JP2007162469A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関始動性の悪化を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量を決定し(ステップ101)、基本燃料噴射量が噴射された特定気筒において、イオン電流値に基づき燃焼状態が失火又は燃焼悪化と判断された時には(ステップ110)、この判断後に噴射燃料の増量が可能な気筒の基本燃料噴射量を増加する(ステップ111から116)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
燃焼時には気筒内にイオンが生成され、このイオン生成量に応じて変化するイオン電流を検出することにより燃焼状態を把握することができる。O2センサによる空燃比フィードバック制御を開始する以前において、検出されたイオン電流に基づき、燃料噴射弁の基本駆動時間を補正することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、他気筒の燃焼によって吸気行程中の機関回転数がクランキング回転数より高められる気筒における燃料噴射量を、点火順序が遅いほど多くすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−141119 特開2004−68621
前者の技術(例えば、特許文献1)において、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に関しては、気筒毎のイオン電流が検出される前であり、冷却水温及びバッテリ電圧等に基づく基本駆動時間がそのまま使用され、各気筒へは同量の燃料が供給されることが意図されている。また、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、後者の技術(例えば、特許文献2)のように、他気筒の燃焼によって吸気行程中の機関回転数がクランキング回転数より高められる気筒においては、点火順序に応じて燃料噴射量を変化させることも考えられる。
いずれにしても、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際しては、機関始動時の機関状態等に基づき予め設定された気筒毎の基本燃料噴射量での燃料噴射が実施されることとなり、燃料性状が変化したり、バッテリ電圧の低下等によりクランキング回転数が変化したりすると、気筒によっては燃料不足が発生して機関始動性が悪化することがある。
従って、本発明の目的は、機関始動性の悪化を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することである。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量を決定し、前記基本燃料噴射量が噴射された特定気筒において、イオン電流値に基づき燃焼状態が失火又は燃焼悪化と判断された時には、この判断後に噴射燃料の増量が可能な気筒の前記基本燃料噴射量を増加することを特徴とする。
本発明による請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量を決定し、クランキング回転数が設定回転数より低い時には、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒の前記基本燃料噴射量を増加することを特徴とする。
本発明による請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、クランキング回転数が前記設定回転数より低いほど、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒の前記基本燃料噴射量を大幅に増加することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量が決定され、各基本燃料噴射量に基づき通常の燃料が各気筒へ供給されれば、各気筒において良好な燃焼が実現されるはずであるが、このように決定された基本燃料噴射量が噴射された特定気筒において、イオン電流値に基づき燃焼状態が失火又は燃焼悪化と判断された時には、燃料タンクには気筒内で気化し難い重質燃料が供給されていること等が考えられ、特定気筒での失火又は燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒の基本燃料噴射量を増加して、失火又は燃焼悪化を発生し難くすることにより、全ての気筒で失火又は燃焼悪化が発生するような機関始動性の悪化を抑制している。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量が決定され、クランキング回転数が設定回転数であれば、各気筒において良好な燃焼が実現されるはずであるが、クランキング回転数が設定回転数より低い時には、クランキング回転数が設定回転数である時に比較して、燃焼に伴う機関回転数の上昇が意図するより急激となり、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒では、吸気上死点直後のピストンの上昇加速度が大きくなって吹き返し燃料量が増加するために、決定された基本燃料噴射量が増加され、燃料不足による機関始動性の悪化を抑制している。
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、クランキング回転数が設定回転数より低いほど、燃焼に伴う機関回転数の上昇がさらに急激となり、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒では、吸気上死点直後のピストンの上昇加速度がさらに大きくなって吹き返し燃料量が大幅に増加するために、クランキング回転数が設定回転数より低いほど、決定された基本燃料噴射量が大幅に増量され、燃料不足による機関始動性の悪化を抑制している。
図1は本発明による燃料噴射制御装置により制御される内燃機関を示す概略縦断面図である。同図において、1は気筒上部略中心に配置された点火プラグであり、2は吸気弁3を介して気筒内へ通じる吸気ポートであり、4は排気弁5を介して気筒内へ通じる排気ポートである。6はピストンであり、7は吸気ポート2に配置された燃料噴射弁である。
本内燃機関は、例えば、V型12気筒エンジンであり、点火順序は、例えば#1気筒−#2気筒−#9気筒−#10気筒−#5気筒−#6気筒−#11気筒−#12気筒−#3気筒−#4気筒−#7気筒−#8気筒である。第一バンクは#1気筒、#3気筒、#5気筒、#7気筒、#9気筒、及び、#11気筒から構成され、第二バンクは#2気筒、#4気筒、#6気筒、#8気筒、#10気筒、及び気筒、#12気筒から構成される。内燃機関の始動時において、スタータモータによりクランキングが開始され、定常クランキング回転数(例えば200rpm)となった時には、気筒判別も完了して、現在が吸気上死点である気筒が把握される(例えば、#1気筒又は#1気筒と同時に上死点となる#11気筒)。
各燃料噴射弁7は、吸気行程中期(初期又は末期としても良い)から燃料噴射を開始するような吸気同期噴射を実施するものである。こうして、現在が吸気上死点の気筒(#1気筒又は#11気筒)から点火順序通りに各気筒の吸気行程において燃料噴射を順次開始することとなる。このような吸気同期噴射は、燃料噴射弁が筒内へ直接的に燃料を噴射するものでも実施可能である。もし、燃料噴射弁7が吸気非同期噴射を実施するものであれば、気筒判別された気筒から点火順序通りに各気筒の排気行程初期、中期、又は、末期から燃料噴射を順次開始することとなる。
図2は、各気筒の吸気行程を示すタイムチャートである。Iは一番目に燃料噴射を開始した気筒1(#1気筒又は#11気筒)の吸気行程(吸気弁3の開弁から閉弁までの間)、IIは二番目に燃料噴射を開始した気筒2(#2気筒又は#12気筒)の吸気行程、IIIは三番目に燃料噴射を開始した気筒3(#9気筒又は#3気筒)の吸気行程、IVは四番目に燃料噴射を開始した気筒4の(#10気筒又は#4気筒)吸気行程、Vは五番目に燃料噴射を開始した気筒5(#5気筒又は#7気筒)の吸気行程、VIは六番目に燃料噴射を開始した気筒6(#6気筒又は#8気筒)の吸気行程、VIIは七番目に燃料噴射を開始した気筒7(#11気筒又は#1気筒)の吸気行程、VIIIは八番目に燃料噴射を開始した気筒8の(#12気筒又は#2気筒)吸気行程、IXは九番目に燃料噴射を開始した気筒9(#3気筒又は#9気筒)の吸気行程、Xは十番目に燃料噴射を開始した気筒6(#4気筒又は#10気筒)の吸気行程、をそれぞれ示している。12気筒内燃機関の場合には、各気筒の吸気行程はクランク角度60°毎となる。
一番目に燃料噴射を開始した気筒1の吸気上死点(TDC)をクランク角度0°とすれば、この気筒1はクランク角度360°(TDC)直前で点火が実施され、この燃焼により機関回転数がクランキング回転数から上昇するのは、クランク角度360°の暫く後(例えばクランク角度90°後)のクランク角度Aの時であり、六番目に燃料噴射が開始された気筒6の吸気行程中となる。
こうして、12気筒内燃機関の場合には、一番目から五番目まで燃料噴射が開始された気筒1から5は、吸気弁閉弁時まで機関回転数がクランキング回転数に維持される気筒であり、六番目以降に燃料噴射が開始された気筒は、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼によって機関回転数が上昇する気筒となる。
ところで、吸気弁の閉弁時期は、通常運転時における吸気充填効率を高めるために、一般的に、吸気下死点より遅角側とされている。それにより、機関始動時のような極低回転時には、吸気下死点から吸気弁閉弁時までの間で吸気が吸気系へ吹き返されてしまう。この時に気筒内へ供給された燃料の一部も吸気系へ吹き返され、この吹き返し燃料量は極低回転時において回転数が高いほど多くなる。それにより、吸気弁閉弁時まで機関回転数がクランキング回転数に維持される気筒における最初の燃料噴射量を第一燃料噴射量とし、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼によって機関回転数が上昇する気筒における最初の燃料噴射量を第二燃料噴射量とすると、第二燃料噴射量を第一燃料噴射量と同じにしたのでは、第二燃料噴射量が噴射される気筒において、吹き返し燃料量の増加により、吸気行程完了時に気筒内に残留する燃料量が良好な燃焼を実現するのに不足してしまう。
本燃料噴射制御装置では、第二燃料噴射量を第一燃料噴射量より多くすることにより第二燃料噴射量が噴射される気筒での残留燃料不足を抑制している。この第二燃料噴射量は各気筒において一定としても良いが、吸気下死点から吸気弁閉弁時までの機関回転数は、点火順序が遅い気筒ほど高くなるために、第二燃料噴射量は点火順序が遅い気筒ほど多くするようにすることが好ましい。
このように設定される機関始動時の各気筒の最初の基本燃料噴射量は、燃料噴射弁7の開弁指令時間として扱われ、一般的には、機関始動時の機関状態に応じて予め設定され、例えば、機関温度としての冷却水温が低いほど燃料の気化状態が悪化するために必要燃料量が増加して開弁指令時間は長くされ、また、バッテリ電圧が低いほど燃料噴射弁7が実際に開弁するまでの無駄時間が長くなるために開弁指令時間は長くされ、また、燃料噴射弁7が蓄圧室において加圧された燃料を噴射する場合には、燃料噴射圧力である蓄圧室内の燃料圧力が低いほど開弁指令時間は長くされる。
しかしながら、機関始動時に各気筒の最初の燃料噴射において、こうして設定された開弁指令時間に基づく基本燃料噴射量が噴射されても、燃料タンクへ供給されている燃料が重質燃料であり気化し難いものであると、全ての気筒で良好な燃焼を実現することができず、また、気温及びバッテリ電圧等により定まるクランキング回転数(定常回転数)が設定回転数より低いと、クランキング回転数が設定回転数である時に比較して、燃焼に伴う機関回転数の上昇が急激となり、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒では、吸気上死点直後のピストンの上昇加速度が大きくなって吹き返し燃料量が増加するために、良好な燃焼を実現することができなくなる。こうして、いずれの場合においても機関始動性が悪化する。本実施形態の燃料噴射制御装置は、このような機関始動性の悪化を抑制することを意図している。
ところで、気筒内での燃焼時には、イオンが生成されるために、点火プラグ1による火花点火の直後に、図1に示すような回路によって点火プラグ1の電極間に電圧を印加するとイオン電流が流れる。生成されるイオンが多いほど良好な燃焼となり、検出されるイオン電流の大きさによって燃焼状態を把握することができる。検出されるイオン電流は非常に小さいために、一般的に、電圧変換して増幅される。図3は、検出されたイオン電流値を変換した電圧(イオン出力)のタイムチャートである。点火直後において、イオン出力は、急激な第一ピークを発生し、その後に、緩やかな第二ピークを発生する。
例えば、イオン出力の第二ピークの大きさよって燃焼状態を把握することができる。実線で示すように第二ピークの大きさが閾値Vtより大きな値V’であれば、良好な燃焼が実現されていると判断することができる。一方、一点鎖線で示すように第二ピークの大きさが閾値Vtより小さな値V”であれば、良好な燃焼は実現されずに燃焼悪化が発生していると判断することができる。また、点線で示すように第二ピークが殆ど発生しないのであれば、失火が発生したと判断することができる。
本燃料噴射制御装置は、図4に示すフローチャートに従って機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射量を制御し、機関始動性の悪化を抑制している。本フローチャートは、イグニッションスイッチのオンと同時に開始される。先ず、ステップ101では、前述したように、冷却水温、バッテリ電圧、及び、蓄圧室内の燃料圧力等の機関状態に基づき、各気筒の基本燃料噴射量に対応する燃料噴射弁の開弁指令時間TAU1〜12を決定する。次いで、ステップ102においては、スタータモータの駆動により、気筒判別が完了して定常クランキング回転数が実現されると、クランキング回転数(定常回転数)Nが設定回転数N1(例えば、180rpmとして通常に設定回転数200rpmに対して余裕を持たせるようにしても良い)より低いか否かが判断される。この判断が否定される時には、クランキング回転数は設定回転数より低下しておらず、設定された各気筒の基本燃料噴射量に問題はなく、ステップ110に進む。
一方、ステップ102の判断が肯定される時には、クランキング回転数Nが設定回転数である時に比較して、燃焼に伴う機関回転数の上昇が急激となり、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒6〜12では、吸気上死点直後のピストンの上昇加速度が大きくなって吹き返し燃料量が増加するために、基本燃料噴射量が噴射されても良好な燃焼を実現することができない。それにより、ステップ103から109(図4において、ステップ104からステップ108はステップ103及び109と同様であるために省略している)では、ステップ101において決定された気筒6から12の燃料噴射弁の開弁指令時間TAU6から12を、それぞれに補正係数kにより増加させ(補正量を加算するようにしても良い)、気筒6から12へ供給されるそれぞれの基本燃料噴射量を増加し、所望量の燃料が各気筒内に残留するようにしている。こうして、気筒6から12において燃料不足により良好な燃焼が実現されずに機関始動性が悪化することは抑制される。
次いで、ステップ110では、基本燃料噴射量が噴射された気筒1(一番目に燃料が噴射される気筒)での燃焼において測定されたイオン電流の変換電圧の第二ピークVが閾値V1(例えば、3.0ボルト)以下であるか否かが判断される。この判断は、気筒1の膨張行程中に行われ、例えば、圧縮上死点からクランク角度90°後のクランク角度Aの時期には完了することができる。ステップ110の判断が否定される時には、特に問題はなく、そのまま終了する。しかしながら、ステップ110の判断が肯定される時には、気筒1において、燃焼悪化が発生しており、例えば、重質燃料が供給されて、開弁指令時間TAU1により噴射された燃料量では点火時期において良好な燃焼を実現するのに必要な燃料が気化していないこと等が考えられる。
それにより、このままでは、全ての気筒において良好な燃焼が実現されず、機関始動性が悪化することとなるために、ステップ111から116(図4において、ステップ112からステップ115はステップ111及び116と同様であるために省略している)において、気筒1の燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒(吸気同期燃料噴射の12気筒内燃機関の場合には、判断時期が吸気行程中期となる七番目に燃料が噴射される気筒7と、それ以降に燃料が噴射される気筒8から12である)の基本燃料噴射量TAU7〜12を、設定量aだけそれぞれに増加する(補正係数を乗算するようにしても良い)。こうして、気筒2から6では気筒1と同様に燃焼が悪化しても、気筒7から12においては、良好な燃焼を実現することができ、全ての気筒において良好な燃焼が実現されずに機関始動性が悪化することは抑制される。
ところで、良好な燃焼が実現されるか否かを判断するために、イオン電流の変換電圧の第二ピークと比較される閾値V1は、吸気量に応じて変化する。本実施形態では、良好な燃焼が実現されるか否かを判断する気筒1において、吸気行程中の機関回転数がクランキング回転数であって安定しており、吸気量を正確に推定可能であるために、閾値V1を正確に設定することができる。本フローチャートでは、ステップ102においてクランキング回転数Nが測定されているために、クランキング回転数Nが低いほど気筒1への吸入空気量が増加することを考慮して閾値V1を設定するようにしても良い。
本フローチャートのステップ103から109では、クランキング回転数Nが設定回転数N1より低い時に、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒6〜12のそれぞれの基本燃料噴射量に対する開弁指令時間TAU6から12を常に同じ補正係数kにより増加するようにしたが、クランキング回転数Nが設定回転数N1より低いほど、燃焼に伴う機関回転数の上昇がより急激となるために、気筒6〜12のそれぞれの基本燃料噴射量に対する開弁指令時間TAU6から12をより大きく増加するようにすることが好ましい。すなわち、設定回転数N1とクランキング回転数Nとの差が大きいほど、ステップ103から109の補正係数kを大きく変化させることが好ましい。
また、機関回転数は、各気筒の燃焼毎に高められるが、気筒1の燃焼において最も上昇幅が大きく、燃焼が行われるほど上昇幅は小さくなる。それにより、クランキング回転数Nが設定回転数N1より低い時に、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒6〜12のそれぞれの基本燃料噴射量に対する開弁指令時間TAU6から12を、点火順序が早い気筒ほど大きく増加するようにしても良い。すなわち、クランキング回転数Nが設定回転数N1より低い時に、ステップ103から109の補正係数kは、一定とするのではなく、点火順序が早い気筒ほど大きくするのである。
また、クランキング回転数Nが設定回転数N1より低い時には、吸気弁閉弁時までの機関回転数がクランキング回転数である気筒1から5では、吹き返し燃料量が減少するために、基本燃料噴射量を(好ましくは、設定回転数N1とクランキング回転数との差に基づき)減少させるようにしても良い。
また、本フローチャートのステップ111から116では、気筒1の燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒7から12の開弁指令時間TAU7〜12を、設定量aだけそれぞれに一律に増量するようにしたが、気筒1の燃焼が悪化しているほど、すなわち、閾値V1と、気筒1の燃焼に際してのイオン電流の変換電圧の第二ピークVとの差が大きいほど、気筒7から12の開弁指令時間TAU7から12を大きく増加するようにしても良い。すなわち、閾値V1と、気筒1の燃焼に際してのイオン電流の変換電圧の第二ピークVとの差が大きいほど、ステップ111から116の設定量aを大きくするのである。
また、本実施形態において、12気筒内燃機関の四番目及び五番目に燃料が噴射される気筒は、吸気弁閉弁時まで機関回転数がクランキング回転数に維持されるはずの気筒としたが、これらの気筒の吸気弁閉弁前に一番目に燃料が噴射された気筒では点火が実施されており、吸気弁閉弁時には、機関回転数がクランキング回転数より僅かに上昇することもあり、四番目及び五番目に燃料が噴射される気筒を、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼によって機関回転数がクランキング回転数より上昇する気筒としても良い。すなわち、1番目に燃料が噴射された気筒の点火時期より前に吸気弁が閉弁する気筒だけを、吸気弁閉弁時まで機関回転数がクランキング回転数に維持されるはずの気筒としても良い。
本実施形態において、良好な燃焼が実現されているか否か判断に使用するイオン出力は、変換増幅電圧の第二ピークとしたが、もちろん、イオン電流値の第二ピークを使用しても良い。また、各気筒の圧縮上死点後の設定クランク角度におけるイオン電流値又はイオン電流値の変換増幅電圧値を使用しても良い。また、イオン電流値またはイオン電流値の変換増幅電圧値の膨張行程における積分値を使用しても良い。
本実施形態において、12気筒内燃機関の七番目及び八番目に燃料が噴射される気筒は、気筒1の燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒としたが、これらの気筒では気筒1の燃焼悪化の判断時において既に吸気行程となっており、噴射燃料の増量は難しいとして、七番目及び八番目に燃料が噴射される気筒を、気筒1の燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒から外すようにしても良い。
内燃機関が吸気非同期燃料噴射を実施する場合には、気筒1の燃焼悪化が判断された後に噴射燃料の増量が可能な気筒は、例えば、10番目以降に燃料が噴射される気筒10から12とすることができる。また、燃焼悪化を判断する特定気筒は、1番目に燃料が噴射される気筒1としなくても良く、任意に設定することができる。
本発明による燃料噴射制御装置により制御される内燃機関を示す概略縦断面図である。 各気筒の吸気行程を示すタイムチャートである。 イオン出力の変化を示すタイムチャートである。 機関始動性の悪化を抑制するための燃料噴射制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 点火プラグ
2 吸気ポート
4 排気ポート
7 燃料噴射弁

Claims (3)

  1. 機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量を決定し、前記基本燃料噴射量が噴射された特定気筒において、イオン電流値に基づき燃焼状態が失火又は燃焼悪化と判断された時には、この判断後に噴射燃料の増量が可能な気筒の前記基本燃料噴射量を増加することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 機関始動時の各気筒の最初の燃料噴射に際して、各気筒の基本燃料噴射量を決定し、クランキング回転数が設定回転数より低い時には、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒の前記基本燃料噴射量を増加することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. クランキング回転数が前記設定回転数より低いほど、吸気弁閉弁時までに他気筒の燃焼により機関回転数がクランキング回転数より上昇するはずの気筒の前記基本燃料噴射量を大幅に増加することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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