JP2007177773A - 斜板式圧縮機 - Google Patents

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Yasuhiro Kondo
靖裕 近藤
Miyo Mochizuki
美代 望月
Kazunori Yoshida
一徳 吉田
Shuzo Mita
修三 三田
Takahiro Hoshida
隆宏 星田
Takayuki Kato
崇行 加藤
Akira Nakamoto
昭 中本
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Abstract

【課題】ピストン本体側球面軸受部とシューとの間の放熱を促進でき、シューと斜板との間の摺動部に良好な油膜を形成できて、耐焼き付き性を向上できる斜板式圧縮機の提供を課題とする。
【解決手段】回転する駆動軸12に傾斜角度を変更可能に取り付けられる斜板16と、ピストン本体22と、ピストン本体22との間に斜板16を遊挿可能な空隙を形成するピストン底部24とを有し、斜板16の回転により駆動軸12の軸方向に往復動されるピストン20と、略半球状に一対で構成され、その平面部36B、38B間に斜板16が挿入されるシュー36、38と、ピストン本体22側に形成され、シュー36の球面部36Aを摺動可能に支持する本体側球面軸受部26と、を備えた斜板式圧縮機10において、ピストン本体22の周面部22Aと本体側球面軸受部26との間の面23に、その表面積を増大させる凹部32及び凸部34、35からなるフィン30を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変容量型の斜板式圧縮機に関する。
従来から、圧縮機の一種として、吐出容量を適宜変更できる可変容量型の斜板式圧縮機が知られている。この斜板式圧縮機は、駆動軸の回転が角度可変構造を有する斜板に伝達され、斜板周縁部の両面側に配置された一対の半球状のシューを、ピストンの球面軸受部で摺動可能に支持することにより、斜板の回転がピストンの往復動に変換される構造のものである。なお、ピストンの球面軸受部は、ピストン本体と、ピストン本体から延設されたピストン底部に形成される。
また、ピストンには、斜板の回転に伴って自転しないように、ハウジングの内壁面に係合する回転阻止部が、ピストン底部の外面に形成されている。したがって、ピストンの往復動により、その回転阻止部には摩擦熱が発生する。そのため、従来では、回転阻止部に連設するピストン底部の端面(球面軸受部の裏面)域に、放熱及び油供給用のフィン形状を形成し、その回転阻止部の放熱を促進して(発熱量を低減して)、圧縮機の寿命の向上を図ることが提案された(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この構成では、ピストン底部に形成された球面軸受部の冷却効果は認められても、ピストン本体に形成された球面軸受部の冷却効果は認められない。すなわち、斜板から加えられる負荷は、ピストン本体側球面軸受部の方が、ピストン底部側球面軸受部よりも大きい。したがって、ピストン本体側球面軸受部とシューとの間に摩擦熱が発生し、その摺動面が高温になって焼き付くおそれがあるが、上記のような構成では、ピストン本体側球面軸受部に発生する摩擦熱を低減することができないため、実際には圧縮機の寿命を向上させることが困難になる。
通常の斜板式圧縮機のピストンでは、負荷の大きいピストン本体側(圧縮方向側)のシューと斜板との間の摺動による発熱と、作動流体の圧縮による発熱により、ピストン本体側球面軸受部付近の温度が最も高くなる。したがって、実際には、最初にピストン本体側球面軸受部とシューとの間の潤滑特性が悪化して、その球面軸受部が焼き付き、その後、その影響でシューと斜板との間の摺動部の潤滑特性が悪化して、その摺動部が焼き付きを起こす場合が多い。圧縮機の信頼性向上には、シューと斜板との間の摺動部に良好な油膜を形成させ、焼き付きを阻止することが重要なポイントとなる。
また、簡便な構造で、かつ安価に、ピストンの円滑な往復動を確保することを目的として、ピストン本体に、斜板の回転方向に沿って貫通する貫通部を形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このピストンは、軽量化効果を狙ったものであり、その構成と作用から判断して、ピストン本体側球面軸受部の冷却効果は認められない。このように、従来から、圧縮機の冷却や軽量化を目的として種々の構成が提案されているが、ピストン本体側球面軸受部の冷却を目的とした構造は未だ見当たらない。
特開2003−139051号公報 特開平9−203378号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、耐焼き付き性に最も配慮するべきピストン本体側球面軸受部とシューとの間の放熱を促進でき、それによって、シューと斜板との間の摺動部に良好な油膜を形成できて、耐焼き付き性(信頼性)を向上できる斜板式圧縮機を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の斜板式圧縮機は、回転する駆動軸に傾斜角度を変更可能に取り付けられる斜板と、ピストン本体と、該ピストン本体から延設され、該ピストン本体との間に前記斜板を遊挿可能な空隙を形成するピストン底部とを有し、前記斜板の回転により前記駆動軸の軸方向に往復動されるピストンと、略半球状に一対で構成され、その平面部間に前記斜板が挿入されるシューと、前記ピストン本体側に形成され、前記シューの一方の球面部を摺動可能に支持する本体側球面軸受部と、前記ピストン底部側に形成され、前記シューの他方の球面部を摺動可能に支持する底部側球面軸受部と、を備えた斜板式圧縮機において、前記ピストン本体の周面部と前記本体側球面軸受部との間の面に、その表面積を増大させる凹部又は凸部、もしくは凹部及び凸部を形成したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ピストン本体側球面軸受部の周囲に、空間への放熱を促進できる凹部又は凸部、もしくは凹部及び凸部を形成したので、その球面軸受部とシューとの間の摺動摩擦に起因する潤滑油の温度上昇を緩和・低減できる。これにより、シューと斜板との間の摺動部に良好な油膜を形成することができるため、耐焼き付き性(信頼性)を向上することができる。また、この凹凸形状は、ピストンの軸方向の弾性変形を抑制するリブ構造として作用し、更に、この凹凸形状により、ピストンの軽量化を図ることができる。
また、請求項2に記載の斜板式圧縮機は、請求項1に記載の斜板式圧縮機において、前記凹部の形状が、前記本体側球面軸受部に向かって凹となる形状とされていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、凹部が、ピストン本体側球面軸受部に潤滑油を供給するための流路を兼ねるようになるため、ピストンが往復動する際に生じる作動流体及び潤滑油の流れをピストン本体側球面軸受部の摺動面に好適に誘導することができる。したがって、潤滑油の冷却のみならず、潤滑油の効果的な供給を実現できる。
また、請求項3に記載の斜板式圧縮機は、請求項1又は請求項2に記載の斜板式圧縮機において、前記ピストンが鋳造によって製造され、前記凹部及び前記凸部が鋳造時の分割面に対して略垂直に延在していることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、ピストンを鋳造して製造する際に、凹部及び凸部をピストンと一体で形成することができる。したがって、製造コストの増加を防止することができる。
以上のように、本発明によれば、耐焼き付き性に最も配慮するべきピストン本体側球面軸受部とシューとの間の放熱を促進でき、それによって、シューと斜板との間の摺動部に良好な油膜を形成できて、耐焼き付き性(信頼性)を向上できる斜板式圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1は可変容量型斜板式圧縮機10の構造を示す概略側断面図である。まず最初に、圧縮機10の全体構成について説明し、次いで、本発明に係るピストン20の構成について詳細に説明する。図1で示すように、圧縮機10には駆動軸12が設けられている。駆動軸12は、例えば車のエンジン(図示省略)などから駆動力が伝達されて回転する。
圧縮機10の内部には駆動室14が形成されており、その駆動室14内において、円形状の斜板16が駆動軸12に相対回転不能かつ傾斜角変更可能に取り付けられている。すなわち、斜板16は、駆動軸12が回転することにより、所定角度傾斜した状態のまま回転するようになっている。なお、駆動軸12に対する斜板16の傾斜角度は、所望とする圧力に応じて変更自在になっており、以下、駆動軸12に対して直交する状態に近づくことを「斜板16が立つ」と言い、駆動軸12に対して平行に近づくことを「斜板16が寝る」と言う。
斜板16は、その周縁部16Aにおいて、一対の可動シュー36、38を介してピストン底部24と連結されている。ピストン20は、駆動軸12の周りに複数本配置されており(図では1本のみ示す)、複数個のシリンダーボア18内にて、図1の左右方向にスライド可能に挿入されている。複数個のシリンダーボア18の円周方向の位置は圧縮機10のハウジング11によって固定されている。なお、ピストン20の構成については後述する。
斜板16が傾斜して駆動軸12と共に回転すると、円周方向について固定されたピストン20に対して、斜板16の周縁部16Aが滑っていく。斜板16の周縁部16Aが最もピストン本体22側に傾いた状態のとき(図1で示す状態のとき)、ピストン20はシリンダーボア18内に最も深く挿入されている。斜板16の周縁部16Aが最もピストン底部24側に傾いた状態のとき(図示の状態から駆動軸12が180度回転したとき)、ピストン20はシリンダーボア18内から最も大きく抜き出されている。つまり、駆動軸12が1回転することにより、各ピストン20は各シリンダーボア18内で左右方向に1往復する。
ピストン20が最も深く挿入されたときに、ピストン本体22の端面が当接する各シリンダーボア18の底部18Aには、吸入孔40と吐出孔50が設けられている。そして、吸入孔40に対して吸入弁42が対応配置され、吐出孔50に対して吐出弁52が対応配置されている。各吸入孔40は吸入室44に連通し、各吐出孔50は吐出室54に連通している。斜板16によってピストン20が図中左方向に移動する場合には、作動流体は吸入口46から吸入室44・吸入孔40・吸入弁42を介してシリンダーボア18内に導入される。次いで、斜板16によってピストン20が図中右方向に移動する場合には、吸入された作動流体は圧縮されて高圧状態とされ、吐出孔50・吐出弁52・吐出室54を介して吐出口56から吐出される。
この圧縮機10の吐出容量は、ピストン20のストローク量によって定められる。ピストン20のストローク量は、斜板16の傾斜角度によって定められる。斜板16が寝るほど、ピストン20のストローク量は大きくなり、圧縮機10の吐出容量が大きくなる。反対に、斜板16が立つほど、ピストン20のストローク量は小さくなり、圧縮機10の吐出容量が小さくなる。
斜板16の傾斜角度は、ピストン20の両側の圧力差、即ち駆動室14内の圧力とシリンダーボア18内の圧力の差によって決定される。本実施形態において、この差圧は、駆動室14内の圧力を増減させることによって調整される。吐出容量を減少させる場合には、吐出室54内の高圧の作動流体を駆動室14へ放出して駆動室14内の圧力を高くする。すると、斜板16は立ち、ピストン20のストローク量が減少して吐出容量が減少する。反対に吐出容量を増加させる場合には、吐出室54内の作動流体が駆動室14へ放出されないようにする。すると、駆動室14内の圧力が低くなり、斜板16は寝て、ピストン20のストローク量が増大して吐出容量が増大する。
本実施形態では、作動流体放出路58上に設けられた容量制御弁60を開放させることにより、高圧の作動流体を吐出室54から駆動室14へ放出できる。具体的には、吐出室54内の作動流体の吐出圧が所定の基準値を超えて高圧状態となった場合や、吸入室44内の作動流体の吸入圧が所定の基準値を下回るような低圧状態となった場合に、ソレノイド62を介して弁体64が開き、吐出室54との作動流体放出路58と、駆動室14との作動流体放出路66とを連通する。これにより、高圧の作動流体が吐出室54から駆動室14に放出され、駆動室14内の圧力が上昇して斜板16が立ち、ピストン20のストローク量が減少して吐出容量が減少する。その結果、作動流体の吐出圧が減少するとともに吸入圧が増加する。また、駆動室14に放出された作動流体は通気路48を通って吸入室44に送られる。
一方、吐出口56には容量復帰手段70が設けられている。容量復帰手段70は、概略的に見て、弁体72と、パイロット室74と、差圧室76とから構成されている。弁体72は、図中上下方向に移動が可能であり、図1では弁体72が最も下方に移動した状態が示されている。この状態において、弁体72は吐出口56を遮蔽している。パイロット室74は、パイロット通路68によって吐出室54と連通されている。したがって、パイロット室74内の圧力は吐出圧と同一とされる。差圧室76は、通気路78によって大気に通じている。したがって、差圧室76内の圧力は大気圧とされる。また、差圧室76内部にはスプリング80が設けられている。
弁体72は、パイロット室74内の圧力が大きくなって、差圧室76内の大気圧及びスプリング80の図中下方への付勢力の合力に対する差圧が大きくなった場合に、図中上方に移動して吐出口56を開放する。パイロット室74内の圧力が小さい場合には、弁体72は、図中下方に移動して吐出口56を遮蔽する。弁体72の具体的な開弁条件はスプリング80の剛性を適宜調節するなどして設定できる。本実施形態では、作動流体の基準吸入圧以上の圧力によって、弁体72が、図中上方に移動して吐出口56を開放するように設定されている。つまり、作動流体の吐出圧が基準吸入圧よりも小さい場合には、弁体72は吐出口56を遮蔽し、作動流体の吐出圧が基準吸入圧以上となった場合には、弁体72は吐出口56を開放する。なお、作動流体の吐出圧は常に基準吸入圧よりも大きいことから、弁体72は常に吐出口56を開放している。
以上のような構成の斜板式圧縮機10において、次にピストン20の構成について詳細に説明する。ピストン20は、略円柱状に形成されたピストン本体22と、ピストン本体22から側面視略「L」字状に延設されたピストン底部24とを有しており、ピストン本体22とピストン底部24との間に形成された空隙内に、半球状の可動シュー36、38を介して、斜板16の周縁部16Aが挿入されている。
すなわち、ピストン本体22とピストン底部24との間には、斜板16の周縁部16Aが遊挿可能な空隙が形成され、ピストン本体22のピストン底部24と対向する面には、半球状に凹んだ球面軸受部(以下「本体側球面軸受部」という)26が形成され、ピストン底部24のピストン本体22と対向する面には、半球状に凹んだ球面軸受部(以下「底部側球面軸受部」という)28が形成されている。そして、本体側球面軸受部26には、シュー36の球面部36Aが摺動可能に支持され、底部側球面軸受部28には、シュー38の球面部38Aが摺動可能に支持されて、シュー36の平面部36Bとシュー38の平面部38Bとの間に斜板16の周縁部16Aが挿入されている。
斜板式圧縮機10のピストン20では、シリンダーボア18内に最も深く挿入される方向へ移動するとき(圧縮時)が、シリンダーボア18内から最も大きく抜き出される方向へ移動するとき(吸入時)よりも、斜板16から大きい負荷が加わる。したがって、作動流体の圧縮による発熱の他に、斜板16の周縁部16Aとシュー36の平面部36Bとの間の摺動と、シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の摺動による発熱により、本体側球面軸受部26付近の温度が最も高くなる。
通常の斜板式圧縮機10では、その高温のために、シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の潤滑特性が悪化して、最初に本体側球面軸受部26が焼き付き、その後、その影響でシュー36と斜板16との間の摺動部における潤滑特性が悪化して、その摺動部が焼き付きを起こすことが多い。圧縮機10の信頼性向上には、シュー36と斜板16との間の摺動部に良好な油膜を形成し、焼き付きを阻止すること(摺動部の潤滑特性を改善すること)が重要な課題となる。
そこで、本発明では、図2、図3で示すように、作動流体の圧縮時に斜板16から受ける荷重を支える本体側球面軸受部26と、ピストン本体22の周面部22Aとの間の表面23に、その表面積を増大させて放熱効果を促進させる伝熱促進用のフィン30を形成した。すなわち、このフィン30は、図3(A)の平面視で示すように、本体側球面軸受部26に向かう放射形状に形成されるとともに、底面32Aが可能な限り本体側球面軸受部26に接近するように形成された複数(図示のものは6個)の凹部32と、それによって形成される複数(図示のものは8個)の凸部34と、ピストン底部24が延設される部位とは反対側に形成された凸部35とで構成されている。なお、凸部35が斜板16に接触しないように、凸部35の高さは、凸部34の高さよりも低く形成され、その両端上部は、正面視で略円弧状に(斜めに)切り欠かれている。
このように、本体側球面軸受部26の周りに、複数の凹部32及び凸部34、35からなる伝熱促進用のフィン30を形成すると、ハウジング11内の空間(駆動室14)への熱伝達が促進され、シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の摺動部における温度を効率的に低下させることができる。シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の摺動部における温度が低下すると、本体側球面軸受部26における潤滑油の粘度が増加するので、本体側球面軸受部26の流体潤滑が促進される。その結果、シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の摺動部における潤滑特性を向上させることができる。
つまり、油膜切れに起因するシュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の固体接触の機会を少なくできて、両者の摩耗を低減できるとともに、本体側球面軸受部26の摩擦モーメントを低減することができる。このような本体側球面軸受部26の摩擦モーメント改善効果は、シュー36の平面部36Bと斜板16との間の摺動部における潤滑に対して効果を発揮する。すなわち、シュー36は、斜板16の回転とともに、その姿勢角を変化させながら斜板16の表面を滑走する。したがって、本体側球面軸受部26の摩擦モーメントが低減されると、シュー36の姿勢角変化の動きが良好になり、斜板16の平面に対するシュー36の平面部36Bの追従性が増して、両者の摺動部(摺動面)に、いわゆる楔状の油膜が形成されやすくなる。これにより、シュー36の平面部36Bと斜板16との間の摺動部の潤滑改善が図れ、耐焼き付き性において信頼性を向上できる。
なお、この伝熱促進用のフィン30を構成する凹部32は、その底面32Aが可能な限り本体側球面軸受部26に接近するように形成され、かつ本体側球面軸受部26に向かう放射形状に形成されることから、本体側球面軸受部26に潤滑油を供給するための流路として兼用できる。したがって、ピストン20が往復動する際に生じる作動流体及び潤滑油の流れを、本体側球面軸受部26の摺動部に好適に誘導することができ、放熱促進による潤滑油の冷却(粘度の増加)のみならず、潤滑油の効果的な供給を実現できる。
また、このような凹部32及び凸部34、35からなるフィン30を形成することにより、ピストン20の軸方向に掛かる力による弾性変形を抑制するリブ構造として作用させることができるため、ピストン20の軸方向における強度を向上させることができる。そして、このフィン30は、凹部32が形成されている分、その体積が低減されるため、ピストン20全体の軽量化にも寄与する効果を有している。
図4にピストン20周りに誘起される作動流体の流れを示す。この図4で示すように、フィン30の形状は、圧縮機10内部の作動流体の流れ(作動流体は潤滑油が混合された状態で流動している)を充分に考慮した形状になっている。すなわち、ピストン20の往復動作及び斜板16の回転動作により、ピストン20周りの作動流体には、ピストン20の中心軸に対して略軸対称に上向き、もしくは下向きの流れが誘起される。この流れは、本体側球面軸受部26に向かうような形状に形成されたフィン30(凹部32)に沿って流れるため、伝熱促進が充分に期待できる。
また、ピストン20は、左右に鋳型を抜く鋳造によって製造される。したがって、フィン30の形状は、その鋳型から抜きやすいように、分割面に対して略垂直に延在する形状にすることが好ましく、例えば分割面を中心に左右対称となるような形状にすることが好ましい。図2、図3(A)において分割面を点線Tで示す。このように、フィン30を分割面に対して略垂直に延在する形状(分割面に対して左右対称な形状)にすると、切削加工等をすることなく、フィン30をピストン20と一体に形成することができるため、製造コストの増加を防止することができる。
なお、フィン30の形状は、分割面に対して左右対称な形状でなくても、本体側球面軸受部26に潤滑油を誘導できるとともに、ピストン20周りに誘起される作動流体の流れを有効に利用できて伝熱促進ができ、更に鋳型から抜き出しやすいように、分割面に対して略垂直に延在する形状になっていればよいため、例えば図5、図6で示すような形状にしてもよい。この図5、図6で示すフィン30は、7個の凹部32と6個の凸部34とで構成されており(図6(A)参照)、凸部34が斜板16に接触しないように、両端の凸部34の高さが、他の凸部34の高さよりも低く形成されるとともに、全ての凸部34の先端上部が、側面視で斜めに切り欠かれている。このような形状とした場合でも、その効果は図2〜図4で示したフィン30と同様になる。
また、図7、図8で示すように、本体側球面軸受部26とピストン本体22の周面部22Aとの間の表面23に、その表面積を増大させて放熱効果を促進させる円柱状の凸部33を等間隔又は不等間隔に複数個(図示のものは8個)突設する構成としてもよい。この凸部33は、図8(B)の側面視で示すように、ピストン底部24が延設されている部位から離隔するに従って、その高さが低くなるように形成されたり、ピストン底部24が延設されている部位から所定距離以上離隔している凸部33の高さが、他の凸部33の高さよりも低くなるように形成されており、これによって、凸部33が斜板16と接触しないようになっている。このような形状とした場合でも、ハウジング11内の空間(駆動室14)への熱伝達が促進されるので、シュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の摺動部における温度を効率的に低下させることができる。
以上、説明したように、本体側球面軸受部26の周囲に形成したフィン30(凹部32及び凸部34、35)や凸部33により、その本体側球面軸受部26に対して効果的な放熱(空間への伝熱促進)と潤滑油の供給を実現することができる。したがって、本体側球面軸受部26の温度上昇を抑制でき、その本体側球面軸受部26における潤滑油の粘度低下を阻止することができる。また、この効果によって、シュー36の平面部36Bと斜板16との間における摺動部の油膜形成が良好となる。
つまり、本発明によれば、直接的にシュー36の球面部36Aと本体側球面軸受部26との間の潤滑状態を改善することにより、間接的にシュー36の平面部36Bと斜板16との間の摺動部の潤滑改善に効果を発揮することができる。そして、その相乗効果により、シュー36の摺動部(球面部36A及び平面部36B)の摩擦低減に大きな効果を奏し、焼き付き防止に対する信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は、図示の実施例に限定されるものではない。例えば、フィン30をピストン20とは別体で形成し、ピストン本体22の表面23に接着剤等の固着手段によって取り付ける構成にしてもよいし、凹部32の形状を、本体側球面軸受部26を中心に径方向へ広がる放射形状等に形成してもよい。また、本実施形態では、可変容量型斜板式圧縮機10のうち、斜板16の片側だけにピストン20が配置された片側ピストンタイプの可変容量型斜板式圧縮機10を用いて説明したが、例えば斜板16の両側にピストン20を連結して往復動させる両側ピストンタイプの可変容量型斜板式圧縮機に対しても同様に構成することが可能である。
可変容量型斜板式圧縮機の構造を示す概略側断面図 ピストンの底部を省略してフィンの形状を示す概略斜視図 (A)フィンの形状を示す概略平面図、(B)フィンの形状を示す概略側面図 (A)ピストンが圧縮方向へ移動する際の流体の流れを示す概略側面図、(B)ピストンが吸入方向へ移動する際の流体の流れを示す概略側面図、(C)斜板が回転することによって生じる流体の流れを示す概略底面図 ピストンの底部を省略してフィンの別の形状を示す概略斜視図 (A)フィンの別の形状を示す概略平面図、(B)フィンの別の形状を示す概略側面図 ピストンの底部を省略して凸部の形状を示す概略斜視図 (A)凸部の形状を示す概略平面図、(B)凸部の形状を示す概略側面図
符号の説明
10 圧縮機
12 駆動軸
14 駆動室
16 斜板
18 シリンダーボア
20 ピストン
22 ピストン本体
22A 周面部
23 表面
24 ピストン底部
26 本体側球面軸受部
28 底部側球面軸受部
30 フィン
32 凹部
33 凸部
34 凸部
35 凸部
36 シュー
36A 球面部
36B 平面部
38 シュー
38A 球面部
38B 平面部

Claims (3)

  1. 回転する駆動軸に傾斜角度を変更可能に取り付けられる斜板と、
    ピストン本体と、該ピストン本体から延設され、該ピストン本体との間に前記斜板を遊挿可能な空隙を形成するピストン底部とを有し、前記斜板の回転により前記駆動軸の軸方向に往復動されるピストンと、
    略半球状に一対で構成され、その平面部間に前記斜板が挿入されるシューと、
    前記ピストン本体側に形成され、前記シューの一方の球面部を摺動可能に支持する本体側球面軸受部と、
    前記ピストン底部側に形成され、前記シューの他方の球面部を摺動可能に支持する底部側球面軸受部と、
    を備えた斜板式圧縮機において、
    前記ピストン本体の周面部と前記本体側球面軸受部との間の面に、その表面積を増大させる凹部又は凸部、もしくは凹部及び凸部を形成したことを特徴とする斜板式圧縮機。
  2. 前記凹部の形状は、前記本体側球面軸受部に向かって凹となる形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  3. 前記ピストンは鋳造によって製造され、前記凹部及び前記凸部は鋳造時の分割面に対して略垂直に延在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の斜板式圧縮機。
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