JP2007146685A - 可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変動弁装置に関し、バルブのリフト運動時におけるカム軸からバルブへの駆動力の伝達ロスを低減できるようにする。
【解決手段】駆動カム122の回転運動を中間ローラ172,174を介して揺動部材140に伝達する。中間ローラ172,174は、制御軸132に固定された揺動支点166に連結部材164によって揺動自在に連結する。連結部材164は、制御軸132をバルブ支持部材110が位置する側とは逆側に迂回するように配置する。揺動支点166は制御軸132の中心から偏心した位置に設け、且つ、制御軸132が所定の回転角度にあるときには、制御軸132を挟み中間ローラ172,174とは逆側の位置に揺動支点166が配置されるようにする。好ましくは、略同一直線上に揺動支点166、制御軸132、及び中間ローラ172,174を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関し、詳しくは、バルブの開弁特性を機械的に変更可能な可変動弁装置に関する。
従来、例えば、特許文献1に開示されるように、エンジンの運転状況に応じてバルブのリフト量やバルブタイミングを機械的に変更する可変動弁装置が知られている。特許文献1に記載される可変動弁装置(以下、従来技術)では、カム軸と平行に設けられた制御軸に制御アームが固定され、この制御アームにフォロワの一方の端部が揺動自在に取り付けられている。また、制御軸には揺動カムが揺動自在に取り付けられ、その揺動カム面にロッカーアームが押し当てられている。フォロワには互いに独立回転可能な第1ローラと第2ローラとが同心に取り付けられており、第1ローラはカム軸の弁カムに当接し、第2ローラは揺動カムの揺動カム面とは逆側に形成された平面(当接面)に当接している。
このような構成によれば、制御軸の回転により制御アームの回転位置が変更されることで、フォロワが変位して制御軸から揺動カムと第2ローラとの当接箇所までの距離が変化し、これによりバルブのリフト量が変更される。また、カム軸の同じ回転角度位置において第1ローラと当接する弁カムの周方向位置が変化することにより、同時にバルブタイミングも変更される。つまり、特許文献1に記載の従来技術によれば、モータにより制御軸の回転角を制御することで、バルブのリフト量とバルブタイミングを同時に変更することができる。
特開2003−239712号公報 特開2002−371816号公報 特開平7−63023号公報 特開2004−108302号公報
特許文献1に記載の従来技術では、弁カムからローラを介して揺動カムに駆動力が伝達される。ローラは弁カムの回転に応じてフォロワの支点を中心に揺動し、このローラの揺動運動に連動して制御軸を中心に揺動カムが揺動する。その際、ローラは揺動カムの当接面を押圧すると同時に、当接面上を転がって往復運動する。具体的には、ローラが弁カムのカム基礎円に接しているときには、ローラは揺動カムの当接面の先端側に位置しており、弁カムが回転してローラがリフトすると、ローラの揺動カムの当接面上での位置は制御軸側に移動する。このようにローラが当接面上を往復運動することにより、弁カムの回転運動は、揺動カムの揺動運動とローラの当接面上での往復運動とに分散されることになり、カム軸からバルブへの駆動力の伝達効率が低下してしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カム軸からバルブへの駆動力の伝達ロスを低減できるようにした可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記目的を達成するため、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を機械的に変化させる可変動弁装置であって、
前記カム軸に設けられた駆動カムと、
前記カム軸と平行に設けられ、回転角度を連続的に或いは多段階に変更可能な制御軸と、
前記制御軸に回転可能に取り付けられて前記制御軸を中心として揺動する揺動部材と、
前記揺動部材に形成され、前記バルブを支持するバルブ支持部材に接触して前記バルブをリフト方向に押圧する揺動カム面と、
前記揺動部材に前記駆動カムと対向して形成されたスライド面と、
前記駆動カムと前記揺動部材との間に配置され、前記駆動カムのカム面と前記スライド面の双方に接触する中間ローラと、
前記制御軸に固定され前記制御軸の中心から偏心した位置に揺動支点を有する制御部材と、
前記中間ローラを回転自在に支持するとともに、前記制御軸を前記バルブ支持部材が位置する側とは逆側に迂回して前記中間ローラを前記揺動支点に揺動自在に連結する連結部材とを備え、
前記制御軸が所定の回転角度にあるときには、前記揺動支点は前記制御軸を挟み前記中間ローラとは逆側の位置に配置されることを特徴としている。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記揺動支点、前記制御軸、及び前記中間ローラは、略同一直線上に配置されることを特徴としている。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記所定の回転角度とは、前記バルブに最大リフトを与えるときの回転角度であることを特徴としている。
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記所定の回転角度とは、最も頻繁に用いられる回転角度であることを特徴としている。
第1の発明においてカム軸が回転すると、その回転運動は駆動カムのカム面から中間ローラを介して揺動部材のスライド面に伝達され、揺動部材の揺動運動に変換される。その際、揺動支点と制御軸とのずれに伴って揺動支点を中心とする中間ローラの回転軌跡と制御軸を中心とするスライド面の回転軌跡とにずれが生じ、スライド面上では中間ローラの往復運動が生じる。第1の発明によれば、制御軸が所定の回転角度にあるときには、揺動支点が制御軸を挟み中間ローラとは逆側の位置に配置されることにより、中間ローラの回転軌跡とスライド面の回転軌跡とのずれは抑えられ、スライド面上での中間ローラの往復運動は抑制される。したがって、カム軸からバルブへの駆動力の伝達ロスを低減して、効率良くバルブをリフト運動させることができる。
また、中間ローラが駆動カムから受ける荷重の一部は、連結部材を介して揺動支点に入力される。揺動支点に入力される荷重の方向によっては、制御軸にトルクが作用する。中間ローラが駆動カムから受ける力は駆動カムの回転に応じて変動するため、制御軸にトルクが作用する場合、そのトルクの大きさも駆動カムの回転に応じて変動する。制御軸に作用するトルクが変動すると制御軸が捩れて回転角度に変動が生じてしまい、制御精度の低下を招いてしまう可能性がある。この点に関し、第1の発明によれば、制御軸が所定の回転角度にあるときには、揺動支点が制御軸を挟み中間ローラとは逆側の位置に配置されることによって制御軸に作用するトルク自体が抑えられるため、トルク変動による制御軸の回転角度の変動は抑制される。したがって、第1の発明によれば、バルブの開弁特性を高い精度で可変制御することができる。
また、中間ローラを揺動支点に連結する連結部材は、制御軸をバルブ支持部材が位置する側とは逆側に迂回しているので、バルブ支持部材の存在によって連結部材の位置や形状が制約を受けることがない。したがって、第1の発明によれば、バルブ支持部材の周囲に余裕スペースの少ない小型の内燃機関への適用も可能である。
第2の発明によれば、揺動支点、制御軸、及び中間ローラが略同一直線上に配置されることで、揺動支点を中心とする中間ローラの回転軌跡と制御軸を中心とするスライド面の回転軌跡とのずれは最小限に抑えられる。したがって、スライド面上での中間ローラの往復運動を最小限に抑え、高い効率でバルブをリフト運動させることができる。また、トルク変動による制御軸の回転角度の変動を最小限に抑えることもできる。
第3の発明によれば、バルブに最大リフトを与えるときの回転角度において揺動支点が制御軸を挟み中間ローラとは逆側の位置に配置されることで、最大荷重の発生時にカム軸からバルブへの駆動力の伝達効率を最大にすることができる。また、制御軸に作用するトルクは最小に抑えられているので、最大荷重の発生時であってもトルク変動による制御軸の回転角度の変動は抑制される。
第4の発明によれば、最も頻繁に用いられる回転角度において揺動支点が制御軸を挟み中間ローラとは逆側の位置に配置されることで、最も頻度の高い状況においてカム軸からバルブへの駆動力の伝達効率を最大にすることができる。また、最も頻度の高い状況においてトルク変動による制御軸の回転角度の変動を最小限に抑えることができる。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[本実施形態の可変動弁装置の構成]
図1乃至図3を用いて本発明の実施の形態にかかる可変動弁装置100の構成について説明する。図1は可変動弁装置100の斜視図であり、図2は可変動弁装置100を図1のA−A方向に見た側面視図である。図3は後述する制御軸132の回転角度を変化させたときの可変動弁装置100の状態を示す斜視図である。本実施形態では、可変動弁装置100は吸気バルブ104に適用されているものとする。ただし、この可変動弁装置100は排気バルブにも適用可能である。
吸気バルブ104はバルブ支持部材としてのロッカーアーム110によって支持されている。カム軸120に設けられた駆動カム122とロッカーアーム110との間には、駆動カム122の回転運動にロッカーアーム110の揺動運動を連動させる可変機構130が配置されている。可変機構130は、駆動カム122の回転運動とロッカーアーム110の揺動運動との連動状態を連続的に変化させることができる機構である。
可変機構130は、カム軸120に平行に配置された制御軸132を含んでいる。可変機構130は、この制御軸132の回転角度を変化させることで、駆動カム122の回転運動とロッカーアーム110の揺動運動とを連動状態を変化させ、ひいてはバルブタイミング、作用角、リフト量といった吸気バルブ104の開弁特性を変化させることができる。制御軸132の回転角度は図示しないアクチュエータ(例えばモータ等)によって任意の回転角度に制御することができる。
なお、何れの図でも省略しているが、内燃機関には気筒毎に可変動弁装置100が備えられている。例えば、直列4気筒エンジンの場合であれば、4つの可変動弁装置100がカム軸120に沿って直列に配置されることになる。制御軸132はカム軸120に平行に一本のみ配置され、各気筒の可変動弁装置100はこの一本の制御軸132を共用している。これにより、一つの制御軸132の回転角度を制御することで、4気筒全ての可変動弁装置100を同時に制御して、全吸気バルブ104の開弁特性を同時に変更できるようになっている。
制御軸132には制御アーム162が固定されている。制御アーム162は制御軸132の径方向に突出した突出部を有しており、その突出部の両側には弧状のリンクアーム164がピン166を介して取り付けられている。リンクアーム164は、その一方の端部をピン166によって制御アーム162に回転自在に連結されている。ピン166の位置は制御軸132の中心から偏心しており、このピン166がリンクアーム164の揺動支点となる。リンクアーム164は、揺動支点を基点として、制御軸132をロッカーアーム110が位置する側と反対側に迂回するように延びている。
また、制御軸132には、揺動カムアーム150が揺動可能に支持されている。この揺動カムアーム150は、制御アーム162を挟むようにして一対配置されている。本実施形態にかかる内燃機関は、個々の気筒に2つの吸気バルブ104を備えている。このため、可変動弁装置100は2つの吸気バルブ104を駆動するように構成され、各吸気バルブ104に対応して揺動カムアーム150が設けられている。
揺動カムアーム150は、その先端を駆動カム122の回転方向の上流側に向けて配置されている。本実施形態では、図2中に矢印で示すようにカム軸120は時計周り方向に回転している。揺動カムアーム150の駆動カム122に対向する側には、後述する第2ローラ174に接触するスライド面156が形成されている。スライド面156は駆動カム122側に緩やかに湾曲するとともに、揺動中心である制御軸132の中心から遠くなるほど駆動カム122の中心からの距離が大きくなるように形成されている。
揺動カムアーム150のスライド面156とは逆の側には、揺動カム面152(152a,152b)が形成されている。揺動カム面152はプロフィールの異なる非作用面152aと作用面152bから構成されている。そのうち非作用面152aはカム基礎円の周面であり、制御軸132の中心からの距離を一定に形成されている。他方の面である作用面152bは揺動カムアーム150の先端側に設けられ、非作用面152aに滑らかに連続するように接続されるとともに、揺動カムアーム150の先端に向けて制御軸132の中心からの距離(すなわち、カム高さ)が次第に大きくなるよう形成されている。本明細書では、非作用面152aと作用面152bの双方を区別しないときには、単に揺動カム面152と表記する。
揺動カムアーム150のスライド面156とカム122の表面との間には、本発明にかかる中間ローラとしての第1ローラ172及び第2ローラ174が配置されている。第1ローラ172と第2ローラ174は、ともに前述のリンクアーム164の先端部に固定された連結軸176によって回転自在に支持されている。リンクアーム164は、本発明にかかる連結部材に相当しており、制御軸132をロッカーアーム110が位置する側と反対側に迂回してピン166にローラ172,174を連結している。第2ローラ174は揺動カムアーム150毎に設けられ、第1ローラ172はこれら一対の第2ローラ174の間に配置されている。第1ローラ172は駆動カム122に接触し、第2ローラ174は対応する揺動カムアーム150のスライド面156に接触している。リンクアーム164はピン166を支点として揺動できるので、これらローラ172,174もピン166から一定距離を保ちながらスライド面156及びカム122の表面に沿って揺動することができる。
また、揺動カムアーム150にはバネ座158が形成されている。このバネ座158には、他端を内燃機関の静止部位に固定されたロストモーションスプリング168が掛けられている(図1及び図3では省略している)。本実施形態にかかるロストモーションスプリング168は圧縮バネであり、ロストモーションスプリング168からの付勢力は、スライド面156を第2ローラ174に押し当てる付勢力として作用し、さらに、第2ローラ174と同軸一体の第1ローラ172を駆動カム122に押し当てる付勢力として作用する。これにより、第1ローラ172及び第2ローラ174は、スライド面156と駆動カム122とに両側から挟みこまれて位置決めされている。
揺動カムアーム150の下方には、前述のロッカーアーム110が配置されている。ロッカーアーム110には、揺動カム面152に対向するようにロッカーローラ112が配置されている。ロッカーローラ112はロッカーアーム110の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム110の一端には吸気バルブ104を支持するバルブシャフト102が取り付けられ、ロッカーアーム110の他端は油圧ラッシャアジャスタ106によって回動自在に支持されている。バルブシャフト102は図示しないバルブスプリングによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム110を押し上げる方向に付勢されており、この付勢力と油圧ラッシャアジャスタ106によってロッカーローラ112は揺動カムアーム150の揺動カム面152に押し当てられている。
なお、図1及び図2は制御軸132が基本回転角度にあるときの可変動弁装置100の状態を示している。本実施形態では、吸気バルブ104に最大リフトを与えるときの制御軸132の回転角度を基本回転角度としている。制御軸132は、内燃機関の運転状態に応じて、この基本回転角度からより小さいリフトを与えるときの回転角度へ制御されるようになっている。図1中に矢印で示す制御軸132の回転方向は、吸気バルブ104のリフト量を小リフト側に変更する場合の回転方向である。図3は、吸気バルブ104に最小リフトを与えるときの回転角度まで制御軸132を回転させたときの可変動弁装置100の状態を示している。図3中に矢印で示す制御軸132の回転方向は、吸気バルブ104のリフト量を大リフト側に変更する場合の回転方向である。
制御軸132が基本回転角度にあるときには、図2に示すように、揺動支点であるピン166は、制御軸132を挟んでローラ172,174の反対側に配置されるようになっている。このとき、ピン166、ローラ172,174、及び制御軸132の軸心は、略同一直線上に位置するようになっている。
[本実施形態の可変動弁装置の動作]
次に、本可変動弁装置100の動作について図4乃至図6を参照して説明する。
(1)可変動弁装置のリフト動作
以下では、図4を参照して可変動弁装置100のバルブ104のリフト動作について説明する。図4は、制御軸132が基本回転角度にあるときの可変動弁装置100のリフト動作を示しており、図4の(A)はリフト動作の過程で吸気バルブ104が閉弁しているときの可変動弁装置100の状態を、また、(B)はリフト動作の過程で吸気バルブ104が開弁しているときの可変動弁装置100の状態を、それぞれ表している。
図4の(A)に示すように、ロッカーローラ112が揺動カムアーム150の非作用面152aに接触している場合には、非作用面152aは制御軸132の中心からの距離が一定であるので、その接触位置P3にかかわらずロッカーローラ112の空間内での位置は変化しない。したがって、ロッカーアーム110は揺動することがなく、吸気バルブ104は一定位置に保持される。可変動弁装置100では、ロッカーローラ112が揺動カムアーム150非作用面152aに接触しているとき、吸気バルブ104が閉弁状態になるように各部位の位置関係が調整されている。
可変動弁装置100では、駆動カム122の回転運動は、先ず、駆動カム122に接触する第1ローラ172に入力される。第1ローラ172は同軸一体に設けられた第2ローラ174とともにピン166を中心に揺動し、その運動は第2ローラ174を支持している揺動カムアーム150のスライド面156に入力される。このとき、駆動カム122とスライド面156との間には速度差があるが、2つのローラ172,174は独立回転可能であるので、駆動力の伝達時の摩擦損失は低減されている。スライド面156はロストモーションスプリングの付勢力によって常に第2ローラ174に押し当てられているので、揺動カムアーム150は第2ローラ174を介して伝達されるカム122の回転に応じて制御軸132を中心にして揺動する。
具体的には、図4の(A)に示す状態からカム軸120が回転すると、図4の(B)に示すように、第1ローラ172の駆動カム122上での接触位置P1は、駆動カム122の頂部へと近づいていく。相対的に第1ローラ172は駆動カム122によって押し下げられ、揺動カムアーム150はそのスライド面156を第1ローラ172と一体の第2ローラ174によって押し下げられる。これにより、揺動カムアーム150は制御軸132を中心にして図中、時計回り方向に回動する。
揺動カムアーム150の回動によりロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置P3が非作用面152aから作用面152bに切り換わると、ロッカーアーム110は作用面152bの制御軸132の中心からの距離に応じて押し下げられ、油圧ラッシャアジャスタ106による支持点を中心に時計回り方向へ揺動する。これにより、吸気バルブ104はロッカーアーム110によって押し下げられ、開弁する。そして、図4の(B)に示すように、第1ローラ172の駆動カム122上での接触位置P1がカム122の頂部に達したとき、揺動カムアーム150の回動量は最大になり、吸気バルブ104のリフト量も最大になる。
カム軸120がさらに回転し、第1ローラ172の駆動カム122上での接触位置P1が駆動カム122の頂部を過ぎると、今度はロストモーションスプリングとバルブスプリングによる付勢力によって、揺動カムアーム150は制御軸132を中心にして図中、反時計回り方向に回動する。揺動カムアーム150が反時計回り方向に回動することで、ロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置P3は非作用面152a側へ移動する。これにより、吸気バルブ104のリフト量は減少していき、やがて、図4の(A)に示すように、ロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置P3が作用面152bから非作用面152aに切り換わったところで、吸気バルブ104のリフト量はゼロとなる。つまり、吸気バルブ104は閉弁する。
ところで、駆動カム122の回転に伴い第2ローラ174がスライド面156を押し下げる際、ピン166が制御軸132から偏心していることに伴い、ピン166を中心とする第2ローラ174の回転軌跡と、制御軸132を中心とするスライド面156の回転軌跡とにはずれが生じる。この回転軌跡のずれに伴い、第2ローラ174の揺動運動に応じて、第2ローラ174のスライド面156上での接触位置P2はスライド面156上を移動する。この移動量が大きいほど、カム軸120から吸気バルブ104への駆動力の伝達ロスが大きくなってしまう。
しかし、本実施形態の可変動弁装置100では、図4の(A)に示すように、制御軸132が基本回転角度にあるときの吸気バルブ104の閉弁時には、揺動支点であるピン166の軸位置C1と、制御軸132の軸位置C0と、第2ローラ174の軸位置C2は略同一直線上に位置するようになっている。このため、吸気バルブ104のリフト時において、ピン166を中心とする第2ローラ174の回転軌跡と、制御軸132を中心とするスライド面156の回転軌跡とのずれは最小限に抑えられ、図4の(B)に示すように、第2ローラ174のスライド面156上での接触位置P2には殆ど変化が生じない。制御軸132が基本回転角度にあるとき、吸気バルブ104のリフト量は最大になる。このため、駆動カム122からローラ172,174に伝達される駆動力も最大になる。本実施形態の可変動弁装置100によれば、このような最大駆動力の発生時において第2ローラ174とスライド面156との間での駆動力の伝達ロスを最小限に抑えることができる。
また、駆動カム122からローラ172,174に伝達される駆動力は、その一部がリンクアーム164を介してピン166に入力される。ピン166に入力される荷重の方向によっては、制御軸132にトルクが作用する。駆動カム122からローラ172,174に伝達される駆動力は駆動カム122の回転に応じて変動するため、制御軸132にトルクが作用する場合、そのトルクの大きさも駆動カム122の回転に応じて変動することになる。制御軸132に作用するトルクが変動すると制御軸132の回転角度にずれが生じてしまうため、高い精度で吸気バルブ104の開弁特性を制御できなくなってしまう。
しかし、本実施形態の可変動弁装置100では、上述のように、制御軸132が基本回転角度にあるときのバルブ104の閉弁時には、揺動支点であるピン166の軸位置C1と、制御軸132の軸位置C0と、第2ローラ174の軸位置C2は略同一直線上に位置するようになっている。制御軸132が基本回転角度にあるとき、吸気バルブ104のリフト量が最大になるためにピン166に入力される荷重も最大になるが、本実施形態の可変動弁装置100によれば、荷重の作用線(ピン166の軸位置C1と第2ローラ174の軸位置C2とを結ぶ線)が制御軸132の軸位置C0を通るために制御軸132には殆どトルクは作用しない。したがって、トルク変動による制御軸132の回転角度の変動は最小限に抑えられる。
(2)可変動弁装置のリフト量変更動作
次に、図4及び図5を参照して可変動弁装置100の吸気バルブ104のリフト量変更動作について説明する。ここで、図5は可変動弁装置100がバルブ104に対して小さなリフトを与えるように動作している様子を示している。図5中、(A)はリフト動作の過程で吸気バルブ104が閉弁しているときの可変動弁装置100の状態を、また、(B)はリフト動作の過程で吸気バルブ104が開弁しているときの可変動弁装置100の状態を、それぞれ表している。なお、図5の(A)に示す可変動弁装置100の状態は、図3に示す状態に対応している。
図4に示すリフト量から図5に示すリフト量に吸気バルブ104のリフト量を変更する場合、図4の(A)に示す基本回転角度から時計回り方向に制御軸132を回転駆動し、図5の(A)に示す位置にピン166の位置C1を回転移動させる。第1ローラ172及び第2ローラ174は、リンクアーム164によってピン166の位置C1から一定距離に保持されている。このため、ピン166の位置C1の移動に伴い、図4の(A)に示す位置から図5の(A)に示す位置に、第2ローラ174はスライド面156に沿って制御軸132から遠ざかる方向に移動し、同時に、第1ローラ172は駆動カム面124に沿ってその回転方向の上流側に移動する。
第2ローラ174が制御軸132から遠ざかる方向に移動することで、揺動カムアーム150の揺動中心C0から第2ローラ174のスライド面156上での接触位置P2までの距離が長くなり、揺動カムアーム150の揺動角幅は減少する。揺動カムアーム150の揺動角幅は揺動中心C0から振動の入力点である接触位置P2までの距離に反比例するからである。
揺動カムアーム150の揺動角幅が減少する結果、ロッカーローラ112が到達できる最終接触位置P3は作用面152b上を非作用面152a側に移動することになり、吸気バルブ104のリフト量は減少する。また、ロッカーローラ112が作用面152b上に位置している期間(角度)が、吸気バルブ104の作用角となるが、最終接触位置P3が非作用面152a側に移動することで、吸気バルブ104の作用角も減少する。
さらに、第1ローラ172が駆動カム122に沿ってその回転方向の上流側に移動することで、カム軸120が同一回転角度にあるときの第1ローラ172の接触位置P1は、駆動カム122の進角側に移動する。これにより、駆動カム122の位相に対する揺動カムアーム150の揺動タイミングは進角され、その結果、バルブタイミング(最大リフトタイミング)は進角されることになる。
図6は可変動弁装置100により実現される吸気バルブ104のリフト量とバルブタイミングとの関係を示すグラフである。この図に示すように、可変動弁装置100によれば、吸気バルブ104のリフト量の増大に連動して作用角を増大させるとともにバルブタイミングを遅角することができ、逆に、吸気バルブ104のリフト量の減少に連動して作用角を減少させるとともにバルブタイミングを進角することができる。したがって、VVT等のバルブタイミング制御機構を用いることなく、吸気バルブ104の開きタイミングをほぼ一定とするように開弁特性を可変制御することも可能になる。
[本実施形態の可変動弁装置の利点]
以上説明した通り、本実施形態の可変動弁装置100によれば、制御軸132を回転駆動して制御カム134の回転角度を変化させることにより、第2ローラ174のスライド面上での接触位置P2と第1ローラ172の駆動カム122上での接触位置P1を変化させ、その結果として吸気バルブ104のリフト量、作用角、及びバルブタイミングを連動して変化させることができる。
しかも、制御軸132が基本回転角度にあるとき、揺動支点であるピン166の軸位置C1と、制御軸132の軸位置C0と、第2ローラ174の軸位置C2は略同一直線上に位置するようになっているので、駆動カム122の回転に伴うスライド面156上での第2ローラ174の往復運動を抑制することができ、カム軸120から吸気バルブ104への駆動力の伝達ロスを低減して効率良く吸気バルブ104をリフト運動させることができる。また、制御軸132に作用するトルクの変動によって制御軸132の回転角度に変動が生じることも抑制できるので、吸気バルブ104の開弁特性を高い精度で可変制御することができる。
また、本実施形態の可変動弁装置100では、ローラ172,174とピン166とを連結するリンクアーム164は、制御軸132をロッカーアーム110が位置する側とは逆側に迂回するように制御軸132の上方に配置されているので、ロッカーアーム110の存在によってリンクアーム164の位置や形状が制約を受けることがない。したがって、本実施形態の可変動弁装置100は、バルブ104の設置間隔が狭くロッカーアーム110の周囲に余裕スペースの少ない小型の内燃機関にも問題なく適応することができる。
[その他]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では、本発明をロッカーアーム方式の動弁装置に適用しているが、直動式等の他の形式の動弁装置にも適用可能である。
上記実施の形態では、吸気バルブ104に最大リフトを与えるときの回転角度を制御軸132の基本回転角度としているが、最小リフトを与えるときの回転角度を基本回転角度としてもよく、中間の回転角度を基本回転角度としてもよい。また、最も頻繁に用いられる回転角度を基本回転角度としてもよい。これによれば、最も頻度の高い状況においてカム軸120から吸気バルブ104への駆動力の伝達効率を最大にすることができ、また、最も頻度の高い状況においてトルク変動による制御軸132の回転角度の変動を最小限に抑えることができる。
本発明の実施の形態にかかる可変動弁装置の構成を示す斜視図である。 可変動弁装置を図1のA−A方向に見た側面視図である。 制御軸の回転角度を変化させたときの可変動弁装置の状態を示す斜視図である。 大リフト時の可変動弁装置の動作を示す図であり、(A)は吸気バルブの閉弁時、(B)は吸気バルブの開弁時を示している。 小リフト時の可変動弁装置の動作を示す図であり、(A)は吸気バルブの閉弁時、(B)は吸気バルブの開弁時を示している。 バルブタイミングとリフト量との関係を示す図である。
符号の説明
100 可変動弁装置
104 吸気バルブ
110 ロッカーアーム
112 ロッカーローラ
120 カム軸
122 駆動カム
130 可変機構
132 制御軸
150 揺動カムアーム
152(152a,152b) 揺動カム面
156 スライド面
162 制御アーム
164 リンクアーム
166 ピン
172 第1ローラ
174 第2ローラ
P1 第1ローラの駆動カム上での接触位置
P2 第2ローラのスライド面上での接触位置
P3 ロッカーローラの揺動カム面上での接触位置
C0 制御軸の軸心位置
C1 リンクアームの揺動支点位置
C2 ローラの軸心位置

Claims (4)

  1. カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を機械的に変化させる可変動弁装置であって、
    前記カム軸に設けられた駆動カムと、
    前記カム軸と平行に設けられ、回転角度を連続的に或いは多段階に変更可能な制御軸と、
    前記制御軸に回転可能に取り付けられて前記制御軸を中心として揺動する揺動部材と、
    前記揺動部材に形成され、前記バルブを支持するバルブ支持部材に接触して前記バルブをリフト方向に押圧する揺動カム面と、
    前記揺動部材に前記駆動カムと対向して形成されたスライド面と、
    前記駆動カムと前記揺動部材との間に配置され、前記駆動カムのカム面と前記スライド面の双方に接触する中間ローラと、
    前記制御軸に固定され前記制御軸の中心から偏心した位置に揺動支点を有する制御部材と、
    前記中間ローラを回転自在に支持するとともに、前記制御軸を前記バルブ支持部材が位置する側とは逆側に迂回して前記中間ローラを前記揺動支点に揺動自在に連結する連結部材とを備え、
    前記制御軸が所定の回転角度にあるときには、前記揺動支点は前記制御軸を挟み前記中間ローラとは逆側の位置に配置されることを特徴とする可変動弁装置。
  2. 前記揺動支点、前記制御軸、及び前記中間ローラは、略同一直線上に配置されることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  3. 前記所定の回転角度とは、前記バルブに最大リフトを与えるときの回転角度であることを特徴とする請求項1又は2記載の可変動弁装置。
  4. 前記所定の回転角度とは、最も頻繁に用いられる回転角度であることを特徴とする請求項1又は2記載の可変動弁装置。
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