JP2007165438A - 太陽電池モジュールの評価方法、及び太陽電池モジュールの評価装置 - Google Patents

太陽電池モジュールの評価方法、及び太陽電池モジュールの評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの変質が発生する前段階での微量な水の浸入を計測可能する太陽電池モジュールの評価方法を手供する。
【解決手段】(a)太陽電池モジュール10の位置P1と位置P2との間の第1静電容量を計測するステップと、(b)太陽電池モジュール10を高湿度環境に曝すステップと、(c)高湿度環境暴露後に、太陽電池モジュール10の位置P1と位置P2との間の第2静電容量を計測するステップと、(d)第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、太陽電池モジュール10の浸水状態を評価するステップとを具備する。太陽電池モジュール10は、基板1、基板1の第1辺1aから離れた発電セル6、基板1と発電セル6とを覆う保護層2を備える。位置P2は、第1辺1a近傍の保護層2上である。位置P1は、発電セル6と反対側の基板1上であって発電セル6の第1辺1a側の第1端部E1から第1距離L1離れている。
【選択図】図7

Description

本発明は、太陽電池に関し、特に太陽電池モジュールの評価方法及び太陽電池モジュールの評価装置に関する。
透光性の基板上にシリコン系薄膜を積層して形成された薄膜シリコン系太陽電池(以下、太陽電池モジュールと称する)が知られている。図1は、従来の太陽電池モジュール110を示す図である。太陽電池モジュール110は、基板101、発電セル106、保護膜102、及び防水シート103を具備する。発電セル106は、基板101表面上の周囲領域114の内側に設けられている。保護膜102は、発電セル106及び基板101表面上の周囲領域114を覆うように設けられ、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)に例示される。防水シート103は、保護膜102を覆うように設けられている。
太陽電池モジュール110は、アルミニウムのような金属枠104に収められ、太陽電池パネルとして主に屋外で使用される。屋外で使用されるとき、太陽電池モジュール110と金属枠104との隙間には、雨や雪、温度変化に伴う結露等により水105が溜まることがある。その水105に接している保護膜102としてEVAを用いている場合、EVAは透湿性があるので、長期間経過すると保護膜102に水分が浸透し、基板101と保護膜102との界面101aに水107が溜まることになる。そのような水107は、発電セル106に到達し、化学変化を誘発して発電セル106の劣化を引き起こす。
また、発明者らの研究から、以下のような劣化機構が今回初めて明らかになった。図2は、その劣化機構を説明する概念図である。太陽電池モジュール110の発電セル106で発電された電力は、ケーブル109aを介してインバータ108で交流に変換され、外部に取り出される。このときインバータオ108はケーブル109bにより接地されている。一方、太陽電池パネルの金属枠104も、ケーブル109dで接地されている。このとき、長期間の使用により発電セル106の端部の界面101aに水107が浸入したとき、発電セル106−ケーブル109a−インバータ108−ケーブル109b−接地間(大地)109c−ケーブル109d−金属枠104−水107−発電セル6という閉じた電気回路が形成されることになる。ここで発電セル6では、電食作用のために変質したシリコン膜より剥離が発生したり、保護膜102と基板101との接着部での接着力の低下により、更に水が浸水しやすくなる。
このように太陽電池パネルは屋外使用において水による劣化を引き起こすため、耐水性を検査する必要がある。その検査方法としては、例えば、JIS C 8938「アモルファス太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法」に記載された試験がある。図3は、当該JISに規定された試験方法の概略を示す概念図である。この方法は、太陽電池モジュール110を水中に浸漬し、その電極と水中に設けられた参照電極117との間に電源115で高電圧Eを印加し、太陽電池モジュール110の変質の有無を判断する。類似の方法としては、図2において電流計116でリーク電流を計測する方法がある。
しかし、JIS C 8938の方法では、長期間での太陽電池モジュール110の変質の有無を評価するには感度が必ずしも十分とはいえず、変質が発生する前段階での微量な水の浸入を計測することもできない。リーク電流を計測する方法も、浸入した水がリーク回路を形成することが必要であり、太陽電池モジュール110の変質が既に始まった段階の検査でありから、この場合も変質が発生する前段階での微量な水の浸入を計測することができない。太陽電池モジュール110の変質が発生する前段階での微量な水の浸入量を計測できるような、検査感度の高い方法が求められる。
特開2003−207474号公報に静電容量型水分計が開示されている。この静電容量型水分計は、先端側に電極板(3A,3B)が取り付けられ、手元側は握り部(23)として形成された一対のハンドル部材(2A,2B)を互いに回動自在なよう連結し、握り部を開閉操作することにより、先端側の互いに対向する一対の電極板(3A,3B)の間に被測定物(6)を挾持し得るよう構成した把持具(1)と、上記一対の電極板間に挟まれた被測定物(6)の静電容量を検出し、これから被測定物の含水率を求める測定回路(7)と、上記測定回路を収容し、上記把持具の適宜の箇所に取り付けられる回路ケース(4)と、から構成されたことを特徴とする。
「JIS C 8938 アモルファス太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法」,1995年 特開2003−207474号公報
従って、本発明の目的は、太陽電池モジュールの変質が発生する前段階での微量な水の浸入を計測可能な太陽電池モジュールの評価方法及び太陽電池モジュールの評価装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、太陽電池モジュールの寿命を評価可能な太陽電池モジュールの評価方法及び太陽電池モジュールの評価装置を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の太陽電池モジュールの評価方法は、(a)太陽電池モジュール(10)の第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の第1静電容量を計測するステップと、(b)太陽電池モジュール(10)を高湿度環境に曝すステップと、(c)高湿度環境暴露後に、太陽電池モジュール(10)の第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の第2静電容量を計測するステップと、(d)第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、太陽電池モジュール(10)の浸水状態を評価するステップとを具備する。太陽電池モジュール(10)は、基板(1)と、基板(1)の第1辺(1a)から離れて設けられ基板(1)上に透明導電層(11)と光電変換層(12)と裏面電極層(13)とをこの順で含む発電セル(6)と、基板(1)と発電セル(6)とを覆う保護層(2)とを備える。第2位置(P2)は、第1辺(1a)近傍の保護層(2)上の位置である。第1位置(P1)は、発電セル(6)と反対側の基板(1)上であって、発電セル(6)の第1辺(1a)側の第1端部(E1)から第1距離(L1)離れた位置である。
本発明において、高湿度環境暴露により太陽電池モジュール(10)の発電セル(6)と基板(1)の端部との間に水が浸入すると、その部分の誘電率が浸入した水により変動する。そこで、水が浸入する領域を含む領域の両端(第1位置(P1)及び第2位置(P2))にそれぞれ電極を接続し、高湿度環境暴露の前後で両電極間の静電容量(第1静電容量及び第2静電容量)を計測し、その静電容量の変化を算出することにより、その水の浸入状態(例示:浸水しているか否か、浸水している場合にはその浸水量や浸水位置、浸水範囲)を見積もることが出来る。それにより、非破壊で太陽電池モジュールへの水の浸入し易さを評価することが出来る。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、太陽電池モジュール(10)は、第1辺と発電セル(6)との間に、溝(15)により発電セル(6)から分離された端部発電セル(6a)を更に備える。(a)ステップは、(a1)第1電極(B1)を第1位置(P1)に、第2電極(B2)を第2位置(P2)にそれぞれ取り付けるステップを備える。(d)ステップは、(d1)第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、端部発電セル(6a)における発電セル(6)側の第2端部(E2)と第1端部(E1)との間の第3静電容量を見積もるステップと、(d2)第3静電容量に基づいて、第2端部(E2)と第1端部(E1)との間における基板(1)と保護層(2)との間の浸水状態を評価するステップとを備える。第1静電容量及び第2静電容量は、第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量である。第1距離(L1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき発電セル(6)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき端部発電セル(6a)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。
本発明において、適当な寸法(第1距離(L1)、幅(W1))を満たすように第1電極(B1)を設けることで、第1静電容量及び第2静電容量の値と第3静電容量の値とを概ね等しくすることができる。それにより、第1静電容量及び第2静電容量とに基づいて、第3静電容量、すなわち、劣化の原因となる閉じた電気回路の形成に重要な第2端部(E2)と第1端部(E1)との間の水の浸入程度を見積もることが出来る。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、第1距離(L1)は、発電セル(6)と端部発電セル(6a)との間としての第1方向(Y)の第1幅の1000倍以上である。前記第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1幅の1000倍以上である。
本発明において、第1距離(L1)及び幅(W1)をこのように設定することで、第1静電容量及び第2静電容量の値と第3静電容量の値とを概ね等しくすることができる。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、(a)ステップは、(a1)第1電極(B1)を第1位置(P1)に、第2電極(B2)を第2位置(P2)にそれぞれ取り付けるステップを備える。(d)ステップは、(d1)第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、第1辺(1a)と第1端部(E1)との間の第3静電容量を見積もるステップと、(d2)第3静電容量に基づいて、第1辺(1a)と第1端部(E1)との間における基板(1)と保護層(2)との間の浸水状態を評価するステップとを備える。第1静電容量及び第2静電容量は、第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量である。第1距離(L1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき発電セル(6)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。
本発明において、適当な寸法(第1距離(L1)、幅(W1))を満たすように第1電極(B1)を設けることで、第1静電容量及び第2静電容量の値と第3静電容量の値とを概ね等しくすることができる。それにより、第1静電容量及び第2静電容量とに基づいて、第3静電容量、すなわち、劣化の原因となる閉じた電気回路の形成に重要な第1辺(1a)と第1端部(E1)との間の水の浸入程度を見積もることが出来る。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、第1距離(L1)は、第2電極(B2)と発電セル(6)との間としての第1方向(Y)の第2幅の1000倍以上である。前記第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第2幅の1000倍以上である。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、前記(d2)ステップは、(d21)第3静電容量に基づいて、静電容量と水の浸水量との関係を示す浸水量テーブルを参照して、太陽電池モジュール(10)の浸水量を推定するステップを含む。
本発明において、実験やシミュレーション等により予め設けられた浸水量テーブルを用いることで、容易に浸水量を推定することができる。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、(d)ステップは、(d3)浸水状態に基づいて、太陽電池モジュール(10)の寿命を推定するステップを更に備える。
本発明において、高湿度環境暴露の前後での第3静電容量の変化を見積もることで、太陽電池モジュール(10)への水の浸入の程度を見積もることが出来る。そして、その水の浸入の程度に基づいて、太陽電池モジュール(10)の寿命を評価することが出来る。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、(d3)ステップは、(d31)第3静電容量と高湿度環境とに基づいて、静電容量と高湿度環境と寿命との関係を示す寿命テーブルを参照して、太陽電池モジュール(10)の寿命を推定するステップを含む。
本発明において、実験やシミュレーション等により予め設けられた寿命テーブルを用いることで、容易に浸水量を推定することができる。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、(b)ステップは、(b1)太陽電池モジュール(10)を、高湿度環境を含む環境変化サイクルに置くステップを備える。
本発明において、太陽電池モジュール(10)に対して様々な環境変化サイクルを適用することで、良品か否かや耐候性や寿命をより正確に見積もることが出来る。
上記の太陽電池モジュールの評価方法において、高湿度環境は、所定の温度を有する水または化学物質、及び所定の温度及び湿度を有する高温高湿室内のいずれか一方を含む。
本発明において、太陽電池モジュール(10)様々な環境に暴露することで、良品か否かや耐候性や寿命をより正確に見積もることが出来る。
本発明の太陽電池モジュールの評価装置は、計測器(41)と情報処理装置(42)とを具備する。計測器(41)は、第1端子(C1)と第2端子(C2)とを備え、第1端子(C1)に接続される第1電極(B1)と第2端子(C2)に接続される第2電極(B2)との間の静電容量を測定する。情報処理装置(42)は、計測器(41)に通信可能に接続されている。第1電極(B1)及び第2電極(B2)は、それぞれ評価対象である太陽電池モジュール(10)の第1位置(P1)及び第2位置(P2)に接触されている。計測器(41)は、第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の第1静電容量を計測し、その後、太陽電池モジュール(10)を高湿度環境に置いた後に、第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の第2静電容量を計測する。情報処理装置(42)は、第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、太陽電池モジュール(10)の浸水状態を評価する。太陽電池モジュール(10)は、基板(1)と、基板(1)の第1辺(1a)から離れて設けられ基板(1)上に透明導電層(11)と光電変換層(12)と裏面電極層(13)とをこの順で含む発電セル(6)と、基板(1)と発電セル(6)とを覆う保護層(2)とを備える。第2位置(P2)は、第1辺(1a)近傍の保護層(2)上の位置である。第1位置(P1)は、発電セル(6)と反対側の基板(1)上であって、発電セル(6)の第1辺(1a)側の第1端部(E1)から第1距離(L)離れた位置である。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、太陽電池モジュール(10)は、第1辺と発電セル(6)との間に、溝(15)により発電セル(6)から分離された端部発電セル(6a)を更に備える。情報処理装置(42)は、静電容量算出部(51)と、記憶部(53)と、評価部(52)とを備える。静電容量算出部(51)は、第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、端部発電セル(6a)における発電セル(6)側の第2端部(E2)と第1端部(E1)との間の第3静電容量を見積もる。記憶部(53)は、第3静電容量を格納する。評価部(52)は、第3静電容量に基づいて、第2端部(E2)と第1端部(E1)との間における基板(1)と保護層(2)との間の浸水状態を評価する。第1静電容量及び第2静電容量は、第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量である。第1距離(L1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき発電セル(6)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき端部発電セル(6a)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、第1距離(L1)は、発電セル(6)と端部発電セル(6a)との間としての第1方向(Y)の第1幅の1000倍以上である。前記第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1幅の1000倍以上である。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、情報処理装置(42)は、静電容量算出部(51)と、記憶部(53)と、評価部(52)とを備える。静電容量算出部(51)は、第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、第1辺(1a)と第1端部(E1)との間の第3静電容量を見積もる。記憶部(53)は、第3静電容量を格納する。評価部(52)は、第3静電容量に基づいて、第1辺(1a)と第1端部(E1)との間における基板(1)と保護層(2)との間の浸水状態を評価する。第1静電容量及び第2静電容量は、第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量である。第1距離(L1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき発電セル(6)の透明導電層(11)と第1電極(B1)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第1静電容量及び第2静電容量を測定するとき第1電極(B1)と第2電極(B2)との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、第1距離(L1)は、第2電極(B2)と発電セル(6)との間としての第1方向(Y)の第2幅の1000倍以上である。前記第1電極(B1)における第1方向(Y)の幅(W1)は、第2幅の1000倍以上である。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、記憶部(53)は、静電容量と水の浸水量との関係を示す浸水量テーブルを格納している。評価部(52)は、第3静電容量に基づいて、その浸水量テーブルを参照して、太陽電池モジュール(10)の浸水量を推定する。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、前記評価部(52)は、更に、前記浸水状態に基づいて、前記太陽電池モジュール(10)の寿命を推定する。
上記の太陽電池モジュールの評価装置において、記憶部(53)は、静電容量と高湿度環境と寿命との関係を示す寿命テーブルを格納している。評価部(52)は、第3静電容量と高湿度環境とに基づいて、その寿命テーブルを参照して、太陽電池モジュール(10)の寿命を推定する。
本発明により、太陽電池モジュールの変質が発生する前段階での微量な水の浸入を計測可能となる。太陽電池モジュールの寿命を評価可能となる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
まず、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の評価対象となる太陽電池モジュールの構成について、添付図面を参照して説明する。図4は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す上面図である。太陽電池モジュール10は、基板1と、基板1上に設けられた発電セル6とを具備する。ここでは、説明しやすさのために、これらの上に設けられる後述の保護膜2及び防水シート3を省略している。
基板1は、第1辺1aと、第1辺1aと対向する第2辺1bと、第1辺1aと第2辺1bとの間の第3辺1cと、第3辺1cに対向する第4辺1dとを有する。基板1は、透光性を有しており、例えばガラスが好適である。
発電セル6は、基板1表面における薄膜の無い周囲領域14の内側に設けられている。発電セル6は、複数の単セル7を備える。複数の単セル7は、X方向に並び互いに直列に接続されている。単セル7は、Y方向へ伸びる短冊形状を有する。発電セル6は、端部発電セル6a、6bを更に備える。端部発電セル6aは、第1辺1aと発電セル6との間に、第1辺1aに平行なX方向絶縁溝15aにより発電セル6から分離されたものである。端部発電セル6bは、第2辺1bと発電セル6との間に、第2辺1bに平行なX方向絶縁溝15bにより発電セル6から分離されたものである。
発電セル6は、例えば、シリコン系薄膜太陽電池である。ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)のようなシリコンを含む材料の総称である。シリコン系薄膜太陽電池とは、アモルファスシリコン系、微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系と微結晶シリコン系とを積層させたタンデム型を含む太陽電池を表す。ただし、微結晶シリコン系とは、アモルファスシリコン系(非晶質シリコン系)以外のシリコン系を意味するものであり、多結晶シリコン系や非晶質を含んだ結晶質シリコン系も含まれる。
X方向絶縁溝15a及びX方向絶縁溝15bは、深さ方向に関して、複数の単セル7の表面である裏面電極層13から基板1の表面へ伸び、基板1表面に達している。ただし、基板1の強度を確保するために、基板1の中まで伸びていないことが好ましい。一方、長さ方向に関して、X方向に伸びている。そして、一方の端が第3辺1cの近傍まで伸び、他方の端が第4辺1dの近傍まで伸びている。そして、両端が基板1の端に達していない。X方向絶縁溝15の幅は、例えば50〜100μmである。
図5は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。図4のXX断面のA部を示している。太陽電池モジュール10は、前述のように、基板1と、基板1上に設けられた発電セル6と、基板1の周囲領域14及び発電セル6を覆うように設けられた保護膜2と、保護膜2上に設けられた防水シート3を具備する。
防水シート3は、発電セル6上の保護膜2を覆うように設けられている。PET(ポリエチレンテレフタレート)シート/AL箔/PETシートの三層構造を有するシートに例示される。保護膜102は、発電セル6及び基板1表面上の周囲領域14を覆うように設けられている。EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)に例示される。膜厚は、30〜50μmである。複数の単セル7の各々は、基板1上に設けられ、第1辺1aに沿ってX方向に並び、互いに直列に接続されている。単セル7は、透明導電層11、光電変換層12及び裏面電極層13を含む。
透明導電層11は、基板1上に製膜され、X方向に伸びる溝15により複数の短冊状の単セル7の各々に対応するように分割されている。膜厚は、500〜800nmである。溝17は、深さ方向に関して透明導電層11の表面から基板1の表面へ伸びている。長さ方向に関して第1辺1a及び第2辺1bの近傍まで伸び、基板1の端に達していない。溝17の幅は、例えば10〜50μmである。光電変換層12は、薄膜シリコンのp層、i層、n層を積層したもの、更には、この積層したものを複数積層したタンデム型、トリプル型太陽電池を構成している。光電変換層12は、透明導電層11上に設けられ、溝17の隣近傍にY方向に伸びる溝18により複数の単セル7の各々に対応するように分割されている。溝18は、深さ方向に関して光電変換層12の表面から透明導電層11の表面へ伸びている。裏面電極層13は、光電変換層12上に設けられ、溝18の隣近傍にY方向に伸びる溝19により複数の単セル7の各々に対応するように分割されている。溝19は、深さ方向に関して裏面電極層13の表面から光電変換層12の表面へ伸びている。
図6は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す他の断面図である。図4のYY断面のA部を示している。太陽電池モジュール10は、前述のように、更に、端部発電セル6aと端部発電セル6b(本図で図示されず)を具備する。
防水シート3は、発電セル6のみならず、端部発電セル6a及び端部発電セル6b上の保護膜2を覆うように設けられている。X方向絶縁溝15aは、発電セル6の端部E1と端部発電セル6aの端部E2との間に設けられている。同様に、図示されないがX方向絶縁溝15bは、発電セル6の端部と端部発電セル6bの端部との間に設けられている。
次に、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成について説明する。図7は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略図である。ここで、太陽電池モジュール10については、図6と同様に図4のYY断面のA部を示し、水の影響を受けて保護膜2と基板1との間に水31、32が浸入した状態を示している。水31は、発電セル6の端部E1と端部発電セル6aの一方の端部E2との間(X方向絶縁溝15a)における保護膜2と基板1との間の水である。水32は、端部発電セル6aの他方の端部E3と第1辺1aとの間における保護膜2と基板1との間の水である。
本発明の太陽電池モジュールの評価方法では、評価装置を用いて、水31の浸水状況を評価する。発電セル6の端部E1と端部発電セル6aの端部E2との間(X方向絶縁溝15a)に水が浸入すると、図2で説明したように閉じた電気回路が形成され、太陽電池モジュール10に重大な影響を及ぼすからである。この場合、測定対象は、発電セル6の端部E1と端部発電セル6aの端部E2との間の静電容量C2である。
太陽電池モジュールの評価装置40は、交流特性計測器41と情報処理装置42とを具備する。
交流特性計測器41は、第1端子D1と第2端子D2とを備え、第1端子D1に接続される第1電極B1と第2端子D2に接続される第2電極B2との間の静電容量を測定する。ここで、第1電極B1及び第2電極B2は、測定時に、それぞれ評価対象である太陽電池モジュール10の第1位置P1及び第2位置P2に接触される。
ただし、第2位置P2は、第1辺1a近傍の保護層2上の位置である。第1位置P1は、発電セル6と反対側の基板1上であって、発電セル6の第1辺1a側の端部E1から距離L1離れた位置である。後述するように、距離L1は、発電セル6の透明導電層11と第1電極B1との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。第1電極B1におけるY方向の幅W1は、端部発電セル6aの透明導電層11と第1電極B1との間の静電容量を無視できる大きさに設定される。例えば、距離L1は、測定対象(C2)におけるY方向の幅L2の1000倍以上であり、第1電極B1におけるY方向の幅W1は、測定対象(C2)の幅L2の1000倍以上である。
情報処理装置42は、パーソナルコンピュータに例示され、交流特性計測器41とデータの通信が可能なように接続されている。交流特性計測器41の計測結果に基づいて太陽電池モジュール10の浸水状態を評価する。情報処理装置42は、コンピュータプログラムとしての静電容量算出部51及び寿命評価部52と、ハードディスクやメモリのような記憶装置としての記憶部53とを備える。静電容量算出部51及び寿命評価部52は、記憶部53としてのハードディスクに格納されており、動作時に記憶部53としてのメモリに展開され、CPU(central processing unit)により実行される。
静電容量算出部51は、交流特性計測器41の計測結果に基づいて、測定対象の静電容量を見積もる。
例えば、静電容量C2を見積もる。記憶部53は、見積もられた静電容量を記憶する。また、静電容量算出部51及び寿命評価部52の実行に必要なデータ(テーブル)を格納している。寿命評価部52は、見積もられた静電容量に基づいて、測定対象部位の浸水状態を評価する。例えば、端部E2と端部E1との間(静電容量C2の位置)における基板1と保護層2との間の浸水状況を評価する。寿命評価部52は、更に、評価された浸水状態に基づいて、太陽電池モジュール10の寿命を推定する。
図8は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略平面図及び概略断面図である。ここでは交流特性計測器41、情報処理装置42、その配線及び防水シート3を省略している。第1電極B1、第2電極B2、発電セル6、端部発電セル6a、端部E1及び端部E2の位置関係が示されている。図中、左端の発電セル6と端部発電セル6aとの間の測定対象(C2)について評価をするために、第1電極B1は、当該発電セル6を含む広範囲の領域に対応する位置に設けられた大面積の電極となる。一方、第2電極B2は、当該端部発電セル6aの直ぐ横に対応する位置に設けられた小面積の電極となる。そして、第2電極B2との位置を右にずらし、必要に応じて第1電極B1の位置を右にずらして行くことで、他の発電セル6と端部発電セル6aとの間の測定対象(C2)についても同様に測定することができる。それにより、浸水量に加えて浸水位置及び浸水範囲を知ることができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールの評価方法における静電容量C2の計測原理について説明する。
図7に示すように、第1電極B1と第2電極B2との間の等価回路は、静電容量C3、抵抗R1、静電容量C2、静電容量C1、及び静電容量C4で構成される。静電容量C3は、発電セル6の透明導電層11と第1電極B1とで形成され、基板1が誘電体である。抵抗R1は、透明導電層11で形成される。静電容量C2は、発電セル6の透明導電層11と端部発電セル6aの透明導電層11とで形成され、水31及び保護膜2が誘電体である。静電容量C1は、端部発電セル6aの透明導電層11と第2電極B2とで形成され、保護膜2が主な誘電体である。静電容量C4は、端部発電セル6aの透明導電層11と第1電極B1とで形成され、基板1が誘電体である。
ここで、太陽電池モジュール10が高湿度雰囲気に曝され、水31が増えていく場合、その浸入水31の影響が誘電率の変化として静電容量C2に現れる。したがって、高湿度雰囲気に曝される前後の静電容量C2の変化(静電容量C2の経時的な変化)を計測することで、水31の浸水量を見積もることができる。
ここで、第1電極B1と第2電極B2との間の静電容量をCとし、静電容量C4を無視できるとすれば、以下の式が成り立つ。
1/C=1/C1+1/C2+1/C3 …(1)
したがって、C1及びC3がC2に比較して十分に大きい(10オーダー以上)ならば、
1/C=1/C2 …(2)
とみなすことができる。一般に、C=εS/dが成り立つことから、C1及びC3のS/dをC2のS/dよりも十分に大きく(10オーダー以上)すればよい。
C2において、距離d(幅L2)は10μmのオーダーである。面積S(単セル7のX方向の幅×透明導電層11の膜厚)は、10μm×10μmのオーダーである。したがって、S/dは10μmのオーダーである。
C3において、C3がC2に比較して10オーダー以上の大きさを有するためには、S/dが10μm(C2)×10=10μmのオーダーである必要がある。C3の距離d(基板1の厚み)は10μmのオーダーであるから、C3の面積Sは、10μm(距離d)×10μm=10μm=10mmのオーダーとなる。したがって、C3すなわち第1電極B1の面積Sが10mmのオーダーとなるから、第1電極B1を矩形とみなせば、その一辺に相当する幅W1は約10mm程度となる。すなわち、第1電極B1におけるY方向の幅W1を、C2の幅L2の1000倍(10倍)以上とすればよいことになる。
同様に、C1において、C1がC2に比較して10オーダー以上の大きさを有するためには、S/dが10μmのオーダーである必要がある。C1の距離d(保護膜2の膜厚)は10μmのオーダーであるから、C1の面積Sは、10μm(距離d)×10μm=10μm=10mmのオーダーとなる。したがって、C1すなわち第2電極B2の面積Sが10mmのオーダーとなるから、第2電極B2を矩形とみなせば、その一辺は約10mm程度となる。すなわち、第2電極B2の幅を、C2の幅L2の100倍(10倍)以上とすればよいことになる。その一方で、第2電極B2が大きすぎると、第2電極B2と第1電極B1との間の直接的な静電容量(図7中、図示せず)が問題になる可能性があるので、できるだけ小さくすることが好ましい。以上から、その一辺は約10mm程度とする。
一方、C4を式(1)で無視するためには、C2に並列なC4が、C2に比較して十分に小さい(10−3オーダー以下)、すなわち、C4のS/dをC2のS/dよりも十分に小さく(10−3オーダー以下)すればよい。C4において、C4がC2に比較して10−3オーダー以下の大きさを有するためには、S/dが10μm(C2)×10−3=10−1μmのオーダーである必要がある。C4の面積S(端部発電セル6a側の単セル7のX方向の幅×透明導電層11の膜厚)は、10μm×10μmのオーダーである。したがって、C4の距離dは、(10μm×10μm)/(10−1μm)=10μm=10mm程度となる。すなわち、幅L2と距離L1との和が概ね10mm程度以上必要となる。幅L2は、10μmのオーダーであるから無視できるので、距離L1が概ね10mm程度以上となる。すなわち、距離L1を、C2の幅L2の1000倍以上とすればよいことになる。
以上から、C3において、第1電極B1におけるY方向の幅W1をC2の幅L2の1000倍(10倍)以上とし、C1において、第2電極B2の幅をC2の幅L2の100倍(10倍)以上とし、C4において、距離L1をC2の幅L2の1000倍以上とすれば、図7の等価回路において上記(2)式が成り立つことになる。
次に、静電容量C2を用いた本発明の太陽電池モジュールの評価方法の原理について説明する。まず、太陽電池モジュール10が水の影響を受けた場合、上記静電容量C2がどのように変化するかについて説明する。図9は、太陽電池モジュール10について浸水試験(高湿度環境試験:後述)を行ったときの試験時間と静電容量との関係を示すグラフである。縦軸は静電容量C2の値を示し、横軸は浸水試験の試験時間tである。太陽電池モジュール10は、浸水試験前(原点)は、C2=C2(0)の値を示す。そして、浸水試験後(t=t0)、太陽電池モジュール10の防水シート3内部に凝集した水により、静電容量C2は誘電率の変化に伴いその容量を変化させる。このとき、太陽電池モジュール10が良品ならば、浸水試験後(t=t0)、曲線Q1に示すように、C2=C2(1)(>C2(0))の値を示す。C2がわずかに上昇するのは、保護膜2がわずかに水を吸収するためであり、浸水試験の条件と保護膜2の物性(含水率)から決まる値である。一方、太陽電池モジュール10が不良品ならば、浸水試験後(t=t0)、基板1と保護膜2との間に水が浸入するため、C2が更に増加し、曲線Q2やQ3に示すように、C2=C2(2)(>C2(1))やC2(3)(>C2(2))のような値を示す。
ここで、個々の太陽電池モジュール10によって、C2(0)の値はやや異なるが、差Δ=C2(1)−C2(0)(、C2(2)−C2(0))は概ね等しい。したがって、予めシミュレーションや実験により良品及び不良品と差Δとの関係(記憶部53に格納、太陽電池モジュールの構造ごと)を求めておけば、浸水試験前後のC2を測定して差Δを求めることで、その太陽電池モジュール10が良品か不良品かを評価することが出来る。更に、差Δの大きさに基づいて、太陽電池モジュール10のレベル分けを行うことも可能である。その場合、レベルと差Δとの関係を記憶部53に予め格納しておく。
また、予めシミュレーションや実験により保護膜2と基板1との間に浸入した水分量(浸水量)と差Δとの関係(記憶部53に格納、太陽電池モジュールの構造ごと)を求めておけば、浸水試験前後のC2を測定して差Δを求めることで、その太陽電池モジュール10に浸入した水分量を見積もることが出来る。
更に、静電容量C2を用いた本発明の太陽電池モジュールの評価方法における太陽電池モジュールの寿命算出の原理について説明する。C2の値から寿命を算出する方法としては、以下の方法が考えられる。まず、浸水試験の条件と浸水試験後の差Δの大きさと残りの寿命とを関連付けたテーブルを、実験的又はシミュレーションで予め求めておく(記憶部53に格納、太陽電池モジュールの構造ごと)。テーブルのデータの一例としては、
試験条件:湿度90%、温度80℃、時間2時間;差Δ:10pF;寿命:20年、
試験条件:湿度90%、温度80℃、時間2時間;差Δ:30pF;寿命:15年、
試験条件:湿度90%、温度80℃、時間2時間;差Δ:50pF;寿命:10年、
などである。次に、浸水試験前後のC2を測定して差Δを求め、その試験条件とその差Δと上記テーブルとに基づいて、寿命を算出する。データの中間の値は外挿(内挿)で求める。
上記のように、本発明の太陽電池モジュールの評価方法では、本発明の太陽電池モジュールの評価装置を用いて静電容量C2の変化を測定することで、太陽電池モジュールの出来や寿命を評価することが可能となる。
次に、本発明の太陽電池モジュールの評価方法の実施の形態について説明する。ここでは、図4〜図6を用いて説明した太陽電池モジュール10について、図7を用いて説明した太陽電池モジュールの評価装置により評価を行う方法について説明する。図10は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法の実施の形態を示すフローチャートである。
(1)ステップS01:太陽電池モジュール10の第1位置P1と第2位置P2との間の第1静電容量を計測する。
図7を参照して、水による影響を受けていない太陽電池モジュール10を準備し、第1電極B1を第1位置P1に、第2電極B2を第2位置P2にそれぞれ取り付ける。第1位置P1は、発電セル6と反対側の基板1上であって、発電セル6の第1辺1a側の第1端部E1から第1距離L離れた位置である。第2位置P2は、第1辺1a近傍の保護層2上の位置である。距離L1は、測定対象C2におけるY方向の幅L2の1000倍以上である。第1電極B1におけるY方向の幅W1は、測定対象C2の幅L2の1000倍以上である。第2電極B2の幅は、その一辺を約10mm程度とする。このようにすることで図7に示した等価回路のうち、C1、C3、C4を無視することができ、上記(2)式を用いることができる。
交流特性計測器41は、第1端子D1と第2端子D2とを介して第1位置P1と第2位置P2との間の静電容量を計測し、情報処理装置42へ出力する。情報処理装置42の静電容量算出部51は、計測された静電容量と(2)式に基づいて、C2として第1静電容量を算出する。記憶部53は、この第1静電容量の値を格納する。ただし、計測された静電容量は(2)式のCに代入される。この第1静電容量は、水の影響を受けていない場合の値であるC2(0)となる。なお、静電容量算出部51は、この部分の動作をステップS03において行っても良い。
(2)ステップS02:
太陽電池モジュール10に浸水試験(高湿度環境試験)を実施する。
第1静電容量を計測し各電極を取り外した後、太陽電池モジュール10に浸水試験を実施する。浸水試験(高湿度環境試験)は、太陽電池モジュール10を高湿度環境に曝露する試験である。浸水試験の条件(高湿度環境)は、例えば、湿度90%、温度80℃、暴露時間2時間である。ただし、浸水試験の条件(高湿度環境)は、この例に限定されるものではなく、例えば、JIS C 8938「アモルファス太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法」に記載された試験に用いられる耐水性に関わる試験(例示:温湿度サイクル試験、塩水噴霧試験、防水試験、耐湿性試験)の条件を用いることができる。更に、化学物質(例示:劣化の原因となりうるような酸性物質(酸性雨等を想定)及びアルカリ性物質(鳥の糞を想定))中への浸漬等を行っても良い。
(3)ステップS03
浸水試験後に、太陽電池モジュール10の第1位置P1と第2位置P2との間の第2静電容量を計測する。
ステップS01と同様に、図7を参照して、浸水試験後の太陽電池モジュール10について、第1電極B1を第1位置P1に、第2電極B2を第2位置P2にそれぞれ取り付ける。第1位置P1、第2位置P2、距離L1、幅W1及び第2電極B2の幅は、ステップS01の同じであり、上記(2)式を用いることができる。
交流特性計測器41は、第1端子D1と第2端子D2とを介して第1位置P1と第2位置P2との間の電容量を再度計測し、情報処理装置42へ出力する。情報処理装置42の静電容量算出部51は、計測された静電容量と(2)式に基づいて、C2として第2静電容量を算出する。記憶部53は、この第2静電容量の値を格納する。ただし、計測された静電容量は(2)式のCに代入される。太陽電池モジュール10は、高湿度環境に暴露されたこと(ステップS02)に伴い水の影響を受けている。したがって、太陽電池モジュール10は、保護膜2が水を吸収していたり、図7に示したように水31や水32が存在している可能性がある。すなわち、この第2静電容量は、水の影響を受けた場合の値であるC2(1)やC2(2)やC2(3)のような値となる。
(4)ステップS04
第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、太陽電池モジュール10の浸水状態を評価する(屋外暴露後の変質を見積もる)。
情報処理装置42の寿命評価部52は、第1静電容量と第2静電容量とに基づいて、浸水試験前後の静電容量C2の差Δ(第1静電容量−第2静電容量)を見積もる。そして、記憶部53に格納された良品及び不良品と差Δとの関係に基づいて、太陽電池モジュール10を良品と不良品とに分けることが出来る。又は、記憶部53に格納されたレベルと差Δとの関係に基づいて、太陽電池モジュール10をレベル分けすることが出来る。
また、情報処理装置42の寿命評価部52は、見積もられた差Δと、記憶部53に格納された浸水量と浸水試験後の差Δの大きさとを関連付けたテーブルとに基づいて、保護膜2と基板1との間に浸入した水分量を見積もる。
また、情報処理装置42の寿命評価部52は、見積もられた差Δと、浸水試験条件と、記憶部53に格納された浸水試験の条件と浸水試験後の差Δの大きさと残りの寿命とを関連付けたテーブルとに基づいて、太陽電池モジュール10の寿命を見積もる。
以上の本発明の太陽電池モジュールの評価装置を用いた本発明の太陽電池モジュールの評価方法により、太陽電池モジュールを良品と不良品とに分けることや、レベル分けすることや、浸水量を見積もることが出来るとともに、その寿命を見積もることが可能となる。
図11は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法と従来のリーク電流を用いた評価方法とを比較した結果を示すグラフである。図11(a)は本発明の太陽電池モジュールの評価方法の結果を示す。縦軸(リニアスケール)は静電容量増加分すなわち静電容量C2の差Δを示し、横軸は環境温度すなわち浸水試験の温度を示す。丸印は浸水試験において純水に浸漬したこと(湿度100%)を示し、四角印は硫酸水溶液(pH1.3)中に浸漬したことを示し、三角印はアンモニア水(pH11)中に浸漬したことを示す。ただし、硫酸水溶液及びアンモニア水中の浸漬は25℃のみである。図11(b)は従来のリーク電流を用いた評価方法を示す。縦軸(ログスケール)はリーク電流の増加分を示し、横軸は浸水試験の環境温度を示す。丸印、四角印及び三角印は図11(a)と同様であり、硫酸水溶液及びアンモニア水中の浸漬は25℃のみである。
本発明の太陽電池モジュールの評価方法では、25℃では変化がないが、60℃、80℃と温度が上がるに連れて、静電容量C2が大きくなっていく傾向にあることがわった。すなわち、温度が高くなるに連れて、保護膜2と基板1との間に浸入する水分が多くなって行くことを示している。一方、従来のリーク電流を用いた評価方法でも、25℃では変化がないが、60℃、80℃と温度が上がるに連れて、同様に、リーク電流が大きくなっていく傾向にあることがわった。両グラフを比較すると、本発明の太陽電池モジュールの評価方法で見積もられる静電容量C2の変化すなわち浸水量と従来のリーク電流を用いた評価方法(JIS試験)におけるリーク電流との間に相関があることを見出した。すなわち、オ本発明の太陽電池モジュールの評価方法は、リーク電流を用いる方法と同等の評価を行うことができることが分かる。
また、リーク電流と膜変質量は比例関係にあるため、膜変質量が限界に達する期間(寿命)を推定できる。同様に、本発明における太陽電池モジュールの評価方向における静電容量と浸水量とは概ね比例関係にあり、浸水量と膜変質量とは概ね比例関係にあることから、膜変質量が限界に達する期間(寿命)を推定できる。すなわち、本発明における太陽電池モジュールの評価方向においても、静電容量を求めることで太陽電池モジュールの寿命を推定することができる。
本発明において、太陽電池モジュールの所定の位置に設けた二つの電極間の静電容量を浸水試験の前後で計測することで、保護膜と基板との間に浸入した水を検出し、その量を見積もることが出来る。それにより、太陽電池モジュールを良品と不良品とに分けたり、その寿命を予測することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、端部発電セル6aが存在する場合について説明しているが、本発明がそれに限定されるものではない。図12は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略図である。太陽電池モジュールの評価装置40は、図7の場合と同じであるが、評価される太陽電池モジュール10の構造において端部発電セル6aがない点で、図7の場合と異なる。水33は、発電セル6の端部E1と第1辺1aとの間における保護膜2と基板1との間の水である。
図12の場合、本発明の太陽電池モジュールの評価方法では、評価装置を用いて、水33の浸水状況を評価する。発電セル6の端部E1と第1辺1aとの間に水が浸入すると、図2で説明したように閉じた電気回路が形成され、太陽電池モジュール10に重大な影響を及ぼすからである。この場合、測定対象は、発電セル6の端部E1と端部発電セル6aの端部E2との間の静電容量C5である。
太陽電池モジュールの評価装置40については図7の場合と同様であるからその説明を省略する。
次に、本発明の太陽電池モジュールの評価方法における静電容量C5の計測原理について説明する。
図12に示すように、第1電極B1と第2電極B2との間の等価回路は、静電容量C3、抵抗R1、静電容量C2、及び静電容量C7で構成される。静電容量C3は、発電セル6の透明導電層11と第1電極B1とで形成され、基板1が誘電体である。抵抗R1は、透明導電層11で形成される。静電容量C2は、発電セル6の透明導電層11と第2電極B2とで形成され、水33が主な誘電体である。静電容量C7は、第2電極B2と第1電極B1とで形成され、基板1が主な誘電体である。
ここで、太陽電池モジュール10が高湿度雰囲気に曝され、水33が増えていく場合、その浸入水33の影響が誘電率の変化として静電容量C2に現れる。したがって、高湿度雰囲気に曝される前後の静電容量C2の変化(静電容量C2の経時的な変化)を計測することで、水33の浸水量を見積もることができる。
ここで、第1電極B1と第2電極B2との間の静電容量をCとし、静電容量C7を無視できるとすれば、以下の式が成り立つ。
1/C=1/C2+1/C3 …(1)
したがって、C3がC2に比較して十分に大きい(10オーダー以上)ならば、
1/C=1/C2 …(2)
とみなすことができる。一般に、C=εS/dが成り立つことから、C3のS/dをC2のS/dよりも十分に大きく(10オーダー以上)すればよい。
第2電極B2は、発電セル6の端部E1から数mmの位置に取り付けられ、その形状が一辺数mmの矩形とする。C2において、第2電極B2と発電セル6の端部E1との距離d(幅L3)は10mmのオーダーである。面積S(第2電極B1の面積)は、10mm×10mmのオーダーである。したがって、S/dは10mmのオーダーである。
C3において、C3がC2に比較して10オーダー以上の大きさを有するためには、S/dが10mm(C2)×10=10mmのオーダーである必要がある。C3の距離d(基板1の厚み)は10mmのオーダーであるから、C3の面積Sは、10mm(距離d)×10mm=10mmのオーダーとなる。したがって、C3すなわち第1電極B1の面積Sが10mmのオーダーとなるから、第1電極B1を矩形とみなせば、その一辺に相当する幅W1は約10mm程度となる。すなわち、第1電極B1におけるY方向の幅W1を、C2の幅L3の1000倍(10倍)以上とすればよいことになる。
一方、C7を式(1)で無視するためには、C2に並列なC7が、C2に比較して十分に小さい(10−3オーダー以下)、すなわち、C7のS/dをC2のS/dよりも十分に小さく(10−3オーダー以下)すればよい。C7において、C7がC2に比較して10−3オーダー以下の大きさを有するためには、S/dが10mm(C2)×10−3=10−3mmのオーダーである必要がある。C7の面積S(第2電極B2の面積)は、10mm×10mmのオーダーである。したがって、C4の距離dは、(10mm×10mm)/(10−3mm)=10mm程度となる。すなわち、幅L3と距離L1との和が概ね10mm程度以上必要となる。幅L3は、10mmのオーダーであるから無視できるので、距離L1が概ね10mm程度以上となる。すなわち、距離L1を、C2の幅L3の1000倍以上とすればよいことになる。
以上から、C3において、第1電極B1におけるY方向の幅W1をC2の幅L2の1000倍(10倍)以上とし、C7において、距離L1をC2の幅L2の1000倍以上とすれば、図7の等価回路において上記(2)式が成り立つことになる。
静電容量C2を用いた本発明の太陽電池モジュールの評価方法の原理(図9を含む)及び本発明の太陽電池モジュールの評価方法の実施の形態(図10を含む)については、図7の場合と同様であるのでその説明を省略する。この場合にも、図7の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、静電容量C2の静電容量のみを調べているが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、交流特性計測器41により、静電容量C2の周波数特性(静電容量と純抵抗)を用いて、浸水の状況を評価することも可能である。例えば、予め実験やシミュレーション等で浸水の状況(浸水量、浸水位置、浸水範囲など)と周波数特性(静電容量と純抵抗)との関係を求めておき(記憶部53に格納)、それと測定値との比較により、浸水の状況を評価できる。これにより、更に詳細に浸水の状況を評価することが出来る。
本発明の評価方法では、浸入した水(水蒸気)がリーク回路を形成する前すなわち太陽電池モジュールが変質してしまう前でも水の浸入を評価することが出来る。したがって、長期間の屋外曝露後に生じる可能性のある変質を高感度に検出できる。すなわち、太陽電池モジュールが変質してしまう前にその良否診断を行うことが出来る。そして、その評価により、その太陽電池モジュールの寿命を評価することが出来る。
本発明の評価方法では、太陽電池モジュールを破壊することなく、交流特性を用いる非破壊の方法で評価することが出来る。すなわち、評価後の太陽電池モジュールを使用することが出来る。それにより、劣化試験のコストを抑えることが可能となる。
図1は、従来の太陽電池モジュールを示す図である。 図2は、その劣化機構を説明する概念図である。 図3は、JISに規定された試験方法の概略を示す概念図である。 図4は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す上面図である。 図5は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。 図6は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法及び評価装置の実施の形態における評価対象となる太陽電池モジュールの構成を示す他の断面図である。 図7は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略図である。 図8は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略平面図及び概略断面図である。 図9は、太陽電池モジュールについて浸水試験を行ったときの試験時間と静電容量との関係を示すグラフである。 図10は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法の実施の形態を示すフローチャートである。 図11は、本発明の太陽電池モジュールの評価方法と従来のリーク電流を用いた評価方法とを比較した結果を示すグラフである。 図12は、本発明の太陽電池モジュールの評価装置の実施の形態の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 基板
1a 第1辺
1b 第2辺
1c 第3辺
1d 第4辺
2 保護膜
3 防水シート
11 透明導電層
12 光電変換層
13 裏面電極層
14 周囲領域
15、15a、15b X方向絶縁溝
17、18、19 溝
6 発電セル
6a、6b 端部発電セル
7 単セル
10 太陽電池モジュール
31、32、33 水
40 太陽電池モジュール評価装置
41 交流特性計測器
42 情報処理装置
51 静電容量算出部
52 寿命評価部
53 記憶部
101 基板
101a 界面
102 保護膜
103 防水シート
104 金属枠
105 水
106 発電セル
107 水
108 インバータ
109a、109b、109d ケーブル
109c 接地間(大地)
110 太陽電池モジュール
114 周囲領域
115 電源
116 電流計
117 参照電極

Claims (18)

  1. (a)太陽電池モジュールの第1位置と第2位置との間の第1静電容量を計測するステップと、
    (b)前記太陽電池モジュールを高湿度環境に曝すステップと、
    (c)前記高湿度環境暴露後に、前記太陽電池モジュールの前記第1位置と前記第2位置との間の第2静電容量を計測するステップと、
    (d)前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記太陽電池モジュールの浸水状態を評価するステップと
    を具備し、
    前記太陽電池モジュールは、
    基板と、
    前記基板の第1辺から離れて設けられ、前記基板上に透明導電層と光電変換層と裏面電極層とをこの順で含む発電セルと、
    前記基板と前記発電セルとを覆う保護層と
    を備え、
    前記第2位置は、前記第1辺近傍の前記保護層上の位置であり、
    前記第1位置は、前記発電セルと反対側の前記基板上であって、前記発電セルの前記第1辺側の第1端部から第1距離離れた位置である
    太陽電池モジュールの評価方法。
  2. 請求項1に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記太陽電池モジュールは、
    前記第1辺と前記発電セルとの間に、溝により前記発電セルから分離された端部発電セルを更に備え、
    前記(a)ステップは、
    (a1)第1電極を前記第1位置に、第2電極を前記第2位置にそれぞれ取り付けるステップを備え、
    前記(d)ステップは、
    (d1)前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記端部発電セルにおける前記発電セル側の第2端部と前記第1端部との間の第3静電容量を見積もるステップと、
    (d2)前記第3静電容量に基づいて、前記第2端部と前記第1端部との間における前記基板と前記保護層との間の浸水状態を評価するステップと
    を備え、
    前記第1静電容量及び前記第2静電容量は、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量であり、
    前記第1距離は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定され、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記端部発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定される
    太陽電池モジュールの評価方法。
  3. 請求項2に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記第1距離は、前記発電セルと前記端部発電セルとの間としての第1方向の第1幅の1000倍以上であり、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1幅の1000倍以上である
    太陽電池モジュールの評価方法。
  4. 請求項1に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記(a)ステップは、
    (a1)第1電極を前記第1位置に、第2電極を前記第2位置にそれぞれ取り付けるステップを備え、
    前記(d)ステップは、
    (d1)前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記第1辺と前記第1端部との間の第3静電容量を見積もるステップと、
    (d2)前記第3静電容量に基づいて、前記第1辺と前記第1端部との間における前記基板と前記保護層との間の浸水状態を評価するステップと
    を備え、
    前記第1静電容量及び前記第2静電容量は、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量であり、
    前記第1距離は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定され、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定される
    太陽電池モジュールの評価方法。
  5. 請求項4に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記第1距離は、前記第2電極と前記発電セルとの間としての第1方向の第2幅の1000倍以上であり、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第2幅の1000倍以上である
    太陽電池モジュールの評価方法。
  6. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記(d2)ステップは、
    (d21)前記第3静電容量に基づいて、静電容量と水の浸水量との関係を示す浸水量テーブルを参照して、前記太陽電池モジュールの浸水量を推定するステップを含む
    太陽電池モジュールの評価方法。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記(d)ステップは、
    (d3)前記浸水状態に基づいて、前記太陽電池モジュールの寿命を推定するステップを更に備える
    太陽電池モジュールの評価方法。
  8. 請求項7に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記(d3)ステップは、
    (d31)前記第3静電容量と前記高湿度環境とに基づいて、静電容量と高湿度環境と寿命との関係を示す寿命テーブルを参照して、前記太陽電池モジュールの寿命を推定するステップを含む
    太陽電池モジュールの評価方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記(b)ステップは、
    (b1)前記太陽電池モジュールを、前記高湿度環境を含む環境変化サイクルに置くステップを備える
    太陽電池モジュールの評価方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価方法において、
    前記高湿度環境は、所定の温度を有する水または化学物質、及び所定の温度及び湿度を有する高温高湿室内のいずれか一方を含む
    太陽電池モジュールの評価方法。
  11. 第1端子と第2端子とを備え、前記第1端子に接続される第1電極と前記第2端子に接続される第2電極との間の静電容量を測定する計測器と、
    前記計測器に通信可能に接続された情報処理装置と
    を具備し、
    前記第1電極及び前記第2電極は、それぞれ評価対象である太陽電池モジュールの第1位置及び第2位置に接触され、
    前記計測器は、
    前記第1位置と前記第2位置との間の第1静電容量を計測し、
    前記太陽電池モジュールを高湿度環境に置いた後に、前記第1位置と前記第2位置との間の第2静電容量を計測し、
    前記情報処理装置は、
    前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記太陽電池モジュールの浸水状態を評価し、
    前記太陽電池モジュールは、
    基板と、
    前記基板の第1辺から離れて設けられ、前記基板上に透明導電層と光電変換層と裏面電極層とをこの順で含む発電セルと、
    前記基板と前記発電セルとを覆う保護層と
    を備え、
    前記第2位置は、前記第1辺近傍の前記保護層上の位置であり、
    前記第1位置は、前記発電セルと反対側の前記基板上であって、前記発電セルの前記第1辺側の第1端部から第1距離離れた位置である
    太陽電池モジュールの評価装置。
  12. 請求項11に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記情報処理装置は、
    前記太陽電池モジュールは、前記第1辺と前記発電セルとの間に、溝により前記発電セルから分離された端部発電セルを更に備え、
    前記情報処理装置は、
    前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記端部発電セルにおける前記発電セル側の第2端部と前記第1端部との間の第3静電容量を見積もる静電容量算出部と、
    前記第3静電容量を格納する記憶部と、
    第3静電容量に基づいて、前記第2端部と前記第1端部との間における前記基板と前記保護層との間の浸水状態を評価する評価部と
    を備え、
    前記第1静電容量及び前記第2静電容量は、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量であり、
    前記第1距離は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定され、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記端部発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定される
    太陽電池モジュールの評価装置。
  13. 請求項12に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記第1距離は、前記発電セルと前記端部発電セルとの間としての第1方向の第1幅の1000倍以上であり、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1幅の1000倍以上である
    太陽電池モジュールの評価装置。
  14. 請求項11に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記第1静電容量と前記第2静電容量とに基づいて、前記第1辺と前記第1端部との間の第3静電容量を見積もる静電容量算出部と、
    前記第3静電容量を格納する記憶部と、
    前記第3静電容量に基づいて、前記第1辺と前記第1端部との間における前記基板と前記保護層との間の浸水状態を評価する評価部と
    を備え、
    前記第1静電容量及び前記第2静電容量は、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量であり、
    前記第1距離は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記発電セルの前記透明導電層と前記第1電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定され、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第1静電容量及び前記第2静電容量を測定するとき前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を無視できる大きさに設定される
    太陽電池モジュールの評価装置。
  15. 請求項14に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記第1距離は、前記第2電極と前記発電セルとの間としての第1方向の第2幅の1000倍以上であり、
    前記第1電極における前記第1方向の幅は、前記第2幅の1000倍以上である
    太陽電池モジュールの評価装置。
  16. 請求項12乃至15のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記記憶部は、静電容量と水の浸水量との関係を示す浸水量テーブルを格納し、
    前記評価部は、前記第3静電容量に基づいて、前記浸水量テーブルを参照して、前記太陽電池モジュールの浸水量を推定する
    太陽電池モジュールの評価装置。
  17. 請求項12乃至16のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記評価部は、更に、前記浸水状態に基づいて、前記太陽電池モジュールの寿命を推定する
    太陽電池モジュールの評価装置。
  18. 請求項17に記載の太陽電池モジュールの評価装置において、
    前記記憶部は、静電容量と高湿度環境と寿命との関係を示す寿命テーブルを格納し、
    前記評価部は、前記第3静電容量と前記高湿度環境とに基づいて、前記寿命テーブルを参照して、前記太陽電池モジュールの寿命を推定する
    太陽電池モジュールの評価装置。
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