JP2007174345A - 無線通信端末及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下り方向のキャリアを送信する無線基地局数よりも、上り方向のキャリア数が少ない状態においても、確実に速度制御値を当該無線基地局に通知することができる無線通信端末及び通信方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る無線通信端末200は、キャリアCfw1〜Cfw3の受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定し、予測通信速度を示すDRC値を、無線基地局100A〜100Cに対して送信する。無線通信端末200は、無線基地局100A〜100Cの数よりも、上り方向の通信に用いられる上り方向キャリアの数が少ない場合、キャリアCrv1を用いて、無線基地局100A〜100C向けの速度制御値を送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のキャリアを用いたマルチキャリアによる通信に適用される無線通信端末及び通信方法に関する。
符号分割多元接続(CDMA)を用いた移動体通信ネットワークにおいて、高速なデータ通信を実現する1xEV-DO(1x evolution - data only)が提供されている(例えば、特許文献1)。
1xEV-DOでは、1本のキャリアが1ユーザ(無線通信端末)に割り当てられる。また、複数のキャリア(例えば、3キャリア)を1ユーザに割り当てることによって、さらに高速なデータ通信を実現する、いわゆる“マルチキャリア”(nxEV-DO)の導入も検討されている。
1xEV-DOやnxEV-DOでは、無線通信端末におけるキャリアの受信状態に基づいて、下り方向(無線基地局から無線通信端末への方向)において用いられるべき“予測通信速度”が決定される。
無線通信端末は、各無線基地局に対して、当該基地局との間において設定されている上り方向(無線通信端末から無線基地局への方向)のキャリアを用いて、予測通信速度を示す速度制御値、具体的には、DRC(date rate control)の値(以下、“DRC値”)を周期的に送信する。
特開2002−300644号公報(第2−3頁、第1図)
ところで、nxEV-DOでは、下り方向と上り方向との通信速度の違いなどから、下り方向のキャリアを送信する無線基地局数よりも、上り方向のキャリア数が少ない状態が生じ得る。
この場合、無線通信端末は、上り方向のキャリアを用いて、速度制御値(DRC値)を各無線基地局に対して送信することができないといった問題がある。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、下り方向のキャリアを送信する無線基地局数よりも、上り方向のキャリア数が少ない状態においても、確実に速度制御値を当該無線基地局に通知することができる無線通信端末及び通信方法を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、複数のキャリアを用いたマルチキャリアにより、複数の無線基地局(無線基地局100A〜100C)と通信を実行する無線通信端末(無線通信端末200)であって、前記キャリアの受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定する予測通信速度決定部(DRC処理部210)と、前記予測通信速度決定部によって決定された前記予測通信速度を示す速度制御値(DRC値)を、前記複数の無線基地局に対して送信する速度制御値送信部(無線送受信部201及び信号処理部203)とを備え、前記速度制御値送信部は、前記下り方向の通信に用いられる下り方向キャリアを送信する下り方向無線基地局の数(例えば、3局)よりも、上り方向の通信に用いられる上り方向キャリアの数(例えば、1キャリア)が少ない場合、前記上り方向キャリアの何れかを用いて、それぞれの前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
このような無線通信端末によれば、下り方向キャリアを送信する下り方向無線基地局の数よりも、上り方向キャリアの数が少ない場合、上り方向キャリアの何れかを用いて、それぞれの下り方向無線基地局向けの速度制御値が送信される。
何れかの下り方向無線基地局に送信されたそれぞれの下り方向無線基地局向けの速度制御値は、既存の通信プロトコルによって当該無線基地局に中継される。
このため、下り方向無線基地局の数よりも、上り方向キャリアの数が少ない状態においても確実に速度制御値を当該無線基地局に通知することができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記速度制御値の送信に用いられる時間枠を延長する時間枠延長部(信号処理部203)をさらに備え、前記速度制御値送信部は、前記時間枠延長部によって延長された前記時間枠を用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記無線基地局から、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信するタイミングを受信する受信部(無線送受信部201及び信号処理部203)をさらに備え、前記速度制御値送信部は、前記受信部が受信した前記タイミングに基づいて、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記上り方向キャリアでは、チャネルごとに異なる拡散符号(例えば、Walsh符号)が用いられており、前記拡散符号の数を増加させる符号数増加部(Walsh符号処理部217)をさらに備え、前記速度制御値送信部は、前記符号数増加部によって増加した前記拡散符号に基づいて生成された新たなチャネルを用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記速度制御値には、伝送エラーに対する耐性を向上させるエラー耐性向上情報(Bi-orthogonal encoding及びCodeword repetition)が付加されており、前記速度制御値送信部は、前記エラー耐性向上情報の付加を省略し、前記エラー耐性向上情報に代えて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、複数のキャリアを用いたマルチキャリアにより、複数の無線基地局と無線通信端末との間において通信を実行する通信方法であって、前記キャリアの受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定するステップ(ステップS35,55)と、決定された前記予測通信速度を示す速度制御値を、前記複数の無線基地局に対して送信するステップ(ステップS40,60)とを備え、前記送信するステップでは、前記下り方向の通信に用いられる下り方向キャリアを送信する下り方向無線基地局の数よりも、上り方向の通信に用いられる上り方向キャリアの数が少ない場合、前記上り方向キャリアの何れかを用いて、それぞれの前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記速度制御値の送信に用いられる時間枠を延長するステップをさらに備え、前記送信するステップでは、延長された前記時間枠を用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記無線基地局から、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信するタイミングを受信するステップ(ステップS120,170)をさらに備え、前記送信するステップでは、前記受信するステップにおいて受信した前記タイミングに基づいて、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記上り方向キャリアでは、チャネルごとに異なる拡散符号が用いられており、前記拡散符号の数を増加させるステップをさらに備え、前記送信するステップでは、増加した前記拡散符号に基づいて生成された新たなチャネルを用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記速度制御値には、伝送エラーに対する耐性を向上させるエラー耐性向上情報が付加されており、前記送信するステップでは、前記エラー耐性向上情報の付加を省略し、前記エラー耐性向上情報に代えて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、下り方向のキャリアを送信する無線基地局数よりも、上り方向のキャリア数が少ない状態においても、確実に速度制御値を当該無線基地局に通知することができる無線通信端末及び通信方法を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(移動体通信ネットワークの概略構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末を含む移動体通信ネットワーク10の概略構成図である。
移動体通信ネットワーク10は、複数のキャリアを用いるマルチキャリアによって、高速なデータ通信(nxEV-DO)を提供する。なお、データ通信には、VoIPによる音声データが含まれる。
無線基地局100Aは、少なくとも1本のキャリアを送受信することができる無線基地局(AN)である。なお、無線基地局100B及び無線基地局100Cも無線基地局100Aと同様の構成を有する。
無線通信端末200は、無線基地局100A〜100Cとの間において、複数のキャリアを用いたマルチキャリアによる通信を実行することができる携帯電話端末(AT)である。
PCF300A,300B(packet control function)は、無線基地局100A〜100Cと接続され、無線基地局100A〜100Cを経由するパケットの伝送経路などを制御する。なお、移動体通信ネットワーク10に含まれる無線基地局、無線通信端末及びPCFの数量及びキャリア数は、図1に示す数量に限定されるものではない。
また、移動体通信ネットワーク10では、下り方向(無線基地局100A〜100Cから無線通信端末200への方向)において用いられるべき“予測通信速度”が決定される。
具体的には、無線通信端末200は、無線基地局100A〜100Cそれぞれに対して、当該基地局との間において設定されている上り方向(無線通信端末200から無線基地局100A〜100Cへの方向)のキャリアを用いて、予測通信速度を示すDRC値(速度制御値)を周期的に送信する。
(機能ブロック構成)
図2は、無線基地局100Aの機能ブロック構成図である。また、図3は、無線通信端末200の機能ブロック構成図である。
なお、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、無線基地局100A及び無線通信端末200は、当該装置としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した機能ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
(1)無線基地局100A
図2に示すように、無線基地局100Aは、無線送受信部101、信号処理部103、ネットワーク接続部105及びDRC処理部110を備える。
無線送受信部101は、1本のキャリア(キャリアCfw1:図1参照)によって構成される無線信号を、無線通信端末200と送受信する。また、無線送受信部101は、無線信号とベースバンド信号とのディジタル変調(及び復調)処理を実行し、ベースバンド信号を信号処理部103と送受信する。
信号処理部103は、ベースバンド信号の処理を実行し、無線送受信部101とネットワーク接続部105との間において、ベースバンド信号を中継する。
また、信号処理部103は、無線送受信部101を介して無線通信端末200から受信したDRC値をDRC処理部110に中継する。
ネットワーク接続部105は、PCF300A,300Bとを接続するためのネットワークインタフェースを提供する。
DRC処理部110は、無線通信端末200から受信したDRC値に基づいて、下り方向のキャリアを用いて伝送されるデータの通信速度を制御する。また、DRC処理部110は、図7に示すように、TCA(traffic channel assignment)メッセージの内容を定義するテーブルを記憶することができる。
またDRC処理部110は、無線通信端末200にDRC値を送信させるタイミングを無線通信端末200に指示することができる。具体的には、DRC処理部110は、DRC値を送信させるタイミングを示す情報を無線通信端末200に送信する。
(2)無線通信端末200
図3に示すように、無線通信端末200は、無線送受信部201、信号処理部203及びDRC処理部210を備える。
無線送受信部201は、無線基地局100A〜100Cそれぞれと、1本のキャリアによって構成される無線信号を送受信することができる。また、無線送受信部201は、無線信号とベースバンド信号とのディジタル変調(及び復調)処理を実行し、ベースバンド信号を信号処理部203と送受信する。
信号処理部203は、ベースバンド信号の処理を実行する。また、信号処理部203は、DRC処理部210によって出力されたDRC値を、無線基地局100A〜100Cに対して送信する。本実施形態では、無線送受信部201及び信号処理部203によって、速度制御値送信部が構成される。
また、本実施形態では、信号処理部203は、下り方向のキャリア(キャリアCfw1〜Cfw3:図1参照)を送信する無線基地局(下り方向無線基地局)の数(3局)よりも、上り方向のキャリアの数が少ない場合、上り方向のキャリアの何れかを用いて、当該下り方向のキャリアを送信するそれぞれの無線基地局向けのDRC値を送信する。
例えば、無線通信端末200が、下り方向について、無線基地局100A〜100Cからそれぞれ1本のキャリアCfw1〜Cfw3を受信している場合、上り方向についても必ず無線基地局100A〜100Cに対してそれぞれ1本のキャリアを送信しているとは限らない。
すなわち、上り方向と下り方向との通信速度の違い、送信電力のセーブ、及びアプリケーションの特性などから、上り方向については、無線基地局100Aに対してのみキャリアCrv1(図1参照)を送信する場合がある。
この場合、信号処理部203は、無線基地局100Aに対して送信されるキャリアCrv1を用いて、無線基地局100B及び無線基地局100C向けのDRC値を送信する。なお、無線基地局100B及び無線基地局100C向けのDRC値を受信した無線基地局100Aは、当該DRC値を無線基地局100B及び無線基地局100Cにそれぞれ中継する。
また、信号処理部203は、DRC値の送信に用いられる時間枠を延長することができる。本実施形態において、信号処理部203は、時間枠延長部を構成する。
具体的には、図6(a)に示すように、DRCチャネルに含まれるDRC Lengthを1スロットから4スロットに延長する。図6(b)は、DRC Lengthを延長しない従来のDRCチャネルの構成を示す。
本実施形態では、信号処理部203は、当該4スロットを用いて、複数の無線基地局向けのDRC値をキャリアCrv1によって送信する。例えば、“DRC1”には、無線基地局100AのDRC値、“DRC2”には、無線基地局100BのDRC値を割り当てることができる。
また、本実施形態では、無線通信端末200から無線基地局100Aに送信されるDRC値の送信タイミングを、無線通信端末200と無線基地局100Aとの間において決定するため、TCA(traffic channel assignment)メッセージの内容が拡張される。
具体的には、図7に示すように、フィールドF1(BandClassIncluded)、フィールドF2(BandClass)及びフィールドF3(DRCLengthOffset)が追加されている。
フィールドF1(BandClassIncluded)は、無線基地局が複数の周波数帯を用いるマルチバンドに対応している場合、本フィールドが“1”が設定され、フィールドF2(BandClass)が有効となる。
フィールドF2(BandClass)は、無線通信端末200が通信を実行するBandClassを示す。また、フィールドF3(DRCLengthOffset)は、DRC値を送信するタイミングを示す。なお、当該フィールドの具体的な使用方法については、後述する。
信号処理部203は、無線基地局100A〜100Cから、当該無線基地局向けのDRC値を送信するタイミングを受信することができる。本実施形態では、無線送受信部201と信号処理部203とによって、受信部が構成される。
信号処理部203は、受信した当該タイミングに基づいて、各無線基地局向けのDRC値を送信することができる。
DRC処理部210は、無線送受信部201が受信したキャリアの受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定する。本実施形態において、DRC処理部210は、予測通信速度決定部を構成する。
DRC処理部210は、決定した予測通信速度を示すDRC値を信号処理部203に出力する。
(無線通信端末及び無線基地局の動作)
次に、上述した無線通信端末200、及び無線基地局100Aの動作について説明する。具体的には、無線通信端末200が、キャリアCrv1を用いて、無線基地局100A〜100C向けのDRC値を送信する動作について説明する。
(1)概略通信シーケンス
図4は、DRC値の送信に関する概略通信シーケンス図である。図4に示すように、ステップS5において、無線通信端末200は、無線基地局100Aから受信したキャリアCfw1によって伝送されているデータの通信速度、及び当該キャリアの受信状態(例えば、CIR)を検出する。さらに、無線通信端末200は、当該検出結果に基づいて、キャリアCfw1を介して送信されるデータに用いられるべき予測通信速度(DRC値:図中のDRC1)を決定する。
ステップS10において、無線通信端末200は、キャリアCfw1を用いて、DRC値(DRC1)を無線基地局100Aに送信する。
無線通信端末200は、ステップS15及びS20において、ステップS5及びS10と同様の処理を繰り返す。
ステップS30において、無線通信端末200は、無線基地局100Bから送信されたキャリアCfw2、具体的には、T−CH(traffic channel)を受信する。
ステップS35において、無線通信端末200は、無線基地局100A及び無線基地局100Bから受信したキャリアCfw1及びキャリアCfw2によって伝送されているデータの通信速度、及び当該キャリアの受信状態を検出する。さらに、無線通信端末200は、当該検出結果に基づいて、キャリアCfw1及びキャリアCfw2を介して送信されるデータに用いられるべき予測通信速度(DRC値:図中のDRC1及びDRC2)を決定する。
ステップS40において、無線通信端末200は、キャリアCfw1を用いて、DRC値(DRC1及びDRC2)を無線基地局100Aに送信する。
ステップS50において、無線基地局100Aは、受信した無線基地局100B向けのDRC値(DRC2)を無線基地局100Bに中継する。なお、無線基地局100C向けのDRC値が含まれている場合には、無線基地局100Bが、さらに無線基地局100Cに当該DRC値を中継しても良いし、無線基地局100Aが無線基地局100Cに当該DRC値を送信してもよい。
ステップS60において、無線通信端末200は、ステップS40と同様の処理を繰り返す。また、ステップS70において、無線基地局100Aは、ステップS50と同様の処理を繰り返す。
(2)詳細シーケンス
図5は、DRC Lengthの延長に関する詳細通信シーケンス図である。図5に示すように、ステップS110において、無線通信端末200は、無線基地局100Aに接続要求(connection request)を送信する。
ステップS120において、無線基地局100Aは、無線通信端末200にTCAメッセージを送信する。具体的には、無線基地局100Aは、図7に示すテーブルに基づいて、DRC Length=4、BandClassIncluded=0、及びDRCLengthOffset=0としたTCAメッセージを送信する。この場合、DRC値は、図6(a)に示す“DRC1”のタイミングで送信される。
なお、各無線基地局は、自局向けのDRC値を送信させるタイミングを無線通信端末200に送信することができる。無線通信端末200は、受信した当該タイミングに基づいて、各無線基地局向けのDRC値を送信することができる。
ステップS130において、無線通信端末200は、受信したTCAメッセージに基づいてT−CHの設定が完了したこと(T-CH Complete)を無線基地局100Aに送信する。
ステップS140において、無線基地局100A及び無線通信端末200は、設定したT−CHを用いてデータ通信を開始する。
ステップS150において、無線通信端末200は、無線基地局100Bから送信されたキャリアCfw2のRSSIが強いことを検出する。
ステップS160において、無線通信端末200は、キャリアCfw2を用いて、無線基地局100Bとも下り方向の通信を開始することを示すメッセージ(RouteUpdate)を、無線基地局100Aに送信する。
ステップS170において、無線基地局100Aは、無線通信端末200にTCAメッセージを送信する。具体的には、無線基地局100Aは、図7に示すテーブルに基づいて、DRC Length=4、BandClassIncluded=0、及びDRCLengthOffset=1としたTCAメッセージを送信する。この場合、DRC値は、図6(a)に示す“DRC2”のタイミングで送信される。
ステップS180において、無線通信端末200は、受信したTCAメッセージに基づいてT−CHの設定が完了したこと(T-CH Complete)を無線基地局100Aに送信する。
ステップS190において、無線基地局100B及び無線通信端末200は、設定したT−CHを用いてデータ通信を開始する。なお、ステップS140において開始したデータ通信は、ステップS190の時点においても継続される。
(変更例)
上述した実施形態では、BandClassが用いられていなかったが、マルチバンドを用いる場合、BandClassを用いたTCAメッセージを送信するように変更することができる。
図8(a)及び(b)は、BandClassを用いたTCAメッセージの一例を示す。具体的には、図8(a)は、上述したステップS120において送信することができるTCAメッセージを示している。
図8(a)に示したTCAメッセージを、図5に示したTCAメッセージと比較すると、BandClassIncluded(BC included)の値が“1”となっている。つまり、BandClass(BC)が有効となる。また、BandClassには、“3”が設定されている。
また、図8(b)は、上述したステップS170において送信することができるTCAメッセージを示している。
図8(b)に示したTCAメッセージを、図5に示したTCAメッセージと比較すると、BandClassIncluded(BC included)の値が“1”となっている。つまり、BandClass(BC)が有効となる。また、BandClassには、“0”が設定されており、無線基地局100Bとは、無線基地局100Aと異なる周波数帯を用いて通信を実行する必要があることを示している。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、キャリアCrv1を用いて複数のDRC値を送信するため、キャリアCrv1に適用される拡散符号(Walsh符号)の数を増加させる。
以下、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、説明を省略する。
図9は、信号処理部203において、拡散符号の処理に関する機能を実現する詳細機能ブロック図である。
図9に示すように、拡散符号の処理に関して、信号処理部203には、直交符号化部211、コードワード処理部213、マッピング部215、Walsh符号処理部217及び乗算器219が設けられる。
直交符号化部211(Bi-orthogonal encoding)は、入力されたDRC値のシンボルを直交符号化する。コードワード処理部213(Codeword repetition)は、直交符号化部211によって出力されたシンボルにコードワードを付加する。すなわち、本実施形態では、DRC値には、伝送エラーに対する耐性を向上させるエラー耐性向上情報が付加される。
マッピング部215は、コードワード処理部213によって出力されたシンボルをベースバンド信号(+1,−1)に割り当てる。
Walsh符号処理部217は、乗算器219において乗算されるWalsh符号を生成して出力する。本実施形態において、Walsh符号処理部217は、拡散符号(Walsh符号)の数を増加させる符号数増加部を構成する。
図10は、本実施形態において用いられるWalsh符号の組合せを示す。図10において、網かけ表示されている部分が従来(nxEV-DO)のWalsh符号から増加した部分である。
乗算器219は、Walsh符号を用いて、マッピング部215によって出力されたベースバンド信号の符号分割多重を実行する。つまり、キャリアCrv1では、チャネルごとに異なる拡散符号が用いられており、符号分割多元接続が可能となっている。なお、無線基地局100A〜100Cが送信するキャリアCfw1〜Cfw3についてもキャリアCrv1と同様である。
また、本実施形態に係るDRC処理部210は、Walsh符号処理部217によって増加したWalsh符号に基づいて生成された新たなチャネルを用いて、複数のDRC値を送信する。
具体的には、図11に示すように、符号分割多重によって、DRC Channel 1〜DRC Channel 3が生成された上り方向のチャネル構成が用いられる。DRC Channel 1〜DRC Channel 3は、無線基地局100A〜100Cに対応する。
(変更例)
本実施形態では、拡散符号(Walsh符号)を増加することによって、複数のDRC値を1本のキャリアで送信するようにしたが、拡散符号を増加することに代えて、エラー耐性向上情報の付加を省略することによって、複数のDRC値を1本のキャリアで送信するようにしてもよい。
具体的には、図9に示す直交符号化部211(Bi-orthogonal encoding)及びコードワード処理部213(Codeword repetition)による処理を省略する。信号処理部203は、省略されたエラー耐性向上情報に代えて、複数のDRC値を1本のキャリアで送信する。
当該処理を省略することによって、12ビット分の情報を伝送することができるため、複数のDRC値(DRC値は4ビットで構成)を送信することができる。また、当該情報を変調(例えば、QPSK)することによって、さらに情報量を増大させてもよい。
[作用・効果]
以上説明した第1及び第2実施形態によれば、キャリアCfw1〜Cfw3(下り方向キャリア)を送信する無線基地局100A〜100C(下り方向無線基地局)の数(3局)よりも、上り方向キャリア(キャリアCrv1)の数(1本)が少ない場合、キャリアCrv1を用いて、無線基地局100A〜無線基地局100C向けのDRC値が送信される。
無線基地局100Aに送信された無線基地局100A〜100C向けのDRC値は、既存の通信プロトコルによって無線基地局100B及び無線基地局100Cに中継される。
このため、キャリアCfw1〜Cfw3を送信する無線基地局の数よりも、上り方向キャリアの数が少ない状態においても確実にDRC値を当該無線基地局に通知することができる。
また、1本の上り方向キャリアを用いて複数のDRC値を送信するため、(1)DRC Lengthの延長、(2)拡散符号(Walsh符号)の増加、及び(3)エラー耐性向上情報(Bi-orthogonal encoding及びCodeword repetition)の省略の何れかの方法が用いられる。
このような方法によれば、既存の移動体通信ネットワーク(nxEV-DO)の仕様を大きく変更することなく、容易に本発明を適用することができる。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、無線通信端末200は、携帯電話端末であるものとして説明したが、無線通信端末200は、パーソナル・コンピュータやPDAなどに実装できるカード型のものであってもよい。また、本発明に係る無線通信端末200の機能は、無線通信用モジュールとして提供することもできる。
また、上述した実施形態では、無線通信端末200が、1本の上り方向キャリア(キャリアCrv1)を用いて無線基地局100A〜100C向けのDRC値を送信する形態としたが、無線通信端末200は、無線通信端末200が2本以上の上り方向キャリアを用いている場合、当該2本以上の上り方向キャリアを用いて、複数のDRC値を送信してもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1及び第2実施形態に係る無線通信端末を含む移動体通信ネットワークの概略構成図である。 本発明の第1及び第2実施形態に係る無線基地局の機能ブロック構成図である。 本発明の第1及び第2実施形態に係る無線通信端末の機能ブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係るDRC値の送信に関する概略通信シーケンス図である。 本発明の第1実施形態に係るDRC Lengthの延長に関する詳細通信シーケンス図である。 本発明の第1実施形態に係るDRCチャネルの構成及び従来のDRCチャネルの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るTCAメッセージのフィールドの定義を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るBandClassを用いたTCAメッセージの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る拡散符号の処理に関する機能を実現する詳細機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るWalsh符号の組合せを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る上り方向のチャネル構成図である。
符号の説明
10…移動体通信ネットワーク、100A〜100C…無線基地局、101…無線送受信部、103…信号処理部、105…ネットワーク接続部、110…DRC処理部、200…無線通信端末、201…無線送受信部、203…信号処理部、210…DRC処理部、211…直交符号化部、213…コードワード処理部、215…マッピング部、217…Walsh符号処理部、219…乗算器、300A,300B…PCF、Cfw1〜Cfw3,Crv1…キャリア、F1〜F3…フィールド

Claims (10)

  1. 複数のキャリアを用いたマルチキャリアにより、複数の無線基地局と通信を実行する無線通信端末であって、
    前記キャリアの受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定する予測通信速度決定部と、
    前記予測通信速度決定部によって決定された前記予測通信速度を示す速度制御値を、前記複数の無線基地局に対して送信する速度制御値送信部と
    を備え、
    前記速度制御値送信部は、前記下り方向の通信に用いられる下り方向キャリアを送信する下り方向無線基地局の数よりも、上り方向の通信に用いられる上り方向キャリアの数が少ない場合、前記上り方向キャリアの何れかを用いて、それぞれの前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する無線通信端末。
  2. 前記速度制御値の送信に用いられる時間枠を延長する時間枠延長部をさらに備え、
    前記速度制御値送信部は、前記時間枠延長部によって延長された前記時間枠を用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 前記無線基地局から、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信するタイミングを受信する受信部をさらに備え、
    前記速度制御値送信部は、前記受信部が受信した前記タイミングに基づいて、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項1に記載の無線通信端末。
  4. 前記上り方向キャリアでは、チャネルごとに異なる拡散符号が用いられており、
    前記拡散符号の数を増加させる符号数増加部をさらに備え、
    前記速度制御値送信部は、前記符号数増加部によって増加した前記拡散符号に基づいて生成された新たなチャネルを用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項1に記載の無線通信端末。
  5. 前記速度制御値には、伝送エラーに対する耐性を向上させるエラー耐性向上情報が付加されており、
    前記速度制御値送信部は、前記エラー耐性向上情報の付加を省略し、前記エラー耐性向上情報に代えて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項1に記載の無線通信端末。
  6. 複数のキャリアを用いたマルチキャリアにより、複数の無線基地局と無線通信端末との間において通信を実行する通信方法であって、
    前記キャリアの受信状態に基づいて、下り方向に用いられるべき予測通信速度を決定するステップと、
    決定された前記予測通信速度を示す速度制御値を、それぞれの前記複数の無線基地局に対して送信するステップと
    を備え、
    前記送信するステップでは、前記下り方向の通信に用いられる下り方向キャリアを送信する下り方向無線基地局の数よりも、上り方向の通信に用いられる上り方向キャリアの数が少ない場合、前記上り方向キャリアの何れかを用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する通信方法。
  7. 前記速度制御値の送信に用いられる時間枠を延長するステップをさらに備え、
    前記送信するステップでは、延長された前記時間枠を用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項6に記載の通信方法。
  8. 前記無線基地局から、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信するタイミングを受信するステップをさらに備え、
    前記送信するステップでは、前記受信するステップにおいて受信した前記タイミングに基づいて、前記無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項6に記載の通信方法。
  9. 前記上り方向キャリアでは、チャネルごとに異なる拡散符号が用いられており、
    前記拡散符号の数を増加させるステップをさらに備え、
    前記送信するステップでは、増加した前記拡散符号に基づいて生成された新たなチャネルを用いて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項6に記載の通信方法。
  10. 前記速度制御値には、伝送エラーに対する耐性を向上させるエラー耐性向上情報が付加されており、
    前記送信するステップでは、前記エラー耐性向上情報の付加を省略し、前記エラー耐性向上情報に代えて、前記下り方向無線基地局向けの前記速度制御値を送信する請求項6に記載の通信方法。

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