JP2007143518A - ベタレインを含有する食品及び化粧品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベタレインを含有することを特徴とする食品。
【選択図】なし
Description
上記配糖体は、ドーパ2分子が組み合わされた形のベタニジンと呼ばれるアグリコンにブドウ糖あるいはブドウ糖鎖が付加されたベタニンを有し、そのベタニンの糖鎖部分に種々の構造物が付加された構造であり、ベタシアニンがこれに該当する。
また、上記アミノ酸付加体は、ドーパ1分子にアミノ酸またはアミンが付加されたものであり、ベタキサンチンがこれに該当する。
酸化は、空気を吸っているために起こる不可避の生体内の現象であり、人間の寿命の制限因子(短縮要因)のひとつとして知られている。
酸化現象は、様々な病気の発症、進展に関与していることが確認されており、(1)インスリン受容体の機能が低下することにより発症する2型糖尿病、(2)脂質が酸化されて脂質過酸化物を生成し、その脂質過酸化物を取り込むことによりマクロファージを傷害し、そのマクロファージが泡沫細胞へと変化して動脈壁に沈着することにより招来する動脈硬化及び血栓症、(3)活性酸素そのものが直接作用して遺伝子を傷つけ、変異させることにより発ガンし、さらに、ガン抑制遺伝子群の正常な発現を阻害することによる腫瘍の形成、増大、(4)アルツハイマーの発症をはじめとする脳神経系の退行性変化を惹起し、退行性疾患に陥らせるなど、簡単に治癒しない病気の発端部分に作用している。
また、2大抗酸化成分であるビタミンC及びビタミンEの以外に抗酸化活性を示す成分として、カロテノイド(α・βカロテン、リコピン、ルテイン)、ポリフェノール(フラボノイドで、エピガロカテキンガレート、アントシアニンなどがある)、ネギ属植物の生産する有機含硫化合物等が明らかにされている。
第一の成績評価として、消去活性物質がある場合に、その消去活性物質と結合して結合物を形成して変色する現象を利用した測定法であるDPPHラジカル法により、抗酸化物質の濃度及び反応速度を測定した結果が報告されている。
この測定法では、サンプルとしてベタレイン、カテキン、ルチン、アスコルビン酸が用いられている。
ラジカル消去活性について比較したところ、図4に示すように、EC50値(DPPHラジカルの吸光度を50%減じるのに要する抗酸化物質の濃度をいう)において、ベタレイン中のベタシアニンが最も強く、ベタキサンチンがそれに次いで強いことが示されており、他のサンプルと比較した場合におけるベタレインの抗酸化力は、カテキンの約2倍、ルチンの約1.5倍、アスコルビン酸の3倍強であり、最も強力であることが報告されている。
また、ラジカル消去反応速度について比較したところ、図5に示すように、ベタレインの反応速度は、高速反応型であるアスコルビン酸を除き、他のフェノール性成分より早く反応し、より強力であることが示されている。
その結果、同一の濃度で比較した場合のラジカル消去能は、アスコルビン酸(6 μM)がマキシマムレベルで20%、ポリフェノールのルチンが約35%であるのに対し、ベタレイン(ゴンフレニン)が70%であることから、ベタレインのラジカル消去活性が最も強力であることが示されている。
その結果、チトクロムCを触媒とした場合において、ベタレインの抗酸化力は、カテキンの約3倍、α−トコフェロールの12倍であることが示されている。
また、メトミオグロビンを触媒とした場合において、ベタレインによりリノール酸過酸化物の生成が抑制されることが示されている。
また、リポキシゲナーゼを触媒とした場合において、ベタレインの抗酸化力は、カテキンの2倍であることが示されている。
これは、健康人から採血して得た血液を用いて、超遠心法によってLDL分画を分離し、これに過酸化水素で賦活化したミオグロビンを加えて得られるLDL過酸化物(LDL−OOH)の生成を、酸素の吸収量により測定する方法であり、この系に、抗酸化物としてベタニンまたはカテキンを添加することにより、抗酸化力を知ることができる。
その結果、ベタニンの抗酸化力は、カテキンより強いことが示されている。
このようなLDLに対する強力な抗酸化力は、以下の実験により明確に示されている。
この実験は、健康な男女10名からEDTA採血し、それらの血漿からLDL画分を精製することにより行われ、そのLDL(0.2mgタンパク/ml)にプロオキシダントとして40μMのCuCl2を添加し、酸化による共役ジエンの上昇がベタレインによって抑えられるか否かについて検討されている。
その結果、採血液にベタレインを0〜100nM/mlになるように加えて約2時間放置した後に、その血液の中からLDLを取り出してベタレインの吸着量を測定することにより、1mgのLDLに0.5nmolesを最高に、濃度依存的にベタレインが吸着されることが確認されている。
また、このベタレイン強化LDLは、酸化によく抵抗し、Cu2+を加えて上昇する共役ジエンの生成を抑え、lag timeを著明に延長させることが明らかにされている。
さらに、ベタレインは、LDL酸化途上で、LDL画分中のα−トコフェロールやβ−カロテンの消費量を低下させることが示されている。
また、ベタレインの色素成分以外の効果に着目した技術として、カプサイシン類配糖体の製造方法(例えば、特許文献9参照)や、皮膚外用剤(例えば、特許文献10参照)について開示されているが、ベタレインの抗酸化力に着目した技術は発見されなかった。
そのため、綺麗な色を付与することができる色素成分と、人間の老化を防止することができる抗酸化力とを併せ持つベタレインの有効利用が望まれている。
また、酸化現象により引き起こされる(1)インスリン受容体の機能が低下することにより発症する2型糖尿病、(2)脂質が酸化されて脂質過酸化物を生成し、その脂質過酸化物を取り込むことによりマクロファージを傷害し、そのマクロファージが泡沫細胞へと変化して動脈壁に沈着することにより招来する動脈硬化及び血栓症、(3)活性酸素そのものが直接作用して遺伝子を傷つけ、変異させることにより発ガンし、さらに、ガン抑制遺伝子群の正常な発現を阻害することによる腫瘍の形成、増大、(4)アルツハイマーの発症をはじめとする脳神経系の退行性変化を惹起し、退行性疾患に陥らせるなどの発症、進展を抑えることができる。
したがって、強力な抗酸化力を有したベタレインを摂取することにより、老化を防止することができ、かつ簡単に治癒することが難しい様々な病気の発症、進展を抑えることができる。
さらに、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく食品に綺麗な着色を施すことができる。
したがって、着色に関するコストを嵩ませることなく、食品を綺麗な色に着色して消費者の購買意欲を高めることができる。
また、天然着色料であることから、大きな発色効果にも関わらず人体には無害である。
したがって、ベタレインによる抗酸化作用だけでなく、サボテンに豊富に含まれる溶解性食物繊維質により整腸作用及び肥満防止作用の効能を得ることができる。
また、プリックリィペアカクタスに含まれているペクチンには、ペクチンを含む他の植物の250倍以上の糖尿病患者へのインスリン投入量減少効果が確認されていることから、糖尿病患者へのインスリン注入量を削減することができる。
また、天然植物であるサボテンの果実から抽出された果汁を製造して食品に配合することにより、添加物、防腐剤及び着色料を使用せず食品に適用できるため、強力な抗酸化力を有するベタレインを安全に摂取することができる。
さらに、プリックリィペアカクタスは、濃い暗赤色で、甘味と酸味とが爽やかな涼感を与えることから、抗酸化力を備えた食品における視覚効果及び風味の向上を図ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、果実液には綺麗な着色が施されているため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができる果実液を得ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく添加剤に綺麗な着色を施すことができるため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができる添加剤を得ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく粉末に綺麗な着色を施すことができるため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができる粉末を得ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく飲料に綺麗な着色を施すことができるため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができる飲料を得ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく調味料に綺麗な着色を施すことができるため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができる調味料を得ることができる。
また、ベタレインは、抗酸化力だけでなく、色素成分としての性質を併せ持つことから、着色料を加えることなく食品に綺麗な着色を施すことができるため、着色に関するコストをかけずに綺麗な色を着色し、消費者の購買意欲を高めることができるアルコール飲料を得ることができる。
特に、Opuntia engelmanniiの果実であるプリックリィペアカクタスから抽出された果実液にあっては、天然植物であることから生体親和性が高く、豊富なビタミン、ミネラルを含んでいるので、肌に良い化粧品を得ることができる。
本実施例におけるプリックリィペアカクタスとは、ウチワサボテン属の一つであるOpuntia engelmanniiの果実であり、Opuntia engelmanniiが、バター色の花びらを散らせた後に熟させる濃赤色の果実である。
ベタレインの供給源となる植物は、ヒユ科のハゲイトウ、アカザ科のベニアカザ、オシロイバナ科のブゲンビリアをはじめとするナデシコ目の一目に限られており、さらに食用となるものは、アカザ科のレッドビート(赤カブ)とサボテン科のプリックリィペアカクタスのみである。
レッドビートはアク(土臭み)が強く、色素の供給源としての利用が望ましいのに対し、プリックリィペアカクタスは、匂いが弱い紫蘇香で、甘味と酸味とが爽やかな涼感を与えることから、食用として利用するのに最も適していると考えられる。
まず、プリックリィペアカクタス(以下、カクタスと言う)の果肉を人に投与し、その果肉の人への投与が酸化ストレスを減少させるか否かを検討した実験結果を示す。
この実験は、同一の人に、カクタスを投与した後に、空白期間を置いてから、ビタミンCを投与することにより、カクタスとビタミンCにおける抗酸化能を比較することにより行う。
まず、第1クールとして、健康人18名に250gのカクタス果肉を毎日2回、2週間にわたって食べてもらった。この最初と最後には採血を行った。
その後、6週間の空白期間を置いたところで、第2クールとして、第1クールと同じ18名にビタミンC、75mgを同様に1日2回、2週間摂ってもらった。第1クールと同様に、この最初と最後には採血を行った。
カクタス果肉は、100gあたり、ベタレインを 15mg(ベタニン1.2mg、ベタキサンチン9.3mg)、ビタミンC約30mg、α−トコフェロール80mg、β−カロテン 1.5μgなどを含み、ポリフェノールは検出限界以下である。
この組成から分かるように、第2クールにおけるビタミンCの1回投与量75mgは、第1クールのカクタス果肉250g中の量に等しい。
したがって、この第2クールは、カクタス食の効果がビタミンCによるか否かを確認するために設けられたものである。
上記方法により得た実験データについて比較検討した結果、血中の抗酸化成分、ビタミンC、Eおよび脂質標準化ビタミンE(ビタミンE/コレステロール)の何れもが投与後に高くなったが、カクタス投与とビタミンC投与との間にはほとんど差異がなかった。これは、酸化によって消費される成分はビタミンCによって守られ、それらの減少が食い止められることを意味している。
一方、生体内酸化のパラメーターは、一様にカクタス投与によってのみ有意な減少を示した。過酸化脂質に由来するマロンジアルデヒド(MDA)は、ビタミンC投与では減少しなかったが、カクタス投与では1/4まで減少した。生体の酸化障害の良い指標のひとつ8−iso−PGF2aが非投与時45ng/L、ビタミンC投与群41ng/Lであったものがカクタス投与群は31ng/Lへと約30%も減少したのは注目に値する。また、酸化型のグルタチオンGSSGとLDL−過酸化物の有意な減少も、カクタス投与群にのみ認められた。
この実験は、健康人8人に500gのカクタス果肉(ベタレインを45mg含有しており、その内訳はベタニン20 mg、ベタキサンチン25mg)を食べさせ、その他は水摂取のみを許すことにより行った。
上記の方法により、経時的に採血してベタレインを測定したところ、食後3時間で出現し、その後漸減した。また、検出されたベタレイン成分は、ほとんどがベタキサンチンであった。
なお、上記とは別の実験において、血液にベタニンとベタキサンチンを添加して、赤血球への取り込みをみたところ、ベタニンがやや多めに(添加量の約10%)吸着した結果を得ている。
したがって、カクタス食は3時間以降、クメンの過酸化物によって惹起される溶血を顕著に延長させ、5時間までは有意に、8時間後も延長の傾向を示した。なお、血液に添加した場合も、ベタレイン5nmol/ml血液、という低濃度で有意に溶血抵抗性を増大させ、10、25nmol/mlへと濃度を上げると、それに比例して溶血抵抗性が増大した。
これは、ビタミンEの水溶性類似物質6−hydroxy−2,5,7,8,−tetramethyl chroman−2−carboxylic acid (Trolox、トロロクス)を抗酸化の標準物質として用い、2,2’azinobis (3−ethylbenzothiazoline−6−sulfonic acid)(ABTS)由来のカチオンラジカルの消去能を測定する系によって、1gのカクタス果肉が約5μmolesのトロロクスに相当する力価を示すことが明らかにされている。この抗酸化力は、少なくともビタミンE7mgに匹敵する。
以下、ベタレインの抗酸化力に関する共通の知見について述べる。
(1)ベタレインは、陽性荷電体であり、このことが脂質の極性部位への結合に関与している。たとえば、Apo B−100の極性部分がそれである。
(2)還元電位が611mVであり、脂質過酸化ラジカルを還元することは可能とみられる。しかし、480mVのトコフェロキシラジカルの還元はできそうもない。
(3)ベタニンのグリコシル化されたカテコール環が水環境下でLDLに密着させる役割を担っていることが予想される。
(4)第1番目に挙げた内容に近似するが、そもそもベタレインは、環状アミン構造をとり、強力な還元剤であるエトキシキン(ethoxyquine)に似ている。
(5)ベタニンの単一のフェノール性OH基は水素供与体となる。また、その酸化物はよい電子供与体となる。
まず、原料となるあらかじめ棘を取り除かれたカクタスの果実の色調、成熟度等をチェックして受入れ検査を行い、カクタスの果実を受入れる。
次いで、受入れたカクタスの果実を選別する。
次いで、選別したカクタスの果実を洗浄した後、カクタスの果実の芯を除去する。
次いで、芯を除去したカクタスの果実をすり潰してピューレとした後、これを約0.51mmの網目のスクリーンに通して濾過することによりカクタスの果実液を得る。
次いで、濾過したカクタスの果実液のpHを3.6〜4.0の基準範囲にするため、カクタスの果実液にリンゴ酸を添加し、リンゴ酸を添加したカクタスの果実液をタンクに貯蔵する。
次いで、タンクに貯蔵したカクタスの果実液を88℃を維持した状態のまま30秒間加熱して滅菌する。
次いで、滅菌したカクタスの果実液を冷却装置を使用して26℃まで冷却する。
次いで、冷却したカクタスの果実液を滅菌室で直ちにタンクから円筒容器に充填する。
次いで、カクタスの果実液を充填した円筒容器に瞬間冷却装置(blast frozen post)を注入し、円筒容器に充填したカクタスの果実液を瞬間冷却装置により瞬間冷却する。
次いで、カクタスの果実液を充填した円筒容器を保管冷蔵庫に細菌培養期間として7日間保管した後、円筒容器内のカクタスの果実液の品質をサンプリングによりチェックし、カクタスの果実液の品質管理(Quality Control;QC)の承認を受ける。
その後、カクタスの果実液の品質管理の承認を受けて合格した後、カクタスの果実液を充填した円筒容器を保管冷蔵庫から船積みしてユーザーに出荷する。
上記製造方法により得られた果実液は、ベタレイン色素による濃い暗赤色の粘ちょう性のある無臭の液体であり、舌の上に載せると、ほのかな紫蘇香と甘味、弱い酸味などが感じられ、美味である。
カクタスの果実液を粉末化する工程は、原料であるカクタスの果実液と水を配合し、更にデキストリンを溶解混合後85℃、15分間殺菌を行い、噴霧乾燥(出口温度:95℃)して、50メッシュ、10000ガウスで篩分をして無臭の白色粉末が得られる。カクタスの果実液とデキストリンの配合比(重量%)は、60:40から10:90である。
上記粉末は、原料として使用性の良いことを目的に、健康食品のサプリメント等に使われる。
実施例1 カクタスゼリー
カクタスの果実液 10.0 重量%
グラニュー糖 20.0
ゲル化剤 1.0
クエン酸 0.4
クエン酸ナトリウム 0.2
Passoa(パッションフルーツリュール) 1.5
メイヤーズ ラム 0.5
水 66.4
(製法)予めフレーバーで付香したカクタスの果実液に上記の各成分を配合し、85℃、15分間後、カクタスゼリーを得る。
カクタスの果実液 13.0 重量%
果糖ブドウ糖液糖(ブリックス75度) 2.0
クエン酸(結晶) 0.3
クエン酸ナトリウム 0.1
ビタミンC 0.03
フレーバー 0.3
精製水 84.27
(製法)カクタスの果実液に上記各成分を配合し、80℃、10分間後カクタスドリンクを得る。
カクタスの果実液 5.0 重量%
グラニュー糖 50.0
水飴 43.2
クエン酸 1.0
Passoa 0.5
メイヤーズ ラム 0.3
(製法)予めフレーバーで付香したカクタスの果実液に上記各種成分を配合し、70℃、20分間後、カクタスキャンディーを得る。
カクタスの果実液 15.0 重量%
イチゴ 50.0
砂糖 25.0
水飴 9.7
クエン酸 0.3
(製法)上記成分を溶解混合し、ブリックスを50度から60度に調整する。
カクタスの果実液 16.0 重量%
水 55.0
(その他)砂糖、ライムジュース、クエン酸及び安息香酸ナトリウムを適量添加する。添加量としては、1〜100%でも良いが、効率的には、15〜20%が好ましい。
カクタスマルガリータ 20ml
ビール 300ml
(製法)冷えたビールグラスに実施例6のカクテルマルガリータを入れてビールを満たす。
カクタスの果実液 5.0 重量%
エタノール 20.0
ピロリドンカルボン酸 8.0
ホホバオイル 0.2
ポリオキシエチレンオレイル
アルコールエタノール 0.3
クエン酸ナトリウム 0.05
メチルパラベン 0.05
スルホ石炭酸ナトリウム 0.01
感光素 0.01
香料 0.01
色剤 0.01
退色防止剤 0.01
イオン交換水 66.35
(製法)カクタスの果実液にイオン交換水、ピロリドンカルボン酸、スルホ石炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、感光素、香料、色剤、及び退色防止剤のエタノール可溶性成分及びホホバオイルをポリオキシエチレンオレイルアルコールエタノールに溶解し、室温下で可溶化してカクタス入り化粧水を得る。
なお、上記食品及び化粧品における果実液にかえて、本実施例で得た粉末を用いることもできる。
まず、カクタスが食物繊維を含んでいることから、繊維性食品による効果が期待される脂質への影響について検討した。
この検討は、図6に示すように、カクタス無添加の高脂肪食(以下、高脂肪食という)と、カクタスを乾燥重量で5%になるように添加した高脂肪食(以下、カクタス食という)を飼料として、ラットをカクタス食群と高脂肪食群に分けて1ヶ月間自由に摂食させることにより行った。
その結果、図7及び図8に示すように、ラットの摂餌量から判断されるカクタス食群の嗜好性は、高脂肪食群に比べて優っていることが、毎日摂餌量と1ヶ月間の総摂餌量の測定値から明らかになった。
また、カクタス食群における嗜好性が、高脂肪食群と比べて向上(摂餌量8.4%増)しているにも関わらず、図9に示すように、両群間の測定体重にはまったく差がなかった。
これは、カクタス添加食餌の摂餌量を増やす要因として、嗜好性に加えて、摂取エネルギーを増やさなければならない他の何らかの要因が考えられることを示している。
この検討は、ラットにミールフィールディング訓練をして、短時間内に摂食を終了するように学習させた後に、カーミンによって染色した飼料を30分間与え、染色内容物の排便までに要する時間を測定することにより行った。
その結果、図10に示すように、高脂肪食群の消化管内停滞時間は、平均14.5時間であったのに対して、カクタス食群のそれは12.5時間であり、2時間(14%)早く排便にいたることが認められた。
これは、栄養素の消化吸収に関わる小腸内の通過時間が短縮されているものと推察され、このことが摂食量の増大に関係している可能性を示している。
なお、カクタス食による軟便化はみられなかった。
この検討は、カクタス食及び高脂肪食をラットに与えて飼育し、32日目に頚静脈から採血して血清脂質濃度を測定することにより行った。
その結果、図11に示すように、カクタス食群のトリグリセリドは統計学的に有意に低下し、コレステロールは低下を示した。
この現象は、上述した摂餌量8.4%増と消化管内停滞時間14%減という結果を考慮した場合、脂質レベルの低下が脂質吸収量の減少に起因していることが考えられるが、体重が減少しなかったため即断できない。なお、カクタス食により脂質の吸収が抑制されると仮定した場合、その抑制がカクタス中の繊維によるものか、他の未同定の成分によるものかが問題となるが、現在のところ作用成分は不明である。
また、カクタスにおける脂質燃焼の促進やコレステロールの胆汁酸への変換の促進についての報告がされている。
この報告では、カクタスからペクチンを単離し、そのペクチンをモルモットへ投与する実験が行われ、15%ラード食に2.5%カクタスペクチンを添加した飼料で3週間飼育した結果、血漿総コレステロールの低下が示されている。
以下、カクタスの脂質低下作用について、図12を用いて説明する。
ペクチンは、消化器官内において消化されないだけでなく、消化器官による脂肪及び脂肪酸の吸収を抑制する成分である。吸収を抑制された脂質は、栄養素の吸収を行わない大腸へ、さらには肛門へと移動する。
このように、脂肪の吸収が妨害された場合には、生体内において脂肪の吸収を良くするために、LDLレセプター及びアポB/Eが増加する(アップレギュレーション)。
LDLレセプターは、肝臓や筋肉の細胞膜上に並べられた、いわゆる脂肪の吸収係員である。一方、アポB/Eは、血中のカイロミクロンを細胞膜に誘導する誘導係員である。
カイロミクロンには、脂肪、脂肪酸、胆汁酸、コレステロールが含まれており、上記のように、LDLレセプター及びアポB/Eが増加することにより、カイロミクロンに含まれる脂肪及び脂肪酸のみが吸収細胞に吸収され、脂肪及び脂肪酸が除去されたカイロミクロン(カイロミクロンレムナント)が形成される。この作用をLDLの異化(カイロミクロンのレムナントへの移行促進)という。
したがって、この報告においては、カイロミクロンのレムナントへの移行が促進されることが、結果的に血漿中の脂質低下となって表れたものと考えられる。
この検討は、1型糖尿病モデルであるstreptozotocin(STZ)誘導糖尿病モデルラットを作製して、カクタス添加食餌及び無添加食餌(普通食)を1ヶ月間給餌し、一日絶食後に血糖値を測定して両群間の値を比較することにより行った。
普通食を1ヶ月給餌した場合のそれぞれの血糖値は、STZ−糖尿病ラットが320mg/dlであり、正常ラットが90mg/dlであった。カクタス添加食群についても普通食の血糖値と同様であり、1型糖尿病ラットの血糖値を下げる効果は認められなかった。
これは、この実験でのSTZ処理は、ラットすい臓のランゲルハンス島を破壊するものであり、そのことに基づくラットの病態モデルが極端なインスリン分泌低下モデルであったため、この実験においては、インスリン作用物質以外のものによる血糖低下作用は確認することができないものと考えられる。
そこで、1ヶ月飼育後のそれらのラットに対して糖負荷試験を行った。
その結果、図13のように、STZ−糖尿病ラットの糖負荷後の血糖値の上昇は、カクタス添加食群で明らかに抑制されるとともに、元値に復すまでの時間も短縮されることが確認された。糖尿病患者における食後高血糖の抑制が糖尿病管理上重要な課題であることから、カクタス摂取が貢献できる可能性が示唆された。糖尿病の大多数を占める2型糖尿病では、インスリン分泌が正常あるいはそれ以上認められることから、カクタス食の血糖低下効果はより大きなものになることが期待される。
Claims (12)
- ベタレインを含有することを特徴とする食品。
- 上記ベタレインは、サボテンから抽出されることを特徴とする請求項1記載の食品。
- 上記サボテンは、ウチワサボテン属であることを特徴とする請求項2記載の食品。
- 上記サボテンは、Opuntia engelmanniiであることを特徴とする請求項2記載の食品。
- 上記ベタレインは、上記サボテンの果実であるプリックリィペアカクタス(PricklyPear Cactus)から抽出されることを特徴とする請求項4記載の食品
- 上記食品は、果実液であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- 上記食品が添加剤であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- 上記食品が粉末であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- 上記食品が飲料であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- 上記食品が調味料であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- 上記食品がアルコール飲料であることを特徴とする請求項1〜5記載の食品。
- ベタレインを含有することを特徴とする化粧品。
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JP2020019722A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 国立大学法人金沢大学 | 神経障害性疼痛の医薬組成物 |
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2005
- 2005-11-30 JP JP2005345154A patent/JP2007143518A/ja active Pending
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