JP2007162599A - ポンプ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】定格ポンプの過負荷を防ぐことができ、可変速ポンプを有効利用することで省エネルギー化を図ることができるポンプ制御システムを提供する。
【解決手段】コントローラ24は、負荷に応じたポンプユニット23の目標運転圧力および定速ポンプ29の負荷限界を示す最低運転圧力を記憶する圧力記憶手段、ポンプユニット23の運転圧力を検出する圧力検出手段、ポンプユニット23の運転圧力を目標運転圧力に保持する圧力保持手段、可変速ポンプ28および定速ポンプ29の運転中にポンプユニット23の運転圧力が最低運転圧力以上となるように、可変速ポンプ28の出力を調節する第1出力調節手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変速ポンプと定速ポンプとから形成されたポンプユニットをコントローラを介して制御するポンプ制御システムに関する。
負荷設備で熱交換された水を還送ヘッダから熱源設備へ送るとともに、熱源設備で作られた温水または冷水を第1送出ヘッダへ送る一次送水ポンプユニットと、温水または冷水を第1送出ヘッダから第2送出ヘッダを通して負荷設備へ送る二次送水ポンプユニットとを有する空調設備がある(特許文献1参照)。二次送水ポンプユニットは、インバータが装着された複数台の可変速ポンプから形成されている。一般的に、インバータ付き可変速ポンプは、定速ポンプと比較して価格が高く、二次送水ポンプユニットを複数台のインバータ付き可変速ポンプから形成することは初期の設備投資額が非常に大きくなる。したがって、可変速ポンプを使用することによる省エネルギー効果があったとしても、それによる経済的な効果は高額な初期の設備投資費用によって滅失されてしまう。初期の設備投資額を押さえるために、二次送水ポンプユニットを1台のインバータ付き可変速ポンプと複数台の定速ポンプとから形成することが考えられる。
特開2000−257938号公報
しかし、1台のインバータ付き可変速ポンプと複数台の定速ポンプとから形成された二次送水ポンプユニットでは、定速ポンプの運転中に可変速ポンプが低速運転された場合、空調設備全体の送水圧力が下がることから、定速ポンプのモータにその定格負荷以上の負荷がかかり、定速ポンプのモータが過負荷となってポンプの故障につながる場合がある。したがって、このような二次送水ポンプユニットでは、定速ポンプのモータの過負荷を防ぐため、インバータ付き可変速ポンプに吐出圧一定制御等の制御を行うことで可変速ポンプを必要以上の出力で運転することになり、可変速ポンプを有効に利用することができず、可変速ポンプによる空調設備の省エネルギー化を図ることができない。
本発明の目的は、定格ポンプの過負荷を防ぐことができ、可変速ポンプを有効利用することで省エネルギー化を図ることができるポンプ制御システムを提供することにある。
本発明は、負荷の変動に応じて出力変更可能な少なくとも1台の可変速ポンプおよび定出力で運転される少なくとも1台の定速ポンプから形成されたポンプユニットと、ポンプユニットを制御するコントローラとを備えたポンプ制御システムであり、コントローラが、負荷に応じたポンプユニットの目標運転圧力および定速ポンプの負荷限界を示す最低運転圧力を記憶する圧力記憶手段と、ポンプユニットの運転圧力を検出する圧力検出手段と、ポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に保持する圧力保持手段と、可変速ポンプおよび定速ポンプの運転中にポンプユニットの運転圧力が最低運転圧力以上となるように、可変速ポンプの出力を調節する第1出力調節手段とを有する。
本発明の一例としては、コントローラが負荷の増減にともなって可変速ポンプと定速ポンプとのうちの少なくとも該定速ポンプを起動または停止させる台数制御手段を有する。
本発明の他の一例として、第1出力調節手段は、2台以上の定速ポンプの運転中に、ポンプユニットの運転圧力が運転中の定速ポンプのうちの最も高い最低運転圧力以上となるように、可変速ポンプの出力を調節する。
本発明の他の一例として、コントローラは、定速ポンプの起動直後に、運転中の可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、可変速ポンプの出力を次第に減少させてポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に一致させる第2出力調節手段を有する。
本発明の他の一例として、コントローラは、運転中の定速ポンプのうちのいずれかが停止した直後に、運転中の可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、その後、可変速ポンプの出力を次第に減少させてポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に一致させる第3出力調節手段を有する。
本発明の他の一例としては、可変速ポンプの出力制御が、インバータを介して行われる。
本発明にかかるポンプ制御システムによれば、可変速ポンプおよび定速ポンプの運転中に、ポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に保持しつつ、ポンプユニットの運転圧力が定速ポンプの最低運転圧力以上となるようにコントローラが可変速ポンプの出力を調節するから、定格ポンプのモータの過負荷を防ぐことができ、定速ポンプの故障を防ぐことができる。システムは、負荷の程度によって、定速ポンプの最低運転圧力以上の範囲でポンプユニットの目標運転圧力を下げることができ、可変速ポンプを必要以上の高い出力で継続運転することなくポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に保持することができる。このシステムは、その稼働中に可変速ポンプの出力を押さえることができ、可変速ポンプを有効利用することでシステムの省エネルギー化を図ることができる。
コントローラが負荷の増減にともなって可変速ポンプと定速ポンプとのうちの少なくとも定速ポンプを起動または停止させるポンプ制御システムは、負荷が増加するとコントローラがポンプを起動させるから、ポンプユニットの運転圧力が目標運転圧力未満になることはない。このシステムは、負荷が減少するとコントローラがポンプを停止させるから、ポンプの不必要な運転を防いでシステムの省エネルギー化を確実に図ることができる。
2台以上の定速ポンプの運転中に、ポンプユニットの運転圧力がそれら定速ポンプのうちの最も高い最低運転圧力以上となるように、コントローラが可変速ポンプの出力を調節するポンプ制御システムは、ポンプユニットの運転圧力が常にそれら定速ポンプのうちの最も高い最低運転圧力以上となるから、運転中のそれら定速ポンプのモータの全てが過負荷になることはなく、それら定速ポンプの故障を確実に防ぐことができる。
定速ポンプの起動直後に、運転中の可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、ポンプユニットの運転圧力が目標運転圧力となるように、可変速ポンプの出力を次第に減少させるポンプ制御システムは、定速ポンプの起動時に、ポンプユニットの運転圧力が変動したとしても、コントローラが可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、可変速ポンプの出力を次第に減少させてポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に一致させるから、ポンプユニットの運転圧力が定速ポンプの最低運転圧力未満になることを防ぐことができる。このシステムは、定速ポンプの起動直後に定速ポンプのモータが過負荷で運転されることはなく、起動時における定速ポンプの故障を防ぐことができる。
運転中の定速ポンプのうちのいずれかが停止した直後に、運転中の可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、ポンプユニットの運転圧力が目標運転圧力となるように、可変速ポンプの出力を次第に減少させるポンプ制御システムは、定速ポンプのうちのいずれかの停止によってポンプユニットの運転圧力が低下したとしても、可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させるから、ポンプユニットの運転圧力が目標運転圧力未満となることを防ぐことができる。このシステムは、可変速ポンプの出力を次第に減少させてポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に一致させるから、負荷の程度によっては可変速ポンプを最大出力で継続運転することなくポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に保持することができ、可変速ポンプの出力を押さえることでシステムの省エネルギー化を図ることができる。
可変速ポンプの出力制御がインバータを介して行われるポンプ制御システムは、可変速ポンプの出力制御を円滑に行うことができ、負荷の変動にともなってポンプユニットの運転圧力が変動したとしても、ポンプユニットの運転圧力を目標運転圧力に速やかに復帰させることができる。
添付の図面を参照し、本発明に係るポンプ制御システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、この実施の形態では、ポンプ制御システムが空調設備に利用された場合を例に説明する。図1は、ポンプ制御システム18を備えた一例として示す空調設備10の概略構成図である。図1では一次送水ポンプ14や冷温水発生装置15、空調機19を1台のみ図示しているが、実際の空調設備10では複数台の一次送水ポンプ14や複数台の冷温水発生装置15、各室に設置される複数台の空調機19が存在する。
空調設備10は、図1に一点鎖線で区画された熱源設備11と負荷設備12とから形成されている。それら設備11,12は、管路13を介して連結されている。空調設備10には、配線(図示せず)を介して所定の電力が供給されている。熱源設備11は、一次送水ポンプ14と、温水または冷水を作る冷温水発生装置15とから形成されている。一次送水ポンプ14と冷温水発生装置15とは、管路13を介して連結されている。負荷設備12は、温水または冷水を各負荷設備12に分配する第1送水ヘッダ16および第2送水ヘッダ17と、二点鎖線で区画されたポンプ制御システム18と、空調機19(冷暖房機)および流量調節弁20と、熱交換後の水を熱源設備11に戻す還水ヘッダ21とから形成されている。それらは、管路13を介して連結されている。第2送水ヘッダ17と還水ヘッダ21とは、バイパス管22を介して連結されている。ポンプ制御システム18は、第1および第2送水ヘッダ16,17の間に位置するポンプユニット23と、ポンプユニット23を制御するコントローラ24とから形成されている。第2送水ヘッダ17と空調機19との間に延びる管路13には、ポンプユニット23の運転圧力を測定する圧力計25が取り付けられている。流量調節弁20と還水ヘッダ21との間に延びる管路13には、管路13を流れる水の流量を測定する流量計26が取り付けられている。圧力計25と流量計26とは、インタフェイス27を介してコントローラ24に接続されている。
冷温水発生装置15で作られた温水または冷水は、第1送水ヘッダ16に送られた後、ポンプユニット23を通って第2送水ヘッダ17へ送られ、さらに、送水ヘッダ17から空調機19へ送られる。暖房に使用される温水は空調機19で熱交換されてその温度が低下して水に戻り、冷房に使用される冷水は空調機19で熱交換されてその温度が上昇して水に戻る。空調機19で熱交換された後の水は、還水ヘッダ21を通って再び冷温水発生装置15へ送られる。この空調設備10における温水または冷水や熱交換後の水の強制的な循環は、一次送水ポンプ14およびポンプユニット23によって行われる。ここで、一次送水ポンプ14によって送り出される温水または冷水の流量とポンプユニット23によって送り出される温水または冷水の流量とが同一であると、バイパス管22の流量は0となる。これに対し、一次送水ポンプ14によって送り出される冷水または温水の流量がポンプユニット23によって送り出される温水または冷水の流量よりも大きいと、送水ヘッダ17から還水ヘッダ21へ向かってバイパス管22を温水または冷水が流れる。一方、ポンプユニット23によって送り出される温水または冷水の流量が一次送水ポンプ14によって送り出される温水または冷水の流量よりも大きいと、還水ヘッダ21から送水ヘッダ17へ向かってバイパス管22を熱交換後の水が流れる。
暖房における流量調節弁20の働きは、空調機19を設置した室の温度が設定値よりも下がると、弁機構を開いて温水の流量を増加させ、逆に室の温度が設定値の範囲内になり、あるいは、室の温度が設定値よりも上がると、弁機構を絞って温水の流量を減少させる。また、冷房における流量調節弁の働きは、室の温度が設定値の範囲内になり、あるいは、室の温度が設定値よりも下がると、弁機構を絞って冷水の流量を減少させ、逆に室の温度が設定値よりも上がると、弁機構を開いて冷水の流量を増加させる。
ポンプユニット23は、負荷変動に応じて出力変更可能な1台の可変速ポンプ28と、定出力で運転される3台の定速ポンプ29とから形成されている。ただし、それらポンプ28,29の台数に特に限定はなく、ポンプユニット23が少なくとも1台の可変速ポンプ28と少なくとも1台の定速ポンプ29とから形成されていればよい。また、それらポンプ28,29の容量についても特に限定はなく、各ポンプ28,29の容量が同一であってもよく、各ポンプ28,29の容量が異なっていてもよい。ポンプ28,29は、ヘッダ16,17の間に配置されて並列に並び、管路13を介してそれらヘッダ16,17に連結されている。可変速ポンプ28には、インバータ30が装着されている。可変速ポンプ28は、インバータ30を介してその出力制御(回転数制御)が行われる。各ポンプ28,29とインバータ30とは、インタフェイス31を介してコントローラ24に接続されている。第1および第2送水ヘッダ16,17の間には、それらポンプ28,29の他に、管路13を介してヘッダ16,17に連結された逃がし弁32が配置されている。逃がし弁32は、温水または冷水が必要以上にヘッダ16からヘッダ17へ送られた場合、温水または冷水をヘッダ17からヘッダ16へ戻し、ヘッダ16,17間に流れる温水または冷水を適量に保持する。
インバータ30の一例としては、図示はしていないが、コンバータ部、平滑回路部、インバータ部、制御回路から形成され、交流を直流に変換した後、直流を半導体素子のスイッチングによって再び交流に逆変換する。半導体素子のスイッチング間隔を調節することによって任意の周波数を得ることができる。インバータ30は、電圧型インバータや電流型インバータのいずれでもよく、その制御方式もPAM制御やPWM制御のいずれでもよい。
コントローラ24は、中央処理部(CPU)とメモリとを有するパーソナルコンピュータであり、大容量ハードディスクが搭載されている。コントローラ24には、図示はしていないが、キーボードやスキャナ、ディスプレイ、プリンタ等の入出力デバイスが接続されている。メモリは、ポンプ制御システム18の各手段を実行するためのプログラムが格納された命令ファイルと、各データを記憶する内部アドレスファイルとを有する。中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、命令ファイルに格納されたプログラムを起動し、プログラムに従ってこのポンプ制御システム18における各手段を実行する。メモリの内部アドレスファイルには、ポンプユニット23を形成する各ポンプ28,29の定格出力や定格トルク、ポンプの最低運転圧力等の特性値、ポンプユニット23の目標運転圧力等の各データが格納される。
図2は、ポンプ制御システム18における制御手順(プロセス)の一例を示すフローチャートである。図3は、1台の可変速ポンプ28と1台の定速ポンプ29とを平行運転した場合の特性を示す特性線図の一例である。図3では、縦軸に圧力(kPa)を表示し、横軸に温水または冷水の流量(L/min)を表示している。曲線L1は、可変速ポンプ28(100%出力)と定速ポンプ29とを平行運転した場合の合成特性曲線であり、曲線L2は、可変速ポンプ28(90%出力)と定速ポンプ29とを平行運転した場合の合成特性曲線である。曲線L3は、可変速ポンプ28(80%出力)と定速ポンプ29とを平行運転した場合の合成特性曲線である。線L4は、定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)を示す線分であり、線L5は、目標運転圧力(Pset)を示す線分である。図3の特性線図に示すように、ポンプ28,29の定格出力が決まれば、温水または冷水の流量と圧力との相関関係によって流量に対するそのポンプ28,29の必要な運転圧力(kPa)が決まる。なお、図示はしていないが、複数台の可変速ポンプ28と複数台の定速ポンプ29とを平行運転した場合でも、各ポンプ28,29の運転圧力が曲線を画く特性線図で示される。
空調設備10が稼動すると、送水ポンプ14や冷温水発生装置15、空調機19、流量調節弁20、ポンプユニット23、コントローラ24、圧力計25、流量計26、逃がし弁32が起動する。空調設備10では、送水ポンプ14およびポンプユニット23によって温水または冷水が負荷設備12へ送られ、熱交換後の水が再び熱源設備11に戻り、温水や冷水、熱交換後の水が管路13を介して熱源設備11と負荷設備12とを循環する。空調設備10が稼働すると、コントローラ24は、圧力計25にポンプユニット23の運転圧力を測定する指令を出力するとともに、流量計26に配水管13を流れる水の流量を測定する指令を出力する。圧力計25が測定したポンプユニット23の運転圧力は、圧力計25からコントローラ24に入力される。流量計26が測定した管路13の水の流量は、流量計26からコントローラ24に入力される。コントローラ24は、圧力計25を介してポンプユニット23の運転圧力を時系列で検出し(圧力検出手段)、流量計26を介して管路13の水の流量を時系列で検出する(流量検出手段)。
コントローラ24は、負荷(温水または冷水の流量)に応じたポンプユニット23の算出目標運転圧力(Pcas)を計算し、計算した目標運転圧力(Pcas)をメモリの内部アドレスファイルに格納する(圧力記憶手段)。具体的には、流量計26によって測定された測定値を内部アドレスファイルに格納された所定の計算式に代入することで算出目標運転圧力(Pcas)を計算する。ただし、コントローラ24は、空調設備10の仮想負荷に応じて算出目標運転圧力(Pcas)を事前に計算し、負荷に応じた多数の目標運転圧力(Pcas)を内部アドレスファイルにあらかじめ格納することもできる。
コントローラ23は、複数の特性線図をメモリの内部アドレスファイルに格納し、流量(L/min)と圧力(kPa)とによって定まるそれら定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)を内部アドレスファイルに格納している(圧力記憶手段)。ここで、最低運転圧力(Pmin)とは、図3に線L4で示すように、定速ポンプ29が過負荷になるかならないかの境界値(負荷限界)である。ポンプ29の運転圧力が最低運転圧力(Pmin)未満になると、ポンプ29のモータが過負荷となってポンプ29が故障する場合がある。コントローラ24は、算出目標運転圧力(Pcas)や最低運転圧力(Pmin)、特性線図をディスプレイに表示させる。コントローラ24では、キーボードやスキャナを介して特性線図を随時追加、消去することができ、さらに、キーボードを介して算出目標運転圧力(Pcas)や最低運転圧力(Pmin)を随時追加、変更、消去することができる。
コントローラ24は、流量計26からの測定値に基づいて空調設備10の負荷(水の流量)の増減を判断し、それによって定速ポンプ29の増段、減段を判断する(台数制御手段)。ここで、定速ポンプ29の増段とは停止中のポンプ29を起動させることをいい、定速ポンプ29の減段とは稼動中のポンプ29を停止させることをいう。コントローラ24は、空調設備10の負荷が小さい場合(暖房中や冷房中における室温と目標温度との間の差が小さく、温水や冷水の流量が少ない場合)、可変速ポンプ28のみで負荷を負担できると判断すると、定速ポンプ29を起動することなく、可変速ポンプ28のみを継続して稼動させる。このとき、全ての定速ポンプ29は停止している。
コントローラ24は、可変速ポンプ28の運転中に空調設備10の負荷(水の流量)が増加すると、定速ポンプ29を起動させる。逆に、可変速ポンプ28と定速ポンプ29との運転中に負荷が減少すると、定速ポンプ29を停止させる。具体的には、可変速ポンプ28の運転中に負荷が増加し(暖房中や冷房中における室温と目標温度との間の差が大きくなり、温水や冷水の流量を多くする場合)、可変速ポンプ29のみで負荷を負担できないと判断すると、コントローラ24は定速ポンプ29を1台ずつ順次または複数台のポンプ29を一度に起動させる。一方、可変速ポンプ28と定速ポンプ29との運転中に負荷が減少し(暖房中や冷房中における室温と目標温度との間の差が小さくなり、温水や冷水の流量を少なくする場合)、定速ポンプ29の分担が無くなったと判断すると、コントローラ24は運転中の定速ポンプ29を1台ずつ順次または複数台のポンプ29を一度に停止させる。
図2のフローチャートに基づいて、コントローラ24が実行する各手段の一例を説明すると、以下のとおりである。空調設備10が稼動すると、コントローラ24は、空調設備10の負荷(水の流量)に応じたポンプユニット23の算出目標運転圧力(Pcas)を設定する(S−1)。算出目標運転圧力(Pcas)を設定した後、コントローラ24は、流量計26から入力される測定値(管路13を流れる水の流量)に基づいて空調設備10の負荷(水の流量)の変動を判断し、それによって定速ポンプ29の増減段が必要かを判断する(台数制御手段)(S−2)。
ステップ2(S−2)においてコントローラ24は、定速ポンプ29の増減段が必要であると判断すると、ポンプ29を増段するかまたはポンプ29を減段するかを判断する(S−3)。コントローラ24は、空調設備10の負荷が減少して定速ポンプ29の稼動が不必要であると判断すると、ポンプ29の減段を選択し、稼働中のポンプ29を停止させる(S−4)。停止させるポンプ29の台数は、負荷の減少量によってコントローラ24が決定する。コントローラ24は、空調設備10の負荷が増加して定速ポンプ29を起動させる必要があると判断すると、ポンプ29の増段を選択し、停止中のポンプ29を起動させる(S−5)。起動させるポンプ29の台数は、負荷の増加量によってコントローラ24が決定する。コントローラ24は、ステップ4(S−4)においてポンプ29を停止(減段)させた後、現在稼動している定格ポンプ29の台数が0台かまたは1台以上かを判断する(S−6)。また、ステップ2(S−2)においてコントローラ24は、定速ポンプ29の増減段が必要ないと判断すると、ステップ6(S−6)に進んで現在稼動している定格ポンプ29の台数が0台かまたは1台以上かを判断する(S−6)。
ステップ6(S−6)においてコントローラ24は、稼働中の定格ポンプ29の台数が0台(可変速ポンプ28のみが稼動している状態)であると判断すると、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を算出目標運転圧力(Pcas)と同一とする(S−7)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P1)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に一致させる(S−8)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に一致させると、そのときの運転圧力(P1)を維持し、運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−9)。
一方、ステップ6(S−6)においてコントローラ24が稼働中の定格ポンプ29の台数が1台以上(可変速ポンプ28の他に定速ポンプ29が稼動している状態)であると判断した場合、または、コントローラ24がステップ5(S−5)においてポンプ29を起動(増段)させた場合、コントローラ24は、計算した算出目標運転圧力(Pcas)と内部アドレスファイルに格納した定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)とを比較し、目標運転圧力(Pcas)が定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上かを判断する(S−10)。
算出目標運転圧力(Pcas)が最低運転圧力(Pmin)以上であると判断すると、コントローラ24は、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を算出目標運転圧力(Pcas)と同一とする(S−11)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P2)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pcas)に一致させる(S−12)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pcas)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−9)。
ステップ10(S−10)において算出目標運転圧力(Pcas)が定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)未満であると判断すると、コントローラ24は、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)と同一とする(S−13)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P2)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させる(S−14)。ここで、コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が負荷の変動に対して常に定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上となるように、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させる(第1出力調節手段)(S−14)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−9)。
なお、2台以上の定速ポンプ29が稼動している場合、コントローラ24は、ポンプユニット23の目標運転圧力(Pset)をそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)と同一とし(S−13)、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させる(第1出力調節手段)(S−14)。ここで、コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が負荷の変動に対して常にそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)以上となるように、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節する。この場合もコントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−9)。
なお、図示はしていないが、コントローラ24は、システム18を停止させるかをディスプレイの一部に表示する。システム18の停止を選択すると、空調設備10の電源が切れ、設備10とともにシステム18が停止する。システム18の継続を選択すると、空調設備10やシステム18が継続して稼動し、コントローラ24がステップ1(S−1)に戻ってポンプユニット23の算出目標運転圧力(Pcas)を設定しつつ、ステップ2(S−2)以降のプロセスを再び実行する。
ポンプ制御システム18は、可変速ポンプ28および定速ポンプ29の運転中にポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に一致させ、かつ、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上となるように、コントローラ24がインバータ30を介して可変速ポンプ28の出力を調節するから、定格ポンプ29のモータの過負荷を防ぐことができ、定速ポンプ29の故障を防ぐことができる。システム18は、負荷の程度によって、定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上の範囲でポンプユニット23の目標運転圧力(Pset)を下げることができ、可変速ポンプ28を必要以上の高い出力で継続運転することなくポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持することができる。ゆえに、可変速ポンプ29の出力を押さえることができ、可変速ポンプ29を有効利用することでシステム18自体や空調設備10の省エネルギー化を図ることができる。
このシステム18は、2台以上の定速ポンプ29の運転中に、ポンプユニット23の運転圧力(P2)がそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)以上となるように、コントローラ24がインバータ30を制御して可変速ポンプ29の出力を調節するから、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が常にそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)以上となり、運転中のそれら定速ポンプ29のモータの全てが過負荷になることはなく、それら定速ポンプ29の故障を確実に防ぐことができる。システム18は、空調設備10の負荷(水の流量)が増加するとコントローラ24が定速ポンプ29を起動させるから、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が目標運転圧力(Pset)未満になることはない。システム18は、空調設備10の負荷(水の流量)が減少するとコントローラ24が定速ポンプ29を停止させるから、ポンプ29の不必要な運転を防いでシステム18や空調設備10の省エネルギー化を確実に図ることができる。
図4は、ポンプ制御システム18における制御手順(プロセス)の他の一例を示すフローチャートである。図4に基づいて、コントローラ24が実行する各手段の他の一例を説明すると、以下のとおりである。空調設備10が稼動すると、コントローラ24は、空調設備10の負荷(水の流量)に応じたポンプユニット23の算出目標運転圧力(Pcas)を設定する(S−20)。算出目標運転圧力(Pcas)を設定した後、コントローラ24は、流量計26から入力される測定値(管路13を流れる水の流量)に基づいて空調設備10の負荷(水の流量)の変動を判断し、それによって定速ポンプ29の増減段が必要かを判断する(台数制御手段)(S−21)。ステップ21(S−21)においてコントローラ24は、定速ポンプ29の増減段が必要であると判断すると、ポンプ29を増段するかまたはポンプ29を減段するかを判断する(S−22)。
コントローラ24は、空調設備10の負荷が減少して定速ポンプ29の稼動が不必要であると判断すると、ポンプ29の減段を選択し、稼働中のポンプ29を停止させる(S−23)。停止させるポンプ29の台数は、負荷の減少量によってコントローラ24が決定する。複数台の定速ポンプ29が稼動していた場合や1台のみの定速ポンプ29が稼動していた場合であって、コントローラ24が定速ポンプ29の全てを停止させると、コントローラ24は、その直後、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を最大出力(所定出力)にいったん上昇させる(S−24)。また、複数の定速ポンプ29が稼動している場合であって、コントローラ24が全ての定速ポンプ29を停止させずに、それら定速ポンプ29のうちの何台かを停止させると、コントローラ24は、その直後、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を最大出力(所定出力)にいったん上昇させる(S−24)。
コントローラ24は、空調設備10の負荷が増加して定速ポンプ29を起動させる必要があると判断すると、ポンプ29の増段を選択し、停止中のポンプ29を起動させる(S−25)。起動させるポンプ29の台数は、負荷の増加量によってコントローラ24が決定する。コントローラ24は、1台または複数台の定速ポンプ29を起動させた直後に、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を最大出力(所定出力)にいったん上昇させる(S−26)。
コントローラ24は、ステップ23(S−23)においてポンプ29を停止(減段)させた後、現在稼動している定格ポンプ29の台数が0台かまたは1台以上かを判断する(S−27)。また、ステップ21(S−21)においてコントローラ24は、定速ポンプ29の増減段が必要ないと判断すると、ステップ27(S−27)に進んで現在稼動している定格ポンプ29の台数が0台かまたは1台以上かを判断する(S−27)。
ステップ27(S−27)においてコントローラ24は、稼働中の定格ポンプ29の台数が0台(可変速ポンプ28のみが稼動している状態)であると判断すると、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を算出目標運転圧力(Pcas)と同一とする(S−28)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P1)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節し、ポンプユニット23の運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に一致させる(S−29)(第1出力調節手段)。なお、定速ポンプ29を停止(減段)させた後においてコントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P1)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して最大出力に上昇させた可変速ポンプ28の出力を次第に下げ、ポンプユニット23の運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に一致させる(S−29)(第3出力調節手段)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset=Pcas)に一致させると、そのときの運転圧力(P1)を維持し、運転圧力(P1)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−30)。
ステップ27(S−27)においてコントローラ24が稼働中の定格ポンプ29の台数が1台以上(可変速ポンプ28の他に定速ポンプ29が稼動している状態)であると判断した場合、または、コントローラ24がステップ25(S−25)においてポンプ29を起動(増段)させた場合、コントローラ24は、計算した算出目標運転圧力(Pcas)と内部アドレスファイルに格納した定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)とを比較し、目標運転圧力(Pcas)が定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上かを判断する(S−31)。
算出目標運転圧力(Pcas)が最低運転圧力(Pmin)以上であると判断すると、コントローラ24は、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を算出目標運転圧力(Pcas)と同一とする(S−32)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P2)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して最大出力に上昇させた可変速ポンプ28の出力を次第に下げ、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pcas)に一致させる(S−33)(第2出力調節手段)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pcas)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−30)。
ステップ31(S−31)において算出目標運転圧力(Pcas)が定格ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)未満であると判断すると、コントローラ24は、ポンプユニット23の実際の目標運転圧力(Pset)を定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)と同一とする(S−34)。コントローラ24は、圧力計25が検出したポンプユニット23の運転圧力(P2)と設定した目標運転圧力(Pset)とを比較しつつ、インバータ30を制御して最大出力に上昇させた可変速ポンプ28の出力を次第に下げ、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させる(S−35)(第2出力調節手段)。ここで、コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が負荷の変動に対して常に定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)以上となるように、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節する(第1出力調節手段)。コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−30)。
なお、2台以上の定速ポンプ29が稼動している場合、コントローラ24は、ポンプユニット23の目標運転圧力(Pset)をそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)と同一とし(S−34)、インバータ30を制御して最大出力に上昇させた可変速ポンプ28の出力を次第に下げ、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させる(第1および第2出力調節手段)(S−35)。ここで、コントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が負荷の変動に対して常にそれら定速ポンプ29のうちの最も高い最低運転圧力(Pmin)以上となるように、インバータ30を制御して可変速ポンプ28の出力を調節する。この場合もコントローラ24は、ポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset=Pmin)に一致させると、そのときの運転圧力(P2)を維持し、運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に保持する(圧力保持手段)(S−30)。
コントローラ24は、システム18を停止させるかをディスプレイの一部に表示する。システム18の停止を選択すると、空調設備10の電源が切れ、設備10とともにシステム18が停止する。システム18の継続を選択すると、空調設備10やシステム18が継続して稼動し、コントローラ24がステップ20(S−20)に戻ってポンプユニット23の算出目標運転圧力(Pcas)を設定しつつ、ステップ21(S−21)以降のプロセスを再び実行する。
図4のフローチャートの制御手順を実行するポンプ制御システム18は、図2のフローチャートの制御手順を実行するシステム18が有する効果に加え、以下の効果を有する。システム18は、定速ポンプ29の起動直後、インバータ30を制御して運転中の可変速ポンプ28の出力を最大出力に上昇させ、その後、可変速ポンプ29の出力を次第に減少させてポンプユニット23の運転圧力(P2)を目標運転圧力(Pset)に一致させるから、定速ポンプ29の起動時に、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が変動したとしても、ポンプユニット23の運転圧力(P2)が定速ポンプ29の最低運転圧力(Pmin)未満になることを防ぐことができる。このシステム18は、定速ポンプ29の起動直後に定速ポンプ29のモータが過負荷で運転されることはなく、起動時における定速ポンプ29の故障を防ぐことができる。
システム18は、運転中の定速ポンプ29のうちのいずれかが停止した直後、インバータ30を制御して運転中の可変速ポンプ28の出力を最大出力に上昇させ、その後、可変速ポンプ28の出力を次第に減少させてポンプユニット23の運転圧力(P1、P2)を目標運転圧力(Pcas、Pset)に一致させるから、定速ポンプ29の停止によってポンプユニット23の運転圧力(P1、P2)が低下したとしても、ポンプユニット23の運転圧力(P1、P2)が目標運転圧力(Pmin)未満となることを防ぐことができる。このシステム18は、可変速ポンプ28の出力を次第に減少させてポンプユニット23の運転圧力(P1、P2)を目標運転圧力(Pcas、Pset)に一致させるから、負荷の程度によっては可変速ポンプ29を必要以上の高い出力で継続運転することなくポンプユニット23の運転圧力(P1、P2)を目標運転圧力(Pcas、Pset)に保持することができ、可変速ポンプ29の出力を押さえることでシステム18や空調設備10の省エネルギー化を図ることができる。
システム18では、ポンプユニット23が複数台の可変速ポンプ28と複数台の定速ポンプ29とから形成されていてもよい。この場合、コントローラ24は、負荷が増加した場合、停止中の可変速ポンプ28や停止中の定速ポンプ29を順次起動(増段)させるかそれらポンプ28,29全てを一度に起動(増段)させることができる。また、コントローラ24は、負荷が減少した場合、稼動中の可変速ポンプ28や稼動中の定速ポンプ29を順次停止(減段)させるかそれらポンプ28,29全てを一度に停止(減段)させることができる。ただし、システム18の稼働中は最低1台の可変速ポンプ28が稼動している。
図2や図4のフローチャートの制御手順を実行するポンプ制御システム18では、それら図に点線で示す台数制御手段を省くこともできる。この場合のポンプ28,29の起動または停止は、コントローラ24による台数制御手段に変わって操作者の手動で行われる。操作者は、負荷が増加すると、ポンプ29を起動させ、負荷が減少すると、ポンプ29を停止させる。なお、台数制御手段を省いた図2に示すシステム18では、台数制御手段の変わりに操作者の手動によるポンプ29の起動、停止が加わる。コントローラ24は、ステップ2〜5を省略し、ステップ1およびステップ6〜14を実行する。台数制御手段を省いた図4に示すシステム18では、台数制御手段の変わりに操作者の手動によるポンプ29の起動、停止が加わる。コントローラ24は、ステップ21〜23およびステップ25を省略し、ステップ1およびステップ24、ステップ26〜35を実行する。
図4のフローチャートの制御手順を実行するポンプ制御システム18では、定速ポンプ29の起動時または停止時に可変速ポンプ28の出力を最大出力に上昇させているが、必ずしも最大出力にする必要はなく、定速ポンプ29の起動時または停止時に可変速ポンプ28の出力を最大出力よりも低い範囲で上昇させてもよい。また、図4のフローチャートの制御手順を実行するポンプ制御システム18では、操作者が定速ポンプ29を手動で起動または停止させる場合もあり、この場合でも、ポンプ29の起動時または停止時にポンプ28の出力を最大出力に上昇させることができ、あるいは、ポンプ28の出力を最大出力よりも低い範囲で上昇させることができる。
ポンプ制御システムを備えた一例として示す空調設備の概略構成図。 ポンプ制御システムにおける制御手順の一例を示すフローチャート。 1台の定速ポンプと1台の可変速ポンプとを平行運転した場合の特性を示す特性線図。 ポンプ制御システムにおける制御手順(プロセス)の他の一例を示すフローチャート。
符号の説明
10 空調設備
11 熱源設備
12 負荷設備
15 冷温水設備
18 ポンプ制御システム
19 空調機
23 ポンプユニット
24 コントローラ
25 圧力計
26 流量計
28 可変速ポンプ
29 定速ポンプ
30 インバータ

Claims (6)

  1. 負荷の変動に応じて出力変更可能な少なくとも1台の可変速ポンプおよび定出力で運転される少なくとも1台の定速ポンプから形成されたポンプユニットと、前記ポンプユニットを制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラが、前記負荷に応じた前記ポンプユニットの目標運転圧力および前記定速ポンプの負荷限界を示す最低運転圧力を記憶する圧力記憶手段と、前記ポンプユニットの運転圧力を検出する圧力検出手段と、前記ポンプユニットの運転圧力を前記目標運転圧力に保持する圧力保持手段と、前記可変速ポンプおよび前記定速ポンプの運転中に前記ポンプユニットの運転圧力が前記最低運転圧力以上となるように、前記可変速ポンプの出力を調節する第1出力調節手段とを有するポンプ制御システム。
  2. 前記コントローラが、前記負荷の増減にともなって前記可変速ポンプと前記定速ポンプとのうちの少なくとも該定速ポンプを起動または停止させる台数制御手段を有する請求項1記載のポンプ制御システム。
  3. 前記第1出力調節手段が、2台以上の前記定速ポンプの運転中に、前記ポンプユニットの運転圧力が運転中の定速ポンプのうちの最も高い最低運転圧力以上となるように、前記可変速ポンプの出力を調節する請求項1または請求項2に記載のポンプ制御システム。
  4. 前記コントローラが、前記定速ポンプの起動直後に、運転中の前記可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、前記可変速ポンプの出力を次第に減少させて前記ポンプユニットの運転圧力を前記目標運転圧力に一致させる第2出力調節手段を有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載のポンプ制御システム。
  5. 前記コントローラが、運転中の定速ポンプのうちのいずれかが停止した直後に、運転中の前記可変速ポンプの出力をあらかじめ定められた所定出力に上昇させ、その後、前記可変速ポンプの出力を次第に減少させて前記ポンプユニットの運転圧力を前記目標運転圧力に一致させる第3出力調節手段を有する請求項1ないし請求項4いずれかに記載のポンプ制御システム。
  6. 前記可変速ポンプの出力制御が、インバータを介して行われる請求項1ないし請求項5いずれかに記載のポンプ制御システム。
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