JP2007163836A - 表示媒体の製造方法及び表示媒体と表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の製造方法に比して簡易で安価な製造方法によって、表示特性に優れたシート状の表示媒体及び同表示媒体を用いた表示素子を提供する。
【解決手段】隔壁と、隔壁で隔てられたセルとを備え、セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体の製造方法であって、少なくとも分散媒と移動粒子と光または熱または放射線により硬化する樹脂を混合分散させる塗工液作製工程と、塗工液を基材上に塗布する塗工膜作製工程と、塗工膜に光または放射線を照射あるいは熱を加えることにより塗工膜を硬化させる硬化工程と、分散媒を気化させる気化工程を有する表示媒体の製造方法である。また、隔壁と、隔壁で隔てられたセルとを備え、セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体であって、隔壁が光または熱または放射線により硬化する樹脂の硬化物からなる表示媒体である。
【解決手段】隔壁と、隔壁で隔てられたセルとを備え、セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体の製造方法であって、少なくとも分散媒と移動粒子と光または熱または放射線により硬化する樹脂を混合分散させる塗工液作製工程と、塗工液を基材上に塗布する塗工膜作製工程と、塗工膜に光または放射線を照射あるいは熱を加えることにより塗工膜を硬化させる硬化工程と、分散媒を気化させる気化工程を有する表示媒体の製造方法である。また、隔壁と、隔壁で隔てられたセルとを備え、セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体であって、隔壁が光または熱または放射線により硬化する樹脂の硬化物からなる表示媒体である。
Description
本発明は、電界の作用によって移動する移動粒子を利用して可逆的に表示状態を変化させることができる画像表示媒体の作製方法及び同表示媒体、並びに表示素子に関する。
電界によって空間を移動する移動粒子を利用した画像表示装置では、少なくとも一方が透明な2枚の基板が、スペーサを介して所要間隔をあけた状態で対向配置されており、その基板間において、隔壁で隔てられた密閉空間(セル)が形成される。この密閉空間内に移動粒子が充填され、表示パネルを形成している。この表示パネルの基板間に電界を印加し、移動粒子を電界方向に移動させることにより、パネル表面の色を変化させることによって表示を行う。この素子作製工程の一つの方法として考えられるのが特許文献1に記載されたマイクロカップとよばれる密閉空間を利用する方法である。この方法では、基板となる透明導電性フィルムにプラスチックをコートし、次いでこのプラスチック材に微小エンボスロールをかけマイクロカップと称するセルを一定間隔で多数形成する。このマイクロカップに移動粒子を充填し、上面をシールする。しかしながら、この製造方法では、連続生産が可能であるという有利さはあるが、工程数が多く、最後にマイクロカップをシールする工程で、移動粒子の漏れ出し等が起こり、シールを短時間にかつ完全に行なうのが容易でないのが難点であった。
特表2005−501297号公報
上記で述べたように、電極に挟まれた複数の密閉空間(例えば隔壁で隔てられた複数のセル)内に充填された移動粒子からなる表示媒体の従来の製造方法では、充填された移動粒子のシールが難しく製造歩留まりが低いという問題や、工程数が多く製造コスト面で不利であるという問題を有していた。本願発明の目的は、上記セル中に充填された移動粒子からなる表示媒体の簡易で安価な製造方法を提供することである。また、同製造方法を用いて表示特性に優れたシート状の表示媒体、及び同表示媒体を用いた表示素子を提供することである。
本願発明者は、上記セルの隔壁を熱硬化性あるいは光硬化性あるいは放射線硬化性の樹脂で形成する簡便な方法を検討し本発明を完成させるに到った。即ち本願発明は、隔壁と、該隔壁で隔てられたセルとを備え、該セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体の製造方法であって、少なくとも該移動粒子を分散させる分散媒と、該移動粒子と、光または熱または放射線により硬化する樹脂とを混合分散させる塗工液作製工程と、該塗工液を基材上に塗布する塗工膜作製工程と、該塗工膜に光または放射線を照射あるいは熱を加えることにより塗工膜を硬化させる硬化工程と、該分散媒を気化させる気化工程とを有することを特徴とする表示媒体の製造方法である(請求項1)。前記分散媒の沸点は40℃〜120℃であることを好ましい(請求項2)
また、本願発明の表示媒体は、前記隔壁と、該隔壁で隔てられたセルとを備え、該セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体であって、該隔壁が光または熱または放射線により硬化する樹脂の硬化物からなることを特徴とする(請求項3)。前記表示媒体が自立性のシート状であることが好ましく(請求項4)、前記光または熱または放射線により硬化する樹脂がエポキシ樹脂からなることが好ましい(請求項5)。
また、本願発明の表示素子は、請求項3〜5のいずれかに記載の表示媒体の両面に、少なくとも片方が透明である電極を介して基板が配設されており、該表示媒体に一様な電界を印加する電界印加手段を有することを特徴とする(請求項6)。
本願発明の表示媒体の製造方法によって、隔壁と該隔壁で隔てられたセル内に、移動粒子を含有する表示媒体を容易に作製することができる。また、この方法によって得られる表示媒体が、自立性のシート状の場合には、その取り扱いが特に容易であり、表示素子の組立も容易となる。さらに、本発明の表示媒体を用いた粒子移動型の表示素子は、表示のコントラストや表示スピードについても、従来品に比べて、遜色ない特性を有している。
本発明における移動粒子とは、正または負に帯電することで電界により空間内を移動する性質を示すものであり、具体的には、TiO2、BaSO4などの無機物粉体(あるいは顔料)や、有機物顔料などを用いることができる。移動粒子の色は特に限定されず、各色のものを使用することができる。移動粒子を構成する好適な材料として、以下に示す無機酸化物系の顔料が挙げられる。白色材料としては、TiO2、ZnO2、Al2O3、SiO2などの無機酸化物類、赤色材料としては、Cd−Se系酸化物類、黄色材料としては、Ti−Ba−Ni系酸化物類、青色材料としては、Co−Al系酸化物類や、フタロシアニンブルー等、緑色材料としては、Ti−Zn−Ni−Co系酸化物類や、フタロシアニングリーン等、黒色材料としては、Cu−Fe−Mn系酸化物類や、カーボンブラック等を挙げることができる。移動粒子の粒径は、0.01〜5μmの範囲内が好ましく、この程度の大きさであれば良好な粒子移動性と表示特性が得られる。
本発明の液体の分散媒は、水、アルコール系溶媒、各種エステル類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を単独又は適宜混合したものを使用することができる。分散媒の沸点は40℃〜120℃の範囲が好ましい。この範囲より沸点が高い場合は、気化工程における分散媒の気化が効率的でなく、沸点が低い場合は分散工程や塗工膜作製工程等において、分散媒が揮発するので好ましくない。分散媒としては、安全性および移動粒子との親和性から、水やアルコール系や炭化水素系溶媒(脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素)が好ましい。水以外の例としては、エタノール、プロパノール、ヘキサン、シクロヘキサン等があげられる。液体分散媒中に界面活性剤などを適量添加することもできる。
本発明の光または熱または放射線により硬化する樹脂とは、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、メラミンアクリレート系樹脂、アクリル樹脂、アクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、エポキシ樹脂が特に好ましく使用できる。また、これらの樹脂を混合して使用することもできる。
液体分散媒と移動粒子の好ましい重量比は、0.5:1〜10:0.1(移動粒子は各色ごと)である。移動粒子量が多すぎると粒子移動の障害になり、表示スピードの低下の原因となる。逆に移動粒子量が少なすぎると、表示コントラストが確保できない。
光または熱または放射線により硬化する樹脂の重量と、液体分散媒および移動粒子の合計重量との好ましい比は、0.2:1〜10:1である。光または熱または放射線により硬化する樹脂の量が少なすぎると十分な強度を有する隔壁を作製することができず、逆に多すぎると隔壁が多くなりすぎて良好な表示が確保できない。
分散媒と移動粒子と光または熱または放射線により硬化する樹脂を混合分散させる塗工液作製工程では、所定の固液比に調整された分散液を、ペイントシェーカー、サンドミル、パールミル、ボールミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、超音波分散機等によって混合分散処理する。
作製された塗工液は、基材上に塗布される(塗工膜作製工程)。塗布する方法としては、均一に塗布することができれば特に限定するものではないが、例えば、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングやフレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷手法を用いることができる。あるいは、ヘラや刷毛その他の道具を用いて気泡が入らないように、手作業で塗布することもできる。
塗工膜作製工程で用いる基材は、表面が平滑なシート状基材であればその材質や厚さは限定されるものではないが、厚さ50μm〜1mmのプラスチックシート基材を好適に用いることができる。材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等を例示することができる。なお、基材として、電極付き基板、特に実施例で用いているITOフィルムを用いることもできる。
塗工膜の硬化工程では、熱硬化性樹脂を用いた場合は恒温槽中で加熱され、光硬化性樹脂を用いた場合は紫外線照射装置、可視光照射装置、赤外線照射装置を用いる。加熱温度は、用いる熱硬化性樹脂によって適宜調整される。紫外線照射装置、可視光照射装置、赤外線照射装置の光源および照射量も、用いる樹脂によって適宜調整される。また、放射線硬化型の樹脂の場合は、電子線(EB)照射装置を用いる。これらの硬化過程で、熱あるいは光あるいは放射線で硬化する硬化性樹脂が硬化し、セルの隔壁が形成される。この硬化によって、自立性のシート状の表示媒体が作製される。ただし、自立性であることは本願発明の必須条件ではない。後で述べる透明電極や金属、あるいは実施例で用いているITOフィルムに直接塗工する場合など、自立性でなくてもよい。なお、上記硬化過程に用いられる装置は、例として挙げられているものであって、これらに限定されるものではない。
分散媒の気化工程では主に熱を使用し、恒温槽中で加熱される。加熱温度は用いる分散媒によって適宜調整される。同時に気流や真空ポンプなどで槽中の気圧を下げる手段を併用することもできる。上記の硬化工程でセル内に閉じ込められつつあった分散媒が気化する一方、移動粒子はセル内に残る。気化工程では、分散媒のほぼ全量が気化することが望ましいが、移動粒子の移動に問題ないレベルであれば分散媒が残ってもかまわない。この気化工程は上記硬化工程と同時に行われてもよく、別々に行なわれてもよい。また、硬化工程→気化工程→硬化工程のように、繰り返し行なわれる場合であっても構わず、作製するセルの形状や分散媒の種類によって適宜選択できる。なお、上記気化工程に用いられる装置は、例として挙げられているものであって、これらに限定されるものではない。
上記のようにして作製される本願発明のセル構造を模式的に図1に示す。図1は、シート状の表示媒体1の模式断面図である。2は隔壁であり、隔壁2に囲まれた領域はセル3であり、セル3中には移動粒子(図中の点状のもの)が存在する。シート状の表示媒体1の厚さは0.1〜2000μmの範囲が好ましく、1〜500μmであればさらに好ましい。表示媒体が薄すぎるとコントラストを表示しにくく、逆に厚すぎると隔壁の硬化阻害となり、隔壁の形成ができない。
また、隔壁2の厚さは0.05〜1000μmの範囲が好ましく、0.1〜500μmであればさらに好ましい。隔壁が薄すぎると隔壁の役目を果たせず自立性シートを作製することができず、厚すぎるとセルが相対的に小さくなるため、良好な表示が確保できない。また、厚さ方向に存在するセルの数は、図1中Aの位置で1個、Bの位置では3個であるが、この数は表示媒体のどの位置でも、1個であることが好ましい。セルの大きさや数、隔壁の厚さは、分散媒、移動粒子、および光または熱または放射線により硬化する樹脂の種類、量的な比率、および硬化条件をパラメータとして、コントロールすることが可能である。
例えば、セルの大きさは、主に、分散された液体分散媒および移動粒子の分散状態に依存する。したがって、使用する分散機の条件によってコントロールできる。一般には大きなセルを作るには、分散としては弱い力で分散させ、小さいセルを作るには、分散を強い力で行う。セルの数や隔壁の厚さは硬化性樹脂の比率に影響を受けやすく、セルを少なく、隔壁を厚くするためには硬化性樹脂の比率を多くする。一方、セルを多く、隔壁を薄くするためには硬化性樹脂の比率を少なくする。
図2は、本発明の表示媒体を用いた表示素子の一形態を示している。表示媒体1が、電極4を備えた基板5と、電極6を備えた基板7とに挟まれた構造になっている。2組の基板−電極の組み合わせのうち、少なくとも一組は透明である必要があり、透明基板上に透明電極が形成されている必要がある。また、多数の分割された表示要素を形成するためには、電極は多数に分割されている必要がある。この電極間に電圧が印加され、表示媒体中の移動粒子が物理的に移動することにより画像が表示される。電極間に電圧を印加し、電界を発生させる電界印加手段としては、市販の電圧印加装置を用いることができる。また、矩形波やパルス波の印加には、ファンクションジェネレータを併用すればよい。印加電圧としては1〜10000V、好ましくは5〜3000Vである。電圧が低い場合、移動粒子の移動が遅くなったり、移動しなかったりする。逆に電圧が高い場合、電源ユニットが大きくなり、省スペース用途に用いることが困難になる。
本発明の基板材料としては、ガラス以外に各種樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン、ポリプロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体または共重合体等のポリオレフィン(PO)樹脂、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、フッ素系樹脂等を用いる事ができる。基板の厚みは100μm〜数mm程度である。また、透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)樹脂などが好ましい。
透明電極層としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物が用いられる。透明電極の作製法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、CVD法、プラズマCVD法等の中から適宜選択すればよい。透明電極のパターニングは、フォトリソグラフィーによる化学的エッチング法、レーザー等による物理的エッチング法、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等により行うことができる。透明性を有しない電極材料には、金、銀、アルミニウムなどの金属を用いることができる。
本実施例の表示媒体の作製に用いた原料は下記のとおりである。
・UV硬化樹脂エポキシ樹脂(商品名:KR−695A、旭電化工業社製)65wt%
・分散媒(脂肪族/脂環式炭化水素混合物、商品名:エクソールDSP80/110、エクソン社製)26wt%
・酸化チタン(白移動粒子、商品名:JR−800S、テイカ社製)2wt%
・表面処理カーボン(黒移動粒子)2wt%
・乳化安定剤(商品名:SDX−2536、旭電化工業社製)5wt%
・UV硬化樹脂エポキシ樹脂(商品名:KR−695A、旭電化工業社製)65wt%
・分散媒(脂肪族/脂環式炭化水素混合物、商品名:エクソールDSP80/110、エクソン社製)26wt%
・酸化チタン(白移動粒子、商品名:JR−800S、テイカ社製)2wt%
・表面処理カーボン(黒移動粒子)2wt%
・乳化安定剤(商品名:SDX−2536、旭電化工業社製)5wt%
上記の原料をペイントシェーカー(商品名:レッドデビル5400)で5分攪拌して塗料とした後、フィルムコーター(商品名:PI−1210、テスター産業社製)のアプリケーターのギャップを200μmに調整し、上記の塗料を100μmギャップでPET上に塗工した。塗工後すぐに100℃に調整したホットプレート(商品名:ULTLA HOT PLATE HIS−500 iuch社製)上でUV照射装置(商品名:SOPT LIGHT SOURCE MODEL2859−01、浜松フォトニクス社製)で、窒素気流下、紫外線(照射強度は20mw/cm2)を10分間照射した。それによって、エポキシ樹脂が硬化するとともに、分散媒が気化した。後乾燥は行わなかった。
この膜(表示媒体)は自立性があるため、PETから容易に剥離された。作製された表示媒体の写真を図3に示す。図3から明らかなように、隔壁と該隔壁で隔てられたセルからなり、該セル内に移動粒子を含有する構造体(図1の構造体に当るもの)が形成されていることが確認された。
上記により作製された表示媒体をITOフィルム(ITOはPET(トービ社製)を基板とし、13±2Ω/cm2(四端子法測定による)の抵抗をもったもの)に挟み、市販のファンクションジェネレータとアンプを用い、1000V5秒間のパルス電圧を印加した。そのまま5秒経過後、5秒間1000Vの逆向きのパルス電圧を印加し、これを繰り返し行なった。ITO面を上部から観察し、電圧を印加してから白変もしくは黒変するまでの時間をビデオ撮影により計測した。その後、ビデオのコマ数と変色までの時間を換算することで反応時間を算出することができる。上記作製サンプルについて、反応時間は0.3秒であった。以上の実験により、表示素子として機能することが確認された。なお、白黒表示のコントラスト比は1:8であり、反応時間、コントラスト比とも、従来の粒子移動型表示素子と同等であった。
本実施例で述べたように、光硬化性の樹脂と移動粒子と分散媒からなる塗工膜に光を照射し、かつ分散媒を気化させることによって、移動粒子の漏れ出しが起こることなくセルのシールが可能となり、従来の粒子移動型表示素子と同等の表示特性を有する表示媒体を容易に、歩留りよく製造することができた。
本実施例で述べたように、光硬化性の樹脂と移動粒子と分散媒からなる塗工膜に光を照射し、かつ分散媒を気化させることによって、移動粒子の漏れ出しが起こることなくセルのシールが可能となり、従来の粒子移動型表示素子と同等の表示特性を有する表示媒体を容易に、歩留りよく製造することができた。
1 表示媒体
2 隔壁
3 セル
4 電極
5 基板
6 電極
7 基板
2 隔壁
3 セル
4 電極
5 基板
6 電極
7 基板
Claims (6)
- 隔壁と、該隔壁で隔てられたセルとを備え、該セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体の製造方法であって、少なくとも移動粒子と、該移動粒子を分散させる分散媒と、光または熱または放射線により硬化する樹脂とを混合分散させる塗工液作製工程と、該塗工液を基材上に塗布する塗工膜作製工程と、該塗工膜に光または放射線を照射あるいは熱を加えることにより塗工膜を硬化させる硬化工程と、該分散媒を気化させる気化工程とを有することを特徴とする表示媒体の製造方法。
- 前記分散媒の沸点が40℃〜120℃であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体の製造方法。
- 隔壁と、該隔壁で隔てられたセルとを備え、該セル内に少なくとも移動粒子を含有する表示媒体であって、該隔壁が光または熱または放射線により硬化する樹脂の硬化物からなることを特徴とする表示媒体。
- 前記表示媒体が自立性のシート状であることを特徴とする請求項3に記載の表示媒体。
- 前記光または熱または放射線により硬化する樹脂がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の表示媒体。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の表示媒体の両面に、少なくとも片方が透明である電極を介して基板が配設されており、該表示媒体に一様な電界を印加する電界印加手段を有することを特徴とする表示素子。
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