JP2007161516A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】電気機械結合係数が大きく、耐熱性、さらに共振周波数の温度特性が優れた圧電磁器組成物を提供する。
【解決手段】Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト化合物を含む圧電磁器組成物であって、主成分が、Pbα[(Mg1/3Nb2/3Tiy[1−(x+y)]Zr]Oの組成式(ただし、0.985≦α≦1.02、0.025≦x≦0.07、0.42≦y≦0.52)で表され、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種を、CrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、並びにGaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%の1種又は2種を含有することを特徴とする圧電磁器組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルタ、レゾネータ等に好適な圧電磁器組成物に関する。
現在実用化されている圧電磁器組成物のほとんどは、室温付近において正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO−PbTiO固溶体)系やPT(PbTiO)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体から構成されている。また、これらの組成に対してPb(Mg1/3Nb2/3)OやPb(Mn1/3Nb2/3)O等の第三成分を置換し、あるいは様々な副成分を添加することにより、多種多様な要求特性への対応がはかられている。
圧電磁器組成物は電気エネルギと機械エネルギを自由に変換し取り出せる機能を有しており、フィルタ、レゾネータ、アクチュエータ、着火素子あるいは超音波モータなどとして使用されている。
例えば、圧電磁器組成物をフィルタとして使用する場合、電気機械結合係数が大きいことが要求されている。
そのため、例えば特許文献1では、一般式:aPb(Mg1/3Nb2/3)O−bPbTiO−cPbZrO(a、b、cがそれぞれ1≦a≦10、42≦b≦60、30≦c≦57、ただし、a、b、cはモル%であり、a+b+c=100)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛のPb原子の0.5〜5mol%をMgで置換し、さらに、CrをCrに換算して0.1〜1wt%添加含有させたことを特徴とする圧電性磁器を提案している。
特許第3221241号公報
特許文献1では、その実施例において、1kHzで30%以上の電気機械結合係数(拡がり方向振動の電気機械結合係数Kp)を得ているが、より高周波側でも高い電気機械結合係数を得たいという要求がある。
また、近年では表面実装型部品が広く普及しており、プリント基板に実装される際に、ハンダリフロー炉を通すために耐熱性の高い圧電磁器組成物が求められている。さらには共振周波数の温度特性が優れることもまた圧電磁器組成物に要求されている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、電気機械結合係数が大きく、耐熱性、さらに共振周波数の温度特性が優れた圧電磁器組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、Pb、Zr、Tiを主成分とするペロブスカイト化合物を含む圧電磁器組成物であって、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種を同時に含有させることにより、前記課題を解決できることを知見した。すなわち本発明は、Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト化合物を含む圧電磁器組成物であって、主成分が、Pbα[(Mg1/3Nb2/3Tiy[1−(x+y)]Zr]Oの組成式(ただし、0.985≦α≦1.02、0.025≦x≦0.07、0.42≦y≦0.52)で表される組成を有し、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種を、CrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、並びにGaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%の1種又は2種を含有することを特徴とする圧電磁器組成物である。
本発明では、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種を、CrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、並びにGaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%の1種又は2種を含有することにより、電気機械結合係数ktが36%以上、外部からの熱衝撃を受ける前及び後の電気機械結合係数ktの変化率Δkt(以下、電気機械結合係数ktの変化率Δktを単に「Δkt」という)を絶対値で2.5%以下とすることができる。電気機械結合係数ktは厚み縦振動モードでの電気エネルギと機械エネルギの変換効率を表し、圧電材料の基本物性の一つである。また、本発明によれば、20℃を基準としたときの−40℃における共振周波数Frの変化率ΔF(−40℃)、20℃を基準としたときの85℃における共振周波数Frの変化率ΔFr(85℃)の絶対値を0.3%以下にすることができる。なお、電気機械結合係数kt、Δkt、ΔFr(−40℃)及びΔFr(85℃)は、後述する[発明を実施するための最良の形態]の欄、[実施例]の欄の記載に従った方法によって特定されるものとする。
本発明の圧電磁器組成物において、CrはCr換算で0.1〜0.4wt%、SiはSiO換算で0.01〜0.07wt%、並びにGaをGa換算で0.01〜0.4wt%及びInをIn換算で0.01〜0.4wt%の1種又は2種を含有されていることが好ましい。
また、本発明の圧電磁器組成物において、その主成分は、Pbα[(Mg1/3Nb2/3Tiy[1−(x+y)]Zr]Oの式で表される組成(ただし、0.985≦α≦1.02、0.025≦x≦0.07、0.42≦y≦0.52)を有することが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、電気機械結合係数ktが大きく、耐熱性に優れ、さらに共振周波数Frの温度特性に優れた圧電磁器組成物を得ることができる。
以下、実施の形態に基づいて本発明による圧電磁器組成物について詳細に説明する。
<化学組成>
本発明による圧電磁器組成物は、Pb、Zr、Tiを主成分とするペロブスカイト化合物を含み、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種をともに含有することを特徴とする。副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種をすべて含むことで、電気機械結合係数ktが大きく、耐熱性に優れた圧電磁器組成物を得ることができる。
ここで、Crは、電気機械結合係数ktを大きくし、かつ耐熱性を向上させる上で有効である。また、Siは強度の向上に寄与する元素である。さらに、Ga及びInの1種又は2種は、耐熱性の向上に寄与することができる。
副成分の量は主成分に対して、CrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、GaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%とする。
主成分に対してCr量がCr換算で0.05wt%未満、Si量がSiO換算で0.005wt%未満、GaをGa換算0.005%未満、InをIn換算で0.005wt%未満では、上述した各元素の効果を十分に享受することができない。
一方、Cr量がCr換算で0.5wt%を超えると、セラミックスの電気抵抗が低下し分極できなくなる。Si量がSiO換算で0.07wt%を、GaがGa換算で0.4wt%及びInをIn換算で0.4wt%を超えると、電気機械結合係数kt及び耐熱性が悪くなる。
Cr量のより好ましい範囲はCr換算で0.1〜0.4wt%、さらに好ましい範囲はCr換算で0.1〜0.3wt%である。
Si量のより好ましい範囲はSiO換算で0.01〜0.06wt%、さらに好ましい範囲は0.01〜0.05wt%、より一層好ましい範囲はSiO換算で0.02〜0.05wt%である。
Ga量のより好ましい範囲はGa換算で0.01〜0.5wt%、さらに好ましい範囲はGa換算で0.01〜0.3wt%である。
In量のより好ましい範囲はIn換算で0.01〜0.5wt%、さらに好ましい範囲はIn換算で0.01〜0.3wt%である。
副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種をすべて含有することを特徴とする本発明は、PZT系の圧電磁器組成物に対して広く適用することができるが、主成分としてPb,Zr、Ti、Mg及びNbを含む圧電磁器組成物に対して適用することが好ましい。特に、以下の組成式で示される主成分を有することが好ましい。ここでいう化学組成は焼結体の組成をいう。
Pbα[(Mg1/3Nb2/3Tiy[1−(x+y)]Zr]O…式(1)
ただし、0.985≦α≦1.02、
0.025≦x≦0.07、
0.42≦y≦0.52
なお、上記組成式中、α、x及びyはそれぞれモル比を表す。
次に、式(1)中におけるα、x、yおよびzの限定理由を説明する。
Pb量を示すαは、0.985≦α≦1.02の範囲とする。αが0.985未満では、緻密な焼結体を得るのに不利であるとともに、良好な耐熱性を得ることができない。一方、αが1.02を超えると分極が困難になるとともに、良好な耐熱性を得ることができない。よって、αは、0.985≦α≦1.02の範囲とすることが好ましく、さらに0.99≦α≦1とすることが好ましく、0.995≦α≦1とすることがより好ましい。
Mg量およびNb量を示すxは、0.025≦x≦0.07の範囲とすることが好ましい。xが0.025未満では、電気機械結合係数kt(%)が小さくなるとともに、良好な温度特性を得ることができない。一方、xが0.07を超えると、良好な耐熱性を得ることができなくなる。よって、xは、0.025≦x≦0.07の範囲とすることが好ましく、さらに0.03≦x≦0.06とすることが好ましく、0.035≦x≦0.055とすることがより好ましい。
Zr量を示すyは、0.42≦y≦0.52の範囲とする。yが0.42未満では、良好な電気機械結合係数kt(%)、耐熱性及び温度特性を得ることができない。一方、yが0.52を超えると 良好な温度特性を得ることが困難になる。よって、yは、0.42≦y≦0.52の範囲とすることが好ましく、さらに0.43≦y≦0.51とすることが好ましく、0.45≦y≦0.5とすることがより好ましい。
なお、Ti量は、1−(x+y)により求められる。
<製造方法>
次に、本発明による圧電磁器組成物の好ましい製造方法について、その工程順に説明する。
(原料粉末、秤量)
主成分の原料として、酸化物または加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的にはPbO粉末、TiO粉末、ZrO粉末、MgCO粉末、Nb粉末等を用いることができる。原料粉末は所定の割合で秤量すればよい。好ましくは、式(1)の組成となるように、それぞれ秤量する。
次に、秤量された各粉末の総重量に対して、副成分としてCrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、GaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%の1種又は2種を添加する。副成分の原料粉末としてはCr粉末、SiO粉末、Ga粉末及び/又はIn粉末を準備する。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3.0μmの範囲で適宜選択すればよい。
なお、上述した原料粉末に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を原料粉末としてもよい。
(仮焼)
原料粉末を湿式混合した後、700〜950℃の範囲内で所定時間保持する仮焼を行う。このときの雰囲気はNまたは大気とすればよい。仮焼の保持時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。
なお、主成分の原料粉末と副成分の原料粉末を混合した後に、両者をともに仮焼に供する場合について示したが、副成分の原料粉末を添加するタイミングは上述したものに限定されるものではない。例えば、まず主成分の粉末のみを秤量、混合、仮焼および粉砕する。そして、仮焼粉砕後に得られた主成分の粉末に、副成分の原料粉末を所定量添加し混合するようにしてもよい。
(造粒・成形)
粉砕粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。この際、粉砕粉末に適当なバインダ、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、かつこれらを十分に混合し、その後350μmのメッシュを通過させて整粒することにより造粒粉末を得る。次いで、造粒粉末を200〜300MPaの圧力で加圧成形し、所望の形状の成形体を得る。
(焼成)
成形時に添加したバインダを除去した後、1100〜1250℃の範囲内で所定時間成形体を加熱保持し焼結体を得る。このときの雰囲気はNまたは大気とすればよい。加熱保持時間は0.5〜4時間の範囲で適宜選択すればよい。
(分極処理)
焼結体に分極処理用の電極を形成した後、分極処理を行う。分極処理は、50〜300℃の温度で、1.0〜2.5Ec(Ecは抗電界)の電界を焼結体に対して0.5〜30分間印加する。
分極処理温度が50℃未満になると、Ecが高くなるため分極電圧が高くなり、分極が困難になる。一方、分極処理温度が300℃を超えると、絶縁オイルの絶縁性が著しく低下するため分極が困難となる。よって、分極処理温度は50〜300℃とする。好ましい分極処理温度は60〜250℃、より好ましい分極処理温度は80〜200℃である。
また、印加する電界が1.0Ecを下回ると分極が進行しない。一方、印加する電界が2.5Ecを超えると実電圧が高くなって焼結体が絶縁破壊しやすくなり、圧電磁器組成物の作製が困難となる。よって、分極処理の際に印加する電界は1.0〜2.5Ecとする。好ましい印加電界は1.1〜2.2Ec、より好ましい印加電界は1.3〜2.0Ecである。
分極処理時間が0.5分未満となると、分極が不十分となって十分な特性を得ることができない。一方、分極処理時間が30分を超えると分極処理に要する時間が長くなり、生産効率が劣る。よって、分極処理時間は0.5〜30分とする。好ましい分極処理時間は0.7〜20分、より好ましい分極処理時間は0.9〜15分である。
分極処理は、上述した温度に加熱された絶縁オイル、例えばシリコンオイル浴中で行う。なお、分極方向は所望の振動モードに応じて決定する。ここで、振動モードを厚み縦振動とする場合には、分極方向を図1(a)に示した方向とする。厚み縦振動とは、図1(b)に示すように、厚さ方向の振動である。
圧電磁器組成物は、所望の厚さまで研磨された後、振動電極が形成される。次いで、ダイシングソー等で所望の形状に切断された後、圧電素子として機能することとなる。
本発明における圧電磁器組成物は、フィルタ、レゾネータ、アクチュエータ、着火素子あるいは超音波モータ等の圧電素子の材料として好適に用いられる。
本発明が推奨する組成を選択することで、電気機械結合係数ktが36〜40%、かつΔktを絶対値で2.5%以下、さらには2.0%以下、より好ましくは1.5%以下とすることができる。ここで、本発明における電気機械結合係数ktは測定周波数約10MHzにおいてインピーダンスアナライザ(ヒューレッドパッカード社製HP4194A)を用いて測定する。なお、電気機械結合係数ktは以下の式(2)に基づき求めた。
Figure 2007161516
また本発明におけるΔktの値は、耐熱試験に基づいて求めたものである。この耐熱試験の内容は、圧電磁器組成物をアルミ箔で包み250℃のはんだ浴に30秒間浸漬した後アルミ箔を除去し、1時間室温で放置させるというものであり、はんだ浴浸漬前と1時間放置後に測定された各電気機械結合係数ktからΔktを求めている。なお、後述する実施例でも、同様の手順でΔktを求めた。
さらに本発明における温度特性は、−40〜80℃における共振周波数Frを測定し、以下の式により特定している。
ΔFr(−40)(%)=[(−40℃のFr)−(20℃のFr)]/(20℃のFr)×100
ΔFr(85)(%)=[(85℃でFr)−(20℃のFr)]/(20℃のFr)×100
出発原料として、PbO粉末、TiO粉末、ZrO粉末、MgCO粉末、Nb粉末、Cr粉末、SiO粉末、Ga粉末及びIn粉末を準備した。この原料粉末を、モル比でPb[(Mg1/3Nb2/30.05Ti0.46Zr0.49]Oとなるように秤量した後、各粉末の総重量に対して副成分としてのCr粉末、SiO粉末、Ga粉末及びIn粉末を表1に示す量だけ添加し、ボールミルを用いて湿式混合を10時間行った。
得られたスラリーを十分に乾燥させた後、大気中、800℃で2時間保持する仮焼を行った。仮焼体が平均粒径0.7μmになるまでボールミルにより微粉砕した後、微粉砕粉末を乾燥させた。乾燥させた微粉砕粉末に、バインダとしてPVA(ポリビニルアルコール)を適量加え、造粒した。1軸プレス成形機を用いて造粒粉末を245MPaの圧力で成形した。得られた成形体に対して脱バインダ処理を行った後、大気中、1150〜1250℃で2時間保持して、縦20mm×横20mm×厚さ1.0mmの焼結体(試料)を得た。
試料の両面をラップ盤で厚み0.3mmに平面加工した後に、ダイシングソーで縦×横=15mm×15mmに切断加工し、その表裏両面に分極用の仮電極(縦×横=14mm×14mm)を形成した。その後、温度120℃のシリコンオイル槽中で3kV/mmの電界を30分間印加する分極処理を行った。なお、分極方向は図1(a)に示した方向とした。その後、仮電極を除去した。なお、仮電極除去後の試料のサイズは縦15mm×横15mm×厚さ0.3mmである。再度ラップ盤でおよそ厚さ0.22mmまで研磨した後に、ダイシングソーで縦×横=7.5mm×7.0mmに切断加工した。
真空蒸着装置を用いて図2に示すように試験片1の両面(研磨された両面)に振動電極2を形成し、電気機械結合係数ktの測定用試料(試料No.1)を得た。試験片1の断面(図2のX−X方向の断面)を図3に示すが、振動電極2の重なりは1.0mmである。なお、振動電極は厚さ0.01μmのCr下地層と厚さ2μmのAgとから構成される。
上述の式(2)より、各試料の電気機械結合係数ktを算出し、またΔktを求めた。さらに、共振周波数Frの温度特性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007161516
表1に示すように、副成分としてCr、SiO並びにGa及び/又はInを添加した場合には、36〜40%の電気機械結合係数ktを得つつ、Δktを絶対値で2.5%以下とすることができた。
ただし、Ga及び/又はInが0.50wt%になると、Δktが絶対値で3%以上となるとともに、温度特性ΔFr(85)が絶対値で0.30%を超えてしまう。
また、Crが少ないと電気機械結合係数kt、Δkt及び温度特性ともに不十分であり、Crが多いと分極ができなくなる。
さらに、SiOが多いと電気機械結合係数kt及び温度特性が不十分である。
主成分を表2に示す組成(主成分:Pbα[(Mg1/3Nb2/3Ti[1−(x+y)]Zr]O)とし、副成分としてCr粉末を0.20wt%、SiO粉末を0.03wt%及びGa粉末を0.05wt%になるように秤量した後に、実施例1と同様にして圧電磁器組成物を作製し、やはり実施例1と同様にして各特性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2007161516
表2に示すように、上記組成式においてαが0.980と小さいと電気機械結合係数ktの熱衝撃前後の変化率Δkt及び温度特性が劣化する。一方、αが1.030と大きいと分極ができなかった。
次に、上記組成式においてxが0.02と小さいと電気機械結合係数ktが小さくなるとともに、共振周波数Frの温度特性が劣化する。一方、xが大きいとやはり共振周波数Frの温度特性が劣化する。
さらに、yが0.44と小さいと、電気機械結合係数ktの熱衝撃前後の変化率Δkt及び温度特性のいずれもが劣化する。一方、yが0.53と大きいと、電気機械結合係数ktの熱衝撃前後の変化率Δkt及び温度特性のいずれもが劣化する。
(a)は振動モードを厚み縦振動とする場合の分極方向を示す図、(b)は厚み縦振動を説明するための図である。 振動電極が形成された試験片の斜視図である。 図2のX−X方向の断面図である。
符号の説明
1…試験片、2…振動電極

Claims (1)

  1. Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト化合物を含む圧電磁器組成物であって、
    前記主成分が、Pbα[(Mg1/3Nb2/3Tiy[1−(x+y)]Zr]Oの組成式(ただし、0.985≦α≦1.02、0.025≦x≦0.07、0.42≦y≦0.52)で表され、副成分としてCr、Si、並びにGa及びInの1種又は2種を、CrをCr換算で0.05〜0.5wt%、SiをSiO換算で0.005〜0.07wt%、並びにGaをGa換算で0.005〜0.4wt%及びInをIn換算で0.005〜0.4wt%の1種又は2種を含有することを特徴とする圧電磁器組成物。
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