JP2007145765A - 眼科手術用組成物 - Google Patents

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Yoichi Shimoda
洋一 下田
Takashi Muramatsu
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Abstract

【課題】単剤として使用する場合、角膜内皮保護のために前房深度形成能、眼内滞留能、除去容易性の3要件を同時に満たすことができる眼科手術用組成物の提供を目的とする。
【解決手段】眼科手術用組成物は、レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が25Pa以上であり、損失弾性率G''が極大を示す周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満である。
【選択図】なし

Description

この発明は、眼科手術、特に白内障手術において用いられる眼科手術用組成物に関するものである。
近年、高齢者の増加に伴い、白内障患者も増加傾向にあり、このため白内障手術も盛んに行われるようになってきている。以下に、近年盛んに行われている白内障手術の概要について説明する。
まず、角膜輪部を数mm程度切開した後、粘弾性物質である眼科手術用組成物を前房内に注入する。この段階において、眼科手術用組成物を注入する理由は、手術時の機械的侵襲から眼組織(特に、角膜内皮)を保護するためと、角膜輪部の切開時に、前房水が漏出して前房虚脱が生ずるため、眼科手術用組成物により前房形状を維持させて前房虚脱となるのを防止して、手術を容易に行うためである。
続いて、水晶体前嚢を切開し、該水晶体の嚢を残しながら、超音波水晶体乳化吸引装置により水晶体の中身(核及び皮質)を破砕吸引する。この場合、超音波水晶体乳化吸引装置による方法は、超音波水晶体乳化吸引術(PEA)として、知られているが、他に水晶体嚢外摘出術(ECCE)という術式もある。この後、同じく粘弾性物質である眼科手術用組成物を嚢内(眼内)に注入し、嚢を膨張させる。そして、眼内レンズを嚢内に挿入した後、注入した眼科手術用組成物を除去し、生理学的塩溶液と置換する。ここで、眼科手術用組成物を除去する理由は、眼科手術用組成物が眼内に残存すると、眼圧が上昇するため、これを防止するためである。
ところで、上記の粘弾性物質は大きく分けて2種類ある。1つは、高分子量多糖を低濃度に含むタイプ(以下、Aタイプという)であり、他の1つは低分子量多糖を高濃度に含むタイプ(以下、Bタイプという)である。なお、本明細書で、単に分子量というときは、粘度平均分子量を意味する。
Aタイプは、Bタイプに比較して、凝集性が高く、眼内空間形成能(後述の前房深度形成能に相当する)に優れることと、除去がしやすく、又、注入しやすいという長所がある。しかし、Aタイプでは、眼内滞留能に劣っている。又、仮にAタイプの粘弾性物質が眼内に残留してしまうと、眼圧上昇のリスクがあるという短所もある。Aタイプのものとしては、例えば、1%ヒアルロン酸ナトリウム製剤がある。
Bタイプは、Aタイプに比較して、分散性が高く、眼内滞留能に優れることと、被覆性があり、角膜内皮保護効果が高く、残存しても、眼圧上昇のリスクが低いという長所がある。しかし、Bタイプでは、Aタイプに比較して眼内空間形成能に劣り、除去及び注入するのに時間を要するため、単剤では使いにくい。又、手術中においては粘弾性物質が断片的に吸引されるため、層面の凹凸が不規則になること、気泡や水晶体核片、皮質の付着により術者からの視認性が悪いという短所もある。
なお、凝集性に優れた粘弾性物質と分散性に優れた粘弾性物質を組み合わせて使用するソフトシェルテクニックという手術手技も開発されている。ソフトシェルテクニックは、眼内形成能に優れるとともに、粘弾性物質の眼内滞留能に優れる。しかし、このソフトシェルテクニックでは、2剤必要であるため、手術操作が複雑となるとともに、コストアップとなっている。
なお、特許文献1は、白内障手術において使用できる粘弾性物質について開示されているが、角膜内皮保護を重視した粘弾性物質ではなく、角膜内皮保護に必要な具体的機能が明記されておらず、その実施例においても、角膜内皮保護に必要な本発明のような諸パラメータ(貯蔵弾性率、損失弾性率)に関する記述がされていない。
特許文献2では、白内障手術において使用できる粘弾性物質については、特に、ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸を組み合わせたものが開示されているが、前眼房ドームの維持(前房深度形成能)が記載されているのみで、前眼房ドームの維持に関するパラメータ(貯蔵弾性率、損失弾性率)について、具体的実施例を含めて記載や示唆もない。
特許文献3では、生体適合性に優れかつ生体内分解性を有するヒアルロン酸ゲルが記載されている。特許文献3では、ヒアルロン酸ゲルの特定周波数における動的粘弾性において貯蔵弾性率と、損失弾性率の数値が挙げられているが、その数値は、本発明の損失弾性率の範囲外であり、後述する本発明の目的とは異なる目的で、ヒアルロン酸ゲルを特定したものである。
特許文献4では、眼科手術用補助剤に要求されている空間保持能力の向上を目的として、粘弾性のうち弾性のみを特異的に向上させたヒアルロン酸ナトリウム剤が記載されている。特許文献4では、前記目的の達成のために、粘弾性のうち、弾性のみを特異的に向上させることを目的として、該ヒアルロン酸ナトリウム剤の特徴的構成を動的粘弾性測定のパラメータから規定しているが、本発明の目的を達成するための、損失弾性率については、記載も示唆もされていない。
特表2001−515531号公報 特表2005−516027号公報 特表平11−512778号公報 特開2005−154305号公報
ところで、眼科手術用組成物に要求される事項としては、眼科手術時の眼組織の保護(特に、白内障手術中の角膜内皮保護)があり、それには、前房深度形成能、眼内滞留能、除去容易性の3要件を眼科手術用組成物が同時に満たすことが重要である。
ここで、前房深度形成能は、眼科手術用組成物によって、前房深度を維持することにより、前房虚脱を防止し、角膜内皮を保護するために要求される事項である。術中の操作に伴い眼組織に発生する歪みに対して前房深度を維持するためには、ある程度の弾性が眼科手術用組成物に要求される。
又、特に、白内障手術の超音波乳化吸引中に発生する水晶体核片、乱流、ラジカル等から角膜内皮を保護するには、眼科手術用組成物は吸引されず前房内に止まっている必要がある。この能力を眼内滞留能という。すなわち、眼科手術用組成物として前房深度を維持するとともに眼組織上で緩衝材、及びスカベンジャーとして作用する必要がある。
又、術後、眼科手術用組成物の眼内残留に起因する眼圧上昇により角膜内皮障害を惹起することが知られており、このため、眼科手術用組成物が容易に除去(吸引)される必要があり、従って、眼科手術用組成物には除去容易性が要求される。
上記のように、眼科手術用組成物は、角膜内皮保護のために前房深度形成能、眼内滞留能、除去容易性の3要件を満たすことが重要である。
しかし、従来は、Aタイプ及びBタイプのように、2タイプのいずれかの単剤を使用する場合、上記3要件のうちいずれかの要件を犠牲にして他の要件を優先する結果、角膜内皮の保護に欠ける問題がある。又、ソフトシェルテクニックでは、2剤必要であるため、手術操作が複雑となるとともに、コストアップの問題がある。
本発明は、単剤として使用する場合、角膜内皮保護のために前房深度形成能、眼内滞留能、除去容易性の3要件を同時に満たすことができる眼科手術用組成物の提供を目的としている。
本発明は、レオメータにより測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が25Pa以上であり、損失弾性率G''が極大を示す周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満である眼科手術用組成物を要旨とするものである。
前記眼科手術用組成物としては、好ましくは、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩、眼科的に受容可能なコンドロイチン硫酸の塩、セルロース誘導体のうちいずれか1つを含む水溶液であって、濃度が10〜25mg/mLである。
又、前記濃度は、好ましくは、15〜22mg/mLである。又、前記ヒアルロン酸又はヒアルロン酸の塩の粘度平均分子量は120万〜250万であることが好ましい。
又、レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'は、好ましくは、50Pa以上である。
又、レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'は、さらに好ましくは、50〜200Paである。
又、レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、損失弾性率G''が極大を示す周波数は、好ましくは0.5〜5.0Hzである。
本発明によれば、眼科手術用に単剤として使用する場合、角膜内皮保護のために前房深度形成能、眼内滞留能、及び除去容易性の3要件を同時に満たすことができ、単剤で白内障手術の全ての工程において優れた機能を有することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(1. 眼科手術用組成物)
本実施形態の眼科手術用組成物は、レオメータにより測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が25Pa以上であり、損失弾性率G''が極大を示す周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満である。
(2. 貯蔵弾性率G')
動的粘弾性測定は、強制振動法(非共振)及び位相差法に基づくものであり、貯蔵弾性率G'と、損失弾性率G''が得られる。
前記前房深度形成能を満たすためには、術中の操作に伴い眼組織に発生する歪みに対して適切な反発力を眼科手術用組成物が有する必要がある。これを満たすためのパラメータは、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率G'によって数値化することが可能である。レオメータ(動的粘弾性測定装置)において、20℃で測定される動的粘弾性では、一般的に利用される測定周波数範囲はおよそ0.1〜10Hz程度である。レオメータとしては、レオストレスRSl(Thermo Haake製)を使用することができる。
ここで、術中に想定される歪みとは、前房水が漏出することによる収縮方向への歪みや、手術器具及び眼内レンズを移動させる時に生じるせん断方向への歪みなどである。いずれも、ゆっくりとした変形であると考えられるため、これに対応する測定周波数はできるだけ小さい方が好ましい。従って、本実施形態では、20℃で測定される動的粘弾性において0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'と前房深度形成能との相関を探り、望ましいパラメータを選定した。
貯蔵弾性率G'は、動的粘弾性測定によって得られる2つの弾性率のうち、弾性成分に起因する弾性率である。動的粘弾性評価の測定原理は、正弦的な周期振動を対象物に与え、この刺激に対する応答として検出された荷重と位相差δから力学的な性質を算出している。対象物を変形させるときに、大きな荷重を必要とする対象物は固く、小さな荷重で変形できる対象物は柔らかいと、表現される。ここで変形をやめたいときに、変形を回復させるための反発力は対象物によって異なる。変形のエネルギーを蓄える、すなわち、弾性成分を多く含む対象物は、動的粘弾性測定における位相差δは小さくなる。完全弾性体であれば、位相差はδ=0°になる。貯蔵弾性率G'は、刺激に対する応答として検出された最大荷重から算出した弾性率に対して、cosδ分の寄与として計算される。
本実施形態では、貯蔵弾性率G'は、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が25Pa以上が好ましい。25Pa未満では、柔らかくなりすぎて前房深度形成能が落ち、好ましくない。
さらに、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が50Pa以上が好ましい。
又、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'の上限は200Paが好ましい。周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'200Paを超えると、硬くなり、術中の操作に伴い眼組織に発生する歪みに対して反発力が大きくなりすぎる。
(3. 損失弾性率G'')
一方、損失弾性率G''は、動的粘弾性測定によって得られる2つの弾性率のうち、粘性成分に起因する弾性率を意味する。変形のエネルギーを対象物の内部で消費する、すなわち粘性成分を多く含む対象物は、動的粘弾性測定における位相差δは大きくなる。完全粘性体であれば、位相差はδ=90°となる、損失弾性率G''は、刺激に対する応答として検出された最大荷重から算出した弾性率に対して、sinδ分の寄与として計算される。
眼内滞留能と除去容易性の2つの機能は、眼科手術用組成物が有する「分散性」と「凝集性」をそれぞれ発揮することによって、実現することができる。すなわち、眼内滞留能を有する眼科手術用組成物は、「分散性」を示し、吸引されず前房内に止まることが可能である。又、除去容易性を有する眼科手術用組成物は、「凝集性」を示し、一つの塊りとして効率よく回収することができる。ここで、「分散性」と「凝集性」という異なる性質は、一見両立することのない対極の性質であるように思われるが、例えば、眼科手術用組成物としてのヒアルロン酸は、室温(20℃)に近い温度領域で「分散性」と「凝集性」のどちらの性質ももつ。
「分散性」と「凝集性」の違いは、高分子ゲルの絡み合い密度によって決定される。高分子ゲルの絡み合いが希薄になれば、「分散性」を示し、密接な絡み合い状態を維持していれば「凝集性」を示す物質として振る舞うことになる。絡み合い状態の違いは、例えば組成(分子量や密度)を調整することによって、容易に変更することが可能である。しかし、ある特定の組成において、望ましくは術中に1製剤(単剤)を使用するだけで、これら二つの性質を使い分けるためには、組成以外の要因によって絡み合い密度を適切に制御するメカニズムが必要になる。
組成以外の要因として、温度と変形速度の2項目を挙げることができる。しかし、眼科手術における眼科手術用組成物の利用を想定した場合、目的に応じて手術環境温度を変化させることは容易ではない。
そこで、変形速度に注目すると、後述するように、目的に応じた変形速度を容易に調整することができる。例えば、高分子ゲルであるヒアルロン酸が変形を受けた場合、安定なゲル構造を目指して絡み合いを解きほぐし始める。このとき、ゆっくりとした変形速度であれば、絡み合いを解きほぐすための十分な時間があるため、絡み合いが希薄になる。しかし、変形速度が速い場合には、絡み合いを解きほぐすための十分な時間がないため、密接な絡み合い状態が維持される。このような傾向は、ヒアルロン酸に限定されず、一般的な高分子材料に普遍的に観察される。
幅広い変形速度に対する粘弾性的評価方法として、レオメータ(動的粘弾性測定装置)による周波数走査測定が知られている。ゆっくりとした変形速度において絡み合いが希薄になるという現象は、低周波数測定において、低い貯蔵弾性率G'が観測されることを意味する。一方、速い変形速度において密接な絡み合い状態が維持される、という現象は、高周波数測定において高い貯蔵弾性率G'が観測されることを意味する。
レオロジーにおいて、高分子材料の絡み合いが維持されることに起因する弾性領域を「ゴム領域」という。そして、その絡み合いが解きほぐされて、急激に弾性率が低下する領域を「流動領域」という。粘弾性物質として知られている例えばヒアルロン酸は、室温(20℃)に近い温度領域において、絡み合いと変形速度の相対的なバランスの中で、「ゴム領域」から「流動領域」の間に存在している。
ここで、「ゴム領域」に存在するときは、ヒアルロン酸等の高分子材料は、密接な絡み合い効果によって「凝集性」を示し、「流動領域」に存在するときは、絡み合いが解きほぐされて「分散性」を示すことになる。
眼科手術において、例えばヒアルロン酸は前房に留まり、灌流液の流れと吸引チップにより、せん断方向の変形を受けている。術者は灌流液の灌流速度並びに吸引チューブ内に発生する吸引圧を制御することが可能である。そして、吸引チップとヒアルロン酸との距離によってもせん断速度(変形速度)を自在に制御することが可能である。すなわち、せん断速度と絡み合い密度のバランスを変えることによって、ヒアルロン酸が持つ「分散性」と「凝集性」という二つの性質を制御することが可能となる。このとき「分散性」と「凝集性」の境界がどこに存在するのかを把握することは非常に重要であり、レオロジーに置き換えると「ゴム領域」と「流動領域」の境界となる周波数を数値化することを意味している。
しかし、「ゴム領域」と「流動領域」の境界における貯蔵弾性率G'の変化は穏やかであり、境界と呼べる周波数を数値化することは困難である。ところが損失弾性率G''は貯蔵弾性率G'の微分を反映しているため、「ゴム領域」と「流動領域」の境界において極大値を示す。すなわち、損失弾性率G''が極大値を示す周波数こそが、「ゴム領域」と「流動領域」の境界であり、「分散性」と「凝集性」の両者を制御するための重要なパラメータであるといえる。
本実施形態においては、損失弾性率G''が極大値を示す周波数と、眼内滞留能や除去容易性との相関を探り、望ましいパラメータを選定した。
本実施形態では、レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、眼科手術用組成物における損失弾性率G''が、極大を示す周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満であることが好ましい。さらに、損失弾性率G''が、極大を示す周波数が0.5〜5.0Hzであることが好ましい。
上記のような性質を示す高分子材料、すなわち、組成物としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩、眼科的に受容可能なコンドロイチン硫酸の塩、セルロース誘導体のうちいずれか1つを含む水溶液である。
眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウムを挙げることができる。又、コンドロイチン硫酸の塩としてはコンドロイチン硫酸ナトリウムを挙げることができる。セルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを挙げることができる。
(4. 粘度平均分子量及び濃度)
高分子ゲル(例えば、ヒアルロン酸)は、粘度平均分子量と濃度によって粘性が大きく変化する。例えば、高分子量、高濃度のうち、少なくともいずれか一方を含む高分子ゲルでは、高粘性を持つ傾向がある。このことは、術中に高分子ゲルをシリンジから押し出すことが困難となる不具合がある。又、眼内滞留能に注目した場合、高粘性を持つ高分子ゲルでは、凝集性を示す傾向にあるため、凝集体の一部が吸引され始めると、一つの塊りとして高分子ゲル全体が除去されてしまい、眼内に滞留させることが困難である。
一方、低分子量の高分子ゲル、低濃度の高分子ゲル、或いは低分子量であって低濃度の高分子ゲルでは、低い粘性を持つ傾向にある。この場合、この種の高分子ゲルは前房深度形成能が弱いという不具合がある。又、除去容易性に注目すると、低い粘性を持つ高分子ゲルは、分散性を示す傾向があり、吸引チップの吸引口近くの高分子ゲルを断片的にしか吸い込むことができないため、術後に全ての高分子ゲルを効率良く回収することが困難である。
そこで、本実施形態では、粘度平均分子量と濃度を設定することにより、目的とする機能に近い組成を限定することが可能である。なお、分子量と濃度は目的とする機能を直接限定するわけではなく、二次的なパラメータである。
そして、本実施形態の組成物の粘度平均分子量は、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩、眼科的に受容可能なコンドロイチン硫酸の塩、セルロース誘導体のうちいずれか1つを含む水溶液であって、ヒアルロン酸にあってはその粘度平均分子量が120万〜250万が好ましい。
分子量が120万未満であると、前房深度形成能が低い。又、分子量が250万を超えると、凝集性が高すぎて、除去容易性に欠ける不具合がある。
眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩としては、前述したヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウムがあるが、特に、眼科手術用組成物として使用する場合、硝子体組成や房水の塩組成を考慮すると、ヒアルロン酸ナトリウムが好ましい。
ヒアルロン酸ナトリウムの化学構造は、グルクロン酸ナトリウムとN−アセチルグルコサミンがβ1→3及びβ1→4結合の反復単位をもつ高分子多糖類である。ヒアルロン酸ナトリウムは、哺乳動物の軟骨、関節等の結合組織、眼の硝子体、鶏冠等に存在している。又、ストレプトコッカス属等の微生物が産生するヒアルロン酸ナトリウムを入手することもできる。眼科用製剤として現在臨床的に使用されているヒアルロン酸ナトリウム製剤の分子量の範囲は、超高分子量(約500万)、高分子量(190万〜390万)、中分子量(150万〜210万)、及び低分子量(60万〜120万)の4つに大別されている。本実施形態では、このうち、前述した120万〜250万の粘度平均分子量が好ましい。
又、本実施形態の組成物の濃度は10〜25mg/mLであることが好ましい。さらに、組成物の好ましい濃度は15〜22mg/mLである。
以下には、実施例を説明する。
1. 試験例1
試験例1に使用した材料、レオメータ(動的粘弾性測定装置)、測定方法、及び評価試験法について説明する。
(1.材料)
試験群No.1〜12の組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム溶液(昭和薬品化工調製品)を使用した。ここで、試験群No.1〜3は、粘度平均分子量が155万であり、溶液濃度は、12,16,20mg/mLに調製されたものである。試験群No.4〜6は、粘度平均分子量が170万であり、溶液濃度は、16,18,20mg/mLに調製されたものである。試験群No.7〜9は、粘度平均分子量が193万であり、溶液濃度は、12,16,20mg/mLに調製されたものである。試験群No.10〜12は、粘度平均分子量が215万であり、溶液濃度は、12,16,20mg/mLに調製されたものである。
試験群No.13〜15は、比較例1〜3の材料である。
試験群No.13の組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム溶液(HealonV:(株)ファイザー)を使用し、粘度平均分子量は、光散乱法により測定した結果400万であり、溶液濃度は23mg/mLである。
試験群No.14の組成物は、コンドロイチン硫酸ナトリウム(CS)/ヒアルロン酸ナトリウム溶液(HA)(Viscoat :Alcon Surgical Inc.)を使用した、ここで、CSは、粘度平均分子量が18,500であり、溶液濃度が40mg/mLである。又、HAは、粘度平均分子量が50万以上、溶液濃度が30mg/mLである。
試験群No.15は、粘弾性物質を使用しないで、生理学的塩溶液だけで、評価試験を行ったものである。
Figure 2007145765
(2.レオメータ)
レオストレスRSl(Thermo Haake製)
(3.測定方法)
温度20℃、周波数走査測定0.07〜14.68Hzで、試験群1〜15の貯蔵弾性率G'を測定した。
(4.評価試験法)
摘出後6時間以内の豚眼を、角膜を上にして専用の治具に固定し、3.2mmメスを用いて角膜輪部から前房まで貫通させた。切開創から前記試験群の製剤を注入して前房内を全置換し(使用量は約0.3mL)、前房深度形成能について以下の3段階評価に分類した。切開創から超音波吸引チップ(USチップ)を挿入して、1分間US処理を行った。処理中、USチップはベベルを上向きにし、水晶体上に置いて水平方向に移動させ、約5秒に1回のペースで瞳孔領の直径上を端から端まで往復させた。
その後ただちに、角膜輪部を全周切開して角膜を摘出した。1mLのPBS(−)(マグネシウム・カルシウムを含まないリン酸バッファ)に生細胞染色用蛍光色素であるカルセインAM溶液と死細胞染色用蛍光色素PI(ヨウ化プロピジウム)溶液を,1μLずつ加えて混和した染色液を調製し、この染色液を摘出角膜の内皮面に滴下した。
30分間室温暗所でインキュベートした後、蛍光顕微鏡下で角膜内皮を観察した。このように、前記カルセインAM溶液とPIとの二つの色素を用いることにより、生細胞は黄緑色に、死細胞は赤色に染め分けられる。この場合、B励起フィルター(490±10mm)ユニットでカルセインの緑色蛍光を観察し、又、G励起フィルター(545nm)ユニットでPI(ヨウ化プロピジウム)の赤色蛍光を観察し、角膜内皮保護について以下の3段階評価に分類した。
(5. 前房深度形成能評価)
術中の前房深度形成能評価について、良好を○、やや良好を△、不良を×とした。
(6. 角膜内皮保護評価)
術後のダメージ面積が小を○、中を△、大を×とした。
表2には前房深度形成能評価試験結果を示している。ここで、表2における前房深度形成能評価試験の評価は、前房深度形成能、及び角膜内皮保護の両方とも評価が○のものを、○としている。又、前房深度形成能、及び角膜内皮保護の少なくともいずれか一方の評価が×の場合は、前房深度形成能評価試験の評価として、×としている。又、前房深度形成能、及び角膜内皮保護のいずれもが×ではないが、少なくともいずれか一方が△の場合は、前房深度形成能評価試験の評価として、△としている。
Figure 2007145765
なお、表2の各試験群の貯蔵弾性率G'は、全て周波数0.1Hzにおける値である。
表2に示すように、前房深度形成能を発揮するためには、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'は、少なくとも25Pa以上であることが好ましい。さらに、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'は50Pa以上であることが好ましい。又、角膜内皮保護効果も考慮すると、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'は、50〜200Paが好ましいことが分かる。
2. 試験例2
試験例2に使用した材料、レオメータ(動的粘弾性測定装置)、測定方法、及び評価試験法について説明する。
試験例2における、(1.材料)、及び(2.レオメータ)は試験例1と同じである。
(3.測定方法)
温度20℃、周波数走査測定0.07〜14.68Hzで、試験群1〜15の損失弾性率G''を測定した。
(4.評価方法)
摘出後6時間以内の豚眼を、角膜を上にして専用の治具に固定し、3.2mmメスを用いて角膜輪部から前房まで貫通させた。切開創から前記試験群の製剤を注入して前房内を全置換した(使用量は約0.3mL)。切開創から超音波吸引チップ(USチップ)を挿入して、1分間US処理を行った。処理中、USチップはベベルを上向きにし、水晶体上に置いて水平方向に移動させ、約5秒に1回のペースで瞳孔領の直径上を端から端まで往復させた。
USチップを移動操作させたときの各試験群の眼内滞留能について以下の3段階評価に分類した。
その後、前記と同様に試験群の製剤で前房内を全置換し、前記切開創から灌流吸引チップ(IAチップ)を挿入して、試験群の製剤を吸引処理した。吸引処理における除去容易性について、除去が完成するまでの所要時間によって、以下の3段階評価に分類した。
(5. 眼内滞留能評価)
超音波吸引チップ(USチップ)作業時の試験群の滞留性が良好を○、やや良好を△、不良を×とした。
(6.除去容易性評価)
灌流吸引チップ(IAチップ)作業時の試験群の除去容易性が良好を○、やや良好を△、不良を×とした。
表3には眼内滞留能・除去容易性評価試験結果を示している。ここで、表3における眼内滞留能・除去容易性評価試験の評価は、眼内滞留能、及び除去容易性の両方とも評価が○のものを、○としている。又、眼内滞留能及び除去容易性の少なくともいずれか一方の評価が×の場合は、眼内滞留能・除去容易性評価試験の評価として、×としている。又、眼内滞留能及び除去容易性のいずれもが×ではないが、少なくともいずれか一方が△の場合は、前房深度形成能評価試験の評価として、△としている。
Figure 2007145765
表3に示すように、眼内滞留能及び除去容易性を発揮するため、すなわち、評価○及び△を得るためには、損失弾性率G''の極大周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満であることが確認された。
表2と表3で示す結果を総合した結果を表4に示す。
ここで、試験例2において行われた、損失弾性率G''の測定の一例を示す。
表5には、試験群No.5(粘度平均分子量:170万、溶液濃度:18mg/mL)'を、レオメータにより、温度20℃下で、周波数走査測定した損失弾性率G''の数値を示している。図1は、その数値をプロットしたグラフである。同図において、横軸(対数軸)は周波数であり、縦軸は、損失弾性率G''である。同図に示すように、試験群No.5では、損失弾性率G''の極大周波数は、2.2Hzであることが確認された。
Figure 2007145765
ここで、表4における総合評価は、表2評価、及び表3評価の両方とも○のものを、○としている。又、表2評価及び表3評価の少なくともいずれか一方の評価が×の場合は、総合評価として、×としている。又、表2評価及び表3評価のいずれもが×ではないが、少なくともいずれか一方が△の場合は、総合評価として、△としている。
表4に示す総合評価では、適度な前房深度形成能、眼内滞留能及び除去容易性を併せ持ち、かつ、良好な角膜内皮保護効果を発揮する眼科手術用組成物としては、総合評価が○及び△である試験群No.3,5,6,8,9,10である。これらの試験群は、実施例に相当するものであり、貯蔵弾性率G'は少なくとも25Pa以上であり、かつ、損失弾性率G''の極大周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満であることが確認された。
Figure 2007145765
試験群No.5の損失弾性率G''のグラフ

Claims (7)

  1. レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が25Pa以上であり、損失弾性率G''が極大を示す周波数が0.2Hzを超える値であって、10.0Hz未満であることを特徴とする眼科手術用組成物。
  2. 請求項1において、
    ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、眼科的に受容可能なヒアルロン酸の塩、眼科的に受容可能なコンドロイチン硫酸の塩、セルロース誘導体のうちいずれか1つを含む水溶液であって、濃度が10〜25mg/mLであることを特徴とする眼科手術用組成物。
  3. 請求項2において、
    前記濃度が15〜22mg/mLであることを特徴とする眼科手術用組成物。
  4. 請求項2又は請求項3において、
    前記ヒアルロン酸又はヒアルロン酸の塩の粘度平均分子量が120万〜250万であることを特徴とする眼科手術用組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、
    レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が50Pa以上であることを特徴とする眼科手術用組成物。
  6. 請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、
    レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G'が50〜200Paであることを特徴とする眼科手術用組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項において、
    レオメータにより、20℃で測定される動的粘弾性において、損失弾性率G''が極大を示す周波数が0.5〜5.0Hzであることを特徴とする眼科手術用組成物。
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