JP2007142357A - 双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法 - Google Patents
双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性が安定した双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有することにより、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少なくなる。また、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有することにより、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少なくなる。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有することにより、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少なくなる。また、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有することにより、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少なくなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高密度メモリやスイッチング素子に利用される双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法に関する。
近年、有機電子材料の進展は目覚しく、特に有機電子材料に印加した電圧を増加していくと、ある電圧を境にして急激に電流が増加するスイッチング現象が観測された。
このいわゆる有機双安定材料は、スイッチング素子や、高密度メモリなどへの適用が盛んに検討されている。
このいわゆる有機双安定材料は、スイッチング素子や、高密度メモリなどへの適用が盛んに検討されている。
図3は有機双安定材料の電圧−電流特性の一例を示す図であり、横軸が電圧を示し、縦軸(対数軸)が電流を示す。
同図に示すように、有機双安定材料においては、高抵抗特性A(OFF状態)と、低抵抗特性B(ON状態)との2つの電流電圧特性を持つものであり、あらかじめ電圧V1のバイアスをかけた状態から、電圧をV2以上にすると、OFF状態からON状態へ遷移し、電圧をV3以下にすると、ON状態からOFF状態へと遷移して抵抗値が変化する、非線形応答特性を有している。
同図に示すように、有機双安定材料においては、高抵抗特性A(OFF状態)と、低抵抗特性B(ON状態)との2つの電流電圧特性を持つものであり、あらかじめ電圧V1のバイアスをかけた状態から、電圧をV2以上にすると、OFF状態からON状態へ遷移し、電圧をV3以下にすると、ON状態からOFF状態へと遷移して抵抗値が変化する、非線形応答特性を有している。
つまり、この有機双安定材料に、V2以上又はV3以下の電圧を印加することにより高抵抗状態と低抵抗状態との変換(切替)が可能であり、いわゆるスイッチング動作を行うことができる。
有機双安定材料への印加電圧は、パルス状の電圧として印加することもできる。このような非線形応答を示す有機双安定材料としては、古くから各種の有機材料が知られている。例えば、R.S.Potember氏等は、Cu−TCNQ(銅−テトラシアノキノジメタン)錯体を用い、電圧に対して、2つの安定な抵抗値を持つスイッチングデバイスを試作している(例えば非特許文献1参照)。
また、熊井氏等は、K−TCNQ(カリウム−テトラシアノキノジメタン)錯体の単結晶を用い、非線形応答によるスイッチング挙動を観測している(例えば非特許文献2参照)。
更に、安達氏等は、真空蒸着法を用いてCu−TCNQ錯体薄膜を形成し、そのスイッチング特性を明らかにして、有機ELマトリックスへの適用可能性の検討を行っている(例えば、非特許文献3参照)。
また、同様の材料を用いたメモリ素子として、Yang Yang氏等は、2-アミノ-4,5-イミダゾール-ジカーボニトリル(AIDCN)、アルミキノリンやポリスチレン、ポリメチルメタクレート(PMMA)等の低導電率材料中に、金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、マグネシウム、インジウム、カルシウム、リチウム等などの高導電率材料を薄膜形成、もしくは分散微粒子として存在させることにより、前記の双安定特性が得られるとともに、印加する電圧をゼロとしてもその前のON/OFF状態を記憶できることを示した。この構成では、それぞれが単一成分からなる薄膜であるため、従来の2成分系である電荷移動錯体と比較して、組成制御性が格段に改善されるとなっている(例えば、特許文献1参照)。
また、川上氏等も薄いAl膜を用いずに、単一成分からなる有機材料のみを用いた有機膜や、微粒子を分散させた有機膜を構成することにより、同様に双安定性を得ている(例えば、特許文献2〜4参照)。
また、加納氏等も上記AIDCN等の有機材料を用いて有機双安定デバイスを実現している(例えば、特許文献5、6参照)。
また、D.Vuillaume氏等もペンタセンの単独膜において、前記の双安定特性が実現している。また、ペンタセンの蒸着条件により、スイッチング特性が変化することも報告している(例えば非特許文献4参照)。
特表2004−513513号公報
特開2004−39817号公報
特開2004−200569号公報
特開2005−123394号公報
特開2004−304179号公報
特開2004−304180号公報
R.S.Potember et al. Appl. Phys. Lett. 34, (1979) p405
熊井他 固体物理 Vol.35,No.1 (2000) p33-40
安達他 応用物理学会予稿集 2002年春 第3分冊 p1236
D.Vuillaume et al. Appl.Phys.Lett.Vol.85,No.23,(2004)P5763
しかしながら、上記のメモリ特性を持つ双安定素子については、それぞれ以下の問題点があった。
TCNQを用いたスイッチングデバイスでは、OFF状態からON状態への遷移電圧が約10Vと高く、また繰り返し性能が充分でないという問題点があった。
Yang氏らが示した高導電率材料のうちアルミニウム薄膜は微粒子の寸法を制御するのが困難であり、大面積に均一に形成することが困難である。
TCNQを用いたスイッチングデバイスでは、OFF状態からON状態への遷移電圧が約10Vと高く、また繰り返し性能が充分でないという問題点があった。
Yang氏らが示した高導電率材料のうちアルミニウム薄膜は微粒子の寸法を制御するのが困難であり、大面積に均一に形成することが困難である。
金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、マグネシウム、インジウム、カルシウム、リチウムなどの金属微粒子は一般に寸法が20nm以上のものしか得られないため、一般に膜厚が100nm以下である双安定有機材料層中に均一に分散させるには困難な点があった。
金属微粒子を双安定有機材料層中に均一に分散させた場合には、金属微粒子と金属電極との距離が一定とはならないため、金属微粒子へ注入される電荷が一定とはならずばらつきが生ずるため、特性にばらつきが生じる原因となる。
金属微粒子を双安定有機材料層中に均一に分散させた場合には、金属微粒子と金属電極との距離が一定とはならないため、金属微粒子へ注入される電荷が一定とはならずばらつきが生ずるため、特性にばらつきが生じる原因となる。
さらに、低導電率材料のうち双安定特性が優れた2−アミノ−4,5−イミダゾール−ジカーボニトリル(AIDCN)、アルミキノリンは真空蒸着で形成されていたが、真空蒸着法は、成膜装置として高価な真空装置が必要であり、かつ、真空引きに長時間を要する事等から、量産時の製造コストダウンに限界があるという問題点があった。
一方、塗布法により有機双安定層を形成する場合は、塗布溶液中に金属微粒子を分散する事により比較的容易に金属微粒子分散層を得ることが可能であるが、溶剤に溶解する双安定材料が限られていることや金属微粒子を分散させた溶液内で金属微粒子の凝集などによる液劣化のおそれがある。また、金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、マグネシウム、インジウム、カルシウム、リチウムなどの金属微粒子は一般に寸法が20nm以上のものしか得られないため、一般に膜厚が100nm以下である有機双安定層中に均一に分散させることが困難であり、やはり特性ばらつきが生じる原因となる。
また、D.Vuillaum氏ら蒸着により作製したペンタセン単一材料で双安定性を実現しているが、前述したように真空蒸着法は、成膜装置として高価な真空装置が必要であり、かつ、真空引きに長時間を要する事等から、量産時の製造コストダウンに限界があるという問題点があった。
また、川上氏らや加納氏は生産性の面から塗布法を提案し、独自の微粒子を分散させるデバイス構成や双安定層を多層構成にするなど、多様な構成を提案しているが、微粒子を双安定層中に均一に分散し、塗布することは実際の作製では非常に困難であり、再現性に問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性が安定した双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法の提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項2記載の発明は、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項3記載の発明は、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて導通状態もしくは絶縁状態に切り替わる有機双安定層を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて導通状態もしくは絶縁状態に切り替わる有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項において、第一電極と、第二電極と、前記第一電極および前記第二電極に挟まれた前記有機双安定層とを有することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、第一電極と、第二電極と、第一電極および第二電極に挟まれ、少なくとも一部が有機微結晶で構成された有機双安定層とを有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項において、前記有機双安定層の少なくとも一部に空隙部分を含んでいることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、有機双安定層の少なくとも一部に空隙部分を含んでいるので、作製が容易で安定した双安定性を示す双安定性デバイスを提供することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項において、前記有機双安定層を構成する有機微結晶が有機半導体からなることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、有機双安定層を構成する有機微結晶が有機半導体からなるので、低抵抗状態の抵抗値/高抵抗状態の抵抗値の比として優れた双安定デバイスを提供することができる。
請求項7記載の発明は、請求項5または6において、前記空隙部分が不活性ガスで充填されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、空隙部分が不活性ガスで充填されているので、保存安定性に優れた双安定性デバイスを提供することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項の双安定デバイスを用いたことを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、請求項1から7のいずれか1項の双安定デバイスを用いたことにより、作製が容易で安定した双安定性を示す双安定メモリ素子を提供することができる。
請求項9記載の発明は、基板上に第1の電極を形成する工程と、前記基板および前記第1の基板上に有機微結晶を分散させた有機微結晶分散液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程と、前記有機双安定層上に第2の電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、有機微結晶を分散させた有機微結晶分散液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程を含むので、安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項10記載の発明は、請求項9において、前記有機微結晶分散液をインクジェット法またはスクリーン印刷法によって塗布することを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、有機微結晶分散液をインクジェット法またはスクリーン印刷法によって塗布するので、より安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項11記載の発明は、請求項9または10において、前記有機双安定層を形成した後、熱処理を施す工程を含むことを特徴とする。
請求項11記載の発明によれば、熱処理を施す工程を含むことにより保存安定性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項12記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項において、前記有機双安定層に高分子樹脂を含有していることを特徴とする。
請求項12記載の発明によれば、有機双安定層に高分子樹脂を含有することにより、安定性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
請求項13記載の発明は、請求項記載12において、高分子樹脂が熱硬化型または光硬化型樹脂であることを特徴とする。
請求項13記載の発明によれば、高分子樹脂が熱硬化型または光硬化型樹脂であることにより生産性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
請求項14記載の発明は、基板上に第1の電極を形成する工程と、第1の有機微結晶を分散させた高分子樹脂溶液を塗布する工程と、高分子樹脂を硬化させることにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する勇気双安定層を形成する工程と、前記有機双安定層上に、第2の電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
請求項14記載の発明によれば、有機微結晶を分散させた高分子樹脂溶液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程を含むので、安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
すなわち、本発明に係る双安定デバイスは、電極間に印加される電圧に対して2種類の安定な抵抗値を持ち、基板上に第1電極層、有機双安定層、第2電極層の順に薄膜として形成され、有機双安定層の少なくとも一部が有機微結晶で構成されていることを特徴とする。
この様態によれば、有機双安定層を有機微結晶集合体で構成することにより、有機双安定層を容易にかつ再現性良く構成することができるとともに、有機微結晶の粒径を制御することで双安定デバイスの特性を調整することも可能となる。
また、本発明に係る双安定デバイスは、有機微結晶からなる有機双安定層の少なくとも一部に空隙部分を含んでいることを特徴とする双安定デバイスである。有機双安定層は第1電極層及び第2電極層間に構成され、有機微結晶から構成されている。これによって、例えば、有機双安定材料が所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態においては、電圧印加時に電荷が有機微結晶界面に蓄積され、そして、この電荷蓄積の結果、界面での電界が上昇し、一定の電界に達すると、電荷注入が急激に起こる(ON状態への転移)ので、安定な双安定特性を実現することができると考えられる。
また、本発明に係る双安定デバイスは、有機微結晶が有機半導体からなることで双安定特性が良好に再現できる。
また、本発明に係る双安定デバイスは、空隙部分に不活性ガスが充填されていることにより、有機材料の劣化(酸化、吸湿等)が抑制され、保存安定性に優れた双安定デバイスとなる。
また、本発明に係る双安定デバイスは、有機双安定層は有機微結晶の分散液を塗布することにより、生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。なかでもインクジェット法、スクリーン印刷法では溶液塗布が再現性良く作製することができる。
また、本発明に係る双安定デバイスは、熱処理工程を行うことにより、分散媒を完全に除去することができ、有機微結晶を安定化するとともに、保存安定性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
上記の双安定デバイスをアレイ状に配置し各種回路で電気制御することで、生産性、信頼性に優れた双安定メモリ素子を提供することができる。
上記の双安定デバイスをアレイ状に配置し各種回路で電気制御することで、生産性、信頼性に優れた双安定メモリ素子を提供することができる。
また、本発明に関わる双安定デバイスは、前記有機双安定層に高分子樹脂を含有していることにより有機微結晶の分散性を制御でき、微結晶の凝集を抑制でき、保存安定性に優れた双安定デバイスとなる。なかでも、高分子樹脂が熱硬化型または光硬化型樹脂であることで、生産性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
本発明によれば、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイス、双安定メモリ素子を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に、本発明に係る有機双安定デバイスの一実施形態の概略構成図を示す。
図1に示すように、この双安定デバイス10は、基板11上に、第1電極層12、有機双安定層13、第2電極層14が順次積層された構成となっており、それぞれの電極12、14から電圧制御ユニット15に接続された構成になっている。
図1に、本発明に係る有機双安定デバイスの一実施形態の概略構成図を示す。
図1に示すように、この双安定デバイス10は、基板11上に、第1電極層12、有機双安定層13、第2電極層14が順次積層された構成となっており、それぞれの電極12、14から電圧制御ユニット15に接続された構成になっている。
この制御ユニット15により双安定デバイス10に電圧バイアスを印加することで、所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態と所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態との変換(切替)を行うことができる。
基板11としては特に限定されないが、従来より公知のシリコンウエハ、ガラス基板、石英基板等を用いるのが好ましい。基板11は、軽量、フレキシブル性、大面積対応性等を考慮した場合には有機高分子フィルムを用いるのが好適である。
基板11上に形成される第1電極層12としては、アルミニウム、金、銀、クロム、銅、ニッケル、鉄、チタンなどの金属材料や、ITO(indium-tin-oxide)、カーボン等の無機材料、導電性有機高分子材料などが適宜選択可能である。
基板11としては特に限定されないが、従来より公知のシリコンウエハ、ガラス基板、石英基板等を用いるのが好ましい。基板11は、軽量、フレキシブル性、大面積対応性等を考慮した場合には有機高分子フィルムを用いるのが好適である。
基板11上に形成される第1電極層12としては、アルミニウム、金、銀、クロム、銅、ニッケル、鉄、チタンなどの金属材料や、ITO(indium-tin-oxide)、カーボン等の無機材料、導電性有機高分子材料などが適宜選択可能である。
第1電極層12の形成方法としては、特に限定されない。真空蒸着法等の従来より公知の方法が好ましく用いられる。有機真空蒸着で第1電極層12を形成する場合、蒸着時の基板11の温度は、使用する電極材料によって適宜選択されるが0℃〜150℃の範囲内が好ましい。基板11の膜厚は50nm〜200nmの範囲内が好ましい。導電性高分子等は印刷やインクジェット法により作製することも可能である。
第1電極層12上には有機微結晶により有機双安定層が形成され、有機双安定層13の膜厚は20nm〜150nmの範囲内が好ましい。
第1電極層12上には有機微結晶により有機双安定層が形成され、有機双安定層13の膜厚は20nm〜150nmの範囲内が好ましい。
一般に有機材料を溶媒に溶解し塗布/乾燥を行ってナノオーダーの厚さの薄膜を形成する場合には、膜内の特性のばらつきが大きくなりやすい。これは溶液が蒸発して乾燥する際に、結晶形やサイズにばらつきが発生するためである。また薄膜は基板表面の影響も受けやすく、基板の均一な洗浄またはコーティングなどの処理が必要となる。
本発明では有機微結晶で有機双安定層13を形成するため、有機微結晶の特性を均一にすることで、再現性良く良好な双安定デバイスとなる。この有機双安定層13に用いる有機双安定材料としては、有機半導体材料が好ましく、前述しているように有機微結晶を使用することから結晶性の良い材料が好ましい。
積層する有機微結晶のサイズや形状を選択することにより、低導電率部分をもつ有機双安定層13が簡便に構成でき、双安定特性のON/OFFの制御電圧を調整することができる。このような有機材料として、ペンタセン系化合物、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、ペリレン化合物、アミノイミダゾール系化合物、ジシアノ系化合物、スチリル系化合物、スチルベン系化合物、キノメタン系化合物、ブタジエン系化合物等の有機化合物や、ポリビニルカルバゾル(PVK)、ポリビニルキシレン等の高分子化合物が挙げられる。
本発明において対象となる微結晶の大きさは、通常、粒径が0.5nm〜300nmの範囲内、好ましくは0.5nm〜100nmの範囲内、さらに1nm〜50nmの範囲内が好ましい。有機双安定層13の厚さは最大でも600nm程度が好ましいため、粒径が大き過ぎると有機双安定層13を均一に作製することが困難となる。また、粒径が小さ過ぎると原子または分子そのものとなってしまう。
有機微結晶の集合体からなる膜は、例えば、有機双安定層13を特定の条件下、真空蒸着で形成することにより得ることもができる。具体的には、比較的成膜速度を10Å/sec以上と速くし、多段階的に製膜することで、微結晶の集合体を得ることができる。
しかし、生産性を考慮した場合の有機双安定層13の形成方法としては、真空装置などを使用しない方法が好ましく、有機微結晶を溶媒に分散させたサスペンションを固体基板上に塗布・乾燥することによって作製する方法が好ましい。この際の塗布方式としてはスピンコーティング法、ディップコーティング法、ウェッテイング・フィルム法、スプレーコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法などを用いることができる。なかでも有機微結晶を分散させた溶液を用いたインクジェット法、スクリーン印刷法が使用する分散媒が少量で良いため生産性に優れ好ましい。 有機微結晶の作製方法としては、有機材料を完全に溶解した溶液を貧溶媒中に拡散させて微結晶を作製する再沈殿法や、溶液を超音波ノズルから真空中または大気中に噴霧して結晶化させる方法などを用いることにより、粒径の均一な有機微結晶を作製することができる。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、これら有機微結晶の表面を化学的あるいは物理的に修飾(処理)しても良い。有機双安定層13の形成時に窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で処理することにより、有機安定層13内の低導電率部分に不活性ガスを充填した有機双安定層13を作製することができ、有機材料の劣化を防止し、保存安定性の良い双安定デバイス10を提供することができる。
上記サスペンション中の有機微結晶の濃度は特に限定されるものでは無いが、質量比で0.001%〜30%の範囲内が好適で、塗布方式および望まれる層構造もしくは微結晶の配列構造および層厚によって適時使い分けることができる。例えば、スピンコーティング法の場合であれば微結晶の濃度や回転速度を変化させることによって微結晶層の層厚を変えることができる。
上記サスペンション中の有機微結晶の濃度は特に限定されるものでは無いが、質量比で0.001%〜30%の範囲内が好適で、塗布方式および望まれる層構造もしくは微結晶の配列構造および層厚によって適時使い分けることができる。例えば、スピンコーティング法の場合であれば微結晶の濃度や回転速度を変化させることによって微結晶層の層厚を変えることができる。
有機微結晶を分散させる分散媒としては、脂肪族炭化水素系のヘキサン、へプタン、デカン、エーテル系のテトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル、芳香族炭化水素系のトルエン、キシレン、脂肪族アルコール系のメチルアルコール、エチルアルコール、水、エステル系の酢酸エチル、酢酸ブチル、ケトン系のアセトン、MEK、その他アセトニトリル、ピリジン、クロロホルムおよびそれらの混合物が用いられる。
また、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、上記サスペンションに界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤、またはポリマー、塗布・乾燥過程でゲル化する材料などのバインダー樹脂を加えて塗布液としてもよい。
また、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、上記サスペンションに界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤、またはポリマー、塗布・乾燥過程でゲル化する材料などのバインダー樹脂を加えて塗布液としてもよい。
また、有機双安定層に含有される高分子樹脂としては成膜性に優れるものであれば如何なるものでも構わないが、保存安定性を考慮した場合、ガラス転移温度が高いものが好ましい。特に好ましくは、ガラス転移温度が150℃以上であり、かつ機械的強度の高いものが好ましい。具体的にはポリイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ環状オレフィン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリスチレンが挙げられる。
有機微結晶の種類/サイズ/製膜条件によっては、微結晶に凝集がおこり膜内の分布が不均一となりやすいが、高分子樹脂を含有させることにより、有機層安定層作成時の微結晶分布の均一性を向上することができ、さらに保存安定性を高めることができる。なかでも熱硬化型または光硬化型樹脂は生産性よく安価に作製することができる。
また、有機双安定層を作製した後に熱処理工程を行うことにより、分散媒を完全に除去することができ、有機微結晶を安定化するとともに、保存安定性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
処理温度は有機材料により異なるが融点/ガラス転移点以下の温度で、1時間〜6時間程度の処理が好ましい。また、融点以下の温度においても微結晶においてはそのサイズ効果により溶解することが知られている。この場合にも微結晶同士が溶解により部分的に密着し、より安定した有機双安定層を形成することが可能となる。有機双安定層13の上には第2電極層14が蒸着等によって形成される。第2電極層14の材質としては、上記の第1電極層12と同様の材質が使用可能であり限定されないが、金、銀、白金、クロム、チタンより選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
第2電極層14の膜厚は50nm〜200nmの範囲内が好ましい。
処理温度は有機材料により異なるが融点/ガラス転移点以下の温度で、1時間〜6時間程度の処理が好ましい。また、融点以下の温度においても微結晶においてはそのサイズ効果により溶解することが知られている。この場合にも微結晶同士が溶解により部分的に密着し、より安定した有機双安定層を形成することが可能となる。有機双安定層13の上には第2電極層14が蒸着等によって形成される。第2電極層14の材質としては、上記の第1電極層12と同様の材質が使用可能であり限定されないが、金、銀、白金、クロム、チタンより選択される少なくとも1種からなることが好ましい。
第2電極層14の膜厚は50nm〜200nmの範囲内が好ましい。
以下、実施例を用いて本発明に係る双安定デバイスについて更に詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
以下の手順で、図1に示すような構成の双安定デバイス10を作製した。
基板11としてガラス基板を用い、第1電極層12としてアルミニウムを用い、有機双安定層13としてフタロシアニン系化合物を用い、第2電極層14としてアルミニウムを用いた。
まず、第一電極12のアルミニウムは抵抗加熱方式により成膜速度を0.3Å/secとし、基板温度を35℃として蒸着を行った。この蒸着に用いた蒸着装置は拡散ポンプ排気で、2×10-6torrの真空度で行った。
基板11としてガラス基板を用い、第1電極層12としてアルミニウムを用い、有機双安定層13としてフタロシアニン系化合物を用い、第2電極層14としてアルミニウムを用いた。
まず、第一電極12のアルミニウムは抵抗加熱方式により成膜速度を0.3Å/secとし、基板温度を35℃として蒸着を行った。この蒸着に用いた蒸着装置は拡散ポンプ排気で、2×10-6torrの真空度で行った。
次いで、フタロシアニン系化合物の3nm〜5nmの微結晶をへプタンに分散させ5%分散液を作製し、インクジェット法により塗布し、100℃/60minの熱処理を行い、有機双安定層13を作製した。
フタロシアニン系化合物としては化1式に示した化合物を用いた。
フタロシアニン系化合物としては化1式に示した化合物を用いた。
次いで、第二電極14は第一電極12と同様の方法で行うことにより双安定デバイス10を作製した。なお、第1電極層12、有機双安定層13、および第2電極層14は、それぞれ、100nm、200nm、100nmの厚さとなるように成膜した。
ペンタセンの10nm〜30nmの微結晶と、分散媒としてエタノールを用い、7%分散液を作製し、スクリーン印刷法により塗布し、窒素雰囲気下で150℃/60minの乾燥を行い、300nmの有機双安定層13を作製した。また、第二電極14の作製時も窒素雰囲気下で行うことで空隙部分に窒素を充填した有機双安定層13を形成した。上記以外は、実施例1と同一の条件で、双安定デバイス10を得た。
〔比較例1〕
化1式に示したフタロシアニン系化合物をクロロホルムに溶解し、スピンコート法にて有機双安定層13を作製した。なお、スピンコート時の回転数は3600rpmとし、塗布後に100℃/60minの熱処理を行った。上記の他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。
化1式に示したフタロシアニン系化合物をクロロホルムに溶解し、スピンコート法にて有機双安定層13を作製した。なお、スピンコート時の回転数は3600rpmとし、塗布後に100℃/60minの熱処理を行った。上記の他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。
〔比較例2〕
化2式に示したカーボニトリル系化合物をエチルアルコールに重量比3%の濃度で溶解させた後、基板10上にスピンコート法で成膜して形成した他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。なお、スピンコート時の回転数は2400rpmとし、塗布後に90℃/60minの熱処理を行った。上記の他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。
化2式に示したカーボニトリル系化合物をエチルアルコールに重量比3%の濃度で溶解させた後、基板10上にスピンコート法で成膜して形成した他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。なお、スピンコート時の回転数は2400rpmとし、塗布後に90℃/60minの熱処理を行った。上記の他は、実施例1と同様にしてスイッチング素子を形成した。
〔特性評価〕(電流−電圧特性の測定)
上記の実施例1、2、及び比較例1、2の各双安定デバイスについて、室温環境において以下の手順で電流−電圧特性の測定を行った。
すなわち、電圧をゼロから、OFF状態からON状態への転移が観測されるV2まであげた後、電圧をV3まで低下させて挙動を測定した。測定条件としては、各スイッチング素子には、1MΩの電気抵抗を直列に接続し、ON状態の電流を制限して過電流による素子の損傷を抑制した。表1には実施例1〜3のV2、V3の測定結果をまとめて示す。
上記の実施例1、2、及び比較例1、2の各双安定デバイスについて、室温環境において以下の手順で電流−電圧特性の測定を行った。
すなわち、電圧をゼロから、OFF状態からON状態への転移が観測されるV2まであげた後、電圧をV3まで低下させて挙動を測定した。測定条件としては、各スイッチング素子には、1MΩの電気抵抗を直列に接続し、ON状態の電流を制限して過電流による素子の損傷を抑制した。表1には実施例1〜3のV2、V3の測定結果をまとめて示す。
表1より明らかなように、実施例1、2においては、低閾値電圧V3として−1.0V〜−1.4Vの値が得られ、高閾値電圧V2として2.4V〜4.8Vの値が得られ、低抵抗/高抵抗比(低抵抗状態の抵抗値/高抵抗状態の抵抗値比)として104以上の値が得られており、双安定特性として良好な結果が得られている。ここで、所定の抵抗値範囲とは上記抵抗値比を満たす抵抗値範囲をいう。
また、比較例においても高抵抗状態と低抵抗状態との変換(切替)が見られるものの、再現性が悪い。また、室温環境下で1ヶ月放置後に同様の測定を行ったところ、低抵抗/高抵抗比に若干の変化が見られたものの良好な双安定特性を示した。特に有機双安定層の空隙部分に不活性ガスを充填した実施例3ではほぼ特性の劣化が見られなかった。しかし、比較例1、2では低抵抗と高抵抗状態の差が見られず双安定特性を示さなかった。
双安定メモリ素子を図2(a)、(b)に示すように、有機双安定デバイスが単純マトリックス状に配置されたメモリセルアレイと、有機双安定デバイスに対して選択的に情報の書き込み/読み出しを行うための電極との各種の回路(図示せず)で構成した。
図2(a)は図1に示した有機双安定デバイスを単純マトリクス状に配置したメモリセルアレイの平面図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線断面図である。
メモリセルアレイ20の各種の回路には第一電極22およびそれを選択的に制御するための駆動回路や、第二電極23およびそれを選択的に制御するための駆動回路や信号検出回路などが含まれる。メモリセルアレイ20は、基板21上に行選択のための第二電極23と、列選択のための第一電極22とが互いに直交するように配列されたものであり、一方向に沿って第一電極22が所定ピッチで配列され、それら第一電極22と直交する方向に第二電極23が所定ピッチで配置されている。この場合、信号電極は上記の逆であってもよい。
第一電極22と第二電極23との交差領域に有機双安定層24を構成することで双安定デバイスをアレイ状に配置したメモリデバイス(メモリセルアレイ20)を構成することができる。ここでは実施例1〜3に示した方法で有機双安定層24を構成することができる。
これらの個々の双安定デバイスに正もしくは負のパルス電圧を印加して書き込み、双安定デバイスをON状態もしくはOFF状態とした後に、書き込みおよび消去のパルス電圧の絶対値よりも小さい定電圧を印加することにより、双安定デバイスがONもしくはOFF状態であるかを判別することができ、メモリ素子として使用することが可能となる。
ポリエチレンテレフタレート基板を用い、第1電極層としてアルミニウムを用い、有機双安定層13としてフタロシアニン系化合物とポリカーボネートを用い、第2電極層14としてアルミニウムを用いた。
実施例1と同様に第一電極12を作製した。
実施例1と同様に第一電極12を作製した。
次いで、フタロシアニン系化合物の3nm〜5nmの微結晶4%、ポリカーボネート7%をシクロペンタノンに分散し、スピンコート法により塗布し、120℃/60分の熱処理を行い、有機双安定材料層を作製した。フタロシアニン系化合物としては化1式の化合物を用いた。
次いで、第二電極14は第一電極12と同様の方法で行うことにより双安定デバイス10を作製した。なお、第1電極層12、有機双安定層13、および第2電極層14は、それぞれ、100nm、100nm、100nmの厚さとなるように成膜した。
ポリエチレンテレフタレート基板を用い、第1電極層としてPEDT/PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物)を、有機双安定層としてフタロシアニン系化合物とポリビニルアルコール、第2電極層としてPEDT/PSSを用いた。
まず、第一電極はPEDT/PSS水溶液を用いてインクジェット法により形成した。
まず、第一電極はPEDT/PSS水溶液を用いてインクジェット法により形成した。
次いで、フタロシアニン系化合物の3〜5nmの微結晶および、ポリビニルアルコールをイソプロパノールに分散させ、微結晶5%、ポリビニルアルコール5%の分散液を作製し、インクジェット法により塗布し、90℃/60分の熱処理を行い有機双安定材料層を作製した。フタロシアニン系化合物としては化1式の化合物を用いた。
次いで、第二電極は第一電極と同様の方法で行い、実施例4の双安定デバイスを作製した。なお、第1電極層、有機双安定材料層、第2電極層は、それぞれ、100nm、300nm、100nmの厚さとなるように構成した。
〔作用効果〕
請求項1により、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項1により、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項2により、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項3により、少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて導通状態もしくは絶縁状態に切り替わる有機双安定層を有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項4により、第一電極と、第二電極と、第一電極および第二電極に挟まれ、少なくとも一部が有機微結晶で構成された有機双安定層とを有するので、特性制御が可能で、安価に作製でき、かつ特性ばらつきが少ない安定した双安定デバイスを提供することができる。
請求項5により、有機双安定層の少なくとも一部に空隙部分を含んでいるので、作製が容易で安定した双安定性を示す双安定性デバイスを提供することができる。
請求項6により、有機双安定層を構成する有機微結晶が有機半導体からなるので、低抵抗状態/高抵抗状態の比として優れた双安定デバイスを提供することができる。
請求項7により、空隙部分が不活性ガスで充填されているので、保存安定性に優れた双安定性デバイスを提供することができる。
請求項8により、請求項1から7のいずれか1項の双安定デバイスを用いたことにより、作製が容易で安定した双安定性を示す双安定メモリ素子を提供することができる。
請求項9により、有機微結晶を分散させた有機微結晶分散液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程を含むので、安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項10により、有機微結晶分散液をインクジェット法またはスクリーン印刷法によって塗布するので、より安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項11により、熱処理を施す工程を含むことにより保存安定性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
請求項12により、有機双安定層に高分子樹脂を含有してあり、安定性に優れた双安定デバイスを提供することができる。
請求項13により、生産性に優れた双安定デバイスを得ることができる。
請求項14により、有機微結晶を分散させ、かつ高分子樹脂を混合した有機微結晶分散液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程を含むので、安価で生産性に優れた双安定デバイスの作製方法を提供することができる。
10 双安定デバイス
11 基板
12 第1電極層
13 有機双安定層
14 第2電極層
15 制御ユニット
11 基板
12 第1電極層
13 有機双安定層
14 第2電極層
15 制御ユニット
Claims (14)
- 少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を有することを特徴とする双安定デバイス。
- 少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて所定の抵抗値範囲以下の低抵抗状態もしくは所定の抵抗値範囲以上の高抵抗状態に切り替わる有機双安定層を有することを特徴とする双安定デバイス。
- 少なくとも一部が有機微結晶で構成され、バイアス電圧に応じて導通状態もしくは絶縁状態に切り替わる有機双安定層を有することを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項1から3のいずれか1項において、第一電極と、第二電極と、前記第一電極および前記第二電極に挟まれた前記有機双安定層とを有することを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項1から4のいずれか1項において、前記有機双安定層の少なくとも一部に空隙部分を含んでいることを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項1から5のいずれか1項において、前記有機双安定層を構成する有機微結晶が有機半導体からなることを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項5または6において、前記空隙部分が不活性ガスで充填されていることを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項1から7のいずれか1項の双安定デバイスを用いたことを特徴とする双安定メモリ素子。
- 基板上に第1の電極を形成する工程と、前記基板および前記第1の基板上に有機微結晶を分散させた有機微結晶分散液を塗布することにより、バイアス電圧に応じて抵抗値が変化する有機双安定層を形成する工程と、前記有機双安定層上に第2の電極を形成する工程とを有することを特徴とする双安定デバイスの製造方法。
- 請求項9において、前記有機微結晶分散液をインクジェット法またはスクリーン印刷法によって塗布することを特徴とする双安定デバイスの製造方法。
- 請求項9または10記載の双安定デバイスの製造方法において、前記有機双安定層を形成した後、熱処理を施す工程を含むことを特徴とする双安定デバイスの製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項記載の双安定デバイスにおいて、有機双安定層に高分子樹脂を含有していることを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項記載12記載の双安定デバイスにおいて、高分子樹脂が熱硬化型または光硬化型樹脂であることを特徴とする双安定デバイス。
- 請求項3から5のいずれか1項記載の双安定デバイスを製造する製造方法において、前記基板上に第1の電極を形成する工程と、第1の有機微結晶を分散させた高分子樹脂溶液を塗布する工程と、高分子樹脂を硬化させ、双安定材料層を形成する工程と、有機双安定層上に、第2の電極を形成する工程とを有することを特徴とする双安定デバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006104601A JP2007142357A (ja) | 2005-10-20 | 2006-04-05 | 双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005306234 | 2005-10-20 | ||
JP2006104601A JP2007142357A (ja) | 2005-10-20 | 2006-04-05 | 双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法 |
Publications (1)
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ID=38204818
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JP2006104601A Withdrawn JP2007142357A (ja) | 2005-10-20 | 2006-04-05 | 双安定デバイス、双安定メモリ素子、および製造方法 |
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JP (1) | JP2007142357A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113809232A (zh) * | 2021-08-25 | 2021-12-17 | 西安电子科技大学 | 物理瞬态阈值开关器件及其制备方法和装置 |
-
2006
- 2006-04-05 JP JP2006104601A patent/JP2007142357A/ja not_active Withdrawn
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