JP2007142974A - 薄形平面アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性誘電体シート上にアンテナと伝送路を設けた薄形平面アンテナを提供する。
【解決手段】本発明による1素子形の薄形平面アンテナは、誘電体基板1と、前記基板1の表面に設けられた頂角が直角に近い2等辺三角形状を有する金属膜よりなるアンテナ先端部2と、前記アンテナ先端部の直角部2に接続された金属膜の給電線路3と、前記基板1の裏面で前記アンテナ先端部2と対面しない位置に形成され前記給電線路3とともにストリップラインを形成するグランドプレーン4と、前記グランドプレーン4と前記給電線路端より形成されるストリップラインの入力/出力端子5とから構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明なプラスチックシート上に構成する薄形平面アンテナ、さらに詳しく言えば車の窓ガラスや建物の窓ガラスなどに貼り付けて使用するのに適した薄形平面アンテナに関する。
マイクロストリップライン、コプレーナーライン、スロットライン技術を用い多種多様な平面アンテナが開発され、実用に供されている。しかしながら、これらを車の窓ガラスや建物の窓ガラスなどに貼り付けて使用しようとするときには解決しなければならない種々の問題がある。先ず従来の平面アンテナについて数例を示し格別に説明する。
図18は非特許文献1に記載されている従来の薄形アンテナの3例を示す略図である。
(パターン1−1:マイクロストリップ アンテナ1)図18に示すマイクロストリップアンテナ1は、誘電体基板の両面にL字形の金属板を図示のように配置しダイポールアンテナを構成したものである。ダイポールの軸と平行な方向の偏波に対して感度を有するが、垂直な方向の偏波に対しては感度を有しない。
(パターン1−2:マイクロストリップ アンテナ2)図18に示すマイクロストリップアンテナ2は、マイクロストリップの先端突出部(図中Twin Lead Section)の軸と平行な方向の偏波に対して感度を有するが、垂直な方向の偏波に対しては感度を有しない。
前述した応用目的から、直行する2偏波に対して同等な受信感度を有するアンテナが望まれる。この点において前記アンテナ1,2には問題がある。
(パターン1−3:マイクロストリップ三角アンテナ)図18に示されているマイクロストリップ三角アンテナは、2つの周波数で動作するアンテナとして開発され、広帯域特性を有する。加えて、図中のx方向偏波及びy方向の偏波に感度を有する。しかし、誘電体基板の厚さが波長に比して著しく薄い場合、輻射強度が低下するため実用的なアンテナを実現できない。入出力給電線路もグランドプレーンと誘電体基板を貫いて同軸線路で構成されている。したがって、このアンテナも、厚さ1mm程度の誘電体基板を使った薄形平面アンテナには適さない。
R. Garg, P. Bhartia, I. Bahl, A. Ittipiboon 「 Microstrip Antenna Design Handbook 」Artech House, 2001.
(パターン2−1:マイクロストリップ給電自己補対型プリントアンテナ)
図19は、非特許文献2に記載されている最近発表された薄形アンテナを示す略図である。一対の同じ形の導体パターンの組み合わせによって構成されたプリントダイポールアンテナで、非常に広い動作周波数帯域(3.1GHz〜10.6GHz)を実現したアンテナである。共振周波数における輻射抵抗が188Ωとなる。一対の同形導体パターンの一方をストリップライン給電線路のグランドプレーンとしても使用している。
なお後述する本発明による薄形平面アンテナにおいても一対の同形導体パターンの一方をストリップライン給電線路のグランドプレーンとしても使用するが全体の配置が全く異なる。この点については後に詳述する。
この自己補対型プリントアンテナでは、グランドプレーンの形が放射専用の導体パターンと同形であることが要求されるので、多素子アレーアンテナを実現するために必要なマイクロストリップ電力合成/分割回路の幾何学的な配置が難しい課題となる。
さらに、輻射抵抗が188Ωと比較的に高いことは、電力合成/分割器をストリップラインで実現しようとした場合、不利な条件となる。
飴谷充隆、山本学、野島俊雄、伊藤精彦「自己補対放射素子を用いたマイクロストリップ給電広帯域プリントダイポールアンテナ」電子情報通信学会論文誌、Vol.J88-B, No.9, pp.1662-1673, 2005年 9月
車の窓ガラスや建物の窓ガラスなどに薄形平面アンテナを貼り付けて使用するのには、誘電体基板に厚さ1mm程度の透明プラスチックシートが好ましく、給電線路にストリップラインを使うことによってアンテナと給電線路を一体化した構造とすることができれば、取り扱いが簡単になる。また地上ディジタルテレビジョン信号を受信する場合、受信点近傍の電波環境によって、入射電波の偏波面は必ずしも一方向に保たれているわけではないので、受信アンテナは直交する2偏波に対して同等な受信感度を持つことが要求される。
前述したマイクロストリップ三角アンテナでは、三角の金属パッチが基板を挟んでグランドプレーン上方に配置されている。この構造を用いて、500MHz〜600MHz用アンテナを構成した場合、実用上有用な輻射強度(受信感度)を得ることはできない。
本発明の第1の目的は、前述した問題を解決できる単素子薄形平面アンテナを提供することにある。
また本発明の第2の目的は前記単素子薄形平面アンテナを合理的に接続した多素子薄形平面アンテナを提供することにある。
前記目的を達成するために本発明による請求項1記載の薄形平面アンテナは、
誘電体基板と、
前記基板の表面に設けられた頂角が直角に近い2等辺三角形状を有する金属膜よりなるアンテナ先端部と、
前記アンテナ先端部の直角部に接続された金属膜の給電線路と、
前記基板の裏面で前記アンテナ先端部と対面しない位置に形成され前記給電線路とともにストリップラインを形成するグランドプレーンと、
前記グランドプレーンと前記給電線路端より形成されるストリップラインの入力/出力端子と、から構成されている。
前記目的を達成するために本発明による請求項2記載の薄形平面アンテナは、
誘電体基板と、
前記基板の表面に平行に設けられた頂角が直角に近い2等辺三角形状を有する金属膜よりなるアンテナ先端部の対と、
前記アンテナ先端部の対の各直角部に接続されY分岐結合線路を形成する金属膜の給電線路と、
前記基板の裏面で前記アンテナ先端部の対と対面しない位置に形成され前記給電線路とともに電力合成分岐ストリップラインを形成するグランドプレーンと、
前記グランドプレーンと前記給電線路端より形成されるストリップラインの入力/出力端子と、
から構成されている。
本発明による請求項3記載の薄形平面アンテナは、請求項1または2記載の薄形平面アンテナにおいて、前記薄形平面アンテナは、全体として略透明であり、前記グランドプレーン側を窓面に対面させて展張して使用されることを特徴としている。
本発明による請求項4記載の薄形平面アンテナは、請求項1または2記載の薄形平面アンテナにおいて、前記アンテナ先端部は2等辺3角形でありその高さをdとするとdは使用波長のλの略1/4程度であり、前記グラントプレーンは矩形である。
すなわち、本発明による薄形平面アンテナでは、グランドプレーンの形状を矩形としたことにより、電力合成/分割器及びインピーダンス整合器からなる給電回路をマイクロストリップ線で容易に実現できる。
本発明による請求項5記載の薄形平面アンテナは、請求項1または2記載の薄形平面アンテナであって、前記アンテナ先端部の前記給電線路との結合部には矩形の接合部材が設けられている。
本発明による請求項6記載の薄形平面アンテナは、請求項1または2記載の薄形平面アンテナであって、前記ストリップラインは、前記入出力端子に接続される装置とアンテナ先端部の放射インピーダンスとのインピーダンス整合を行うインピーダンスを備えるものである。
本発明による請求項7記載の薄形平面アンテナは、請求項2記載の薄形平面アンテナであって、前記アンテナ先端部対の各直角部に接続されY分岐結合線路を形成する金属膜の給電線路は、ウイルキンソン電力合成/分割器と1/4波長インピーダンス変換器を組み合わせて形成されている。
請求項1記載の発明によれば、1素子の可撓性薄形平面アンテナを提供できる。
請求項2記載の発明によれば、2素子のアレイ形の可撓性薄形平面アンテナを提供できる。
請求項3記載の発明によれば、全体として略透明な薄形平面アンテナをグランドプレーン側を窓面に対面させて展張して使用することができる。室内または車内に配置可能で他の配線接続が一層容易となる他風雨からも保護される。
請求項4記載の発明によれば、アンテナ先端部もグランドプレーンを極めて簡単な幾何学パターンで実現できる。
請求項5記載の発明によれば、前記アンテナ先端部の前記給電線路との結合部には矩形の接合部材が設けられ、これによりインピーダンスの調整も可能である。
請求項6記載の発明によれば、薄形平面アンテナのストリップラインは、前記入出力端子に接続される装置とアンテナ先端部の放射インピーダンスとのインピーダンス整合を行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、アレイ形の薄形平面アンテナの接続構造が提供され、この接続により電力の合成分岐とインピーダンスの調整を同時に実現できる。
ウイルキンソン電力合成/分割器は各ポートでインピーダンス整合条件が保たれるので、ウイルキンソン電力合成/分割器を2段あるいは3段使って、4素子あるいは8素子薄形平面アンテナを容易に実現できる。
以下図面等を参照して本発明による薄形平面アンテナ装置の実施の形態を説明する。
〔薄形1素子平面アンテナの基本構造〕
図1は、本発明による薄形平面アンテナの基本要素である薄形1素子平面アンテナの基本構造を示す平面である。
誘電体基板1として、透明なプラスチックシート(h=1mm程度とする。)を用いる。公知の印刷技術により金属膜を基板の表面に形成することにより、アンテナ先端部2および給電線路3のパターンを基板1の表面に形成する。グランドプレーン4を基板裏面に形成する。図1に示す例ではグランドプレーン4は(a=100mm, b=200mm)となっている。なお特殊な印刷技術でこれらの導体パターンを形成することにより、アンテナは透明に近い状態になっている。
アンテナとストリップライン給電線路パターン(表面)およびグランドプレーン(裏面)を印刷したプラスチックシートを厚さ3mmのガラス板(窓等に対応)上に貼り付けて薄形平面アンテナとして使用する。
ガラス板と基板1であるプラスチックシートでグランドプレーン4を挟むように貼り付ける。グランドプレーン4によってストリップラインの給電線路3がガラス板から分離されストリップラインの給電線路3がガラス板と基板1に鋏込まれる状況を回避し、ガラス板が給電線路の設計・動作に影響を与えない構造としてある。
〔薄形2素子平面アンテナ〕
図2は、本発明による薄形2素子平面アンテナ基本構造を示す平面である。
このアンテナは前記薄形1素子平面アンテナのアンテナ先端部と同一の形状のアンテナ先端部2一対(アンテナ1とアンテナ2)を厚さ1mmの誘電体基板1上に形成し、誘電体基板1の裏面にグランドプレーン4を設け、グランドプレーン4に対応して表面に給電線路3(ライン1〜3)を配置したものである。
〔薄形1素子平面アンテナの設計例〕
次に前述した薄形1素子平面アンテナの設計例を数値例を示してより具体的に説明する。ア)薄形1素子平面アンテナの動作周波数帯域を513MHz〜573MHz、中心周波数543MHzとして設計を行う。
イ)窓ガラス用ガラス板は、厚さ3mm、比誘電率εg /ε0 =5.0と仮定する。
ウ)誘電体基板として、透明プラスチック(PET)シートの使用を仮定する。厚さはh=1mm、比誘電率をεp /ε0 =2.25と仮定する。
エ)アンテナ先端部の導体パターンは、開き角90度の三角形、グランドプレーンパターンはa×b=100mm×200mmの矩形、厚さは共に0.1mmと仮定する。a=b/2=100mmはλ/4に近い値を選択する。
オ)アンテナ先端部の三角形の高さd(図1参照)にλ/4(ガラス板と誘電体基板の存在を考慮に入れた値)に近い初期値d=80cm、給電線路との接合部の矩形パッチの幅WP に初期値WP =4mmを与え、給電線路部の導体パターンが無い形状で数値シミュレーションを繰り返し実行し、共振周波数が543MHzに近い値となるdの値を決める。この数値シミュレーションでは、ガラス板の厚さtg =3.0mm,比誘電率εg /ε0 =5.0, プラスチックシートの厚さh=1.0mm,比誘電率をεp /ε0 =2.25,入力ポート(駆動点)の位置を(x,y)=(0,0)に設定する。後述の実施例では、d=62.14mmとなった。
カ)a=100mm,b=200mm,d=62.14mmの条件のもとで、給電線路との接合部の矩形パッチの幅WP を微調整(トリム)して共振周波数を543MHzに合わせる。後述の実施例では、WP =5mmとなった。そして、共振周波数における輻射インピーダンス(輻射抵抗)の値を数値シミュレーション結果から読み取る。後述の実施例では、輻射抵抗=29Ωとなった。
キ)次に、給電線路を設計する。給電線路は輻射抵抗29Ωをテレビジョン受信機入力インピーダンス75Ωに整合するためのインピーダンス変換器である。ここでは、λg /4(λg :ストリップライン上の波長)インピーダンス変換器を採用する。給電線路の特性インピーダンスはZ0 =(29×75)1/2 =46.64Ωとなる。
ク)誘電体基板の厚さh=1.0mm,比誘電率をεp /ε0 =2.25としてストリップライン信号線の幅を計算するとW=3.70mmとなる。結果は図1に示したパターンとなる。
〔薄形2素子平面アンテナの設計例〕
ア)次に、薄形2素子平面アンテナアレーの設計手順を述べる。アンテナ1およびアンテナ2には、前記の薄形1素子平面アンテナとして開発したアンテナを使用する。
イ)ウイルキンソン電力合成/分割器を設計する。既に述べたように、ライン2(長さL2,幅W2 )の2区間でウイルキンソン電力合成/分割器を構成する。1区間長はL2 =(λg2/4)=100mm(λg2:ライン2上の波長)である。ライン2の特性インピーダンスZ02は、アンテナ輻射抵抗を29Ωとして、Z02=29×21/2 =41.04Ωとなる。この条件のもとで、電力合成/分割器の3つのポートにおいてインピーダンス整合条件が保たれる。
ウ)ライン3(長さL3,幅W3 )は29Ωを75Ωに変換する1/4波長インピーダンス変換器で、長さL3 =(λg3/4)=100mm, 特性インピーダンスZ03=(29×75)1/2 =46.64Ωとなる。
エ)誘電体基板(プラスチックシート)の厚さh=1.0mm,比誘電率をεp /ε0 =2.25としてストリップライン信号線の幅を計算するとW2 =4.46mm(Z20=41.01Ω),W3 =3.70mm(Z03=46.64Ω)となる。
オ)輻射抵抗29Ω、L2 =100mm,W2 =4.46mm, L3 =100mm,W3 =3.70mmの条件のもとで、ライン1の長さと幅(L1 とW1 )を決める。L1 は便宜的にL1 =20mmを採用する。アンテナとライン2間の電磁界分布を介しての干渉を抑えること(L1 →大)とロングライン効果を抑えること(L1 →小)の2つの相反する要求を考慮して、L1 =20mmを採用する。W1 はライン1の特性インピーダンスZ01がZ10=29Ωとなる値、W1 =6.87mmを初期値として使い、W1 値を変えながら、3次元数値シミュレーションを繰り返す。共振周波数が543MHz, 輻射抵抗が29Ωとなる値を見出す。後述の実施例では、W1 =2.20mmとなった。給電線路のアンテナ素子に近接する部分の線幅は、アンテナ素子に容量性あるいは誘導性負荷を付け加える効果を持つので、共振周波数と輻射抵抗に影響を与える。3次元数値シミュレーションを繰り返す過程で、この影響を自動的に取り込んだ上でW1 を決定する。
以上のように設計された各薄形平面アンテナの設計例について、動作特性をそれぞれ説明する。
〔薄形1素子平面アンテナの動作説明〕
薄形1素子平面アンテナの仕様を要約して示すと次のとおりである。
動作周波数帯域:513MHz〜573MHz
動作帯域中心周波数:543MHz
出力端子インピーダンス:75Ω
数値解析に用いた薄形1素子平面アンテナのモデルおよび座標系を図3に示す。
誘電体基板(プラスチックシート)の裏面を上面(紙面)として見た図で、上から、グランドプレーン(厚さ:0.1mm)、プラスチックシート(厚さ:1mm)、アンテナ先端部・給電線路パターン(厚さ:0.1mm)の順で配置されている。
アンテナ先端部と給電線路接合部中央点を通る垂直線がプラスチックシート上面を貫通する点を座標原点にとる。プラスチックシートの上にガラス板(厚さ:3mm)(図3には示されていない。)を配置すれば、薄形1素子平面アンテナの計算用モデルが完成する。テレビジョン信号波は、zの正方向(窓の外)からガラス板を透過してアンテナに入射する。アンテナ動作解析では、給電/出力ポートを励振し、アンテナの電波放射特性を求める。
なお、前記薄形1素子平面アンテナが関連させられるガラス板(ガラスシート)とプラスチックシートの構造は次のとおりである。
ガラスシート
面積:Ag =280mm,Bg =240mm
実際にアンテナを使用する場合には、ガラス板の大きさに制限は無い。
厚さ:tg =3mm
比誘電率:εgr=εg /ε0 =5.0

プラスチックシート
面積:Ap =280mm,Bp =240mm
厚さ:hp =1mm
比誘電率:εpr=εp /ε0 =2.25(ポリエチレン)
金属膜パターンのパラメータを表1に示す。
Figure 2007142974
アンテナ放射指向性を表示するために使う極座標系を図3に示した座標と対応させて図4に示す。
図5に、φ=0°とφ=180°面内(z−x面内)放射指向性パターンを示す。これは、観測点Pがz−x面内でθが0°から360°まで変化した時、放射指向度をθの関数として表したパターンである。
図6に、φ=90°とφ=270°面内(y−z面内)放射指向性パターンを示す。これは、観測点Pがy−z面内でθが0°から360°まで変化した時、放射指向度をθの関数として表したパターンである。
図5と図6から、3次元放射指向性パターンは、大略、図5の形状をx軸の周りに回転したドーナツ形をしているが、z軸の方向(θ=0°とθ=180°)で強く、y軸の方向(θ=90°とθ=270°)でやや弱い。
大雑把に言って、z−x面内ではガラス板に垂直な方向に電磁波を集中して放射しているが、y−z面内では全ての方向にほぼ同じ強度で放射している。z−x面内ではガラス板に垂直な方向に電磁波を集中して放射しているので、ガラス板にほぼ垂直に入射してくるテレビジョン信号波を高い受信感度で受信する。欠点として、室内の物体によって反射された電波の影響を受けることおよびy−z面内では送受信エネルギーが絞られていない。後述する2素子平面アンテナアレー技術によって、y−z面内の指向性を大幅に改善できる。
〔給電/出力ポートにおけるインピーダンス整合の検討〕
図3に示した、給電/出力ポートに内部抵抗75Ωの信号源を接続してアンテナを励振する。アンテナによる反射波(散乱波)を計算し、スミスチャート(インピーダンスチャート)上にプロットする。
結果を図7に示す。図7の曲線は、給電ポートから見たアンテナのインピーダンスを周波数の関数として示した曲線で、インピーダンス軌跡と呼ばれる。計算で使った周波数範囲は271.5MHz(中抜きの丸印)から814.5MHz(塗りつぶしの丸印)である。薄形1素子平面アンテナの入力インピーダンスの位相特性を図8に示す。
図7の曲線(インピーダンス軌跡)は3点でリアクタンスがゼロの軸(抵抗軸)と交差しており、このアンテナは271.5MHz(中抜きの丸印)から814.5MHz(塗りつぶしの丸印)の周波数範囲に3つの共振点を持つことを示す。共振点の周波数は、図8から、339.3MHz, 548.3MHz, 683.3MHzである。これらの内、設計目標値543MHzに近い548.3MHzを共振周波数とするモードで本アンテナを動作させる。給電ポートから見たアンテナ入力インピーダンスは共振周波数においてスミスチャート(基準インピーダンス:75Ω)中心点に極めて近く、ほぼ75Ωが実現されている。アンテナ入力ポートにおけるインピーダンス整合状態を示すSパラメータ(散乱パラメータ)強度(dB表示) の周波数依存性を図9に示す。
図9から、反射波のレベルは周波数帯域500MHzから600MHzにわたって−10dB以下に保たれている。Sパラメータ強度をエネルギーバランスに換算し、その周波数依存性をプロットすると図10となる。
図10は、設計目標動作周波数帯域513MHzから573MHzにわたって、入力された電力の70%以上が、中心周波数548MHzではほぼ100%がアンテナから空間に放射されることを示している。
〔薄形2素子平面アンテナの動作説明〕
前述した薄形2素子平面アンテナの設計例の仕様は次のとおりである。
薄形2素子平面アンテナ
動作周波数帯域:513MHz〜573MHz
動作帯域中心周波数:543MHz
出力端子インピーダンス:75Ω
数値解析に用いた薄形2素子平面アンテナのモデルおよび座標系を図11に示す。
誘電体基板(プラスチックシート)の裏面を上面として見た図で、上から、グランドプレーン(厚さ:0.1mm)、プラスチックシート(厚さ:1mm)、アンテナ先端部・電力合成/分割器・給電線路パターン(厚さ:0.1mm)の順で配置されている。アンテナ先端部側のグランドプレーンのb辺中点を通る垂直線がプラスチックシート上面を貫通する点を座標原点にとる。プラスチックシートの上にガラス板(厚さ:3mm)(図11には示されていない。)を配置すれば、薄形2素子平面アンテナの計算用モデルが完成する。テレビジョン信号波は、zの正方向(窓の外)からガラス板を透過してアンテナに入射する。アンテナ動作解析では、給電/出力ポートを励振し、アンテナからの電波放射特性を求める。
なお、前記薄形2素子平面アンテナが関連させられるガラス板(ガラスシート)とプラスチックシートの構造は次のとおりである。
ガラスシート
面積:Ag =280mm,Bg =460mm
実際にアンテナを使用する場合には、ガラス板の大きさに制限は無い。
厚さ:tg =3mm
比誘電率:εgr=εg /ε0 =5.0
プラスチックシート
面積:Ap =280mm,Bp =460mm
厚さ:hp =1mm
比誘電率:εpr=εp /ε0 =2.25(ポリエチレン)
金属膜パターンのパラメータを表2に示す。
Figure 2007142974
図12に、φ=0°とφ=180°面内(z−x面内)放射指向性パターンを示す。
図13に、φ=90°とφ=270°面内(y−z面内)放射指向性パターンを示す。
図12と図13から、放射電磁界エネルギーはz−xとy−z両面内で+zと−z方向に集中している。3次元放射指向性パターンは、8の字形状をz軸の周りに回転してできる腹の部分がくぼんだ棒状の形となる。図13(2素子アンテナアレー)と図6(1素子アンテナ)を比較して、2素子アンテナアレーを構成したことによって、y−z面内の指向特性が大幅に改善された。その結果、主ローブ強度の最大値は、図5(図6)の1.74から図12(図13)の2.37に増大している。大雑把に言って、ガラス板に垂直な方向に電磁波を集中して放射している。従って、ガラス板にほぼ垂直に入射してくるテレビジョン信号波を高い受信感度で受信する。ただし、室内の物体によって反射された電波の影響を受ける欠点は残る。
〔給電/出力ポートにおけるインピーダンス整合の検討〕
図11に示す給電/出力ポートに内部抵抗75Ωの信号源を接続してアンテナを励振する。アンテナによる反射波(散乱波)を計算し、スミスチャート(インピーダンスチャート)上にプロットする。結果を図14に示す。
図14の曲線は、給電ポートから見たアンテナインピーダンスの周波数軌跡である。計算で使った周波数範囲は271.5MHz(中抜きの丸印)から814.5MHz(塗りつぶしの丸印)である。
薄形2素子平面アンテナアレー入力インピーダンスの位相特性を図15に示す。
図14のインピーダンス軌跡は3点でリアクタンスがゼロの軸(抵抗軸)と交差しており、このアンテナは271.5MHz(中抜きの丸印)から814.5MHz(塗りつぶしの丸印)の周波数範囲に3つの共振点を持つことを示す。共振点の周波数は、図15から、445.1MHz,536.2MHz,585.3MHzである。これらの内、設計目標値453MHzに近い536.2MHzを共振周波数とするモードで本アンテナを動作させる。給電ポートから見たアンテナ入力インピーダンスは共振周波数においてスミスチャート(基準インピーダンス:75Ω)中心点に極めて近く、ほぼ75Ωが実現されている。アンテナ入力ポートにおけるインピーダンス整合状態を示すSパラメータ(散乱パラメータ)強度(dB表示)の周波数依存性を図16に示す。
図16から、反射波のレベルは周波数帯域500MHzから600MHzにわたって−17dB以下に保たれている。Sパラメータ強度をエネルギーバランスに換算し、その周波数依存性をプロットすると図17となる。
図17は、設計目標動作周波数帯域513MHzから573MHzにわたって、入力された電力の90%以上が、中心周波数548MHzではほぼ100%がアンテナから空間に放射されることを示している。
本発明によれば、アンテナは使用周波数帯における最適なアンテナ先端部、給電線路およびグランドプレーンの形状と誘電体基板の関係を正確に決定することができ、この形状は公知の印刷技術により量産できるから、印刷産業の分野で利用できる。とくにアンテナ先端部等の透明度を保つことができる印刷技術をもつ分野での利用が期待される。
本発明による薄形平面アンテナは、自動車の窓や建築物の窓に、その外観を損なうことなく利用できるから、車外や屋外に特別のアンテナや、その種のアンテナの使用の好ましくない状況下で好適に利用できる。
したがって、移動車両や建築物の内外の通信、放送の受信の分野を含む通信放送の分野で利用できる。
本発明による薄形1素子平面アンテナの実施例を示す平面図である。 本発明による薄形2素子平面アンテナの実施例を示す平面図である。 薄形1素子平面アンテナのモデルおよび座標系を示す図である。 アンテナの放射特性を表示するための空間を示す極座標を図3に示した座標とともに示した説明図である。 本発明による薄形1素子平面アンテナのφ=0°とφ=180°面内(z−x面内)放射指向性パターンを示すグラフである。 本発明による薄形1素子平面アンテナのφ=90°とφ=270°面内(y−z面内)放射指向性パターンを示すグラフである。 本発明による薄形1素子平面アンテナの給電ポートから見たアンテナのインピーダンスを周波数の関数として示したグラフである。 本発明による薄形1素子平面アンテナのインピーダンス位相特性を示すグラフである。 本発明による薄形1素子平面アンテナのSパラメータ強度(dB表示)の周波数依存性を示すグラフである。 本発明による薄形1素子平面アンテナの入出力ポートのエネルギーバランスを示すグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナのモデルおよび座標系を示す図である。 本発明による薄形2素子平面アンテナのφ=0°とφ=180°面内(z−x面内)放射指向性パターンを示すグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナのφ=90°とφ=270°面内(y−z面内)の放射指向性パターンを示すグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナの給電ポートから見たアンテナのインピーダンスを周波数の関数として示したグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナのインピーダンス位相特性を示すグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナのSパラメータ強度(dB表示)の周波数依存性を示すグラフである。 本発明による薄形2素子平面アンテナの入出力ポートのエネルギーバランスを示すグラフである。 非特許文献1記載のアンテナの構成を説明するための略図である。 非特許文献2記載のアンテナの構成を説明するための略図である。
符号の説明
1 誘電体基板
2 アンテナ先端部
3 給電線路
4 グランドプレーン
5 給電/出力端子

Claims (7)

  1. 誘電体基板と、
    前記基板の表面に設けられた頂角が直角に近い2等辺三角形状を有する金属膜よりなるアンテナ先端部と、
    前記アンテナ先端部の直角部に接続された金属膜の給電線路と、
    前記基板の裏面で前記アンテナ先端部と対面しない位置に形成され前記給電線路とともにストリップラインを形成するグランドプレーンと、
    前記グランドプレーンと前記給電線路端より形成されるストリップラインの入力/出力端子と、
    から構成した薄形平面アンテナ。
  2. 誘電体基板と、
    前記基板の表面に平行に設けられた頂角が直角に近い2等辺三角形状を有する金属膜よりなるアンテナ先端部の対と、
    前記アンテナ先端部の対の各直角部に接続されY分岐結合線路を形成する金属膜の給電線路と、
    前記基板の裏面で前記アンテナ先端部の対と対面しない位置に形成され前記給電線路とともに電力合成分岐ストリップラインを形成するグランドプレーンと、
    前記グランドプレーンと前記給電線路端より形成されるストリップラインの入力/出力端子と、
    から構成した薄形平面アンテナ。
  3. 前記薄形平面アンテナは、全体として略透明であり、前記グランドプレーン側を窓面に対面させて展張して使用されることを特徴とする請求項1または2記載の薄形平面アンテナ。
  4. 前記アンテナ先端部は2等辺3角形でありその高さをdとするとdは使用波長のλの略1/4程度であり、前記グラントプレーンは矩形である請求項1または2記載の薄形平面アンテナ。
  5. 前記アンテナ先端部の前記給電線路との結合部には矩形の接合部材が設けられている請求項1または2記載の薄形平面アンテナ。
  6. 前記ストリップラインは、前記入出力端子に接続される装置とアンテナ先端部の放射インピーダンスとのインピーダンス整合を行うインピーダンスを備えるものである請求項1または2記載の薄形平面アンテナ。
  7. 前記アンテナ先端部対の各直角部に接続されY分岐結合線路を形成する金属膜の給電線路は、ウイルキンソン電力合成/分割器と1/4波長インピーダンス変換器を組み合わせて形成されている請求項2記載の薄形平面アンテナ。
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