JP2007144057A - 電気刺激装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前庭刺激の電流を注入する皮膚電極に対し、電流を効果的に前庭感覚に与えるため、耳周辺に取り付けるための電極の構成と配置を工夫することにより、従来例に比較して皮膚刺激を少なくし、従来に比較して皮膚に密着する面積が少なくても、高い前庭感覚に対する刺激効果を得るための身体誘導装置及び皮膚表面電極を提供する。
【解決手段】本発明の電気刺激装置は、前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、頭蓋骨の孔近傍に装着する感覚刺激電極とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微弱な電流を流すことによって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、平衡感覚の受容器である前庭感覚への電気刺激を利用した身体誘導装置が知られている。このような電気刺激による歩行の誘導は次のようなものである。
図21に示すように、装着者1の左耳の後ろに皮膚表面電極44a、右耳の後ろに皮膚表面電極44bを設置し、電気刺激装置の本体90からこれらの電極間に数mA程度の弱い直流を流すと、陽極側に向かって装着者1の前庭感覚に加速度感を生じさせることができる。すなわち、装着者1の主観的な重力の方向が傾き、電流の向きと強さに応じて装着者1の重心が揺らいで左又は右へ体が泳ぐ。皮膚への刺激が無いので装着者1は自分の体が動いた後で気が付く。
このように左右方向への加速度感を生じさせることによって、立位動作の原点である鉛直方向感覚に傾きを生じさせることができ、これによって装着者1の立位姿勢は当人の意図的な応答によらずに陽極側に傾く。この傾きを歩行中に生じさせると、図22に示すように装着者1の歩行方向は陽極側に向かって曲がって行くことになる。すなわち、図22に示すように、装着者1の左耳の後ろに設置した皮膚表面電極44aを陽極、右耳の後ろに設置した皮膚表面電極44bを陰極として電流を流すと、装着者1は陽極側である左方向に向かって曲がって歩いて行き、装着者1の左耳の後ろに設置した皮膚表面電極44aを陰極、右耳の後ろに設置した皮膚表面電極44bを陽極として電流を流すと、装着者1は陽極側である右方向に向かって曲がって歩いて行く。
上記のようにして歩行誘導装置の装着者1の歩行を誘導した事例を図23に示す。図23のグラフは、図22のz軸の方向に向けて直進しているつもりで歩いている人間の腰の位置を歩行軌跡として上方からプロットしたものである。グラフの横軸は図22のz軸方向すなわち前方への移動量、縦軸は図22のx軸方向すなわち左右方向への移動量を表す。電流量は装着者1の左耳の後ろに設置する皮膚表面電極44aを陽極、右耳の後ろに設置する皮膚表面電極44bを陰極とした場合をプラスの値、その逆の場合をマイナスの値で表し、電流量ごとに装着者1の歩行軌跡がプロットされている。各マークは0.5秒毎の位置を表し、電気刺激は横軸0の位置から開始した。
図23によると、電流量がプラス側に大きくなるほど左方向への曲がり方が大きく、電流量がマイナス側に大きくなるほど右方向への曲がり方が大きくなっており、電流量に応じて装着者1の左右の加速度感の強さを制御できることを表している。この現象を利用して、装着者1の歩行を強制的な外力無しに再現性高く誘導することができる。
すなわち、図21のように、両耳の後部の乳様突起部それぞれに、直径3〜5cm程度の皮膚表面電極44a,44bを設置(例えば、貼着)し、すでに述べたように、この皮膚表面電極間に数mAの電流を流すことにより前庭感覚に対して陽極側に向かう加速度を生じさせている。(例えば、特許文献1参照)
特開2004−254790号公報
上述したような従来の身体誘導装置は、皮膚に貼着した皮膚表面電極間に電流を流すため、皮膚電極に印加された電圧値に起因した電気刺激が皮膚に与えられることになる。
したがって、従来の身体誘導装置は、利用者が利用しやすくするため、皮膚表面電極から皮膚へ与えられる痛覚刺激を抑制する必要がある。このため、皮膚表面電極の皮膚に密着する部分の面積あたりの電流密度を下げることが必要となり、電極面積を大きくすることにより電流密度を低下させる構成により、一般的に大面積の皮膚表面電極を刺激電流に用いている。ここで、大面積とは、皮膚に密着する面の面積が、身体誘導を行おうとして電流を流した際、皮膚表面電極の密着した領域において、感覚刺激を受ける電流密度(単位面積当たりの電流量)未満となる面積の値を示している。
しかしながら、従来の身体誘導装置は、上述したように、大面積の電極は目的部位以外への漏れ電流量が多くなり、前庭感覚を刺激するための電流が減少してしまうため、結果的に刺激に用いる電流量を増やさなくてはならず、また電流量を増加させるために、皮膚に対して様々な意図せぬ電気刺激効果をもたらすという弊害がある。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、前庭刺激の電流を注入する皮膚電極に対し、電流を効果的に前庭感覚に与えるため、耳周辺に取り付けるための電極の構成と配置を工夫することにより、従来例に比較して皮膚刺激を少なくし、従来に比較して皮膚に密着する面積が少なくても、高い前庭感覚に対する刺激効果を得るための身体誘導装置及び皮膚表面電極を実現することを目的とする。
本発明の電気刺激装置は、前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、頭蓋骨の孔近傍に装着する感覚刺激電極とを有することを特徴とする電気刺激装置。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道近傍の耳珠を挟み込む形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成されたことを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道近傍の耳介基部及びその近傍に密着する形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成され、耳介に点接触する部分が絶縁体で形成されたことを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極がめがねのつる(モダン)の部分に形成されていることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が耳かけ型ヘッドフォンの耳介基部に密着するつる部に形成されていることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が利用者個々の耳介基部の湾曲に対応する変形自在の材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道近傍の耳朶を挟み込むクリップ形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成されたことを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道内に挿入されるイヤホン型形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成されたことを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、口蓋内に装着する口蓋内感覚刺激電極とを有することを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前記口蓋内感覚刺激電極が上記いずれかに記載の感覚刺激電極の対向電極として設けられていることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、外耳道近傍に装着する感覚刺激電極と、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、口蓋内に装着する口蓋内感覚刺激電極と、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、眼窩近傍に装着する額感覚刺激電極とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、頭蓋骨の孔近傍に装着することができるように、装着者が装着しやすい電極形状が実現され、感覚刺激電流が前庭器官を通る経路以外に流れる漏れ電流を減少させて、前庭感覚を的確に刺激することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、従来に比較してより外耳道近傍を刺激部位とすることで、従来例に比較してより少ない電流にて従来と同等以上の前庭感覚に対して刺激を与えることができ、感覚刺激電流を効率的な電流量に抑制することが可能となり、皮膚刺激を削減することができる。
また、本発明によれば、従来に比較してより外耳道近傍を刺激部位とすることで、従来例に比較してより少ない電流にて従来と同等以上の前庭感覚に対して刺激を与えることができることで、従来に比較してより小さな密着する面積、すなわち小型の電極とすることができ、上記刺激部位をより限定して外耳道近傍に近づけることができ、他に流れる漏れ電流を削減するという相乗効果を得ることができる。
このため、本発明における電極(感覚刺激電極)は、いずれも、従来の耳後乳様突起に対して、より外耳道口に近い、耳珠や耳介部位などに装着する構成としている。
上記した効果は、「前庭器官に対して電気刺激をもたらす電流経路として頭蓋の孔を通る電流路を想定し、漏れ電流等による電流の分散を効率的に避けるため、耳穴(外耳道)により近い刺激部位に電極を装着する」ことで得られる。
この効果が得られる設計指針の基となる技術思想は、後述する「発明を実施するための最良の形態」にて詳細に述べる。
<本発明の基本的概念>
本発明の基本的な技術思想の「前庭器官に対して電気刺激をもたらす電流経路として頭蓋の孔を通る電流路を想定し、漏れ電流等による電流の分散を効率的に避けるため、耳穴(外耳道)により近い刺激部位に電極を装着する」ことの技術的な考察を説明する。
図1に従来研究における電極配置部位を示す概念図を示す。図1(a)は皮膚表面電極を装着した利用者の頭部を前後左右から示す概念図であり、図1(b)は左側面方向から見た(Side View)、電極が配置される電極配置部位を示す概念図であり、図1(c)は頭頂部方向から見た(Top View)、電極が配置される電極配置部位を示す概念図である。ここで、図1(b)において示すように、図の横方向の軸Dに対して、反時計方向に34°の角度を有する線G上に電極配置部位が設けられる。また、図1(c)に示すように、頭部断面を円状として、時計方向にπ/6ずつ角度θを加算した位置に、それぞれ、電極配置部位E0,E1,E2,E3,E4,E5が設けられ、計6箇所の電極配置部位が設定されている。
ここで、各電極配置部位間の距離及び実測した直流抵抗値の表を図2のテーブルに示し、角度θにて直流抵抗値をグループ化したグラフを図3に示す。図2のテーブルにおいて、抵抗Rijは電極配置部位EiとEjとの間の直流抵抗値を示し、距離D01は電極配置部位EiとEjとの間の距離を示している。図3において、横軸はグループの角度θを示し、N=1(1×π/6),N=2(2×π/6),N=3(3×π/6)である。
また、人間の頭蓋骨を絶縁体とし、頭蓋骨の外表面の皮膚を球殻状の抵抗体として、距離と直流抵抗値との関係を、後述する幾何学計算モデルによる理論式の(1),(2)及び(3)式により解くと、図4のグラフに示す対応関係となる。図4は、縦軸が抵抗であり、横軸が角度θ、すなわち予測抵抗値を測定した間隔を示している(角度θが大きくなるほど距離も大きくなる)。
本来、絶縁体表面上における球殻状の抵抗体であれば、図4に示すように、距離が大きくなることにより、抵抗値が増加することになる。
しかしながら、図3に示すグラフによる測定した直流抵抗値は距離の変化に従い、予測抵抗値のように単調に変化しておらず、特に、電極配置部位E0,E2及びE4の各々の電極配置部位間の直流抵抗値、すなわち抵抗値R02,R24及びR40が他の抵抗値に比較して低下していることが明らかに判る。
上述した結果から、図5に示すように、電極配置部位E0,E2及びE4各々の間に球殻状の抵抗体と異なる電流経路、すなわち抵抗R02I,R24I及びR40Iが存在することが推定できる。ここで、この抵抗R02I,R24I及びR40I各々は、眼窩孔と外耳道とを介した頭蓋内の電流経路における抵抗であることが推定できる。
上述した頭蓋骨を貫通する電流経路において、この電流経路を流れる電流が頭蓋内の前庭器官を刺激することにより、前庭刺激の効率を向上させることが可能と考えられる。
これにより、外耳道を貫通して流れる感覚刺激電流の分散(漏れ電流)を最も小さくするために、耳穴から内耳に向かってより近付けた位置を電極配置部位として設定し、電極を設置することが望ましいことが理論的に判明したことになる。
すなわち、頭蓋骨を貫通する電流経路の入力端及び出力端となる、頭蓋骨に開いた孔部(眼窩孔、外耳道など)の近傍に電極配置部位を設定しないと、この孔部に入力される以外に球殻状の抵抗体に拡散する電流が漏れ電流として存在することとなり、効率的に前庭器官に感覚刺激電流を印加することができず、無駄な電流をながすことになる。
従来研究においては、本明細書に記述した解析として、絶縁体を貫通可能である脳波のような高周波成分についてしかなされていない。このため、脳波のような高周波成分を検出する場合、頭蓋骨の孔部の効果については考慮の外にあり、外耳道(耳穴)および眼窩穴を介して、頭蓋内部を貫通する電流経路を含め直流成分に関する解析はなされていない。したがって、直流電流を用いた本発明のような観点に基づく電極の配置の刺激効率に関する知見は報告されていない。実際には、本発明で推定される頭蓋内部の電流経路を通る感覚刺激電流(刺激電流)が、この電流経路にある前庭器官を刺激することにより、前庭電気刺激が成立していると考えられる。
次に、幾何学計算モデル及びこのモデルにおける理論式を示す。図6に人間の頭を球形として、以下の(1),(2)及び(3)式により位置により電極位置間の抵抗値を計算した。
下記(1)〜(3)式において、頭の半径(The radius of head)RをR=0.1[m]、電極の半径(The radius of electrodes)ReをRe=0.015[m]、皮膚の伝導率(The conductivity of human skin)σをσ=0.2[S]、角度θをθ=π/3[rad]、伝導体としての皮膚の平均の厚さ(The equivalent thickness of skin as conductor)TをT=0.003[m]として、各電極間位置間の抵抗値の計算を行った。
Figure 2007144057
Figure 2007144057
Figure 2007144057
<電気刺激装置>
次に、図面を参照し、上述した概念で設定した電極配置部位に装着した電極に対して感覚刺激電流を流す本発明の実施形態について説明する。図7はこの実施形態における電気刺激装置100の構成を示すブロック図である。この電流変化量制御部20は、感覚刺激電流を印加する際、皮膚痛覚刺激を削減するために、従来のようなローパスフィルタによる処理では刺激提示のタイミングが大きく遅れる問題を、周波数を基準とした処理ではなく、単位時間あたりの電流変化量を一定以下に抑える処理によって、皮膚痛覚刺激を生じさせることなく刺激が効果を奏するまでの時間の遅れを小さくするものである。なお、図7に示す電流変化量制御部20の構成は一例であり、この構成に限定されない。
電流変化量制御部20の定数値出力部21は、一定電圧を出力する。ゲイン調整器22は、増幅率を調整する可変抵抗器が設けられ、入力された電圧を増幅率に従って増減して出力する。この電圧は積分器24において積分され電流量を指示する値として用いられるので、ゲイン調整器22から出力され積分器24に入力される電圧は単位時間あたりの電流変化量を指示する値となる。すなわち、ゲイン調整器22の増幅率を調整することにより電流変化量を制御することができる。図8のグラフにおいて刺激入力開始時刻t0における立ち上がり波形の電流変化量が皮膚痛覚を刺激しない最も単位時間あたりの電流量の変化の大きい部分であるので、ゲイン調整器22が出力する電圧がこの電流変化量に対応する値となるように、ゲイン調整器22の増幅率を設定する。この図8において、横軸は時刻であり、縦軸は電流値を示している。
比較器26は、電流指令値出力部10が出力する電圧と積分器24が出力する電圧とを比較し、ハイレベル又はローレベルの電圧を出力する。例えば、積分器24の出力する電圧が電流指令値出力部10の出力する電圧より小さい場合は、比較器26はハイレベルの電圧を出力し、そうでない場合はローレベルの電圧を出力する。スイッチ23は、比較器26からハイレベルの電圧が入力されたときはスイッチ23を閉じてゲイン調整器22の出力電圧を積分器24へ入力させ、ローレベルの電圧が入力されたときはスイッチ23を開いてゲイン調整器22の出力電圧を積分器24へ入力させない。積分器24は、ゲイン調整器22が出力する電圧を積分して出力する。すなわち、積分器24の出力電圧は時間に比例して上昇し、電流指令値に等しい値まで上昇すると、以後、その値を維持する。
ゲイン調整器25は、増幅率を調整する可変抵抗器が設けられ、入力された電圧を増幅率に従って増減して出力する。電流指令値に等しい値に維持された積分器24の出力電圧がゲイン調整器25の増幅率に従って増減された電圧は定常目標電流量を指示する値として定電流発生・制御部40に入力される。すなわち、ゲイン調整器25の増幅率を調整することにより定常目標電流量を制御することができる。
電流変化量制御部20は上記のような構成により、定常目標電流量と単位時間あたりの電流変化量を制御する。また、定電流発生・制御部40は従来と同様に構成され、実際に流れる電流量を測定して、電流変化量制御部20から入力される定常目標電流量と電流変化量を達成するように電流供給を制御する。
上述した電気刺激装置100による電流波形を図8のグラフにおいて破線で示す。この破線は電気刺激装置100により装着者1に、電極を介して入力される電流値を示す。電流変化量制御部20は電流指令値出力部10が電流指令値として出力する電圧をランプ型時間応答追従特性の電圧に変換し、電流指令値に等しい電圧まで上昇させて、以後、その値を維持する。この電圧はゲイン調整器25の増幅率に従って増減して出力され、この電圧に対応する電流が定電流発生・制御部40のユーザ皮膚電極44から装着者1に入力される。
なお、電流指令値出力部10からI0より小さい刺激目標の電流値を指示する電流指令値が出力された場合は装着者1には上記より弱い刺激が与えられ、I0により奏する効果より小さい効果を奏する。すなわち、電気刺激装置100によって前述のような歩行の誘導を行った場合は、小さく歩行を誘導することができる。
従来の電気刺激装置のローパスフィルタによる処理において、皮膚痛覚を刺激しない最も単位時間あたりの電流量の変化の大きい部分は、刺激入力開始時刻t0における立ち上がり波形である。これよりも急激な電流量の変化、すなわち刺激電流の時間波形をグラフに表したときに図8の斜線部分に含まれる場合には、皮膚痛覚を刺激することとなる。したがって、電流値の時間変化量を一定以下にする必要がある。この実施形態においては、ゲイン調整器22を適切に設定することにより、常にこの皮膚痛覚を刺激しない限界値となる最大の変化量で電流を制御することが可能となり、皮膚痛覚を刺激せずに最短時間であるt0からt1までの時間で刺激目標の電流値I0に到達することができる。
次に、電気刺激装置のもう1つの構成例について説明する。図9の電気刺激装置110は、電流指令値出力部10が出力する電流指令値を直接、定電流発生・制御部40に入力する構成とは異なり、破線内の構成が追加されている。これにより、装着者1ごとに適切な定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を電気刺激装置110の外部から設定し、与えたくない皮膚痛覚刺激を低減することができる。
電気刺激装置110は、前述の電流指令値出力部10、電流変化量制御部20、定電流発生・制御部40を含む。ユーザ刺激調整ツマミ27は、電流変化量制御部20においてゲイン調整器22(図7)に設けられた電流変化量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変えるためのツマミと、ゲイン調整器25(図7)に設けられた電流量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変えるためのツマミから構成される。また、図7において定電流発生・制御部40に含まれるユーザ皮膚電極44は、図9においては定電流発生・制御部40には含まずこの外部に設けられている。
電気刺激装置110は、さらに、破線内に調整信号発生器50と稼動・調整切り替えスイッチ60が追加されている。調整信号発生器50は、正又は負の最大の電流指令値を出力する。稼動・調整切り替えスイッチ60はトグルスイッチであり、その共通接点cが接点aに接続されると電流指令値出力部10の出力電圧が電流変化量制御部20に入力され、共通接点cが接点bに接続されると調整信号発生器50の出力電圧が電流変化量制御部20に入力される。
電気刺激装置110の動作は次の通りである。装着者1は、ユーザ皮膚電極44を構成する皮膚表面電極44a及び44bをそれぞれ左耳及び右耳の後ろに設置し、稼動・調整切り替えスイッチ60の共通接点cを接点bに接続する。すると、電流指令値出力部10が出力する正と負の最大の電流指令値に等しい値が調整信号発生器50から電流変化量制御部20に出力される。そして電流変化量制御部20が出力する電圧に対応する電流量が定電流発生・制御部40からユーザ皮膚電極44を通じて装着者1に入力される。なお、調整信号発生器50が出力する最大の電流指令値の正と負の切り替えは、装着者1が手動で切り替える構成としてもよいし、装着者1に入力される電流値が図2のグラフに示す破線のように増加して一定値となるまでの時間間隔、すなわち、t0からt1までの時間よりも長い時間間隔をもうけて、自動で正と負の間を繰り返し切り替える構成としてもよい。
このとき装着者1が皮膚痛覚刺激を感じた場合は、ユーザ刺激調整ツマミ27を操作して、許容できる適切な皮膚痛覚刺激となるように、ゲイン調整器22(図7)に設けられた電流変化量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値、及び、ゲイン調整器25(図7)に設けられた電流量調整に用いられる可変抵抗器の抵抗値を変化させる。これにより、電流変化量制御部20は、電流指令値出力部10から出力された電流指令値を、装着者1ごとに適切な定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量に対応したランプ応答に変換し、定電流発生・制御部40に出力する。装着者1はこのように適切な値に定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を調整した後、稼動・調整切り替えスイッチ60の共通接点cを接点aに接続すると、電流指令値出力部10から出力された電流指令値が電流変化量制御部20に入力される。このようなリファレンス作業により前庭電気刺激等において最適に皮膚痛覚刺激を軽減し、電気刺激が効果を奏するまでの応答の遅れを防止することができる。
上記では、定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を装着者1が手動で設定したが、個人差、環境差にあわせて自動設定してもよい。これは、実際に刺激を与える前にユーザ皮膚電極44の通電抵抗を短時間で測定し、この測定結果に基づいて好ましい定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を推定して自動設定するものである。
上記のように自動設定を行うための構成及びその動作の一例は次の通りであるが、これに限定されない。ここでは、前述の電気刺激装置100の電流変化量制御部20(図1)について次のように構成を追加する。電流変化量制御部20は、通電抵抗測定部、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)をさらに備える。また、ゲイン調整器22及びゲイン調整器25はCPUに接続され、増幅率をCPUから指示された値に設定する。通電抵抗測定部はユーザ皮膚電極44と接続し、CPUから通電抵抗の測定指示が入力されるとユーザ皮膚電極44の通電抵抗を測定し、その測定値をCPUに出力する。
CPUはROMに記憶された制御プログラムに従い、上記のような通電抵抗測定部の制御、及び、ゲイン調整器22、ゲイン調整器25の増幅率の制御を行う。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶する。ROMはCPUの制御プログラム、及び、通電抵抗の値に対して好ましい定常目標電流量及び単位時間あたりの電流変化量を設定するために用いられるテーブルを予め記憶しておく。
上記のテーブルの項目は、通電抵抗の値、ゲイン調整器25に設定する増幅率、ゲイン調整器22に設定する増幅率からなる。まず、基準となる通電抵抗の値及びこれに対応する好ましい単位時間あたりの電流変化量を定める。また、通電抵抗の値を複数用意する。
そして、通電抵抗の値ごとに、基準となる通電抵抗の値に対する比率αを算出し、αのm乗倍の値、及び、αのn乗分の1の値を算出し、それぞれの値をゲイン調整器25に設定する増幅率、ゲイン調整器22に設定する増幅率として、通電抵抗の値に対応づけてテーブルを作成する。ここで、m、nは正の数で1より小さい値とする。また、定数値出力部21が出力する電圧は、上記の基準となる通電抵抗の値に対応する好ましい単位時間あたりの電流変化量に対応する電圧としておく。
上述した電流変化量制御部20のCPUは次のように動作する。まず、通電抵抗測定部に通電抵抗の測定指示を出力し、その測定値を取得してRAMに記憶する。次に、ROMに予め記憶されたテーブルにおいてRAMに記憶した測定値に等しい通電抵抗の値、等しいものが存在しない場合は最も近い通電抵抗の値を特定し、これに対応するαのm乗倍の値、及び、αのn乗分の1の値を取得する。これらの値をそれぞれゲイン調整器25の増幅率、及び、ゲイン調整器22の増幅率として設定する。すると、電流指令値をαのm乗倍した値に対応する電流量が定常目標電流量となり、定数値出力部21が出力する値をαのn乗分の1倍した値に対応する電流量が単位時間あたりの電流変化量となる。
<外耳道近傍に装着する皮膚表面電極>
以下、本発明における頭蓋骨の孔部近傍、外耳道近傍に装着する皮膚表面電極(電極)の構成について説明する。この外耳道近傍に装着する皮膚表面電極を両耳に装着することにより、外耳道、内耳道、前庭器官、他方の内耳道、他方の外耳道が電流経路として、横方向(顔面を正面として)に感覚刺激電流が前庭器官を介して流れるため、左右への加速度感を与えることとなる。すなわち、左右両方の耳に装着することにより、各々が対向電極となり、左右の加速度感を得られ、また、後述するように、口蓋内及び額(眼窩近傍)に装着する電極各々とも対向電極を構成することができる。
A.耳珠挟み型電極
図10に示す、頭部の耳介における耳珠に装着する皮膚表面電極を説明する。
例えば、耳珠挟み型電極は、図11に示すような構成をしており、硬質な絶縁材料等で形成された基部51上部に導電性ゴム層52を形成し、さらにこの導電性ゴム層52上部に導電性ゲル層53が形成されている。すならち、基部51,導電性ゴム層52及び導電性ゲル層53により、耳珠を挟む固定部55A及び55Bが構成されている。
そして、固定部55A及び55Bはバネ機構部56に接続されており、固定部55Aが矢印P1方向に、固定部55Bが矢印P2方向に、すなわち対向面が近づく方向にバネ機構部56により付勢されている。このとき、固定部55A及び固定部55Bは、導電性ゲル層53が対向するよう、バネ機構部56に接続されている。レバー57を互いに近づけるように動作させて、バネ機構部56に付勢された固定部55A及び固定部55Bの対向する間隔を広げ、耳珠を挟み込んで装着する。装着した状態で、ケーブルを介して耳珠に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
上述した耳珠に装着する皮膚表面電極は、電極配置部位の内耳(すなわち外耳道)への距離の近さの点から、頭蓋内部の電流経路に対して効率的に間隔刺激電流を流すことができ、本発明の他の電極構成に比較して最も大きな刺激ゲインを得ることができる。
外耳道に上記固定部を挿入して耳珠を挟む行為に対し、一般的な利用者が慣れずに、装着に抵抗感があると思われるが、バネ機構部53の固定部を付勢する力、すなわち固定部55A及び55Bの挟む圧力を調整することにより、長時間使用しても違和感が無くなり、容易に装着することが可能となる。
皮膚表面電極の特性としては、図21に示す皮膚表面電極44a及び44bの電極配置部位の装着に比較すると、外耳道に近いため、印加した感覚刺激電流が効率的に頭蓋内部の電流経路を流れ、球殻状の抵抗体に拡散する漏れ電流(球殻状の抵抗体に拡散した電流の積分値)が大幅に減少(約1/80;(1)〜(3)式からの推定値)し、電極の密着部の面積が1/16と小さくすることができる。
この耳珠挟み型電極を複数の利用者で確認した結果、従来の図21に示す皮膚表面電極と比較すると、1/16の面積であっても、等価ゲインとして3〜10倍、ほぼ5倍以上の感覚刺激が得られることが判った。
B.耳かけリング型電極
耳かけリング型電極は、耳介が頭部に接続する、図12に示す耳介基部に密着させる構造となっている。
図13に耳かけリング型電極の構造を示す概念図を示す。棒状の絶縁性の基材61に導電性ゴム62を巻き、この導電性ゴム62に導電性ゲル層63を形成する。この基材61は、上述したように絶縁性であり、かつ各利用者の耳介の形状に合わせ、湾曲させるなど可能な変形自在の材料が用いられており、装着時に固定部61A及び61Bを変形させて、耳介に固定する。また、基材61は、変形自在であり、変形させた状態で形状が安定する金属棒に、絶縁性材料を層としてコーティングしたものを用いてもよい。
密着面積を増加させるため、固定部61A及び61Bにも導電性ゲル層を設けることも考えられる。しかしながら、耳介に固定する場合、点接触する可能性がたかく、点接触部分の電流密度が高くなり、皮膚痛覚刺激を受けることとなるため、固定部61A及び61Bは絶縁状態としておくことが必要である。装着した状態で、ケーブルを介して耳介基部に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
上述した構造によれば、基材61を各個人の耳介の形状に合わせて、変形させて耳介基部の皮膚との接触を保つため、装着時の調整に多少の手間がかかるものの、基材61が調整により耳介の形状に対応した湾曲状態となるため、調整後の安定性は非常に高くなる。
また、導電体ゲル層63部分が耳介基部の形状となっているため、皮膚に対する密着性が高く、皮膚との接触面積も大きくなり、耳珠よりも外耳道から若干遠くなるが、感覚刺激に必要な電流量を得ることができる。
また、装着後もほとんど邪魔にならず、押さえによって余分な圧力が加えられたりすることがなく、違和感とともに血行を阻害することもなく、普及用途に適した構造と考えられる。
皮膚表面電極の特性としては、図11の耳珠挟み型電極と同様に、図21に示す皮膚表面電極44a及び44bの電極配置部位の装着に比較すると、外耳道に近いため、印加した感覚刺激電流が効率的に頭蓋内部の電流経路を流れ、球殻状の抵抗体に拡散する漏れ電流(球殻状の抵抗体に拡散した電流の積分値)が減少(約1/6;(1)〜(3)式からの推定値)し、電極の密着部の面積を1/2と小さくすることができる。
この耳珠挟み型電極を複数の利用者で確認した結果、従来の図21に示す皮膚表面電極と比較すると、1/2の面積であっても、等価ゲインとして、ほぼ3倍以上の感覚刺激が得られることが判った。
C.眼鏡耳かけつる部型電極
この眼鏡耳かけつる部型電極は、基本的に、上記Bの耳かけリング型電極を眼鏡のつる部に適用したものである。図14に示すように、耳介基部の接触する眼鏡のつる部に導電性ゴム71を巻き付け、その導電性コム71に導電性ゲル層72を形成する。
また、耳介基部に密着する以外のつる部分は、点接触して皮膚痛覚刺激を与えないように、絶縁性を保つように構成されている必要がある。
この皮膚表面電極の特性としては、上記Bの耳かけリング型電極と同等のため、記載を省略する。
眼鏡自体がパーソナルな個人の所有物であるため、すでに述べた耳かけリング型電極のように基材、すなわち、つるを調整しなくとも、耳介基部に密着するよう変形及び調整がなされているため、実用的な構造と言える。眼鏡を装着した状態で、ケーブルを介して耳介基部に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
D.耳かけヘッドホン型電極
この耳かけヘッドホン型電極は、基本的に、上記Bの耳かけリング型電極をイヤホンを耳介に固定する固定部80の、耳介基部に接触する部分に適用したものである。図15に示すように、耳介基部の接触する固定部80の、耳介基部に接触する領域に導電性ゴム81を巻き付け、その導電性ゴム81に導電性ゲル層82を形成する。
また、耳介基部に密着する以外のつる部分は、B及びCの場合と同様に、点接触して皮膚痛覚刺激を与えないように、絶縁性を保つように構成されている必要がある。
この皮膚表面電極の特性としては、上記Bの耳かけリング型電極と同等のため、記載を省略する。
また、音楽聴取のための既存の装着法を適用させた構造であるため、ユーザの装着に対する抵抗感が少ない。
しかし、一方で、固定部80の調整及び変形にはある程度の自由度の制約を受けるため、固定部80を変形自在の材料で形成する必要がある。
イヤホンを装着した状態で、ケーブルを介して耳介基部に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
E.耳朶挟み型電極
この耳朶挟み型電極は、図11の耳珠挟み電極を耳朶(図10)に適用したものであり、耳珠より外耳道から若干離れる。このため、漏れ電流が増加するため、感覚刺激電流をAの電極に比較してより流す必要があり、固定部55A及び55Bの皮膚に密着する領域の面積は、Aの耳珠挟み型電極に比較して大きくする必要がある。
また、耳朶は人体で最も痛覚を感じる神経が少ないことで知られる部位であるため、電流密度を耳珠に装着する場合に比較して増加することもできる。
耳朶内部がほぼ脂肪質であるため、耳朶自体が容易に変形可能である。この特性を利用して、図11の固定部55A及び55Bの密着する部分の面積を平面的に大きくし、この平らな面で挟み込むことにより、耳朶が平たく伸ばされて安定した接触と接触面積とを確保できる。
耳朶挟み型電極を装着した状態で、ケーブルを介して耳朶に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
この耳朶挟み型電極を複数の利用者で確認した結果、従来の図21に示す皮膚表面電極と比較すると、2/3の面積(挟む両面分)であっても、ほぼ同等の等価ゲインが得られることが判った。、漏れ電流が1/6となるほぼ同等の感覚刺激が得られることが判った。
印加した感覚刺激電流が効率的に頭蓋内部の電流経路を流れ、球殻状の抵抗体に拡散する漏れ電流(球殻状の抵抗体に拡散した電流の積分値)が大幅に減少(約1/6;(1)〜(3)式からの推定値)することが推定される。
<外耳道内部に装着する皮膚表面電極>
F.イヤホン型電極
このイヤホン型電極は、図20に示すように、基本的にインイヤー式のイヤホン形状をしており、絶縁性材料で形成された、所定の厚さの円盤形状の基部150の突出部として形成され、表面が導電性ゲル層160で被われた、先端が球形の突出部150A(すなわち、イヤーパッドでありこの部分を電極として使用)を外耳道内部に挿入して、導電性ゲル層の電極を外耳道内の皮膚に密着させて用いる。ここで、上記基部150は突出部150Aが所定の長さ以上に外耳道に挿入されないようにするストッパの役をしており、B及びCの場合と同様に、耳介部内面における外耳道周辺の皮膚に点接触して皮膚痛覚刺激を与えないように、絶縁性を保つように構成されている必要がある。上記基部150は、外耳道の孔の直径より、大きな直径の円盤状に形成されている。
また、突出部150Aは、基部150の中央部を突出形成したものに対して、導電性ゴムを巻き付け、その外周部に導電性ゲル層160を形成し、外耳道内部にて皮膚との密着性を向上させている。
この図20に示すイヤホン型電を外耳道内に装着した状態で、ケーブルを介してこの外耳道に対して、上記電気刺激装置100から感覚刺激電流を印加する。
この耳朶挟み型電極を複数の利用者で確認した結果、従来の図21に示す皮膚表面電極と比較すると、皮膚に接触する面積が少なくとも、同等以上の等価ゲインが得られることが判った。
印加した感覚刺激電流が、直接外耳道内に流れるため、球殻状の抵抗体に拡散する漏れ電流(球殻状の抵抗体に拡散した電流の積分値)がほぼ無くなり、すでに述べた皮膚電極に比較して、より効率的に頭蓋内部の電流経路を流れることが推定される。
<口腔内に装着する刺激電極>
この口腔内に装着する電極は、従来報告例の無かった上下方向への加速度感を覚創するための、電気刺激を前庭器官に対して与えることができる。
すでに述べたように、前額に電極を設置することにより、前後方向への加速度感を前庭電気刺激によって創出することが出来ることは従来から知られていた。この場合の前庭電気刺激における感覚刺激電流の電流経路は、主に図16のように推定することができる。すなわち、図16に示されるように、前庭器官は、絶縁体である頭蓋骨に埋設された位置に存在している。このため、前庭器官に対して電流を通すことの出来る湿潤組織として、外耳道,内耳道及び耳管の3つの穴だけが存在している。
この頭蓋骨の穴近傍として、すでに述べたA〜Eの電極は、外耳道近傍に設置され、Fの電極は外耳道内部に設置されるものである。これらの電極配置部位は、側方(顔面を正面として左右方向)への加速度を利用者に感じさせる(覚創させる)前庭電気刺激を与える感覚刺激電流を印加することとなる。一方の外耳道近傍に装着した皮膚表面電極Q2(図17)に印加され、外耳道を介して感覚刺激電流が流れ込む場合、侵入した感覚刺激電流は内耳道を抜けて、前庭器官を通過した後、他方の内耳道を介して、他方の外耳道から、他方の外耳道近傍に装着した皮膚表面電極Q3へ抜けていると考えられている(図16における矢印Aから矢印Bの電流経路)。
また、前額の皮膚表面電極においては、前後(顔面に対して垂直方向)方向への加速度の刺激が矢印Bの電流経路を介し、視神経孔を抜けて眼窩から前額に至る経路で前方へ流れることが考えられる。この場合、実際に同時に視神経を刺激して明滅を感じさせることがこの傍証として挙げられる。この前後方向に対する加速度感を与えるため、有効な間隔刺激電流を印加する位置として、本発明の頭蓋骨の孔から電流を流し込むという技術思想に基づいて、眼窩近傍に、例えば左右眼窩の中央に皮膚表面電極の電極配置部位を設けることにより、漏れ電流を少なく、効率的に電気刺激電流を印加することができる。
例えば、図17に示すように眼窩近傍の額に電極配置部位を設定し、この電極配置部位に皮膚表面電極Q1を装着する。この対向電極としては、すでに述べたA〜Eの電極のいずれか、すなわち外耳道近傍に設定された電極配置部位(図17では例として耳珠)に皮膚表面電極Q2及びQ3を装着する。
一方、上述した電極の電極配置部位に対して、口腔内に電極配置部位を設定し、図17に示すように、口腔内電極Q4を口蓋上部に装着した場合、耳管及び頸動脈を介して矢印C方向(図16)に電流経路が形成される。この皮膚表面電極Q2,3と口腔内電極Q4とにより形成される、頭蓋内の前庭器官を経路に含む電流経路による電気刺激電流により、装着した利用者に対して上下方向への加速度感覚を生じさせることになる。
この結果、上下方向の加速度感が得られると言う事実は新しい発見であると同時に、前後(x方向)、左右(y方向)及び上下(z方向)の各方向の前庭刺激が、皮膚表面電極Q1,Q2,Q3及び口腔内電極Q4に対する感覚刺激電流の印加により行えることから、3次元の全方向への前庭電気刺激を可能にする知見が得られた。
・前後の感覚刺激電流の電流経路
外耳道近傍に装着された皮膚表面電極Q2(またはQ3)→外耳道→内耳道→前庭器官→視神経→眼窩→皮膚表面電極Q1(この場合、顔面の正面から見て、左側(皮膚表面電極Q2に対応)と右側(皮膚表面電極Q3に対応)とが別々の電流経路を有することとなる)
・上下の感覚刺激電流の電流経路
外耳道近傍に装着された皮膚表面電極Q2(またはQ3)→外耳道→内耳道→前庭器官→耳管→頸動脈→口蓋上部→口蓋内電極Q4
G.マウスピース型電極
このマウスピース型電極は、図18に示すように、ボクシングを行うマウスピースを基部90として適用したものであり、絶縁性の樹脂またはゴムなど構成されている。歯により固定するため、基部90の上部表面(及び下部表面)に溝92が設けられ、基部90の表面において、溝92の内側に金属や導電性の樹脂などの導電体により電極91が形成されている。この電極91には、ケーブルを介して、電気刺激装置から間隔刺激電流が印加される。電極91は、口蓋上部に密着する面積で形成することができ、電極91と口蓋上部との密着面の電流密度を削減することができるため、痛覚刺激を与えずに感覚刺激電流を印加することができる。
H.スプーン型電極
このスプーン型電極は、図19に示すように、スプーン形状の基部95を用いたものであり、絶縁性の樹脂またはゴムなど構成されている。基部95の上部表面に金属や導電性の樹脂などの導電体により電極96が形成されている。この電極96には、上記マウスピース型電極と同様に、ケーブルを介して、電気刺激装置から間隔刺激電流が印加される。電極96は、マウスピース型電極と同様に、口蓋上部に密着する面積で形成することができ、電極96と口蓋上部との密着面の電流密度を削減することができるため、痛覚刺激を与えずに感覚刺激電流を印加することができる。
また、G及びHの電極以外にも、他の装着方法として、舌上または舌下への装着や、唾液を口内に溜めて、電極を浸すなどの方法も考えられる。しかしながら、G及びHの電極は、これらの他の装着方法に対して、使用時における味覚刺激の影響が少ない利点がある。
なお、図7及び図9における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電気刺激信号の生成処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明は、微弱な電流を流すことによって前庭感覚及び筋肉を含む刺激に反応する器官を刺激する電気刺激方法及び装置に用いられる。
本発明の設計思想を説明するための電極配置部位の位置を示す概念図である。 図1に示す電極配置部位各々の間の抵抗値を測定したテーブルである。 図2のテーブルを電極配置部位の間隔によりグループ分けした、各グループにおける測定の抵抗値を示すグラフである。 幾何学計算モデルによる理論式により計算した電極配置部位の距離と抵抗値との対応を示すグラフである。 頭蓋内部を貫通する電流経路を示す、頭頂部から見た概念図である(電流経路を抵抗で示してある)。 頭部を球形とし、頭蓋骨を絶縁体とし、頭蓋骨の外部表面上の皮膚を球殻状の抵抗体とした幾何学計算モデルを示す概念図である。 本発明の実施形態による電気刺激装置100の構成例を示すブロック図である。 電気刺激装置100による電流波形を示すグラフである 本発明の他の実施形態による電気刺激装置110の構成例を示すブロック図である。 耳珠挟み型電極の電極配置部位を示すための人間の頭部の左側面から見た概念図である。 本発明の実施形態による耳珠挟み型電極の構造の一例を示す概念図である。 耳介基部リング型電極の電極配置部位を示すための人間の頭部の右後方側面から見た概念図である。 本発明の実施形態による耳介基部リング型電極の構造の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態による眼鏡耳かけつる型電極の構造の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態による耳かけヘッドホン型電極の構造の一例を示す概念図である。 間隔刺激電流の経路を説明する頭蓋内の概念図である。 本発明の電極配置部位を説明する、人の顔の正面図である。 本発明の実施形態によるマウスピース型電極の構造の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態によるスプーン型電極の構造の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態によるインイヤー形状のイヤホン型電極の構造の一例を示す概念図である。 従来の電気刺激装置200の装着例を示す図である。 電気刺激装置200による電流の極性と歩行方向の関係を示す図である。 電気刺激装置200を用いた歩行誘導における歩行軌跡を示すグラフである。
符号の説明
10…電流指令値出力部
20…電流変化量制御部
21…定数値出力部
22、25…ゲイン調整器
23…スイッチ
24…積分器
26…比較器
27…ユーザ刺激調整ツマミ
40…定電流発生・制御部
41…電源
42…電流検出器
43…電流調整器
44…ユーザ皮膚電極
44a、44b…皮膚表面電極
45…比較器
51,150…基部
52…導電性ゴム層
53,63,72,82,160…導電性ゲル層
55A,55B,61A,61B,80…固定部
56…バネ機構部
57…レバー
60…稼動・調整切り替えスイッチ
61…基材
62,71,81…導電性ゴム
90…本体
100、110…電気刺激装置
a、b…接点
c…共通接点

Claims (10)

  1. 前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、
    前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、
    前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、頭蓋骨の孔近傍に装着する感覚刺激電極と
    を有することを特徴とする電気刺激装置。
  2. 前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道近傍の耳珠を挟み込む形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
  3. 前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道近傍の耳介基部及びその近傍に密着する形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成され、耳介に点接触する部分が絶縁体で形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
  4. 前記感覚刺激電極がめがねのつる(モダン)の部分に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気刺激装置。
  5. 前記感覚刺激電極が耳かけ型ヘッドフォンの耳介基部に密着するつる部に形成されていることを特徴とする請求項3記載の電気刺激装置。
  6. 前記感覚刺激電極が利用者個々の耳介基部の湾曲に対応する変形自在の材料で構成されていることを特徴とする請求項3記載の電気刺激装置。
  7. 前記感覚刺激電極が頭蓋骨の孔である外耳道内に挿入されるイヤホン型形状であり、皮膚への密着部が伝導性のゲルで形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気刺激装置。
  8. 前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、
    前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、
    前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、口蓋内に装着する口蓋内感覚刺激電極と
    を有することを特徴とする電気刺激装置。
  9. 前記口蓋内感覚刺激電極が請求項1から請求項8のいずれかに記載の感覚刺激電極の対向電極として設けられていることを特徴とする請求項8の電気刺激装置。
  10. 前庭感覚を刺激する感覚刺激電流を生成する電流指令値生成部と、
    前記感覚刺激電流を出力する電気刺激部と、
    前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、外耳道近傍に装着する感覚刺激電極と、
    前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、口蓋内に装着する口蓋内感覚刺激電極と、
    前記感覚刺激電流の電流経路が前庭器官を主に含む領域とする、眼窩近傍に装着する額感覚刺激電極と
    を有することを特徴とする電気刺激装置。
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