JP2007152130A - 眼球の前部水晶体嚢を可視化するためのトリパンブルーの使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、白内障の除去と眼球内レンズとの取り替えの手順の間、眼の前部水晶体嚢を可視化するための組成物を製造するにあたりトリパンブルーを使用することを提供する。また、前部水晶体嚢の可視化のための方法および白内障治療のための方法も提供する。
【選択図】なし
Description
1.嚢が良く見えるように、高倍率を使用する、手術室の照明を暗くし、繊維光学光源による側面からの照明を使用する。これらの手順は不細工で、高価で特に有効ではない。
2.染料、特にフルオレセイン、を使用して、嚢を染色し、染色されない、下に存在する不透明な水晶体繊維にたいしてハイライトされるようにする。このような染料は眼の中で使用するのはむずかしい、というのは染料は水晶体や角膜中に迅速に拡散し、可視化を最適にするために、手術用顕微鏡に適当なフィルターをはめなければならない。染料の潜在的毒性の問題も生じる。
3.患者自身の血で嚢がカラリングされる。
4.高周波切断装置のような専門的な切断技術の開発。これは高価な追加の器具を要し、前部水晶体嚢に、標準的な嚢切開に比べて強度が劣る丸い穴を生じることがわかっている。
これらのどの技術も広範に使用されるにいたっていない。
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明は実施例に限られるものではない。
この婦人は、法律上盲目と提示された。彼女の視覚欠乏(visual deficit)の原因は、成人白内障(mature white cataract)であった。彼女の手術の嚢切開段階(capsulorhexis phase)は、白い水晶体物質に対する水晶体嚢の貧しい可視化のため難しいことは予期された。彼女は、各処方(隔てた数週に行われた)で前部水晶体嚢を染色するためにトリパンブルーが用いられたことを除けば、慣例通りの白内障手術を受けた。瞳孔縁で前眼房にHealon GVを滴下した。Healonは Healon GVのリングの中央に滴下し、従って、それほど粘性ではないHealonが前部水晶体嚢をカバーした。0.1%のトリパンブルーが、Healonの下に注入され、約30秒の間前部嚢との接触を保持した。代表的には最高0.1 mlのトリパンブルー溶液が用いられた。Capsulorhexisは慣例通りに行われ、青色に染色された前部水晶体嚢は、下部にある白内障水晶体物質に対してシャープなコントラストであった。手術の結果は素晴らしく、視力は正常なレベルに回復した。11ヶ月までフォローアップし、その処方からの副作用は現れなかった。
この患者は角膜損傷のため貧しい視覚であった。最終的に角膜の移植が必要であろうけれども、彼女の白内障が視覚欠乏の一因になっていると感じられた。角膜の移植材料に長い待機時間があり、角膜移植手術と同様に白内障手術を同時に行う代わりの本処方の実施行うことは(staging)はより安全であり、白内障手術はトリパンブルーの支援のもとに行われた。トリパンブルーによる染色は、capsulorhexisの遂行において支援するばかりでなく、それは、平坦な前部嚢(残留前部嚢は処置の間青色を保持する)を相対的に不透明な角膜を通して識別でき、それにより目印として行うので、残余の処置をより容易に遂行させた。患者は、安全な白内障摘出(cataract extraction)の後、視覚において顕著に改良された。
この患者は糖尿病の視覚合併症により法律上盲目とされていた。白内障の外に、彼は網膜の疾病と硝子体出血を患っていた。彼の網膜の疾病を治療するために、まず、白内障摘出を行うことが必要であった。硝子体出血は、白内障手術の間、網膜から後ろに反射する光を覆い隠す(赤色の反射)ので、我々はこれが難しいと予想した。また、トリパンブルーは、手術の残りの間、目印を提供するばかりでなく、嚢切開(capsulorhexis)を実行することの両方を支援した。処方は平穏無事に実行され、患者はガラス質網膜(vitreo-retinal)の手術を受けた。
我々は、1999年6月24日現在、31のケースにトリパンブルーを使用した。最も長いフォローアップは11ヶ月であった。トリパンブルーの使用に帰されえる副作用は全く見られなかった。
本明細書において、先行技術の参照は、先行技術が共通の一般的な知識一部を成形するという認知あるいは如何なる形式の示唆として取るべきでない。
Claims (13)
- 前眼房に空気を満たさずに、白内障水晶体の除去処理とレンズ交換処理の間、眼の前部水晶体嚢の可視化を高めるための組成物を製造するためのトリパンブルーの使用であって、該組成物がトリパンブルー粉末と眼にとって許容できる溶液を含む、点眼用のトリパンブルーの使用。
- 該組成物が2つの部分として提供され、第1の部分はトリパンブルーの粉末を含み、第2の部分は、眼に滴下するための組成物とするためにトリパンブルーと混合される目にとって許容できる溶液を含む、請求項1に記載の使用。
- 該組成物が、乾燥トリパンブルーを含む第1室ユニットと目にとって許容できる溶液を含む第2室ユニットとからなる2室形状ユニット内で使用の都度製造され、第1室ユニットは開くことができる仕切りによって第2室ユニットから分離されている、請求項1に記載の使用。
- 動物(ヒトを除く)の前部水晶体嚢を可視化するための、トリパンブルーを目にとって許容できる溶媒に溶解したトリパンブルー溶液の使用であって、前眼房に空気を満たさずに、前部水晶体嚢を可視化するために前眼房にトリパンブルー溶液を滴下し、続いて嚢切開、水晶体除去及び眼内レンズ交換をすることを含む、トリパンブルー溶液の使用。
- 粘弾性物質を前眼房に添加し、続いてトリパンブルーを導入することを含む請求項4に記載の使用。
- 嚢切開処置のあいだ前部水晶体嚢を可視化するための、0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルーを含むトリパンブルー溶液の使用であって、前眼房を粘弾性物質で満たし、粘弾性物質の下に、前部水晶体嚢を染色するに充分な時間0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルーを含むトリパンブルー溶液を導入し、前眼房から過剰のトリパンブルーおよび粘弾性物質を除去し、粘弾性物質を前嚢に再導入し、その後、嚢切開、水晶体除去および眼球内レンズ交換を行うことを含む、請求項5に記載の使用。
- 白内障治療のための0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルーを含むトリパンブルー溶液の使用であって、前眼房を粘弾性物質で満たし、粘弾性物質の下にトリパンブルー溶液を前部水晶体嚢を染色するに充分な時間導入し、過剰のトリパンブルーおよび粘弾性物質を除去し、粘弾性物質を前嚢に再導入し、その後、嚢切開、水晶体除去および眼球内レンズ交換を行うことを含む、請求項5に記載の使用。
- 前部水晶体嚢からトリパンブルーが漏れるのを最小限にするために、水晶体嚢上には粘性が小さめの粘性物質を、眼の瞳孔縁には粘性の大きめの粘性物質を導入する、粘度の異なる粘弾性物質を眼に導入する、請求項5に記載の使用。
- 動物の前部水晶体嚢を可視化するための、トリパンブルーを目にとって許容できる溶媒に溶解したトリパンブルー溶液を含む組成物であって、前眼房に空気を満たさずに、前部水晶体嚢を可視化するために前眼房にトリパンブルー溶液を滴下し、続いて嚢切開、水晶体除去及び眼内レンズ交換をすることを含む方法において使用する組成物。
- 粘弾性物質を前眼房に添加し、続いてトリパンブルーを導入することを含む方法において使用する請求項9に記載の組成物。
- 嚢切開処置のあいだ前部水晶体嚢を可視化するための、0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルーを含む組成物であって、前眼房を粘弾性物質で満たし、粘弾性物質の下に、前部水晶体嚢を染色するに充分な時間0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルー溶液を導入し、前眼房から過剰のトリパンブルーおよび粘弾性物質を除去し、粘弾性物質を前嚢に再導入し、その後、嚢切開、水晶体除去および眼球内レンズ交換を行う方法において使用する請求項10に記載の組成物。
- 白内障治療のための0.05%(w/w)〜3%(w/w)のトリパンブルー溶液を含む組成物であって、前眼房を粘弾性物質で満たし、粘弾性物質の下にトリパンブルー溶液を前部水晶体嚢を染色するに充分な時間導入し、過剰のトリパンブルーおよび粘弾性物質を除去し、粘弾性物質を前嚢に再導入し、その後、嚢切開、水晶体除去および眼球内レンズ交換を行う方法において使用する請求項10に記載の組成物。
- 前部水晶体嚢からトリパンブルーが漏れるのを最小限にするために、水晶体嚢上には粘性が小さめの粘性物質を、眼の瞳孔縁には粘性の大きめの粘性物質を導入する、粘度の異なる粘弾性物質を眼に導入する方法において使用する請求項10に記載の組成物。
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