JP2007169170A - ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xトリプシン消化物結晶 - Google Patents

ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xトリプシン消化物結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】 ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xと薬物との複合体結晶構造解析を再現性良く実施できる良質の結晶を提供する。
【解決手段】 肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)R6株由来PBP2xのトリプシン消化物を調製し、再現性良く得られる結晶を作製した。これを用いて特徴的な3位側鎖を有するセフェム系β−ラクタム薬であるセフジトレン複合体結晶をソーキング法により調製し、分解能2.6Åの薬物複合体結晶構造解析に成功した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、X線結晶構造解析に利用するための肺炎連鎖球菌ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xトリプシン消化物結晶に関する。
ペニシリン結合タンパク質(PBP)は細菌における細胞壁を構成する構造ユニットであるムレインモノマーを基質として細胞壁ペプチドグリカンを組み立てる一連の酵素群であり、細菌のペプチドグリカンの重合および架橋反応に働く膜結合型のタンパク質である。肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)には6種類のPBPが確認されているが、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌では主に3種類のPBP(PBP1a、PBP2x、PBP2b)における変異がβ−ラクタム薬の感受性低下に関与しており、PBP2xはβ−ラクタム薬の耐性に重要な役割を果たしている(非特許文献1参照。)。従って、PBP2xとβ−ラクタム薬との原子レベルでの相互作用をPBP2x−薬物複合体のX線結晶構造解析により明らかにすることは、耐性のメカニズムを説明するだけでなく、耐性菌に有効な新薬を創出する上でも非常に重要である。
PBP2xの結晶構造は膜結合部位を除いた可溶性部分については既に解析されており、薬剤感受性菌であるR6株由来PBP2xについては分解能が3.5Å(非特許文献2参照。)、2.4Å(非特許文献3参照。)、耐性菌に見られる点変異を2箇所導入したPBP2xについては分解能が2.4Å(非特許文献4参照。)、薬剤耐性菌由来PBP2xについては分解能が3.2Å(非特許文献5参照。)、3.0Å(非特許文献6参照。)である。また、SWISSPROT Accession番号P14677に登録されている配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するR6株由来PBP2xのアミノ酸残基74〜93、184〜199、218〜229および257〜750を1から3アミノ酸残基のリンカーでつないで発現させたmini−PBP2xについて結晶化の報告がある(特許文献1参照。)。しかしながら、薬物複合体の結晶構造解析はわずか2例であり、その内の1例は3.5Å分解能でのセフロキシム複合体であるが、分解能が悪いために電子密度が不明瞭であり、PBP2xと薬物との詳細な相互作用は明らかでなく、ドラッグデザインには役立たない(非特許文献2参照。)。残りの1例は2.8Å分解能でのセフロキシム複合体の例であるが、この解析に使用した結晶は結晶が得られるまで数ヶ月以上かかり、結晶化の最中にプロテアーゼにより部分的に切断されることから結晶作製の再現性が悪く、化合物複合体結晶作製に利用するのは困難である(特許文献1および非特許文献3参照。)。また、セフロキシムは複合体中において3位側鎖が切断されていることから、セフジトレンに代表される耐性菌にも有効なセフェム系β−ラクタム薬の3位側鎖とPBP2xとの相互作用様式は未だ明らかではない。従って、特徴的な側鎖を有するβ−ラクタム薬との複合体結晶作製が可能で、高分解能のX線回折能を持ち、なおかつ再現性良く調製が可能なPBP2x結晶の創出が望まれている。
一般にタンパク質のN末端、C末端やループ領域は構造が揺らいでいる場合があり、その際には複数のコンフォメーションを取り得ることから、タンパク質の揺らいでいる領域の除去やドメインの切り出しは均一のコンフォメーションから構成される高分解能のX線回折能を有する結晶を作製するために有効な手段である(非特許文献7参照。)。その一つの方法としてプロテアーゼであるトリプシンを利用してタンパク質を切断する方法が知られている。トリプシンは表面に露出している塩基性アミノ酸であるリジンやアルギニン残基の直後を選択的に切断することにより、タンパク質の揺らいでいる領域を除去できる場合がある。肺炎連鎖球菌PBP1aではトリプシン消化物において分解能2.8ÅのX線回折能を示す結晶が得られており、その際、消化物の純度を確保しマイナー部位での切断を避けるため1箇所点変異を導入している(非特許文献8参照。)。また、肺炎連鎖球菌PBP1bではトリプシン消化物において分解能1.9ÅのX線回折能を示す結晶が得られており、その際、消化物の純度を確保しマイナー部位での切断を避けるため3箇所点変異を導入している(非特許文献9参照。)。しかしながら、トリプシン消化のパターンは個々のタンパク質に依存し、PBP2xでは未だ明らかになっていないことから、点変異導入の必要性も含め結晶化に適したトリプシン消化物の作製には試行錯誤が必要であり、そもそもPBP2xに対してトリプシン消化が有効な手段であるかも明らかではない。結晶化に適したPBP2xトリプシン消化物を新規に見出すことができれば、PBP2xと薬物との詳細な相互作用の解明および新薬の創出につながると期待される。
WO2004/007541 Antimicrob.Agents Chemother. 48(6)2244−50(2004) Nat.Struct.Biol.3(3)284−9(1996) J.Mol.Biol.299(2)477−85(2000) J.Biol.Chem.278(45)44448−56(2003) J.Biol.Chem.276(48)45106−12(2001) J.Biol.Chem.279(16)16463−70(2004) BIOベンチャー 3(5)、36−39(2003) Acta Crystallogr.D59(6)1067−9(2003) Proc.Natl.Acad.Sci.USA.102(3)577−82(2005)
従来の肺炎連鎖球菌PBP2x結晶は分解能が悪い、側鎖の大きい薬物との複合体が作製できない、結晶作製の再現性が悪い、のいずれかの理由により薬物複合体のX線結晶構造解析に不適である。そのため、創薬において重要な情報であるPBP2xとβ−ラクタム薬の詳細な相互作用様式を得ることができない。一般にトリプシン消化により良質の結晶が得られる可能性があるが、PBP2xへの適用はない。本発明が解決しようとする課題は、結晶化に適したPBP2xトリプシン消化物を新規に見出し、高分解能の薬物複合体結晶構造解析を再現性良く実施できる良質の結晶を提供することである。
本発明者は、配列番号5に示される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)R6株由来PBP2xのアミノ酸残基番号49〜750からなる可溶性部分をトリプシン消化することにより、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるトリプシン消化物および配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されるトリプシン消化物を見出した。これらのトリプシン消化物結晶を用いて良質の結晶が得られる条件を探索したところ、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるトリプシン消化物の結晶を再現性良く得ることに成功し、X線回折実験により分解能2.9ÅのX線回折強度データが得られた。また、特徴的な3位側鎖を有するセフェム系β−ラクタム薬であるセフジトレン複合体結晶をソーキング法により調製し、分解能2.6ÅのX線回折強度データを得ることに成功した。分子置換法による位相決定の結果、酵素活性部位に化合物の電子密度が観測され、薬物複合体の結晶構造解析に成功した。すなわち、本発明は、X線結晶構造解析に利用するための肺炎連鎖球菌PBP2xトリプシン消化物結晶に関する。前記結晶において、その空間群はP22であり、格子定数はa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である。
本発明は以下の発明を含有する。
(1)X線結晶構造解析により立体構造を解析し得ることを特徴とする肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xトリプシン消化物の結晶。
(2)空間群がP22である(1)に記載の結晶。
(3)空間群がP22であり、格子定数がa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である(1)に記載の結晶。
(4)配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成され、空間群がP22である(1)に記載の結晶。
(5)配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成され、空間群がP22であり、格子定数がa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である(1)に記載の結晶。
(6)配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成される(1)に記載の結晶。
(7)X線結晶構造解析に利用可能な結晶を作製し得ることを特徴とする配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるタンパク質。
(8)X線結晶構造解析に利用可能な結晶を作製し得ることを特徴とする配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されるタンパク質。
本発明のPBP2xトリプシン消化物結晶は再現性良く調製が可能である。また、特徴的な3位側鎖を有するセフェム系β−ラクタム薬であるセフジトレンとの複合体結晶の調製が可能であり、分解能2.6Åでの結晶構造解析に成功した。従来の技術で得られる結晶は分解能が悪い、側鎖の大きい薬物複合体が作製できない、結晶作製の再現性が悪い、のいずれかの理由により薬物複合体のX線結晶構造解析に不適であったが、本発明のトリプシン消化物結晶を利用することにより、創薬において重要な情報であるPBP2xと薬物の詳細な相互作用様式を迅速に解明することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<<PBP2xトリプシン消化物>>
本発明において、PBP2x可溶性部分とは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、好ましくは肺炎連鎖球菌R6株(ATCC49619)由来PBP2xの膜結合機能を有するN末端領域を除いた部分である。PBP2x可溶性部分は由来となる株およびN末端が異なる種々のものが存在するが、好ましくは、配列番号5に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基番号49から750で構成される。本発明のPBP2xトリプシン消化物は、PBP2x可溶性部分をプロテアーゼであるトリプシンで消化することにより得られる。トリプシン消化の反応条件により種々の断片が得られるが、反応条件をコントロールすることにより、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるトリプシン消化物と配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されるトリプシン消化物を得ることができる。
<<PBP2x可溶性部分の発現>>
PBP2x可溶性部分は、それをコードするDNA断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA分子、特にDNA発現ベクターの形態とし、それによって宿主細胞の形質転換を行い、その形質転換体を培養することによって得られる。このDNA分子は、ベクター分子にPBP2x可溶性部分をコードするDNA断片を組み込むことによって得ることができる。本発明の好ましい態様によれば、このベクターはプラスミドである。本発明において利用されるベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案して、ウィルス、プラスミド、コスミドベクターなどから適宜選択することができる。例えば宿主細胞が大腸菌の場合はpUC、pBR系のプラスミド、枯草菌の場合はpUB系のプラスミド、酵母の場合はYEp、YRp、YCp系のプラスミドベクターが挙げられる。宿主細胞としては、宿主−ベクター系が確立されているものであれば利用可能であり、好ましくは大腸菌が挙げられる。宿主細胞の形質転換により得られた形質転換体は、適当な条件で培養し、得られた形質転換体の細胞抽出液を慣用の方法に従い回収することができる。ここで、PBP2x可溶性部分に付加的ポリペプチド、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはヒスチジン残基に富むポリペプチド(His−tag)を融合タンパク質として発現することも慣用の技術により可能である。
<<PBP2xトリプシン消化物の精製>>
His−tagを融合して大腸菌で発現させたPBP2x可溶性部分は、金属イオン、好ましくはニッケルイオンを配位させたアフィニティーカラムを用いた慣用の技術により容易に精製が可能である。精製したPBP2x可溶性部分を20mM トリス塩酸 pH 7.9、1mM EDTA溶液に対して透析した後、適当量のトリプシンを加え、25℃、1時間反応させた後、フッ化フェニルメチルスルホニルを終濃度1mMになるよう加えることでトリプシン消化物が得られる。添加するトリプシンの終濃度は典型的には0.1〜1mg/mlであるが、PBP2x可溶性部分のタンパク質濃度に依存するため、好ましくは、毎回、少量での確認実験により決定する必要がある。トリプシン消化物は陰イオン交換カラム、ハイドロキシアパタイトカラム、陽イオン交換カラム、ゲルろ過カラムを用いた一般的なクロマトグラフィーの手法を組み合わせて精製することが可能であり、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるトリプシン消化物と配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されるトリプシン消化物を各々分取することができる。
<<PBP2xトリプシン消化物の結晶化>>
一般的に蛋白質の結晶化は容易ではない。結晶化できる条件が比較的容易に見出される場合もあるが、通常は種々の結晶化条件をスクリーニングしなければならない。さらに沈殿剤の濃度、pH、塩の種類と濃度、添加剤などの条件を最適化することによって、X線結晶構造解析に供することができる良質の結晶が得られる。また、いかなる条件でも結晶化しない蛋白質も存在すると考えられている。蛋白質の結晶が得られなければX線結晶構造解析を行うことができない。また、X線結晶構造解析に用いる蛋白質の結晶は、結晶であればいかなるものでも解析可能であるわけではない。実際にX線を照射した際に、高分解能の回折強度データが得られることが必要である。また、薬物複合体結晶を作製するには、薬物結合部位に空間のあるパッキングを有する結晶を作製しなければならない。本発明におけるPBP2xトリプシン消化物結晶化の方法は、ハンギングドロップ法、シッティングドロップ法、透析法などのいかなる方法を用いてもよいが、好ましくは蒸気拡散法であるハンギングドロップ法が用いられる。また、シーディング法またはリザーバー溶液にオイルを重層することにより結晶核の形成および結晶成長をコントロールすることもできる。結晶化に用いるタンパク質としては、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるトリプシン消化物が望ましい。結晶化に用いる精製タンパク質の濃度は、10mg/ml程度であることが望ましい。そして、蛋白質溶液に沈殿剤、塩類、緩衝液、添加剤などを適当量加えて、結晶化を行う。本発明のPBP2xトリプシン消化物の結晶化に用いられる沈殿剤としては、硫酸アンモニウムなどの無機塩類、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子、イソプロパノールやエタノールなどの有機溶媒などが挙げられる。本発明においては、ポリエチレングリコールを好ましく用いることができ、ポリエチレングリコール4000を特に好ましく用いることができる。また、塩類として、硫酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどを加えることも可能である。また、緩衝液としては、公知の緩衝液のいずれも用いることができるが、本発明においては、好ましくは用いる必要がない。さらに添加剤としては、種々の金属イオン、有機溶媒などを用いることができるが、好ましくは、イソプロパノールを用いることができる。沈殿剤の組み合わせについては、(1)10−25% ポリエチレングリコール4000、0.2M 硫酸アンモニウム、0.1M 酢酸ナトリウム、(2)10−25% ポリエチレングリコール4000、5% イソプロパノール、0.1M クエン酸ナトリウムの2通りの組み合わせが好ましい。薬物複合体結晶の作製には、共結晶化法、ソーキング法のいずれの方法を使用しても良いが、好ましくはソーキング法が用いられ、結晶を薬物溶液に浸漬することで複合体結晶が作製できる。
<<PBP2xトリプシン消化物結晶のX線回折強度データの収集>>
上記のようにして得られる結晶の外観、単位格子の種類・大きさなどはその結晶に固有のものであり、良質の結晶を用いれば、X線回折実験により高分解能の回折強度データを取得することができる。結晶を多価アルコールを含有する抗凍結溶液中に浸した後凍結させ、凍結状態でX線回折データを収集し、X線回折像を得る。ここで、多価アルコールとしては、スクロース、トレハロース、グリセロールなどが挙げられる。これらの中で特にグリセロールが好ましい。抗凍結溶液中の多価アルコールの濃度は、好ましくは20%〜30%である。X線を照射して回折強度データを取得するには、いかなるX線発生装置を用いることができるが、好ましくは、(財)高輝度光科学研究センターの大型放射光施設SPring−8などの第3世代の放射光施設を利用することができる。得られたX線回折強度データを処理することにより、結晶学的パラメータを特定することが可能である。例えば、配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるPBP2xトリプシン消化物の結晶は、空間群がP22であり、格子定数はa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である。
<<PBP2xトリプシン消化物の結晶構造の決定>>
上記のように得られたデータを用いてPBP2xトリプシン消化物の結晶構造の決定が可能となる。一般に位相決定には、分子置換法、重原子同型置換法、多波長異常分散法などが用いられるが、PBP2xトリプシン消化物の結晶構造の決定には、好ましくは、分子置換法が用いられる。サーチモデルには、既に構造解析されたPBP2xのいかなるモデルも利用可能であるが、好ましくはProtein Data Bank(PDB、URL:http://www.rcsb.org/pdb/)に登録されているPDB accession code:1QMEのモデルを用いることができる。化合物複合体の結晶構造解析も同様に実施可能であるが、好ましくは、構造決定したPBP2xトリプシン消化物Free体のモデルをサーチモデルとして用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は実施例によって限定されるものではない。また、各種ベクターの作製、蛋白質の発現等は、特に記載のない限り、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd edition(Sambrook and Russell著,Cold Spring Harbor laboratory Press刊(2001))などに記載の公知の手法に従って実施できる。
<<肺炎連鎖球菌由来PBP2x可溶性部分の大腸菌発現系の構築>>
(1)肺炎連鎖球菌R6株由来のゲノムDNAの単離
肺炎連鎖球菌Streptococcus pneumoniae)R6株(ATCC49619)を血液寒天基礎培地(ベクトン・ディッキンソン社製)で二酸化炭素5%、37℃の条件下で18時間培養し、低速遠心によって集菌した。得られた菌体からDNeasy Tissue Kit(QIAGEN社製)を用い、添付の説明書記載の方法に従って、ゲノムDNAを調製した。
(2)肺炎連鎖球菌R6株由来PBP2x可溶性部分発現ベクターの構築
膜結合領域を除いたPBP2x可溶性部分をコードするDNAを単離するため以下のプライマーを設計した。
PN−PBP2x−5:5’−CAGGAATTCCATATGGGGACAGGCACTCGCTTTGG−3’(配列番号6)
PN−PBP2x−3:5’−GAGGTCGACTTAGTCTCCTAAAGTTAATGTAAT−3’(配列番号7)
上記(1)で単離したゲノムDNAを鋳型に、前記プライマーを用いて、Pyrobest DNA Polymerase(タカラバイオ社製)でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を添付の説明書に従い実施した。増幅したDNA断片をEcoRIおよびSalIで消化した。この断片を予めEcoRIおよびSalIで切断したベクターpET−15b(Novagen社製)にLigation high(TOYOBO社製)を添付の説明書の方法に従い用い、サブクローニングした。得られた組換えプラスミドを大腸菌COMPETENT high DH5α(TOYOBO社製)に添付の説明書の方法に従い導入し、形質転換体を得た。形質転換体を、50μg/mLのアンピシリンを含むLB agarプレート上にて、37℃で一晩培養し、アンピシリン耐性コロニーを取得した。取得したコロニーから組換えプラスミド(pET15b−R6−PBP2x)を調製しDNA配列を確認し、SWISSPROT Accession番号P14677に登録されている肺炎連鎖球菌R6株由来PBP2xの配列(配列番号5)の可溶性部分(アミノ酸残基番号49から750)をコードすることを確認した。
<<PBP2x可溶性部分の発現>>
実施例1の(2)で得られたpET15b−R6−PBP2xの組み換えプラスミドを大腸菌BL21(DE3)pLysS(Novagen社製)に形質転換し、得られた形質転換体を100μg/mlのアンピシリンおよび34μg/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地10L中で600nmにおけるO.D.が0.8に達するまで増殖させた。終濃度1mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で3時間誘導後、遠心分離機によって集菌し、菌体をリン酸緩衝食塩水(PBS)400mLに懸濁した後、再度、遠心分離機によって集菌し、−20℃で凍結保存した。菌体を菌体破砕バッファー(20mM トリス塩酸 pH 7.9、500mM 塩化ナトリウム、5mM イミダゾール、1mM フッ化フェニルメチルスルホニル、1μM ロイペプチン、1μM ペプスタチンA、0.4mg/mL リゾチーム、5μg/mL RNase A、5m unit/mL DNase I(タカラバイオ社製))に懸濁し、氷上で30分インキュベートした。次に1分間の超音波処理を2回施し、細胞を破砕した。遠心分離(30分間、12000rpm)とそれに続くガラスろ紙および0.2μmのフィルターによって超音波処理の残渣を除去し、細胞抽出液を得た。
<<PBP2xトリプシン消化物の精製>>
(1)PBP2x可溶性部分の精製
以下の精製は4℃で行った。細胞抽出液は2等分し、以下の精製操作を2回繰り返して実施した。HiTrap Chelatingカラム 5mL(アマシャムバイオサイエンス社製)を3本直列に連結し、マニュアル記載の方法でニッケルを結合させた後、平衡化バッファー(20mM トリス塩酸 pH 7.9、500mM 塩化ナトリウム、5mM イミダゾール)で平衡化した。そこへ細胞抽出液を流速1mL/minでアプライし、3カラム容量の洗浄バッファー(20mM トリス塩酸 pH 7.9、500mM 塩化ナトリウム、20mM イミダゾール)で洗浄した後、20mM トリス塩酸 pH 7.9、500mM 塩化ナトリウム中の20mM−500mM イミダゾールの直線勾配(4カラム容量)で溶出した。SDS−PAGEにより溶出画分を確認し、PBP2x可溶性部分の主要なフラクションをまとめて回収した。
(2)トリプシン消化
上記(1)で精製したPBP2x可溶性部分を20mM トリス塩酸 pH 7.9、1mM EDTA溶液に対して透析した後回収し、まずはじめに小スケールでのトリプシン消化の条件検討を実施した。回収液10μLを0.05〜10mg/mlのトリプシン(Trypsin TPCK treated From Bovine Pancreas、Sigma社製)溶液と等量混合し、25℃、1時間反応させた後、フッ化フェニルメチルスルホニルを終濃度1mMになるよう添加し反応を止めた。SDS−PAGEにより各濃度におけるトリプシン消化のパターンを確認し、トリプシンの添加量を終濃度0.53mg/mlと決定し、残りの全サンプルのトリプシン消化を実施した。
(3)PBP2xトリプシン消化物の精製
(3−1)
<<陰イオン交換カラムによる精製>>
上記(2)で得られたトリプシン消化物を陰イオン交換カラムであるPOROS HQ/20(PerSeptive Biosystems社製)を用いて精製した。流速は10mL/minであり、トリプシン消化物溶液を等量に分けて精製は2度実施した。平衡化バッファー(20mM トリス塩酸 pH 7.9、1mM EDTA)で平衡化したカラムにトリプシン消化物溶液をアプライした。3カラム容量の平衡化バッファーで洗浄した後、20mM トリス塩酸 pH 7.9、1mM EDTA中の0−300mM 塩化ナトリウムの直線勾配(12カラム容量)で溶出した。SDS−PAGEにより溶出画分を確認し、約90〜140mM 塩化ナトリウムで溶出した画分をFr.1、約180〜210mM 塩化ナトリウムで溶出した画分をFr.2として別々にまとめ、以後の精製は別個に実施した。
(3−2)
<<ハイドロキシアパタイトカラムによる精製>>
ハイドロキシアパタイトカラムは、Macro−Prep Ceramic Hydroxyapatite TYPE I 20μm(バイオラッド社製)を担体として用い、マニュアル記載の方法でカラム容量8mlのカラムを作製した。次に、(3−1)で得られたトリプシン消化物Fr.1およびFr.2を平衡化バッファー(5mM リン酸カリウムバッファー pH 6.8)に対して透析しバッファー置換を行い、平衡化バッファーで平衡化したカラムに流速3ml/minでアプライした。2カラム容量の平衡化バッファーで洗浄した後、5−500mM リン酸カリウムバッファー pH 6.8の直線勾配(30カラム容量)で溶出した。SDS−PAGEにより主要な溶出画分をFr.1、Fr.2に関して各々まとめた。
(3−3)
<<陽イオン交換カラムによる精製>>
上記(3−2)で得られたトリプシン消化物Fr.1およびFr.2を平衡化バッファー(50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH 5.0)に対して透析しバッファー置換を行い、平衡化バッファーで平衡化した陽イオン交換カラムMonoS HR10/10(アマシャムバイオサイエンス社製)に流速4ml/minでアプライした。2カラム容量の平衡化バッファーで洗浄した後、50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH 5.0中の0−1M 塩化ナトリウムの直線勾配(40カラム容量)で溶出した。SDS−PAGEにより主要な溶出画分をFr.2に関してまとめた。Fr.1は非吸着画分を回収した。
(3−4)
<<ゲルろ過カラムによる精製>>
上記(3−3)で得られたトリプシン消化物Fr.1およびFr.2を保持分子量30000以上の限外ろ過膜であるAmicon Ultra−4 30kDa NMWL(ミリポア社製)を用いて各々0.7mL、0.75mLまで濃縮し、ゲルろ過バッファー(20mM トリス塩酸 pH7.5、150mM 塩化ナトリウム)で平衡化したゲルろ過カラムHiload 16/60 Superdex75 prep grade(アマシャムバイオサイエンス社製)に流速1ml/minでアプライした。SDS−PAGEにより主要な画分を各々まとめ、上記記載の限外ろ過膜を用いて10mg/mlまで濃縮後、液体窒素中で凍結し、−80℃で保存した。
(3−5)
<<精製したトリプシン消化物の同定>>
上記(3−4)で得られたトリプシン消化物Fr.1 80μgおよびFr.2 60μgを限外ろ過膜ウルトラフリーMC5000(ミリポア社製)を用いて1%ギ酸にバッファー置換し、50μL回収した。エレクトロスプレイイオン化法による質量分析装置により、分子量を解析したところFr.1は分子量41981、18461、13698の3本の主要なピークが観測された。Fr.2は分子量61550、13699の2本の主要なピークが観測された。また、Fr.1、Fr.2各10μgをSDS−PAGEにアプライし泳動した後、PVDF膜に転写し、Fr.1の分子量42k、16k、13kおよびFr.2の分子量64k、13k付近のバンドを切り出しプロテインシークエンサーを利用してN末端アミノ酸配列を各々5残基確認した。その結果、Fr.1の分子量42k、16k、13k、Fr.2の分子量64k、13k付近のバンドのN末端5残基は各々LGNIV、TVPAK、ALEQV、KVHQT、ALEQVであった。これらの結果からFr.1は配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成され、Fr.2は配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されることが判明した。
<<PBP2xトリプシン消化物の結晶化>>
(1)Free体結晶の作製
PBP2xトリプシン消化物結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法により得た。実施例3で精製した配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるPBP2xトリプシン消化物溶液2.0μLと結晶化剤(10−25% ポリエチレングリコール4000、0.2M 硫酸アンモニウム、0.1M 酢酸ナトリウム)2.0μLをカバーガラス上で混合し結晶化ドロップとした。リザーバー溶液として上記結晶化剤500μLをVDXプレート(ハンプトンリサーチ社製)のウェルに分注し、Al’sオイル(ハンプトンリサーチ社製)250μLをリザーバー溶液の上に重層した。ウェルの淵に高真空グリースを塗り、カバーガラスをドロップが内側になるように被せ密閉した。プレートを20℃の恒温槽内に静置すると数日から数週間で結晶が得られた。得られたトリプシン消化物結晶の顕微鏡写真を図1に示す。また、結晶化セットアップ1日後にストリークシーディング法により種結晶を植え付けた場合においても同様の結晶が得られた。
(2)セフジトレン複合体結晶の調製
セフェム系β−ラクタム薬セフジトレンピボキシルはプロドラッグであり、活性本体であるセフジトレンのナトリウム塩(セフジトレンナトリウム)を当社工場から入手した。上記(1)で作製した結晶をセフジトレン溶液(5mg/ml セフジトレンナトリウム、23% ポリエチレングリコール4000、0.2M 硫酸アンモニウム、0.1M 酢酸ナトリウム)中に移し、室温で1時間45分反応させることによりセフジトレン複合体結晶を調製した。
<<PBP2xトリプシン消化物結晶のX線回折強度データの収集>>
実施例4で得られた結晶を、安定化母液(18−23% ポリエチレングリコール4000、0.2M 硫酸アンモニウム、0.1M 酢酸ナトリウム)、12.5%グリセロール含有の安定化母液、25%グリセロール含有の安定化母液に順々に移し、−170℃の窒素ガス気流にて急速凍結した。これを(財)高輝度光科学研究センターの大型放射光施設SPring−8の創薬産業ビームラインBL32B2を利用しイメージングプレートを装備したR−AXIS V(リガク社製)またはJupiter210(リガク社製)を検出装置としてX線回折データを振動法にて測定した。X線の波長は1Å、振動角は0.5°または1°/フレームであった。次に、回折強度データ処理プログラムCrystalClear(リガク社製)を使用して、回折強度データをFree体について分解能2.9Å、セフジトレン複合体について2.6Åで処理した。その結果、Free体結晶は、空間群がP22であり、格子定数がa=106.88Å、b=171.71Å、c=89.36Å、α=β=γ=90°であった。得られたデータのCompletenessは99.8%、Rmergeは6.1%であった。また、セフジトレン複合体結晶は、空間群がP22であり、格子定数がa=107.74Å、b=171.20Å、c=89.15Å、α=β=γ=90°であった。得られたデータのCompletenessは89.9%、Rmergeは5.4%であった。
<<PBP2xトリプシン消化物の結晶構造の決定>>
実施例5で得られた回折強度データを、CCP4(Collaborative Computational Project Number 4)に含まれるプログラムMolrepを利用して分子置換法による位相決定を試みた。分子置換法のサーチモデルにはProtein Data Bank(PDB、URL:http://www.rcsb.org/pdb/)にPDB accession code:1QMEとして登録されているPBP2x可溶性部分のモデルを利用した。その結果、非対称単位中に2分子のモデルを見出すことができた。次に構造精密化プログラムであるCNX(アクセルリス社製)、HT XPIPE(アクセルリス社製)およびCCP4に含まれるRefmac5を用いた構造精密化とモデル構築プログラムであるDS Modelling(アクセルリス社製)、Turbo−Frodo(AFMB−CNRS製)を用いたモデルの修正を繰り返し実施し、Free体およびセフジトレン複合体の結晶構造を得た。セフジトレン複合体においては、酵素活性部位にセフジトレンに相当する電子密度が観測された(図2)。決定した結晶構造の正確さの指標であるR因子は、Free体において0.237、セフジトレン複合体において0.260であった。さらに、精密化の段階で計算に入れなかった全反射の5%に相当する構造因子から計算されるRfree因子はFree体において0.300、セフジトレン複合体において0.290であった。
今回決定したセフジトレン複合体結晶においては、セフジトレン3位側鎖の電子密度も明瞭に観測され、特徴的な3位側鎖を有するセフェム系β−ラクタム薬であるセフジトレンと標的タンパク質であるPBP2xとの相互作用様式が世界で初めて明らかとなった。今回得られた情報は新規化合物のデザインを可能とし、今後の新薬の創出に多いに活用できるものである。また、本発明のトリプシン消化物結晶を用いて、他の薬物との複合体結晶作製もセフジトレン同様の手順で可能であった。
本発明のPBP2xトリプシン消化物結晶は、X線結晶構造解析によるPBP2xと薬物との詳細な相互作用の解明および新薬の創出に活用できるため、産業上極めて有用である。
本発明のPBP2xトリプシン消化物結晶の顕微鏡写真である。 PBP2xトリプシン消化物結晶/セフジトレン複合体における薬物結合部位近傍の図である。タンパク質をCαモデルで表示し、セフジトレンを除いたモデルから計算したFo−Fc電子密度図およびセフジトレンモデルを重ねて表示している。

Claims (8)

  1. X線結晶構造解析により立体構造を解析し得ることを特徴とする肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来ペニシリン結合タンパク質(PBP)2xトリプシン消化物の結晶。
  2. 空間群がP22である請求項1記載の結晶。
  3. 空間群がP22であり、格子定数がa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である請求項1記載の結晶。
  4. 配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成され、空間群がP22である請求項1記載の結晶。
  5. 配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成され、空間群がP22であり、格子定数がa=105〜109Å、b=170〜174Å、c=87〜91Å、α=β=γ=90°である請求項1記載の結晶。
  6. 配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成される請求項1記載の結晶。
  7. X線結晶構造解析に利用可能な結晶を作製し得ることを特徴とする配列番号1、配列番号2および配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する3つの断片から構成されるタンパク質。
  8. X線結晶構造解析に利用可能な結晶を作製し得ることを特徴とする配列番号3および配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する2つの断片から構成されるタンパク質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103344769A (zh) * 2013-07-12 2013-10-09 上海市动物疫病预防控制中心 一种定量检测牛奶中β-内酰胺酶残留的试剂盒

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