JP2007165485A - 太陽光発電モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池セルが固定された裏打板の厚みが不均一であっても樹脂製絶縁層の厚みが薄く且つ均一となる太陽光発電モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂層設置工程(P1およびP2)において基台(放熱基台)42と太陽電池セル34が固定された裏打板59との間に層状に設けられた、相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aおよびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂から成る第2樹脂層60bは、押圧工程P3において押圧されることにより、第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部が外側へ流動させられ、基台42と裏打板59との間に残存した樹脂から構成される絶縁層60は、少なくとも相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aを介して薄く且つ均一に形成される。
【選択図】図6
【解決手段】樹脂層設置工程(P1およびP2)において基台(放熱基台)42と太陽電池セル34が固定された裏打板59との間に層状に設けられた、相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aおよびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂から成る第2樹脂層60bは、押圧工程P3において押圧されることにより、第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部が外側へ流動させられ、基台42と裏打板59との間に残存した樹脂から構成される絶縁層60は、少なくとも相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aを介して薄く且つ均一に形成される。
【選択図】図6
Description
本発明は、裏打板上に固定された太陽電池セルが絶縁層を介して放熱基台上に固定して、その太陽電池セルの熱が絶縁層から放熱基台へ伝達されるようにした太陽光発電モジュールの製造方法に関する。
集光型太陽光発電装置は、太陽光を集光させて太陽電池セルに照射することから、コスト構成比において大きな部分を占める太陽電池セルを小さく(または少なく)することができるので注目されている(たとえば非特許文献1)。このような集光型太陽光発電装置においては、集光光が照射される太陽電池セルの発熱が大きいことから、電気的絶縁を維持しつつ、太陽電池セルの熱を絶縁層を通して放熱基台へ伝達させることが、高い発電効率を維持する上で重要な技術となっている。
特許文献1は、そのような技術を提案するものである。この特許文献1では、太陽電池セルが固定された裏打板を絶縁層を介して放熱基台に押圧してそれを埋設させることにより太陽光発電モジュールを製造する方法が開示されている。
ところで、上記特許文献1に示される集光型太陽光発電装置の太陽光発電モジュールでは、太陽電池セルが固定された裏打板を樹脂製の絶縁層を介して放熱基台に押圧しつつその樹脂製の絶縁層を加熱硬化させることより、太陽電池セルが固定された裏打板が絶縁層を介して放熱基台に接着され、固定される。この樹脂製の絶縁層は、耐電圧を保証する上では厚みを大きくする必要がある反面、太陽光の集光によって加熱される太陽電池セルの可及的に放熱基台に熱伝導させる上では厚みを小さくする必要がある。この太陽電池セルの放熱は、集光型太陽光発電装置のエネルギ変換効率を高く維持する上で、きわめて重要な問題である。
荒木 外8名、「変換効率28%の集光式太陽光発電装置開発」、電気製鋼,2004年7月、第75巻第3号、p165−172 特開2005−142385号公報
荒木 外8名、「変換効率28%の集光式太陽光発電装置開発」、電気製鋼,2004年7月、第75巻第3号、p165−172
ところで、十分な接着力を得るためには比較的大きな圧力で加圧されることが必要である一方で、上記絶縁層を構成する樹脂は、その硬化前においては高粘性流体であることから、加圧時には流動して太陽電池セルが固定された裏打板の下から押し出される。一般に、太陽電池セルが固定された裏打板の厚みはそれほど一定ではないため、樹脂製の絶縁層の厚みも一定ではない。また、押し出されて薄くなった残存樹脂ではその内部摩擦も小さくなるので、さらに流動性が高まり、益々薄くなる傾向となる。このため、僅かな形状のばらつきや加圧の不均等が発生すると加速度的に厚さがばらついてその分布の不均等が発生する。また、太陽電池セルが固定された裏打板の周辺部の樹脂は容易に押し出されるが、中心部の樹脂はなかなか押し出されないため、大きな残留歪みが発生し、太陽電池セル内で転移が発生し易くなり耐久性が損なわれる。これを避けようとして押圧条件を厳しくすると、製造工数が増加して生産性が損なわれるという不都合が発生する。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、太陽電池セルが固定された裏打板の厚みが不均一であっても樹脂製絶縁層の厚みが薄く且つ均一となる太陽光発電モジュールの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、裏打板上に固定された太陽電池セルが絶縁層を介して放熱基台上に固定され、その太陽電池セルの熱がその絶縁層からその放熱基台に伝達される太陽光発電モジュールの製造方法であって、(a) 前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に、相対的に硬質である第1樹脂およびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設ける樹脂層設置工程と、(b) 前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板とをそれらの間に前記第1樹脂および第2樹脂を介在させた状態で相互に接近する方向に押圧することにより、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部を外側へ流動させる押圧工程と、(c) 前記第1樹脂および第2樹脂を硬化させ、前記裏打板上に固定された太陽電池セルを、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に残存した樹脂から構成される絶縁層を介して前記放熱基台上に固定する硬化工程とを、含むことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記第1樹脂および第2樹脂は、エポキシ樹脂から構成され、その第1樹脂はその第2樹脂に対して相対的に高いフィラー含有量を有することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1または2に係る発明において、前記第1樹脂および第2樹脂は、80乃至100℃の温度において、1×106 Pa以上の弾性差と、2×105 Pa・S以上の粘性差とを有することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において、前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方を、印刷によって層状に塗布するものである。
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれかに係る発明において、(a) 前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂に加えて、その他の1又は2以上の樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設けるものであり、(b) 前記押圧工程は、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板とをそれらの間に、前記第1樹脂および第2樹脂と前記他の1又は2以上の樹脂とを介在させた状態で相互に接近する方向に押圧するものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明の太陽光発電モジュールの製造方法によれば、樹脂層設置工程において放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に相対的に硬質である第1樹脂およびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂は、押圧工程において押圧されることにより、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部を外側へ流動させられ、硬化工程においてそれら第1樹脂および第2樹脂が硬化させられ、前記裏打板上に固定された太陽電池セルが、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に残存した樹脂から構成される絶縁層を介して前記放熱基台上に固定される。このため、太陽電池セルが固定された裏打板の厚みが不均一であっても、少なくとも相対的に硬質である第1樹脂によって絶縁層が形成されるので、絶縁層が薄く且つ均一に形成される。
また、請求項2に係る発明の太陽光発電モジュールの製造方法によれば、前記第1樹脂および第2樹脂は、エポキシ樹脂から構成され、その第1樹脂はその第2樹脂に対して相対的に高いフィラー(充填剤)の含有量を有することにより、相対的に硬質とされる。このフィラーは、単に第1樹脂と第2樹脂との間に硬さの差を設けるだけでなく、熱伝導率を高める機能を備えるものであり、たとえば、炭酸カルシウム、酸化チタン、高純度アルミナ、短鎖酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムなどの高い熱伝導性を有する無機材料が、好適に用いられる。
また、請求項3に係る発明の太陽光発電モジュールの製造方法によれば、前記第1樹脂および第2樹脂は、80乃至100℃の温度において、1×106 Pa以上の弾性差と、2×105 Pa・S以上の粘性差とを有することから、第2樹脂は第1樹脂よりも軟質とされる。
また、請求項4に係る発明の太陽光発電モジュールの製造方法によれば、前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方を、印刷によって層状に塗布するものであるので、比較的容易かつ均等の厚みで第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方が層状に塗布される。
また、請求項5に係る発明の太陽光発電モジュールの製造方法によれば、(a) 前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂に加えて、その他の1又は2以上の樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設けるものであり、(b) 前記押圧工程は、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板とをそれらの間に、前記第1樹脂および第2樹脂と前記他の1又は2以上の樹脂とを介在させた状態で相互に接近する方向に押圧するものであることから、3層以上の樹脂層により絶縁層を構成することができる。
ここで、好適には、前記第1樹脂は、第2樹脂に対して、重合度が高く、分子量が大きいものである。
また、好適には、前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂を前記放熱基台および前記太陽電池セルが固定された裏打板の対向面の一方に順次塗布するか、或いは両方に第1樹脂および第2樹脂の一方および他方をそれぞれ塗布することにより、少なくとも押圧工程における押圧状態において、第1樹脂および第2樹脂を互いに重ねられた状態で層状となるように設ける。
また、好適には、前記押圧工程と硬化工程とは、押圧部材による押圧下において加熱されることより、同時に実行される。好適には、20Kgf/cm2 の圧力が印加された状態で170℃の温度で10分間加熱されることにより、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部を外側へ流動させられるとともに、それら第1樹脂および第2樹脂が硬化させられ、前記裏打板上に固定された太陽電池セルが、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に残存した樹脂から構成される絶縁層を介して前記放熱基台上に固定される。
また、好適には、前記裏打板は、前記太陽電池セルよりも大きい面積を有する金属製板材であり、前記押圧工程において前記絶縁層に埋設される。この場合には、押圧工程において押圧部材がその裏打板に圧力を付加することにより、太陽電池セルを押圧することなく比較的容易に押圧してその金属製板材を絶縁層内に埋設することができる。
また、好適には、前記押圧工程は、押圧部材により、剥離シートを介して、前記太陽電池セルが固定された裏打板を前記放熱基台に向かって加熱しつつ押圧するものである。この場合には、押圧し加熱することにより流動させられた第2樹脂が太陽電池セルや押圧部材に付着することが好適に回避されるとともに、押圧力が均等に分散されて残留歪みが緩和される利点がある。
また、前記剥離シートは、前記押圧工程における温度よりも高い融点を有し且つその押圧工程における温度よりも低いガラス転移点を有する樹脂から成るものである。この樹脂としては、264℃の融点と69℃のガラス転移点を有するPET樹脂(ポリエチレンフタル酸エステル樹脂)が好適に用いられる。
また、好適には、下端面が太陽電池セルに対向するようにその太陽電池セルの真上位置に立設され、一次光学系により集光された太陽光をその太陽電池セルへ導くためのナトリウム含有ガラス製の柱状光学部材と、その柱状光学部材の下端面と太陽電池セルとの間に充填された透明樹脂と、その柱状光学部材の下端部、透明樹脂、および太陽電池セルを覆う封止樹脂とを有するものである。
また、前記一次光学系は、フレネルレンズ等の集光レンズであってもよいが、凹面鏡等の太陽光を反射させて集光する集光反射鏡であってもよい。
また、前記柱状光学部材は、その上端面に入射させられた集光後の太陽光を伝播する過程の全反射を利用してエネルギ的に均等化し、下端面に僅かな距離を隔てて対向する太陽電池セルに入射させる柱状の誘電体であり、二次光学系を構成する。その柱状光学部材は、光透過性の高い材料であるガラスが好適に用いられ、特に、汎用かつ安価で加工が容易であるソーダガラス或いはソーダ石灰ガラスのようなナトリウム含有ガラスが好適に用いられる。
上記二次光学系を構成する柱状光学部材としては、入射面あるいは射出面と平行な断面における形状が正方形であるものが広く知られているが、それ以外にもその断面形状が正方形以外の四角形、四角形以外の多角形、円形など、種々の形状のものを用いることもできる。また、その二次光学系は、射出面側ほど断面積が小さくなるテーパ形状とされることがこのましいが、長手方向のどの部位においても一様な断面積を有する形状であってもよい。
また、好適には、前記柱状光学部材の上端面には、反射防止膜として、光学レンズに広く用いられているフッ化マグネシウム層やフッ化カルシウム層の単層又は多層構造、さらに好適には、アルミナ(Al2 O3 )とチタニア(TiO2 )の2層又は多層構造から構成されることができる。反射防止膜がアルミナ(Al2 O3 )とチタニア(TiO2 )の2層又は多層構造から成る場合は、水分に起因する劣化防止の観点から望ましい。反射防止膜のつけ方としては、たとえば真空蒸着法を用いることができるが、真空蒸着法に限定されず、種々の公知の方法を用いることができる。二次光学系の入射面に反射防止膜が設けられている場合、膜状とされた保護部材(すなわち薄膜)が反射防止膜の上に積層されてもよいし、逆に、反射防止膜が薄膜の上に積層されてもよい。また、入射面に薄膜が設けられていなくてもよい。
また、好適には、前記柱状光学部材の側壁面には、テクスチャリング加工や撥水処理が施される。テクスチャリング加工は、多数の微小な長手状凸条或いは長手状凹溝状の細かな凹凸であって、レーザ光の照射による表面加工、遊離砥粒によるバフ研磨加工、固定砥粒を有する砥石或いは研磨布紙による研磨加工によって、好適には長手方向に沿う方向に形成されるが、その柱状光学部材の長手方向に沿った方向成分を有する方向に加工たとえば斜め方向に形成されたものでもよいし、斜め方向のものが互いに交差したメッシュ状に形成されたものでもよい。上記撥水処理は、水滴の接触角が大きいフッ素樹脂などがコーティングされる。
また、柱状光学部材の下端面とそれに対向する太陽電池セルの入射面との間に介在させられる透明樹脂は、たとえばゲル状のエチレンビニルアルコール樹脂(PVA樹脂)などの光学特性の良い材料から構成されるが、他の樹脂材料であってもよい。
また、前記封止樹脂は、好適には、遮光部材として機能するように不透明着色樹脂から構成される。この不透明着色樹脂は、前記透明樹脂、柱状光学部材、太陽電池セルに対して接着する材料から選択される。その不透明着色樹脂は、好適には、白色かつ非透明の粉末から成る充填材が含まれる白色樹脂から構成される。この充填剤には、たとえば、炭酸カルシウム、酸化チタン、高純度アルミナ、短鎖酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムなどの高い熱伝導性および光反射性を有する無機材料が、好適に用いられる。この封止樹脂には、シランカップリング剤などの密着性を高める接着助剤が適宜混合される。
また、前記封止樹脂の母剤樹脂は、耐光性、耐熱性、自己接着性の点で自己接着性RTVシリコン樹脂が用いられるが、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等から構成されてもよい。
また、前記太陽電池セルは、III-V 族化合物系半導体から構成されたチップであり、金属製配線リボンが端縁部に接続されたものである。このように、太陽電池セルが比較的活性の高い材料で構成され、その端縁部に金属製配線リボンが接続されて封止が比較的困難な場合でも、太陽光発電装置の耐久性が一層高められる。
また、前記太陽電池セルの表面の短縁部や裏面には、集電のための金属製配線リボンが半田付或いはろう付により電気的に接続される。この金属製配線リボンは、テープ状の所定幅の薄い金属板であり、抵抗が低く、熱伝導性が高く、水分に対して安定な材料が用いられる。たとえば、ニッケルメッキされた無酸素銅、銅/窒化アルミニウム/銅の積層板、銅/酸化アルミニウム/銅の積層板等が好適に用いられる。
上記太陽電池セルの入射面には、発電効率を高めるために、入射光の反射を防止する反射防止膜が設けられる。この反射防止膜は、アルミナ(Al2 O3 )とチタニア(TiO2 )の2層又は多層構造から構成されることができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である集光型太陽光発電装置10が太陽光追尾装置12に装着された状態を示す斜視図である。この太陽光追尾装置12は、集光型太陽光発電装置10を常時太陽に向かうように位置させるものであって、地軸に対して平行となるように水平面に対して所定角度θ即ち緯度に相当する角度だけ傾斜させられた傾斜軸心C周りに回転可能に設けられ、且つ減速機付きの追尾モータ14によってその傾斜軸心Cまわりに回動角度が変化させられる傾斜梁16と、その傾斜梁16の中間部において水平な軸心Hまわりに回転可能に設けられ、且つ減速機付きの高度修正モータ18によってその水平軸心Hまわりに回動角度が変化させられる一対の受板20とを備えている。この集光型太陽光発電装置10は、高さ(厚さ)に対して十分に大きい短辺および長辺を有する長手箱状を成し、その一対の受板20の上にそれぞれ載置された状態でそれに固定されている。
上記太陽光追尾装置12は図示しない太陽光センサおよび制御装置を備えており、その制御装置は、太陽光センサからの信号に基づいて太陽の位置を算出し、集光型太陽光発電装置10がその太陽に向かうようにすなわち集光型太陽光発電装置10の受光面が太陽光に対して常時直角となるように追尾モータ14および高度修正モータ18を駆動する。地球の自転に対応する日の出から日の入りまでの太陽の動きを追尾する制御は専ら追尾モータ14により行われるが、地球の公転に対応する太陽高度の変化に対する制御は専ら高度修正モータ18により行われる。
図2は上記集光型太陽光発電装置10の側方からを示す斜視図であり、図3はその一部を拡大して示す図である。これらの図2および図3に示される集光型太陽光発電装置10は、内部の構成を示すためにその側板22が取り外されている。この集光型太陽光発電装置10は、太陽光を集光するための複数個(本実施例では36個)の集光レンズ28(すなわち一次光学系)を有する集光板30と、その集光板30の裏側に所定の間隔を隔てて平行に固設された支持板32と、その支持板32上の上記複数個の集光レンズ28によりそれぞれ集光された太陽光を受ける位置にそれぞれ配設された複数の太陽電池セル34とを備えている。なお、上記支持板32の裏面の外周縁には、補強板38が固定されている。
上記複数個の集光レンズ28は、図4に示すように、球面状の表面と階段状の環状段差を有する凹凸状の裏面とから成る所謂ドーム型フレネルレンズからそれぞれ構成されており、たとえばアクリル樹脂などの光学的性質に優れた樹脂材料が射出成形などの型成形によって形成されることにより相互に一体的に構成されている。集光板30は、そのように一体的に構成された複数個の集光レンズ28が矩形のレンズ固定枠36内に固定されることにより構成されている。
支持板32は、上記レンズ固定枠36と同様の大きさの長方形状を有するとともに、好ましくはアルミニウム合金、銅合金などの熱伝導性の高い金属板から構成され、連結柱37を介してそのレンズ固定枠30と互いに平行となるように相互に連結されている。この支持板32には、集光レンズ28によって集光された太陽光により発電するための複数個の太陽光発電モジュール40が各集光レンズ28の集光位置すなわち直下に複数個配設されている。図4に示されるように、この太陽光発電モジュール40は、支持板32に密着状態で固定され且つ前記太陽電池セル34が中央部に載置された金属製の基台(座板)42と、基台42に立設された4本の支柱44を介してその基台42から所定距離上方に離隔した位置に設けられ、その太陽電池セル34の真上に位置する部分に貫通穴46が形成された遮光板48と、その遮光板48によって支持されることにより太陽電池セル34の真上位置に立設され、その貫通穴46を通過した太陽光の強度を均等化して太陽電池セル34の上面である受光面に導くホモジナイザ50(すなわち二次光学系)とを備えている。上記基台42は、たとえばアルミニウム合金のような熱伝導率が高い金属により構成され、太陽光が集光されて加熱される太陽電池セル34の熱を伝導により放熱するための放熱基台として機能する。
上記遮光板48は、発電のために集光レンズ28によって集光された太陽光のみを太陽電池セル34へ向かって通過させる一方で、発電に利用できない光を遮光して太陽電池セル34の付近の温度上昇を緩和する機能を備えている。
上記ホモジナイザ50は、貫通穴46付近から太陽電池セル34側に向かうに従って断面積が小さくなる角錐状を成し、内側面における界面全反射(界面で全反射すること)を繰り返しつつ太陽電池セル34側に向かう過程で断面積内の光エネルギの強度分布を均等化させる機能を備えている。なお、ホモジナイザ50の寸法は、たとえば高さ40mm、射出面(太陽電池セル34側の面)が太陽電池セル34と同一の寸法(たとえば7mm角)の角柱状光学部材である。
このホモジナイザ50はたとえばソーダガラス製であるが、たとえば、そのソーダガラスよりも比較的ナトリウム成分が少なく、たとえば10.7Na2O-16.4CaO-72.9SiO2 という組成として知られるソーダ石灰ガラスが用いられてもよい。
このホモジナイザ50の上端面である入射面には、光波干渉を利用して反射光を抑制するための反射防止膜52が積層されている。この反射防止膜52は本実施例ではアルミナ(Al2 O3 )とチタニア(TiO2 )の2層又は多層構造のTiO2 /Al2 O3 反射防止膜からなり、その膜厚は例えば120nm程度とされている。この反射防止膜52は、本実施例では真空蒸着法によって付けられている。さらに、ホモジナイザ50の4つの側面の全部、反射防止膜52を介したホモジナイザ50の上面、太陽電池セル34に対向する下端面には、保護部材或いは撥水膜として機能する薄膜54がコーティングされている。この薄膜54は、本実施例では、金型の離型剤などにも用いられる汎用的なフッ素樹脂であり、屈折率は1.34である。この薄膜54は、本実施例では、ハイドロフルオロエーテル(C4 F9 OCH3 )を溶媒とし、その溶媒に溶解させられた上記フッ素樹脂がディッピングによって塗布された後、加熱処理されることで溶剤が除去されて形成され、例えば数十nm〜20nm程度の厚さとされる。
上記太陽電池セル34は、たとえばInGaP/InGaAs/Ge として知られるように、III-V 族化合物系半導体がGaAs等の単結晶基板の上に結晶成長させられることによりチップ上に構成され、吸収波長帯が異なる複数種類のpn接合、たとえば底部接合層、中間部接合層、及び上部接合層が順次積層された多接合型構造を備えたものであり、底部接合層、中間部接合層、及び上部接合層にそれぞれ設けられているpn接合は、電気的に直列に接続されるとともに、中心波長が相互に異なる吸収波長帯を備えており、例えば波長300〜630(nm)を上部接合層が、波長630〜900(nm)を中間部接合層が、波長900〜1700(nm)を底部接合層がそれぞれ吸収することにより、太陽光の波長帯のうち吸収波長帯を広域として高い変換効率が得られるようになっている。
図4に示すように、前記太陽電池セル34は、その下面全体に半田づけされたテープ状或いはリボン状の金属帯板である第1リード電極56と、その上面の端縁部に半田づけされたテープ状の第2リード電極58と、太陽電池セル34よりも大きい面積を有してその太陽電池セル34の裏面に第1リード電極56を介して半田づけなどにより固着された裏打板59とを備え、カーボン、ガラス繊維、アルミナ(Al2 O3 )粉、及び金属粉のうち少なくともひとつを含む充填剤すなわち熱伝導性を高めるためのフィラーを分散させた合成樹脂から成る接着層60に少なくともその一部、好適にはその全体が埋設された状態で固定されることにより前記基台42の中央部に固設されている。上記太陽電池セル34は、その第1リード電極56および第2リード電極58を用いて相互に直列接続され、高い出力電圧が得られるようになっている。
上記ホモジナイザ50の下端面とそれに対向するように配置された太陽電池セル34との間には、透明樹脂62が充填された僅かな隙間が形成されている。この透明樹脂62は、水分の進入を防止するために上記隙間に充填され、耐熱性が高くかつ光学特性の良い材料たとえばゲル状のシリコーン系樹脂から構成される。
そして、太陽光を遮光し且つ水分の進入を封止して上記透明樹脂62の劣化を阻止するために、不透明着色樹脂たとえば封止樹脂64が、太陽電池セル34を中心として、ホモジナイザ50の下端部側面以下を覆う厚みで塗布されかつ接着されている。封止樹脂64は、たとえば、自己接着性RTVシリコーン樹脂内に、炭酸カルシウム、酸化チタン、高純度アルミナ、高純度酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムなどの高い熱伝導性および光反射性を有する白色かつ非透明の粉末である無機材料を充填剤として含むことにより白色とされ、太陽光の遮光性および反射性が高められている。また、母剤樹脂である上記自己接着性RTVシリコーン樹脂には、シランカップリング剤などの密着性を高める接着助剤の他に、水蒸気透過性が低いという性質を有するフッ素化シリコーン樹脂が10重量%以上の割合で混合されていることから、そのフッ素化シリコーン樹脂の水蒸気低透過性によって水蒸気の進入が抑制されるようになっている。
上記封止樹脂64は、たとえば50Pa・s以下の粘度を有する流動状態で上記太陽電池セル34を中心とする基台42上に塗布された後、その塗布状態の基台42が減圧容器内においてたとえば3mHg以下で60秒以上の時間で溶剤の放出および脱泡され、所定の硬化温度で熱硬化処理される。上記塗布状態における負圧(真空)脱法により、封止樹脂64が第1リード電極56および第2リード電極58と基台42或いは太陽電池セル34との間の狭隘部に充填され、水蒸気の進入が防止されている。
さらに、上記封止樹脂64の外表面上には、水蒸気の透過を抑制する緻密な組織から構成されたシランカップリング末端基を有するフッ素樹脂から成るコート層66が設けられている。このコート層66は、封止樹脂64の厚み方向に重ねられればよいので、封止樹脂64の下面、すなわち太陽電池セル34、第1リード電極56および第2リード電極58、基台42等と封止樹脂64との間に設けられてもよい。
図5の斜視図に示すように、前記太陽電池セル34は、たとえば7mm角の矩形板状であり、たとえば0.15〜0.17mm程度の厚みを備えている。第1リード電極56および第2リード電極58は、表面に半田メッキが施された銅板製であり、その幅方向長さが太陽電池セル34の1辺と略等しい寸法とされ、厚みが約0.1mm程度とされている。前記裏打板59は、太陽電池セル34と同程度の熱膨張率を有し、接着層60よりも熱伝導製の高い材質から成る。たとえば、第1リード電極56および第2リード電極58は、0.1mm程度の厚さの矩形板状体であり、たとえば42wt%Ni−Fe合金から構成されて、Snメッキが表面に施されている。この裏打板59は、互いの熱膨張率が1桁程度相違する太陽電池セル34と第1リード電極56および第2リード電極58とを接合する際に、半田付け後、常温へ低下する過程で接合部に大きな剪断応力が発生しないようにするものである。
上記接着層60は、エポキシ樹脂から成る第1樹脂層60aおよび第2樹脂層60bから構成されている。第1樹脂層60aは、第2樹脂層60bに対して、フィラー含有量が多く、硬化前段階では、重合度が高く且つ分子量が大きいので、高い粘性を備えており、太陽電池セル34が固着された押圧状態で硬化させられたものである。
以上のように構成された集光型太陽光発電装置10では、太陽光追尾装置12によって太陽光に対して直角となるように常時位置させられる結果、集光レンズ28により集光された太陽光はその集光位置に位置させられた遮光板48の中央部に設けられた貫通穴46を通過した後に、薄膜54および反射防止膜52を通過してホモジナイザ50に入射する。そして、所定の入射角でホモジナイザ50の上端面に入射した光は、ホモジナイザ50の側面で界面全反射を繰り返しつつ進行することで混合(均一化)された後に太陽電池セル34に入射される。太陽電池セル34の受光面における入射エネルギの面分布が均一であるので、変換効率が高められる。
次に、上記の太陽光発電モジュール40の製造方法を図6を用いて説明する。図6の第1樹脂塗着工程P1では、第1樹脂が、スクリーン印刷によって基台42上に塗布され、第1樹脂層60aが形成される。図7はこの状態を示している。次いで、第2樹脂塗着工程P2では、第2樹脂が、スクリーン印刷によって基台42上の第1樹脂層60a上に塗布され、第2樹脂層60bが形成される。図8はこの状態を示している。本実施例では、第1樹脂塗着工程P1および第2樹脂塗着工程P2が、基台42上に、第1樹脂およびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設ける樹脂層設置工程に対応している。上記第1樹脂および第2樹脂はフィラー入り未硬化エポキシ樹脂である流動性エポキシ樹脂から構成され、第1樹脂はその第2樹脂に対して相対的に高いフィラー(充填剤)の含有量を有するとともに、重合度が高く、分子量が大きいものであって相対的に硬質とされる。前記第1樹脂および第2樹脂は、たとえば、80乃至100℃の温度において、1×106 Pa以上の弾性差と、2×105 Pa・S以上の粘性差とを有することから、第2樹脂は第1樹脂よりも軟質とされる。上記フィラーは、単に第1樹脂と第2樹脂との間に硬さの差を設けるだけでなく、熱伝導率を高める機能を備えるものであり、たとえば、炭酸カルシウム、酸化チタン、高純度アルミナ、短鎖酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムなどの高い熱伝導性を有する無機材料が、好適に用いられる。
次に、押圧工程P3では、たとえば図9に示すプレス装置において、駆動装置により駆動される押圧部材70によって20Kgf/cm2 の圧力が印加された状態で170℃の温度で10分間加熱されることにより、基台42と太陽電池セル34が固定された裏打板59とをそれらの間に第1樹脂層60aおよび第2樹脂層60bを介在させた状態で相互に接近する方向に押圧されて第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂から成る第2樹脂層60bの一部または全部を裏打板59の外側へ流動させられる。続く、硬化工程P4では、上記の押圧状態が維持される過程で、第1樹脂および第2樹脂が硬化させられ、裏打板59上に固定された太陽電池セル34が、基台42と太陽電池セル34が固定された裏打板59との間に残存した樹脂から構成される絶縁層60を介して基台42上に固定されるとともに、裏打板59が絶縁層60に埋設され且つ第1リード電極56が絶縁層60上に固着される。図10はこの状態を示している。図11は、この状態を拡大して第2リード電極58の長手方向に平行な断面を示している。
上記押圧工程P3で用いられる押圧部材70の押圧面には、太陽電池セル34を収容可能であるが、裏打板59よりは小さい幅寸法の凹溝72が設けられており、太陽電池セル34に押圧力が加えられることが回避されるようになっている。なお、図9に示すように、押圧工程P3では、上記押圧部材70は、剥離シート74を介して太陽電池セル34が固定された裏打板59を基台42に向かって押圧することにより、圧力分布が均一化されるとともに、流動させられた第2樹脂が太陽電池セル34や押圧部材70に付着することが好適に回避される。上記剥離シート74は、押圧工程P3における加熱温度よりも高い融点を有し且つその押圧工程における温度よりも低いガラス転移点を有する樹脂から成るものであり、たとえば264℃の融点と69℃のガラス転移点を有するPET樹脂(ポリエチレンフタル酸エステル樹脂)シートが好適に用いられる。
次いで、組立工程P5では、上記のようにして太陽電池セル34が固定された裏打板59が絶縁層60を介して接着された基台42に対して、透明樹脂62および封止樹脂64が所定位置に塗布された後、それに支柱44を介して遮光板48を固定し、その遮光板48によってホモジナイザ50を支持させることにより太陽電池モジュール40が製造される。このようにして製造された太陽電池モジュール40は、支持板32上に固定され、図2および図3に示す集光型太陽光発電装置10が組立てられる。
上述のように、本実施例の集光型太陽光発電装置10に用いる発電モジュール40の製造方法によれば、樹脂層設置工程(P1およびP2)において基台(放熱基台)42と太陽電池セル34が固定された裏打板59との間に層状に設けられた、相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aおよびその第1樹脂よりも軟質である第2樹脂から成る第2樹脂層60bは、押圧工程P3において押圧されることにより、第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部が外側へ流動させられ、硬化工程P4においてそれら第1樹脂および第2樹脂が硬化させられ、裏打板59上に固定された太陽電池セル34が、基台42と太陽電池セル34が固定された裏打板59との間に残存した樹脂から構成される絶縁層60を介して基台42上に固定される。このため、太陽電池セル34が固定された裏打板59の厚みが不均一であっても、少なくとも相対的に硬質である第1樹脂から成る第1樹脂層60aによって絶縁層60が形成されるので、上記基台42と裏打板59との間において絶縁層60が薄く且つ均一に形成される。
また、本実施例の太陽光発電モジュール40の製造方法によれば、前記第1樹脂および第2樹脂は、エポキシ樹脂から構成され、その第1樹脂はその第2樹脂に対して相対的に高いフィラー(充填剤)の含有量を有することにより、相対的に硬質とされる。このフィラーは、単に第1樹脂と第2樹脂との間に硬さの差を設けるだけでなく、熱伝導率を高める機能を備えるものであり、たとえば、炭酸カルシウム、酸化チタン、高純度アルミナ、短鎖酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムなどの高い熱伝導性を有する無機材料が、好適に用いられる。
また、本実施例の太陽光発電モジュール40の製造方法によれば、前記第1樹脂および第2樹脂は、80乃至100℃の温度において、1×106 Pa以上の弾性差と、2×105 Pa・S以上の粘性差とを有することから、第2樹脂は第1樹脂よりも軟質とされる。
また、本実施例の太陽光発電モジュール40の製造方法によれば、樹脂層設置工程(P1およびP2)では、第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方が印刷によって層状に塗布されるので、比較的容易かつ均等の厚みで第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方が層状に塗布される。
また、本実施例の太陽光発電モジュール40の製造方法によれば、裏打板59は、太陽電池セル34よりも大きい面積を有する金属製板材であり、押圧工程P3において絶縁層60に埋設されることから、押圧工程P3において押圧部材70がその裏打板59に圧力を付加することにより、太陽電池セル34に圧力を加えることなく比較的容易に押圧してその裏打板59を絶縁層内に埋設することができる。
また、本実施例の太陽光発電モジュール40の製造方法によれば、押圧工程P3は、押圧部材70により、剥離シート74を介して、太陽電池セル34が固定された裏打板59を基台42に向かって加熱しつつ押圧するものであることから、押圧し加熱することにより流動させられた第2樹脂が太陽電池セル34や押圧部材70に付着することが好適に回避されるとともに、押圧力が均等に分散されて残留歪みが緩和される利点がある。
なお、前記第1樹脂および第2樹脂に加えて、その他の1又は2以上の樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設ける樹脂層設置工程と、前記放熱基台42と前記太陽電池セル34が固定された裏打板59とをそれらの間に、上記第1樹脂および第2樹脂と上記その他の1又は2以上の樹脂とを介在させた状態で相互に接近する方向に押圧する前記押圧工程P3とを設けるようにしてもよい。このようにすれば、第1樹脂層および第2樹脂層の他の位置に、第1樹脂または第2樹脂と同じ樹脂或いは第1樹脂および第2樹脂とは異なる樹脂である第3の樹脂から成る第3樹脂層を必要に応じて1または2以上用いて絶縁層を構成することができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:集光型太陽光発電装置
34:太陽電池セル
40:太陽光発電モジュール
42:基台(放熱基台)
59:裏打板
60:絶縁層
60a:第1樹脂層
60b:第2樹脂層
70:押圧部材
P1:第1樹脂塗着工程(樹脂層設置工程)
P2:第2樹脂塗着工程(樹脂層設置工程)
P3:押圧工程
P4:硬化工程
34:太陽電池セル
40:太陽光発電モジュール
42:基台(放熱基台)
59:裏打板
60:絶縁層
60a:第1樹脂層
60b:第2樹脂層
70:押圧部材
P1:第1樹脂塗着工程(樹脂層設置工程)
P2:第2樹脂塗着工程(樹脂層設置工程)
P3:押圧工程
P4:硬化工程
Claims (5)
- 裏打板上に固定された太陽電池セルが絶縁層を介して放熱基台上に固定され、該太陽電池セルの熱が該絶縁層から該放熱基台に伝達される太陽光発電モジュールの製造方法であって、
前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に、相対的に硬質である第1樹脂および該第1樹脂よりも軟質である第2樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設ける樹脂層設置工程と、
前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板とをそれらの間に前記第1樹脂および第2樹脂を介在させた状態で相互に接近する方向に押圧することにより、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの相対的に軟質である第2樹脂の一部または全部を外側へ流動させる押圧工程と、
前記第1樹脂および第2樹脂を硬化させ、前記裏打板上に固定された太陽電池セルを、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板との間に残存した樹脂から構成される絶縁層を介して前記放熱基台上に固定する硬化工程と
を、含むことを特徴とする太陽光発電モジュールの製造方法。 - 前記第1樹脂および第2樹脂は、エポキシ樹脂から構成され、該第1樹脂は該第2樹脂に対して相対的に高いフィラー含有量を有することを特徴とする請求項1の太陽光発電モジュールの製造方法。
- 前記第1樹脂および第2樹脂は、80乃至100℃の温度において、1×106 Pa以上の弾性差と、2×105 Pa・S以上の粘性差とを有することを特徴とする請求項1または2の太陽光発電モジュールの製造方法。
- 前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂のうちの少なくとも一方を、印刷によって層状に塗布するものである請求項1乃至3のいずれかの太陽光発電モジュールの製造方法。
- 前記樹脂層設置工程は、前記第1樹脂および第2樹脂に加えて、その他の1又は2以上の樹脂を互いに重ねられた状態で層状に設けるものであり、
前記押圧工程は、前記放熱基台と前記太陽電池セルが固定された裏打板とをそれらの間に、前記第1樹脂および第2樹脂と前記他の1又は2以上の樹脂とを介在させた状態で相互に接近する方向に押圧するものである請求項1乃至4のいずれかの太陽光発電モジュールの製造方法。
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WO2011129012A1 (ja) * | 2010-04-16 | 2011-10-20 | 東ソー・エフテック株式会社 | 太陽電池用コート層およびその製造方法 |
WO2012169418A1 (ja) | 2011-06-06 | 2012-12-13 | 信越化学工業株式会社 | 太陽電池モジュール及びその製造方法 |
JP2013149831A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 集光型太陽光発電モジュール、集光型太陽光発電パネル、及び、集光型太陽光発電モジュール用フレキシブルプリント配線板 |
JP2014154828A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 集光型太陽電池モジュールの製造方法及び集光型太陽電池モジュール |
-
2005
- 2005-12-12 JP JP2005358198A patent/JP2007165485A/ja active Pending
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