JP2007159774A - 血圧測定システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確に血圧を測定することができる血圧測定システム及び方法を提供する。
【解決手段】まずステップS10において、深呼吸の仕方を表示し、次のステップS20において、LF/HFを演算し、次のステップS30において、LF/HFが所定範囲内にあるか否かを判定する。LF/HFが所定範囲外であると判定されると、ステップS70において、血圧測定に適しない旨を表示し、血圧測定をせずに処理を終了する。LF/HFが所定範囲外であると判定されると、一度測定した血圧値を採用しないようにしてもよい。
【選択図】 図2
【解決手段】まずステップS10において、深呼吸の仕方を表示し、次のステップS20において、LF/HFを演算し、次のステップS30において、LF/HFが所定範囲内にあるか否かを判定する。LF/HFが所定範囲外であると判定されると、ステップS70において、血圧測定に適しない旨を表示し、血圧測定をせずに処理を終了する。LF/HFが所定範囲外であると判定されると、一度測定した血圧値を採用しないようにしてもよい。
【選択図】 図2
Description
本発明は、血圧を測定する血圧測定システム及びその方法に関する。
血圧は様々な要因により変動する。変動の原因として白衣高血圧がある。これは病院等においては高血圧を示すが、家庭で測定すると正常血圧を示すものである。このため、血圧測定前に被測定者に深呼吸を促がすことがある。深呼吸が血圧に影響することは公知である。例えば非特許文献1においては、糖尿病群と非糖尿病群について深呼吸の影響を比較し、両群とも深呼吸しなかった場合と比較して深呼吸した方が血圧が低くなることが報告されている。深呼吸は、30秒間に6回行ったとしている。
森壽生、外6名,「糖尿病患者における降圧達成率および深呼吸と血圧・脈拍の関係」,日本高血圧学会,第27回日本高血圧学会総会抄録集,平成16年10月7日から同9日,p.126
しかしながら、深呼吸の仕方については標準がなく、また、例えば上記文献に記載されているように、30秒間に6回行うと規定しても実際にタイミング等を計るのは困難であり、正確性を期そうとすれば、医者や看護師がストップウオッチ等により測定しながら被測定者に指示を出すようにしなければならず、極めて煩わしいという問題点があった。
この問題点を解決するために、深呼吸の仕方を標準化し、この標準化された深呼吸方法をモニタ等に表示し、この表示に従って被測定者に深呼吸させることが考えられる。
しかしながら、深呼吸を行っても実際上被測定者が安静状態に入ったか否かは判断できず、深呼吸後に測定した値が正しいとは限らない。
そこで、本発明は、正確に血圧を測定することができる血圧測定システム及び方法を提供することを目的としている。
しかしながら、深呼吸を行っても実際上被測定者が安静状態に入ったか否かは判断できず、深呼吸後に測定した値が正しいとは限らない。
そこで、本発明は、正確に血圧を測定することができる血圧測定システム及び方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の特徴とするところは、血圧を測定する血圧測定手段と、心電を監視する心電監視手段と、この心電監視手段から自律神経機能を測定する自律神経機能測定手段と、この自律神経機能測定手段による測定結果に応じて前記血圧測定手段による血圧測定を行うか否かを決定する血圧測定決定手段とを有する血圧測定システムにある。
また、本発明の第2の特徴とするところは、血圧を測定する血圧測定手段と、心電を監視する心電監視手段と、この心電監視手段から自律神経機能を測定する自律神経機能測定手段と、この自律神経機能測定手段による測定結果に応じて前記血圧測定手段による血圧測定値を採用するか否かを決定する血圧測定決定手段とを有する血圧測定システムにある。
上記2つの血圧測定システムにおいて、好適には、深呼吸の仕方を表示する深呼吸表示手段をさらに有し、この深呼吸表示手段の表示後に血圧測定決定手段による決定を行うようにする。
本発明の第3の特徴とするところは、心電を監視し、この監視された心電から自律神経機能を測定し、この自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定を行うか否かを決定する血圧測定方法にある。
また、本発明の第4の特徴とするところは、心電を監視し、この監視された心電から自律神経機能を測定し、この自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定値を採用するか否かを決定する血圧測定方法にある。
上記2つの方法において、好適には、前記決定を行う前に深呼吸の仕方を表示する。
本発明によれば、心電を監視して得られた自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定を行うか又は血圧測定値を採用するかを決定するようにしたので、自律神経機能が正常なときのみ血圧を測定することができ、正確な血圧値を得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面により説明する。
図1において、血圧測定システム10の概略が示されている。血圧測定システム10は、血圧を測定する手段としての血圧計12と、心電を監視する手段しての心電図モニタ14とを有する。血圧計12は、生体の上腕に巻かれたマンシェットを有し、このマンシェットを加圧、減圧して最高血圧、最低血圧あるいは平均血圧を測定する。
心電図モニタ14は、被測定者の例えば喉元にマイナス電極を、左脇腹にプラス電極を、右脇腹にボディアースをそれぞれ装着し、心臓の働きを電気信号として得て心電図として記録する。
上記血圧計12と心電図モニタ14とは、例えばパーソナルコンピュータ16に接続されている。このパーソナルコンピュータ16は、心電図モニタ14から得られた心電図を入力すると共に、血圧計12を制御する。
図2において、上記パーソナルコンピュータ16による制御フローが示されている。
パーソナルコンピュータ16は、まずステップS10において、深呼吸の仕方を表示する。このステップS10における具体的な表示態様については後述する。このステップS10の深呼吸表示が終了すると、次のステップS20において、心電図モニタ14から得られた心電図に基づいて自律神経機能の一つである交感神経活動度指標(LF/HF)を演算する。LF/HFの具体的な求め方は後述する。次のステップS30においては、ステップS20で求めたLF/HFが所定範囲内にあるか否かを判定する。ここで、所定範囲とは、安静座位での正常範囲である0.5〜5.0あるいは安静仰臥位での正常範囲である0.2〜3.5である。ステップS30において、LF/HFが所定範囲内であると判定された場合は、ステップ40に進んで血圧計12により血圧を測定し、さらにステップ50において、測定データを記憶し、次のステップS60において血圧計12に測定したデータを表示し、処理を終了する。一方、ステップS30において、LF/HFが所定範囲内であると判定された場合は、ステップS70に進み、血圧測定を行うには適さない旨を血圧計12又はパーソナルコンピュータ16のもニタに表示し、血圧測定を行わないで処理を終了する。
パーソナルコンピュータ16は、まずステップS10において、深呼吸の仕方を表示する。このステップS10における具体的な表示態様については後述する。このステップS10の深呼吸表示が終了すると、次のステップS20において、心電図モニタ14から得られた心電図に基づいて自律神経機能の一つである交感神経活動度指標(LF/HF)を演算する。LF/HFの具体的な求め方は後述する。次のステップS30においては、ステップS20で求めたLF/HFが所定範囲内にあるか否かを判定する。ここで、所定範囲とは、安静座位での正常範囲である0.5〜5.0あるいは安静仰臥位での正常範囲である0.2〜3.5である。ステップS30において、LF/HFが所定範囲内であると判定された場合は、ステップ40に進んで血圧計12により血圧を測定し、さらにステップ50において、測定データを記憶し、次のステップS60において血圧計12に測定したデータを表示し、処理を終了する。一方、ステップS30において、LF/HFが所定範囲内であると判定された場合は、ステップS70に進み、血圧測定を行うには適さない旨を血圧計12又はパーソナルコンピュータ16のもニタに表示し、血圧測定を行わないで処理を終了する。
図3乃至図5において、前述したステップS10で実施する深呼吸の仕方の詳細が示されている。
まずステップS11において、吸い込む場合の表示を行う。吸い込む場合の表示には、図4に示すように、生体24の肺部分が空気を吸い込むように徐々に拡大するアニメーション部26、空気を吸い込む向きに設定された矢印部28、及び吸い込むタイミングを表示する吸タイミング表示部30とが含まれる。吸タイミング表示部30は、例えば縦に並んだ2つの点灯部30a,30bを有し、上の点灯部30aが所定時間(例えば1秒)青く点灯した後に続いて下の点灯部30bが所定時間(例えば1秒)青く点灯する。被測定者は、この点灯部30a,30bの表示タイミングに合わせて空気を吸い込めばよい。
まずステップS11において、吸い込む場合の表示を行う。吸い込む場合の表示には、図4に示すように、生体24の肺部分が空気を吸い込むように徐々に拡大するアニメーション部26、空気を吸い込む向きに設定された矢印部28、及び吸い込むタイミングを表示する吸タイミング表示部30とが含まれる。吸タイミング表示部30は、例えば縦に並んだ2つの点灯部30a,30bを有し、上の点灯部30aが所定時間(例えば1秒)青く点灯した後に続いて下の点灯部30bが所定時間(例えば1秒)青く点灯する。被測定者は、この点灯部30a,30bの表示タイミングに合わせて空気を吸い込めばよい。
上記ステップS11の吸い込む場合の表示が終了すると、次のステップS12において、吐き出す場合の表示を行う。吐き出す場合の表示には、図5に示すように、生体24の肺部分が空気を吐き出すように徐々に縮小するアニメーション部32、空気を吐き出す向きに設定された矢印部34、及び吐き出すタイミングを表示する吐タイミング表示部36とが含まれる。吐タイミング表示部36は、前述した吸タイミング表示部30の2つの点灯部30a,30bに続いて例えば縦に並んだ3つの点灯部36a,36b,36cを有し、上の点灯部36aが所定時間(例えば1秒)緑に点灯した後に続いて中の点灯部36bが所定時間(例えば1秒)緑に点灯し、さらに下の点灯部36cが所定時間(例えば1秒)緑に点灯する。被測定者は、この点灯部36a,36b,36cの表示タイミングに合わせて空気を吐き出さばよい。
次のステップS13においては、上記深呼吸が所定回数(例えば5回)になったか否かを判定する。所定回数に達していない場合は、ステップS11に戻り、ステップS11及びステップS12の処理、即ち、再度深呼吸の表示を行う。そして、ステップS13において、深呼吸の表示が所定回数終了したと判定された場合は、ステップS14に進み、深呼吸の表示をOFFとして処理を終了し、前述したように生体情報の測定ステップに入る。
なお、深呼吸回数は、図4及び図5に示すように、回数表示部38に表示される。
以上のように、この実施形態においては、1回の深呼吸に6秒を割り当て、5回の深呼吸で合計30秒で深呼吸を行わせるようにしてある。
なお、深呼吸回数は、図4及び図5に示すように、回数表示部38に表示される。
以上のように、この実施形態においては、1回の深呼吸に6秒を割り当て、5回の深呼吸で合計30秒で深呼吸を行わせるようにしてある。
このように深呼吸の仕方を表示して被測定者に深呼吸をさせることにより被測定者を安静状態にし、例えば白衣高血圧のように誤った血圧測定を行わないようにしている。しかしながら、深呼吸を被測定者に促がしても実際には被測定者が安静状態となっていない場合もあり、そのため、ステップS20において安静状態になったことを確認するようにしている。
図6乃至図8において、前述したステップS20にLF/HF演算方法の詳細が示されている。
まずステップS21において、心電図モニタ14から入力された心電図から心拍変動を算出する。この心拍変動の算出は、図7A及びBに示すように、R波と次のR波との間隔をとってR−R間隔を測定し、次に図7C及びDに示すように、測定したR-R間隔データを後方のR波の時間的位置にプロットし、これを補間した後に、等間隔(図7Cの点線)で再サンプリングしたデータを作成することにより行う。次のステップS22においては、ステップS21で求めたデータに対してスペクトル分析(周波数変換)を行う。このステップS22でスペクトル分析した一例を図8に示す。次のステップS23においては、低周波成分LFを求める。ここで、低周波成分LFは、0.04〜0.15Hzのパワースペクトル成分の積分値である。次のステップS24においては、高周波成分HFを求める。ここで、高周波成分HFは、0.15〜0.40のパワースペクトル成分の積分値である。そして、ステップS25において、ステップS23で求めたLFとステップS24で求めた比を算出し、LF/HFとするものである。
まずステップS21において、心電図モニタ14から入力された心電図から心拍変動を算出する。この心拍変動の算出は、図7A及びBに示すように、R波と次のR波との間隔をとってR−R間隔を測定し、次に図7C及びDに示すように、測定したR-R間隔データを後方のR波の時間的位置にプロットし、これを補間した後に、等間隔(図7Cの点線)で再サンプリングしたデータを作成することにより行う。次のステップS22においては、ステップS21で求めたデータに対してスペクトル分析(周波数変換)を行う。このステップS22でスペクトル分析した一例を図8に示す。次のステップS23においては、低周波成分LFを求める。ここで、低周波成分LFは、0.04〜0.15Hzのパワースペクトル成分の積分値である。次のステップS24においては、高周波成分HFを求める。ここで、高周波成分HFは、0.15〜0.40のパワースペクトル成分の積分値である。そして、ステップS25において、ステップS23で求めたLFとステップS24で求めた比を算出し、LF/HFとするものである。
なお、上記実施形態においては、自律神経機能を測定する自律神経機能測定手段として交感神経活動度指標LF/HFを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば副交感神経活動度指標HFを用いてもよい。また、上記実施形態においては、自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定を行うか否かを決定するようにしたが、これに限定されるものではなく、他の実施形態として、一度は血圧は測定するが、自律神経機能の測定結果に応じて測定した血圧値を採用するか否かを決定するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明は、血圧を正確に測定する必要がある血圧測定システムに利用することができる。
10 血圧測定システム
12 血圧計
14 心電図モニタ
16 パーソナルコンピュータ
12 血圧計
14 心電図モニタ
16 パーソナルコンピュータ
Claims (6)
- 血圧を測定する血圧測定手段と、心電を監視する心電監視手段と、この心電監視手段から自律神経機能を測定する自律神経機能測定手段と、この自律神経機能測定手段による測定結果に応じて前記血圧測定手段による血圧測定を行うか否かを決定する血圧測定決定手段とを有する血圧測定システム。
- 血圧を測定する血圧測定手段と、心電を監視する心電監視手段と、この心電監視手段から自律神経機能を測定する自律神経機能測定手段と、この自律神経機能測定手段による測定結果に応じて前記血圧測定手段による血圧測定値を採用するか否かを決定する血圧測定決定手段とを有する血圧測定システム。
- 深呼吸の仕方を表示する深呼吸表示手段をさらに有し、この深呼吸表示手段の表示後に血圧測定決定手段による決定を行う前記請求項1又は2記載の血圧測定システム。
- 心電を監視し、この監視された心電から自律神経機能を測定し、この自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定を行うか否かを決定する血圧測定方法。
- 心電を監視し、この監視された心電から自律神経機能を測定し、この自律神経機能の測定結果に応じて血圧測定値を採用するか否かを決定する血圧測定方法。
- 前記決定を行う前に深呼吸の仕方を表示する請求4又は5記載の血圧測定方法。
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---|---|---|---|
JP2005358974A JP2007159774A (ja) | 2005-12-13 | 2005-12-13 | 血圧測定システム及び方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010158289A (ja) * | 2009-01-06 | 2010-07-22 | Showa Denko Kk | 安静誘導付き血圧測定装置 |
-
2005
- 2005-12-13 JP JP2005358974A patent/JP2007159774A/ja active Pending
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