以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は、この発明の画像読取システムが構成されるネットワークの接続例を示す図である。
この画像読取システムを利用する環境としてのネットワークは、図1(a)に示すように、例えば、オフィス内で構築され、複数のユーザが利用する複数のパーソナルコンピュータ(PC)1が接続されるとともに、複数のユーザが共有して利用できる原稿を読取るスキャナを有するディジタル複写機2が接続されている。
また、図1(b)に示すように、図1(a)と同様に複数のPC1が接続されるネットワークにコントローラ3が接続され、そのコントローラ3に複数のユーザが共有するスキャナとしてのディジタル複写機3が接続された構成であっても良い。
上記ディジタル複写機2あるいはコントローラ3には、ユーザに対する操作案内や操作を指示する指示キーとしてのアイコンなどが表示されるタッチパネルが内蔵された表示画面、0〜9までの数字を入力するテンキーやコピー開始あるいはスキャン開始を指示するスタートボタンなどのハードキーを有する操作パネル(図示しない)が設けられている。
図2は、この画像読取システムの構成を示すブロック図である。
すなわち、この画像読取システムは、原稿を読取る画像読取部11、読取った画像を記憶して保管する画像保管部12、ユーザに対する案内画面や種々のアイコンなどを操作パネル上の表示部に表示する画面表示部13、ユーザが種々の設定を入力したり、処理の開始を指示する操作パネルなどの指示入力部14、原稿の読取りから読取った原稿までの種々の条件や処理内容などを示すスキャンジョブ(読取処理)を実行するスキャンジョブ実行部15、特定のユーザにスキャンジョブの実行を許可する実行権の判定を行う実行権判定部16、複数種類設定されるスキャンジョブを選択するスキャンジョブ選択画面のうち特定のユーザに使用を許可する使用権の判定を行う使用権判定部17、スキャンジョブを選択するスキャンジョブ選択画面を設定するスキャンジョブ選択画面設定部18、表示画面の管理を行う画面管理部19、種々のスキャンジョブを指示する指示キーとしてのアイコンを管理するアイコン管理部20、これらのアイコンに対応づけられるスキャンジョブが管理されるスキャンジョブ管理部21、スキャンジョブに登録される種々の動作モードや処理内容を示すパラメータを管理するパラメータ管理部22、ネットワークとの通信制御を行う通信制御部23、およびこれらの各構成要素を制御する制御部24から構成されている。
上記画像読取部11は、ユーザにより所定位置にセットされる原稿を1枚づつ読取る機能とともに、図示しない自動給紙装置により1枚づつ給紙される複数の原稿からなる文書単位の原稿を読取る機能を有している。
上記画面管理部19は、ユーザによる上記操作パネルへのキー入力により表示部に表示する画面を管理する画面管理テーブル19aを有している。
上記アイコン管理部20は、操作パネルの表示部に表示するアイコンを管理するアイコン管理テーブル20aを有している。
上記スキャンジョブ管理部21は、ユーザ操作により実行するスキャンジョブを管理するスキャンジョブ管理テーブル21aを有している。
上記各構成要素は、図1(a)に示すようなネットワーク環境の場合、ディジタル複写機2内に具備され、図1(b)に示すようなネットワーク環境の場合、画像読取部11がディジタル複写機2に具備され、その他の構成要素がコントローラ3に具備される。なお、上記各構成要素は、ネットワークで接続されるどの機器に具備されていても良い。
次に、原稿の読取り処理に連続して読取った画像に対して行う種々の処理をスキャンジョブとして設定する場合について図3を参照しつつ説明する。
この画像読取システムでは、図3に示すように、原稿Dを画像読取部11により読取り、その読取った画像が画像保管部12に一時保管される。そして、この画像保管部12に保管された画像は、データベースに登録されたり、メールとして送信されたり、ユーザごとに設けられているユーザ領域に送られたりする。
このように、原稿を読取って一時保管し、さらに、その読取画像に対して行う種々の処理をスキャンジョブとする。このスキャンジョブを実行する場合、原稿読取時の読取モード、および読取画像に対する処理内容が種々のパラメータにより設定される。
ここで、原稿画像の読み取りには、原稿サイズ、解像度、読み取りモード、濃度、ディザ指定などの種々のパラメータが必要である。また、読取った画像の保存には、ユーザ(入力者)名またはユーザ(入力者)ID、入力日時、画像IDなどのパラメータが必要である。これらの画像の読取処理に必要なパラメータと画像の保存に必要なパラメータとをスキャンパラメータと呼ぶ。
また、読取った画像に対する処理には、多様な種類があり、その種類により必要となるパラメータも様々に異なる。例えば、画像をデータベースに登録する場合、登録先のキャビネット名、フォルダ名、ファイル名、文書名などのパラメータが必要であり、読取画像をメールで送信する場合、差出人、宛先、同報や親展や速達などの送信方法などのパラメータが必要である。これらの読取った画像に対する種々の処理に必要なパラメータをジョブパラメータと呼ぶ。
これらのスキャンパラメータとジョブパラメータとを用いて、原稿の読取りから読取画像に対する処理までの一連の処理をスキャンジョブとして設定できる。
例えば、図3に示すように、スキャンジョブAは、原稿サイズA4、解像度200dpi、文字読み取りモードで原稿をスキャンし、ユーザ名がUSER1、処理の日付が98年10月8日の画像として、その画像を経理部キャビネットの設備計画フォルダの予算ファイルの99年度という文書としてデータベース登録処理を行うという一連の処理(スキャンジョブ)である。
また、スキャンジョブBは、原稿サイズA4、解像度200dpi、文字読み取りモードで原稿をスキャンし、ユーザ名がUSER1、処理の日付が98年10月8日の画像として、その画像を差出人が総務部、宛先が各部長、タイトルが通達のメールとして同報でメール送信処理を行うという一連の処理(スキャンジョブ)である。
また、スキャンジョブCは、原稿サイズA4、解像度200dpi、文字読み取りモードで原稿をスキャンし、ユーザ名がUSER1、処理の日付が98年10月8日の画像として、その画像を例えばネットワークに接続されるPC1の記憶部(図示しない)内に確保されているユーザ領域に移動してユーザの手動による処理待ちとする一連の処理(スキャンジョブ)である。
上記のスキャンジョブA、B、Cのように、スキャンジョブとは、少なくとも原稿画像の読み取り処理と、その読取処理により読み取った画像に対する処理とを連続して実行する自動処理の内容であり、複数のパラメータにより設定されるものである。
次に、スキャンジョブを実行する際に、ユーザが選択するスキャン機能の選択画面について図4に示すスキャン機能の選択画面の例を参照して説明する。
この画像読取システムでは、ユーザがスキャン機能を選択し、その選択された機能に対応して表示されるスキャンジョブ選択画面から1つのスキャンジョブを指示することにより実行するスキャンジョブを決定するようになっている。
すなわち、ユーザは、スキャンジョブを実行する際、画像読取部11に原稿をセットし、操作パネルの表示部30に表示されるスキャン機能の選択画面からスキャン機能を選択する。
このスキャン機能の選択画面には、図4に示すように、複数ユーザが共通して使用する共通スキャンを選択する共通スキャンアイコン31と、特定のユーザが使用する個別スキャン(プライベートスキャン)を選択する個別スキャンアイコン32とが表示される。
共通スキャンは、複数のユーザが共通して使用できるスキャンジョブ選択画面を選択する機能である。例えば、全てのユーザが自由に使用できるスキャンジョブと、特定のユーザのみが利用するが、特定のクループや個人としては分類できないようなスキャンジョブと、を選択するスキャンジョブ選択画面を選択する機能として用いられる。
また、個別スキャンは、特定のユーザが使用するスキャンジョブ選択画面を選択する機能である。例えば、特定のユーザのみが利用するスキャンジョブを選択するスキャンジョブ選択画面、あるいはネットワークが構築されているオフィス内の特定の部課や特定のプロジェクトグループに属するユーザのみが利用するスキャンジョブを選択するスキャンジョブ選択画面を選択する機能として用いられる。
また、個別スキャンでは、複数のスキャンジョブ選択画面からユーザが使用する画面を選択するため、例えば、操作パネルのテンキーにより特定の数字を入力してスキャンジョブ選択画面を選択するようになっている。
次に、図5に示すスキャンジョブ選択画面の例を参照して、スキャンジョブ選択画面とスキャンジョブとの関係を詳細に説明する。
図5は、操作パネルの表示部30に表示されたスキャンジョブ選択画面40の表示例を示す図である。図5に示すように、スキャンジョブ選択画面40は、その画面に付与されているタイトルを示す文字列、種々のスキャンジョブに対応づけられている複数のアイコン41、42、43、読取モードを設定するスキャンパラメータキー44、および操作の取り消しを指示する取消キー45からなる。さらに、上記アイコン41、42、43は、自動処理種別ビットマップと自動処理説明文字列とからなる。
自動処理種別ビットマップは、スキャン画像に対する自動処理の種別を表示するもので、例えば、データベース登録処理やメール送信処理を表現するビットマップである。
さらに、上記自動処理種別ビットマップの表示だけでは自動処理の内容をユーザが理解し難いため、自動処理説明文字列がスキャン画像に対する自動処理の内容を表示する。例えば、読取画像を登録するデータベースの登録先やメールの送信方法を表現する文字列である。
つまり、この自動処理説明文字列は、スキャンジョブ、すなわちスキャンとスキャンパラメータとジョブとジョブパラメータの組につけられた呼び名と考えることもできる。
たとえば、図5に示すスキャンジョブ選択画面40で、上段左のアイコン41は、上記したスキャンジョブAと対応づけられている。従って、ユーザにより上段左のアイコン41が指示された場合、スキャンジョブAとして定義されたスキャンパラメータに従って読取処理が実行され、この読取処理に連続して、スキャンジョブAとして定義されたジョブパラメータに従って読取画像に対する処理が実行される。ここでは、ジョブパラメータに従って実行される処理として、読取画像をデータベースに登録するプログラムにより、読取画像がデータベースのフォルダ名「設備計画」に登録される処理が実行される。このようなスキャンジョブAの処理をユーザがわかりやすくするため、アイコン41に設備計画と表示している。
また、図5に示すスキャン選択画面40で、上段中のアイコン42は、スキャンジョブBと対応づけられている。このアイコン42が指示された場合、スキャンジョブBとして定義されたスキャンパラメータに従ってスキャンが実行され、スキャンジョブBとして定義されたジョブパラメータに従って読取画像をメールで送信する処理が実行される。ここでは、ジョブパラメータに従って実行される処理として、メール送信プログラムにより、読取画像を「通達同報」でメール送信する処理が実行される。このようなスキャンジョブBの処理をユーザが分かり易くするため、アイコン42に通達同報と表示している。
また、図5に示すスキャン選択画面40で、上段右のアイコン43は、スキャンジョブCと対応づけられている。このアイコン43が指示された場合、スキャンジョブCとして定義されたスキャンパラメータに従って読取処理が実行され、スキャンジョブCとして定義されたジョブパラメータに従って処理が実行される。この場合には、ジョブパラメータが存在しないため、スキャンジョブCとして読取った画像をユーザ領域に移動する処理として、読取画像をユーザ領域に移動する処理が実行される。このようなスキャンジョブCの処理をアイコン43でユーザが分かり易くするため、アイコン43に移動先のユーザ領域である「作業用」という文字列を表示している。
さらに、図5に示すスキャン選択画面40で、上段右のアイコン43には、特定のユーザにのみ実行が許可される実行権が設定されているスキャンジョブであることを示すために、鍵のマークのついたビットマップで表現されている。この実行権は、特定のユーザのみが実行できるスキャンジョブであることを示し、その特定ユーザの認証手段として予め設定されている暗証番号を知っているユーザが実行できるようになっている。
すなわち、ユーザがこのアイコン43を選択した場合には、ユーザに対して暗証番号を入力することが求められる。そして、ユーザが暗証番号を入力すると、その入力された暗証番号が設定されている暗証番号と一致する場合に、そのスキャンジョブの実行を許可し、暗証番号が一致しない場合に、スキャンジョブの実行を許可しないようになっている。
上記のように、スキャンジョブに対応づける指示キーをスキャンジョブの内容をユーザが分かり易いアイコンで表示するようにしたものである。
これにより、スキャンジョブを指示する際、どのような内容のスキャンジョブかが分かり易い。
また、アイコン上に実行権が設定されているスキャンジョブに対応づけられているアイコンであることを示すマークなどを表示するようにしたものである。
これにより、ユーザに対して、実行権が設定され、暗証番号を知らなければ実行できないスキャンジョブを分かり易く表示することができる。
また、上記例では、実行権の認証手段として暗証番号の入力により実行の許可不許可を判断したが、これに限らず、ユーザが所持する磁気カード、ICカード、無線カードなどの記憶媒体に記憶されている内容を用いて実行権の認証を行っても良い。この場合、利用される記憶媒体に応じた記憶媒体読取装置(例えば、カードリーダ)を操作パネルの近傍に設け、実行権の設定されているスキャンジョブを実行する際に、記憶媒体の記憶内容を読取らせて認証を行う。
また、ユーザの指紋などの各ユーザ固有の情報により実行権の認証を行うようにしても良い。
上記のように、特定のユーザのみが実行できるスキャンジョブに対して、実行権を設定し、その実行権を暗証番号などにより認証し、実行権が認証された場合にのみスキャンジョブを実行するようにしたものである。
これにより、全てのユーザ情報を登録して管理することなく、特定のユーザが利用できるようなスキャンジョブを設定できる。
次に、スキャンジョブ選択画面の種類および属性について図6(a)、(b)、(c)を参照しつつ説明する。
図6(a)は、図4に示すような、スキャン機能の選択画面からディジタル複写機2を共有している任意のユーザが使用可能な「共通スキャン」を選択した際に操作パネルの表示部30に表示されるスキャンジョブ選択画面50の表示例を示すものである。
このスキャンジョブ選択画面50は、画面番号が「0」で設定され、選択できるアイコン51、52、53に対してアイコン番号が「11、12、13」と定義されている。
図6(b)は、図4に示すように、スキャン機能の選択画面から「個別スキャン」を選択し、さらに、ユーザが画面番号を入力することにより、ディジタル複写機2を共有しているユーザのうち画面番号を知っている特定のユーザだけが利用可能なスキャンジョブ選択画面60の表示例を示す図である。
この場合、ディジタル複写機2を共有しているユーザのうち総務部のメンバだけが画面番号を知っていて、この画面番号を知っている総務部のメンバだけが使用可能な「総務部向け」のスキャンジョブ選択画面50である。ただし、ここで総務部のメンバとは、あらかじめ登録され管理されている組織/メンバではなく、画面番号を知らされている総務部のメンバという意味であり、いわゆるユーザ管理とは無関係である(つまり、あらかじめすべての組織/ユーザを登録しておく必要はない)。
この「総務部向け」のスキャンジョブ選択画面50は、画面番号が「10」に設定され、選択できるアイコン61、62に対してアイコン番号が「21、22」と定義されている。
また、図6(b)に示すスキャンジョブ選択画面50でアイコン番号が「21」と定義され、上段左に表示されるアイコン(自動処理種別ビットマップ=メール、自動処理説明文字列=部内同報)61には、暗証番号「9876」が設定されている。
つまり、このアイコン61に設定された暗証番号「9876」を知っている(スキャンジョブの実行権を持っている)ユーザだけが、このアイコンに対応づけられたスキャンジョブを実行することができる。ただし、ここでユーザとは、あらかじめ登録され管理されているユーザではなく、暗証番号を知らされているユーザという意味であり、いわゆるユーザ管理とは無関係である(あらかじめすべてのユーザに対して暗証番号を登録しておく必要はない)。
図6(c)は、スキャン機能の「個別スキャン」で、ディジタル複写機2を共有しているユーザのうち、特定のユーザによって使用可能な「特定ユーザ(田中)向け」スキャンジョブ選択画面70の表示例である。この「特定ユーザ向け」のスキャンジョブ選択画面70は、画面番号が「123」に設定され、選択できるアイコン71としてアイコン番号が「31」と定義されている。
また、このスキャンジョブ選択画面70を示す画面番号「123」には、この画面を使用できる使用権を認識するため暗証番号として「1234」が設定されている。
この使用権は、特定のユーザのみが使用できるスキャンジョブ選択画面であることを示し、その特定ユーザの認証手段として予め設定されている暗証番号を知っているユーザが実行できるようになっている。
すなわち、ユーザが個別スキャンを選択し、さらに、スキャンジョブ選択画面として画面番号「123」を指定した場合には、ユーザに対して暗証番号を入力することが求められる。そして、ユーザが暗証番号を入力すると、その入力された暗証番号が使用権として設定されている暗証番号と一致する場合に、そのスキャンジョブ選択画面の使用を許可し、暗証番号が一致しない場合に、スキャンジョブ選択画面の使用を許可せずに、画面番号「123」のスキャンジョブ選択画面を表示しないようになっている。
このため、この使用権の設定されているスキャンジョブ選択画面は、画面番号の入力だけで表示することができず、画面番号と暗証番号とを両方知っている特定ユーザだけしか使用することができない。
ただし、ここで特定ユーザとは、あらかじめ登録され管理されているユーザではなく、暗証番号を知らされ、画面使用を許可されているユーザという意味であり、いわゆるユーザ管理とは無関係である(あらかじめすべてのユーザと暗証番号を登録しておく必要はない)。
また、ここで特定のユーザとは、ただひとりのユーザであってもよいし複数人のユーザであってもよく、暗証番号の設定とその暗証番号の通知の運用次第である。
また、上記例では、使用権の認証手段として暗証番号の入力により指定されるスキャンジョブ選択画面の使用の許可不許可を判断したが、これに限らず、ユーザが所持する磁気カード、ICカード、無線カードなどの記憶媒体に記憶されている内容を用いて使用権の認証を行っても良い。この場合、利用される記憶媒体に応じた記憶媒体読取装置(例えば、カードリーダ)を操作パネルの近傍に設け、使用権の設定されているスキャンジョブ選択画面が指定された際に、記憶媒体の記憶内容を読取らせて認証を行う。
また、ユーザの指紋などの各ユーザ固有の情報により使用権の認証を行うようにしても良い。
上記のように、特定のユーザのみに使用が許可されるスキャンジョブ選択画面に対して、使用権を設定し、その使用権を暗証番号などにより認証し、使用権が認証された場合にのみスキャンジョブ選択画面を表示するようにしたものである。
これにより、全てのユーザ情報を登録して管理することなく、特定のユーザのみが使用できるようなスキャンジョブ選択画面を設定できる。
次に、使用権や実行権が設定されている場合のユーザ操作について図6(b)、(c)を参照して具体的に説明する。
たとえば、図6(b)に示すスキャンジョブ選択画面60でアイコン61を指示する場合について説明する。
すなわち、「総務部向け」として設定されているスキャンジョブ選択画面60の画面番号「10」を入力した場合、この画面には使用権が設定されていないので、暗証番号の入力なしで、図6(b)に示すように、「総務部向け」スキャンジョブ選択画面60が表示される。
そして、図6(b)に示すスキャンジョブ選択画面60で、ユーザがスキャンジョブ「メール:部内同報」と表示されているアイコン61を選択する。すると、このアイコンに対応づけられているスキャンジョブには実行権が設定されているため、ユーザがスキャンジョブの実行を許可するための実行権を認証するため暗証番号を入力する。この際、ユーザが正しい暗証番号「9876」が入力されると、このスキャンジョブの実行が開始される。
また、図6(c)に示すスキャンジョブ選択画面60でアイコン61を指示する場合について説明する。
すなわち、「特定ユーザ(田中)向け」として設定されているスキャンジョブ選択画面70の画面番号「123」を入力した場合、このスキャンジョブ選択画面70には使用権が設定されているため、使用権を認証するための暗証番号の入力が求めらる。この際、ユーザが正しい暗証番号「1234」を入力すると、「特定ユーザ(田中)」向けのスキャンジョブ選択画面70が表示される。そして、「ユーザ:雑用」と表示されているアイコン71を選択して、スタートボタンを押下すると、このアイコン71に対応づけられているスキャンジョブには実行権は設定されていないので、暗証番号の入力なしで、このスキャンジョブの実行が開始される。
図7は、画面管理テーブル19aの一例を示す図であり、図8はアイコン管理テーブル20aの一例を示す図であり、図9はスキャンジョブ管理テーブル21aの一例を示す図である。
上記画面管理テーブル19aは、複数のスキャンジョブ選択画面を管理しており、スキャンジョブを選択する選択画面に付与された画面番号、使用権の設定の有無、暗証番号、表示文字列、表示アイコン番号の項目からなる。
例えば、図7に示すように、画面番号「0」には使用権が設定されておらず、画面タイトルは「共通」であることが設定/管理されている。また、画面番号「10」には使用権が設定されておらず、画面タイトルは「総務部」であることが設定/管理されている。また、画面番号「123」には、使用権が設定されており、使用権確認のための暗証番号「1234」を暗号化したもの(f()は暗号化を示す)と、画面タイトルは「田中」であることが設定/管理されている。
また、上記アイコン管理テーブル20aは、上記画面管理テーブル19aにより管理される選択画面に対応して、各画面で表示するアイコンの番号、そのアイコンを表示する際の表示ビットマップのファイル名、各アイコンとともに表示する表示文字列、そのアイコンが対応づけられるスキャンジョブ番号、および表示位置を示すx座標、表示位置y座標の各項目からなる。
例えば、図8に示す例では、アイコン番号「11」には、データベースを表現した data1という名前のビットマップ、「設備計画」という表示文字列、このアイコンに対応づけられているスキャンジョブ番号「1」が設定/管理されている。スキャンジョブの内容は、スキャンジョブ管理テーブル(後述)のスキャンジョブ番号「1」を参照すれば得られる。
また、上記スキャンジョブ管理テーブル21aは、スキャンジョブごとに付与されるスキャンジョブ番号、実行権の設定の有無、実行権を認証するための暗証番号、スキャンジョブを実行するためのスキャンジョブプログラム名、スキャンジョブのスキャンパラメータファイル名、ジョブパラメータファイル名、読取画像に付与される画像IDの各項目からなる。
例えば、図9に示す例では、スキャンジョブ番号「1」には、実行権は設定されておらず(任意のユーザが実行可能)、したがって暗証番号はなく、スキャン画像を引き渡すべきスキャンジョブプログラム名「database」、スキャンパラメータファイル名「sc0001」、ジョブパラメータファイル名「db0001」が設定/管理されている。画像IDには、画像の読取り実行後に読取画像に割り当てられたIDが格納される。
また、スキャンジョブ番号「16」には、実行権が設定されており(暗証番号を知らされているユーザだけが実行可能)、暗証番号「9876」を暗号化したもの(f()は暗号化を示す)と、読取画像を引き渡すべきスキャンジョブプログラム名「sendmail」、スキャンパラメータファイル名「sc0016」、ジョブパラメータファイル名「ml0008」が設定/管理されている。画像IDには、画像読取り実行後に読取画像に割り当てられたIDが格納される。
次に、図7〜9に示す画像管理テーブル19a、アイコン管理テーブル20a、スキャンジョブ管理テーブル21aを参照して実行される処理について具体的に説明する。
例えば、まず、スキャン機能として個別スキャンが選択されると、スキャンジョブ選択画面の画面番号の入力が求められる。ここで、例えば画面番号「10」が入力された際、画面管理テーブル19aを参照して、画面番号「10」に対して使用権の設定されていないことを判断する。この場合、使用権が設定されていないため、暗証番号の入力無しで、「総務部」という表示文字列を持った、図6(b)に示すような総務部向けスキャンジョブ選択画面60を表示する。
同様に、画面番号として「123」が入力された際、画面管理テーブル19aを参照して、画面番号「123」の使用権の設定されていることを判断する。この場合、使用権が設定されているため、暗証番号の入力を案内し、ユーザにより入力される暗証番号が予め設定されている暗証番号(1234)と一致するかにより使用権の認証を行う。ここで、暗証番号により使用権が認証されると、「田中」という表示文字列を持った、図6(c)に示すような特定ユーザ(田中)向けというスキャンジョブ選択画面71を表示する。
また、上記スキャンジョブ選択画面を表示する場合、アイコン管理テーブル20aも参照して、表示するアイコンの表示ビットマップと表示文字列とを取り出してアイコンを構成する。そして、x座標とy座標とで特定される位置にアイコンを表示する。
そして、スキャンジョブ選択画面でアイコンが選択された場合には、アイコン管理テーブル20aを参照して、アイコン番号に対応するスキャンジョブ番号を求め、スキャンジョブの詳細情報を得る。
例えば、図8に示すように、アイコン「11」が選択された場合には、対応するスキャンジョブ番号「1」でスキャンジョブ管理テーブル21aを参照して、実行権が設定されていないことを判断し、スタートボタン押下を待つ。そして、スタートボタンが押下されたら、スキャンパラメータファイル「SC0001」で指定されているスキャンパラメータで原稿の読取り(スキャン)を実行して読取画像(スキャン画像)にユーザ名、日付、画像IDを付与して画像保管部12に格納する。
さらに、すべての原稿の読み取りを終了したら、ジョブパラメータファイル「db0001」で指定されているジョブパラメータとともに、格納した画像IDの画像をスキャンジョブプログラム「database」に引き渡して、これに基づいてデータベースへの登録処理を実行する。
また、図8に示すように、アイコン「21」が選択された場合、対応するスキャンジョブ番号「16」でスキャンジョブ管理テーブル20aを参照する。このスキャンジョブ番号「16」には実行権が設定されているので、暗証番号の入力画面を表示して暗証番号の入力を求める。そして、ユーザにより入力された暗証番号があらかじめ設定管理されている暗証番号(9876)と一致しているかを判定する。
暗証番号が一致している場合には、スタートボタン押下を待つ。そして、スタートボタンが押下されたら、スキャンパラメータファイル「SC0016」で指定されているスキャンパラメータで原稿の読取を実行して画像IDを付与して画像保管部12に格納する。
すべての原稿の読み取りを終了したら、ジョブパラメータファイル「ml0008」で指定されているジョブパラメータとともに、格納した画像IDの画像をスキャンジョブプログラム「sendmail」に引き渡して、これに基づいて処理する。
次に、スキャンジョブを実行するためのユーザ操作の流れについて図10に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
すなわち、スキャンジョブを実行しようとするユーザは、まず、ディジタル複写機2の前へ行き、ディジタル複写機2が提供している複合機能の中からスキャン機能を選択して機能選択ボタンを押す(ステップ1)。すると、ディジタル複写機2の操作パネルの表示部30には、図4に示すように、共通スキャン、個別スキャンなどのスキャナ機能を選択するアイコンが表示される。
この表示に対してユーザが共通スキャンを選択した場合、共通スキャンに属するスキャンジョブを選択するアイコンの選択画面が表示される。ユーザは、この画面に表示されているアイコンからスキャンジョブを1つ選択する(ステップ2)。
この際、そのアイコンが指定するスキャンジョブに実行権が設定されている場合には、表示部30に暗証番号の入力を求める案内が表示される(ステップ3)。ユーザは、正しく暗証番号を入力して、スタートボタンを押す(ステップ4)。すると、画像読取システムがアイコンに対応づけられているスキャンジョブの実行が開始される。
また、ユーザが選択したアイコンにより指定したスキャンジョブに実行権が設定されていない場合には、ユーザは、暗証番号の入力を行わずに、スタートボタンを押す(ステップ5)。すると、画像読取システムがアイコンに対応づけられているスキャンジョブの実行を開始する。
また、上記ステップ1で、ユーザが個別(プライベート)スキャンを選択した場合、操作パネルの表示部30にスキャンジョブ選択画面を指定する入力画面が表示される。これは、個別スキャンに属する複数のスキャンジョブ選択画面からユーザが利用したいスキャンジョブを選択するためのスキャンジョブ選択画面を表示させるため、ユーザが表示させたいスキャンジョブ選択画面の画面番号を操作パネルのテンキーなどにより入力する(ステップ6)。
この際、ユーザが画面番号で指示したスキャンジョブ選択画面に対して使用権が設定されている場合、ユーザは、操作パネルのテンキー等により暗証番号を入力する(ステップ7)。すると、暗証番号が正しく入力されていれば、指示した画面番号のスキャンジョブ選択画面を表示する。ユーザは、表示されたスキャンジョブ選択画面から実行しようとするスキャンジョブに対応づけられているアイコンを選択して指示し(ステップ8)、スタートボタンを押す(ステップ9)。すると、画像読取システムがアイコンに対応づけられているスキャンジョブの実行を開始する。
また、上記ステップ6で、入力した画面番号に使用権が設定されていない場合、暗証番号の入力なしで、指定されたスキャンジョブ選択画面を操作パネルの表示部30に表示される。ユーザは、表示部30に表示されているスキャンジョブに対応づけられているアイコンを1つ選択して指示する(ステップ10)。
この際、そのアイコンが指定するスキャンジョブに実行権が設定されている場合には、表示部30に暗証番号の入力を求める案内が表示される(ステップ3)。ユーザは、正しく暗証番号を入力して、スタートボタンを押す(ステップ4)。すると、画像読取システムがアイコンに対応づけられているスキャンジョブの実行が開始される。
また、ユーザが選択したアイコンにより指定したスキャンジョブに実行権が設定されていない場合には、ユーザは、暗証番号の入力を行わずに、スタートボタンを押す(ステップ5)。すると、画像読取システムがアイコンに対応づけられているスキャンジョブの実行を開始する。
次に、画像読取システムがユーザにより指示されたスキャンジョブを実行する際の処理の流れについて図12に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、複合機能を提供しているディジタル複写機2の機能選択ボタンによりスキャンが指定されると、図4に示すように、操作パネルの表示部30に、利用するスキャン機能が共通スキャンか個別スキャンかを選択させる選択画面を表示する(ステップ21)。制御部24は、この選択画面からスキャン機能として共通スキャンが選択されたか個別スキャンが選択されたかを判断する(ステップ22)。
この判断により共通スキャンが選択されたと判断した場合、制御部24は、画面管理テーブル19aの画面番号「0」のテーブルを参照して、使用権の設定されていない、「共通」という表示文字列を持った、共通スキャンに対応するスキャンジョブ選択画面を表示する(ステップ23)。
そして、このスキャンジョブ選択画面で表示されているアイコンからユーザがアイコンを選択した際、制御部24は、アイコン管理テーブル20aおよびスキャンジョブ管理テーブル21aにより選択されたアイコンに対応づけられているスキャンジョブに実行権が設定されているか否かを判断する(ステップ24)。
この判断により実行権が設定されていると判断した際、制御部24は、スキャンジョブを実行するための暗証番号の入力画面を表示する(ステップ25)。この表示画面に対してユーザが暗証番号を入力した際、実行権判定部16は、入力された暗証番号がアイコン管理テーブル20aおよびスキャンジョブ管理テーブル21aで管理している暗証番号と一致するか否かを判断する(ステップ26)。この判断により暗証番号が一致ないと判断した際、制御部24は、上記ステップ23へ戻って、スキャンジョブ選択画面を再び表示する。
また、暗証番号が一致したと判断した際、あるいは上記ステップ24で、ユーザがアイコンにより指定したスキャンジョブに実行権が設定されていないと判断した際、制御部24は、スタートボタンが押されたか否かを判断する(ステップ27)。
この際、ユーザがスタートボタンを押さずに、読取モードの設定ボタンを押した場合、制御部24は、読取モードの設定ボタンが押されたことを判断し、図11に示すように、読取モードの設定画面を表示する。この表示により、ユーザが読取りモードを設定すると、制御部24は、アイコン管理テーブル20aおよびスキャンジョブ管理テーブル21aに記憶されている選択されたアイコンに対するスキャンパラメータファイルの内容をユーザにより指定された内容に変更して再設定する(ステップ29)。
また、上記ステップ27で、ユーザによりスタートボタンが押された場合、制御部24は、まず、選択されているスキャンジョブの内容をスキャンジョブ管理テーブル21aにより管理されているスキャンパラメータを参照してスキャン処理を実行する(ステップ30)。さらに、制御部24は、読取った画像にユーザ名、日付、画像IDの情報を付与して画像保管部12に保管する(ステップ31)。
そして、原稿の読取りが終了した際(ステップ32)、制御部24は、画像保管部12に保管されている画像をジョブパラメータファイルとともにジョブプログラムに与える(ステップ33)。これにより、ユーザが指示したスキャンジョブで設定されている読取画像に対する処理が実行される。
また、上記ステップ22で、ユーザにより個別スキャン機能が選択された際、制御部24は、スキャンジョブ選択画面を指定する画面番号の入力画面を表示する(ステップ34)。この入力画面に対してユーザが画面番号を入力した際、制御部24は、スキャンジョブ選択画面管理テーブル19aを参照して、ユーザが入力した画面番号に対応するスキャンジョブ選択画面に対して使用権が設定されているか否かを判断する(ステップ35)。
この判断により画面番号に使用権が設定されていると判断した際、制御部24は、使用権の暗証番号の入力画面を表示する(ステップ36)。この表示画面に対してユーザにより暗証番号が入力された際、制御部24は、入力された暗証番号がスキャンジョブ選択画面管理テーブル19aで管理している暗証番号と一致しているか否かを判断する(ステップ37)。この判断により暗証番号が一致していないと判断した際、制御部24は、上記ステップ34へ戻り、スキャンジョブ選択画面を指定する入力画面を表示する。
また、ユーザが入力した暗唱番号が一致していると判断した際、あるいはユーザが入力した画面番号に使用権が設定されていない場合、制御部24は、スキャンジョブ選択画面管理テーブル19aにより入力された画面番号に対応するスキャンジョブ選択画面を判断して操作パネルの表示部に表示する(ステップ38)。そして、制御部24は、上記ステップ24へ進み、上記ステップ24〜上記ステップ33までの処理を実行する。
上記のように、所定の読取モードでの原稿の読取りからその読取った画像に対する処理をスキャンジョブ(読取処理)として設定しておき、そのスキャンジョブに対応づけられているアイコンが選択された際に、設定されているスキャンジョブを実行するようにしたものである。
これにより、原稿の読取りから読み取った画像に対する処理までを対応するアイコンを選択するだけで自動で実行でき、ユーザ操作が簡単で分かり易い。