JP2007179231A - 資産運用の成果を分析することを支援するためのシステム及び方法 - Google Patents

資産運用の成果を分析することを支援するためのシステム及び方法 Download PDF

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諭 大島
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Abstract

【課題】資産運用の成果を従来よりも詳細な要因に分解でき、且つ、単に要因分解を行えることよりも利便性の高い資産運用成果分析支援技術を提供する。
【解決手段】異動・残高DB361の中から計算対象期間に属する異動データを一つ読み出し、その異動データが期初保有、期中購入及び期中売却のどれに属するかを判定し、判定結果に応じて、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果を算出するために必要な値を更新する。これらを、計算対象期間に属する全ての異動データを読み出すまで繰返し、それが終わった場合に、各種効果を算出する。これにより、改良要因分解を行うための、計算対象期間に属する全異動データの読出し回数を、一回にすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、資産運用の成果を分析することを支援するための技術に関する。
例えば、資産運用の成果を求めるために、修正ディーツ法によるリターンを算出することが知られている。
http://www.gpif.go.jp/unyou/yougoshuu.html
ところで、資産運用の成果を分析することを支援するための方法として、その成果を要因毎に分ける方法がある。資産運用の成果を要因毎に分けることを、「要因分解」という。一般に、(A)セクターティルト効果と銘柄選択効果に要因分解すること、(B)期初保有分と期中売買分に要因分解すること、の(A)及び(B)を別々に行うことは可能である。
資産運用の成果の分析は、なるべく正確に行われるべきである。そのためには、資産運用の成果を、上記の(A)或いは(B)の方法よりも詳細な要因に分解できると良いと考えられる。
また、要因分解を行うことのできる装置を実現するならば、少なくとも、単に要因分解を行えるだけではなく、ユーザにとってより利便性の高い装置となることが望ましい。
従って、本発明の目的は、資産運用の成果を従来よりも詳細な要因に分解でき、且つ、単に要因分解を行えることよりも利便性の高い資産運用成果分析支援技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、後の説明から明らかになるであろう。
本発明に従う資産運用成果分析支援システムは、読出し手段、判別手段、要因分解手段及び出力手段を備える。読出し手段は、資産の流入或いは流出に関する情報が記述された多数の異動データが記憶されている記憶装置の中から、計算対象期間に関わる異動データの数(例えばN(Nは2以上の整数))よりも少ない数(例えばM)の異動データを読み出す。判別手段は、読み出された異動データ中の所定のデータ要素から、その異動データが期初保有、期中購入及び期中売却のいずれの要因種別に属するかを判別する。要因分解手段は、資産運用の成果の要因分解に必要な複数種類の値のうち、前記判別の結果に対応した種類の値を、所定の記憶領域上で更新し、前記計算対象期間に関わる全ての異動データを用いて更新された後の種々の値に基づいて、資産運用の成果の要因分解を行う。出力手段は、前記要因分解の結果に基づく情報を出力する(例えば、その情報を印刷する或いは画面に表示する)。
ここで、前記要因分解を行うとは、前記資産運用の成果を、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果に分解することである。
上述した資産運用成果分析支援システムは、前記読出し手段による読出し、前記判別手段による判別、及び前記要因分解手段による更新を繰り返し行うことで、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、それにより、前記要因分解を行うための前記全ての異動データの読出しの回数を一回にすることができた。
なお、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分セクターティルト効果及び期中売却分セクターティルト効果を合計し、且つ、期初保有分銘柄選択効果、期中購入分銘柄選択効果及び期中売却分銘柄選択効果を合計することにより、セクターティルト効果及び銘柄選択効果という第一種の要因群が得られるようになっている。一方、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を合計し、且つ、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果を合計することにより、期初保有効果及び期中売買効果という第二種の要因群が得られるようになっている。
従って、上述した特徴によれば、前記N個の異動データの読出しの回数が一回であっても、前記第一種の要因群と前記第二種の要因群との両方を算出することが可能になる。
ところで、前記記憶装置は、例えば、ディスク型の記憶メディア(例えば、ハードディスク或いはDVD(Digital Versatile Disk))、又は、ディスク型の記憶メディアを備えるディスクドライブ(例えばハードディスクドライブ)とすることができる。また、前記記憶領域は、前記記憶装置とは異なる記憶装置上で設けられた領域、例えばメモリとすることができる。
また、「計算対象期間に関わる異動データ」には、少なくとも、計算対象期間内の異動データが含まれる。この「計算対象期間に関わる異動データ」には、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出するために、各銘柄毎に、直前の期間の最終の異動データが含まれても良い。
また、「異動」には、例えば、株式の買い或いは売りによる異動の他に、利息或いは配当による資金の異動も含めることができる。
本発明の第一の態様では、前記要因分解手段は、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出する期初保有算出部と、期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を算出する期中購入算出部と、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果を算出する期中売却算出部とを有することができる。前記判別手段は、前記要因分解手段における複数の算出部のうち、前記判別された要因種別に対応する算出部に、前記読み出された異動データを振分けることができる。前記振り分けられた異動データを受けた算出部が、自分が担当する各効果を算出するのに必要な所定の種類の値を更新することができる。それにより、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、前記要因分解を行うことの、前記全ての異動データの読出しの回数を、一回にすることができた。
本発明の第二の態様では、前記異動データには、異動日、異動の種類、異動した株式の銘柄及び異動内容が含まれている。前記判別手段は、前記異動データに含まれている異動の種類に対応する要因種別を判別することができる。前記要因分解手段は、前記要因分解に必要な銘柄別及び/又はセクター別の所定種類の値と資産の総平残とを、前記読み出された異動データ中の異動日、異動銘柄、及び異動内容のうちの少なくとも一つを用いて、前記必要な種類の値を前記記憶領域上で更新することができる。
本発明の第三の態様では、各異動データには、取引後の残高に関する情報を表す残高情報が含まれていてもよい。前記残高情報には、期初保有分の時価評価額を算出するための第一の基礎情報と、期中購入分の時価評価額を算出するための第二の基礎情報と、期中売却分の時価評価額を算出するための第三の基礎情報とが含まれていてもよい。前記第一乃至第三の基礎情報の各々は、それを含む異動データの銘柄に対応した基礎情報であるとすることができる。この場合、前記資産運用成果分析支援システムは、前記記憶装置に新たに異動データを追記する場合に、その新たな異動データに含める前記第一乃至第三の基礎情報を、それぞれ、その新たな異動データの銘柄と同一の銘柄の既に存在する異動データ中の前記第一乃至第三の基礎情報と、その新たな異動データ内の取引の種類及び取引内容とに基づいて算出し、算出された第一乃至第三の基礎情報を前記新たな異動データに含めて前記記憶装置に格納することができる。
本発明の第四の態様では、前記資産運用成果分析支援システムは、異動データが読み出される都度に、読み出された異動データを前記記憶領域に書く手段と、前記記憶領域に書かれた異動データを用いた更新が終了する都度に、その更新に用いられた異動データを前記記憶領域から削除する手段とを更に備えることができる。
前記資産運用成果分析支援システムは、一台のコンピュータマシンであっても良いし、複数台のコンピュータマシンにより構築されたコンピュータシステムであっても良い。また、前記資産運用成果分析支援システムは、例えば、サーバクライアントシステムのサーバに適用することができるし、それに限らず、他のシステムにも適用することができる。
また、前記資産運用成果分析支援システムの各手段(及び/又は各算出部)は、ハードウェア、コンピュータプログラム又はそれらの組み合わせにより実現することができる。そのコンピュータプログラムが、例えば、CD−ROM等の記憶媒体からインストールされることにより、或いは、通信ネットワークを介してダウンロードされることにより、前記資産運用成果分析支援システムが構築されても良い。前記資産運用成果分析支援システムにプロセッサ(例えばCPU)が備えられ、そのプロセッサがそのコンピュータプログラムを読み込んで実行することができる。
本発明によれば、資産運用の成果を従来よりも詳細な要因に分解でき、且つ、単に要因分解を行えることよりも利便性の高い資産運用成果分析支援技術が提供される。
以下、本発明の一実施形態に係る資産運用成果分析支援システムが適用されたサーバマシン(以下、サーバ)について説明する。
本実施形態に係るサーバは、資産運用の成果を従来よりも詳細な要因に分解することができる、換言すれば、改良要因分解を実行することができ、且つ、その改良要因分解に必要な、計算対象期間に関わる全異動データの読出しの回数を、一回にすることができる。また、そうできるが故に、セクターティルト効果と銘柄選択効果のセットと、期初保有効果及び期中売買効果のセットという2種類のセットを求める場合にも、上記の全異動データの読出し回数を一回にすることができる。
まず、本実施形態に係るサーバについての説明を理解し易くするために、従来の要因分解と改良要因分解について説明する。その際、説明を分かり易くするため、購入或いは売却の対象となる資産は、株式であるとする。
1.従来の要因分解について
一般に、株式投資等による資産運用の業界では、投資家から資金を預かった者(運用者と呼ばれている)が、その資金を使って有利な種別(これを以下セクターという)で有利な銘柄の株式を購入あるいは売却し、当初の投資額より大きい利益を得るように資産運用をする。この場合、運用者の資産運用の仕方によって、得られる利益が大きく左右される。
この資産運用の仕方は、どのセクターのどの銘柄に、どの程度のウェイトで投資するかという分散投資の選択という面と(この有利な分散投資による資産をポートフォリオという)、どの時期に株式を購入・売却し、あるいは購入も売却もせずに保有したかという投機的な面とを有している。資産運用の仕方は、これら2面から評価することができる。
資産運用による利益あるいは損失(これをまとめて資産運用成果という)が出た場合、その資産運用成果を生じた要因を分析することは、将来の資産運用の方針を検討し、あるいは運用者のパフォーマンスの評価(良し悪し)をするために、重要な意味を有している。
資産運用の成果(以下、超過リターンともいう)は、期初の資産評価と期末の資産評価と期中のキャッシュフローによって計算されるのが一般的である。ここで、期初とは計算期間の最初の時点、期末とは計算期間の最後の時点、資産とは実際には株式や債券をいう。計算期間とは、連続的な投資に対して、所定の長さの期間に区切って投資のパフォーマンスを測定するための前記期間をいう。
この資産運用の成果を求めるために、下記の資産別の修正ディーツ法によるリターンrを算出すること、つまり、下記(10)式、
r=(V1 −V0 −Σt t )/(V0 +Σt t ×(1−t))…(10)
を利用することが行われている。
ここで、投資パフォーマンスを測定する期間の長さを1とする。V0 とV1 は、それぞれ期初と期末のポートフォリオの時価評価額、Ct は、時点t(0<t<1)で発生したキャッシュフローである。このCは、ポートフォリオへの資金の流入(資産の購入)を正、ポートフォリオからの資金流出(資産の売却)を負とする。
上記資産別の修正ディーツ法によるリターンrを、収益の基準となるベンチマーク・インデックスのリターンRと比較することにより、その超過リターン(r−R)の大小によって資産運用成果の良し悪しを判断することができる。このベンチマーク・インデックスのリターンRは、概念的には、たとえば、預金等の利息のように特別な資産運用を行うことなく得られる利益等をいい、日本の株式投資の世界では、配当込み東証株価指数(TOPIX )がベンチマーク・インデックス・リターンRとして使用されることが多い。
上記超過リターン(r−R)の要因分解としては、以下の2通りの方法がある。
第一の方法は、資産運用成果をセクターティルト効果と銘柄選択効果に要因分解する方法である。ここで、セクターとは、投資対象の一つの集合を意味し、株式投資の世界では上述したように業種をいうのが通常である。セクターティルト効果とは、ポートフォリオにおけるセクターの種類や各セクターの占めるウェイトを変更することによる効果をいう。また、銘柄選択効果とは、同一セクター内において、利益を得られない銘柄を排除し、反対に利益を多く得られる銘柄を選択することによる効果をいう。
第一の方法によれば、上記(10)式を、下記(11)式、
r={Σs (Vs1−Vs0−Σt st)}/{V0 +Σt t ×(1−t)}
=Σs 〔{(Vs0+Σt st×(1−t))/(V0 +Σt t ×(1−t))}
×{(Vs1−Vs0−Σt st)/(Vs0+Σt st×(1−t))}〕…(11)
のように変形する。
ここで、Vs1 、Vs0 、Cstは、各セクターsにおけるV1 、V0 、Ct とする。つまり、V1 =Σs s1 、V=Σs s0 、Ct =Σs stが成立する。
次に、上記(11)式において、{(Vs0+Σt st×(1−t))/(V0 +Σt t ×(1−t))}を、セクターsへの投資ウェイトxs とし、{(Vs1−Vs0−Σt st)/(Vs0+Σt st×(1−t))}をセクターs部分のリターンrs として、上記(11)式を、次の(12)式、
r=Σs (xs×rs )…(12)
に書き換える。ここで、xs は、セクターsへの投資ウェイトゆえ、Σs s =1となる。
同様に、ベンチマーク・インデックス・リターンRも、セクター・ベンチマーク・インデックス・リターンRs を用いて、次の(13)式、
R=Σs (ps ×Rs )…(13)
に書き換える。ここで、ps は、ベンチマーク・インデックス・リターンRにおけるセクターsのウェイトであって、Σs s =1となる。
次に、上記(12),(13)式を用いて、超過リターン(r−R)を、下式(14)、
r−R=Σs (xs −ps )×(Rs −R)+Σs s ×(rs −Rs )…(14)
に示すように変形する。この(14)式の第一項は、超過リターン(r−R)における「セクターティルト効果」を示している。
すなわち、この項は、Rs >Rであるセクターについては、オーバーウェイト(xs >ps )とし、逆にRs <Rであるセクターについては、アンダーウェイト(xs <ps )とすれば、それぞれ超過リターン(r−R)が正になるように寄与することを示している。
言葉を変えると、(14)式の第一項は、セクター・ベンチマーク・インデックス・リターンRs が、ベンチマーク・インデックス・リターンRより良い(投資の収益性に優れる)セクターを多く保有すれば、換言すれば、セクター・ベンチマーク・インデックス・リターンRs がベンチマーク・インデックス・リターンRより悪い(投資の収益性が低い)セクターを少なく保有するようにすれば、全体の超過リターン(r−R)を大きくすることができることを示している。
(14)式の第二項は、超過リターン(r−R)における「銘柄選択効果」を示している。
すなわち、第二項中の(rs −Rs )は、セクターsの中で、良い(投資の収益性の高い)銘柄を選択することによって大きくなるので、同一セクターs中でより良い銘柄を選択することによって超過リターン(r−R)を大きくすることができることを示している。
以上が、超過リターンをセクターティルト効果と銘柄選択効果に要因分解する方法である。
要因分解の第二の方法として、超過リターン(r−R)を期初保有分と、期中売買分に要因分解する方法がある。
この資産運用成果の第二の要因分解の方法では、期初凍結ポートフォリオという仮想的なポートフォリオを考える。この期初凍結ポートフォリオとは、期初保有ポートフォリオを一切の売買をせずに、そのまま期末まで保有した場合の資産をいう。その場合のリターンをrhとすると、rhは、上記(10)式によって計算することができる。
このrhを用いて、実際の超過リターン(r−R)を、次の(15)式、
r−R=(rh −R)+(r−rh)…(15)
に展開する。(15)式の第一項は、期初保有分(あるいは期初凍結ポートフォリオ)による超過リターンを示し、第二項は、期中売買分による超過リターンを示している。
以上が、超過リターンを期初保有効果と期中売買効果に分ける要因分解の方法である。
2.改良要因分解について
改良要因分解では、資産運用によるリターンの計算に使用する期初と期末のポートフォリオの時価評価額V0 、V1 、および期中のキャッシュフローΣt t について下記の準備を行う。
0 とV1 は、それぞれの定義から、下式(16)と(17)、
0 =Σj j (0)×pj (0)…(16)
1 =Σj j (1)×pj (1)…(17)
のように記述することができる。ここで、0は期初、1は期末を示している。mj (t)は、時点tにおける銘柄jの保有数量(t=0あるいはt=1の場合)、あるいは売買数量(0<t<1の場合)を示している。pj (t)は、時点tにおける銘柄jの1株当たりの価格とする。
上記mj (1)とmj (0)は、下式(18)、
j (1)=mj (0)+Σt(buy)j (t)−Σt(sell) j (t)…(18)
の関係を有している。ここで、Σt(buy)j (t)は、銘柄jについての期中のすべての時点の購入数量についての和を意味する。Σt(sell) j (t)は、銘柄jについての期中のすべての時点の売却数量の和を意味する。すなわち、銘柄jの期末保有数量mj (1)は、期初の保有数量mj (0)に、期中の購入数量Σt(buy)j (t)を加え、期中の売却数量Σt(sell) j (t)を差し引いたものということができる。
一方、期中のキャッシュフローΣt t は、下式(19)、
Σt t = Σj(buy)Σt j (t)×pj (t)
− Σj(sell) Σt j (t)×pj (t)
− Σj(hold) j (0)×dj (0' )
− Σj(buy)Σt j (t)×dj (t' )
+ Σj(sell) Σt j (t)×dj (t' )…(19)
のように、銘柄別の売買と、受け取り利息又は配当(以下、「利息・配当」と表記する)に分解することができる。
ここで、(19)式の第一項は、時点tで銘柄jを購入した時の支払金額mj (t)×pj (t)を、すべての購入時点と購入銘柄について和をとったものである。なお、第一項は、購入であるので、資産の増加であり、符号は正となる。
(19)式の第二項は、時点tで銘柄jを売却した時の受取金額mj (t)×pj (t)を、すべての売却時点と売却銘柄について和をとったものであり、資産の減少に相当するので、符号は負となる。
(19)式の第三項は、期初保有銘柄の保有数量mj (0)についての期中の受け取り利息・配当額を合計したものである。なお、dj (0')は、時点0(期初)で保有していた銘柄jについての時点0'(0<0' <1)で受け取った単位数量あたりの利息・配当である。この受け取り利息・配当は、発生により資産価値の減少となって、資産からの資金の流出(キャッシュアウト)となるので、第三項の符号は負となる。
(19)式の第四項は、期中の時点tで購入した銘柄について時点t' で受け取った利息・配当の合計であり、dj (t')は、時点t で購入した銘柄jの時点t' (t<t' <1)で受け取った単位数量あたりの利息・配当である。なお、この項も、キャッシュアウトとなるので、符号は負となる。
(19)式の第五項は、期中の時点t' で受け取る利息・配当からの、時点tですでに売却した銘柄についての利息・配当の控除分の合計である。ここで、dj(t')は、時点t で売却した銘柄jが、売却しなければ時点t'(t<t' <1)で受け取ることができた単位数量あたりの利息・配当である。なお、この項は、受け取り利息・配当に対する控除であるので、符号は正となる。
上記のように準備した(16)式ないし(19)式を、すでに説明した資産別修正ディーツ法によるリターンrの(10)式に代入し、超過リターンr−Rを計算すれば、下記の(20)式、
r−R= whold×{Σj(hold) j (0)×rj '(0) −R}
+wbuy ×{Σj(buy)j (*) ×rbj'(*) −R}
−wsell ×{Σj(sell) j (*) ×rsj'(*) −R}…(20)
を得ることができる。
ここで、wholdは、期中の資産平残(期中の資産の残高の平均値)に占める期初保有分(Vhold)の投資ウェイトを示しており、下式(21)、
hold=Vhold/(V0+Σtt×(1−t))…(21)
によって表される。
buy は、期中の資産平残に占める期中購入分(Vbuy )の投資ウェイトを示しており、下式(22)、
buy =Vbuy/(V0+Σtt×(1−t))…(22)
によって表される。
sellは、期中の資産平残に占める期中売却分の投資ウェイトを示しており、下式(23)、
sell=Vsell/(V0+Σtt×(1−t))…(23)
によって表される。
上式(21)、(22)、(23)のVhold、Vbuy 、Vsellは、さらに、下式(24)、(25)、(26)、
hold= Σj(hold) {mj (0)×〔pj (0)− dj (0') ×(1−0')〕}…(24)
buy = Σj(buy) Σt {mj (t)×〔pj (t)− dj (t') ×(1−t')/(1−t)〕
×(1−t)}…(25)
sellj(sell) Σt {mj (t)×〔pj (t)− dj (t') ×(1−t') /(1−t)〕
×(1−t)}…(26)
によってそれぞれ表される。
また、上記(20)式において、xj (0)は、期初保有銘柄jの期初投資ウェイトを示しており、下式(27)、
j(0)=mj (0)×{pj (0)−dj (0') ×(1−0')}/Vhold…(27)
によって表される。
j'(0)は、期初保有銘柄jを期末まで保有した場合の修正ディーツ法リターンを示しており、下式(28)、(29)、
j '(t) =rj (t)/(1−t)…(28)
j (t) ={pj(1)−pj (t)+dj (t' )}/{pj (t)−dj (t')×(1−t')/(1−t)}…(29)
によって表されるrj '(t) においてt=0としたものである。
なお、上記(28)、(29)式から、rj '(t)の分母は{pj (t)−dj (t')×(1−t')/(1−t)}/(1−t)であり、これに数量mj (t)を乗じた値が、時点tに購入した銘柄jの期中平残に相当する。これを、すべての期中購入分について集計したのが、(25)式のVbuy である。
j (*) は、期中購入部分をポートフォリオと見なしたときの期中購入銘柄jの投資ウェイトを示しており、下式(30)、(31)、
j (*)=Σt(buy)j (t) …(30)
j (t)={mj (t)×〔pj (t)−dj (t')×(1−t') /(1−t)〕
×(1−t)}/Vbuy …(31)
によって表される。なお、上記符号*の意味は、同一銘柄について期間中に複数回の投資行為を行った場合のそれらの合計を意味する。つまり、銘柄jの購入は期中1回とは限らないので、銘柄jについて期中に購入した分を集計したウェイトが、(30)式のyj (*)となる。
bj'(*)は、購入銘柄jの期中加重平均の修正ディーツ法リターンであって、下式(32)、
bj'(*) =Σt(buy)((yj (t)/yj (*))×rj '(t)…(32)
によって表される。なお、上記yj (*)と同様の考え方により、期中に購入したすべての銘柄jの期間換算リターンrj ' (t)をyj (t)をウェイトとして加重平均した銘柄jのリターンが、(32)式のrbj' (*)となる。
j (*) は、期中売却部分をポートフォリオと見なしたときの期中売却銘柄jの投資ウェイトであって、下式(33)、(34)、
j (*) =Σt(sell) j (t) …(33)
j (t)={mj (t)×〔pj (t)−dj (t')×(1−t') /(1−t)〕
×(1−t)}/Vsell…(34)
によって表される。
sj'(*) は、売却銘柄j の期中加重平均の修正ディーツ法リターンであって、下式(35)、
sj'(*) =Σt(sell) (zj (t)/zj (*))×rj '(t)…(35)
によって表される。
以上、(21)式ないし(35)式を用いれば、(20)式を計算することができる。
(20)式の第一項は資産運用の期初保有分の超過リターン、第二項は期中購入分の超過リターン、第三項は期中売却分の超過リターンをそれぞれ示しており、各超過リターンをセクターティルト効果と銘柄選択効果に要因分解できる重要な特徴を有している。
すなわち、(20)式によれば、第一項から第三項までの期初保有効果と期中購入効果と期中売却効果が、いずれもすでに説明した(12)式の資産別の修正ディーツ法によるリターンrと同じ形を有している。このため、超過リターン(r−R)をセクターティルト効果と銘柄選択効果に要因分解した(14)式のやり方と同様のやり方によって、期初保有分セクターティルト効果と、期初保有分銘柄選択効果と、期中購入分セクターティルト効果と、期中購入分銘柄選択効果と、期中売却分セクターティルト効果と、期中売却分銘柄選択効果を求めることができるのである。
具体的な要因分解の方法について以下に説明する。
(20)式の各超過リターンにおけるポートフォリオ部分のリターンは、銘柄別ウェイトと銘柄別リターンの積を合計したものであって、Σj j ×rj のような形になっているので、これをセクター別リターンに変形する。
ここで、セクターsについてxj を集計したものをxs とし、rj をxj で加重平均して算出したセクターリターンをrs とすると、下式(36)、(37)、
s =Σj j …(36)
s =Σj ((xj /xs )×rj ) …(37)
のようになる。ここで、Σj はセクターsに属するすべての銘柄jについての和を示している。
このとき、Σj j ×rj は、次の(38)式、
Σj j ×rj =Σs s ×Σj ((xj /xs )×rj
=Σs s ×rs …(38)
のように変形することができる。
この方法により、(20)式の第一項ないし第三項を、
期初保有効果=whold×{Σj(hold) j (0)×rj '(0) −R} …(1)
期中購入効果=wbuy ×{Σj(buy)j (*) ×rbj'(*) −R} …(2)
期中売却効果=wsell×{Σj(sell) j (*) ×rsj'(*) −R} …(3)
のようにおくと、上記(1)、(2)、(3)式を、下式(4)〜(9)、
期初保有分セクターティルト効果 =whold×{Σs (xs(hold) −ps )×(Rs −R)} …(4)
期初保有分銘柄選択効果 =whold×{Σs s(hold) ×(rs(hold) −Rs )} …(5)
期中購入分セクターティルト効果 =wbuy ×{Σs (xs(buy)−ps )×(Rs −R)}…(6)
期中購入分銘柄選択効果 =wbuy ×{Σs s(buy) ×(rs(buy)−Rs )}…(7)
期中売却分セクターティルト効果 =wsell×{Σs (xs(sell) −ps )×(Rs −R)}…(8)
期中売却分銘柄選択効果 =wsell×{Σs s(sell) ×(rs(sell) −Rs )}…(9)
に要因分解することができる。
ここで、xs(hold) =Σj,s(hold) j (0)と表すことができ、その式において、j,s(hold) は、セクターsの期初保有分中の銘柄jである。
また、Rsは、セクター・ベンチマーク・インデックス・リターンと呼ばれるものであって、セクターsのベンチマーク・インデックス・リターンである。
また、R=Σs (ps ×Rs )と表すことができ、その式において、ps は、ベンチマークにおけるセクターsのウェイトである。
また、rs(hold) =Σj,s(hold) ((xj(hold) /xs(hold) )×rj '(0))と表すことができる。
また、xs(buy)=Σj,s(buy)j (*)と表すことができる。その式において、j,s(buy) は、セクターsの期中購入分中の銘柄jである。
また、rs(buy)=Σj,s(buy)((yj (*) /xs(buy))×rbj'(*))と表すことができる。
また、xs(sell) =Σj,s(sell) j (*)と表すことができる。その式において、j,s(sell)は、セクターsの期中売却分中の銘柄jである。
また、rs(sell) =Σj,s(sell) ((zj (*) /xs(sell) )×rsj'(*))と表すことができる。
以上が、改良要因分解についてである。なお、改良要因分解についての理解を助けるために、期初保有、期中購入及び期中売却が生じる種々のケースの一例を図8に示す。例えば、ケース1によれば、10月末に株式を保有しているので、11月には期初保有があり、11月には、何も行動していないので、11月では期中購入も期中売却も無く、また、10月からの株式を引き続き11月末の時点でも保有しているので、12月にも期初保有が生じる。また、例えば、ケース4によれば、10月末に株式を保有しているので、11月には期初保有があり、11月には、株式の購入も売却も行ったので、11月には期中購入も期中売却もあり、その売却の結果、11月末の時点では株式が無くなったので、12月には期初保有が無い。また、例えば、ケース7によれば、10月末に株式を保有していないので、11月には期初保有が無く、11月には、株式を購入したが売却を行っていないので、11月では期中購入にあるが期中売却は無く、その結果、11月末の時点で株式を保有しているので、12月には期初保有が生じる。
さて、このような改良要因分解を行いその結果に基づく情報をユーザ(例えば、資産運用の成果を分析する人間)に提供するための資産運用成果分析支援システムとして、例えば、図1に例示するようなシステムが考えられる。
図1は、本実施形態に係る資産運用成果分析支援システムの構成例を示す。
ユーザが使用する端末であるユーザ端末(例えば、パーソナルコンピュータ等の計算機)300と、ユーザに対して資産運用成果分析を支援するためのサーバ313とが、通信ネットワーク351を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク351は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)或いはSAN(Storage Area Network等を採用することができる。
サーバ313は、例えば、複数のデータベース(以下、DB)361〜366と、コントローラ302とを備える。
各DBは、例えば、一以上のディスク型の記憶メディア(例えば、ハードディスク或いはDVD(Digital Versatile Disk))のドライブ(以下、単に「ディスクドライブ」と言う)により構築することができる。複数のDB361〜366のうちの少なくとも一つは、サーバ313の外に備えられ、サーバ313と通信可能に接続されていても良い。その場合、そのDBは、データベースサーバとすることができる。
DB361は、資産運用のための資産の異動の履歴を格納しているDB(以下、異動・残高DB)である。異動の履歴は、例えば、各異動の内容や結果等を表す各異動データと、各期末時点(例えば月末時点)の残高に関する情報を表す期末残高情報とで構成することができる。
異動・残高DB361には、多数の異動データが格納されている。各異動データは、期間別に(例えば月別に)、分けて記憶されても良い。図6Aには、例えば、2005年11月の資産運用に関する各異動データを示す。各異動データには、例えば、異動が行われた日付(異動日)と、異動の種類(例えば、月末残高、購入、売却、或いは利息・配当)と、異動された銘柄(例えば銘柄コード)と、異動内容(例えば、購入或いは売却された株式の数量、その株式の単価、及び、数量と単価とを乗算することにより求まる金額)とが含まれる。また、各異動データには、異動後の残高(例えば残り保有株数)と、時間加重金額(これは、例えば、異動データが格納される際に計算され記録される)と、月末時価と、月末残評価額とのうちの少なくとも移動後の残高が含まれてもよい。各銘柄の残高情報には、Vhold、Vbuy及びVsellのそれぞれに対応する銘柄別基礎情報も含めることもできる。ここで、Vholdの銘柄別基礎情報とは、(24)式の一番外の括弧内の値である。Vbuyの銘柄別基礎情報とは、(25)式のΣ以降の値である。Vsellの銘柄別基礎情報とは、(26)式のΣ以降の値である。
DB362は、属性データを格納しているDB(以下、属性DB)である。属性データには、例えば、図7Aに例示するように、どの銘柄がどんなセクターに属するかが記録されている。銘柄を検索キーに属性DB362を検索することにより、その銘柄の属するセクターを判別することができる。
DB363は、評価用時価データを格納しているDB(以下、評価用時価DB)である。評価用時価データには、例えば、図7Bに例示するように、銘柄(例えば銘柄コード)、日付(年月日)、その日付におけるその銘柄の1株当たりの評価用時価(例えば終値)、及びセクター内ウェイトpsが含まれている。銘柄及び日付を検索キーに評価用時価DB363を検索することで、その銘柄のその日付における評価用時価やセクター内ウェイトpsを取得することができる。
DB364は、利息配当データを格納しているDB(以下、利息配当DB)である。利息配当データには、例えば、図7Cに例示するように、銘柄(例えば銘柄コード)、利息・配当予定日(年月日)、1株当たりの利息・配当の予定金額(以下、利息・配当予定金)が含まれている。銘柄を用いて利息配当DB364を検索することで、その銘柄についていつぐらいにどれだけの利息・配当が入る予定であるかを判別することができる。
DB365は、所定期間毎(例えば、毎日、毎週或いは毎月)のセクターデータを格納しているDB(以下、セクターDB)である。例えば、図6Bに例示するように、セクターデータには、各セクターの日毎及び月毎のR(セクター・ベンチマーク・インデックス・リターン)が記録されている。また、セクターDB365は、所定期間毎のR(ベンチマーク・インデックス・リターン)を格納することもできる。
DB366は、算出結果データを格納するためのDB(以下、算出結果DB)である。算出結果データとは、後述する方法で、指定期間に属する多数の異動データなどを基に算出された結果を表すデータである。算出結果データには、例えば、指定期間と、算出結果とが含まれる。算出結果は、例えば、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期初保有効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中購入効果、期中売却分銘柄選択効果、期中売却分セクターティルト効果、期中売却効果、期中売買効果、銘柄選択効果、セクターティルト効果、及び全体収益率のうちの少なくとも一つである。
コントローラ302は、サーバ313の動作を制御するための装置である。コントローラ302には、通信ネットワークに対するインターフェース装置(以下、I/F)であるネットワークI/F307と、DBを構築している各ディスクドライブに対するI/FであるディスクI/F305と、メモリ311と、プロセッサ309とを備える。メモリ311は、一又は複数の揮発性及び/又は不揮発性のメモリである。メモリ311には、例えば、プロセッサ309のワーク領域や、プロセッサ309に読み込まれて実行されるコンピュータプログラムを記憶するための領域などがある。そのコンピュータプログラムとして、例えば、制御プログラム1がある。
図2は、制御プログラム1の構成例を示す。
制御プログラム1は、例えば、サーバ313のオペレーティングシステム(図示せず)上で動作するアプリケーションプログラムとすることができる。この制御プログラム1は、上述した改良要因分解を行うことができるプログラムであるが、単にその改良要因分解を行えるだけでなく、その改良要因分解を行うための、計算対象期間に関わる全異動データの読出し回数を一回にすることができ、以って、要因分解に要する処理時間長を大幅に短縮することができるように工夫されている。
具体的には、例えば、制御プログラム1は、データ読出し部601と、判別部602と、期初保有効果算出部2aと、期中購入効果算出部2bと、期中売却効果算出部2cと、全体収益率算出部30とを備える。
データ読出し部601は、異動・残高DB361から、計算対象期間に関わるN個の異動データよりも少ないM個の異動データを読み出すことができる。Mの値は、固定値であっても可変値であっても良い。データ読出し部601は、異動データをM個ずつ読み出すことで、N個の異動データを読み出すことができる。
判別部602は、読み出された異動データ内の異動種類を用いて、複数の算出部2a、2b、2cのうちのどの算出部を、その異動データの振分け先とするかを決定し、決定した振分け先に異動データを振分けることができる。
期初保有効果算出部2aは、振り分けられた異動データを用いて期初保有効果を算出することができるサブプログラムである。期初保有効果算出部2aは、銘柄別に期初保有効果を算出することができるモジュール(以下、期初保有分銘柄選択効果算出モジュール)20と、セクター別に期初保有効果を算出することができるモジュール(以下、期初保有分セクターティルト効果算出モジュール)21と、算出された期初保有分銘柄選択効果と期初保有分セクターティルト効果とを積算することにより期初保有効果を算出することができる積算モジュール22とを有する。
期初保有分銘柄選択効果算出モジュール20は、各銘柄について、以下の処理、
・期末株価pj(1)の値、期初数量mj(0)、期初株価pj(0)及び期初の利息・配当金dj(0')を用いて、銘柄別期間リターンrj'(0)を算出すること、
・期初数量mj(0)、期初株価pj(0)及び期初の利息・配当金額dj(0')を用いて、期初部分の時価評価総額Vholdを算出し、Vholdと資産の総平残((V0 +Σt t ×(1−t))とを用いて、期初部分の投資ウェイト(寄与ウェイト)wholdを算出すること、
・期初数量mj(0)、期初株価pj(0)、期初の利息・配当金dj(0')及び上記算出されたVholdを用いて、銘柄別ウェイトxj(0)を算出すること、
・算出されたrj'(0)、whold、xj(0)と、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期初保有分銘柄選択効果を算出すること、
を実行することができる。
期初保有分セクターティルト効果算出モジュール21は、各銘柄について、以下の処理、
・算出されたrj'(0)、whold、xj(0)と、ベンチマーク・インデックス・リターンRと、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期初保有分セクターティルト効果を算出すること、
を実行することができる。
積算モジュール22は、算出された期初保有分銘柄選択効果と期初保有分セクターティルト効果とを積算することにより、期初保有効果を算出することができる。
期中購入効果算出部2bは、振り分けられた異動データを用いて期中購入効果を算出することができるサブプログラムである。期中購入効果算出部2bは、銘柄別に期中購入効果を算出することができるモジュール(以下、期中購入分銘柄選択効果算出モジュール)23と、セクター別に期中購入効果を算出することができるモジュール(以下、期中購入分セクターティルト効果算出モジュール)24と、算出された期中購入分銘柄選択効果と期中購入分セクターティルト効果とを積算することにより期中購入効果を算出することができる積算モジュール25とを有する。
期中購入分銘柄選択効果算出モジュール23は、各銘柄について、以下の処理、
・期中の購入数量mj(t)、期中の購入時の株価pj(t)及び期中の利息・配当金dj(t')を用いて、期中購入部分の時価評価総額Vbuyを算出し、Vbuyと資産の総平残とを用いて、期中購入部分の投資ウェイト(寄与ウェイト)wbuyを算出すること、
・mj(t)、pj(t)、dj(t')及びVbuyを用いて、異動別のウェイトyj(t)を算出し、yj(t)及びVbuyを用いて、銘柄別の加重ウェイトyj(*)を算出すること、
・期末株価pj(1)の値、mj(t)、pj(t)及びdj(t')を用いて、異動別期間リターンrj'(t)を算出し、rj'(t)及びyj(*)を用いて、銘柄別の加重リターンrbj'(*)を算出すること、
・算出されたwbuy、yj(*)、rbj'(*)と、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期中購入分銘柄選択効果を算出すること、
を実行することができる。
期中購入分セクターティルト効果算出モジュール24は、各銘柄について、以下の処理、
・算出されたwbuy、yj(*)、rbj'(*)と、ベンチマーク・インデックス・リターンRと、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期中購入分セクターティルト効果を算出すること、
を実行することができる。
積算モジュール25は、算出された期中購入分銘柄選択効果と期中購入分セクターティルト効果とを積算することにより、期中購入効果を算出することができる。
期中売却効果算出部2cは、振り分けられた異動データを用いて期中売却効果を算出することができるサブプログラムである。期中売却効果算出部2cは、銘柄別に期中売却効果を算出することができるモジュール(以下、期中売却分銘柄選択効果算出モジュール)26と、セクター別に期中売却効果を算出することができるモジュール(以下、期中売却分セクターティルト効果算出モジュール)27と、算出された期中売却分銘柄選択効果と期中売却分セクターティルト効果とを積算することにより期中売却効果を算出することができる積算モジュール28とを有する。
期中売却分銘柄選択効果算出モジュール26は、各銘柄について、以下の処理、
・期中の売却数量mj(t)、期中の売却時の株価pj(t)及び期中の利息・配当金dj(t')を用いて、期中売却部分の時価評価総額Vsellを算出し、Vsellと資産の総平残とを用いて、期中売却部分の投資ウェイト(寄与ウェイト)wsellを算出すること、
・mj(t)、pj(t)、dj(t')及びVsellを用いて、異動別のウェイトzj(t)を算出し、zj(t)及びVsellを用いて、銘柄別の加重ウェイトzj(*)を算出すること、
・期末株価pj(1)の値、mj(t)、pj(t)及びdj(t')を用いて、異動別期間リターンrj'(t)を算出し、rj'(t)及びzj(*)を用いて、銘柄別の加重リターンrsj'(*)を算出すること、
・算出されたwsell、zj(*)、rsj'(*)と、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期中売却分銘柄選択効果を算出すること、
を実行することができる。
期中売却分セクターティルト効果算出モジュール27は、各銘柄について、以下の処理、
・S4Cにおいて算出されたwsell、zj(*)、rsj'(*)と、ベンチマーク・インデックス・リターンRと、その銘柄が属するセクターのベンチマーク・インデックス・リターンRとを用いて、期中売却分セクターティルト効果を算出すること、
を実行することができる。
積算モジュール28は、算出された期中売却分銘柄選択効果と期中売却分セクターティルト効果とを積算することにより、期中売却効果を算出することができる。
全体収益率算出部30は、各算出部2a〜2cによって算出された各効果に基づいて全体収益率を算出することができるサブプログラムである。
以上が、本実施形態に係るサーバ313についての説明である。
ところで、コントローラ302は、上述した異動・残高DB361を、各異動が行われる都度に更新することができる。例えば、或る銘柄についての異動が発生した場合、その銘柄の異動データが異動・残高DB361に追記される。その異動データの残高情報は、その銘柄について既に存在する異動データ(例えば、直前の異動に対応した異動データ)の残高情報と、今回の異動内容とに基づいて、生成することができる。より具体的には、例えば、各異動が行われる都度に、異動された銘柄に対応する銘柄別基礎情報(Vhold、Vbuy及びVsellのそれぞれに対応する銘柄別基礎情報)を更新することができる。以下、或る銘柄について、計算対象期間(例えば或る月)の長さを1とし、計算対象期間の期初の株式数(すなわち、計算対象期間の直前までに保有していた株式数)をQ(Qは1以上の整数)として、具体例を説明する。
(A)Vholdの基礎情報の更新。
コントローラ302は、異動の種類が「利息・配当」の場合、計算対象期間1における異動日(利息・配当が入ってきた日)と、利息・配当金から、(1−0')及びdj(0')を求めることができる。また、mj(0)=Qであることを、計算対象期間の直前の期間の残高情報から求めることができる。また、pj(0)を、計算対象期間の直前日の終値として、評価用時価DB363から求めることができる。故に、(24)式を用いて、Vholdの基礎情報を求め、その直前までのVholdの基礎情報を、その求まった基礎情報に更新し、更新後の基礎情報を、今回の異動データに記録することができる。
(B)Vbuyの基礎情報の更新
コントローラ302は、異動の種類が「購入」の場合、今回の異動日、購入株式数及び買値から、mj(t)、pj(t)及び(1−t)を得ることができる。また、コントローラ302は、購入された銘柄について、計算対象期間に利息・配当が行われるかどうかを調べることができる。例えば、コントローラ302は、計算対象期間に属する複数の異動データの中に、異動の種類が「利息・配当」の異動データがあるかどうか、或いは、利息配当DB364を参照し、計算対象期間内に利息・配当予定日があるかどうかを調べる。その結果、あれば、異動日或いは利息・配当予定日と、利息・配当金或いは利息・配当予定金から、(1−t')及びdj(t')を得ることができる。コントローラ302は、(25)式により、今回の異動の直前までのVbuyの基礎情報、mj(t)、pj(t)及び(1−t)を用いて((1−t')及びdj(t')も得られたのであれば、それらをも用いて)、今回の異動後のVbuyの基礎情報を求めることができる。
(C)Vsellの基礎情報の更新
コントローラ302は、異動の種類が「売却」の場合、今回の異動日、売却株式数及び売値から、mj(t)、pj(t)及び(1−t)を得ることができる。また、コントローラ302は、売却された銘柄について、計算対象期間に利息・配当が行われるかどうかを調べることができる。ここで、例えば、全ての株式が売却されて、少なくとも計算対象期間中に株式が購入されることがない場合、利息・配当としての異動データが存在することはないので、コントローラ302は、利息配当DB364を参照し、計算対象期間内に利息・配当予定日があるかどうかを調べる。その結果、あれば、利息・配当予定日と、利息・配当予定金から、(1−t')及びdj(t')を得ることができる。コントローラ302は、(26)式により、今回の異動の直前までのVsellの基礎情報、mj(t)、pj(t)及び(1−t)を用いて((1−t')及びdj(t')も得られたのであれば、それらをも用いて)、今回の異動後のVsellの基礎情報を求めることができる。
以上のようにして、異動データを追記していく際に、残高情報内の暫定的なVhold、Vbuy及びVsellのそれぞれの銘柄別基礎情報を更新していくことができる。そして、計算対象期間が過ぎた場合に、計算対象期間内における各銘柄の最終の異動データ内のVhold、Vbuy及びVsellの基礎情報を、その計算対象期間におけるVhold、Vbuy及びVsellの銘柄別基礎情報として、それぞれ確定することができる。また、コントローラ302は、その最終の異動データ内のVhold、Vbuy及びVsellの銘柄別基礎情報を、それぞれ、期末残高情報内に含めることができる。
さて、以下、改良要因分解を行うための全異動データの読出し回数を一回とすることができるように工夫された、制御プログラム1が行う処理の流れを説明する。
図3は、制御プログラム1を読み込んで実行するプロセッサ309によって行われる処理の流れの一例を示す。
制御プログラム1を実行するプロセッサ309(以下、便宜上、「制御プログラム1」と記載)は、例えば、資産運用成果の分析の支援の要求をユーザ端末300から受けた場合に、この図3の処理を開始することができる。
制御プログラム1は、異動・残高DB361から所定範囲に属するデータを読み込む(ステップS1)。具体的には、例えば、制御プログラム1のデータ読出し部601は、異動・残高DB361内から、計算対象期間(例えば、ユーザから指定された期間)の直前の期間に対応する異動データ(異動種類が月末残高である異動データ)を読み出す。或いは、制御プログラム1のデータ読出し部601は、計算対象期間内の多数の異動データのうちの一つ以上の異動データを読み出し、メモリ311に蓄積する。
次に、制御プログラム1は、読み出した異動データの異動種類(月末残高、買い或いは売り)を判断し(S2)、判断結果に応じて、S3A及びS4A、S3B及びS4B、又はS3C及びS4Cのいずれを行うかを決める。具体的には、例えば、制御プログラム1の判別部602が、図6Aの一番目の異動データを読んだ場合、異動種類が月末残高であると判断し、その場合には、その異動データを期初保有算出部2aに振り分けることにより、S3A(期初保有分銘柄選択効果に関わる値の更新)とS4A(期初保有分セクターティルト効果に関わる値の更新)が行われるようにすることができる。また、判別部602は、図6Aの二番目の異動データを読んだ場合、異動種類が買いであると判断し、その場合には、その異動データを期中購入算出部2bに振り分けることにより、S3B(期中購入分銘柄選択効果に関わる値の更新)とS4B(期中購入分セクターティルト効果に関わる値の更新)が行われるようにすることができる。さらに、判別部602は、図6Aの三番目の異動データを読んだ場合、異動種類が売りであると判断し、その場合には、その異動データを期中売却算出部2cに振り分けることにより、S3C(期中売却分銘柄選択効果に関わる値の更新)とS4C(期中売却分セクターティルト効果に関わる値の更新)が行われるようにすることができる。制御プログラム1は、読み出された異動データを用いて必要な種類の値をメモリ311上で更新したら、メモリ311に蓄積した異動データをメモリ311から削除することができる。
制御プログラム1は、計算対象期間に属する全ての異動データを読み出したか否かを判断し(S5)、読み出してなければ(S5でNO)、再びS1を行う。制御プログラム1は、異動データを読み出す毎に、上記の処理を繰り返す。
制御プログラム1は、所定範囲に属する全ての異動データを読み終えたと判断した場合(S5でYES)、更新後の各値を用いて、各種算出部2a、2b、2cにより、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果の6種類の効果を算出し、更に、全体収益率算出部30により、それら6種類の効果を合計することによって全体収益率(上記リターンr)を算出する(S6)。
その後、制御プログラム1は、算出された各種効果及び全体収益率を算出結果DB366に書き込んだり(S7)、印刷したりすることができる(S8)。
以上が、制御プログラム1が行うことのできる処理の流れの概要である。なお、S6では、制御プログラム1は、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分セクターティルト効果及び期中売却分セクターティルト効果を加算することにより、セクターティルト効果を算出することもできる。また、制御プログラム1は、期初保有分銘柄選択効果、期中購入分銘柄選択効果及び期中売却分銘柄選択効果を加算することにより、銘柄選択効果を算出することもできる。また、制御プログラム1は、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を加算することにより、期初保有効果を算出することができる。また、制御プログラム1は、期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を加算することにより、期中購入効果を算出することができる。また、制御プログラム1は、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果を加算することで、期中売却効果を算出することができる。さらに、制御プログラム1は、期中購入効果及び期中売却効果を算出することにより、期中売買効果を算出することができる。
さて、以下、上記の処理について、期初保有に関する値を更新する場合と、期中購入に関する値を更新する場合とを例に採り、詳細に説明する。なお、以下では、適宜、具体例を用いるが、その際には、図6A〜図7Cを参照するものとする。従って、計算対象期間を2005年11月とし、直前の期間を2005年10月とする。故に、その2005年11月には、銘柄コード1234しか取引されていないものとし、その直前の10月末までに、銘柄コード1234の株式が全て売却されてしまっており、銘柄コード1234の株式も保有していない状況(要はどの銘柄の株式も保有していない状況)とする。
(a)期初保有に関する値を更新する場合(S1、S2、S3A、S4A、S5)。
例えば、制御プログラム1は、計算対象期間の直前の期間に対応する残高データ(図6Aで言えば、異動日「2005/10/31」・異動種類「月末残高」の異動データ)を読み出した場合、所属は期初保有であると決定し、S3A及びS4Aを行う。図4に、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出するために必要な代表的な式を示している。
制御プログラム1は、読み出した残高データから、銘柄、保有株式数mj(0)及び株価pj(0)を取得し、取得した銘柄、保有株式数mj(0)及び株価pj(0)を、メモリ311に書く。図6Aの例によれば、銘柄コード1234、mj(0)=0、pj(0)=950であることが書かれる。
また、制御プログラム1は、取得された銘柄コードを検索キーに、計算対象期間に属する利息・配当予定日を利息配当DB364から検索する。該当銘柄が見つかった場合、制御プログラム1は、利息・配当予定日を利息配当DB364から取得し、計算対象期間と利息・配当予定日とから、(1−0')を求め、メモリ311に書く。また、制御プログラム1は、利息・配当予定金dj(0')を利息配当DB364から取得し、メモリ311に書く。図6A及び図7Cの例によれば、銘柄コード1234の利息・配当予定日は2005年6月30日であり、計算対象期間である2005年11月には属しないので、利息・配当予定日や利息配当予定金は書かれない。
また、制御プログラム1は、上記取得された残高データの銘柄コード及び異動日を検索キーに、2005年11月の期末の株価pj(1)を取得し、メモリ311に書く。図6Aの例によれば、異動データに、評価用時価DB363に記録される月末時価が記録されているので、評価用時価DB363を参照する必要が無く、銘柄コード1234の株価pj(1)として、1120がメモリ311に記録される。
制御プログラム1は、メモリ311に書かれたmj(0)(=0)、pj(0)(=950)、(1−0')(=無し)、dj(0')(=無し)及びpj(1)(=1120)を用いて、(28)及び(29)式により、rj'(0)を算出し、算出されたrj'(0)をメモリ311に書く。具体的には、170/950≒0.18と算出され、rj'(0)=0.18がメモリ311に書かれる。
さらに、制御プログラム1は、メモリ311に書かれたmj(0)、pj(0)、(1−0')及びdj(0')を用いて、(24)式により、Vholdの基礎情報(以下、Vhold基礎情報)を求め、Vhold基礎情報を、メモリ311に書くこともできる。それに代えて、制御プログラム1は、この計算対象期間に対応するVhold基礎情報(例えば、この期間における最終の異動データに書かれている情報)を異動・残高DB361から取得し、取得したVhold基礎情報をメモリ311に書いても良い。ここでは、例えば、銘柄コード1234について言えば、mj(0)=0、pj(0)=950なので、Vhold基礎情報は、0となるが、もし、別例として、mj(0)=1,000であれば、1,000×950で、Vhold基礎情報は950,000となる。
制御プログラム1は、S1〜S5の繰り返しにより、別の銘柄についても、mj(0)、pj(0)、Vhold基礎情報、rj'(0)等を取得することになる。その場合、制御プログラム1は、銘柄別に、それらの情報をメモリ311に書くことができる。制御プログラム1は、S5でYESになった場合、(16)式により、Vを算出し(或いは、期末残高情報中の各銘柄別の保有数及び株価に基づいて、Vを取得し)、得られたVをメモリ311に書くことができる。また、制御プログラム1は、S5でYESになった場合、(24)式により、メモリ311に書かれている全ての銘柄のVhold基礎情報を加算して、Vholdを算出し、それをメモリ311に書くことができる。ここで、図6Aの例によれば、mj(0)=0であり、10月末の時点は何の株式も保有していないため、VもVholdも0となるが、何らかの株式を10月末の時点で保有していれば、VもVholdも0にはならない。
制御プログラム311は、各銘柄別のVhold基礎情報とVholdを用いて、(27)式により、各銘柄別に、xj(0)を求め、メモリ311に書くことができる。ここで、銘柄コード1234のVhold基礎情報もVholdも0であり、10月末の時点は何の株式も保有していないため、xj(0)も0となるが、もし、例えばmj(0)=1,000であれば、Vhold基礎情報は前述の通り950,000となり、銘柄コード1234のみ保有しているとなると、Vholdも950,000となるので、xj(0)は、950,000/950,000=1となる。
また、制御プログラム1は、S1〜S5の繰り返しにより、異動データを取得する都度に、異動データ内の異動日、異動種類、異動内容(株式数及び株価、或いは、利息・配当金)を用いて、資産の総平残(V0+Σtt×(1−t))をメモリ311上で更新することができる。S5でYESになった場合、制御プログラム1は、メモリ311に書かれている更新後の資産の総平残とVholdとを用いて、(21)式により、wholdを算出し、算出されたwholdをメモリ311に書くことができる。なお、資産の総平残(V0+Σtt×(1−t))を算出するための値(特にΣtt×(1−t))は、判別部602から振分けられた異動データを受けた期初保有効果算出部2a、期中購入効果算出部2b及び期中売却効果算出部2cが更新することができる。図6Aの例によれば、銘柄コード1234について、異動種類「買い」が時間加重金額「1,266,667」でり、異動種類「売り」が時間加重金額「183,333」であるため、Σtt×(1−t)は、1,266,667−183,333=1,083,334となる。故に、資産の総平残は、0(=V0)+1,083,334(=Σtt×(1−t))=1,083,334となる。Vholdは0なので、wholdは、0/1,083,334=0となる。なお、例えば、Vholdが前述の通り950,000だとしたら、950,000/1,083,334≒0.877となり、whold=0.877がメモリ311に書かれる。
また、制御プログラム1は、所定のタイミングで(例えば、残高データや異動データを取得したとき)、取得されたデータ内の銘柄に対応するセクターを属性DB362から判別する。制御プログラム1は、判別されたセクターに関するxs(hold)を、そのセクターに属する各銘柄のxj (0)を用いて算出し、算出されたxs(hold)をメモリ311に書くことができる。その結果、S5でYESになれば、全てのセクターについてのxs(hold)がメモリ311に書かれていることになる。ここで、銘柄コード1234が所属するセクターは、図7Aの例によれば、電気機器である。上記の例では、銘柄コード1234の株式すら保有されていないので、xs(hold)は、xj(0)と同じ0となるし、別の例の通りxj(0)=1であれば、xs(hold)もそれと同じく1である。
また、制御プログラム1は、判別されたセクターのR及びpや、Rを、セクターDB365や評価用時価DB363から取得し、取得されたR、p及びRを、メモリ311に書く。図6B、図7Bの例によれば、Rとして、2005/11/30の月次INDEXの5.518が書かれ、pとして、2005/11/30の0.000853723が書かれ、Rとして、図示しない例えば4.000という数値が書かれる。
制御プログラム1は、メモリ311に書かれたwholdや、各セクターのxs(hold)、rs(hold)、R及びpとRを用い、(4)及び(5)式により、S6で、期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出し、メモリ311に書くことができる。wholdが上記例の通り0となれば、(4)式及び(5)式によれば、期初保有分セクターティルト効果も期初保有分銘柄選択効果も0となる。しかし、mj(0)=1,000とした別の例によれば、whold=0.877であり、銘柄コード1234しか株式を保有していないので、xs(hold)=1となり、故に、rs(hold)=(1/1)×0.18=0.18となる。R=5.518、p=0.000853723、R=4.000なので、期初保有分セクターティルト効果は、0.877×(約0.991×1.518)=約1.330となり、期初保有分銘柄選択効果は、0.877×(1×−5.338)=約−4.681となる。
(b)期中売却に関する値を更新する場合(S1、S2、S3B、S4B、S5)。
制御プログラム1は、異動種類が購入である異動データ(図6Aで言えば、異動日「2005/11/11」・異動種類「買い」の異動データ)を読み出した場合、所属は期中購入であると決定し、S3B及びS4Bを行う。図5に、期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を算出するために必要な代表的な式を示している。
制御プログラム1は、読み出した異動データから、銘柄、購入株式数mj(t)及び買値pj(t)を取得し、取得した銘柄、保有株式数mj(t)、株価pj(t)、及び、異動日に基づく(1−t)を、メモリ311に書く。図6Aの例によれば、銘柄コード1234、mj(t)=2,000、pj(t)=1,000、(1−t)≒0.633であることが書かれる。
また、制御プログラム1は、取得された銘柄コードを検索キーに、計算対象期間に属する利息・配当予定日(又は利息・配当の異動日)を利息配当DB364(又は異動・残高DB361)から検索する。検索ヒットした場合、制御プログラム1は、利息・配当予定日を利息配当DB364から取得し(又は検索ヒットした異動データを異動・残高DB361から取得し)、計算対象期間と利息・配当予定日(又は異動日)とから、(1−t')を求め、メモリ311に書く。また、制御プログラム1は、利息・配当予定金(又は利息配当金)dj(t')を利息配当DB364(又は取得された異動データ)から取得し、メモリ311に書く。図6A及び図7Cの例によれば、銘柄コード1234の利息・配当予定日は2005年6月30日であり、計算対象期間である2005年11月には属しないので、利息・配当予定日や利息配当予定金は書かれない。
また、制御プログラム1は、上記取得された銘柄コード及び異動日を検索キーに、2005年11月の期末の株価pj(1)を取得し、メモリ311に書く(S3A及びS4Aの処理により、既にかかれていれば、この処理は行わなくても良い)。銘柄コード1234の株価pj(1)は、1120である。
制御プログラム1は、メモリ311に書かれたmj(t)(=2,000)、pj(t)(=1,000)、(1−t)(=0.633)、(1−t')(=無し)、dj(t')(=無し)及びpj(1)(=1120)を用いて、(28)及び(29)式により、rj'(t)を算出し、算出されたrj'(t)をメモリ311に書く。rj(t)=120/1000=0.12となるので、rj'(t)=0.12/0.633≒0.190となる。
さらに、制御プログラム1は、メモリ311に書かれたmj(t)(=2,000)、pj(t)(=1,000)、(1−t)(=0.633)、(1−t')(=無し)及びdj(t')(=無し)を用いて、(25)式により、Vbuyの暫定的な基礎情報を更新し、更新後のVbuyの暫定的な基礎情報を、メモリ311に書くこともできる。この情報は、一つの銘柄についての異動データが全て読み出された場合に、Vbuy基礎情報として確定する。また、S5でYESになった場合に、(25)式により、Vbuyそれ自体を算出し、メモリ311に書くことができる。なお、制御プログラム1は、この計算対象期間に対応する書各銘柄別のVbuy基礎情報(例えば、この期間における最終の異動データに書かれている情報)を異動・残高DB361から取得し、取得したVbuy基礎情報をメモリ311に書いても良い。ここで、銘柄コード1234のVbuy基礎情報は、2,000×1,000×0.633=1,266,000となる。銘柄コード1234以外の株式は保有されていないため、Vbuyは、1,266,000となる。
制御プログラム311は、各銘柄別のVbuy基礎情報とVbuyを用いて、(31)式により、各銘柄別に、yj(t)を求め、メモリ311に書くことができる。また、制御プログラム311は、各銘柄のyj(t)を用いて、(30)式により、yj(*)を求め、それを、メモリ311に書くことができる。Vbuy基礎情報は前述の通り1,266,000となり、銘柄コード1234のみ保有しているため、Vbuyも1,266,000であるので、銘柄コード1234のyj(t)は、1,266,000/1,266,000=1となり、故に、yj(*)も1となる。
また、制御プログラム1は、S1〜S5の繰り返しにより、異動データを取得する都度に、異動データ内の異動日、異動種類、異動内容(株式数及び株価、或いは、利息・配当金)を用いて、資産の総平残(V0+Σtt×(1−t))をメモリ311上で更新することができる。S5でYESになった場合、制御プログラム1は、メモリ311に書かれている更新後の資産の総平残とVbuyとを用いて、(22)式により、wbuyを算出し、算出されたwbuyをメモリ311に書くことができる。ここで、期初保有で説明した例によれば、Σtt×(1−t)は、1,266,667−183,333=1,083,334となるので、資産の総平残は、0(=V0)+1,083,334(=Σtt×(1−t))=1,083,334となり、Vbuyは1,266,000なので、wbuyは、1,266,000/1,083,334≒1.169となる。
また、制御プログラム1は、メモリ311に書かれた各銘柄のyj(*)(=1)、rj'(t)(=0.190)及びyj(t)(=1)を用いて、(32)式により、rbj'(*)を算出し、メモリ311に書くことができる。rbj'(*)は、0.190となる。
また、制御プログラム1は、所定のタイミングで(例えば、異動・残高DB361のデータを読み込んだとき)、取得されたデータ内の銘柄に対応するセクターを属性DB362から判別する。制御プログラム1は、判別されたセクターに関するxs(buy)を、そのセクターに属する各銘柄のyj(*)を用いて算出し、算出されたxs(buy)をメモリ311に書くことができる。その結果、S5でYESになれば、全てのセクターについてのxs(buy)がメモリ311に書かれていることになる。制御プログラム1は、メモリ311に書かれている同一のセクターsに属する全銘柄のyj(*)、xs(buy)及びrbj'(*)を用いて、各セクター別に、rs(buy)を算出し、メモリ311に書くことができる。ここで、銘柄コード1234が所属するセクターは、図7Aの例によれば、電気機器である。上記の例では、銘柄コード1234の株式のみ保有されているので、rs(buy)は、rbj'(*)と同じ0.190となる。また、xs(buy)は、yj(*)と同じ1となる
また、制御プログラム1は、判別されたセクターのR及びpや、Rを、セクターDB365や評価用時価DB363から取得し、取得されたR、p及びRを、メモリ311に書く。図6B、図7Bの例によれば、Rとして、2005/11/30の月次INDEXの5.518が書かれ、pとして、2005/11/30の0.000853723が書かれ、Rとして、図示しない例えば4.000という数値が書かれる。
制御プログラム1は、メモリ311に書かれたwbuy(=1.169)や、各セクターのxs(buy)(=1)、rs(buy)(=0.190)、R(=5.518)及びp(=0.000853723)とR(=4.000)とを用い、(6)及び(7)式により、S6で、期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を算出し、メモリ311に書くことができる。上記の例によれば、期初保有分セクターティルト効果は、1.169×(約0.991×1.518)=約1.759となり、期初保有分銘柄選択効果は、1.169×(1×−5.328)=約−6.228となる。
以上が、図3の処理についての詳細な説明の具体例である。なお、期中売却に関する値を更新する場合については詳細には説明しないが、それについては、期中購入に関する値を更新する場合についての説明を読めば、理解することができる。その際、売却した分について、利息・配当としての異動データは無いので、売却の異動データを取得した場合、その銘柄に対応した利息・配当予定日及び利息・配当予定金を利息配当DB364から取得し、メモリ311に書いておくことができる。
以上が、本実施形態についての説明である。
上述した実施形態によれば、異動データが読み出される都度に、異動データ中の異動種類から、どの算出部2a、2b、2cに振り分けるかが判別され、振り分けられた異動データを受けた算出部2a、2b、2cが、必要な種類の値をメモリ311上で更新する。これにより、計算対象期間に関わる全ての異動データが読み出されて更新が終了したならば、改良要因分解による各種効果を算出するのに必要な値が全て準備される。故に、改良要因分解のための全異動データの読出しの回数を一回にすることができる。
異動・残高DB361は、一般に、一以上のディスクドライブにより構築されることにある。異動データの読み込みが行われるということは、いわゆるディスクI/Oが発生するということである。ディスクI/Oに要する時間長は、プロセッサ309によって行われる各種計算に要する時間よりも長い。このため、ディスクI/Oが発生する回数を最小限の数にすることができれば、計算対象期間が入力されてから上記各種効果や全体収益率が計算されるまでの全体の時間長を短縮することができる。従って、本実施形態によれば、計算対象期間に関わる全異動データの読出しの回数が一回で済むので、ディスクI/Oの回数を最小限に抑えることができ、以って、改良要因分解に要する時間長を短縮することができる。
この点は、過去の異動データに訂正が生じた場合にも非常に効果がある。過去の異動データに訂正が生じた場合には訂正後の異動データを用いて改良要因分解を行う必要があるが、上記のように、改良要因分解のための全異動データの読出しの回数を一回にすることができれば、訂正後の異動データを用いた再度の改良要因分解に要する時間長も短縮することができる。これは、異動データに訂正が生じて改良要因分解をやり直す回数が多いほど有効であると考えられる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
例えば、制御プログラム1は、S1〜S5のループでは、或る銘柄の異動データを連続して読み、その次に、別の銘柄の異動データを連続して読んでいくこともできる。具体的には、例えば、制御プログラム1は、或る銘柄に属する異動データの取得の要求を表すSQL(Structured Query Language)も異動・残高DB361に送ることができる。制御プログラム1は、同様にして、同一のセクターに属する銘柄の異動データを連続して読み、そのセクターに属する全ての異動データを読んだ後、別のセクターに属する銘柄の異動データを連続して読むことができる。
また、例えば、制御プログラム1は、S1〜S5のループにおいて、まず、計算対象期間に属する利息・配当の異動データ(自分が持っているファンドの利息・配当)を読み、その後で、他の異動データを読んでいっても良い。
本発明の一実施形態に係る資産運用成果分析支援システムの構成例を示す。 制御プログラム1の構成例を示す。 制御プログラム1を読み込んで実行するプロセッサ309によって行われる処理の流れの一例を示す。 期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出するために必要な代表的な式を示す。 期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を算出するために必要な代表的な式を示す。 図6Aは、異動・残高DBに格納される各異動データの一例を示す。図6Bは、セクターDBの各セクターデータの一例を示す。 図7Aは、属性DB362を構成する各属性データの一例を示す。図7Bは、評価用時価DB363を構成する各評価用時価データの一例を示す。図7Cは、利息配当DB364を構成する各利息配当データの一例を示す。 期初保有、期中購入及び期中売却がそれぞれ発生するケースを説明するための図。
符号の説明
1…制御プログラム 2a…期初保有効果算出部 2b…期中購入効果算出部 2c…期中売却効果算出部 309…プロセッサ 311…メモリ 361…異動・残高DB 362…属性DB 363…評価用時価DB 364…利息配当DB 365…セクターDB whold…期中の資産平残に占める期初保有分の投資ウェイト wbuy…期中の資産平残に占める期中購入分の投資ウェイト wsell…期中の資産平残に占める期中売却分の投資ウェイト xj (0)…期初保有銘柄jの期初投資ウェイト rj '(0)…期初保有銘柄jを期末まで保有した場合の修正ディーツ法リターン R…ベンチマーク・インデックス・リターン yj (*)…期中購入部分をポートフォリオと見なしたときの期中購入銘柄jの投資ウェイト rbj'(*)…購入銘柄jの期中加重平均の修正ディーツ法リターン zj (*)…期中売却部分をポートフォリオと見なしたときの期中売却銘柄jの投資ウェイト rsj'(*)…売却銘柄j の期中加重平均の修正ディーツ法リターン xs(hold)…セクターごとの期初保有資産の期初投資ウェイト Rs…セクター・ベンチマーク・インデックス・リターン ps…ベンチマークにおけるセクターsのウェイト xs(buy)…セクターsの期中購入資産の投資ウェイト xs(sell)…セクターsの期中売却資産の投資ウェイト rs(hold) …セクターsの期初保有資産による修正ディーツ法リターン rs(buy) …セクターsの期中購入資産による修正ディーツ法リターン rs(sell) …セクターsの期中売却資産による修正ディーツ法リターン

Claims (7)

  1. 資産の流入或いは流出に関する情報が記述された多数の異動データが記憶されている記憶装置の中から、計算対象期間に関わる異動データの数よりも少ない数の異動データを読み出す読出し手段と、
    読み出された異動データ中の所定のデータ要素から、その異動データが期初保有、期中購入及び期中売却のいずれの要因種別に属するかを判別する判別手段と、
    資産運用の成果の要因分解に必要な複数種類の値のうち、前記判別の結果に対応した種類の値を、所定の記憶領域上で更新し、前記計算対象期間に関わる総ての異動データを用いて更新された後の種々の値に基づいて、資産運用の成果の要因分解を行う要因分解手段と、
    前記要因分解の結果に基づく情報を出力する出力手段と
    を備え、
    前記要因分解を行うとは、前記資産運用の成果を、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果に分解することであり、
    前記読出し手段による読出し、前記判別手段による判別、及び前記要因分解手段による更新を繰り返し行うことで、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、それにより、前記要因分解を行うための前記全ての異動データの読出しの回数を一回にすることができたことを特徴とする、
    資産運用成果分析支援システム。
  2. 前記要因分解手段は、
    期初保有分銘柄選択効果及び期初保有分セクターティルト効果を算出する期初保有算出部と、
    期中購入分銘柄選択効果及び期中購入分セクターティルト効果を算出する期中購入算出部と、
    期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果を算出する期中売却算出部と
    を有し、
    前記判別手段は、前記要因分解手段における複数の算出部のうち、前記判別された要因種別に対応する算出部に、前記読み出された異動データを振分け、
    前記振り分けられた異動データを受けた算出部が、自分が担当する各効果を算出するのに必要な所定の種類の値を更新し、
    それにより、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、前記要因分解を行うための、前記全ての異動データの読出しの回数を、一回にすることができたことを特徴とする、請求項1記載の資産運用成果分析支援システム。
  3. 前記異動データには、異動日、異動の種類、異動した株式の銘柄及び異動内容が含まれており、
    前記判別手段は、前記異動データに含まれている異動の種類に対応する要因種別を判別し、
    前記要因分解手段は、前記要因分解に必要な銘柄別及び/又はセクター別の所定種類の値と資産の総平残とを、前記読み出された異動データ中の異動日、異動銘柄、及び異動内容のうちの少なくとも一つを用いて、前記必要な種類の値を前記記憶領域上で更新する、
    請求項1記載の資産運用成果分析支援システム。
  4. 各異動データには、異動後の残高に関する情報を表す残高情報が含まれており、
    前記残高情報には、期初保有分の時価評価額を算出するための第一の基礎情報と、期中購入分の時価評価額を算出するための第二の基礎情報と、期中売却分の時価評価額を算出するための第三の基礎情報とが含まれており、
    前記第一乃至第三の基礎情報の各々は、それを含む異動データの銘柄に対応した基礎情報であり、
    前記記憶装置に新たに異動データを追記する場合に、その新たな異動データに含める前記第一乃至第三の基礎情報を、それぞれ、その新たな異動データの銘柄と同一の銘柄の既に存在する異動データ中の前記第一乃至第三の基礎情報と、その新たな異動データ内の異動の種類及び異動内容とに基づいて算出し、算出された第一乃至第三の基礎情報を前記新たな異動データに含めて前記記憶装置に格納する手段を更に有する、
    請求項1記載の資産運用成果分析支援システム。
  5. 異動データが読み出される都度に、読み出された異動データを前記記憶領域に書く手段と、
    前記記憶領域に書かれた異動データを用いた更新が終了する都度に、その更新に用いられた異動データを前記記憶領域から削除する手段と
    を更に備える請求項1記載の資産運用成果分析支援システム。
  6. 資産の流入或いは流出に関する情報が記述された多数の異動データが記憶されている記憶装置の中から、計算対象期間に関わる異動データの数よりも少ない数の異動データを読み出す読出しステップと、
    読み出された異動データ中の所定のデータ要素から、その異動データが期初保有、期中購入及び期中売却のいずれの要因種別に属するかを判別する判別ステップと、
    資産運用の成果の要因分解に必要な複数種類の値のうち、前記判別の結果に対応した種類の値を、所定の記憶領域上で更新するステップと、
    前記計算対象期間に関わる全ての異動データを用いて更新された後の種々の値に基づいて、資産運用の成果の要因分解を行うステップと、
    前記要因分解の結果に基づく情報を出力するステップと
    を有し、
    前記要因分解を行うとは、前記資産運用の成果を、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果に分解することであり、
    前記読出しステップによる読出し、前記判別ステップによる判別、及び前記更新ステップによる更新を繰り返し行うことで、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、それにより、前記要因分解を行うための前記全ての異動データの読出しの回数を一回にすることができたことを特徴とする、
    資産運用成果分析支援方法。
  7. 資産の流入或いは流出に関する情報が記述された多数の異動データが記憶されている記憶装置の中から、計算対象期間に関わる異動データの数よりも少ない数の異動データを読み出す読出しステップと、
    読み出された異動データ中の所定のデータ要素から、その異動データが期初保有、期中購入及び期中売却のいずれの要因種別に属するかを判別する判別ステップと、
    資産運用の成果の要因分解に必要な複数種類の値のうち、前記判別の結果に対応した種類の値を、所定の記憶領域上で更新するステップと、
    前記計算対象期間に関わる全ての異動データを用いて更新された後の種々の値に基づいて、資産運用の成果の要因分解を行うステップと、
    前記要因分解の結果に基づく情報を出力するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記要因分解を行うとは、前記資産運用の成果を、期初保有分銘柄選択効果、期初保有分セクターティルト効果、期中購入分銘柄選択効果、期中購入分セクターティルト効果、期中売却分銘柄選択効果及び期中売却分セクターティルト効果に分解することであり、
    前記読出しステップによる読出し、前記判別ステップによる判別、及び前記更新ステップによる更新を繰り返し行うことで、前記全ての異動データを用いて更新された、前記要因分解を行うために必要な種類の値を準備し、それにより、前記要因分解を行うための前記全ての異動データの読出しの回数を一回にすることができたことを特徴とする、
    コンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
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