JP2007147830A - 超広角レンズおよびそれを搭載した認識デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】2枚構成のレンズ系において、画角を大きく光学長を小さく保った撮像レンズを実現する。
【解決手段】両面が非球面の第1レンズL1と、絞りと、少なくとも1面が非球面である両凸形状の第2レンズL2をこの順に配置し、以下の条件を満足する単一波長光源対応の超広角レンズ。
(1)−89.4<r1/f<−11.1
(2)1.4<r2/f<2.2
(3)1.5<r3/f<2.6
(4)−1.3<r4/f<−0.9
(5)−3.7<f1/f<−2.6
(6)2.9<d2/f<4.1
ただし、
f:レンズ全系の合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
r1:第1レンズ物体側面の近軸曲率半径
r2:第1レンズ像側面の近軸曲率半径
r3:第2レンズ物体側面の近軸曲率半径
r4:第2レンズ像側面の近軸曲率半径
d2:第1レンズ像側面と絞りまでの軸間距離
【選択図】図1
【解決手段】両面が非球面の第1レンズL1と、絞りと、少なくとも1面が非球面である両凸形状の第2レンズL2をこの順に配置し、以下の条件を満足する単一波長光源対応の超広角レンズ。
(1)−89.4<r1/f<−11.1
(2)1.4<r2/f<2.2
(3)1.5<r3/f<2.6
(4)−1.3<r4/f<−0.9
(5)−3.7<f1/f<−2.6
(6)2.9<d2/f<4.1
ただし、
f:レンズ全系の合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
r1:第1レンズ物体側面の近軸曲率半径
r2:第1レンズ像側面の近軸曲率半径
r3:第2レンズ物体側面の近軸曲率半径
r4:第2レンズ像側面の近軸曲率半径
d2:第1レンズ像側面と絞りまでの軸間距離
【選択図】図1
Description
本発明は、主に指紋認識デバイスおよび貨幣認識デバイスのように、CCD型固体撮像素子あるいはCMOS型固体撮像素子などの固体撮像素子を用いた認識デバイス用の撮像レンズに適した撮像レンズに関するものである。
近年、セキュリティの観点から指紋認識デバイスを備える機器が増加しており、そこでは、レンズを介してCCD型固体撮像素子やCMOS型固体撮像素子といった固体撮像素子に被写体である指紋のパターンを結像し、登録されているパターンとの照合を行なうことが一般的である。
一方で、自動販売機などには投入された貨幣を認識するためのデバイスとして、指紋認識デバイスと同様の認識デバイスが用いられている。
これらのデバイスに共通する特徴として、機器に内蔵するためにできるだけ小型、低背化を図ることが必要であると共に、レンズには広い画角が求められることが挙げられる。その理由としては、被写体とレンズとの距離が近接しており、また、レンズの小型化を図ると必然的に被写体がレンズに比して相対的に大きくなるためである。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特許第229391号公報
従来、超広角レンズを実現するためには多くの枚数のレンズが必要であり、小型低背化が困難であった。その理由としては、軸外光を取り込むためのレンズが複数枚必要であるのに加え、特に軸外光に起因して発生する収差補正を行なうために多くのレンズが必要であるからである。
その一方で、2枚のレンズ構成で超広角レンズを実現したものとして、特許文献1に示されているものがある。
しかしながら、このレンズは2枚レンズ構成ではあるが光学全長が18mm以上もあり、十分小型であるとは言えない。さらに、歪曲収差の残存量も20%以上あり、十分補正されているとは言い難い。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、特に認識デバイス用の、固体撮像素子に適した2枚構成のレンズ系において、画角を大きく、光学長を小さく保ちながら高性能の撮像レンズを提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1記載の発明は、第1レンズと、絞りと、第2レンズをこの順に配置した構造を有し、前記第1レンズは両面が非球面であり、かつ、物体側面および像側面の光軸近傍での面形状が共に凹であり、かつ、変曲点を有し、前記第2レンズは少なくとも1面が非球面である両凸形状のレンズであり、以下の条件を満足することを特徴とする単一波長光源対応の超広角レンズである。
(1)−89.4<r1/f<−11.1
(2)1.4<r2/f<2.2
(3)1.5<r3/f<2.6
(4)−1.3<r4/f<−0.9
(5)−3.7<f1/f<−2.6
(6)2.9<d2/f<4.1
ただし、
f:レンズ全系の合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
r1:第1レンズ物体側面の近軸曲率半径
r2:第1レンズ像側面の近軸曲率半径
r3:第2レンズ物体側面の近軸曲率半径
r4:第2レンズ像側面の近軸曲率半径
d2:第1レンズ像側面と絞りまでの軸間距離
特許文献1のように、第1レンズが負のパワーを有する凹メニスカスレンズの場合、小型化すなわち光学長の短縮を求めると次の不具合が生じる。
(1)−89.4<r1/f<−11.1
(2)1.4<r2/f<2.2
(3)1.5<r3/f<2.6
(4)−1.3<r4/f<−0.9
(5)−3.7<f1/f<−2.6
(6)2.9<d2/f<4.1
ただし、
f:レンズ全系の合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
r1:第1レンズ物体側面の近軸曲率半径
r2:第1レンズ像側面の近軸曲率半径
r3:第2レンズ物体側面の近軸曲率半径
r4:第2レンズ像側面の近軸曲率半径
d2:第1レンズ像側面と絞りまでの軸間距離
特許文献1のように、第1レンズが負のパワーを有する凹メニスカスレンズの場合、小型化すなわち光学長の短縮を求めると次の不具合が生じる。
軸中心光束および軸外光束ともに、第1レンズと第2レンズの間に設置された絞りの開口径に広がる必要がある。そのため、第1レンズには発散力が必要であり、そのために負の屈折力を有する形状になっている。
レンズ光学長の短縮をさらに追及すると、より短距離で前記の光束を広げる必要が生じる。そのためには負の屈折力を有する面の曲率を大きくする必要があるが、近軸曲率半径を小さくすることで負の屈折力を強くした場合、軸中心光束に対する発散力よりも軸外光束に対する発散力が大きくなり、絞り部での光束幅が異なってしまう。さらに負の屈折力を有する面の曲率を大きくしすぎると、レンズの加工あるいは成型難易度が非常に高くなり、好ましくない。
また、レンズ画角の広角化を追求した場合、最も軸外の光束は第1レンズのより周辺部を通過することになり、それに対する発散力と軸中心光束に対する発散力の差が増加する。
したがって、レンズの小型化および広角化を追求するいずれの場合も、軸中心光束に対する発散力を重点的に増加できればよいわけであるが、そのためには、第1レンズの物体側面、像側面ともに非球面形状とし、両面ともに近軸の曲面形状は凹面になるようにすることが効果的である。すなわち、物体側面については光軸付近が凹面であり、周辺になるにしたがって正の屈折力が強くなるように変曲点を有した形状となるようにする。像側面については光軸付近が負であり、周辺になるに従って曲率が徐々に小さくなる面形状にする。前記形状にすることにより、軸中心光束に対する発散作用をレンズ両面で与えることが可能となり、軸中心光束に対する発散力を重点的に増加することが可能となる。すなわち、レンズ全長の小型化を図りつつ、絞り面での軸中心光束幅および軸外光束幅を一定に保つことが可能となる。
さらに、第1レンズ物体側面の周辺部も凹面形状である場合、その部分を通過する光束は強い屈折作用を受けるため、コマ収差が発生し、その補正が困難になるが、周辺部を凸形状にすることによって第1レンズ物体側面周辺部を通過する光束が受ける屈折作用を低下させ、その部分で発生するコマ収差を低減することが可能となる。以上の点からも、第1レンズ周辺部は凸形状となることが好ましい。
さらに、通常の撮像レンズでは可視光の波長範囲を考慮して設計を行う必要があるため、色収差と幾何収差を同時に低減する設計が必要になるが、本発明の場合は認識デバイスへの応用を前提としているため、可視光全域に対応する必要はない。そのため、色収差補正を重視する必要がなく、幾何収差の低減および光学系の小型化が容易となる。なお、単一波長といっても、±30nm程度の光源の波長ばらつきを考慮する必要はある。
以上の点から、小型の超広角レンズには本発明の形状が適していることが明らかである。
条件式(1)から(6)の数値範囲は以下の意味を有する。
条件式(1)は第1レンズ物体側面の近軸曲率半径の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、物体側面で軸中心光束が受ける発散力が十分でなく、レンズ全長の小型化が困難となる。上限を上回った場合、物体側面中心から周辺に至る途中で大きな変曲点が現れるが、この部分での収差発生が大きくなり、その補正が困難となる。
条件式(2)は第1レンズ像側面での近軸曲率半径の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、特に軸外光束に対して大きなコマ収差が発生し、その補正が困難となる。この上限を上回った場合には、第1レンズ像側面で軸中心光束に対して十分な発散力を得ることが困難となるため、レンズ全長の小型化に不利となる。
条件式(3)は第2レンズ物体側面での近軸曲率半径の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、この面での球面収差発生量が大きくなるため、収差補正が困難となる。あるいは軸外光束の端部についてはケラレてしまう場合も発生する。この上限を上回った場合、この面で十分な収斂力を得ることができず、レンズ全長の小型化が困難となる。
条件式(4)は第2レンズ像側面での近軸曲率半径の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、この面で十分な収斂力を得ることが困難となる。特に、軸中心光束に対しての収斂力が低下するため、レンズ全長の小型化には不利となり、周辺部での像面が正方向にシフトする像面湾曲が生じる。この上限を上回った場合は軸中心光束と比して軸外光束に対する収斂力が増加するため、周辺部で像面が負方向にシフトする像面湾曲が生じる。また、軸外光束については特に球面収差も増大する。
条件式(5)は第1レンズの焦点距離の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、第1レンズで十分な発散力が得られないため、レンズの小型化が困難となる。上限を上回った場合、特に軸外光束についてコマ収差が増加するため、その補正が困難となる。
条件式(6)は第1レンズ像側面から絞り位置までの光軸間距離の範囲を規定したものである。この下限を下回った場合、第1レンズでの収差発生を抑えつつ小型化を図ることが困難となる。この上限を上回った場合、レンズ全長の小型化のためには第2レンズで大きな収斂力を持たせる必要があるが、その結果第2レンズ面での光の屈折に起因する球面収差が増大してしまう。
本発明の請求項2記載の発明は、第1レンズ材料はプラスチックであることを特徴とするものである。一般にガラス材料の研磨あるいは金型を用いた熱間プレス工法(以下、モールド成型と略記)により、特に小型のレンズを製造することは困難である。その理由としては、研磨の場合には高精度な非球面加工自体の難易度が高いためである。また、モールド成型の場合には成型金型の加工が必要であるが、その材質はタングステンカーバイドなどの難研削性材料が多く、非球面特に変曲点を含む形状の加工難易度が高いことと、変曲点を有する面形状の金型間でガラス材料を熱間プレスした場合、ガラスが軟化状態になっても金型の変曲点を越えて広がらず、結局金型面形状を高精度に転写することが困難であるからである。
一方でプラスチックレンズの場合には射出成型で形成されることが多く、その場合、成型時のプラスチック樹脂の粘性は十分に低いため、金型の変曲点を高精度に転写することが容易である。また、金型もガラスレンズ成型用金型と比べて加工が容易であり、複雑な形状の加工も可能である。
本発明の第1レンズは変曲点を含む複雑な形状をしているため、ガラス材料を用いた場合は加工難易度が高くなるが、プラスチック材料を用いることによって以上の課題を解決することが可能となる。
本発明の請求項3記載の発明は、以上に記載した超広角レンズを搭載した指紋認識デバイスである。これまでに説明した超広角レンズをノート型コンピュータに内蔵し、指紋認識デバイスとして用いることによって、コンピュータが盗難された場合でも情報の漏洩を防ぐことが可能となる。あるいは、インターネット上での本人確認手段として用いることにより、セキュリティを向上させることが可能となる。
本発明の請求項4記載の発明は、以上に記載した超広角レンズを搭載した貨幣認識デバイスである。本発明の超広角レンズは小型であるため、自動販売機内部に設置することが容易であり、投入貨幣の形状、模様を認識し、偽造貨幣の検出には有効である。
以上の指紋、あるいは貨幣の認識には単一波長光源を照射すればよいため、単一波長光源対応のレンズで十分有用である。
本発明によれば、特に認識デバイス用の固体撮像素子に適した2枚構成のレンズ系において、画角を大きく、光学長を小さく保ちながら高性能の撮像レンズを実現することができる。
各実施例において使用している非球面についての式を以下に示す。
z=(h2/r)/[1+√{1−(1+K)(h/r)2}]+A4・h4+A6・
h6+A8・h8+A10・h10+A12・h12+A14・h14
ただし、ここで、光軸方向にz軸、光軸と直交する方向にx軸、y軸をそれぞれ直交する方向に取っている。さらに各パラメータは次の諸量を表す。
h6+A8・h8+A10・h10+A12・h12+A14・h14
ただし、ここで、光軸方向にz軸、光軸と直交する方向にx軸、y軸をそれぞれ直交する方向に取っている。さらに各パラメータは次の諸量を表す。
h=√(x2+y2)
r:近軸曲率半径、K:コニカル定数、
Ap(p=4、6、8、10、12、14):高次の非球面係数
なお、表中のKおよびApの表記において、「Eとそれに続く数字」は「10の累乗」を表し、その数値が直前の数値にかけられる。たとえば、「6.023456E−4」は6.023456x10-4を表す。
r:近軸曲率半径、K:コニカル定数、
Ap(p=4、6、8、10、12、14):高次の非球面係数
なお、表中のKおよびApの表記において、「Eとそれに続く数字」は「10の累乗」を表し、その数値が直前の数値にかけられる。たとえば、「6.023456E−4」は6.023456x10-4を表す。
さらに、各実施例では、像面の前に平板ガラスが設置されている。これは通常固体撮像素子の全部に設置されるカバーガラスを考慮したものである。
また、各実施例のレンズは以下の波長重み付けで設計されている。
656.3nm:10%
612.0nm:80%
587.6nm:10%
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる超広角レンズの構成を図1に示す。この超広角レンズの構成はこれまでに説明した本発明のレンズ構成となっており、以降の実施例におけるレンズ構成図も図1に略等しいため、図1をもってレンズ構成図の代表図とする。本実施例においては、第2レンズ像側面に非球面が形成されており、歪曲収差の補正を行なっている。
612.0nm:80%
587.6nm:10%
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる超広角レンズの構成を図1に示す。この超広角レンズの構成はこれまでに説明した本発明のレンズ構成となっており、以降の実施例におけるレンズ構成図も図1に略等しいため、図1をもってレンズ構成図の代表図とする。本実施例においては、第2レンズ像側面に非球面が形成されており、歪曲収差の補正を行なっている。
(表1)および(表2)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。表中の各パラメータは次の諸量を表す。
f:レンズ全系の焦点距離、Fno:Fナンバー、r:近軸曲率半径、d:レンズ厚またはレンズ間隔、nd:d線の屈折率、νd:d線のアッベ数、2ω:対角全画角
f:レンズ全系の焦点距離、Fno:Fナンバー、r:近軸曲率半径、d:レンズ厚またはレンズ間隔、nd:d線の屈折率、νd:d線のアッベ数、2ω:対角全画角
(表1)において、面番号の数字は物体側からの順番を示すものであり、その左側に*が付された面は非球面を表す。各非球面の非球面係数は(表2)に示した値となっている。
本レンズではレンズ全長が10mmであり、十分に小さくなっている。
本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図(球面収差、非点収差、歪曲収差)を図2に示す。本実施の形態ではレンズの広角化、小型化のために特に第1レンズ物体側面の光軸近傍での凹形状の曲率を強くしている。その一方で、第1レンズ物体側面に強い変曲点が現れ、そこで発生する収差のためにメリディオナル非点収差の変動が若干増加しているが、十分小さい値になっている。歪曲収差についても約−5%と十分小さい値に抑えられている。
(実施の形態2)
(表3)および(表4)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図3に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
(表3)および(表4)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図3に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
本レンズもレンズ全長が10mmと十分に小さくなっている。
実施の形態2にかかる超広角レンズは実施の形態1と略同様の構成とされているが、第1レンズ物体側面の光軸近傍での凹形状の曲率を弱くし、像側面での凹面の曲率を強くすることで発散力を得ている。そのため、第1レンズ物体側面では大きな変曲点が現れないため、非点収差の変動は低減されている一方で、画角は実施の形態1よりも小さくなっているが、対角全画角129°であり、十分な値は保っている。歪曲収差は周辺部で約−10%となっているが、超広角レンズとしては十分に補正されている。
(実施の形態3)
(表5)および(表6)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図4に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
(表5)および(表6)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図4に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
実施の形態3にかかる超広角レンズも実施の形態1と略同様の構成とされており、レンズ全長も約10mmと小さくなっている。この設計では、第1レンズ物体側面の光軸近傍での凹形状の曲率を弱くし、像側面での凹面の曲率を強くすることで発散力を得ている。ただし、第1レンズ全体としての発散力は実施の形態2に示される超広角レンズでのそれより小さい。そのため、実施の形態2と同様の理由で、非点収差の変動は低減されている。一方で、第1レンズを通過した光束が広がるために第1レンズ像側面と第2レンズ物体側面との間の距離を増加させざるを得なくなり、レンズ小型化のためには第2レンズ物体側面から像面までの距離を短縮させざるを得ない。すなわち、第2レンズに大きな収斂力を持たせる必要がある。そのため、第2レンズで収差が発生しやすくなるが、第2レンズ像側面の非球面で補正を行なっている。これにより、歪曲収差も約−10%となっており、超広角レンズとしては十分に補正されている。
(実施の形態4)
(表7)および(表8)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図5に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
(表7)および(表8)に本実施の形態におけるレンズ設計パラメータ、焦点距離および対角全画角を示す。また、図5に本実施の形態で表される超広角レンズの諸収差図を示す。
実施の形態4にかかる超広角レンズは実施の形態1と略同様の構成とされているが、第1レンズ物体側面の光軸近傍での凹形状の曲率を強くして発散力を得ている。そのため、広角化、小型化には有利となっているが、非点収差の変動は増大している。ただし、像側面での凹面の曲率を弱くすることでコマ収差等の諸収差を低減している。また、本レンズではレンズ全長が9mmと小さくなっている一方で、歪曲収差は周辺部で約−10%と十分に抑えられている。
(表9)は上記実施の形態1〜4にかかる超広角レンズの条件式(1)〜(6)に対応する値を示している。各実施例は上記条件式(1)〜(6)を全て満足する。
(実施の形態5)
本発明の超広角レンズを指紋認識デバイス用に用いた例を図6に、指紋認識デバイスの内部構成図を図7にそれぞれ示す。本実施の形態ではノートパソコンに指紋認識デバイスを組み込んだ例を示している。情報漏えいを防ぐため、従来はパスワード管理されていたのが一般的であったが、パスワードの組み合わせには限界があるため、破られる場合もあった。本発明のレンズを用いることにより、指紋認識デバイスの薄型化が可能となり、ノートパソコンへの搭載も可能となるため、より高いレベルの機密保持が可能となる。
本発明の超広角レンズを指紋認識デバイス用に用いた例を図6に、指紋認識デバイスの内部構成図を図7にそれぞれ示す。本実施の形態ではノートパソコンに指紋認識デバイスを組み込んだ例を示している。情報漏えいを防ぐため、従来はパスワード管理されていたのが一般的であったが、パスワードの組み合わせには限界があるため、破られる場合もあった。本発明のレンズを用いることにより、指紋認識デバイスの薄型化が可能となり、ノートパソコンへの搭載も可能となるため、より高いレベルの機密保持が可能となる。
(実施の形態6)
本発明の超広角レンズを貨幣認識デバイス用に用いた例を図8に、貨幣認識デバイスの内部構成図を図9に示す。本実施の形態では、自動販売機に組み込んだ例を示している。投入された貨幣の形状、表面模様などを画像として認識することにより、偽造貨幣の検出を高精度で行なうことが可能となる。
本発明の超広角レンズを貨幣認識デバイス用に用いた例を図8に、貨幣認識デバイスの内部構成図を図9に示す。本実施の形態では、自動販売機に組み込んだ例を示している。投入された貨幣の形状、表面模様などを画像として認識することにより、偽造貨幣の検出を高精度で行なうことが可能となる。
本発明は、特に認識デバイス用の、固体撮像素子に適した2枚構成のレンズ系において、画角を大きく、光学長を小さく保ちながら高性能の撮像レンズを実現するにあたって有用である。
S 絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
C 平板ガラス
I 像面
61 ノートパソコン
62 指紋認識デバイス
71 光源
72 保護カバー
73 第1レンズ
74 絞り
75 第2レンズ
76 固体撮像素子保護ガラス
77 固体撮像素子
81 自動販売機
82 貨幣投入口
83 貨幣認識デバイス
91 光源
92 保護カバー
93 第1レンズ
94 絞り
95 第2レンズ
96 固体撮像素子保護ガラス
97 固体撮像素子
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
C 平板ガラス
I 像面
61 ノートパソコン
62 指紋認識デバイス
71 光源
72 保護カバー
73 第1レンズ
74 絞り
75 第2レンズ
76 固体撮像素子保護ガラス
77 固体撮像素子
81 自動販売機
82 貨幣投入口
83 貨幣認識デバイス
91 光源
92 保護カバー
93 第1レンズ
94 絞り
95 第2レンズ
96 固体撮像素子保護ガラス
97 固体撮像素子
Claims (4)
- 第1レンズと、絞りと、第2レンズをこの順に配置した構造を有し、前記第1レンズは両面が非球面であり、かつ、物体側面および像側面の光軸近傍での面形状が共に凹であり、かつ、物体側面で変曲点を有し、前記第2レンズは少なくとも1面が非球面である両凸形状のレンズであり、以下の条件を満足することを特徴とする単一波長光源対応の超広角レンズ。
(1)−89.4<r1/f<−11.1
(2)1.4<r2/f<2.2
(3)1.5<r3/f<2.6
(4)−1.3<r4/f<−0.9
(5)−3.7<f1/f<−2.6
(6)2.9<d2/f<4.1
ただし、
f:レンズ全系の合成焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
r1:第1レンズ物体側面の近軸曲率半径
r2:第1レンズ像側面の近軸曲率半径
r3:第2レンズ物体側面の近軸曲率半径
r4:第2レンズ像側面の近軸曲率半径
d2:第1レンズ像側面と絞りまでの軸間距離 - 第1レンズ材料はプラスチックであることを特徴とする請求項1記載の超広角レンズ。
- 請求項1記載の超広角レンズを搭載した指紋認識デバイス。
- 請求項1記載の超広角レンズを搭載した貨幣認識デバイス。
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