JP2007148945A - 画像修復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小さな傷のみならず大きな傷であっても、さらには広範囲に散らばる多数の傷であっても、効率良くかつ高速に画像の修復が可能な画像修復方法を提供する。
【解決手段】原画像の傷を修復する画像修復方法は、まず原画像を低周波成分と高周波成分に分解するためにウェーブレット変換を行う(ステップ101)。そして、ウェーブレット変換過程により分解された低周波成分(ステップ102)を、内挿法により修復する(ステップ103)。この内挿画像修復過程により修復された低周波成分及び高周波成分を用いて、逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、修復画像を生成する。さらに、高周波成分にテクスチャ法による修復(ステップ203)を施しても良い。
【選択図】図1
【解決手段】原画像の傷を修復する画像修復方法は、まず原画像を低周波成分と高周波成分に分解するためにウェーブレット変換を行う(ステップ101)。そして、ウェーブレット変換過程により分解された低周波成分(ステップ102)を、内挿法により修復する(ステップ103)。この内挿画像修復過程により修復された低周波成分及び高周波成分を用いて、逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、修復画像を生成する。さらに、高周波成分にテクスチャ法による修復(ステップ203)を施しても良い。
【選択図】図1
Description
本発明は画像修復方法に関し、特に、ウェーブレット変換を用いて高周波成分と低周波成分に分解してそれぞれに対して所定の画像処理を行うことで原画像の傷を修復する画像修復方法に関する。
画像をデジタル化したデータを保存することにより、その色や模様、文字等の情報を永遠に保存することが可能である。このため、近年アナログ写真や図書等をスキャンしてデジタル化することが行われている。しかしながら、古い写真や図書には様々な傷が付いていたりスキャン時に埃等が写り込んでしまったりすることが多く、スキャン後、傷を修復してから保存することも行われている。また、デジタル画像等の用途に応じて、字幕やシンボルマーク、電線等の不要な部分を画像処理により消去する場合も多い。
このような傷の修復や不要な部分の消去を行う画像処理方法には、様々なものが存在する。例えば、傷の周りの情報に基づいて傷の内側に向かって画像を修復する内挿法や、傷以外のテクスチャをコピーして傷の部分にペーストするテクスチャ法等が挙げられる。内挿法には、傷の隣接領域の情報を利用し、画像の等輝度線に沿って繰り返しの計算により傷領域の修復を行うPDE(Partial Differential Equation)法や、離散点から陰関数を生成して画像を関数化することで傷領域の修復を行うCSRBF(Compactly Supported Radial Basis Functions)法等が存在する(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。また、テクスチャ法としては、多分解能テクスチャ貼り付け法等が存在する。
しかしながら、上記のような従来の画像処理方法では、小さな傷の修復等には有効であるが、大きな傷の修復には適用できない場合が多かった。また、画像処理速度にも問題があった。具体的には、例えばPDE法では、良い結果を得るためには何万回もの繰り返し計算を行う必要があり、計算時間が非常に多いものであった。また、画像によっては計算が収束しない場合も多かった。さらに、大きな傷の場合には修復部分がボケた曖昧な画像となる場合もあった。また、小さな傷であっても、広範囲に点在している場合や多数存在する場合には、PDE法はすべての傷を選択して適用する必要があるため、実質的に適用することが難しかった。
また、CSRBF法においても、PDE法と同様の問題があり、多数回の繰り返し計算を行う必要はないが、大きな傷の修復の場合には、色が曖昧になりすぎて単なる塗りつぶしのような状態となってしまい、不自然な修復結果となることもあった。また、隣接領域における色変化が激しい場合にも、修復することができなかった。さらに、PDE法と同様に、画像によっては計算が収束しない場合もあり、また、小さな傷であっても、広範囲に点在している場合や多数存在する場合には、すべての傷を選択して適用する必要があるため、実質的に適用することが難しかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、小さな傷のみならず大きな傷であっても、さらには広範囲に散らばる多数の傷であっても、効率良くかつ高速に画像の修復が可能な画像修復方法を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による画像修復方法は、原画像を低周波成分と高周波成分に分解するウェーブレット変換過程と、ウェーブレット変換過程により分解された低周波成分を内挿法により修復する内挿画像修復過程と、内挿画像修復過程により修復された低周波成分及び高周波成分を用いて修復画像を再構築する逆ウェーブレット変換過程とを具備するものである。
さらに、ウェーブレット変換過程により分解された高周波成分をテクスチャ法により修復するテクスチャ画像修復過程を具備し、逆ウェーブレット変換過程は、内挿画像修復過程により修復された低周波成分及びテクスチャ画像修復過程により修復された高周波成分を用いて修復画像を再構築するようにしても良い。
ここで、ウェーブレット変換過程は、以下の条件を満たすまで繰り返し行われる。
但し、kは任意のピクセル、iはピクセルkの隣接ピクセル、Gdkはピクセルkの色の勾配、Cはピクセルの色の値、Nは隣接ピクセル数である。
但し、kは任意のピクセル、iはピクセルkの隣接ピクセル、Gdkはピクセルkの色の勾配、Cはピクセルの色の値、Nは隣接ピクセル数である。
また、内挿法はCSRBF法、又はPDE法が適用可能である。
また、テクスチャ法は多分解能テクスチャ貼り付け法が適用可能である。
さらに、ウェーブレット変換過程により分解された高周波成分に対してノイズの除去を行うノイズ除去過程を具備するようにしても良い。
本発明の画像修復方法には、大きな傷に対しても、従来のような不自然な画像修復とはならず、自然な状態となるように修復可能であるという利点がある。また、広範囲に複数点在する傷に対しても、効率良く修復が可能であるという利点もある。このように、本発明の画像修復方法は、様々な傷等に対してトータル修復が可能なものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の画像修復方法の第1実施例の処理過程を説明するためのフローチャートである。なお、本明細書中の用語「傷」とは、アナログ写真等に既に付いてしまっている傷や破損により欠落している部分だけでなく、スキャン時に発生した埃や不要な写り込み等、画像処理で消去したいあらゆるものを含むものである。
図1を参照して全体的な流れを説明すると、まず原画像にウェーブレット変換を行い(ステップ101)低周波成分と高周波成分に分解する(ステップ102、202)。そして、低周波成分に対して画像の傷を内挿法により修復し(ステップ103)、修復された低周波成分とステップ202の高周波成分を用いて逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、画像を再構築して最終的な修復画像を得る(ステップ105)。以下、各ステップを具体的に説明する。
まず、ウェーブレット変換(ステップ101)であるが、これは離散ウェーブレット変換であることが好ましい。即ち、原画像を高周波成分と低周波成分に分解し、分解された高周波成分をまた高周波成分と低周波成分に分解するという作業を所定の回数繰り返し行っていくものである。後のステップの内挿法による傷の修復効果を高めるためには、傷の隣接領域における色変化の激しさを一定範囲に収める必要がある。そこで、ウェーブレット変換過程は以下の条件を満たすまで繰り返し行われるようにする。
但し、kは任意のピクセル、iはピクセルkの隣接ピクセル、Gdkはピクセルkの色の勾配、Cはピクセルの色の値、Nは隣接ピクセル数である。
ここで、thresholdは、傷の大きさに拠るが、例えば0.2等に設定する。
ここで、thresholdは、傷の大きさに拠るが、例えば0.2等に設定する。
2次元ウェーブレット変換は、周波数及び空間情報を有するため、フーリエ変換より画像のノイズ除去や分解等に優れている。2次元離散ウェーブレット変換においては、2次元画像z(x、y)は、スケーリング関数φ(x、y)と3つのウェーブレット関数ψHL(x、y)、ψLH(x、y)、ψHH(x、y)で表される。ここで、ψ:={ψHL,ψLH,ψHH}に対して、以下の条件を与える。
このように設定したとき、2次元画像z(x,y)は以下のように表される。
原画像を2次元画像とし、画像信号の横軸(m)方向に1次元直交ウェーブレット変換を行い、展開係数を求める。そして、次にその展開係数に対して縦軸(n)方向にウェーブレット変換を行い、展開係数を求める。即ち、1回のウェーブレット変換により、原画像は図2に示すように、水平方向の低周波成分・垂直方向の低周波成分(LL1)と、水平方向の高周波成分・垂直方向の低周波成分(HL1)と、水平方向の低周波成分・垂直方向の高周波成分(LH1)と、水平方向の高周波成分・垂直方向の高周波成分(HH1)というような、4つの部分に分解される。さらに、水平方向の低周波成分・垂直方向の低周波成分(LL1)に対して同じようにn回の分解を行うと、最終的にLLn,HLn、LHn、HHnに分解される。これにより、LLnの部分はさらにスムーズになる。このようなウェーブレット変換を、上記数1の条件を満たすまで繰り返し行い、原画像を低周波成分と高周波成分に分解する(ステップ102、202)。
次に、このようにウェーブレット変換により分解された低周波成分(LLn)に対して、内挿法を施して画像を修復する(ステップ103)。内挿法(Inpaint)には、現存する方法あるいは今後開発されるあらゆる方法が含まれる。一例としてPDE法による修復とCSRBF法による修復について以下に説明する。
PDE法は、偏微分方程式に基づくアルゴリズムであるが、これは修復したい傷の隣接領域の情報を利用し、画像の等輝度線に沿って繰り返し計算を行うことで傷領域の修復を行うものである。回数(時刻)nのときの修復領域の位置(i,j)のピクセルをIn(i,j)とすれば、PDEの修復計算式は以下のように表すことができる。
原画像の傷に対して直接PDE法により修復を行った場合には、画像によっては計算が収束しない場合があったが、本発明のように低周波成分に対してのみにPDE法を施すと、色変化もスムーズとなり、収束も早くなるため計算時間が大幅に削減できる。
PDE法では、理論的にはnが∞のときしか理想的な修復画像が得られず、多数の繰り返し計算を行う必要があるというデメリットはある。このような場合では、CSRBF法を用いて傷を修復すれば良い。CSRBF法は、表面を再構築する技術の1つであり、離散点P(x,y,z)から陰関数f(P)を生成することで画像を関数表現化し、これを用いて傷領域の修復を行うものである。CSRBF法における基底関数は、以下のように定義される。
但し、r(Pi,Pj)は複数の離散点の中の任意の2点PiとPjの距離、r0は初期値として与える任意の点Piを中心とした半径である。
そして、任意の点Piを中心とした半径r0の球に対し、その球内のすべての離散点について、中心Piとの距離を求める。このとき、陰関数f(P)は、以下のように表される。
但し、p=ν0+ν1x+ν2y+ν3zであり、νj(j=1,2,3)は点Pjにおける基底関数の係数、λjは1次項の係数である。
したがって、点Piにおけるピクセル値hiは、以下の式で表される。
上記数7は、以下のような行列で表すことが可能である。
これを満足するようにλj、ν0、ν1、ν2、ν3を求めている。
したがって、点Piにおけるピクセル値hiは、以下の式で表される。
このように、CSRBF法では、画像を表面とし傷の隣接領域のピクセルのみの値を用いて陰関数f(P)を生成し、この陰関数を用いて傷領域内のピクセル(i,j)の値を求めるものである。CSRBF法では、PDE法における多数の繰り返し計算を避けることが可能となる。原画像の傷に対して直接CSRBF法により修復を行った場合には、計算が収束しない場合もあったが、本発明のように低周波成分に対してのみにCSRBF法を施すと、隣接領域における色変化が激しい部分である高周波成分は除かれたスムーズな色変化となり、収束も早くなるため計算時間の削減が可能となる。
上記の通り、原画像をウェーブレット変換により高周波成分と低周波成分に分解することで、傷領域を小さくさせ、色変化の激しさを低減させることが可能となる。したがって、低周波成分のみに内挿法を施すことで、内挿法を効率良く適用することが可能となる。その後、このようにして修復された低周波成分と高周波成分に対して逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、最終的な修復画像が得られる(ステップ105)。
上記の例でも自然な修復が可能であるが、画像によっては不自然さが残ってしまう場合もある。即ち、画像によっては修復部分がボケた曖昧な画像や塗りつぶしたような画像となってしまう場合があった。これを解消するための方法を以下に説明する。図3は、本発明の画像修復方法の第2実施例の処理過程を説明するためのフローチャートである。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一の過程を表しているため、詳細な説明は省略する。第1実施例では、ウェーブレット変換により分解された高周波成分には特に処理を加えなかったが、本実施例では、高周波成分にテクスチャ法による傷の修復を施している。本実施例の基本的な流れを説明すると、まず原画像にウェーブレット変換を行い(ステップ101)低周波成分と高周波成分に分解する(ステップ102、202)。そして、低周波成分に対して画像の傷を内挿法により修復する(ステップ103)。一方、高周波成分に対しては画像の傷をテクスチャ法により修復する(ステップ203)。そして、それぞれ修復された低周波成分と高周波成分を用いて逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、画像を再構築して最終的な修復画像を得る(ステップ105)。
原画像を2次元画像とし、これに対してウェーブレット変換をn回行い、原画像を低周波成分と高周波成分(LLn,HLn、LHn、HHn)に分解する(ステップ102、202)ところまでは第1実施例と同じである。また、低周波成分(LLn)に対する画像修復についても第1実施例と同様である。本実施例では、このようにウェーブレット変換により分解された高周波成分(HL、LH、HH)に対して、テクスチャ法を施して画像を修復する(ステップ203)。テクスチャ法には、現存する方法あるいは今後開発されるあらゆる方法が含まれる。以下、テクスチャ法について具体的に説明する。
テクスチャ法とは、予め作成していた所定のテクスチャや傷の隣接情報に基づいて作成したテクスチャを、傷領域に貼り付けて傷を修復するものをいう。本発明では、テクスチャ法は、n回のウェーブレット変換を行った場合には、各段階のウェーブレットに応じて5×5ピクセル、3×3ピクセル、1×1ピクセルというような、複数種類のテクスチャを作成しておく多分解能テクスチャ貼り付け法を適用することが好ましい。即ち、各段階の高周波成分に対して、それぞれテクスチャ法により修復を施しても良い。
その後、このようにしてそれぞれ修復された低周波成分と高周波成分に対して逆ウェーブレット変換を行い(ステップ104)、最終的な修復画像が得られる(ステップ105)点は、第1実施例と同様である。
このようにして作成された修復画像は、内挿法により修復された低周波成分と、テクスチャ法により修復された高周波成分を用いて再構築されるため、ボケたり塗りつぶしたりといった不自然な画像とはなりづらく、極自然な画像となる。
なお、高周波成分に対しては、さらにノイズ除去を施すことも可能である。点在する小さな傷等をノイズとしてウェーブレットを用いてノイズ除去を行うことが可能である。このようなノイズ除去には、例えば,フーリエ変換によるノイズ低減法やウェーブレット縮退によるノイズ低減法を用いることが可能である。ウェーブレット縮退とは、信号のウェーブレット展開係数の絶対値がある閾値よりも小さいものを0に置き換え、大きいものはそのままで信号を再構成することにより、ノイズを除去する手法である。即ち、以下に示されるような関係を用いる。
このようなノイズ除去法を用いることで、PDE法やCSRBF法を用いて点在する小さな複数の傷の修復を行った場合に必要であった修復位置の領域指定等が不要となるため、点在する多数の傷を効率よく修復することが可能となる。なお、ノイズ除去はテクスチャ法を施す前に行っても後に行っても構わない。
ウェーブレット変換により得られた低周波成分は、サイズも小さくなり色変化も大きくなくなる。したがって、本発明によれば、低周波成分のみに内挿法による画像処理を施すため、計算の収束も速くなり計算時間が大幅に短縮される。特に大きな傷の修復の場合には、本発明のように低周波成分のみにPDE法やCSRBF法を施したものは、ウェーブレット変換により分離せずにPDE法を施した場合と比べて、例えば約1/2程度、また、ウェーブレット変換により分離せずにCSRBF法を施した場合と比べて例えば約1/3程度も計算時間が短縮できた。
以下、具体的な画像を示して本発明の効果を説明する。図4は、本発明の画像修復方法を施した画像の効果を説明するための図であり、図4(a)が原画像、図4(b)がウェーブレット変換を1回行ってLL、HL、LH、HHという4つの周波数成分に分解された画像、図4(c)が低周波成分のみを抽出した画像、図4(d)が高周波成分のみを抽出した画像、図4(e)が低周波成分にPDE法を施して傷を修復した画像、図4(f)が高周波成分にテクスチャ法を施して傷を修復した画像、図4(g)が逆ウェーブレット変換により画像を再構築した修復画像である。なお、図4(f)の修復された高周波成分の画像に、さらにウェーブレット展開係数に対して閾値を0.05とするウェーブレット縮退を行っている。また、用いた画像は実際にはフルカラーのデータである。図4(a)の中央付近の白い四角部分が修復したい傷である。図4(e)をみて分かる通り、低周波成分のみの傷の修復処理では、修復された領域が塗りつぶされただけのような画像となっているが、テクスチャ法を施した高周波成分も用いて再構築した図4(g)をみて分かる通り、帽子の部分の表面状態も自然な状態に修復されている。
図5に、本発明の画像修復方法を施した他の画像を示す。図5(a)が原画像、図5(b)が本発明により修復された修復画像である。この例では、ウェーブレット変換を3回行い、低周波成分にCSRBF法を施し、高周波成分にテクスチャ法を施した後に逆ウェーブレット変換により再構築して修復画像を生成した。また、参考として、図5(c)にウェーブレット変換で分解せずにPDE法により傷を修復した修復画像、図5(d)にウェーブレット変換で分解せずにCSRBF法により傷を修復した修復画像を示す。なお、用いた画像は実際にはフルカラーのデータである。図5(a)の画像の中央付近の白い四角部分が修復したい傷である。図5(b)と、図5(c)又は図5(d)とを比較すれば明らかな通り、図5(c)又は図5(d)ではぼやけた不自然な修復画像となっているが、本願発明による図5(b)では、ぼやけ等不自然な点は見られない。
さらに、図6に別の修復画像の例を示す。図6(a)が原画像であり、図6(b)が本発明の画像修復方法により修復された画像である。このような落書きによる傷も、本発明に拠れば極めて自然に修復が可能である。
さらにまた、不要な文字等を除去する場合の例を図7に示す。図7(a)が原画像であり、図7(b)が本発明の画像修復方法により修復された画像である。このように不必要となった文字を消去する場合であっても、本発明に拠れば極めて自然に修復可能である。
以上説明したように、本発明の画像修復方法によれば、小さな傷のみならず大きな傷であっても、さらには広範囲に散らばる多数の傷であっても、効率良くかつ高速に画像の修復が可能である。
なお、本発明の画像修復方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
Claims (7)
- 原画像の傷を修復する画像修復方法であって、該方法は、
原画像を低周波成分と高周波成分に分解するウェーブレット変換過程と、
前記ウェーブレット変換過程により分解された低周波成分を内挿法により修復する内挿画像修復過程と、
前記内挿画像修復過程により修復された低周波成分及び高周波成分を用いて修復画像を再構築する逆ウェーブレット変換過程と、
を具備することを特徴とする画像修復方法。 - 請求項1に記載の画像修復方法であって、さらに、前記ウェーブレット変換過程により分解された高周波成分をテクスチャ法により修復するテクスチャ画像修復過程を具備し、
前記逆ウェーブレット変換過程は、前記内挿画像修復過程により修復された低周波成分及び前記テクスチャ画像修復過程により修復された高周波成分を用いて修復画像を再構築することを特徴とする画像修復方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の画像修復方法において、前記ウェーブレット変換過程は、以下の条件を満たすまで繰り返し行われる
但し、kは任意のピクセル、iはピクセルkの隣接ピクセル、Gdkはピクセルkの色の勾配、Cはピクセルの色の値、Nは隣接ピクセル数である、
ことを特徴とする画像修復方法。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像修復方法において、前記内挿法はCSRBF法であることを特徴とする画像修復方法。
- 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像修復方法において、前記内挿法はPDE法であることを特徴とする画像修復方法。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像修復方法において、前記テクスチャ法は多分解能テクスチャ貼り付け法であることを特徴とする画像修復方法。
- 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の画像修復方法であって、さらに、前記ウェーブレット変換過程により分解された高周波成分に対してノイズの除去を行うノイズ除去過程を具備することを特徴とする画像修復方法。
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2005
- 2005-11-30 JP JP2005344812A patent/JP2007148945A/ja active Pending
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