JP2007174909A - 腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法 - Google Patents

腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法 Download PDF

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Abstract

【課題】生存時より生貝殻に粘着付滞している不要、有害な物質の粘着部に対して遠赤外線共鳴吸収振動している水分子群を連続相とするエアロゾルを作用させて、粘着力を弱めると共に、泡の破裂により生じる電位を還元性の側に移行、保持して、接触物質並びにその周辺環境に腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法を提供する。
【解決手段】永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母粒子2を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に、気泡を存在させてつくったエアロゾルを生貝殻と接触させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、生貝食品精製上及び生貝殻素材利用上、不要、有害な付滞物質の離脱処理に関し、特に、腐敗抑制雰囲気を構築するエアロゾルを使用することよりなる安全、かつ簡便な生貝殻粘着付滞物質の離脱処理技術に関するものである。
海産物としての食用貝類の需要は各国共に多く、様々な料理に利用されているが、とりわけ日本では、食文化の一つである寿司において幾種もの生貝が好んで食されており、また、日本料理店においては、鮮度の良い殻着き生貝が季節毎に出され、それぞれ、来客の嗜好に応えている。
その場合、これらの生貝食品を原体出荷業者や料理責任者、販売者が安心して一般の客を含めた需要家に提供するためには、商品の腐敗が進行しない、できるだけ鮮度の良い物を選ぶことはもちろんであるが、一方において、海中での生育段階から挟雑している微生物、下等海洋動物、寄生貝やその死骸残存物及び危険性の高い堆積土等の不要、有害な貝殻付滞物質を取り除くことにも留意しないと、誘導腐敗を引き起こす元になったり、あるいは、人体に蓄積毒性を与えてしまう等の問題が発生する。
これまでのところでは、殻着き生貝自体が食品のカテゴリーにあるために、一般の物品と同じように洗剤や溶剤で洗うことができないので、出荷時には海水、また、調理直前に真水で幾度も洗い流すことで精製化をはかることしか対策方法が無かった。
しかしながら、それらの貝殻付滞物質は、生命を有していた時点で粘着物質を出して、強固に生貝殻に挟雑付着していた段階での接着力を保持している物や、貝の内側に入って、貝自体が発する粘着物質によって保持されている物であるため、到底水流の力だけでは全てを除去させることができない。したがって、現在、その補助手段として、有害有機物対策だけ、食用に差し仕えない範囲で殺菌剤や防止剤を添加して、生身共々腐敗抑制をすることが、食品の風味を一部犠牲にするのにも拘らず行なわれている。
また、食品としての身を商品とする際には、当然のことながら、貝殻が産業廃棄物としてそれぞれの場所で出てくるが、現在は焼成処理して、無機物だけの炭酸カルシウムとし、建材材料や化粧品原料、肥料などに一部有効利用されてきている現況にある。
この貝殻肥料に関しては、貝殻表層を構成している有機物が肥料として有用な役割をもつことが最近報じられたことから、焼成せずに身剥ぎ生貝殻をそのまま商品化させるという構想が出てきた。
因みに、その場合にも、腐敗するだけで不要、有害な貝殻付滞有機物や危険性の高い無機物を除去することは必要である。
そのような状況下で、生貝食品、身剥ぎ貝殻利用の双方の産業にとって安全、かつ簡便で、しかも地球環境を守ることにも貢献し得る適格、有効な貝殻付滞物質の離脱処理法を開発して、実用化させることが近年強く望まれている。
一方、新しい洗浄メカニズムを追及することに関する近年の取り組みから、水中に加圧条件で強制溶解された空気が不安定になって気泡になる際の系の圧力変化や、生じた気泡による接触摩擦力を利用して、被洗浄物から汚染物質を剥離させるというバブリング洗浄という方式が考え出されてきた。(例えば、特許文献1参照)
特開平6−296937号 特開2005−081228号
しかしながら、気体の作用だけを基本にしているバブリング洗浄方式を応用している限りでは、例えば、気泡粒径を小さくして貝との間の接触面積とか接触回数を増やしても、気泡自体の摩擦力増加には結びつかない。したがって、貝殻に対して単純に重力によって付着しているゴミ類等を除去することはできても、生物体由来の生成物のもつ強い粘着力を土台にして貝殻の内外に付滞している物質までも離脱させることは不可能であった。
また、その元の粘着性生成物そのものがそれぞれに固有の高分子化合物よりなり、通常公知の洗剤や溶剤を併用させても、溶解、可溶化、乳化若しくは分散等の作用を利用して収容、除去したり、また、粘着力低下を起こさせることができない。よって、それによって貝殻に付滞している不要、有害な物質をより良く離脱させる協力効果は得られず、洗浄力とか溶解力というエネルギーを用いても、従来これを解決することができなかった。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、これまでの技術検討の段階では、ただの連続相としての場の役割にしかなっていなかった水を変革利用することに着目し、気泡よりはるかに小さい水分子の一つ一つに外部から熱エネルギーを吸収させることで、共鳴振動を起こさせた後、その中に気泡を誘導して随時破裂させると、水の酸化還元電位が低下して、安定化し、貝身自体の活力が上昇して、汚れの排出を行ない、かつ、水分子と気泡とが共に運動機能を強める新規なエアロゾルが独特な浸透、摩擦作用によって効率良く貝殻から付滞物質を離脱させ、しかも、その際に腐敗抑制雰囲気を構築するということを見いだし、本発明に到達したものである。
本発明の請求項1にあっては、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に、気泡を存在させてつくったエアロゾルを生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項2にあっては、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に加圧強制溶解させた気体を爆裂させて得た気泡を分散させてつくったエアロゾルを、生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項3にあっては、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中を減圧にして吸引した気体を分散させてつくったエアロゾルを、生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項4にあっては、生貝殻が生きた状態の身入りかき殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項5にあっては、生貝殻が身剥ぎ生かき殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項6にあっては、生貝殻が生きた状態の身入りホタテ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項7にあっては、生貝殻が身剥ぎ生ホタテ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項8にあっては、生貝殻が生きた状態の身入りアサリ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項9にあっては、生貝殻が生きた状態の身入りバカ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
請求項10にあっては、生貝殻が生きた状態の身入りタニシの殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法である。
以上説明したように、本発明によれば、エアロゾルの分散相である気泡は、予め、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に溶解させておいた気体から発生させたものでも、該水中に外部から誘導した気体に由来するものでも良く、さらに、気泡の化学構造に限定が無いので、例えば、通常の空気でも、Nガスでも、あるいは炭酸ガス等々、種々のものが使用できる。
一方、連続相の水も特に限定されず、イオン交換水、水道水、蒸留水、海水等、いずれでも良く、また、酸性、アルカリ性、中性等のpH域にも限定は無い。したがって、それぞれの原料を自然界から簡便に、不足なく調達でき、そして、安全な構造及び組成物としてまた自然界へ帰すことができる点で、産業有益性と環境保全性を両立させ得る。
また、技術面では、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた特定の反発磁界の内部空間を連続相である水が一度でも通過したことにより、効率良く遠赤外線を吸収し、それぞれの分子に共鳴吸収振動を起こさせる結果、エアロゾル中の分散相である気泡のブラウン運動をも強め、連続相、分散相一体となって貝殻に対して振動摩擦を早い速度で繰り返し与える。それにより、既知の単純な気泡の摩擦によりなるバブリング操作では無理であった貝殻と付滞物質とを結びつける粘着力を弱めることをが可能となり、その結果、不要、有害な物質を身や貝殻からほぼ確実に離脱させて、両者共に、一層精製した製品となる。
その際、エアロゾル中で分散相である気泡が破裂、消去する時の静電気作用で発生した電位を、連続相である遠赤外線共鳴吸収振動水が還元性の側で安定に保持するので、貝及び貝殻製品ならびにそれらを製造する環境に対して腐敗抑制雰囲気が構築されることとなり、これによって、それぞれに大きな長所がもたらされる。
ここで、前記した本発明者による先願発明である特許文献2では、永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた導管内流水活性化器具の内部を通過させた水の諸作用についての知見を開示しているが、貝のような水生生物が貝殻の内外に他の物質を付滞させる際に自身から出す有機物の現わす粘着力を弱めて、不要、有害な付滞物質を離脱させることを目的として、遠赤外線共鳴吸収振動水を連続相とする特定のエアロゾルの挙動を利用するという本発明までには到達していないものである。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法とその有用性は以下の具体例だけに限定されるものではない。
(実施例1)
ステンレス製箱型水槽(但し、80cm×100cm×80cmのもの)に、図1のように、ネオジウム鉄ボロン永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2を油性1液型アクリル樹脂系塗料の中に60(重量)%分散させたものを、厚さ60μm塗布固定させた反発磁界の内部を通して7℃の紫外線殺菌海水(但し、原水は宮城県松島湾採取のもの)を500l注入した後、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)内をNガスと共に循環させて、本発明のエアロゾルを製造した。
尚、図中3はネオジウム鉄ボロン永久磁石1の位置保持助材、4は反発磁界器具の形状保持材、5は器具取り付け固定用ネジをそれぞれ示す。
次に、その中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に引き上げ直後の身入り生がき400個(但し、1個の平均重量40gの宮城県松島湾養殖のもの)を30分間吊して、浸漬させ、挟雑している粘着付滞物質の離脱処理を行なった。
(比較例1)
実施例1と同様のステンレス製箱型水槽に、7℃の紫外線殺菌海水(但し、原水は宮城県松島湾採取のもの)500l注入した後、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)内をNガスと共に循環させて、エアロゾルを製造した。
つづいて、その中に、実施例1と同様の空隙を有するステンレス針金製籠に入れた引き上げ直後の身入り生がき400個(但し、1個の平均重量40gの宮城県松島湾養殖のもの)を30分間吊して、浸漬させた。
実施例1と比較例1の30分浸漬処理後の海水廃液について、それぞれ、JIS K−0102−21によりBOD、JIS K−0102−17によりCODを測定した。また、それらの海水廃液をビーカーに1kgづつ取り、上部が通常に空気と接触する条件下、7℃で1週間静置させた後の一般生菌数を標準寒天平板培養法で測定した。
一方、粘着付滞物質の離脱処理操作を行なった後の実施例1及び比較例1の身入り生がきをそれぞれ無作為に100個づつ抽出し、ステンレス製箱型バット(但し、80cm×80cm×8cmのもの)に入れて、5℃の冷蔵庫内に3日間静置させ、鮮度状況を判定した。
身入り生がきの鮮度状況の優劣の判定基準は次の通りである。
◎…身入り生がき100個中、80個以上が生きている状態のもの。
○…身入り生がき100個中、65〜79個が生きている状態のもの。
△…身入り生がき100個中、50〜64個が生きている状態のもの。
×…身入り生がき100個中、生きている状態の物が49個以下のもの。
結果を表1に示した。
Figure 2007174909
表1のデーターから判断されるように、比較例1の単純なエアロゾルと異なり、実施例1で用いた本発明のエアロゾルでは連続相の海水が遠赤外線共鳴吸収振動することにより、貝に粘着付滞している不要有害な物質の接着部に鋭く入り込んで離脱させ、再付滞させないように作用すると共に、制菌性を示し、かつ、商品とする生がきの表皮を繰り返し新鮮な水分子と接触させるように機能することにより、物質並びにその周辺環境に対して腐敗抑制雰囲気が構築されてくる。
(実施例2)
実施例1と同様のステンレス製箱型水槽に20℃の水道水(但し、埼玉県川口市使用のもの)を500l注入した後、図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界の内部に給水管と排水管の二本を通すようにして、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)とつなぎ、遠赤外線共鳴吸収振動水道水と空気を循環させて、本発明のエアロゾルを製造した。
次に、ステンレス製円筒型容器(但し、直径50cm、高さ50cmのもの)に生がき剥ぎ出し48時間後の貝殻片5kgを計り取り、攪拌のない状態で、上記20℃の本発明のエアロゾル75kgを1分を要して注入し、4分間静置させて、挟雑している粘着付滞物質の自動離脱処理を行なった。
(比較例2)
実施例2と同様のステンレス製箱型水槽に注入した20℃の水道水(但し、埼玉県川口市使用のもの)500lの中に給水管と排水管を投入した加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)により水道水と空気を循環させて、エアロゾルを製造した後、実施例2と同様に、そのうちの75kgをステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)の中に計り取った生がき剥ぎ出し48時間後の貝殻片5kgの上に1分を要して注ぎ、さらに、4分間静置させた。
(比較例3)
実施例2及び比較例2と同様のステンレス製円筒型容器(但し、直径50cm、高さ50cmのもの)に生がき剥ぎ出し48時間後の貝殻片5kgと20℃の水道水(但し、埼玉県川口市使用のもの)75kgを仕込んだ後、上部に回転式攪拌機を取り付け、150rpmの回転速度で2時間攪拌を行ない、相互接触させた。
実施例2、比較例2及び3の貝殻片接触処理直後の水道水について、それぞれ、JIS K−0102−21によりBOD、JIS K−0102−17によりCODを測定した。また、貝殻片接触処理10日後の各水道水について酸化還元電位測定器(但し、有限会社光ベルコム製HB−03を使用)で酸化還元電位(ORPとする)を測定し、同時に、臭気を嗅覚判定した。
結果を表2に示した。
Figure 2007174909
表2のデーターから判断されるように、生がき剥ぎ出しした後でも粘着力によって生貝殻に残存付滞している有機物や無機物質は単純な水洗浄を行なうだけでは離脱させることができず、また、バブリング洗浄法により気泡摩擦を加えたものでもまだ不十分であるのに対して、連続相の水にゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収振動をもたらした状態で気泡を共存させた本発明のエアロゾルでは、界面浸透性を含めて極めて運動機能性の高い系がつくられるので、貝殻片に粘着付滞している各物質をも効率的に離脱させ得るのだろうと推測される。
また、実施例2の離脱処理後の水道水が比較例2及び3の処理後の水道水と異なり、ORPをより還元領域に近づけて安定化させるために、内部に存在する有機物の腐敗を遅らせる結果、環境に有害な異臭、悪臭の発散が感じられないという長所も確認された。
(実施例3)
実施例1と同様のステンレス製箱型水槽に、図1のように、ネオジウム鉄ボロン永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2を油性1液型アクリル樹脂系塗料の中に60(重量)%分散させたものを、厚さ60μm塗布固定させた反発磁界の内部を通して7℃の紫外線殺菌海水(但し、原水は青森県陸奥湾採取のもの)を500l注入した後、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)内を空気と共に循環させて、本発明のエアロゾルを製造した。
次に、その中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に入れた引き上げ直後の身入りホタテ貝(但し、青森県陸奥湾養殖のもの)400個を10分間吊して、浸漬させ、挟雑している粘着付滞物質の離脱処理を行なった。
(比較例4)
実施例3と同様のステンレス製箱型水槽に7℃の紫外線殺菌海水(但し、原水は青森県陸奥湾採取のもの)を500l注入した後、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)内を空気と共に循環させて、エアロゾルを製造した。
つづいて、その中に、実施例3と同様の空隙を有するステンレス針金製籠に入れた引き上げ直後の身入りホタテ貝(但し、青森県陸奥湾養殖のもの)400個を10分間吊して、浸漬させた。
実施例3と比較例4の10分浸漬処理後の海水廃液について、実施例1と同様の方法でBOD及びCODを測定した。
また、同じ海水廃液をステンレス製箱型水槽に入れたまま、3日間、常温下に放置し、腐敗臭増加の有無を調べた。
結果を表3に示した。
Figure 2007174909
表3データーから判断されるように、本発明実施例3の海水廃液のBOD値及びCOD値が比較例4の海水廃液の数値より多く、身入りホタテ貝からの粘着付滞物質を効果的に離脱させていることを示す一方、より多くの有機物を包含させていながら腐敗臭を殆ど感じさせないことから、本発明のゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収振動エアロゾルが腐敗抑制雰囲気を構築して、異臭、悪臭の発生を阻止し、作業環境の悪化を防ぐ方向に働くという長所も得られた。
(実施例4)
実施例1と同様のステンレス製箱型水槽に20℃の水道水(但し、埼玉県川口市使用のもの)を500l注入した後、図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界の内部に給水管と排水管の二本を通すようにして、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)とつなぎ、遠赤外線共鳴吸収振動水道水と空気を循環させて、本発明のエアロゾルを製造した。
次に、ステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)に身剥ぎ48時間後のホタテ貝殻片5kgを投入した中に上記エアロゾル75kgを10秒間で注入し、3分間静置させて、挟雑している粘着付滞物質の自動離脱処理を行なった。
(比較例5)
実施例4と同様のステンレス製箱型水槽に注入した20℃の水道水(但し、埼玉県川口市使用のもの)500lの中に給水管と排水管を投入した加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)により水道水と空気を循環させて、エアロゾルを製造した後、実施例4と同様に、そのうちの75kgをステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)の中に計り取った身剥ぎ48時間後のホタテ貝殻片5kgの上に10秒間で注ぎ、さらに、3分間静置させた。
(比較例6)
実施例4及び比較例5と同様のステンレス製円筒型容器(但し、直径50cm、高さ50cmのもの)に身剥ぎ48時間後のホタテ貝殻片5kgを計り取ったところに、20℃の水道水75kgを10秒間で注入し、さらに、3分間静置させた。
実施例4、比較例5及び6のホタテ貝殻片接触処理直後の水道水について、実施例1と同様の方法でBOD及びCODを測定した。
また、処理10日経過後の常温放置水道水についてそれぞれ、酸化還元電位測定器(但し、有限会社光ベルコム製HB−03を使用)でORPを測定し、同時に、臭気を嗅覚判定した。
結果を表4に示した。
Figure 2007174909
表4のデーターから、本発明実施例4のゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収振動エアロゾルが、廃棄物であるホタテ貝殻の粘着付滞物質の離脱処理にも極めて有効であり、また、還元領域を保持しつつ作用するので、離脱作業時に腐敗抑制雰囲気を構築して、作業環境を改善するものであるということも確認できた。
(実施例5)
ポリプロピレン製箱型水槽(但し、50cm×50cm×40cmのもの)の中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に採集直後のアサリ(但し、千葉県木更津市金田海岸のもの)500個を収納した状態で固定した後、別途、ステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)に満たした20℃の3%食塩水を図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界の内部を通しつつ、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、クリーン・ワールド株式会社製MB−WANKOを使用)へ空気と共に誘導させてつくった本発明のエアロゾルを1時間毎に計3回25kgづつ注入、2回排出させ、途中、上部に蓋をして静置し、挟雑している粘着付滞物質の自動離脱処理を行なった。
(比較例7)
実施例5と同様のポリプロピレン製箱型水槽(但し、50cm×50cm×40cmのもの)の中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に採集直後のアサリ(但し、千葉県木更津市金田海岸のもの)500個を収納した状態で固定した後、別途、ステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)に満たした20℃の3%食塩水を加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、クリーン・ワールド株式会社製MB−WANKOを使用)へ空気と共に誘導させてつくったエアロゾルを1時間毎に計3回25kgづつ注入、2回排出させ、途中、上部に蓋をして静置した。
(比較例8)
実施例5及び比較例7と同様のポロプロピレン製箱型水槽(但し、50cm×50cm×40cmのもの)の中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に採集直後のアサリ(但し、千葉県木更津市金田海岸のもの)500個を収納した状態で固定した後、20℃の3%食塩水を1時間毎に計3回25kgづつ注入、2回排出させ、途中、上部に蓋をして静置した。
実施例5、比較例7及び8のアサリ処理食塩水中の粘液物質及び砂の離脱状況について、それぞれ、1回目注入1時間後、2回目注入1時間後及び3回目注入1時間後毎に観察した。また、3回目に食塩水注入したものについては、さらに、20℃で3日間静置させた後の浸漬継続下にあるアサリの鮮度状況を調べ、同時に、処理食塩水の臭気を嗅覚判定した。
アサリの鮮度状況の優劣の判定基準は次の通りである。
A…アサリ500個中、475個以上が生きている状態のもの。
B…アサリ500個中、400〜474個が生きている状態のもの。
C…アサリ500個中、生きている状態のものが399個以下のもの。
結果を表5に示した。
Figure 2007174909
表5からわかるように、比較例7のように単純に微細気泡を含有させるだけでは、生理的に敏感に生きているアサリから粘液物質とそれによって付滞させている砂を効率良く離脱させることができず、食塩水だけを使用した比較例8の場合と殆ど有意差は見られなかったが、連続相の各水分子に対して本発明によりゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収振動を起こさせた状態の新規な運動機能性食塩水・空気エアロゾルでアサリを処理した実施例5では、短時間で効率良く食用に不要、有害な付滞物質を離脱させるだけでなく、エアロゾル系として長時間腐敗抑制雰囲気を構築するために、アサリ自体の生理活性を強め、鮮度劣化を遅らせるという長所も見いだされた。
(実施例6)
鉄鍋(但し、直径60cm、高さ20cmのもの)に、図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界の内部を通しつつ、2.5%食塩水を加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、クリーン・ワールド株式会社製MB−WANKOを使用)へ空気と共に誘導させてつくった本発明のエアロゾルを15kg注入して、加熱し、内温が95℃以上となって沸騰したところにバカ貝(但し、千葉県富津市富津海岸のもの)50個を投入して、5分間浸漬させ、挟雑している粘着付滞物質の離脱処理を行なった。
つづいて、処理したバカ貝を、別途、ステンレス製円筒型容器(但し、直径80cm、高さ80cmのもの)に満たした20℃の水道水45kgの中へ投入して、30分間静置させ、冷却させた後に取り出して、貝の内外を観察した。
(比較例9)
実施例6と同様の鉄鍋に、2.5%食塩水を空気と共に加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、クリーン・ワールド株式会社製MB−WANKOを使用)へ誘導させてつくったエアロゾルを15kg注入して、加熱し、沸騰状態としたところにバカ貝(但し、千葉県富津市富津海岸のもの)50個を投入して、5分間処理した後、取り出し、実施例6と同様の方法で20℃の水道水を用いて冷却させた。
(比較例10)
実施例6及び比較例9と同様の鉄鍋に、2.5%食塩水を15kg注入して、加熱し、沸騰状態としたところにバカ貝(但し、千葉県富津市富津海岸のもの)50個を投入して、5分間処理した後、取り出し、実施例6及び比較例9と同様の方法で20℃の水道水を用いて冷却させた。
実施例6、比較例9及び10の水道水での冷却終了後のバカ貝について貝殻への付滞藻の離脱状況と身中の砂の除去状況を観察した。
また、処理水道水の表面を外気と接触させつつ1週間静置させた後の腐敗臭発生の有無を調べた。
付滞藻の離脱状況の優劣の判定基準は次の通りである。
◎…バカ貝50個中、全部が付滞藻を離脱させているもの。
○…バカ貝50個中、46〜49個が付滞藻を離脱させているもの。
△…バカ貝50個中、40〜45個が付滞藻を離脱させているもの。
×…バカ貝50個中、付滞藻を離脱させている物が39個以下のもの。
砂の除去状況の優劣の判定基準は次の通りである。
A…バカ貝50個中、45個以上が砂を吐き出してきたと判断されるもの。
B…バカ貝50個中、35〜44個が砂を吐き出してきたと判断されるもの。
C…バカ貝50個中、25〜34個が砂を吐き出してきたと判断されるもの。
D…バカ貝50個中、が砂を吐き出してきたと判断される物が24個以下のもの。
結果を表6に示した。
Figure 2007174909
表6からわかるように、比較例9のような単純なエアロゾルでは高温条件下で微細気泡が不安定になり、消滅して比較例10の2.5%の沸騰食塩水と同じような水だけの作用でバカ貝の粘着付滞物質の離脱を行なっているのに対して、実施例6の本発明のエアロゾルでは、高温条件下で連続相の水分子がゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収振動を強めて、バカ貝により多く接触することと合わせて、気泡のバカ貝への摩擦を助長するので、より効果的な粘着付滞物質の離脱作用が行なわれているということが認められる。そしてまた、バカ貝製品精製処理を行なった水道水で長時間腐敗臭が見られないことから、本発明実施例6の生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法では、バカ貝製品自体の腐敗抑制雰囲気も保持されていることが首肯できる。
(実施例7)
10℃の淡水を1秒間に5kg通過させている幅50cmで、水深20cmの人工河川の上下2mの土砂底を高さ10cmのアク抜きコンクリート板2枚で区切って、その中に、アオコを付滞させている平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を20個とアオコを付滞させていない平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を80個投入した後、図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界に水を誘導させるように気体流入管を取り付けた減圧気泡誘導発生器(但し、株式会社大日テクノグリーン製ナノマイズシステムジョーカーを使用)を上流部に設置して空気泡を巻き込ませ、本発明のエアロゾルを2ヶ月間製造しつつ、タニシに対して連続的に接触させた。しかる後、アオコの離脱状況及びタニシの生育状況を観察した。
(比較例11)
実施例7と同様の人工河川の上下2mの土砂底を高さ10cmのアク抜きコンクリート板2枚で区切った中に、実施例7と同様にアオコを付滞させている平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を20個とアオコを付滞させていない平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を80個投入した後、上流部に減圧気泡誘導発生器(但し、株式会社大日テクノグリーン製ナノマイズシステムジョーカーを使用)を設置して空気泡を巻き込ませる操作を2ヶ月間、連続して行なった。
(比較例12)
実施例7及び比較例11と同様の人工河川の上下2mの土砂底を高さ10cmのアク抜きコンクリート板2枚で区切った中に、実施例7及び比較例11と同様にアオコを付滞させている平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を20個とアオコを付滞させていない平均直径2cmのタニシ(但し、千葉県印西市で採集したもの)を80個投入して、2ヶ月間、自然放置した。
実施例7、比較例11及び12で試験した各100個づつのタニシの2ヶ月経過後のアオコの離脱状況とタニシの生育状況をそれぞれ調べた。また、それぞれの試験河川について酸化還元電位測定器(但し、有限会社光ベルコム製HB−03を使用)でORPを測定した。
アオコの離脱状況の優劣の判定基準は次の通りである。
◎…タニシ100個中、全部がアオコを離脱させているもの。
○…タニシ100個中、90〜99個がアオコを離脱させているもの。
△…タニシ100個中、80〜89個がアオコを離脱させているもの。
×…タニシ100個中、アオコを離脱させている物が79個以下のもの。
タニシの生育状況の優劣の判定基準は次の通りである。
A…タニシ100個中、97個以上が生きている状態のもの。
B…タニシ100個中、90〜96個が生きている状態のもの。
C…タニシ100個中、80〜89個が生きている状態のもの。
D…タニシ100個中、生きている状態の物が79個以下のもの。
結果を表7に示した。
Figure 2007174909
表7の結果を総合してわかるように、実施例7のように河川水にゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収を起こさせつつ空気と共に製造される運動機能性のエアロゾルでは、生理活性を助長させる還元性の環境を保持するので、死滅したり、腐敗したりすることなくタニシを健全に生育させ、一方でまた、力学的にも、実施例11や実施例12の水の流れよりも有効にタニシの表面に接触し得るので、不要、有害なアオコを良く離脱させ、かつ、再発生及び再付滞させないのであろうと推測できる。
本発明の主原料のゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収水を製造するための組み合わせ型反発磁界器具の断面図である。 本発明の主原料のゲルマニウム遠赤外線共鳴吸収水を製造するための一体型反発磁界器具の断面図である。
符号の説明
1 永久磁石
2 ゲルマニウム内在黒雲母粒子
3 保持助材
4 保持材
5 器具取り付け固定用ネジ

Claims (10)

  1. 永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に、気泡を存在させてつくったエアロゾルを生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  2. 永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中に加圧強制溶解させた気体を爆裂させて得た気泡を分散させてつくったエアロゾルを、生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  3. 永久磁石のN極同士を向かい合わせ、かつ、その近傍にゲルマニウム内在黒雲母を配置させた反発磁界の内部を通過させた水中を減圧にして吸引した気体を分散させてつくったエアロゾルを、生貝殻と接触させることを特徴とする腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  4. 生貝殻が生きた状態の身入りかき殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  5. 生貝殻が身剥ぎ生かき殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  6. 生貝殻が生きた状態の身入りホタテ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  7. 生貝殻が身剥ぎ生ホタテ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  8. 生貝殻が生きた状態の身入りアサリ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  9. 生貝殻が生きた状態の身入りバカ貝殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
  10. 生貝殻が生きた状態の身入りタニシの殻であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の腐敗抑制雰囲気を構築する生貝殻粘着付滞物質の離脱処理法。
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