JP2007175086A - ペットの体脂肪測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】犬や猫等のペットの体脂肪を、多くの手間を要することなく、インピーダンス法によって容易且つ精度良く測定することが出来る方法を提供すること。
【解決手段】生体インピーダンスを計測してペットの体脂肪を測定するペットの体脂肪測定方法であって、電流用電極14及び電圧用電極13を少なくとも2個ずつ備え、ペットの体の一部に押し付けて用いる電極体11と、電極体11と接続して測定時に流す交流電流を制御すると共に、測定電圧から計測された生体インピーダンスに基づいて体脂肪を算定するインピーダンス計測回路を備える制御算定部12とを具備するペット用体脂肪測定具10を用い、インピーダンス測定時の交流電流の周波数を80〜600kHzとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペットの体脂肪測定方法に関し、特に生体インピーダンスを計測して犬又は猫等のペット用の小動物の体脂肪を測定するペットの体脂肪測定方法に関する。
近年の豊かな食料事情により肥満が問題となってきている。肥満は、心疾患、動脈硬化、高血圧、糖尿病等の生活習慣病の大きな要因であると認識されるようになったことから、体内における脂肪の蓄積量を管理することが日々の健康を維持増進するために重要であると考えられ、このための体脂肪計が種々開発されている。このような体脂肪計の一つとして、生体インピーダンスを計測するインピーダンス法による体脂肪測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ペット用の小動物である犬や猫等に対しても食料事情が豊かになってきており、例えばペットへの愛着心が強い飼い主は、犬や猫等が肥満にならないようにペットの体脂肪を適切に管理して、給餌量をコントロールし、犬や猫等の健康の維持増進を図ることを望んでいる場合が多い。また、人体に対して用いられていたインピーダンス法による体脂肪の測定方法を、動物である家畜に応用したインピーダンス測定器具も開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、ペットの体毛は絶縁体であるため、より測定精度を高めるべく、ペットに接触させる電極の形状を改良したり(例えば、特許文献3参照)、電極を接触させる部位を体毛の少ない四肢の付け根に特定した技術もある(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−369806号公報 特開2002−253523号公報 特開2003−144005号公報 特開2004−254616号公報 特開2005−27661号公報 J Appl Physiol. 1991 May; 70(5): 2039-2044
インピーダンス法による体脂肪計は、体内の水分の導電性が良好であることから、体内水分量が多いと電流が流れやすく電気抵抗が小さくなる一方で、体脂肪の水分含有量は少ないことから体脂肪組織での導電性は悪く体脂肪の多い人の電気抵抗は大きくなることを利用して、微弱な電流を体内に流してインピーダンスを測定し、体内の水分量及び除脂肪量を推定することによって体脂肪量を測定するようにしたものである。しかし、当該方法によれば、その精度を向上させるためには、体重、体長、胴周り等のデータを必要とし、やや煩雑である。
また、当該方法は微弱な電流を使用するため、確実に体内に流すためには、電極を皮膚に密着させる必要があった。そのため、このインピーダンス法により犬や猫等のペットの体脂肪を測定する場合、犬や猫等はそのほぼ全身が絶縁物である被毛で覆われているため、剃毛したうえで電極を皮膚に密着させることが必要となり非常に煩雑であった(非特許文献1)。
一方、剃毛せずに電解液を塗布し、インピーダンスを測定するという技術がある(例えば、特許文献5参照)。しかし電解液の塗布量のコントロールが難しく、導電率を常に一定に調整することには困難性が伴う。
従って、本発明の目的は、犬や猫等のペットの体脂肪を、多くの手間を要することなく、インピーダンス法によって容易且つ精度良く測定することが出来る方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、ペットの体脂肪を容易且つ精度良く測定する方法を探索した結果、インピーダンス測定時の交流電流の測定周波数を80kHz〜600kHzとすることにより電極と皮膚との間の電気抵抗が減り、電極と皮膚の間に多少被毛が挟まれていても、あるいは電解液の導電率が振れていてもそれらの影響を受けにくく、生体インピーダンスを精度良く測定できることを発見した。
すなわち本発明は、生体インピーダンスを計測してペットの体脂肪を測定するペットの体脂肪測定方法であって、電流用電極及び電圧用電極を少なくとも2個ずつ備え、ペットの体の一部に押し付けて用いる電極体と、前記電極体と接続して測定時に流す交流電流を制御すると共に、測定電圧から計測された生体インピーダンスに基づいて体脂肪を算定するインピーダンス計測回路を備える制御算定部とを具備するペット用体脂肪測定具を用い、インピーダンス測定時の交流電流の周波数を80〜600kHzとするペットの体脂肪測定方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のペットの体脂肪測定方法によれば、犬や猫等のペット用の小動物の体脂肪を、インピーダンス法によって極めて容易に且つ精度良く測定することができる。
本発明のペットの体脂肪測定方法における「体脂肪」という語は、特別明記しない限り、「体脂肪率」と「体脂肪量(重量、体積)」の両方を含む概念である。
本発明のペットの体脂肪測定方法に用いるペット用体脂肪測定具は、電極体が電流用電極と電圧用電極を少なくとも2個ずつ備えることが必要であるが、それらを3個以上備え、それぞれの電極間のインピーダンスを計測することにより、更に正確に測定することが可能となる。当該電極の材料は導電性であることが必要であり、白金、金、銀、塩化銀、銅、鋼、鉄、アルミニウム、黄銅、ステンレス等の金属を用いることができるが、コスト、錆びにくさという点からステンレスを用いることが好ましい。
電極の形状は特に制限はないが、円形状、円筒状、平板状、凹凸状等、適用部位により適宜変えることができる。脇やそけい部に挟み込む場合には円筒状、体毛の多い部位に押し付ける場合には凸状が好ましい。電極の大きさは、ペットの体の大きさや、適用部位により適宜調整されるが、犬や猫であれば、円筒状の場合、外径が5〜20mm程度、内径が3〜18mm程度、長さが5〜30mm程度が好ましく、凸状の場合、外径が2〜30mm、更に3〜10mm程度、高さが2〜15mm、更に3〜10mm程度が好ましい。なお、電圧用電極と電流用電極の大きさは特に同一でなくても構わない。更に、形状は凸状でも、球や紡錘体の表面のように単一の滑らかな凸面からなる形状であることがペットに対する痛みが少ないので好ましい。
本発明のペットの体脂肪測定方法に用いるペット用体脂肪測定具は、前記電極体の電圧用電極と電流用電極間の距離、及び電圧用電極と電圧用電極間の距離が固定されていることが、インピーダンスの測定値に変動が生じない点、インピーダンス値と体脂肪率の相関性が高い点から好ましい。例えば、図1に示すペット用体脂肪測定具10が挙げられる。ペット用体脂肪測定具10は、電極体11をペットの体の一部に押し付け、測定時に流す交流電流を制御すると共に、測定電圧から計測された生体インピーダンスに基づいて体脂肪を算定するインピーダンス計測回路を備える制御算定部12により、体脂肪を求めるものである。電極体11を押し付ける部位は、ペットの胴体部の肩甲骨から腸骨までの間で体側側から見た胴体の背部側半分の範囲であることが、動きのあるペットにおいても測定がし易い点、インピーダンス値と体脂肪率の相関性が高い点等から好ましい(図5(a)〜(e)参照)。
電極体11の電圧用電極13と電流用電極14間の距離は、図2に示すように、その中心間距離L1が5〜30mm、更に6〜20mm、特に8〜15mmであることが、また、電圧用電極13と電圧用電極13間の距離は、その中心間距離L2が10〜300mm、更に10〜200mm、特に15〜100mm、殊更20〜60mmであることが、インピーダンス値と体脂肪率の相関性が高い点から好ましい。また、それぞれの電極13,14間は、絶縁体により隔てられていることが好ましい。絶縁体としては、ゴム、プラスチック、木材等が用いられることが好ましい。
さらに、図1に示すように、電極体11の電流用電極14及び電圧用電極13には、制御算定部12から延設する接続コード15が各々接続されており、制御算定部12からの指令によって電極体11の2個の電流用電極14間に交流電流を流すと共に、電極体11の2個の電圧用電極13間の電圧を測定できるようになっている。なお、電極体11の電流用電極14及び電圧用電極13は、図1及び図2に示した直線状の配置に限られず、例えば、図3のようにスクエア状に2列に配置することもできる。
本発明のペットの体脂肪測定方法に使用するペット用体脂肪測定具10を構成する制御算定部12は、例えばマイクロコンピュータ等による公知の制御機構が組み込まれていると共に、公知のインピーダンス計測回路が組み込まれており、接続コード15を介して電極体11の電流用電極14及び電圧用電極13と各々接続し、測定時に流す交流電流を制御できるようになっている。また測定電圧から計測した生体インピーダンスに基づいて体脂肪率を算定し、算定した体脂肪率を測定データとして蓄積すると共に、例えば表示部12aに表示することができるようになっている。また、体重を別途入力すれば、体脂肪量(重量)を表示することができる。
すなわち、制御算定部12は、0.1〜1mAの交流電流が一対の電流用電極14の間に流れるように制御すると共に、電圧用電極13の間の電圧を測定できるようになっている。また制御算定部12のインピーダンス計測回路には、測定電圧と生体インピーダンスや体脂肪率との相関関係に関するデータが予め入力されており、測定電圧から計測した生体インピーダンスに基づいて体脂肪率、又は別途入力した体重のデータを乗じた体脂肪量(重量)を容易に算定し、即座に表示部に表示することができるようになっていることが好ましい。本発明のペットの体脂肪測定方法に使用するペット用体脂肪測定具は、ペットの種類、大きさ等を問わないが、場合により、さらに、制御算定部12に体脂肪を測定するペットの種類、性別、体重等が初期データとして入力され、ペットの種類等に応じた適切な相関関係を示すデータをインピーダンス計測回路において選定し、体脂肪を算定することができるようになっていることが、精度が高い点から好ましい。
本発明のペットの体脂肪測定方法においては、使用する交流電流の周波数は80〜600kHzであることが必要であるが、更に100〜500kHz、特に200〜400kHzとすることが、電極と皮膚との間の電気抵抗が減り、電極と皮膚の間に多少被毛が挟まれていても、あるいは電解液の導電率が振れていてもそれらの影響を受けにくく、生体インピーダンスを精度良く測定できる点から好ましい。
なお、インピーダンス計測回路を備える制御算定部は、ペット専用の単独のものとしても良いが、通常、人に用いられる体脂肪測定具の内部に組み込み、これに電極から延接される接続コードを接続し、スイッチ等で切り替えてペット用として使用し、ペットの体脂肪を表示させても良い。
また、本発明の態様においては、図6に示すように、電極体11と制御算定部12が一体化されたペット用体脂肪測定具10’を使用することもできる。この態様とすることにより、電極体11と制御算定部12を接続するコードが不要となり、ペット用体脂肪測定具をよりコンパクトなものとすることができ、1名でも場所を選ばずに測定が可能である。なお、この場合、制御算定部12には表示部12aも有することが好ましい。また、一体化することによってコードがなくなり、コードのインピーダンスを補正する必要がなく、精度良く生体インピーダンスを測定することができる点から好ましい。更に、コードがなくなることにより、ペットが測定中にコードに足を引っ掛かる等により測定精度に影響が生じたり、怪我をしたり、測定が中断することがなくなる点からも好ましい。
本発明のペットの体脂肪測定方法に用いるペット用体脂肪測定具10又は10’は、測定の際、ペットの体が汚れている場合は、予め皮脂を取り除くことが好ましい。この手段として有機溶剤、界面活性剤を含浸させたスポンジ、織布、不織布、脱脂綿等で電極体11を押し当てる部位を拭き取ることができる。有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性のものが用いられる。これら有機溶剤は、1種以上を10〜100重量%、特に50〜100重量%の濃度の水溶液で使用することが好ましい。界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤等が用いられるが、(獣)医学的に安全性の高いものとして、特に非イオン界面活性剤、とりわけ脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤、アルキルアルカノールアミド型界面活性剤、又はアルキルグルコシド型非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、シャンプー等の洗い流すタイプであれば、1種以上を組成物中に10〜25重量%、特に15〜20重量%配合することが好ましく、洗い流さないタイプであれば、1種以上を組成物中に0.1〜5重量%、特に0.5〜2重量%配合することが好ましい。また、吸油性粉体を振りかけた後に拭き取ったり、極細繊維からなる織布による拭き取りにより皮脂を除去しても良い。
また、本発明のペットの体脂肪測定方法に用いるペット用体脂肪測定具10又は10’においては、電極体11の各電極13,14をペットの体の一部に押し付けた状態で、体表面との間に電解液を担持させて使用することが好ましい。これにより、体表面と電極13,14の間に絶縁体である体毛が存在しても、体脂肪を正確に測定することが可能となる。担持される電解液としては、例えば塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を用いることができる。これらの電解液の溶質の濃度は0.03〜10%、好ましくは0.2〜10%、特に0.5〜5%とすることが好ましい。濃度が低すぎると導電性が悪化し、濃度が高すぎると乾燥後べたつく。またこれらの電解液は、各電極13,14の1個につき0.1〜10cc程度、好ましくは1〜5cc、特に2〜4cc用いることが好ましい。少なすぎると導電性が悪化し、多すぎると不経済であり、また周囲にしたたり落ちて床等を汚す。また、ペットの体への電解液の付着性を高めるため、増粘剤を用いて電解液の粘度を上げることもできる。増粘剤としては、アクリル酸重合物やCMC、ペクチン、キサンタンガムなどの食品添加物があげられるが、ペットが舐めることを考えると、食品添加物であることが好ましい。これらの電解液の粘度は1〜120000cpsの範囲で、ペットの毛の量等の状態に応じて適宜選択可能であるが、好ましくは1〜40cps、特に1〜20cpsであることにより、電極13,14と体表面の間に体毛が存在しても、電解液がよりよく浸潤して電気的導通が向上し、精度の良い測定が可能になる点から好ましい。また皮脂を取り除くための有機溶剤や界面活性剤と電解液をあらかじめ混合し使用することにより、皮脂の除去と電解液の付与を同時に行うことも好ましい。
更に、これら電解液を含浸させた例えばスポンジ、織布、不織布、脱脂綿等からなる電解液含浸体を、体表面と電極13,14の間に挟み込むことにより、体表面と各電極13,14の電極面との間に介在する体毛に電解液を担持させることが可能となる。
また、上記電解液は、各電極13,14の電極面に直結した電解液の供給部により、電極体11の表面に供給されるものであることが好ましい。具体的には、例えば図4(a),(b)に示すように、電極13,14の中心部に孔16を空け、ペットに接触する電極面の反対側に電解液供給チューブ17等を接続し、電解液を吐出させることにより、ペットに接触する電極面へ電解液を供給する形態がある。この場合の電極13,14の材質としては、例えば白金、金、銀、塩化銀、胴、アルミニウム、ステンレス、金属メッキされた樹脂等を用いることができる。またこの場合の孔16の径は、例えば円形の孔である場合、好ましくは直径を1〜5mm、さらに好ましくは1.2〜3mmとすることができる。
電解液供給チューブ17の材質としては、例えばナイロン、シリコンゴム、ビニル等の一般的なものを、特に制約されることなく用いることができる。またチューブ17は、それぞれの電極13,14毎に設けても良く、例えば2本又は1本にまとめて用いることも可能である。前記電解液の供給部は、例えばスポイト状となった液溜まりに電解液を担持し必要に応じて押すことにより供給する形態の他、シリンジ、洗瓶、手動ポンプ、或いは電動ポンプ等によるものであっても良く、その供給方法は、手動でも電動でも良い。更に、電解液の供給部の先にスポンジ状の保持体を備え、この表面に電極板を設ける形態等であっても良い。供給部からの電解液の供給量は、1回につき例えば4〜20ccとすることが好ましく、また電極13,14より吐出される電解液の量は、1つの電極13,14について、例えば、短毛種の場合1〜3cc、長毛種の場合2〜5ccとすることが好ましい。
また、図2及び図3に示すように、各電極13,14の周囲に、電極13,14の外周面から0.5〜10mm、更に0.8〜5mm、特に1〜2mmの間隔をおき、1又は2個以上の突起21を配することが、体毛の多いペットに電極体11を押し付けた場合に、軽い操作で体毛をかき分けることができ、電極13,14を容易に体表面に密着させることができる点から好ましい。2以上の突起21を配する場合には、互いに独立したものであることが好ましい。各突起21の高さは、各電極13,14の高さ以下であり、かつその差が5mm以内、更に3mm以内、特に2mm以内であることが、体毛をかき分け易くし、かつ電極13,14を容易に体表面に密着させることができる点から好ましい。突起21の数は、一つの電極につき1〜4個であることが好ましく、更に2個であることが、電極13,14を容易に体表面に密着させることができる点から好ましい。突起21の断面は、長辺が1〜5mm、好ましくは2〜4mm、短辺が1〜3mm、好ましくは2〜3mmの楕円若しくは矩形、一辺が1〜5mm、好ましくは2〜4mmの三角形、直径が1〜5mm、好ましくは2〜4mmの円形、又はこれらを組み合わせた形状を用いることが出来る。更に、突起21の配置は、電極13,14の中心と、その電極13,14に配された突起21の中心を結ぶ線が、ペットの体毛の流れ方向に垂直となるようにすることが、軽い操作で体毛をかき分けることができる点から好ましい。ペットの体毛は一般に頭部から尾部へ向かう方向に流れているため、例えば、図2に示したように、直線状の電極13,14の配置と同じ線上に突起21を配置した電極体11の場合は、正中線と垂直方向に電極体11を押し付けて測定するのが好ましい。図6に示す電極体11と制御算定部12が一体化されたペット用体脂肪測定具10’についても、同様に上記突起を設けることが好ましい。
以下、犬の場合を例に説明する。
すなわち、本実施形態のペットの体脂肪測定方法は、図1に示す犬用体脂肪測定具10や図6に示す犬用体脂肪測定具10’を用い、生体インピーダンスを計測して犬の体脂肪を測定する方法であって、犬用体脂肪測定具10,10’の電極体11には2個ずつの電圧用電極13及び電流用電極14が、電流用電極14と電圧用電極13間の距離L1が10mm、電圧用電極13と電圧用電極13間の距離L2が30mmとなるように直線状に配置されて取り付けられている。更に、インピーダンス計測回路が電極体11と一体化されて組み込まれ、電流用電極14及び電圧用電極13と接続して測定時に流す交流電流を制御すると共に、測定電圧から計測した生体インピーダンスに基づいて体脂肪を算定する制御算定部12を備えている。交流電流の周波数及び電流値は、それぞれ80〜600kHz、0.1〜1mAの範囲で可変となっており、被毛の多さ等により、測定精度等を考慮して適宜最適条件を選択できるようになっている。そして、犬用体脂肪測定具10,10’の電極体11を、例えば図5(a)及び(b)に示すように、好ましくは犬の胴体部で肩甲骨から腸骨までの間で体側側から見た胴体の背部側半分の範囲で、犬の最後肋骨周囲部に押し付けるようにして使用する。
また、例えば図5(c)に示すように、背骨の正中線と好ましくは30mm程度平行にずらせた位置において、一列に配置した電圧用電極13及び電流用電極14を押し付けるようにして使用することもでき、例えば図5(d)に示すように、背骨の正中線と垂直な方向において、一列に配置した電圧用電極13及び電流用電極14を押し付けるようにして使用することもできる。さらに、電流用電極14及び電圧用電極13をスクエアに2列に配置した図3に示す電極体11を用いる場合には、例えば図5(e)に示すように、背骨を挟んだ片側に押し付けるようにして使用することもできる。
そして、本実施形態のペットの体脂肪測定方法によれば、犬用体脂肪測定具10,10’の電極体11を犬の背中に押し付けて使用する際に、背中の体表面と各電極13,14の電極面との間に介在する体毛に電解液を担持させることが好ましい。これにより、体脂肪をより正確に測定することが可能となる。また、電解液を含浸させた例えばスポンジ、織布、不織布、脱脂綿等からなる電解液含浸体を、背中の体表面と各電極13,14の電極面との間に挟み込むことにより、背中の体表面と各電極13,14の電極面との間に介在する体毛に電解液を担持させることもできる。
また、電解液を含浸した電解液含浸体は、導電性であっても導電性でなくとも良い。導電性であるものとしては、導電性スポンジ等を用いることができる。この電解液含浸体は、体表面と各電極13,14の電極面との間に挟み込んで用いる必要は必ずしもなく、体毛に電解液を直接塗布等して含浸担持させることもできる。そして、本発明に係るペット用体脂肪測定具10,10’は、体表面と各電極13,14の電極面との間に介在する体毛に電解液を担持させて用いる必要は必ずしもなく、例えば剃毛を施して、この剃毛した部位に各電極13,14の電極面を押し付けるように保持して用いることもできる。
電解液を担持させる他の方法としては、各電極13,14の電極面に直結した電解液の供給部から、電極体11の表面に電解液を直接供給することもできる。すなわち、例えば図2に示す電極体11において、図4(a)に示すように、電極体11の押付け面に突出配置される電流用電極14及び電圧用電極13の金属薄板をプレスして半球状に形成すると共に、中央部分に電解液流通孔16を形成し、電極13,14の基端部分に接続した供給チューブ17を介して供給される電解液を、電解液流通孔16を経て電極13,14の先端面から吐出させて供給することができる。また例えば図4(b)に示すように、電極体11の押付け面に突出配置される電流用電極14及び電圧用電極13を、中央部分に電解液流通孔16を備えるように加工されたボルト部材18によって形成すると共に、このボルト部材18による電極13,14をナット部材19を介して電極体11に取り付け、電極13,14の基端部分に接続した供給チューブ17を介して供給される電解液を、電解液流通孔16を経て電極13,14の先端面から吐出させて供給することもできる。
さらに、電極体11の電流用電極14及び電圧用電極13は、電極体11の内部に挿通配置された接続コード15の一端部と各々結線されており、またこの接続コード15の他端部は、コネクター20を介して上述と同様の構成の制御算定部12と接続されることにより(図1参照)、測定時に流す交流電流が制御されると共に、測定電圧から計測した生体インピーダンスに基づいて、ペットの体脂肪を容易に算定できるようになっている。
本発明のペットの体脂肪測定方法によりペットの体脂肪を測定するためには、予め重水希釈法等により正確に体脂肪率を測定し、前記ペット用体脂肪測定具等により、様々な交流電流周波数について測定したインピーダンス値との間に関係式を作成しておく。その後は、特定の交流電流周波数を用いて単にインピーダンス値を測定するのみで、前記関係式からペットの体脂肪率を算定することが可能である。また、当該関係式を制御算定部に予め入力しておけば、生体インピーダンスを測定すると同時に体脂肪率を算定し、即座に表示部に表示することができるようになっている。更に、体重を別途入力しておけば、生体インピーダンスを測定すると同時に体脂肪量(重量)を算定し、即座に表示部に表示することができるようになっている。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
試験例1
8頭のビーグル犬を対象とし、以下に示すそれぞれの測定を行った。
〔重水希釈法による体脂肪率測定〕
まず、Burkholderらの方法1)に準じ、表1に示す各犬A〜Hの体脂肪率を正確に測定した。ただし無麻酔にて行なった。頚静脈より6ml採血し、血清分離を行い、重水注入前の血清サンプルとした。次に前足静脈に翼状針を留置し、重水をシリンジに0.2ml/(kg体重)計り取り注入し、さらにヘパ生10mlを注入した。注入前後のシリンジの重量を測定し差分を重水の注入量(WD2O)gとした。重水の拡散時間として90分間とった。その後再び反対の頚静脈より6ml採血し、血清分離を行い注入後の血清サンプルとした。IRMSにて重水濃度を分析した。注入前の血清サンプル中の濃度を(C1)ppm注入後を(C2)ppm、注入した重水の量を(WD2O)gとした。体重を(BW)kgとして下の計算式により体脂肪率を算出した。
体脂肪率(%)=100−{105D2O/(C2−C1)}/0.732BW
[1]:William J. Burkholder, Craig D. Thatcher AJVR 59(8) 1998 927-937]
〔インピーダンス値の測定〕
図6に示した体脂肪測定具10’の電極体11の電圧用電極13と電流用電極14間の距離L1を15mm、及び電圧用電極13と電圧用電極13間の距離L2を30mmに設定し、それぞれ次の手順で測定を行った。まず、表1に示した各犬に対して99.5重量%のエタノールにて、図5(a)に示す犬の最後肋骨上周辺を清拭後、0.9重量%の生理食塩水を脱脂綿に含ませて犬の最後肋骨周囲に塗布した後、前記電極体11を、各犬の生理食塩水を塗布した部位に押し付け、インピーダンスを計測した。この時の電流値は約0.2mA、交流電流の周波数は表1に示したように値を変化させ、各犬の重水希釈法による体脂肪率とインピーダンス測定値、及び相関係数を表1に示した。
〔本発明の方法による体脂肪率の測定〕
前記重水希釈法による体脂肪率と、前記各交流電流の周波数におけるそれぞれのインピーダンス値との関係式を、ペット用体脂肪測定具10’の制御算定部12に入力し、各犬A〜Hについて、インピーダンス値の測定と同様の方法で測定を行った。各交流電流の周波数にて、各犬A〜Hについて、表示部12aに表示された数値を計測した。結果を表2に示した。
表2によれば、本発明の方法を用いることにより、重水希釈法による体脂肪率とペット用体脂肪測定具による体脂肪率の測定値の差があまりなかった。よって、インピーダンス値を測定するのみで、極めて容易且つ精度良くペットの体脂肪率を測定できることが判明した。一方、インピーダンス測定時の交流電流の周波数が、本発明の範囲外である50kHz、1MHz及び5MHzでは、重水希釈法による体脂肪率とインピーダンスの測定値の相関性が低下し(表1)、表2によりインピーダンス法によっては正確に体脂肪率を測定できないことを確認した。
本発明の方法に用いるペット用体脂肪測定具を説明する斜視図である。 本発明の方法に用いるペット用体脂肪測定具の電極体を例示する斜視図である。 電極体の他の実施形態を例示する斜視図である。 (a)及び(b)は、各電極に直結した電解液の供給部から、電極体の表面に電解液を直接供給する構成を例示する部分断面図である。 (a)〜(e)は、本発明に係るペット用体脂肪測定具を犬に対して使用する際の説明図である。 本発明の一実施形態に係るペット用体脂肪測定具を説明する斜視図である。
符号の説明
10,10’ ペット用体脂肪測定具
11 電極体
12 制御算定部
13 電圧用電極
14 電流用電極
15 接続コード
16 電解液流通孔
17 電解液供給チューブ
18 ボルト部材
19 ナット部材
20 コネクター
21 突起
L1 電圧用電極と電流用電極との中心間距離
L2 電圧用電極と電圧用電極との中心間距離

Claims (5)

  1. 生体インピーダンスを計測してペットの体脂肪を測定するペットの体脂肪測定方法であって、電流用電極及び電圧用電極を少なくとも2個ずつ備え、ペットの体の一部に押し付けて用いる電極体と、前記電極体と接続して測定時に流す交流電流を制御すると共に、測定電圧から計測された生体インピーダンスに基づいて体脂肪を算定するインピーダンス計測回路を備える制御算定部とを具備するペット用体脂肪測定具を用い、インピーダンス測定時の交流電流の周波数を80〜600kHzとするペットの体脂肪測定方法。
  2. 電極体を押し付ける部位が、ペットのそけい部、腋、前胸部、または四肢の体毛の薄い部位、あるいは胴体部の肩甲骨から腸骨までの間で体側側から見た胴体の背部側半分の範囲である請求項1記載のペットの体脂肪測定方法。
  3. 電圧用電極と電流用電極の中心間距離が5〜30mmであるペット用体脂肪測定具を用いる請求項1又は2に記載のペットの体脂肪測定方法。
  4. 電圧用電極と電圧用電極の中心間距離が10〜300mmであるペット用体脂肪測定具を用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載のペットの体脂肪測定方法。
  5. 体毛を有するペットの体表面と前記各電極の電極面との間に介在する体毛に電解液を担持させて測定する請求項1〜4のいずれか1項に記載のペットの体脂肪測定方法。

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JP2020014445A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 学校法人帝京科学大学 犬猫用標準体重計測メジャー

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