JP2007172349A - エンジン性能の予測解析システム、予測解析方法及び予測解析プログラム - Google Patents

エンジン性能の予測解析システム、予測解析方法及び予測解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】新しく且つ最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る予測解析システム等を提供する。
【解決手段】本発明は、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラム(18)により解析してエンジン性能を予測する予測解析システム(2)であって、1次元のCFD解析モデルを生成する手段(10)と、少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成及び諸元値の変更の制約条件を設定する手段と、モデル構成及び諸元値を制約条件内で変更する手段(14)と、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラム(18)によりエンジン性能を算出する手段と、CFD解析モデルの変更及びエンジン性能の算出を繰り返し実行させる手段(16)と、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する手段(16)と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン性能の予測解析システム等に係り、特に、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する予測解析システム等に関する。
従来、エンジンの吸排気の流れをCFD(Computational Fluid Dynamics)解析プログラムによりシミュレーション解析して、エンジン出力や吸気音などのエンジン性能を予測することが行われている。特許文献1には、3次元CADデータに基づいて流体の流れを解析する流体解析システムが開示されている。
従来、このようなCFD解析によりエンジン性能を予測することで、試作や実験の繰り返しに費やされる開発工数を削減して、開発・設計の期間の短縮を図ることが行われている。
特開2003−216660号公報
ここで、1次元のCFD解析モデルは主に管と容器で表されるが、このような解析モデルは、エンジン開発及び流体解析に慣れた専門の開発者(熟練者)が作成する場合が多い。つまり、熟練者は、例えば、エンジンの吸排気管の構成について新規に開発しようとする場合、空気の圧力脈動特性を或る程度考慮しながら解析モデルを構築することが出来るので、現実性がある構成を得ることが出来るのである。
もちろん、現実性があるエンジン構成を得ることは重要であるが、近年の厳しいエンジン開発の競争においては、全く新しい着想により、性能の高いエンジンを考え出すことも求められている。しかしながら、熟練者は、開発経験が多いが故に、既存概念に捕らわれ、往々にして新しい着想をすることが出来ないものである。例えば、吸気系に慣性効果や共鳴効果を持たせようとして、管の長さを調整したり、レゾネータの接続箇所を変更する等ということは容易に考えつくが、今まで行われていなかったような、例えば、吸気管と排気管を接続する等という突飛な発想は避けるものである。一方、エンジン開発に慣れていない開発者は、常識にとらわれない発想をすることがあるが、現実性があり且つ新しい着想に基づいた吸排気管の構成を見つけ出すには、膨大な解析モデルを作成せねばならず、開発・設計の期間の短縮を図ることは難しい。
一方、CFD解析により吸排気管の構成及び寸法等の最適化をしようとする場合、既存の発想の範囲であっても、膨大な数の解析モデルを作成し、解析し、その結果を比較検討せねばならず、設計・開発の時間の制約上、最適な解を見つけるまで至らない場合もある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、新しく且つ最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る予測解析システム等を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する予測解析システムであって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成手段と、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定手段と、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更してCFD解析モデルを変更する解析モデル変更手段と、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出するエンジン性能算出手段と、解析モデル変更手段によるCFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについてのエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させる繰り返し実行手段と、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、解析モデル生成手段によりCFD解析モデルを生成し、その解析モデルのモデル構成及び諸元値について、繰り返し手段により変更を自動で行うと共にエンジン性能の算出を行い、さらに、最適モデル選定手段により所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定するので、諸元値の定まった最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。特に、解析モデル変更手段により解析モデルのモデル構成を変更するので、従来にない新しいモデル構成を非常に効率的に得ることが出来る。これらの結果、新しく且つ最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。
また、上記の目的を達成するために本発明は、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する予測解析システムであって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成手段と、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定手段と、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更してCFD解析モデルを変更する解析モデル変更手段と、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出する第1のエンジン性能算出手段と、諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースと、変更後のCFD解析モデルについて実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出する第2のエンジン性能算出手段と、第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段のいずれかを所定条件により選択する選択手段を有し、解析モデル変更手段による解析モデルの変更、選択手段による第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての選択した第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させる繰り返し実行手段と、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、解析モデル生成手段によりCFD解析モデルを生成し、その解析モデルのモデル構成及び諸元値について、繰り返し手段により変更を自動で行うと共にエンジン性能の算出を行い、さらに、最適モデル選定手段により所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定するので、諸元値の定まった最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。特に、解析モデル変更手段により解析モデルのモデル構成を変更するので、従来にない新しいモデル構成を非常に効率的に得ることが出来る。さらに、諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を用いてエンジン性能を算出する第2のエンジン性能算出手段を有しているので、CFD演算に比べて非常に短時間にエンジン性能を算出することが出来、計算時間を大幅に短縮することが出来る。これらの結果、新しく且つ最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、選択手段は、解析モデル変更手段がモデル構成を変更し、その変更したモデル構成について最初にエンジン性能を算出する場合に、第1のエンジン性能算出手段を選択し、その同じモデル構成について解析モデル変更手段が諸元値を変更して2回目以降にエンジン性能を算出する場合に、第2のエンジン性能算出手段を選択する。
このように構成された本発明においては、最初にエンジン性能を算出する場合に、CFD解析プログラムによる第1のエンジン性能算出手段でエンジン性能を算出して、エンジン性能の結果の精度を保つと共に、2回目以降は、実験式による第2のエンジン性能算出手段でエンジン性能を算出するので、より確実に計算時間を短縮することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、さらに、解析モデル変更手段により変更されたCFD解析モデルについてエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベースに格納されていない場合、そのCFD解析モデルの諸元値を解析モデル変更手段により所定の変更幅で複数回変更し、それらの変更により得られた複数のCFD解析モデルについてそれぞれ第1のエンジン性能算出手段によりエンジン性能を算出し、これらの算出したエンジン性能と複数のCFD解析モデルの諸元値とを基に重回帰分析を行って実験式を生成する実験式生成手段を有する。
このように構成された本発明においては、実験式が実験式データベースに格納されていない場合でも、実験式生成手段により実験式を自動で生成するので、上述した第2のエンジン性能算出手段により実験式を用いたエンジン性能を行わせて、より確実に計算時間を短縮することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、さらに、過去に生成されたCFD解析モデル及びそのCFD解析モデルにおけるエンジン性能に関する解析結果を格納する過去事例データベースと、解析モデル変更手段により変更されたCFD解析モデルについてエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベースに格納されていない場合、過去事例データベースに格納されたCFD解析モデルの諸元値及びそのCFD解析モデルにおけるエンジン性能に関する解析結果を基に重回帰分析を行って実験式を生成する実験式生成手段と、を有する。
このように構成された本発明においては、実験式が実験式データベースに格納されていない場合でも、実験式生成手段により実験式を自動で生成するので、上述した第2のエンジン性能算出手段により実験式を用いたエンジン性能を行わせて、より確実に計算時間を短縮することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、制約条件設定手段は、少なくとも吸気管及び/又は排気管の長さの範囲を諸元値の制約条件として設定する。
このように構成された本発明においては、計算すべき解析モデルが無限大となることを抑制して、解析モデルを効率的に変更することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、制約条件設定手段は、吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成において、少なくともその吸気管及び/又は排気管の接続位置及び本数をモデル構成の制約条件として設定する。
このように構成された本発明においては、計算すべき解析モデルが無限大となることを抑制して、解析モデルを効率的に変更することが出来る。
また、上記の目的を達成するために本発明は、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する、コンピュータによる予測解析方法であって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成工程と、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定工程と、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更してCFD解析モデルを変更する解析モデル変更工程と、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出するエンジン性能算出工程と、を有し、解析モデル変更工程によるCFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについてのエンジン性能算出工程によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、さらに、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定工程と、を有することを特徴としている。
また、上記の目的を達成するために本発明は、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する、コンピュータによる予測解析方法であって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成工程と、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定工程と、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更してCFD解析モデルを変更する解析モデル変更工程と、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出する第1のエンジン性能算出工程と、変更後のCFD解析モデルについて、諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出する第2のエンジン性能算出工程と、第1のエンジン性能算出工程或いは第2のエンジン性能算出工程のいずれかを所定条件により選択する選択工程と、を有し、解析モデル変更工程による解析モデルの変更、選択工程による第1のエンジン性能算出工程或いは第2のエンジン性能算出工程の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての選択した第1のエンジン性能算出工程或いは第2のエンジン性能算出工程によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、さらに、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定工程と、を有することを特徴とするエンジン性能の予測解析方法。
また、上記の目的を達成するために本発明によるエンジン性能の予測解析プログラムは、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する解析用コンピュータのための予測解析プログラムであって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成させ、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定させ、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更させてCFD解析モデルを変更させ、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行させてエンジン性能を算出させ、解析モデル変更手段によるCFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについてのエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定させるように解析用コンピュータを制御する。
また、上記の目的を達成するために本発明によるエンジン性能の予測解析プログラムは、エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する解析用コンピュータのための予測解析プログラムであって、作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成させ、CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定させ、モデル構成及び諸元値をそれぞれ設定した制約条件内で変更させてCFD解析モデルを変更させ、変更後のCFD解析モデルについてCFD解析プログラムによる解析を実行させてエンジン性能を算出させ、変更後のCFD解析モデルについて、諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出させ、第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段のいずれかを所定条件により選択させ、解析モデル変更手段による解析モデルの変更、選択手段による第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての選択した第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定させるように解析用コンピュータを制御する。
本発明による予測解析システム等によれば、新しく且つ最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明の第1実施形態によるエンジン性能の解析システムの主な構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるエンジン性能の解析システムの概略構成図である。
本実施形態による解析システムは、ベースとなる1次元CFD解析モデルに対し、吸排気管の構成及び諸元値を自動的に変更すると共にそのような変更後のエンジン性能をCFD演算により算出し、このような変更及び算出を繰り返すことで、最適なエンジン構成、特に、吸排気管の構成を得るためのものである。エンジン性能としては、例えば、出力(トルク)、吸気音、排気音、燃費、エミッション等がある。
図1に示すように、解析システム1は、CFD解析システム2及びCADシステム4を有する。CFD解析システム2のコンピュータ6には、その記憶装置(図示せず)或いはメモリ(図示せず)に、この解析システム1の処理を統括するエンジン性能予測プログラム8が格納され、このエンジン性能予測プログラム8は、モデル生成プログラム10、プリポストプログラム12、モデル構成変更プログラム14、最適化プログラム16及びCFD解析プログラム18を有している。また、コンピュータ6には、図示しないが、CPU、入出力装置、モニター等も有する。
モデル生成プログラム10は、モデルデータベース20に格納されたデータを使用して、作業者に、図2に示すようなモデル構成のエンジンモデルを構築させると共に、エンジンの各諸元の数値やメッシュ数を設定して1次元のCFD解析モデルを生成するためのプログラムである。諸元としては、その寸法や角度等の形状を規定する諸元、抵抗損失や熱伝導率等の吸排気の流れに影響を与える特性に関する諸元、及び、管の端部の圧力や温度等の境界条件に関する諸元等がある。
モデルデータベース20には、1次元解析モデルの作成に使用する複数の部品モデル(特定の形状及び特性毎に規定した要素モデル)が格納されている。なお、部品モデルには、「管」、「容器」、「閉止端」、「開放端」、「分岐管」、「シリンダ」、「レゾネータ」等がある。
図2には、部品モデルを組み合わせて構築されたモデル構成が示されている。この図2の例では、各部品モデルが配置及び接続されて、レゾネータ(i16、v2)、エアクリーナ(v1)、サージタンク(i9〜i11)、吸気通路(i5〜i8、i12、i13)、吸気ポート(i1〜i4)、排気ポート(e17〜e20)、排気マニホルド(e21〜e27)、キャタリスト(e28)が表現されている。ここで、図2に示すエンジンモデルでは、i1〜i16、e17〜e28は、「管」のモデルであり、v1及びv2は、「容器」のモデルであり、c1〜c4は、「シリンダ」のモデルである。他に、スロットル弁や、EGR通路等を形成することや、サージタンクを容器のモデルで表現すること等も可能である。なお、モデルデータベース20には、過去に生成された解析モデルも格納されている。
次に、プリポストプログラム12は、主に、作業者による、解析モデルの変更の制約条件及び最適化条件の入力や、結果の出力等の一連の処理を行うプログラムである。
次に、モデル構成変更プログラム14は、モデル生成プログラム10で生成した解析モデルをベースに、そのモデル構成を所定の制約条件内で変更するプログラムである。本実施形態においては、ベースとなる解析モデルに対し、部品モデルを追加し、或いは、切り離すことでモデル構成を変更する。部品モデルの追加或いは切り離しは、ベースとなる解析モデルの部品モデル同士の接続部に対し行われる。
次に、最適化プログラム16は、モデル構成変更プログラム14によるモデル構成の変更、この最適化プログラム16の機能としての各諸元値の変更、及び、変更後の解析モデルのCFD解析プログラム18による解析を繰り返して実行し、変更により得られた複数の解析モデルから、性能の高いエンジン性能を示す解析モデルを選定するプログラムである。また、最適化プログラム16は、作業者の入力に基づいて設定した最適化基準を満たす解析モデルを選定する。
次に、CFD解析プログラム18は、1次元の解析モデルのCFD演算によりエンジンの吸排気の流れを解析するプログラムであり、吸排気の流れや燃焼室における燃焼性等を考慮してエンジン性能を算出可能なプログラムである。解析結果としては、エンジントルク、吸気音、燃費等を出力する。
次に、CADシステム4のコンピュータ22には、CADプログラム24が格納されている。このCADプログラム24は、機械設計や構造解析のための汎用CADプログラムである。設計データベース26には、種々のエンジンの3次元CADデータが格納されている。CADプログラム24は、その設計データベース26から3次元CADデータを読み込み、或いは、設計データベース26にCADデータを格納する機能を有する。
なお、CFD解析システム2のコンピュータ6は、3次元CFDの膨大な演算量にも対応出来るような高速のサーバコンピュータを複数台、並列に接続したもの(図示せず)が好ましく、さらに、コンピュータ6に、複数のクライアント端末(図示せず)をネットワークで接続して、作業者がそのような端末上で解析の操作を行えるようにしても良い。
次に、図3乃至図10により、本発明の第1実施形態の解析システムにおける処理内容を説明する。図3は、本発明の第1実施形態の解析システムにおける処理内容の流れを示すフローチャートであり、図4は、部品モデルを追加或いは切り離すことが出来る接続部の指定について説明するための1次元解析モデルの一例を示す模式図であり、図5は、最適化の判断基準の一例としてトルク特性の評価条件パターンを示す線図であり、図6乃至図10は、それぞれ、モデル構成が変更された1次元解析モデルの例を示す模式図である。なお、図3における「S」は、各ステップを示している。
以下で説明する各ステップは、エンジン性能予測プログラム8及びそのプログラム8に含まれる各プログラム10、12、14、16、18により、エンジン性能として出力トルクを予測する例であり、所定の基準を超える最適な出力トルクが得られる吸排気構成、及び、そのトルクカーブを最終的に出力するようにしたものである。
先ず、図3に示すように、S1において、1次元のCFD解析モデル(ベースモデル)を1つ生成する。
具体的には、作業者が、モデル生成プログラム10により表示される所定の画面上で、モデルデータベース20に格納された上述したような部品モデルを適宜選択し、さらに配置及び接続して、1次元解析モデルを構築する。このS1では、このような作業を受け付けて、例えば図2に示すようなモデル構成の1次元解析モデルを生成する。このS1では、図2に示すような基本的な構成を有するモデルや、既存のエンジンを改良する場合に既存のエンジン構成を表すモデルを作成すると良い。
また、S1において、上述した各諸元(形状を規定する諸元、特性に関する諸元、境界条件に関する諸元)の値、及び、メッシュ数の作業者による入力を受け付ける。なお、エンジンの形状を規定する諸元の値を、設計データベース26内のCADデータから自動的に読み込むようにしても良い。
このS1では、これらの諸元値やメッシュ数のデータと、複数の部品モデルの配置及び接続を表すモデル構成のデータとにより、解析の実行が可能な1次元CFD解析モデル(1次元のベースモデル)を生成する。さらに、この生成した解析モデルを、モデルデータベース20に格納する。なお、S1において、モデルデータベース20に格納されている、過去に生成された解析モデルを読み込み、或いは、読み込んだモデルの修正により、解析モデルを生成しても良い。
次に、S2において、S1で生成した解析モデルをCFD解析プログラム18により解析し、計算エラーの有無をチェックする(トライアル計算)。次に、S3において、計算エラーがあると判定された場合には、S1に戻り、作業者に再度のモデル構築或いは諸元値等の入力を促す。計算エラーが無いと判定されると、S4に進む。
次に、S4において、図4に示すように、S1で生成した解析モデルのモデル構成を画面上に表示し、作業者に、部品モデルの追加或いは切り離しの可能な接続部を指定させる。この図4の例では、管i1と管i5との接続部n1、管i2と管i6との接続部n2、及び、管i5と管i9との接続部n3が指定されている。
本実施形態において、部品モデルの追加とは、S1で生成したベースモデルに対し、新たな部品モデルを、指定された接続部に接続して追加することである。これには、例えば、管モデルであれば、その両端をそれらの指定された接続部に接続すること、及び、一方の端のみをその指定された接続部に接続すると共に他方の端を大気に開放することも含まれる。一方、部品モデルの切り離しとは、S1で生成したベースモデルに既に組み込まれた部品モデルのうち、指定された接続部に両端或いは一方の端が接続されている部品モデルを切り離す、即ち、削除することである。なお、本実施形態では、部品モデルとして、管モデルを追加或いは切り離しするようにしている。
また、このS4では、これらの接続部n1〜n3に接続(追加)される管モデル(図6乃至図10のi29、i30の管モデルを参照)、及び、ベースモデルに予め組み込まれ、両端が接続部n1〜n3に既に接続されている管モデル(i5の管モデルを参照)について、そのような管モデルを規定する複数の諸元のうち、本実施形態では、管モデルの長さ及び径を最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。なお、変更可能な諸元を作業者の入力に基づいて設定しても良い。
また、S4においては、バルブタイミングや圧縮比など、部品モデルに関する諸元以外の諸元のうち、変更可能な諸元の作業者による入力を受け付け、このような入力された諸元も最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。
次に、S5において、モデル構成の変更に関する制約条件の作業者による入力を受け付ける。本実施形態では、作業者の入力に基づいて、制約条件として、同一径路で許容出来る複数管の数、即ち、各接続部n1〜n3の間で接続可能な管モデルの数を設定する。例えば、制約条件としての管モデルの数が3本と入力された場合、図10に示すように、接続部n1と接続部n3との間では、追加の管モデルの本数を2本と設定し、最大で3本とする。
次に、S6において、諸元値の変更に関する制約条件の作業者による入力を受け付ける。本実施形態では、作業者の入力に基づいて、制約条件として、管モデルの長さ及び径の上下限値、及び、S4で設定したバルブタイミングや圧縮比などの諸元値の上下限値を設定する。本実施形態では、以下のステップ(S10)において、この制約条件が設定された諸元値についてのみ変更が行われる。
次に、S7において、作業者による、エンジン性能などに関する最適化条件の入力を受け付ける。本実施形態では、作業者の入力により、最適化条件として、出力トルクを最大化するエンジン回転数の範囲を設定する。例えば、4000〜5000rpmと設定する。なお、エンジン性能を最適化する運転条件として、エンジン負荷を設定出来るようにしても良い。
次に、S8において、作業者の入力に基づき最適化の判断基準を設定する。最適化の判断基準を図5により説明する。
図5に示すベース値は、最適化におけるトルクの目標値である。このベース値は、基本的にそのベース値を上回るトルクが得られる吸排気構成であれば、従来より優れたトルク値を得られるものとして、予め設定されたものである。
ここで、例えば、スポーツカーとファミリーカーとでは、エンジン回転数に対するトルクの出方(トルク特性)を異なるものにすることがある。そこで、このS8では、ベース値に対し、予めいくつかのトルク特性が評価条件として準備されている。
図5に示すように、評価条件1は、エンジン回転数の全域でベース値を上回り、その面積が広く、ばらつきが大きいトルク特性であり、評価条件2は、エンジン回転数の一部でベース値を下回り、その面積が広く、ばらつきが少ないトルク特性であり、評価条件3は、エンジン回転数の全域でベース値を上回り、その面積が狭く、ばらつきが少ないトルク特性である。S8では、作業者に、評価条件1〜3のいずれかを選択させる。
次に、S9において、最適化の計算に使用するシミュレーション用の解析モデルを1つ生成する。このS9では、S1で生成した解析モデルに対し、モデル構成変更プログラム14により、S4で指定された接続部n1〜n3に追加の管モデルを接続し或いは、既に生成されている管モデルを切り離す。このような変更を、S5で入力されたモデル構成の制約条件内で実行する。このS9では、例えば図6に示すように、接続部n1と接続部n3とに管モデルi29を接続した解析モデルを生成する。
次に、S10において、S9で生成した解析モデルに対し、その変更可能な諸元パラメータ(管モデルの長さ及び径、バルブタイミング等)のうちいずれか1つの値を変更する。S10では、この変更を、S10の処理を行う度に、所定の変更幅で行う。例えば管モデルの長さであれば2mm間隔などと予め定めている。このような変更幅は、最適化に必要な比較的小さい数値の間隔である。このような変更幅での変更を、S6で設定した諸元値の制約条件内で実行する。
また、このS10では、S9で管モデルを追加した後、そのモデル構成で最初にS10の処理を行う場合には、その追加した管モデルの諸元値を、予め生成されている管モデル(i5等)と同じ値に設定する。或いは、作業者に入力を行わせても良い。この追加した管モデルの長さ及び径も最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。
次に、S11において、S10で諸元値を変更した解析モデルについてCFD解析プログラム18による解析を実行し、解析結果としてトルクカーブを算出する。
次に、S12において、S11で算出したトルクカーブについて、評価点を算出する。評価点を、S7で設定したエンジン回転数においてトルク値が最大となっているか、S8で選択された評価条件のトルクカーブ特性にどの程度合致しているか、或いは、トルクカーブの面積等を観点として算出する。そして、その評価点及び算出したトルクカーブのデータを記憶装置等に記録する。
次に、S13において、S10乃至S12の処理を繰り返すか否かの判定を行う。このS13では、S10乃至S12の処理の実行回数、或いは、S12での記録結果から得られる処理の続行の有用性の観点等から判定する。また、それらの両方を考慮しても良い。有用性の観点としては、例えば、トルク値がほとんど収束しており、計算を続けても大幅な伸びが期待出来ない場合や、計算コスト(時間等)に比べて伸びが微小な場合等に処理の繰り返しを中止すると判定する。
S13において、繰り返し処理を続行すると判定した場合には、S10に戻り、さらに諸元値を変更した後、S11及びS12の処理を実行する。
S13において、繰り返し処理を続行しないと判定した場合には、図3に示すフローの全体としての計算時間を短縮するために、処理の繰り返しを中止してS14に進む。もちろん、S4で設定された全ての諸元について、制約条件(S6)内での諸元値の変更(S10)が行われた場合には、S14に進む。
S14においては、S13とほぼ同様に、S9乃至S13の処理の実行回数、及び、S12の記録結果から得られる処理の続行の有用性の観点等から、モデル構成をさらに変更(S9)して、S10乃至S13の処理を繰り返すか否かの判定を行う。
S14において、繰り返し処理を続行すると判定した場合には、S9に戻り、さらにモデル構成を変更し、その後、S10乃至S13の処理を繰り返す。
ここで、モデル構成の変更の例を説明する。例えば、図6乃至図8は、管モデルを1本追加した例であり、図9及び図10は、管モデルを2本追加した例である。また、図8のようなモデルにおいて、i5の管を切り離したモデル構成も生成される。
これらのように本実施形態によれば、例えば、図7に示すように、サージタンクから第2吸気ポート(i2)への吸気の流れを2系統とすることや、図8及び図9に示すように、第1吸気ポート(i1)及び第2吸気ポート(i2)とを互いに連通させること、或いは、図9及び図10に示すように、従来は1本の吸気管であった部分を2本或いは3本にすることなど、従来にはない新たな吸排気構成とされた解析モデルを自動で生成する。さらに、このような例だけでなく、吸気管と排気管をつなげたり、吸気ポートに外気を直接導入する管を接続したりなど、従来にない奇抜な吸排気構成を得ることも出来る。
S14において、繰り返し処理を続行しないと判定した場合には、図3に示すフローの全体としての計算時間を短縮するために、処理の繰り返しを中止してS15に進む。もちろん、制約条件(S5)内で、すべての変更(S9)が行われた場合には、S15に進む。
次に、S15において、S12で記録された複数の解析結果どうしを比較する。本実施形態では、解析結果である複数のトルクカーブを比較し、S8で選択された評価条件に合致すると共に最も高いトルクを示すトルクカーブを判定する。そして、そのトルクカーブが得られた解析モデル(変更後のモデル構成及び諸元)を選定する。また、S12で算出した評価点が最も高い解析モデルを選定しても良い。
次に、S16において、S15で選定した解析モデル、及び、そのトルクカーブを画面に表示すると共に記憶装置等に記憶する。また、すべての計算結果を記憶及び表示するなどしても良い。
このように本実施形態によれば、或る1つの解析モデルを生成(S1)し、その解析モデルのモデル構成及び諸元値について変更を自動で行うと共に最適化計算を行うので、最適な吸排気構成を効率的に得ることが出来る。特に、モデル構成について変更を自動で行うので、作業者の経験の長短にかかわらず、従来にない、新しい吸排気構成を短い開発期間で確実に得ることが出来る。
また、モデル構成及び諸元値の変更は、所定の制約条件内で行われるので、計算時間がむやみに多くかかることが抑制される。特に、管モデルに関する制約条件として、吸排気の流れに大きな影響を与える管の長さと径についてのみ変更可能にし、また、管の本数にも制約を与えているので、計算すべき解析モデルが無限大となることを抑制すると共に、より少ない計算回数でより最適な結果を得るように解析モデルを効率的に変更することが出来る。
次に、主に図11及び図12により、本発明の第2実施形態によるエンジン性能の解析システムについて説明する。図11は、本発明の第2実施形態によるエンジン性能の解析システムの概略構成図であり、図12は、実験式の予実差の一例を示す図である。
この第2実施形態による解析システムは、基本的には、上述した第1実施形態と同様に、ベースとなる1次元CFD解析モデルに対し、吸排気管の構成及び諸元値を自動的に変更すると共にそのような変更後のエンジン性能を算出し、このような変更及び算出を繰り返すことで、最適なエンジン構成、特に、吸排気管の構成を得るためのものである。この第2実施形態では、変更後の解析モデルのエンジン性能の算出を、CFD解析プログラムによるCFD演算、或いは、実験式を用いた計算のいずれかで行うようにしている点で第1実施形態と異なる。以下、この異なる点について主に説明し、第1実施形態と同様の点については詳しい説明を省略する。
先ず、図11に示すように、第2実施形態による解析システム30は、CFD解析システム32及びCADシステム4を有する。CFD解析システム32のコンピュータ6には、その記憶装置(図示せず)或いはメモリ(図示せず)に、エンジン性能予測プログラム34が格納され、このエンジン性能予測プログラム34は、モデル生成プログラム10、プリポストプログラム12、モデル構成変更プログラム14、最適化プログラム36及びCFD解析プログラム18を有している。なお、この第2実施形態の説明においては、便宜上、第1実施形態と同様のプログラム及びデータベースに、第1実施形態と同じ符号を付けている。
モデル生成プログラム10、プリポストプログラム12、モデル構成変更プログラム14及びCFD解析プログラム18は、第1実施形態と同様に、それぞれ、モデルデータベース20に格納された部品モデルにより1次元のCFD解析モデルを生成するプログラム、制約条件等の入力や結果の出力等の一連の処理を行うプログラム、部品モデルの追加或いは切り離しにより解析モデルのモデル構成を変更するプログラム、及び、1次元の解析モデルのCFD演算が可能なプログラムである。
本実施形態における最適化プログラム36は、モデル構成変更プログラム14によるモデル構成の変更、最適化プログラム36の機能としての各諸元値の変更、及び、変更後の解析モデルについてのエンジン性能の算出を繰り返して実行し、変更により得られた複数の解析モデルから、性能の高いエンジン性能を示す解析モデルを選定するプログラムである。この最適化プログラム36では、エンジン性能の算出を、所定の条件に基づき、CFD解析プログラム18によるCFD演算による算出、或いは、実験式データベース38に格納された実験式による算出のいずれかにより実行する。また、最適化プログラム36は、第1実施形態と同様に、所定の最適化基準を満たすエンジン性能が得られる解析モデルを選定する。
実験式データベース38には、エンジンの各諸元及び運転条件とエンジン性能との関係を規定する実験式が格納されている。エンジンの諸元は、例えば、吸排気管の長さや径、圧縮比、バルブリフト量等であり、運転条件は、エンジン回転数やエンジン負荷であり、エンジン性能は、トルク、吸気音、吸入空気量(体積効率)等である。実験式は、エンジン性能毎に、予め、実物のエンジンの試験或いはCFD解析によって得られた結果を重回帰分析して得られたものである。データベース38には、このような実験式がエンジン性能毎に格納されている。例えば、吸入空気量(体積効率)に関しては、係数a1〜a9と各諸元とにより規定された、以下のような、性能値を直接算出可能な実験式が格納されている。
ηv=a1×吸気管長さ/吸気管径+a2×圧縮比+・・・+a9×バルブリフト量
例えば、この実験式により求めたηvからトルク値を換算して求める。
また、以下のような、係数及び諸元で規定された、エンジン性能を相対的に算出可能な実験式が格納されている。
トルク変化量=a1×圧縮比変化量
このような実験式により、ある諸元値を変更したときのその変更量に応じたトルク変化量を求めることが出来る。
このような実験式は、予めその算出精度が確認されており、その例を図12に示す。図12には、或るエンジンの解析モデルに対し、その解析モデルの諸元値を実験式に代入して得られた予測値と、その解析モデルを解析することにより得られた実測値とをそれぞれ求めた結果が、図中の黒丸で示すようにプロットされている。図12では、異なる諸元値を有する複数のエンジンについての複数の結果がプロットされている。図12中、斜めに延びる3本の実線のうち、中間で延びる線は、予測値と実測値とが一致する誤差0%の線であり、その両側の線は誤差±3%の線である。このように、本実施形態では、実験式により、誤差が±3%程度の精度でエンジン性能を算出するようにしている。
次に、CADシステムは、第1実施形態と同様に、CADプログラム24及び設計データベース26を有する。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、CFD解析システム32のコンピュータ34は、複数台の高速のサーバコンピュータを並列に接続し、さらに、複数のクライアント端末(図示せず)をネットワークで接続しても良い。
次に、図13により、本発明の第2実施形態の解析システムにおける処理内容を説明する。図13は、本発明の第2実施形態の解析システムにおける処理内容の流れを示すフローチャートである。なお、図13における「S」は、各ステップを示している。
以下に説明する各ステップは、第1実施形態と同様に、エンジン性能予測プログラム34及びそのプログラム34に含まれる各プログラム10、12、14、18、36により、エンジン性能として出力トルクを予測する例である。なお、以下のS21乃至S29、S31、S32、S35乃至S39の処理は、それぞれ第1実施形態と同様であり、以下ではそれらの詳しい説明を省略する。
図13に示すように、S21乃至S29は、図3に示す第1実施形態のS1乃至S9と同様の処理を行う。即ち、S21で1次元のCFD解析モデル(ベースモデル)を生成し、S22でその解析モデルのトライアル計算を行い、S23で計算エラーの有無の判定を行う。さらに、S24で、作業者による、部品モデルの追加或いは切り離しの可能な接続部の指定及び変更可能な諸元の入力を行わせ、さらに、変更可能な諸元を最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。さらに、S25及びS26で、それぞれ、モデル構成の変更に関する制約条件及び諸元値の変更に関する制約条件を作業者の入力に基づいて設定し、S27及びS28で、エンジン性能に関する最適化条件及び最適化の判断基準を作業者の入力に基づいて設定する。そして、S29で、S24で指定された接続部に対して部品モデルを追加或いは切り離すことにより、最適化の計算に使用するシミュレーション用の解析モデルを生成する。
次に、S30に進み、S29で生成した解析モデルのエンジン性能を、予測手法として、CFD演算により算出するか、実験式により算出するかを自動的に選択する。
本実施形態では、このS30において、S29によりモデル構成が変更され最初にこのS30に進んだ場合、即ち、S29で変更したモデル構成において最初にエンジン性能を算出する場合に、CFD演算による算出を選択し、S29で変更されたモデル構成において2回目以降にエンジン性能を算出する場合には、実験式による算出を選択する。なお、S29において生成した解析モデルのエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベース38に格納されていない場合には、CFD演算による算出を選択する。
S30で、CFD演算による算出が選択された場合には、S31に進み、第1実施形態と同様に、S29で生成した解析モデルに対し、変更可能な諸元パラメータ(管モデルの長さ及び径、バルブタイミング等)のうちいずれか1つの値を、S26で設定した諸元値の制約条件内で変更する。S31では、上述したように、この変更を、S31の処理を行う度に、管モデルの長さであれば例えば2mm間隔の変更幅で変更する。
また、S29で管モデルを追加し、そのモデル構成で最初にS31の処理を行う場合には、その追加した管モデルの諸元値を、予め生成されている管モデル(i5等)と同じ値に設定する。この追加した管モデルの長さ及び径も最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。
次に、S32において、第1実施形態と同様に、S31で諸元値を変更した解析モデルについてCFD解析プログラム18による解析を実行し、解析結果としてトルクカーブを算出する。
一方、S30で、実験式による算出が選択された場合には、S33に進み、実験式データベース38に格納されている実験式から、解析目的とするエンジン性能(本実施形態では、トルク)を算出可能であり、且つ、S29で変更したモデル構成の解析モデルについてエンジン性能を算出可能である適切な実験式を自動的に選択する。
また、S33において、実験式に代入する諸元値及び運転条件を決定する。代入する諸元値は、S29で生成した解析モデルが有する諸元値であり、この場合、変更可能な諸元パラメータ(管モデルの長さ及び径、バルブタイミング等)のいずれか1つの値を変更する。また、S29で追加した管モデルがあれば、そのモデル構成で最初にS33の処理を行う場合に、その追加した管モデルの諸元値を、予め生成されている管モデル(i5等)の諸元値とする。この追加した管モデルの長さ及び径も最適化のための変更可能な諸元パラメータとして設定する。また、代入する運転条件は、ここでは、エンジン回転数である。
次に、S34に進み、S33で選択した実験式に諸元値及び運転条件の値を代入して、トルクカーブを算出する。トルクカーブは、例えば100rpm刻みで設定したエンジン回転数を個別に実験式に代入して得られる複数の結果をもとに算出する。
ここで、上述したように、S29で変更したモデル構成において最初のエンジン性能の算出をCFD演算により行い、2回目以降を実験式により行う。このような場合は、上述したエンジン性能を相対的に算出可能な実験式を用いて、2回目以降の諸元値の変更量に応じたエンジン性能の変化量(例えば、トルク変化量)を求め、その変化量をシミュレーションにより得られたエンジン性能(例えば、トルク)に対し加減算することでエンジン性能を算出する。従って、実験式を用いることにより計算時間を短縮しても、算出されたエンジン性能の値の精度を実用レベルで確保することが出来る。
次に、S32或いはS34の処理の終了後、S35に進み、第1実施形態と同様に、S32或いはS34で算出したトルクカーブについて、S27で設定したエンジン回転数においてトルク値が最大となっているか、及び、S8で選択された評価条件にどの程度合致しているか等を観点として評価点を算出する。そして、その評価点及び算出したトルクカーブのデータを記憶装置等に記録する。
次に、S36において、第1実施形態と同様に、S30乃至S35の処理を繰り返すか否かの判定を行う。繰り返し処理を続行すると判定した場合には、S30に戻り、予測手法を選択した後、S31或いはS33でさらに諸元を変更して、S32或いはS34の処理及びS35の処理を実行する。
S36において、繰り返し処理を続行しないと判定した場合にはS37に進み、第1実施形態と同様に、S29乃至S36の処理を繰り返すか否かの判定を行う。繰り返し処理を続行すると判定した場合には、S29に戻り、さらにモデル構成を変更し、その後、S30乃至S36の処理を繰り返す。
次に、S38において、第1実施形態と同様に、S28で選択された評価条件に合致すると共に最も高いトルクを示すトルクカーブが得られた解析モデルを選定する。
次に、S39において、第1実施形態と同様に、S38で選定された解析モデル、及び、そのトルクカーブを出力する。
この第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、最適な且つ新しい吸排気構成を効率的に得ることが出来る。また、第2実施形態では、CFD演算だけでなく、実験式によりエンジン性能の算出を行うようにしているので、計算時間を大幅に短縮することが出来る。特に、モデル構成を変更した後の最初のエンジン性能の算出をCFD演算により行い、2回目以降を実験式により行っているので、計算時間をより確実に短縮することが出来る。さらに、実験式によるエンジン性能の算出では、CFD演算の結果を利用しているので、実験式を用いてもエンジン性能の算出精度も保つことが出来る。
次に、図14及び図15により、第2実施形態の第1変形例を説明する。図14は、本発明の第2実施形態の第1変形例によるエンジン性能の解析システムの概略構成図であり、図15は、本発明の第2実施形態の第1変形例による解析システムの処理内容の流れの一部を示すフローチャートである。
この変形例では、上述した第2実施形態における処理フロー(図13)に、CFD演算及びその結果の重回帰分析により実験式を生成する処理ステップを加えた例であり、S29において生成された解析モデルのエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベース38に格納されていない場合に、これらの処理ステップを行うようになっている。
先ず、図14に示すように、この変形例による予測解析システム40のエンジン性能予測プログラム44は、図11に示す第2実施形態によるエンジン性能予測プログラム34に、実験式生成プログラム46を加えたものである。その他のプログラム10等、データベース20等、及び、CADシステム4は、第2実施形態と同様であり、以下では、それらに関する説明を省略する。
この第1変形例における実験式生成プログラム46は、図13のS29で生成した解析モデルについて所定の回数及び条件でCFD解析を行い、その解析結果を重回帰分析して実験式を生成するプログラムである。この内容を図15によりさらに説明する。
図15に示すように、この変形例では、S29(図13)の処理の終了後、S40に進み、S29において生成した解析モデルのエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベース38に格納されているか否かを判定する。格納されていれば、S30(図13)に進み、第2実施形態において上述したように、S30乃至S39の処理を行う。
S40において、実験式が格納されていないと判定すると、S41に進む。
このS41では、S29で生成した解析モデルに対し、変更可能な諸元パラメータ(管モデルの長さ及び径、バルブタイミング等)をそれぞれ変更した複数の解析モデルについて、CFD解析プログラム18による解析を繰り返し実行する。このS41では、上述したS31で変更する変更幅より大きい幅、例えば、管モデルの長さであれば例えば20mm間隔の変更幅で変更するなど、重回帰分析が可能な程度に変更する値を間引く。このようにして、短い解析時間で、実験式を生成するための解析結果を取得する。
次に、S42において、S41で解析を行った解析モデルの諸元値及び、エンジン回転数等の解析条件と、S41で得られた解析結果とを重回帰分析し、S43において、その重回帰分析の結果から、実験式を生成する。さらに、この生成した実験式を実験式データベース38に格納する。S43による処理の終了後は、S30(図13)に進み、上述したように、S30乃至S39の処理を行う。そして、S33及びS34では、S43で生成して実験式データベース38に格納した実験式を用いてエンジン性能を算出することが出来る。
次に、図16及び図17により、第2実施形態の第2変形例を説明する。図16は、本発明の第2実施形態の第2変形例によるエンジン性能の解析システムの概略構成図であり、図17は、本発明の第2実施形態の第2変形例による解析システムの処理内容の流れの一部を示すフローチャートである。
この変形例では、上述した第2実施形態における処理フロー(図13)に、過去データを重回帰分析することにより実験式を生成する処理ステップを加えた例であり、S29において生成された解析モデルのエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベース38に格納されていない場合に、これらの処理ステップを行うようになっている。
先ず、図16に示すように、この変形例による予測解析システム50のエンジン性能予測プログラム54は、図11に示す第2実施形態によるエンジン性能予測プログラム34に、実験式生成プログラム56を加えたものである。また、この変形例によるCFD解析システム52は、図11に示す第2実施形態によるCFD解析システム32に、過去事例データベース58を加えたものである。その他のプログラム10等、データベース20等、及び、CADシステム4は、第2実施形態と同様であり、以下では、それらに関する説明を省略する。
この第2変形例による実験式生成プログラム56は、過去事例データベース58に格納されたデータを基に実験式を生成するプログラムである。過去事例データベース58には、過去に解析された、エンジンの1次元CFD解析モデル、その解析条件(エンジン回転数等の運転条件を含む)及びその解析結果が格納されている。実験式生成プログラム56による処理内容を図17によりさらに説明する。
図17に示すように、この変形例では、S29(図13)の処理の終了後、S50に進み、S29において生成された解析モデルのエンジン性能を算出可能な実験式が実験式データベース38に格納されているか否かを判定する。格納されていれば、S30(図13)に進み、第2実施形態において上述したように、S30乃至S39の処理を行う。
S50において、実験式が格納されていないと判定すると、S51に進む。
このS51では、過去事例データベース58から、重回帰分析が出来る程度の複数の解析モデルの諸元値、解析条件及び解析結果を読み込む。
次に、S52において、S51で読み込んだ諸元値、解析条件及び解析結果を重回帰分析し、S53において、その重回帰分析の結果から、実験式を生成する。さらに、この生成した実験式を実験式データベース38に格納する。S53による処理の終了後、S30(図13)に進み、上述したように、S30乃至S39の処理を行う。そして、S33及びS34では、S43で生成して実験式データベース38に格納された実験式を用いてエンジン性能を算出することが出来る。
これらの第1及び第2の変形例によれば、上述した第1及び第2実施形態と同様に、最適な且つ新しい吸排気構成を効率的に得ることが出来、特に、対応する実験式が無い場合でも実験式を自動で生成するので、より確実に計算時間を短縮することが出来る。
なお、第3の変形例として、諸元値とエンジン性能との関係を示す一般則、例えば、細くて長い管と太くて短い管とはいずれも同等のトルク特性を有する、というような一般則或いは過去に得られた知見を規定した式(一般式)を格納した一般式データベースを新たに設けても良い。このようなデータベースを設けることにより、例えば、必要とする実験式が無い場合、その一般式に基づいてエンジン性能を算出することが出来る。
本発明の第1実施形態によるエンジン性能の解析システムの概略構成図である。 1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の解析システムにおける処理内容の流れを示すフローチャートである。 部品モデルを追加或いは切り離すことが出来る接続部の指定について説明するための1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 最適化の判断基準の一例としてトルク特性の評価条件パターンを示す線図である。 モデル構成が変更された1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 モデル構成が変更された1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 モデル構成が変更された1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 モデル構成が変更された1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 モデル構成が変更された1次元解析モデルの一例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態によるエンジン性能の解析システムの概略構成図である。 実験式の予実差の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態の解析システムにおける処理内容の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の第1変形例によるエンジン性能の解析システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態の第1変形例による解析システムの処理内容の流れの一部を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の第2変形例によるエンジン性能の解析システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態の第2変形例による解析システムの処理内容の流れの一部を示すフローチャートである。

Claims (11)

  1. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する予測解析システムであって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成手段と、
    上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定手段と、
    上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更して上記CFD解析モデルを変更する解析モデル変更手段と、
    変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出するエンジン性能算出手段と、
    上記解析モデル変更手段による上記CFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについての上記エンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させる繰り返し実行手段と、
    複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定手段と、
    を有することを特徴とするエンジン性能の予測解析システム。
  2. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する予測解析システムであって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成手段と、
    上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定手段と、
    上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更して上記CFD解析モデルを変更する解析モデル変更手段と、
    変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出する第1のエンジン性能算出手段と、
    上記諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースと、
    変更後のCFD解析モデルについて上記実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出する第2のエンジン性能算出手段と、
    上記第1のエンジン性能算出手段或いは上記第2のエンジン性能算出手段のいずれかを所定条件により選択する選択手段と、
    上記解析モデル変更手段による上記解析モデルの変更、上記選択手段による上記第1のエンジン性能算出手段或いは上記第2のエンジン性能算出手段の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての上記選択した第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させる繰り返し実行手段と、
    複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定手段と、
    を有することを特徴とするエンジン性能の予測解析システム。
  3. 上記選択手段は、上記解析モデル変更手段が上記モデル構成を変更し、その変更したモデル構成について最初にエンジン性能を算出する場合に、上記第1のエンジン性能算出手段を選択し、その同じモデル構成について上記解析モデル変更手段が諸元値を変更して2回目以降にエンジン性能を算出する場合に、上記第2のエンジン性能算出手段を選択する請求項2に記載のエンジン性能の予測解析システム。
  4. さらに、上記解析モデル変更手段により変更されたCFD解析モデルについてエンジン性能を算出可能な実験式が上記実験式データベースに格納されていない場合、そのCFD解析モデルの諸元値を上記解析モデル変更手段により所定の変更幅で複数回変更し、それらの変更により得られた複数のCFD解析モデルについてそれぞれ上記第1のエンジン性能算出手段によりエンジン性能を算出し、これらの算出したエンジン性能と上記複数のCFD解析モデルの諸元値とを基に重回帰分析を行って実験式を生成する実験式生成手段を有する請求項2に記載のエンジン性能の予測解析システム。
  5. さらに、過去に生成されたCFD解析モデル及びそのCFD解析モデルにおけるエンジン性能に関する解析結果を格納する過去事例データベースと、
    上記解析モデル変更手段により変更されたCFD解析モデルについてエンジン性能を算出可能な実験式が上記実験式データベースに格納されていない場合、上記過去事例データベースに格納されたCFD解析モデルの諸元値及びそのCFD解析モデルにおけるエンジン性能に関する解析結果を基に重回帰分析を行って実験式を生成する実験式生成手段と、を有する請求項2に記載のエンジン性能の予測解析システム。
  6. 上記制約条件設定手段は、少なくとも吸気管及び/又は排気管の長さの範囲を上記諸元値の制約条件として設定する請求項1又は請求項2に記載のエンジン性能の予測解析システム。
  7. 上記制約条件設定手段は、上記吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成において、少なくともその吸気管及び/又は排気管の接続位置及び本数を上記モデル構成の制約条件として設定する請求項1又は請求項2に記載のエンジン性能の予測解析システム。
  8. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する、コンピュータによる予測解析方法であって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成工程と、
    上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定工程と、
    上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更して上記CFD解析モデルを変更する解析モデル変更工程と、
    変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出するエンジン性能算出工程と、を有し、
    上記解析モデル変更工程による上記CFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについての上記エンジン性能算出工程によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、
    さらに、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定工程と、
    を有することを特徴とするエンジン性能の予測解析方法。
  9. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する、コンピュータによる予測解析方法であって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成する解析モデル生成工程と、
    上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定する制約条件設定工程と、
    上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更して上記CFD解析モデルを変更する解析モデル変更工程と、
    変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行してエンジン性能を算出する第1のエンジン性能算出工程と、
    変更後のCFD解析モデルについて、上記諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出する第2のエンジン性能算出工程と、
    上記第1のエンジン性能算出工程或いは上記第2のエンジン性能算出工程のいずれかを所定条件により選択する選択工程と、を有し、
    上記解析モデル変更工程による上記解析モデルの変更、上記選択工程による上記第1のエンジン性能算出工程或いは上記第2のエンジン性能算出工程の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての上記選択した第1のエンジン性能算出工程或いは第2のエンジン性能算出工程によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、
    さらに、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定する最適モデル選定工程と、
    を有することを特徴とするエンジン性能の予測解析方法。
  10. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する解析用コンピュータのための予測解析プログラムであって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成させ、上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定させ、上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更させて上記CFD解析モデルを変更させ、変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行させてエンジン性能を算出させ、上記解析モデル変更手段による上記CFD解析モデルの変更及びその変更後のCFD解析モデルについての上記エンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定させるように上記解析用コンピュータを制御するエンジン性能の予測解析プログラム。
  11. エンジンの吸排気の流れをCFD解析プログラムにより解析してエンジン性能を予測する解析用コンピュータのための予測解析プログラムであって、
    作業者の入力に基づいて1次元のCFD解析モデルを生成させ、上記CFD解析モデルの少なくとも吸気管及び/又は排気管に関するモデル構成の変更の制約条件及び諸元値の変更の制約条件をそれぞれ作業者の入力に基づいて設定させ、上記モデル構成及び諸元値をそれぞれ上記設定した制約条件内で変更させて上記CFD解析モデルを変更させ、変更後のCFD解析モデルについて上記CFD解析プログラムによる解析を実行させてエンジン性能を算出させ、変更後のCFD解析モデルについて、上記諸元値とエンジン性能との関係を規定する実験式を格納した実験式データベースに格納された実験式を用いてエンジン性能を算出させ、上記第1のエンジン性能算出手段或いは上記第2のエンジン性能算出手段のいずれかを所定条件により選択させ、上記解析モデル変更手段による上記解析モデルの変更、上記選択手段による上記第1のエンジン性能算出手段或いは上記第2のエンジン性能算出手段の選択、及び、変更後のCFD解析モデルについての上記選択した第1のエンジン性能算出手段或いは第2のエンジン性能算出手段によるエンジン性能の算出を繰り返し実行させ、複数の変更後のCFD解析モデルから、所定の基準を満たす最適なエンジン性能が算出されたCFD解析モデルを選定させるように上記解析用コンピュータを制御するエンジン性能の予測解析プログラム。
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