JP2007173649A - ファイバレーザ装置、光学機構及び入射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】励起光の強度を高めた場合であってもダブルクラッドファイバの入力端面での熱損傷を防止すること。
【解決手段】励起光を発するレーザダイオード20と、コア41と、コア41の外周に形成された第1クラッド42と、第1クラッド42の外周に形成された第2クラッド43とを有するダブルクラッドファイバ40と、レーザダイオード20とダブルクラッドファイバ40の入力端との間に配置され、ダブルクラッドファイバ40の入力端において、コア41よりも第1クラッド42において励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形して入射させる集光レンズ系30とを備えるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】励起光を発するレーザダイオード20と、コア41と、コア41の外周に形成された第1クラッド42と、第1クラッド42の外周に形成された第2クラッド43とを有するダブルクラッドファイバ40と、レーザダイオード20とダブルクラッドファイバ40の入力端との間に配置され、ダブルクラッドファイバ40の入力端において、コア41よりも第1クラッド42において励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形して入射させる集光レンズ系30とを備えるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ダブルクラッドファイバ(Double Clad Fiber:DCF)を用いたファイバレーザ装置、光学機構及びファイバレーザ発振方法に関し、特に高出力を得られる技術に関する。
ファイバレーザ装置においては、通信時において伝送距離を長くしたり、加工時において加工時間を短縮する等のために、高出力化が望まれている。通常のシングルモード光ファイバを用いた光源装置では、コアに励起光を直接入射するために、高出力化が困難であったが、ダブルクラッドファイバでは、コアに比べて遥かに大きな面積を有する第1クラッドから励起光を入射することで高出力化を図ることができる。このため、ダブルクラッドファイバを用いたファイバレーザ装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
図4及び図5は、このようなファイバレーザ装置の一例を示す図である。図4に示すファイバレーザ装置100は、レーザダイオード(励起光源)101と、集光レンズ系102と、ダブルクラッドファイバ103とを備えている。ダブルクラッドファイバ103は、励起光活性物質として希土類元素がドープされたコア103aと、このコア103aの外周を覆うとともに励起光を導入する第1クラッド103bと、この第1クラッド103bの外周を覆うとともに励起光を第1クラッド103bに閉じ込める第2クラッド103cとを備えている。
このファイバレーザ装置100では、レーザーダイオード101からの励起光を集光レンズ系102を介してダブルクラッドファイバ103に入射すると、励起光によってダブルクラッドファイバ103内で発振されて出力端から出力される。
このときの励起光の強度分布は、レーザダイオード101から出力されたとき(α1)と、集光レンズ系102から出力されたとき(α2)とは、図4に示すように、中心部、すなわちコア103aに入射される部分が最も強度が高いガウシアンあるいは類似した形状となる。
図5に示すファイバレーザ装置110は、レーザダイオード(励起光源)101と、伝送用ファイバ111と、結像レンズ系112と、ダブルクラッドファイバ103とを備えている。
このファイバレーザ装置110では、レーザーダイオード101からの励起光を伝送用ファイバ111及び結像レンズ系112を介してダブルクラッドファイバ103に入射する。
このときの励起光の強度分布は、伝送用ファイバ111内の多重反射により、伝送用ファイバ111から出力されたとき(β1)と、結像レンズ系102から出力されたとき(β2)とは、図5に示すように、中心部から外周部までほぼ均一となる。
特開2002−270928号公報
特開2004−193152号公報
上述したダブルクラッドファイバを用いたファイバレーザ装置では、次のような問題があった。すなわち、図4及び図5に示すように、ダブルクラッドファイバ103の入力端に入射される励起光の強度分布は、中央部が高いか、均一なものとなっている。
一方、コア103aの吸収係数は均一であるため、コア103aが励起光を吸収する吸収パワーは、励起光強度と相関がある。励起光強度はコア103aに吸収されながら減衰するため、励起光の強度を高めるとコア103aが高温となり、ダブルクラッドファイバ103の入力端面が熱損傷する虞がある。このため、高出力化には限度があった。
そこで本発明は、励起光の強度を高めた場合であってもダブルクラッドファイバの入力端面での熱損傷を防止することができるファイバレーザ装置、光学機構及びファイバレーザ発振方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のファイバレーザ装置、光学機構及び入射方法は次のように構成されている。
(1)励起光を発する励起光源と、コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバと、上記励起光源と上記ダブルクラッドファイバの入力端との間に配置され、上記ダブルクラッドファイバの入力端において、上記コアよりも上記第1のクラッドにおいて上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形して入射させる光学機構とを備えていることを特徴とする。
(2)励起光源からの励起光を入射させる入射用光学部材と、コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバの入力端に励起光を出射する出射用光学部材と、上記入射用光学部材と上記出射用光学部材との間に配置され、上記コアよりも上記第1のクラッドに上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形する整形光学部材とを備えていることを特徴とする。
(3)励起光源から発せられた励起光の光学プロファイルを整形する整形工程と、コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバ中において入射された上記励起光を発振させてレーザ光を出射する発振工程とを備え、上記整形工程では、上記ダブルクラッドファイバの入力端において、上記コアよりも上記第1のクラッドにおいて上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形させることを特徴とする。
本発明によれば、励起光の強度を高めた場合であってもダブルクラッドファイバの入力端面での熱損傷を防止することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るファイバレーザ装置10の構成を示す図である。ファイバレーザ装置10は、励起光を発するレーザダイオード(励起光源)20と、このレーザダイオード20から出力された励起光を集光する集光レンズ系(光学機構)30と、集光された励起光によりレーザ発振を行うダブルクラッドファイバ40とを備えている。
集光レンズ系30は、入射側のレンズ群(入射用光学部材)31と、励起光を整形しパワー密度を調整する円錐状のプリズム(整形光学部材)32と、出射側のレンズ群(出射用光学部材)33とを備えている。プリズム32は、コリメートされた励起光を中心軸を点対称となるようにビーム方向を変化させる機能を有している。なお、プリズム32の形状はダブルクラッドファイバ40の形状・大きさによって適宜変更し、最適なものを選択することが好ましい。
ダブルクラッドファイバ40は、励起光活性物質として希土類元素がドープされたコア41と、このコア41の外周を覆うとともに励起光を導入する第1クラッド42と、この第1クラッド42の外周を覆うとともに励起光を第1クラッド42に閉じ込める第2クラッド43とを備えている。
このように構成されたファイバレーザ装置10では、レーザーダイオード20からの励起光を集光レンズ系30を介してダブルクラッドファイバ40に入射すると、励起光によってダブルクラッドファイバ40内で発振されて出力端からレーザ光が出力される。
このときの励起光の強度分布は、レーザダイオード20から出力されたとき(A1)は中央部が高くなっているが、プリズム32により整形されるため、集光レンズ系30から出力されたとき(A2)は、中央部より外周側が高くなる光学プロファイルを有している。すなわちコア41よりも第1クラッド42に入射される部分の励起光の強度が高くなる。
したがって、コア41によって励起光が吸収される量を減らすことができ、レーザダイオード20から出力される励起光の強度を高めて高出力を得る場合であっても、ダブルクラッドファイバ40の入力端面が熱破損することはない。
図2は本発明の第2の実施の形態に係るファイバレーザ装置10Aの構成を示す図である。なお、図2において図1と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ファイバレーザ装置10Aは、励起光を発するレーザダイオード20と、このレーザダイオード20から出力された励起光を伝送する伝送ファイバ50と、伝送ファイバ50から出力された励起光を結像させる結像レンズ系(光学機構)60と、結像された励起光によりレーザ発振を行うダブルクラッドファイバ40とを備えている。
結像レンズ系60は、入射側のレンズ群(入射用光学部材)61と、励起光を整形しパワー密度を調整する円錐状のプリズム(整形光学部材)62と、出射側のレンズ群(出射用光学部材)63とを備えている。プリズム62は、コリメートされた励起光を中心軸を点対称となるようにビーム方向を変化させる機能を有している。なお、プリズム62の形状はダブルクラッドファイバ40の形状・大きさによって適宜変更し、最適なものを選択することが好ましい。
このように構成されたファイバレーザ装置10Aでは、レーザダイオード20からの励起光が伝送ファイバ50内で均一化され、さらに結像レンズ系60を介してダブルクラッドファイバ40に入射すると、励起光によってダブルクラッドファイバ40内で発振されて出力端からレーザ光が出力される。
このときの励起光の強度分布は、伝送ファイバ50から出力されたとき(B1)は均一化されているが、プリズム62により整形されるため、結像レンズ系60から出力されたとき(B2)は、中央部より外周側が高くなる光学プロファイルを有している。すなわちコア41よりも第1クラッド42に入射される部分の励起光の強度が高くなる。
したがって、コア41によって励起光が吸収される量を減らすことができ、レーザダイオード20から出力される励起光の強度を高めて高出力を得る場合であっても、ダブルクラッドファイバ40の入力端面が熱破損することはない。
図3は本発明の第3の実施の形態に係るファイバレーザ装置10Bの構成を示す図である。なお、図3において図1,2と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ファイバレーザ装置10Bは、励起光を発するレーザダイオード20と、このレーザダイオード20から出力された励起光を伝送する伝送ファイバ50と、伝送ファイバ50から出力された励起光を集光する集光レンズ70と、この集光レンズ70により集光された励起光を整形する円筒状の光導波管(光学機構)80と、光導波管80から出力された励起光を結像させる結像レンズ系90と、結像された励起光によりレーザ発振を行うダブルクラッドファイバ40とを備えている。
光導波管80は、入力された励起光が内部を反射しながら伝播することで、リング状のプロファイルを有するビーム形状に整形する機能を有している。結像レンズ系90は、入射側のレンズ群(入射用光学部材)91と、出射側のレンズ群(出射用光学部材)92とを備えている。
このように構成されたファイバレーザ装置10Bでは、レーザダイオード20からの励起光が伝送ファイバ50内で均一化された後、集光レンズ70により光導波管80に入射され、この光導波管80の内部で整形される。そして、結像レンズ系90を介してダブルクラッドファイバ40に入射すると、励起光によってダブルクラッドファイバ40内で発振されて出力端からレーザ光が出力される。
このときの励起光の強度分布は、伝送ファイバ50から出力されたとき(C1)は均一化されているが、光導波管80内部で整形されたとき(C2)はリング状の光学プロファイルを有する。さらに、結像レンズ系90から出力されたとき(C3)は、リング状の光学プロファイルが維持され、中央部より外周側が高くなっている。すなわちコア41よりも第1クラッド42に入射される部分の励起光の強度が高くなる。
したがって、コア41によって励起光が吸収される量を減らすことができ、レーザダイオード20から出力される励起光の強度を高めて高出力を得る場合であっても、ダブルクラッドファイバ40の入力端面が熱破損することはない。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10,10A,10B…ファイバレーザ装置、20…レーザダイオード(励起光源)、30…集光レンズ系、31,61…レンズ群(入射用光学部材)、32,62…プリズム(整形光学部材)、33,63…レンズ群(入射用光学部材)、40…ダブルクラッドファイバ、60…結像レンズ系、80…光導波管(整形光学部材)。
Claims (5)
- 励起光を発する励起光源と、
コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバと、
上記励起光源と上記ダブルクラッドファイバの入力端との間に配置され、上記ダブルクラッドファイバの入力端において、上記コアよりも上記第1のクラッドにおいて上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形して入射させる光学機構とを備えていることを特徴とするファイバレーザ装置。 - 上記光学機構は、円錐状のプリズムを備えていることを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
- 上記光学機構は、円筒状の光導波管を備えていることを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
- 励起光源からの励起光を入射させる入射用光学部材と、
コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバの入力端に励起光を出射する出射用光学部材と、
上記入射用光学部材と上記出射用光学部材との間に配置され、
上記コアよりも上記第1のクラッドに上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形する整形光学部材とを備えていることを特徴とする光学機構。 - 励起光源から発せられた励起光の光学プロファイルを整形する整形工程と、
コアと、このコアの外周に形成された第1のクラッドと、この第1のクラッドの外周に形成された第2のクラッドとを有するダブルクラッドファイバ中において入射された上記励起光を発振させてレーザ光を出射する発振工程とを備え、
上記整形工程では、上記ダブルクラッドファイバの入力端において、上記コアよりも上記第1のクラッドにおいて上記励起光のパワー密度が高くなるように光学プロファイルを整形させることを特徴とするファイバレーザ発振方法。
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JP2005371132A JP2007173649A (ja) | 2005-12-23 | 2005-12-23 | ファイバレーザ装置、光学機構及び入射方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
- 2005-12-23 JP JP2005371132A patent/JP2007173649A/ja active Pending
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