JP2007148190A - 画像形成装置および廃棄トナー回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄トナーを装置内部に回収し、外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法の提供。
【解決手段】タンデム方式の画像形成装置で、中間転写ベルト50に付着した廃棄トナーをクリーニングブラシ1で回収する。クリーニングブラシ1に交番電圧を印加して、廃棄トナーを中間転写ベルト50に排出する。この廃棄トナーは、K(黒)画像形成ステーションの感光体(像担持体)41Kで回収し、像担持体41Kを再帯電して廃棄トナーの極性を揃え、現像装置44Kに回収して、トナータンクなどに廃棄トナーを収納する。この際に、Y、M、Cの像担持体には中間転写ベルト50の廃棄トナーが付着しないように、Y、M、Cの1次転写ローラ45(Y、M、C)のバイアス電圧を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】タンデム方式の画像形成装置で、中間転写ベルト50に付着した廃棄トナーをクリーニングブラシ1で回収する。クリーニングブラシ1に交番電圧を印加して、廃棄トナーを中間転写ベルト50に排出する。この廃棄トナーは、K(黒)画像形成ステーションの感光体(像担持体)41Kで回収し、像担持体41Kを再帯電して廃棄トナーの極性を揃え、現像装置44Kに回収して、トナータンクなどに廃棄トナーを収納する。この際に、Y、M、Cの像担持体には中間転写ベルト50の廃棄トナーが付着しないように、Y、M、Cの1次転写ローラ45(Y、M、C)のバイアス電圧を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、廃棄トナーを装置内部に回収し、外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法に関するものである。
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置としては、上記のようなトナー像形成手段を、中間転写ベルトに対して、複数個(例えば4個)配置する。これら単色トナー像形成手段による感光体上のトナー像を順次中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上で複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒))のトナー像を重ね合わせ、中間転写ベルト上でカラー画像を得る中間転写ベルト形式のものがある。
ところで、画像形成装置においては、印字処理後に感光体に残存する廃棄トナーを回収して、画質劣化を防止する技術が開発されている。例えば、特許文献1(特開昭63−247781号公報)には、転写ローラにクリーニング作用を行なわせることが記載されている。また、特許文献2(特開平5−19670号公報)には、クリーニングブラシを用いて静電作用により感光体に残存するトナーを引き付けることが記載されている。
特許文献1、特許文献2に記載されているような従来技術は、モノクロ方式の画像形成装置に適用されるものであり、前記タンデム方式のカラー画像形成装置には適用できないという問題があった。また、画像形成装置においては、感光体以外にも機構の中に不要トナーが残存して、次回以降の印字の際に画像品質を低下させる恐れがある。従来技術では、このような機構内に残存する不要トナー、例えば中間転写ベルトに残存する不要トナーの回収については、考慮されていないという問題があった。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンデム方式のカラー画像形成装置において、中間転写媒体から廃棄トナーを効果的に回収させる構成とした、画像形成装置および廃棄トナー回収方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、1次転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、中間転写媒体が各画像形成ステーションを通過して、2次転写手段で記録媒体に前記中間転写媒体からトナー像を転写することにより、タンデム方式で画像形成を行う画像形成装置であって、
前記中間転写媒体に残存する廃棄トナーを回収するクリーニング手段と、前記クリーニング手段に交番電圧を印加する電源を設け、制御手段によりクリーニングモードが設定された際に、前記クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記中間転写媒体に排出させる第1の制御手段と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する第2の制御手段と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する第3の制御手段とを具備することを特徴とする。このような構成によれば、記録媒体に転写されずに中間転写媒体に残存している廃棄トナーを、K(黒)の現像装置に回収し、黒トナーと混合して印字に使用することができるこのため、トナー資源の有効利用を図ると共に、廃棄トナーを装置内部に回収して、廃棄トナーの外部への排出を軽減し、環境に配慮した画像形成装置を得ることができる。
前記中間転写媒体に残存する廃棄トナーを回収するクリーニング手段と、前記クリーニング手段に交番電圧を印加する電源を設け、制御手段によりクリーニングモードが設定された際に、前記クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記中間転写媒体に排出させる第1の制御手段と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する第2の制御手段と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する第3の制御手段とを具備することを特徴とする。このような構成によれば、記録媒体に転写されずに中間転写媒体に残存している廃棄トナーを、K(黒)の現像装置に回収し、黒トナーと混合して印字に使用することができるこのため、トナー資源の有効利用を図ると共に、廃棄トナーを装置内部に回収して、廃棄トナーの外部への排出を軽減し、環境に配慮した画像形成装置を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記クリーニング手段は、前記像担持体に接触して回転する回転部材であることを特徴とする。このような構成によれば、回転部材は弾性的に中間転写媒体と接触しながら回転するので、中間転写媒体に残存している廃棄トナーをムラなくクリーニング手段に回収することができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記クリーニング手段は、クリーニングブラシであることを特徴とする。このような構成によれば、廃棄トナーをブラシ間に効果的に捕集することができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記ステーションは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色に対応して設けられており、前記転写媒体の進行方向の上流側からみて、K(黒)の前記ステーションが最下流に配置されていることを特徴とする。このような構成によれば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4色対応のカラー画像形成装置において、廃棄トナーはK(黒)の現像装置に回収されて、次回の画像形成処理の際に黒色トナーとして印字されるので、廃棄トナーの再利用に伴う画質劣化を防止することができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記リーニング手段に印加される交番電圧の絶対値は、当該交番電圧の印加開始時に小さく、時間経過と共に増大させるように制御することを特徴とする。このような構成によれば、中間転写媒体に排出された廃棄トナーは均等な厚さで、薄く分布する。このため、像担持体で中間転写媒体から廃棄トナーを回収する処理が円滑に行なえる。
また、本発明の画像形成装置は、前記第2の制御手段の制御は、前記Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各1次転写手段のバイアス電圧を制御することを含むことを特徴とする。このような構成によれば、前記Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各像担持体には、前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーが回収されないように、制御することができる。このため、次回以降の画像形成において、混色による画質の劣化を防止できる。
また、本発明の画像形成装置は、前記第3の制御手段の制御は、前記帯電手段から出力される再帯電電圧の極性を、前記像担持体の帯電極性と同じ極性とする制御を含むことを特徴とする。このような構成によれば、中間転写手段から像担持体に回収された廃棄トナーの極性を揃え、以後の廃棄トナーのK(黒)現像手段による回収処理を円滑に行なえる。
また、本発明の画像形成装置は、前記K(黒)像担持体とK(黒)現像手段とは接触して配置されて、接触現像処理を行うことを特徴とする。このような構成によれば、接触現像方式の画像形成装置において、2次転写ローラから排出される廃棄トナーを効果的にK現像手段で回収することができる。
本発明の廃棄トナー回収方法は、像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、1次転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、中間転写媒体が各画像形成ステーションを通過して、2次転写手段で記録媒体に前記中間転写媒体からトナー像を転写することにより、タンデム方式で画像形成を行う工程と、
前記画像形成時に中間転写媒体に残存する廃棄トナーをクリーニング手段に回収する工程と、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードにおいて、
前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に廃棄トナーを排出させる工程と、
前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーが前記黒画像形成ステーション以外の画像形成ステーションでは回収されないように、前記各1次転写手段のバイアス電圧を制御する工程と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する工程と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する工程と、からなることを特徴とする。このような構成によれば、既存の装置を用いて、中間転写媒体に残存している廃棄トナーを、一連のプロセスで無駄なくK現像手段に回収することができる。
前記画像形成時に中間転写媒体に残存する廃棄トナーをクリーニング手段に回収する工程と、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードにおいて、
前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に廃棄トナーを排出させる工程と、
前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーが前記黒画像形成ステーション以外の画像形成ステーションでは回収されないように、前記各1次転写手段のバイアス電圧を制御する工程と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する工程と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する工程と、からなることを特徴とする。このような構成によれば、既存の装置を用いて、中間転写媒体に残存している廃棄トナーを、一連のプロセスで無駄なくK現像手段に回収することができる。
また、本発明の廃棄トナー回収方法は、前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に廃棄トナーを排出させる工程は、当該クリーニング手段に印加される交番電圧の絶対値を、当該交番電圧の印加開始時に小さく、時間経過と共に増大させるように制御する工程であることを特徴とする。このような構成によれば、交番電圧が印加された際に、クリーニング手段から最初に大量に廃棄トナーが中間転写媒体に排出される事態を回避することができる。
本発明は、記録媒体に転写されずに中間転写媒体(中間転写ベルト)に残存している廃棄トナーを、K(黒)の現像装置に回収し、黒トナーと混合して再度印字に使用する。このため、資源の有効利用を図ると共に、廃棄トナーを装置内部に回収して、廃棄トナーの外部への排出を軽減した画像形成装置および廃棄トナー回収方法を提供することができる。したがって、環境汚染に配慮した発明を実現できる。
本発明の実施形態においては、図10の断面図に示すような4つの感光体に4つの露光装置で露光し、4色の画像を同時に形成し、1つの無端状中間転写ベルト(中間転写媒体)に転写する、タンデム式カラープリンター(画像形成装置)を対象としている。この画像形成装置は、同様な構成の露光装置101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置している。露光装置101K、101C、101M、101Yは、光源にLEDや有機EL素子の発光素子を用いたラインヘッドで構成される。なお、露光装置としてレーザ光を走査する走査光学系を用いても良い。
画像形成装置には、駆動ローラ51と従動ローラ52とテンションローラ53が設けられており、テンションローラ53によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト(中間転写媒体)50を備えている。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。
前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する露光装置(ラインヘッド)101(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この露光装置101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を1次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての1次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体41(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された、黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、1次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される1次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写される。転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、2次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに2次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
なお、図10中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は2次転写ローラ66の2次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト50との間で2次転写部を形成する2次転写手段としての2次転写ローラ、69は2次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
次に、本発明の実施形態について、図2〜図5に示された説明図により説明する。図2は、クリーニングブラシ1により中間転写ベルト(中間転写媒体)50から転写残存トナーを回収するクリーニングプロセスの説明図である。クリーニングブラシ1は、図10のクリーニングブレード69に代えて、中間転写ベルトの不要トナー(廃棄トナー)、すなわち、記録媒体に転写されずに残存している廃棄トナーを回収するものである。クリーニングブラシ1は接地6に接続されており、一定方向に回転しながら正常帯電トナー11(黒丸、負極性)、逆帯電トナー12(白丸、正極性)を吸引する。この際に、電源4で発生する交番電圧は、電源切替スイッチ5が開放されているのでクリーニングブラシ1には印加されない。
クリーニングブラシ1には、多数のブラシが円弧状に形成されており、捕捉した廃棄トナーは脱落することなくブラシ間の空間に収納される。このように、廃棄トナーをブラシ間に効果的に捕集することができる。なお、中間転写ベルト50から転写残存トナーを回収するクリーニング手段は、クリーニングブラシに限定されず、例えばスポンジなどを設けた回転部材を中間転写ベルト50に接触回転させる構成とすることもできる。この場合には、回転部材は弾性的に像担持体と接触しながら回転するので、中間転写ベルト50から廃棄トナーをムラなくクリーニング手段に回収することができる。
図3は、図2でクリーニングブラシ1に回収されたトナーを中間転写ベルト50に排出する(吐き出す)プロセスの説明図である。この際には、スイッチ7を開放して、クリーニングブラシ1には交番電源4で発生する交番電圧を印加する。交番電圧の周期は、クリーニングブラシ1が1回転する時間以上とする。13は、クリーニングブラシ1から中間転写ベルト50に吐き出されたトナーである。クリーニングブラシ1には、交番電圧が印加されるので、クリーニングブラシ1に回収された正常帯電トナー11(黒丸、負極性)、逆帯電トナー12(白丸、正極性)は、いずれも1周期の間に交互に中間転写ベルト50に排出される。
図4は、図3でクリーニングブラシ1から中間転写ベルト50に吐き出されたトナーを、黒画像形成ステーションの感光体41Kで回収するプロセスの説明図である。この際には、1次転写ローラ45Kには、感光体41Kと同極性(負電位)の電圧を印加する電源2を接続する。このため、中間転写ベルト50に転写(排出)されている廃棄トナーは、感光体41Kに吸引されて回収トナー17として現像装置に運搬される。
図5は、黒(K)現像装置44Kに感光体41Kに付着している廃棄トナーを回収する際のプロセスの説明図である。図5において、クリーニングモードでは、黒(K)の帯電装置42Kは、Va(例えば直流ー500V)の再帯電電圧を感光体41Kに印加する。このような再帯電電圧の印加により、中間転写ベルト50から感光体41Kに排出された逆帯電トナーの極性を、正常帯電トナーの極性と揃える。ここで、感光体41Kに露光電圧は印加されず、帯電装置42Kで再帯電された感光体41Kは、現像装置44Kの位置に進行する。現像装置44Kは電源74と接続されており、感光体41Kと同一極性(負極性)の電圧が印加されている。このため、感光体41Kに付着している廃棄トナー19は、現像装置44K(現像ローラ)に回収される。
現像装置44Kに回収された廃棄トナー20は、図示を省略した黒色のトナータンクに収納される。この廃棄トナーは、K(黒)画像形成の際に再利用される。このように、廃棄トナーを画像形成装置外に排出せず再利用しているので、資源の有効利用を図ることができる。なお、図5において、感光体41Kと現像装置44Kは実際の配置では接触して接触現像を行なっているが、理解を容易とするために両者を離間して表している。
図6〜図9は、本発明の処理プロセスを経時的に示すタイミングチャートである。この画像形成装置は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の処理が連続して行なわれるが、1枚の図面には収まらないので、図6〜図9に分離して示している。すなわち、図6には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の処理を示し、図7にはC(シアン)の処理を示し、図8、図9にはK(黒)の処理を示している。なお、図9には、一部Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の処理も示している。
図6のY(イエロー)を例にとり、画像形成処理について説明する。以下の説明で電圧値は概算で示している。(a)時刻tya〜tybの期間は、露光による感光体(OPC)電位の変化を示している。初期電位はー500V、露光電位はー50Vであり、露光電位がー50Vのときに感光体には画像が形成される。(b)時刻tyc〜tydの期間は、現像バイアスの印加期間であり、直流―200V+交流2kVの現像バイアスが印加される。
(c)時刻tye〜tyfの期間は、1次転写バイアスの印加期間であり、直流+500Vの1次転写バイアスが印加される。(d)中間転写ベルトのクリーニングブラシ1は、中間転写ベルト50と接触して回転する。クリーニングブラシ1のバイアス電圧を接地電位とすることにより、ブラシの機械的掻き取り力と、鏡像力により、中間転写ベルト50に付着している廃棄トナーをクリーニングブラシに回収する。以下、図6のM(マゼンタ)、図7のC(シアン)、図8、図9の黒(ブラック)の処理においても、現像ユニット間の時間差Taを介して、同様に各色の画像形成が実行される。
次に、画像形成処理後のクリーニングモード設定時における廃棄トナー回収制御について説明する。具体的には、クリーニングブラシ1から中間転写ベルトへ排出し、廃棄トナーの中間転写ベルトから黒画像形成ステーションにおけるK感光体(像担持体)への回収、廃棄トナーのK感光体からK現像ローラへの回収のプロセスについて、図8、図9により説明する。
図9において、時刻tkf経過後に図示を省略している制御手段によりクリーニングモードが設定される。時刻tkg〜tkhの期間は、クリーニングブラシから中間転写ベルトに廃棄トナーを排出する期間である。この中で、時刻tkg〜tksの期間は、クリーニングブラシにV1の交番電圧を印加する(中間転写ベルトクリーニングバイアスの印加)。tkg〜tksの期間内の黒部分は、クリーニングブラシが1周以上回転する間に負帯電トナーを中間転写ベルトに排出し、白部分は、クリーニングブラシが1周以上回転する間に正帯電トナーを中間転写ベルトに排出する。
時刻tks〜tktの期間は、クリーニングブラシにV2の交番電圧を印加する。ここで、交番電圧の絶対値は、V1<V2とする。この期間内の黒部分は、クリーニングブラシが1周以上回転する間に負帯電トナーを中間転写ベルトに排出し、白部分は、クリーニングブラシが1周以上回転する間に正帯電トナーを中間転写ベルトに排出する。次に、時刻tkt〜tkhの期間は、クリーニングブラシにV3の交番電圧を印加する。ここで、交番電圧の絶対値は、V1<V2<V3とする。この期間内の黒部分は負帯電トナーの排出、白部分は正帯電トナーの排出を表している。
本発明の実施形態においては、クリーニングモードにおいて、クリーニングブラシには、交番電圧の絶対値を初めに小さく、時間経過と共に増大させるように制御している。このような制御により、交番電圧が印加された際に、クリーニングブラシから最初に大量に廃棄トナーが中間転写ベルトに排出される事態を回避することができる。このようにして、図9(f)の模式図に示したように、中間転写ベルトに排出された廃棄トナーは均等な厚さで、薄く分布する。このため、後述するように、感光体で中間転写ベルトから廃棄トナーを回収する処理が円滑に行なえる。
時刻tki〜tkjの期間は、中間転写ベルトに排出された廃棄トナーを、感光体で回収する期間である。この期間では、感光体を帯電装置によりー500Vで再帯電し(図5のVa)、感光体の表面に回収されている廃棄トナーの極性を、負帯電に揃える。時刻tkl〜tkmの期間は、廃棄トナーを感光体から現像ローラで回収する期間である。
ここで、本発明の画像形成装置の実施形態は、図1に示されているように、各色の一次転写位置は、Y、M、C、Kの順序で配列されている。したがって、
中間転写ベルト50の搬送方向からみて、最下流側にK感光体41Kが配置されている。また、各色の感光体は、中間転写ベルトと接触して配置されている。このため、クリーニングブラシ1から中間転写ベルト50に排出された廃棄トナーが、K感光体41Kで回収されるまでの経路に存在する、Y、M、Cの各感光体に付着しないようにする必要がある。
中間転写ベルト50の搬送方向からみて、最下流側にK感光体41Kが配置されている。また、各色の感光体は、中間転写ベルトと接触して配置されている。このため、クリーニングブラシ1から中間転写ベルト50に排出された廃棄トナーが、K感光体41Kで回収されるまでの経路に存在する、Y、M、Cの各感光体に付着しないようにする必要がある。
そこで、本発明においては、各色の1次転写バイアス電圧を制御している。このように、1次転写バイアス電圧の制御により、クリーニングブラシから中間転写ベルトに排出された廃棄トナーを、Y、M、Cの感光体では回収されず、K感光体で回収できるようにしている。次に、このような1次転写バイアス電圧の制御について、説明する。図9を参照して、時刻tyn〜typの期間は、Y画像形成ステーションにおける1次転写バイアス電位を、直流―500Vに制御する期間である。この期間には、Y1次転写ローラ45Yが負に帯電されて、中間転写ベルト50に排出された負帯電トナーは、Y1次転写ローラ45Y側に吸引されて、Y感光体41Yに回収されずに通過する。
また、時刻typ〜tyuの期間は、Y画像形成ステーションにおける1次転写バイアス電位を、直流+500Vに制御する期間である。この期間には、Y1次転写ローラ45Yが正に帯電されて、中間転写ベルト50に排出された正帯電トナーは、Y1次転写ローラ45Y側に吸引されて、Y感光体41Yに回収されずに通過する。以下、同様の電圧制御が、前記クリーニングブラシ1に印加されるV1、V2、V3に対応する期間内、行なわれる。また、このような電圧制御がM、C各画像形成ステーションでも実行されて、クリーニングブラシ1から中間転写ベルト50に排出された負帯電トナー、および正帯電トナーの廃棄トナーは、K画像形成ステーションまで搬送される。
K画像形成ステーションにおいても、前記1次転写バイアス電圧の制御が行なわれる。すなわち、時刻tkn〜tkpの期間は、K画像形成ステーションにおける1次転写バイアス電位を、直流―500Vに制御する。また、時刻tkp〜tkuの期間は、Y画像形成ステーションにおける1次転写バイアス電位を、直流+500Vに制御する。しかしながら、前記したように、時刻tki〜tkjの期間では、K感光体41Kを、―500Vに再帯電しており、中間転写ベルト50で搬送されてきた廃棄トナーは、K感光体41Kに回収される。
本発明の実施形態においては、図6〜図9のタイミングチャートで説明したように、制御手段により画像形成後の廃棄トナークリーニングモードを設定する。次に、時刻tkg〜tkhの期間は、クリーニングブラシ1から中間転写ベルトに廃棄トナーを排出する。このような時刻tkg〜tkhの制御は、請求項1に記載の「前記クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記中間転写媒体に排出させる第1の制御手段」の制御に相当する。
また、時刻tki〜tkjの期間は、中間転写ベルトから廃棄トナーを感光体で回収する。この間に、例えば時刻tyn〜typ、typ〜tyuの期間で、Y画像形成ステーションにおける1次転写バイアス電位を制御して、中間転写ベルト50に排出された負帯電トナーと正帯電トナーをY感光体41Yに回収せずに通過させる。同様に、M画像形成ステーション、C画像形成ステーションにおいても各感光体には廃棄トナーを回収しない。このような、Y、M、Cの各像担持体では中間転写媒体から廃棄トナーを回収せず、K像担持体で中間転写媒体から廃棄トナーを回収する一連の制御は、請求項1に記載の「前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する第2の制御手段」の制御に相当する。
さらに、前記時刻tki〜tkjの期間は、K感光体41Kを再帯電してK感光体41Kに回収された廃棄トナーの極性を揃える制御を行なう。また、時刻tkl〜tkmの期間で、K現像装置44KにK感光体41Kの廃棄トナーを回収する。これらの制御は、請求項1に記載の「前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する第3の制御手段」の制御に相当する。
図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置を示す説明図である。図10と同じところには同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図1において、中間転写ベルト50は矢視R方向に回動し、中間転写ベルト50の回動方向でみて、上流側からY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の現像装置44Y、44M、44C、44Kを配置している。すなわち、現像装置の配置は、図10とは異なる配置としている。
Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の現像装置44Y,44M、44Cは、感光体41Y、41M、41Cとは離間させて配置して、画像形成時の混色を防止している。感光体41Kは、現像装置44Kと接触させて接触現像としている。1はクリーニングブラシであるが、クリーニング手段は回転ローラを用いる構成とすることもできる。クリーニングブラシ1または回転ローラのクリーニング手段は、回転部材として構成されている。回転部材は弾性的に中間転写ベルトと接触しながら回転するので、中間転写ベルトに残存している廃棄トナーをムラなくクリーニング手段に回収することができる。
8Y、8M、8C、8Kは、各色の感光体41(Y、M、C、K)に残存する不要トナーを回収する感光体用のクリーニングブラシである。各感光体用のクリーニングブラシ8(Y、M、C、K)には、電源9(Y、M、C、K)が接続されている。V1〜V4は電源9(Y、M、C、K)の出力電圧、t1〜t4は電源9(Y、M、C、K)の出力電圧を印加する時間である。また、各色の1次次転写ローラ45(Y、M、C、K)には、電源2(Y、M、C、K)が接続されている。K1次転写ローラ45Kに接続される電源2Kの極性は、画像形成時には、他のY、M、Cの電源2Y、2M、2Cと同一極性に切り替える。d1〜d3は、帯電装置101(Y、M、C)から出力されるパルス状の露光電圧で、図示を省略しているが、黒色の帯電装置101Kからも同様の露光電圧が出力される。
以上、本発明の画像形成装置および廃棄トナー回収方法をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
1(K、C、M、Y)・・・クリーニングブラシ、2(K、C、M、Y)・・・1次転写装置電源、4(K、C、M、Y)・・・クリーニングブラシ電源、5、7・・・電源切替スイッチ、6・・・接地、8・・・感光体のクリーニングブラシ、11・・・正常帯電トナー、12・・・逆帯電トナー、13・・・中間転写ベルトに排出された排出トナー、17・・・感光体ドラムに回収された回収トナー、20・・・現像手段に回収されたトナー、41(K、C、M、Y)・・・感光体(像担持体)、42(K、C、M、Y)・・・帯電手段(コロナ帯電器)、44(K、C、M、Y)・・・現像装置、45(K、C、M、Y)・・・一次転写ローラ、50・・・中間転写ベルト、66・・・二次転写ローラ、69・・・中間転写ベルトクリーニング手段、74・・・現像装置電源、101K、101C、101M、101Y・・・露光装置、P・・・記録媒体。
Claims (10)
- 像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、1次転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、中間転写媒体が各画像形成ステーションを通過して、2次転写手段で記録媒体に前記中間転写媒体からトナー像を転写することにより、タンデム方式で画像形成を行う画像形成装置であって、
前記中間転写媒体に残存する廃棄トナーを回収するクリーニング手段と、前記クリーニング手段に交番電圧を印加する電源を設け、制御手段によりクリーニングモードが設定された際に、前記クリーニング手段に回収された廃棄トナーを前記中間転写媒体に排出させる第1の制御手段と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する第2の制御手段と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する第3の制御手段とを具備することを特徴とする、画像形成装置。 - 前記クリーニング手段は、前記中間転写媒体に接触して回転する回転部材であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング手段は、クリーニングブラシであることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成ステーションは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色に対応して設けられており、前記中間転写媒体の進行方向の上流側からみて、K(黒)の前記画像形成ステーションが最下流に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング手段に印加される交番電圧の絶対値は、
当該交番電圧の印加開始時に小さく、時間経過と共に増大させるように制御することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記第2の制御手段の制御は、前記Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各1次転写手段のバイアス電圧を制御することを含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第3の制御手段の制御は、前記黒画像形成ステーションの帯電手段から出力される再帯電電圧の極性を、前記像担持体の帯電極性と同じ極性とする制御を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記K(黒)像担持体とK(黒)現像手段とは接触して配置されて、接触現像処理を行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 像担持体の周囲に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、1次転写手段との各画像形成用ユニットを配した、黒画像形成ステーションを含む画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、中間転写媒体が各画像形成ステーションを通過して、2次転写手段で記録媒体に前記中間転写媒体からトナー像を転写することにより、タンデム方式で画像形成を行う工程と、
前記画像形成時に中間転写媒体に残存する廃棄トナーをクリーニング手段に回収する工程と、
画像形成後の廃棄トナークリーニングモードにおいて、
前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に廃棄トナーを排出させる工程と、
前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーが前記黒画像形成ステーション以外の画像形成ステーションでは回収されないように、前記各1次転写手段のバイアス電圧を制御する工程と、前記中間転写媒体に排出された廃棄トナーを前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収する工程と、前記黒画像形成ステーションの像担持体に回収された廃棄トナーを、前記黒画像形成ステーションの現像手段に回収する工程と、からなることを特徴とする廃棄トナー回収方法。 - 前記クリーニング手段から前記中間転写媒体に廃棄トナーを排出させる工程は、
当該クリーニング手段に印加される交番電圧の絶対値を、当該交番電圧の印加開始時に小さく、時間経過と共に増大させるように制御する工程であることを特徴とする、請求項9に記載の廃棄トナー回収方法。
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- 2005-11-30 JP JP2005344991A patent/JP2007148190A/ja active Pending
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