JP2007157371A - 静電容量型デジタル式タッチパネル - Google Patents

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Abstract

【目的】 静電結合式タッチパネルのスイッチ動作において、既存のマイクロコントローラを使用して、システムの全体や個々の場所での温度変化等による容量変化による周波数変動を簡単な制御で安定したON/OFF動作を実現し、さらには電源投入時の指の接触判定も可能とする。
【構成】 静電結合式のタッチパネルのスイッチ電極において同じ特性のスイッチ電極どうしを導通しないようにしてちょうど重なるようにした二重構造として個々のスイッチ電極の周波数を順番にスキャンし、スキャンしていない電極はGNDとし重なった電極間での周波数の差から指の接触を判定する。
【効果】 安易に安定した動作と機能追加が可能となる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、デジタル式タッチパネルの入力方式において、静電容量結合方式を採用したタッチパネルのスイッチ動作に関して、安定した情報の入力を可能にするものである。
従来の静電容量型デジタル式タッチパネルでは、図1に示すようにPETフィルム1の上にITO膜や銀ペースト印刷によりスイッチ電極2を形成したシートを、図2に示すようにガラスやアクリル板等の誘電体3の裏に貼り付けたものを、図3に示すパネル部4とし、複数のスイッチ電極が接続されたスイッチ電極切り替え回路にて、各スイッチ電極と発振回路を1対1で接続し、スイッチ電極の静電容量の変化を、発振回路を通してカウンタで取り込み、インプットキャプチャで周期の時間を計測することで周波数変化を判断する制御部5があり、スイッチ電極2に使用者の指が接触していない時の周波数から、スイッチ電極2に触った時の周波数の変化でON/OFF判断を行うが、制御部5にて検出する静電容量の値は安定的なものではなく、パネル部4や制御部5の温度や設置場所の環境変化によって大きく変動するので、その変動を吸収するための補正処理が制御部内で絶えず必要となり、補正処理を超えた変化が発生した場合には誤動作の原因となる。
特開2004−213114号。
従って上記従来技術の方式では、タッチパネルに指が接触した場合に変化する容量変化を検出してスイッチとしてのON/OFF動作を行うが、初期段階で指が接触していない時の容量を取得していなければ、容量変化が把握出来ない事になる。従って例えば、電源投入時に指がタッチパネルに接触していた場合には、その後の検出で容量変化は発生しないので指が接触していることが判別出来ずONとならない。またタッチパネルの容量検出時に急激な温度変化等が発生すれば容量変化が発生し、指がタッチパネルに接触していないのにあたかも接触したかのように誤った判別を行いスイッチがONとなる。また緩やかな温度変化でも時間経過でかなりの容量変化となるので、通常は補正処理で温度の変化量を差し引く処理を行うが、ゆっくり指をタッチパネルに接触させた場合も緩やかな容量変化となり補正処理により、容量変化が無視される事で指がタッチパネルに接触したにもかかわらずスイッチがONとならない等の問題があった。
そこで本発明の目的は、タッチパネルを押した場合に変化する静電容量変化を安定したスイッチ動作としてON/OFFを検出し、さらには消費電力の低減やスイッチ動作の機能拡大を実現することにある。
タッチパネル部と制御部から構成される静電容量型デジタル式タッチパネルであって、前記タッチパネル部は、ガラス板やアクリル板等の誘電体の裏面に、絶縁フィルムの表面と裏面の対向する位置にITO膜や銀ペースト印刷によるスイッチ電極が配置された電極シートを設けた構造を成しており、記制御部は静電容量変化による周波数変化を出力可能な発振回路と、発振回路からの出力波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能が内蔵されたCPUが設けられ、前記タッチパネル部の複数のスイッチ電極の静電容量変化の信号を検出する際に、検出スイッチ電極以外をGNDとした上で、一つづつ順次発振回路を通して入力される周波数を、インプットキャプチャにて計測して数値化する処理を行い、データとして取り込み、操作者がスイッチ電極に触れた時の静電容量の変化で、スイッチ機能として押圧されたか判断し、重なったスイッチ電極間での周波数の差分データでスイッチのON/OFF判定を行う静電容量型デジタル式タッチパネルを提案するものである。
以上説明したように、本発明によれば静電容量結合のタッチパネルにおいて、スイッチ電極を二重構造にして順番に容量変化を検出する事により差分をとることで、装置に加わる温度変化等の環境変化に対する変動を吸収する。また、面倒な信号補正を必要とせずに簡単にON/OFF判断が出来るようになり、かつ電源投入時より指が接触している事が判別可能となることで必要な時にのみ動作し、それ以外は停止出来るので消費電流の低減も可能な信頼性の高い入力装置が実現できる。また裏側にさらに誘電体を張り合わせで電極シートをサンドイッチにすると表裏どちらから接触したかの判定も可能となる。
本発明の構成は、図10に示すタッチパネル部4と制御部5から構成されている。
タッチパネル部4は、図5、6、8、9で示すように、絶縁性フィルム1の表と裏の対向する位置に、ITO膜や銀ペースト印刷で形成された電極6、7、8、9及び電極16から電極21を設けた電極シートをガラス板やアクリル板等の誘電体に接着剤等で貼り付けた構造となっている。
電極シートの電極6、8、10は、人の指が隠れるくらいの円又は四角形でスイッチ電極を形成し、その信号を取り出すための信号端子12が、制御部5に設けられているスイッチ電極切り替え回路13に接続されている。
制御部5は、スイッチ電極16からスイッチ電極21が順番に接続できるスイッチ電極切り替え回路13、スイッチ電極切り替え回路13で選択されたスイッチ電極の容量変化を、周波数が可変出来る発振回路14、発振回路14からの波形幅が計測できるインプットキャプチャが内蔵されたマイクロコントローラ15がある。マイクロコントローラ15内にはCPUが設けられており、図示しないメモリに格納された制御プログラムを実行して、I/Oを通してスイッチ電極切り替え回路13を制御し、発振回路14よりの信号をカウンタより取り込み、図示しないインプットキャプチャから得られた数値を判断し、結果をスイッチのON/OFFデータとして、例えばシリアル通信を介してデータを外部機器(図示せず)へ送出する構成となっている。
このデジタル型静電容量方式タッチパネルの動作原理を簡単に説明する。
まず通常、スイッチ電極16からスイッチ電極21の各スイッチ電極と、スイッチ電極切り替え回路13、発振回路14の設計によって決まる一定の周波数での発振が発生している。この状態で人の指がスイッチ電極16、18、20の上に近づくと、スイッチ電極16、18、20の静電容量が増加する。それは、人間は元々容量が100pF程度持った導体であり、スイッチ電極16、18、20に導体である人の指が近づくと静電誘導現象が発生し静電容量が増加するからである。
次に発振回路14は、増加した静電容量の変化を検知し、容量の増加に追従して発振周波数が変化する発振回路で構成されている。発振周波数は、一般的なCPUで測定可能な100kHz程度とする。
次に制御部5では、スイッチ電極16から電極21を一つづつ選択し、選択されたもの以外の電極をGNDへ接続したうえで、マイクロコントローラ15に内蔵されたインプットキャプチャの機能、すなわち入力の1周期の間に何クロック経過したかを計測する機能を利用して、発振周波数を測定して数値化し記憶していく。次にスイッチ電極に指が近づいた時には、二重構造の指に近い方のスイッチ電極16、18、20は静電容量が増加し、周波数が低下し、インプットキャプチャで数値化される値は増加するが、スイッチ電極17、19、21を選択した場合、指との間にスイッチ電極16、18、20が存在し、かつGNDへと接続されている事になるので指による静電容量変化が発生しない。
ここで、タッチパネル部4に指が接触していない時には、スイッチ電極16からスイッチ電極21の周波数変化は上下のペアでは等しく、例えばスイッチ電極16、17では、CPUクロックを10MHzとした場合に、100KHzをインプットキャプチャでカウントすると100カウントとなり、これを100回加算すれば10000カウントになる。この計測環境で、指がスイッチ電極に接触した時に変化する静電容量による周波数変化が1KHzぐらいならば、100KHzに対して1%の変化でインプットキャプチャでは100カウントの変化として計測可能となる。このときスイッチ電極16では10100カウントとなるが、スイッチ電極16に遮蔽されたスイッチ電極17は10000カウントのままとなるので単純な差分で指の接触による静電容量変化量が100カウント発生したと判断出来る。
差分データは、マイクロコントローラ15内の図示しない一時的な記憶領域としてのRAMに記録したうえで、スイッチのON/OFF判定は、タッチパネル部4に指が接触した時の接触面積や指の動きやノイズ等でも差分データが変動する事になるので、差分データに対して、マイクロコントローラ15内の図示しない記憶領域のROM上に記録された一つのしきい値でスイッチのON/OFFを決定すると、微少な変動での差分データの変化によってはスイッチのON/OFFを繰り返してしまう事態が発生するので、スイッチのONを判断するしきい値とは別に、スイッチのOFFを判断するしきい値を用意してROM上に記録しておく。例えば、CPUはROM上からスイッチのONと判断するしきい値とスイッチのOFFと判断するしきい値を読み出して差分データと比較し、スイッチのONと判断するしきい値を70、スイッチのOFFと判断するしきい値を30とするとCPUは差分データが70以上となった時にスイッチのONと判断し、それ以降は差分データが30以下にならないとスイッチがOFFにならないようにする。
以上により指が、パネル部4のスイッチ電極2の上を触ったかが判断出来、安定したスイッチ機能として動作可能となる。
即ち本発明のようにすれば、重なったスイッチ電極の周波数変化の差を算出するだけでスイッチとして働き、スイッチ電極の信号処理を行う共通回路や電極における温度変化における周波数変動も無視でき、静電容量型デジタル式タッチパネルにおいて、簡単な制御で安定した動作をさせる事が可能となる。
まずタッチパネル部4について説明する。通常、図1に示すようにスイッチとして必要な個数、必要なサイズのスイッチ電極2をPETフィルム1の上にITO膜や銀ペーストにて印刷を行った電極シートを、図2に示す様にガラスやアクリル等の誘電体3の下へ貼り付ける。ここで貼り付ける電極シートのスイッチ電極を図4に示すように二重構造にする方法として、重ねるスイッチ電極同士の特性は同一である必要があるので、一つは図5に示すようにスイッチ電極6と同じスイッチ電極7を設けた電極シートを、PETフィルム1の下から貼り付ける事で実現する。次に図6に示す様に、同一PETフィルム1の裏表に同じ形状のスイッチ電極8、9をITO膜や銀ペーストにて印刷する事で実現する。
図7に示す様に、PETフィルム1の片面に線対称でスイッチ電極10、11をITO膜や銀ペーストにて印刷し、図8に示すようにスイッチ電極が外側になるように線対称の部分で折り返して張り合わせるか、図9に示す様にスイッチ電極が内側になるように線対称の部分で折り返し間に別途PETフィルム1を挿入して張り合わせる事で実現する。以上の方法で形成した二重構造の電極シートを誘電体3に貼り付ける事でパネル部4を構成する。
次に図10、11に従って制御部5の動作を説明する。タッチパネル部4には誘電体3の下には、スイッチ電極16、18、20が設けられており、この電極にちょうど隠れる位置にスイッチ電極17、19、21が配置されている。これに対してマイクロコントローラ15内のCPUは図示しない制御プログラムに従ってI/Oよりの出力でスイッチ切り替え回路13に対して、まずスイッチ電極16を発振回路14へ接続し、さらに残りのスイッチ電極17から電極21までの全てをGNDへと接続する。接続後、発振回路14より出力される周波数をマイクロコントローラ15内の図示しないインプットキャプチャにて数値化する。通常インプットキャプチャは入力周波数の1周期のタイミングでCPUの動作速度を決定するクロック数をカウントして保持する。
例えば、CPUクロックを10MHzとした場合に100KHzをインプットキャプチャでカウントすると100カウントとなり、これを100回加算すれば10000カウントになる。この計測環境で指が接触した時に変化する静電容量による周波数変化が1KHzぐらいならば、100KHzに対して1%の変化でインプットキャプチャでは100カウントの変化として計測可能となる。従ってスイッチ電極11では、指が接触していない時に10000カウント、接触した時に10100カウントとなる。
次にマイクロコントローラ15は、スイッチ電極17を発振回路14へ接続し、さらに残りのスイッチ電極全てをGNDへと接続する。接続後、発振回路14より出力される周波数をマイクロコントローラ15内の図示しないインプットキャプチャにて同様に数値化する。この時、図11に示す様に指が接触する側は、スイッチ電極16で遮蔽されておりGNDとなっているので、指の接触による静電容量変化は遮断され、スイッチ電極17へ伝わらないので、同一回路を使用している同じ特性のスイッチ電極16の指が接触していないときの周波数と同じとなり数値化された値は10000カウントとなる。以下同様に全てのスイッチ電極の周波数を数値化してマイクロコントローラ15内に取り込む。
次に重なったスイッチ電極同士であるスイッチ電極16と17、スイッチ電極18と19、スイッチ電極20と21の差を計算し、それぞれのスイッチ電極の変化量として保持する。ここで仮に、スイッチ電極や回路に対して温度変化が起こる事で容量が変化し、例えばスイッチ電極16が10500カウントになったとしても、当然条件が同じスイッチ電極17も10500カウントとなるのでカウントの差分値は指が接触していないときは0であり、指が接触した場合にスイッチ電極16側だけに静電容量変化が起こり10600カウントになるのでカウントの差分値は接触時に100となる。
算出した差分値を使用して安定したスイッチ電極のON/OFFを判定する為に、スイッチ電極毎に、事前にスイッチ電極のONと判定するしきい値と、スイッチ電極のOFFと判定するしきい値を、指が接触したときの差分値より決定し、マイクロコントローラ15内の記憶領域としてROM上に記録しておく。例えば重なったスイッチ電極16、17において、スイッチ電極がONと判定するしきい値を70、スイッチ電極が、OFFと判定するしきい値を30とすると、指が接触する課程で差分値は0から100へ増加することになるので、この差分値とスイッチ電極のONとするしきい値をCPUが比較して差分値がスイッチ電極のONとするしきい値より大きくなった場合に、CPUがスイッチ電極のONと判断する。次に事前に設定したスイッチ電極のONとするしきい値より小さく設定されたスイッチ電極のOFFとするしきい値をCPUが差分値と比較して、差分値のほうが小さくなった時点で、スイッチ電極をOFFと判断する。一度スイッチ電極をONと判断した後は、スイッチ電極のONとするしきい値より小さくなってもスイッチ電極をONとしての判断を保持し、スイッチ電極をOFFとするしきい値より小さくなった時点で初めてスイッチ電極のOFFとCPUが判断する事で、指のぶれ等による接触状態の変化があっても安定したスイッチ電極のON/OFFを判断出来る。
ここで、スイッチ電極をONとするしきい値や、スイッチ電極をOFFとするしきい値は人間の入力操作感により決定される値であり、しきい値の差を小さくすればスイッチ電極のON/OFFの反応が良くなったり、スイッチ電極をONとするしきい値を小さくすると、軽い接触でスイッチ電極がONする等の状況に応じた値を設定する。
従来静電容量型タッチパネルの電極シート図 従来静電容量型タッチパネルのパネル部構成図 従来静電容量型タッチパネルのシステム構成図 二重スイッチ電極概念図 二重スイッチ電極パネル部構成図 二重スイッチ電極パネル部構成図 二重スイッチ電極概念図 二重スイッチ電極パネル部構成図 二重スイッチ電極パネル部構成図 静電容量型タッチパネルのシステム構成図 二重スイッチ電極検出時概念図
符号の説明
1 絶縁性フィルム
2 スイッチ電極
3 誘電体
4 パネル部
5 制御部
6 スイッチ電極
7 下側スイッチ電極
8 スイッチ電極
9 下側スイッチ電極
10 スイッチ電極
11 下側スイッチ電極
12 パネル部接続端子
13 スイッチ電極切り替え回路
14 発振回路
15 マイクロコントローラ
16 指接触側スイッチ電極
17 重なり下側スイッチ電極
18 指接触側スイッチ電極
19 重なり下側スイッチ電極
20 指接触側スイッチ電極
21 重なり下側スイッチ電極

Claims (2)

  1. タッチパネル部と制御部から構成される静電容量型デジタル式タッチパネルであって、前記タッチパネル部は、ガラス板やアクリル板等の誘電体の裏面に、絶縁フィルムの表面と裏面の対向する位置にITO膜や銀ペースト印刷によるスイッチ電極が配置された電極シートを設けた構造を成しており、記制御部は静電容量変化による周波数変化を出力可能な発振回路と、発振回路からの出力波形の幅が計測できるインプットキャプチャ機能が内蔵されたCPUが設けられ、前記タッチパネル部の複数のスイッチ電極の静電容量変化の信号を検出する際に、検出スイッチ電極以外をGNDとした上で、一つづつ順次発振回路を通して入力される周波数を、インプットキャプチャにて計測して数値化する処理を行い、データとして取り込み、操作者がスイッチ電極に触れた時の静電容量の変化で、スイッチ機能として押圧されたか判断し、重なったスイッチ電極間での周波数の差分データでスイッチのON/OFF判定を行うことを特徴とする静電容量型デジタル式タッチパネル。
  2. 前記、スイッチ電極は同一のスイッチ電極を装備したシートを重ねて設けたことを特徴とする請求項1記載の静電容量型デジタル式タッチパネル。
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