと整流子片bの間の溝の上に位置しているとする。このとき、巻線aは、ブラシAによって短絡されているので、ブラシAとブラシBの間には、巻線bと巻線cが並列接続された状態にある。図12(B)は、この状態を示す等価回路図である。各巻線抵抗をRとすると、2つのブラシ間の等価抵抗は、0.5Rとなる。
次に、モータが矢印方向に図12(C)に示す状態まで回転したとする。このとき、ブラシAとブラシBはいずれも、1つの整流子片上に位置している。ブラシAとブラシBの間には、直列接続された巻線a及び巻線bと、巻線cが並列接続されている。図12(D)は、この状態を示す等価回路図であり、2つのブラシ間の等価抵抗は、0.67Rとなる。
さらに、モータが回転すると、ブラシBが、整流子片間溝上に位置することになる。このように、モータ1回転中に、ブラシと整流子との相対的な位置関係により、2つのブラシ間の等価抵抗が、0.5Rと0.67Rの間で変動することになり、これによって、流れる電流及び発生するトルクが変動することになる。それ故に、3極の回転子及び整流子構成の場合の変動率は、34%となる。
図13は、通常の5極の回転子磁極及び整流子構成のブラシ間の等価抵抗を示す図である。図13(A)は、一方のブラシが、整流子片間溝上に位置して、1つの巻線を短絡した状態にある場合を示している。この場合、直列接続の2個の巻線と、別の直列接続の2個の巻線が並列接続された状態にあり、そのブラシ間等価抵抗は1.0Rとなる。これに対して、図13(B)は、2つのブラシのいずれもが1つの整流子片上にあって、直列接続の3個の巻線と、直列接続の2個の巻線が並列接続された場合を示している。この場合のブラシ間等価抵抗は1.2Rとなる。それ故、ブラシ間の抵抗は、1.0Rと1.2Rとの間で変動し、その変動率は20.0%となるが、上述した3極構成の変動率34%と比較すれば、小さくなっている。
上述したように、回転子磁極数及び整流子極数を増加させることにより、電流変動及びトルク変動を抑えることができ、さらには、電流変動を抑えることによりブラシと整流子間の火花の発生を抑えて、モータの長寿命化を図ることが可能となる。しかし、同じコア外径で回転子磁極数を増加させて行くと、コアに電線を巻くためのスペースが少なくなるので、同一コア外径にして対比するならば、多極化すればする程、モータ性能が低下するという問題がある。
特開2000−295798号公報
本発明は、係る問題点を解決して、十分な巻線スペースを確保してモータ性能を低下させることなく、整流子上でのブラシ電流切替えに伴う電流変動及びトルク変動を抑えると共に、電流切替えにより発生する火花を低下させて、モータの長寿命化を図ることを目的としている。
本発明の小型モータは、シャフト上に磁極コア及び該磁極コア上に巻回された複数の巻線を有する奇数個の回転子磁極、及び巻線の端部が接続される整流子片を有する整流子を取り付けて構成した回転子と、整流子上に当接する2個のブラシと、1組の界磁極としてのマグネットとを有する。整流子片数は、磁極コア数の2倍の数にし、かつ、磁極コア数と同一数の巻線を1群として、第1及び第2の2群の巻線を備える。第1の群の巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、対応する磁極コアの上に第1の方向に巻回する。第2の群の巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、この接続する整流子片とは径方向反対側に位置する磁極コアの上に、第1の方向とは逆の第2の方向に巻回して、隣り合う整流子片に接続される各巻線の巻方向が交互に逆巻きにする。
また、2個のブラシの少なくとも一方の配置を、180°対向して配置される前記1組のマグネットと位相を合わせた位置からオフセットさせ、そのオフセット範囲としては整流子片数をnとして±360°/2nの範囲内である事が望ましい。
本発明によれば、整流子極数をコア溝数の2倍にすることにより、トルク変動・電流変動を低減する効果が得られる。また、電流変動を低減することにより、ブラシと整流子の摺動に伴う火花の発生を抑えて、モータの長寿命化を図ることができる。
さらに、少なくとも一方のブラシ位置を±360°/2nの範囲内でオフセット配置することにより、整流子溝数の2倍に高次数化した主次数成分を持つトルク・電流変動波形を得ることができ、その結果モータの制御性が向上する。
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明の原理を、3極の回転子磁極を例として説明する概念図である。本発明は、3極以上の奇数回転子磁極構成に対して適用可能である。図示したように、3個のコアA、コアB、コアCがある。この3個のコアに対して、整流子極1〜6の数(整流子片数)は、2倍の6極となる。3つのコアA、B、Cにはそれぞれ、コアと同一数の第1の群の巻線a、b、cが巻かれる。各巻線a、b、cの間には、さらに別の同一数の第2の群の巻線d、e、fがある。例えば、巻線aと巻線bの間に位置する巻線fは、この位置には、巻線すべきコアが存在しないので、巻線fを接続する整流子片1,2とは径方向反対側の位置、即ち、円周上で180°反対側の位置にあるコアCの上に、巻線方向を逆方向にして巻線する。巻線d、eについても、同様に、180°反対側に位置するコアに巻線する。
このように、一つのコアには正逆方向に巻回された2組の巻線を備えて、全ての巻線は電気的に直列に配置されつつ、各々組となる巻線は互いに正逆方向に巻回された上で整流子極へ結線される。例示の巻線は、従来構成の3個の巻線がそれぞれ2つに分割されたものに相当して、その数は2倍の6個になっているものの、巻線全体としては従来構成と同一巻回数にすることができる。これによって、3極のコア構成にして十分な巻線スペースを確保しながら、事実上、2倍の6極の回転子磁極のように動作させることが可能となる。
図示の例において、巻線の電流方向が、界磁極マグネットの中央で切り替わるように、巻線の中心を整流子片間溝の中心と一致させており、これによって、コアに巻回される巻線の接続が全て電気的中性となる様に(整流子片間溝位置とずれること無く)結線しているが、本発明は、電気的中性となる構成だけでなく、それ以外の回転子が進角の場合についても適用可能である。周知のように、モータは、電機子反作用を考慮して、機械的中性構造ではなく、磁気的中性構造を狙って組み上げられた進角構造が採用されることがある。この進角構造を構成する一つの手法として、対向ブラシの配置をそれぞれマグネットNSの中心に合わせ、回転子の整流子片の配置をコアの突極の配置に対して回転子の回転方向にずらすことが知られているが、本発明は、このような進角構造のモータに対しても適用可能である。
以下、さらに具体例に基づき、詳細に説明する。図2及び図3はそれぞれ、3個の磁極コアA〜Cと、2倍の6個の整流子極1〜6を有するモータ構成の巻線を例示する結線図及び巻回された巻線を示す図である。整流子片番号1〜6は、図3(A)(及び図2)にのみ表示したが図3の全図を通して同一番号である。図示の例において、整流子片間溝位置は、各コアの中心位置に一致する各巻線の中心位置とそれぞれ位相を合わせて、モータシャフトに装着される。これによって、電気的中性の回転子構造とすることができるが、また、前述したように、進角構造にして、回転子の整流子片の配置をコアの突極の配置に対して回転子の回転方向にずらすことができる。
図2において、A〜Cは各磁極コアを、1〜6は整流子片番号を、a〜fは各巻線をそれぞれ示している。巻線は各コアに順次巻回されるが、まず、図2に示されるように、巻き始め線を整流子片1に接続した第1の巻線aは、コアAの上に左巻(CCW)に巻回する。目標性能に合わせて規定の回数を巻回後に、巻き終わり線を整流子片6に接続する。このように巻回する第1の巻線aは、図3(A)にも同様に示されている。
次に、再び、図2に示すように、第1の巻線の巻き終わり線が接続された整流子片6にある線を、コアBの上に、右巻き(CW)方向にて上記第1の巻線aと同じ巻数だけ巻回して、第2の巻線bとする。その巻き終わり線は、整流子片5に接続する。この巻線bは、図3(B)にも示されている。
次に、図2及び図3(C)に示すように、第3の巻線cは整流子片5から巻き始められ、コアCの上に左巻き方向に巻回し、巻き終わり線は整流子片4に接続する。
次に、図2及び図3(D)に示すように、第4の巻線dが、先に第1の巻線aを巻回してあるコアAの上に、左巻きに巻かれた第1の巻線aとは逆に右巻きに巻かれる。第4の巻線dが接続されるのは、整流子片4と3の間である。同様に、図2及び図3(E)に示すように、第5の巻線eが、整流子片3と2の間で、コアBの上に左巻きに巻かれ、かつ、図2及び図3(F)に示すように、第6の巻線fが、整流子片2と1の間で、コアCの上に右巻きに巻かれる。これによって、第1から第6までの全ての巻線a〜fが、3つのコアA〜Cの上に巻かれたことになる。ここで例示した巻回手順は連続した一本の電線にて巻回する手順であり、本手順中のコアへ巻回する向き(左巻き又は右巻き)を逆にしたり、整流子片に接続する順番を逆向き(図1において時計回りの方向)にしても、回転子の巻線を連続した一本の電線にて行う事ができる。また、工数は増えるが回転子への巻線を連続した一本の電線にて行う事にこだわらず、随時、電線を切断しながら巻回するのであれば、多様な巻回手順があることは言うまでも無い。
図4は、整流子上のブラシ位置を説明する図である。図示のブラシは、カーボンブラシとして例示しているが、本発明は、ブラシ構造や材質に関係なく、貴金属ブラシ等でも実施できる。図4(A)に示すように、一般的な2界磁及び2ブラシの180°対向配置においては、一対のブラシは、界磁磁極(図示省略)位置と位相を合わせて、整流子上の180°対向位置に配置されている。この場合、2つのブラシが同時に、整流子片間溝上に位置して、同時にそれぞれ対応する巻線を短絡し、整流のタイミングが略同じになる。このため、整流回数がコア溝数と同じ回数となって、電流変動が大きくなることが起こり得る。これを防ぐために、一方のブラシの整流子上の位置をオフセットさせる。±360°/2n(nは整流子極数)のオフセット範囲で、少なくとも一方のブラシをオフセットさせて配置する。要するに、このオフセット範囲は、整流子片の周方向幅の前後1/2までの位置である。前後いずれかの整流子片幅の中央の位置近辺(±360°/2n)に、一方のブラシをオフセットさせたときに、両方のブラシが同時に溝上に位置する可能性は最も低くなる。この整流子片幅の中央の位置を越えてさらに大きく、一方のブラシをオフセットさせると、隣接する次の溝の上に近づくので、オフセットさせる程に逆に同時整流のタイミングの可能性が増すことになり、望ましいことではない。しかし、実際のモータの製造においては、例え、ブラシの配置を180°対向で設計したとしても、部品寸法のバラツキや組立精度のバラツキ等の微妙なバラツキ要因により、同時整流はほとんど起こらない。
同時整流タイミングが生じない場合、整流切り替え回数は、2n回となる。これによって、トルク変動・電流変動を高次数化し低減することが可能となる。少なくとも一方のブラシをオフセット配置する構造は、ブラシが磨耗し整流子摺動面が広範囲になった場合にも、確実に作用する設定としたものであり、図4(B)は、360°/2n=30°の位置に、ブラシをオフセットさせた状態を例示する図である。
図5は、上述したような3個の磁極コア及び6個の巻線を有し、かつブラシを同時整流が起こらない配置とした構成のブラシ間等価抵抗を示す図である。図5(A)は、ブラシのいずれもが、溝上ではなく、1つの整流子片上にある場合である。この場合、3個の直列接続の巻線と、3個の直列接続の巻線が並列接続される。各巻線抵抗は、従来技術の場合と対比すれば半分であるので、これを0.5Rと表示すれば、等価抵抗は0.75Rとなる。また、一方のブラシが、1つの巻線を短絡している図5(B)の場合、その等価抵抗は0.6Rとなる。それ故、変動率は、25%となる。これは、図12を参照して説明した従来技術の変動率34%と対比すれば、26%の改善となる。
本発明は、いわゆる多極巻きと称される巻線構成に対しても適用できる。一般に、磁極コア数が奇数極で5極以上においては、2極或いは3極等の複数の磁極コアの周りに巻線をする多極巻きを行うことにより、整流子上で切り替わる電圧及び電流の変動を小さくすることができる。
図6は、5個のコア及び2倍の10極整流子構成にして、かつ10個の巻線をそれぞれ(2個のコアのまわりに)2極巻きした構成を例示する図である。図6(A)は、モータの断面構成であり、かつ図6(B)は、整流子及びその上に位置するブラシを拡大して示す図である。図示の例において、整流子片間の溝位置は、各巻線の中心位置、即ち、各2つのコアの間の中心位置にそれぞれ位相を合わせてモータシャフトに装着される。これによって、電気的中性の回転子構造とすることができるが、また、前述したように、進角構造にすることもできる。界磁磁極を構成する2つのマグネットは、オフセット配置する前のブラシ位置と位相を合わせて配置される。
ブラシの位置は、一般的な2界磁及び2ブラシの180°対向配置から1方のブラシのみを±360°/2n(nは整流子極数)の位置に配置して、ブラシの整流子との電気的接触をオフセットさせる構造とすることにより、ブラシ磨耗時でも確実に整流切り替え回数を2n回とすることを可能にしている。
図7は、図6(A)に示した各巻線a〜jを巻回する工程を説明する図である。以下の説明のために用いる整流子片番号は、図6(B)に示した通りである。巻線はコア上に順次巻回されるが、まず、図7(A)に示すように、第1の巻線aの巻き始め線を整流子片1に接続し、コアA及びコアBの2極の上に左巻きに巻回する。目標性能に合わせ規定の回数を巻回後に巻き終わり線を整流子片2に接続する。
次に、図7(B)に示すように、第1の巻線aの巻き終わり線が接続された整流子片2にある線を整流子のコア側(整流子と磁極コアの間)を経由しコアD及びコアEの2極に右巻き方向にて上記第1の巻線aと同じ巻数だけ巻回する。この第2の巻線bの巻き終わり線は再び整流子のコア側を経由させて整流子片3に接続する。
次に、図7(C)に示すように、第3の巻線cは整流子片3から巻き始めて、コアCからコアBに掛けて左巻きに巻回する。巻き終わり線は、整流子片4に接続する。
以後、図7(D)〜(J)に示すように巻線動作を繰り返すと、図7(F)に示す6回目の巻きつけ(巻線f)より線が重ねて巻かれ、第1の巻線aから第10の巻線jまでが順次巻回されることになる。
図8は、上述したような5個の磁極コア及び10個の巻線を有し、かつブラシをオフセットさせた構成のブラシ間等価抵抗を示す図である。図8(A)は、ブラシのいずれもが溝上にはなく、1つの整流子片上にある場合である。この場合、5個の直列接続の巻線と、5個の直列接続の巻線が並列接続される。各巻線抵抗は、従来技術の場合と対比すれば半分であるので、これを0.5Rと表示すれば、等価抵抗は1.25Rとなる。また、一方のブラシが、1つの巻線を短絡している図8(B)の場合、その等価抵抗は1.11Rとなる。それ故、変動率は、12.6%となる。これは、図13を参照して説明した従来技術(5極磁極コア構成)の変動率20.0%と対比すれば、37%の改善となる。
このように、本発明は、通常のコア極数と同じ巻数だけ巻回した場合と比較すると、ブラシの切り替わりに伴う電気的回路抵抗の変動幅が縮小されるため、トルクリップル及び電流リップルの安定化がなされる。回転子巻線の抵抗変化率の縮小は、モータ1回転あたりのトルク変動や電流の入力変動に作用するので、整流の切り替えに伴う抵抗差は小さいほど良いことになる。
以上、3極の磁極コアの1極巻(図2及び図3参照)、及び5極の磁極コアの2極巻(図7参照)を例として説明したが、本発明は、磁極コア数或いは多極巻き数に拘わらず適用することができる(但し、磁極コア数は、3以上の奇数(3.5.7…)である)。また、上述した回転子への巻回手順は巻き始めから巻き終わりまでを連続した一本の電線で、全ての各磁極コアと各整流子片へ巻回して接続する構成を示したものであり、磁極コアへ巻回する向きの順番や整流子片へ接続する順番を上述の例示と逆にしても、構成される回転子としては、上述の例示と同様もしくは回転方向が逆となる同様の回転子が得られる。なお、本発明は、構成される回転子構造が前述の通りであるなら、如何なる巻回方法をも採用可能である。
図9は、本発明に基づき構成したモータの平均寿命の測定結果を、従来技術構成のモータと対比して示す表である。テストは、それぞれ5個のサンプルモータについて、1分オン、10秒オフで駆動し、寿命が尽きるまでの時間を測定し、平均した。本発明のモータは、モータ寿命を約6倍にも延長できることが確認された。
図10は、モータ1回転中の電流変動及びトルク変動を、本発明に基づき構成したモータ(B)と、従来構成のモータ(A)を対比して示すグラフである。グラフは、計算により求めたものであるが、実際のテストにおいても同様の結果が得られている。本発明品は、従来品と対比すれば、電流及びトルクのリップル数が2倍になる一方、リップル振幅は減少していることがわかる。
本発明の原理を、3極の回転子磁極を例として説明する概念図である。 3個の磁極コアと、磁極コア数の2倍の6個の整流子極を有するモータ構成の巻線の結線図である。 図2に示すモータ構成の巻線を例示する図である。 整流子上のブラシ位置を説明する図である。 3個の磁極コア及び6個の巻線を有し、かつブラシを同時整流が起こらない配置とした構成のブラシ間等価抵抗を示す図である。 5個のコア及び2倍の10極整流子構成にして、かつ10個の巻線をそれぞれ2極巻きした構成を例示する図である。 図6に示した各巻線a〜jを巻回する工程を説明する図である。 5個の磁極コア及び10個の巻線を有し、かつブラシをオフセットさせた構成のブラシ間等価抵抗を示す図である。 本発明に基づき構成したモータの平均寿命の測定結果を、従来技術構成のモータと対比して示す表である。 モータ1回転中の電流変動及びトルク変動を、本発明に基づき構成したモータ(B)と、従来構成のモータ(A)を対比して示すグラフである。 通常の小型モータの全体を、上半分断面で示す縦断面図である。 3極の回転子磁極及び整流子構成を説明する図である。 5極の回転子磁極及び整流子構成のブラシ間の等価抵抗を示す図である。

Claims (3)

  1. シャフト上に磁極コア及び該磁極コア上に巻回された複数の巻線を有する奇数個の回転子磁極、及び前記各巻線の端部が接続される整流子片を有する整流子を取り付けて構成した回転子と、前記整流子上に当接する2個のブラシと、1組の界磁極としてのマグネットとを有する小型モータにおいて、
    整流子片数を磁極コア数の2倍の数にし、かつ、磁極コア数と同一数の巻線を1群として、第1及び第2の2群の巻線を備え、
    前記第1の群の各巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、対応する磁極コアの上に第1の方向に巻回し、
    前記第2の群の各巻線を、それぞれその両端を対応する整流子片に接続すると共に、この接続する整流子片とは径方向反対側に位置する磁極コアの上に、前記第1の方向とは逆の第2の方向に巻回して、隣り合う整流子片に接続される各巻線の巻方向が交互に逆巻きになるようにした、
    ことから成る小型モータ。
  2. 前記2個のブラシの少なくとも一方の配置を、180°対向して配置される前記1組のマグネットと位相を合わせた位置からオフセットさせた請求項1に記載の小型モータ。
  3. 前記2個のブラシの少なくとも一方の配置のオフセット範囲は、整流子片数をnとして±360°/2nの範囲内である請求項2に記載の小型モータ。
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