JP2007176749A - 軽量モルタル板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維を含有するモルタルスラリーで軽量モルタル板を製造しようとした場合、低嵩比重(密度)のもの(例えば、約1.0以下)で、かつ、衝撃破断時の破断片飛散抑制効果を有する軽量モルタル板を安定して製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーを用いて製造する軽量モルタル板の製造方法。高速攪拌して気泡を含ませて、粘度50〜500dPasに調節したモルタルスラリーを、型枠内に充填し成形・養生して、嵩密度0.5〜1.2の軽量モルタル板を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量モルタル板の製造方法に関する。特に、本発明の方法で製造した軽量モルタル板は、吸音パネルに適用した場合、優れた吸音特性および耐衝撃飛散性(破壊飛散抑制効果)を示し、住宅地等を通過する高速道路・鉄道等の両側に設置される遮音壁(防音壁)の遮音性改善パネル(吸音パネル)に適用することができる。
当然、本発明の方法で製造した軽量モルタル板は、上記のような高速道路・鉄道における遮音壁の遮音性改善のためばかりでなく、建造物の内外の吸音壁ないし防音壁としても使用可能である。
なお、以下の説明で配合部数を示す「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
軽量モルタル板を使用する吸音パネル(吸音体)に関連する文献公知発明が記載された刊行物として、特許文献1がある。
特許文献1には、「セメント、軽量骨材、繊維長2.0〜20.0mmの繊維および水を混練、成形および養生して製造される繊維の含有量0.5〜5重量%、比重0.6〜1.3、中心周波数400Hzの垂直入射吸音率が40%以上の吸音体」(請求項1参照)が記載されている。
しかし、上記のような繊維を含有するモルタルスラリーで軽量モルタル板を製造しようとした場合、低嵩比重(密度)のもの(例えば、約1.0以下)を安定して得難く、また、衝撃破断時の耐衝撃飛散性を安定して得難いことが分かった。
これらの特性は、上記のような遮音性改善パネルに適用した場合に、特に要求されるものである。すなわち、嵩比重が低いことは、安定した吸音性能を確保するため必要であり、また、耐衝撃飛散性に優れていることが、交通量の多い高速道路等では必要である。
なお、吸音よる遮音性を改善することを目的として、鋼板やコンクリートからなる遮音壁の内側(騒音発生源側)に吹付けて吸音層を形成するモルタルスラリー(吹付け材)に関連する文献公知発明を記載した刊行物として特許文献2・3がある。これらの特許文献は、本発明の新規性および進歩性に影響を与えるものではない。
特許第3067120号公報 特許第2926031号公報 特開2005−29427号公報
本発明は、上記にかんがみて、繊維を含有するモルタルスラリー(セメントスラリー)で軽量モルタル板を製造しようとした場合、嵩比重(密度)が小さいもの(例えば、約1.0以下)で、かつ、衝撃破断時の耐衝撃飛散性を有する軽量モルタル板を安定して製造することができる方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を、解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の軽量モルタル板の製造方法に想到した。
水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーを用いて軽量モルタル板を製造する方法であって、
前記モルタルスラリーを、混合機により高速攪拌して気泡を含ませ、動粘度(JIS Z 8803:以下同じ)50〜500dPasに調節して、型枠内に充填し、成形・養生して、嵩密度0.5〜1.2の軽量モルタル板を製造する方法である。
繊維を含有させることにより、優れた耐衝撃飛散性を得やすく、また、粘度を所定範囲にすることにより、型枠に入れた際の流動性にすぐれて軽量モルタル板の各部における物性均一性を確保し易くなる。更に、扁平な多孔質充填材を配合するとともに高速攪拌(例えば、回転速度:500〜2000min-1)して気泡を含ませた状態で型枠に投入することにより、気泡剤の薬剤発泡作用と高速攪拌による機械発泡作用が相まって嵩比重の小さな軽量モルタル板を得やすくなる。
上記構成において、モルタルスラリーの組成は、水硬性セメント100部に対して、軽量骨材:20〜160部、扁平な多孔質充填材:10〜100部、繊維:0.2〜4部、気泡剤:0.2〜4部、及び水:20〜100部が添加されたものとすることが望ましい。所定の要求特性(特に、嵩比重及び耐衝撃飛散性)を得やすい。
上記構成において、繊維が、繊維長5〜20mm、かつ、繊維長/繊維径=150〜1100であることが望ましい。上記繊維長範囲でかつ、上記繊維長/繊維径の繊維を使用することにより、耐衝撃飛散性を得やすくなるともに、適度な粘性のモルタルスラリーが得られ、強制攪拌時の混合機に対する絡みもなく、軽量モルタル板の製造が容易となり、繊維を均一分散させた安定した品質(特に、耐衝撃飛散性)を有する軽量モルタル板を得やすくなる。
上記において、繊維を引張り強さ(JIS L 1096)3.0cN・dtex-1以上、伸び率(JIS L 1096)20%以上の特性を有する極性合成繊維とすることが望ましい。上記引張り強さ及び伸びを有する極性合成繊維を使用することにより、衝撃が作用した場合の靱性を本発明の軽量モルタル板に付与し易い。
上記各製造方法で製造した軽量モルタル板の、代表的な使用方法は、下記の如くになる。
厚みを20〜50mmの前記軽量モルタル板を、鋼板製又はコンクリート製の遮音壁から、騒音発生源側で、前記軽量モルタル板の厚みの1/3〜1倍の空隙を設けて配置することを特徴とする。
軽量モルタル板が衝撃を受けた際に、破断片が手前、すなわち、車両走行側(道路側)へ飛散し難い。
また、本発明をモルタルスラリーとして表記すると下記構成となる。
水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーであって、
前記繊維の繊維長/繊維径=150〜1100であるとともに、
前記モルタルスラリーの組成が、水硬性セメント100部に対して、前記軽量骨材:20〜160部、前記扁平な多孔質充填材:10〜100部、前記繊維:0.2〜4部、気泡剤:0.2〜4部及び水:20〜100部が添加され、強制攪拌により気泡を含み、動粘度50〜500dPasに調節されてなるものであることを特徴とする。
次に、本発明を一実施形態に基づいて、さらに、詳細に説明をする。
基本的には、水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤、及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーからなる軽量モルタル板の製造方法である。以下に、各成分のついて説明する。
(1)水硬性セメント:
水硬性セメントとは、気硬性セメントに対する語で、水と混和した状態で水和硬化する性質を有するセメントをいう。具体的には、ポルトランドセメント(JIS R 5210)、高炉セメント(JIS R 5211)、シリカセメント(JIS R 5212)、フライアッシュセメント(JIS R 5213)、スラグ石灰セメント、アルミナセメント、石膏(JIS A 6904)、等を挙げることができる。これらのうちで、ポルトランドセメント(普通・早強タイプ)が、入手が容易で、実用強度・耐久性を有して望ましい。
(2)軽量骨材:
軽量骨材は、JIS A 5002で規定されている絶乾比重が2.5未満の軽量骨材に該当し、同じく、5mmふるいを85%以上通過する細骨材に該当とするものを使用することが望ましい。さらには、絶乾比重約2.0未満、粒径約0.1〜3mmが望ましい。
当然、本発明の目的を達成できる限り、上記JISに規定する範囲に限られず、例えば、絶乾比重3.0近くのものまで使用可能である。
具体的には、軽石等の天然軽量骨材でもよいが、膨張頁岩、膨張パーライト、膨張フライアッシュ、火山ガラス中空体(シラスバルーン)、ガラス発泡骨材等の人工軽量骨材(焼成膨張骨材)が望ましい。焼成膨張骨材とは、鉱物やガラスの粉砕物を原料とし、焼成したものをいう。このような焼成膨張骨材は、その焼成工程で、原材料中の気化物質がなくなり、原料の内部は多孔質となり、原料の表面は、原料が溶け比較的地密な殻を形成したものである。そして、形状も球形で安定していて、スラリー混和性に優れており、また、モルタル板の軽量化に寄与する。
そして、この軽量骨材の水硬性セメント100部に対する添加量は、約20〜160部が、さらには約20〜80部が、よりさらには約30〜70部が望ましい。軽量骨材の添加量が過少では、嵩比重の小さい軽量モルタル板を得難く、他方、過多では、実用強度のモルタル板を得難い。
(3)扁平形状の多孔質充填材(軽量骨材を除く。)
扁平形状の多孔質充填材を軽量骨材と併用することにより、充填材内部が無数の細孔と、扁平形状が相まって、吸音特性を向上させるものである。
すなわち、形状が扁平であることにより、その1個の充填剤に存在する孔の長さや大きさが、球状の充填材(軽量骨材)に比して、その種類や数を多くすることができて、幅広い音域(周波域)の音を吸音可能となる。また、扁平形状の場合、同体積の球形形状に比して、表面積が大きくなるとともに、その異形性も相まって、音の減衰効果も増大するものと推定される。
このような多孔質充填剤としては、貝殻を粉砕して、それを加熱処理、さらには、焼成処理したものを好適に用いることができる。貝殻は、食品工業等で大量に産業廃棄物として排出されるものであり、環境保全にも寄与する。
多孔質体である貝殻を粉砕した場合、貝殻は不規則な鱗片状となって扁平形状の多孔質充填材を容易に得ることができる。
そして、約50℃以上の温水で、貝殻粉砕物に付着している異物、臭いの除去を行った後、約150〜500℃の範囲で焼成して、異物を更に完全除去するとともに、多孔度(porosity)増大させたものが望ましい。
この多孔質充填材の添加量は、約5〜100部が、さらには約10〜50部が、よりさらには約15〜35部が望ましい。
多孔質充填材の添加量が過少では、多孔質充填材の上記添加効果を得難く、過多になると、軽量モルタル板に実用強度を得難くなる。
(4)繊維強化材
繊維強化材は、軽量モルタル板に靱性を付与するとともに、耐衝撃飛散性を付与するものである。
繊維強化材は、ガラス繊維等の無機繊維でもよいが、有機繊維が、特に、強度の得やすく、モルタル内での耐久性に富む、引張り強さ(JIS L 1096)約3.0cN・dtex-1以上、伸び率(JIS L 1096)約20%以上の特性を有する耐アルカリ性の極性合成繊維が望ましい。
具体的には、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等を挙げることができる。
そして、繊維の形態は、繊維長約3〜25mm、かつ、繊維長/繊維径≒150〜1100、さらには、繊維長約5〜18mm、かつ、繊維長/繊維径≒200〜900、よりさらには、繊維長約7〜12mm、かつ、繊維長/繊維径≒400〜600とする。
(5)気泡剤
気泡剤は、本発明の軽量モルタル板の場合、ミキサー内に気泡剤(界面活性剤)を加え、成形モルタル板に多量の気泡を入れるために必須である。
気泡剤としては、アルキルエーテル系等の非イオン系界面活性剤や、アニオン系界面活性剤等を好適に使用でき、また、アルミニウム粉末からなるものも使用可能である。
気泡剤の添加量は、水硬性セメントの性質、各成分の種類、要求特性により異なるが、通常、約0.2〜4部、さらには、約0.5〜2部が望ましい。
(6)水
水硬性セメントに対して、水は、当然必須である。そして、水は粘度調節の最大要素となり、その添加量は、水硬性セメント100部に対して、約20〜100部、望ましくは、約30〜50部の間で適宜設定する。水の添加量が過少では、モルタルスラリーに流動性がなく、均一なモルタル板を製造し難く、水が過剰では、乾燥に時間が係り、また、安定してモルタル板に実用強度を得難い。
(7)その他添加剤
上記以外に、通常のモルタルスラリーに添加する添加剤、例えば、合成樹脂混和剤、増粘剤、必要により減水剤を適宜混和させる。
合成樹脂混和剤としては、ポリアクリル酸エステルエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、天然ゴムラテックス、ネオプレンラテックス、等を挙げることができる。
増粘剤としては、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、アクリル系、ウレタン系のものを好適に使用することができる。
減水剤としては、リグニンスルホン酸系、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物系、メラミンスルホン酸縮合物系、等を好適に使用できる。
そして、上記組成のモルタルスラリーは、高速ミキサーで攪拌して、気泡を含ませ、動粘度約50〜700dPas、望ましくは、動粘度(JIS Z 8803)約100〜350dPasに調節する。そして、当該モルタルスラリーを、型枠内に充填し、成形・養生して、望ましくは嵩密度約0.5〜1.2、さらに望ましくは、約1.0以下の軽量モルタル板を製造する。
このとき、高速攪拌手段としては、高速ミキサー、特に、回転羽根ミキサーを用いることが、気泡の発生効率を増大させることができて、望ましい。ここで、高速ミキサーとは、回転数が、約500〜2000min-1の回転が可能なものをいう。なお、通常のモルタル混練用ミキサーは、約30〜60min-1である。
以下に、本発明におけるモルタルスラリーの調製方法について、説明をする。
なお、予め、下記の材料及び器具を準備する。
<材料>
・粉末成分・・・水硬性セメント、強化繊維、軽量骨材、多孔質充填材
・液体成分・・・合成樹脂エマルション、気泡剤(液体界面活性剤)、水
<器具>
・高速ミキサー(常用回転数:500〜2000min-1)、
・混練比重測定容器
・型枠・・・図1・図2(型枠の材質によっては離型剤を塗布しておく。)
・その他・・・へら、スコップ、薬さじ、左官用コテ
そして、下記手順に従って、材料の混練・攪拌を行う。
1)各成分を秤量しておく。
2)ミキサー内へ液体成分を投入する。
3)ミキサーの回転を開始し、1000min-1前後で回転しながら、粉末成分を少量ずつ添加し、粉末成分を十分に分散させる。攪拌時間は、高速ミキサーの場合、約10〜15分、ハンドミキサーの場合、約4〜5分とする。ここで、高速回転させることにより、繊維材の塊が開繊され均一分散が可能となる。
4)粉末成分が十分に分散した後(通常上記攪拌時間経過後)に、分散液を採取し、混練比重値を測定する。なお、混練比重値は、通常、約0.4〜1.0の範囲とし、望ましくは、0.4〜0.75とする。混練比重値が上記範囲外であるときは、更に攪拌を続けて、上記範囲内になるように調節する。
5)型枠に、必要量の混練材料(モルタルスラリー)を流し込み(充填し)、左官コテで均(なら)して成形する。
ここで、型枠は、横型(水平型)で縦型(垂直型)でもよい。
図1に横型の一例を示す。この横型の型枠は、矩形扁平箱形の型枠要素12を、連結リング14で連結したものである。各型枠要素12の4枚の周囲側板は、取り外し(バラシ)可能となっている。そして、モルタルスラリーを成形しようとする任意厚さの高さ位置まで注入後、均(なら)してモルタル板を成形する。なお、各型枠要素の底部に、片面に凹凸模様を付した模様付け板21を嵌め込んでおけば、モルタル板に凹凸模様(標示等を含む。)を転写できる。
図2に縦型の一例を示す。この縦型の型枠は、矩形深箱形の周囲側板をバラシ可能な外枠18と、該外枠内に挿入セットしてモルタル板の成形空間を形成する複数枚の仕切り板20とからなる。該仕切り板20は、上端両側に係合耳部20aを、下端縁に一対の挿入凸部20bを有する。他方、外枠18は、上端フランジ部に上記係合耳部20aに対応させて係合歯部18aが、上記挿入凸部20bが嵌合するセット孔18bがそれぞれ形成されている。そして、仕切り板20を外枠18にセットすることにより、所要数のモルタル板賦形部を形成し、該モルタル板賦形部にモルタルスラリーを略満杯になるまで注入後、均してモルタル板を成形する。この際、仕切り板20のモルタル板外側賦形面に、前述と同様の厚さ調整板を兼ねる模様付け板(図示せず)を貼着したり、モルタル板内側賦形面に、同じく後述の空隙形成用のスペーサ部(げた部)を形成するスペーサ部賦形板(厚さ調整板)21Aを貼着したりしてモルタル板を成形してもよい。
上記において、模様付け板21やスペーサ部賦形板21A(以下「模様付け板等」ということがある。)としては、例えば、発泡スチロール板を裁断したものまたは発泡スチロール成形体を使用する。発泡スチロール板(成形体)で賦形面を形成して汎用の離型剤を塗布することにより、鉄板の賦形面に離型剤を塗布した場合に比して、離型性(脱型性)に優れていることを確認している。
また、上記横型を用いる実施形態において、離型剤を塗布する代わりに、模様付け板等の上面に、脱型用骨材を層状に敷き詰めることもできる。これによっても、容易に離型(脱型)させることができる。
上記層状に敷き詰められた脱型用骨材のうち、混練材料との接触面側のものは軽量モルタル板の表面に一体形成されて一体化骨材層となる。他方、混練材料と接触しない模様付け板等との接触面側のものは混練材料と実質的に接触せず軽量モルタル板と一体化されない遊離骨材層となる。そして、一体化骨材層と遊離骨材層との間には粘着性はないため、上記容易な離型(脱型)が可能となる。
上記脱型用骨材としては、珪砂、寒水砂、陶器粉砕物、前述した軽量骨材及び扁平形状の多孔質充填材、並びに、これらに着色を施した骨材を使用可能である。そして、脱型用骨材の粒径としては、平均粒径約0.05〜5mm、さらには約0.1〜2mmの範囲で選定することが好ましい。該粒径が小さすぎると、骨材粒子相互間に大きな毛管現象が発生する小さな隙間が発生し易く、混練材料の水分を吸収して、混練材料がドライアウト(水分不足による硬化不良)を起こすおそれがある。他方、粒径が大きすぎると、模様付け板の凹凸模様の転写が不十分となるおそれがある。
さらに、模様付け板の凹部と凸部に異なる色の脱型用骨材を敷き詰めてもよい。これにより、着色骨材が上記の如くモルタル板に一体化して、着色模様を軽量モルタル板に付与できる。
なお、上記モルタル板の成形に際して、モルタルスラリーの組成にもよるが、各型枠要素の底部又は模様付け板の上にスペーサを介して、脱型補強材を配して、モルタル板の成形をすることが望ましい。モルタル板に脱型補強材を埋設して成形することにより、脱型時にモルタル板が崩壊するおそれをなくすことができるとともに、飛散防止作用(耐衝撃飛散性)の増大も期待できる。
脱型補強材としては、鉄筋や金網が好適に使用できる。鉄筋の仕様は、例えば、断面最大寸法は約2〜15mmの丸鋼、角鋼、異形鋼を組んだり溶接したりして構成する。鉄筋19A、19B、19Cの形態としては、田形格子(図3(a))、分割田形格子(図3(b))対角形格子(図3(c))等任意である。図3において、二点鎖線は、モルタル板22(22A)の平面外形を示す。
6)モルタルスラリーを充填後、材料表面をシート等で多い、自然養生をさせる。養生日数は、通常、2週間以上とする。自然養生でもよいが、加熱養生が、養生日数を短縮できる。
7)養生後、ハンドリング(取り扱い)可能な強度が発生する硬化が得られたなら脱型を行う。脱型後、内部の硬化が不十分なときは、更に乾燥養生を行う。
8)こうして製造した軽量モルタル板は、通常、防水剤(撥水コーティング材)を塗付して、後処理(防水処理)を行う。
そして、上記のようにして製造した、軽量モルタル板は、高速道路等における鋼板製又はコンクリート製の遮音壁(擁壁)の手前側(騒音発生源)に配置して、防音改善施工を行う。
このとき、擁壁に接して施工してもよいが、軽量モルタル板の厚み(通常、20〜50mm)の1/3〜1倍の空隙(空気層)を設けて配置することが望ましい。
なお、本発明の軽量モルタル板の成形(製造)厚みは、通常、約20〜50mm、成形可能なら、約20〜60mmの厚みとする。
当該空隙を設けることにより、当該、施工軽量モルタル板が破損して、万一飛散するようなことがあっても、車道側への飛散が防止できる。
次に、モルタル板22(22A)の裏面に空隙を設ける施工態様について説明する。
図4・5にその一例示す。モルタル板として、上・下端スペーサ部(ゲタ部)22aおよび中間スペーサ部(ゲタ部)22bを設けたゲタ付きのもの22を使用して、空隙(空気層)23を形成するものである。なお、中間スペーサ部22bは、吸音性の見地から上下空隙を連通させる必要があるため、所定ピッチで不連続に形成されている。
図6〜8に他の例を示す。モルタル板として平板状のもの22Aとともにモルタル板22Aと擁壁24との間に上・下スペーサ34、36を介在させて、空隙(空気層)23を形成するものである。
いずれの施工例も、モルタル板22(22A)を、その下端を断面直角クランク形の受けモール26で、その上端を断面鈍角クランク形の押えモール(雨水防止用笠木)28でそれぞれ保持して、擁壁24に取付け施工するものである。
なお、受けモール26及び押えモール28は、擁壁24に打ち込まれたアンカーボルト30を介してそれぞれダブルナット31でねじ止め固定されている。また、後者の施工例における下スペーサ36は、チャンネル状で受けモール26の水平部にねじ止めされ、上スペーサ34は、角パイプ状で押えモール28と共締め固定されたスペーサ取付け板38を介して固定されている。また、受けモール26および下スペーサ36には水抜き孔(図示せず)が形成されている。さらに、モルタル板の下端・上端との当たり面には、振動吸収材32が貼着されている(図7・8参照)。
本発明の軽量モルタル板は、上記のような組成により、吸音性が良好であり、十分な防音性改善作用を奏する。
なお、本発明のモルタルスラリー全体量を100%としたときの、望ましい組成の一例を下記しておく。
・水硬性セメント 約25〜50%
・軽量骨材 約10〜40%
・扁平な多孔質充填材 約5〜25%
・繊維強化材 約0.1〜0.5%
・気泡剤 約0.1〜0.5%
・合成樹脂混和液 約10〜40%
・水 約10〜40%
以下、本発明を実施例・比較例に基づいて、更に詳細に説明をする。
<製品実施例>
表1に示す処方のモルタルスラリーを使用して、前記製造手順にしたがって、モルタル板を製造した。
なお、各実施例に使用した極性繊維強化材の各強度及び伸びは下記の如くである。
アクリル繊維(実施例1、比較例1・3)・・・引張り強さ:6cN/dtex、伸び:12%、
ビニロン繊維(実施例2)・・・ 引張り強さ:30cN/dtex、伸び:4%、
また、ミキサーは高速ミキサーを使用し、混練時回転数は、約1000min-1とし、最終混練比重値は、0.4〜0.75に調節した。そして、調節後の各モルタルスラリーについて、動粘度を、JIS Z 8803にしたがって、測定した。
型枠は、図2に示すものを使用し、離型板材が、厚み30mm×220mm角の板材が成形できるものを使用した。
養生期間は2週間とし、その後、50〜100℃×5時間の条件で加熱養生を行って、各実施例・比較例の軽量モルタル板を調製した。
こうしてモルタルスラリー調製時における混合状態を目視観察して混合性を、軽量モルタル板について、JIS A 1421に規定する衝撃試験(鉄球高さ:50cm、落球重量:500g)を行って耐衝撃飛散性を、それぞれ評価した。
それらの結果を示す表1から、本発明の要件を満たす各実施例は、混合作業性が良好であるとともに、耐衝撃飛散性に優れていることが分かる。
なお、表1における評価表示は、それぞれ下記状態を示す。
混合性・・・〇:混合機に繊維が激しく絡むことはない。
×:混合機に繊維が激しく絡む。
耐衝撃飛散性・・・〇:モルタル板にくぼみが生じたものの破片の飛散はない。
×:破片の飛散がある。
Figure 2007176749
<吸音試験例>
上記実施例1で調製した軽量モルタル板(厚み約30mm)について、背後空気層をモルタル板の1/3〜1倍の範囲で設けて配置した場合の、垂直入射吸音率(JIS A 1405)及び残響室法吸音率(JIS A 1409)を測定した結果を図8及び図9にそれぞれ示す。
図9に示す垂直入射法で吸音率を測定した場合、軽量モルタル板の厚み(約30mm)の1/3〜1倍(本試験例では約10〜30mmとなる。)の範囲で背後空気層の隙間を選定することにより、吸音率のピーク位置を任意に設定できることが分かる。その結果、本発明の軽量モルタル板は、30mm前後という薄板で、特定のピークを持つ騒音に対して効果的な吸音(防音)施工が可能となる。例えば、自動車騒音(500〜1250Hz、主に1000Hzをピークとして広がっている。)の場合、1000Hzに効果的に対応できることが期待できる。
また、図10に示す残響室法で吸音率を測定した場合、背後空気層を設けて施工すると、背後空気層を設けない場合(0mm)に比して、低周波数側の吸音率が何れも良好であることが分かる。
なお、上記垂直入射吸音率は、入射音と反射音の干渉を利用して吸音率を求めるもので、測定が簡単で、研究開発や材料評価に適している。また、残響室法吸音率は、吸音材料の有無による残響室内の響き(残響時間)の変化により求めるもので、入射波がランダムな方向から入射してくるため、実際の状況に近いものが得られる。
本発明の軽量モルタル板を製造(成形)するのに使用する型枠の一例を示す斜視図である。 同じく型枠の他の例を示す部分切欠き斜視図である。 同じくモルタル板の製造に際して使用する各種鉄筋の組形態を示す平面図である。 本発明のモルタル板の背面に空隙を設ける施工例の一つを示す全体縦断面図である。 図4の5−5線矢視図である。 本発明のモルタル板の背面に空隙を設ける施工例の他の一つを示す全体縦断面図である。 図6における上保持部の拡大断面図である。 同じく下保持部の拡大断面図である。 本発明の実施例で調製した軽量モルタル板を用いて背後空気層の隙間を変化させて残響板カット法で吸音率を測定した結果を示すグラフ図である。 同じく残響室法で吸音率を測定した結果を示すグラフ図である。
符号の説明
12 型枠要素
18 外枠
20 仕切り板
22、22A モルタル板
24 擁壁(防音壁)
26 受けモール
28 押えモール(雨水防止用笠木)

Claims (7)

  1. 水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーを用いて軽量モルタル板を製造する方法であって、
    前記モルタルスラリーを、混合機により高速攪拌して気泡を含ませ、動粘度(JIS Z 8803:以下同じ)50〜500dPasに調節して、型枠内に充填し、成形・養生して、嵩密度0.5〜1.2の軽量モルタル板を製造することを特徴とする軽量モルタル板の製造方法。
  2. 前記モルタルスラリーの組成が、水硬性セメント100質量部に対して、前記軽量骨材:20〜160質量部、前記扁平な多孔質充填材:10〜100質量部、前記繊維:0.2〜4質量部、気泡剤:0.2〜4質量部、及び水:20〜100質量部が添加されたものであることを特徴とする請求項1記載の軽量モルタル板の製造方法。
  3. 前記繊維が、繊維長5〜20mm、かつ、繊維長/繊維径=150〜1100であることを特徴とする請求項1又は2記載の軽量モルタル板の製造方法。
  4. 前記繊維が、引張り強さ(JIS L 1096)3.0cN・dtex-1以上、伸び率(JIS L 1096)20%以上の特性を有する耐アルカリ性の極性合成繊維であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の軽量モルタル板の製造方法。
  5. 前記モルタルスラリーの調製を、回転羽根ミキサーによって気泡発生させながら行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量モルタル板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の軽量モルタル板の使用方法であって、
    厚みを20〜50mmの前記軽量モルタル板を、鋼板製又はコンクリート製の遮音壁から、騒音発生源側で、前記軽量モルタル板の厚みの1/3〜1倍の空隙を設けて配置することを特徴とする軽量モルタル板の使用方法。
  7. 水硬性セメントに対して、軽量骨材、扁平な多孔質充填材、繊維、気泡剤及び水を必須添加剤として含むモルタルスラリーであって、
    前記繊維の繊維長/繊維径=150〜1100であるとともに、
    前記モルタルスラリーの組成が、水硬性セメント100質量部に対して、前記軽量骨材:20〜160質量部、前記扁平な多孔質充填材:10〜100質量部、前記繊維:0.2〜4質量部、気泡剤:0.2〜4質量部及び水:20〜100質量部が添加され、強制攪拌により気泡を含み、動粘度50〜500dPasに調節されてなるものであることを特徴とするモルタルスラリー。
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