JP2007142318A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種の蛍光体を用いる際に所望の蛍光体の濃度割合の蛍光体膜を形成すること。また、青色光の光度ロスを抑制することができる発光素子を提供する。
【解決手段】サファイア基板の一方の主面に設けられ、紫外光を発光する窒化ガリウム系半導体積層体と、サファイア基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体膜を有する。赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体は互いの形成領域が重なることなくサファイア基板の他方の主面を覆っている。
【選択図】図3
【解決手段】サファイア基板の一方の主面に設けられ、紫外光を発光する窒化ガリウム系半導体積層体と、サファイア基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体膜を有する。赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体は互いの形成領域が重なることなくサファイア基板の他方の主面を覆っている。
【選択図】図3
Description
本発明は、発光素子の発光層から放射される発光光の波長を変換する蛍光体を含有する蛍光体膜を備える半導体発光素子に関する。
近年、液晶ディスプレイのバックライトとして、半導体発光ダイオード(以下、「LED」という。)が光源として利用されている。このような光源として、図1に示すように、サファイア基板の主面に窒化ガリウム系化合物半導体(AlxGayIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1))からなる半導体積層体を有する青色光を発光するLEDチップ(以下、「青色LEDチップ」という。)1とこれを封止する封止樹脂3に黄色発光蛍光体4を混入させて白色光を発光するLED(以下、「白色LED」という。)5が用いられることが多い。
このような白色LEDの代表的な例を図1に示す。この白色LED5では、青色LEDチップ1から発光した光が封止樹脂2を介して白色LED5の外部に抜けるまでの光路D1、D2の違いによって、黄色発光蛍光体4に変換される青色光の割合が異なる。すなわち、光路D1では、白色LED5の外部に抜けるまでの距離が短く、光路D2では、ケース2の内面に沿って青色光が進行するため、白色LED5の外部に抜けるまでの距離が長い。そのため、光路D1では、黄色発光蛍光体4に変換される青色光の割合が少なく、青みを帯びた白色光が観測され、光路D2では、黄色発光蛍光体4に変換される青色光の割合が多く、黄色みを帯びた白色光が観測される。このような理由から、白色LED5を見る視野角によって、色度の違いが生じていた。
この問題を解消するために、LEDチップに蛍光体を含有させた樹脂からなる膜厚が一定の蛍光体膜を設け、発光光が蛍光体膜を通過する際の光路差がほとんど生じない方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
また、この白色LED5では、緑色及び赤色のスペクトル成分が少ないため、液晶ディスプレイの色再現性は十分ではない。
また、この白色LED5では、緑色及び赤色のスペクトル成分が少ないため、液晶ディスプレイの色再現性は十分ではない。
この問題を解消するために、青色LEDチップと緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体との組合わせ、または、紫外光を発光するLEDチップ(以下、「紫外LEDチップ」という。)と青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体との組合わせたLEDにより緑色及び赤色のスペクトル成分を多く含む白色光を得る方法が提案されている。
従って、例えば、図2に示すように、紫外光又は青色光を発光する半導体積層体11が形成されたサファイア基板12の主面とは反対側の主面に、その発光光にない光の3原色の光を発光する蛍光体を含む蛍光体膜13を形成することにより、上記の2つの問題を解決できる白色LEDチップ10が得られる。すなわち、図2に示す白色LEDチップ10により、色再現性が向上し、視野角による色度の違いを改善することができる。
特開2003−111109号公報
特開2004−134805号公報
ところで、上記の特許文献に記載されている蛍光体膜13は、蛍光体を含有させた液状の樹脂を硬化させることにより形成され、更に、複数種の蛍光体を用いる場合、同一の液状の樹脂に複数種の蛍光体が混入される。この際、蛍光体の比重が各種類ごとに異なるため、液状の樹脂内で蛍光体が沈降する度合いは各蛍光体毎に異なる。そのため、蛍光体膜13となる樹脂を供給する際に、樹脂内に含まれる各蛍光体の濃度にばらつきを生じていた。このような理由から、所望の蛍光体の濃度割合の蛍光体膜13を形成することは困難であった。
また、赤色発光蛍光体は、波長変換効率が低く、青色光を吸収する割合が高いので、青色光の光度ロスが大きいという問題が生じていた。
本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであって、複数種の蛍光体を用いる際に所望の蛍光体の濃度割合の蛍光体膜を形成することを目的とする。
また、本発明は、青色光の光度ロスを抑制することができる発光素子を提供することを目的とする。
上記の課題は、基板と、前記基板の一方の主面に設けられ、紫外光を発光する半導体積層体と、前記基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体膜を有する発光素子において、前記赤色発光蛍光体膜、前記緑色発光蛍光体膜及び前記青色発光蛍光体は互いの形成領域が重なることなく前記基板の他方の主面を覆っていることを特徴とする発光素子により解決される。
または、上記の課題は、基板と、前記基板の一方の主面に設けられ、青色光を発光する半導体積層体と、前記基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜及び緑色発光蛍光体膜を有する発光素子において、前記赤色発光蛍光体膜及び前記緑色発光蛍光体膜が形成されない領域を有することを特徴とする発光素子により解決される。
本発明によれば、複数種の蛍光体を同一の樹脂に混入することなく、各々の蛍光体毎に分けて樹脂に混入し、蛍光体膜を形成したので、蛍光体の比重の違いによる蛍光体の濃度割合のばらつきを抑制することができる。また、本発明の青色光は、ほとんど赤色発光蛍光体膜を通過せず、そのまま発光素子の外部に放射される。そのため、赤色発光蛍光体による青色光の吸収を抑えることができる。
以下に、図面に基づいて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の斜視図である。
(第1の実施の形態)
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の斜視図である。
本実施の形態に係る発光素子20は、サファイア基板21と、サファイア基板21の一方の主面上に形成された半導体積層体22と、サファイア基板21の他方の主面上に形成された赤色発光蛍光体膜23R、緑色発光蛍光体膜23G及び青色発光蛍光体膜23Bを備えている。
蛍光体膜23R,23G,23Bは、それぞれ赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体及び青色発光蛍光体を含有する樹脂膜からなる。そして、各々の蛍光体膜23R,23G,23Bの形成領域が互いに重ならず、かつ、サファイア基板11の主面を露出しないように隙間なくストライプ状に形成されている。
半導体積層体22は、窒化ガリウム系化合物半導体(AlxGayIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1))からなり、後述するp電極とn電極との間に電圧を印加することにより、紫外光を発光するように形成されている。尚、電極は紫外光をサファイア基板21側に取り出すために、光反射性の金属材料からなる。そして、この紫外光が蛍光体膜23R,23G,23Bに達すると、各々の蛍光体が励起されて、赤色光、緑色光及び青色光を発光する。これらの光の混合により白色光が得られるようになっている。
このような構成を備える本実施の形態の発光素子によれば、赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体及び青色発光蛍光体を同一の樹脂に混入することなく、各々の蛍光体毎に分けて樹脂に混入し、蛍光体膜13R,13G,13Bを形成したので、蛍光体の比重の違いによる蛍光体の濃度割合のばらつきを抑制することができる。
また、青色発光蛍光体膜23Bにより波長変換された青色光は、ほとんど赤色発光蛍光体膜23Rを通過せず、そのまま発光素子20の外部に放射される。そのため、赤色発光蛍光体膜23Rによる青色光の吸収を抑えることができる。
次に、図3(a)に示す発光素子の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、サファイア基板21の一方の主面上に有機金属気相成長法(MOVPE法)により、AlNからなる低温堆積バッファ層221、SiをドープしたGaNからなるn型層222、GaNとGa0.03In0.97Nからなる多重量子井戸構造(MQW)の発光層223、MgをドープしたAlGaNからなるp型層224、MgをドープしたGaNからなるp+型層225を順次積層する。次に、ドライエッチングにより、所定の領域のp+型層225、p型層224、発光層223及びn型層222の一部を除去してn型層222を露出させる。最後に、p+型層225の表面にRh/Auからなるp電極226p、露出したn型層222の表面にV/Alからなるn電極226nを蒸着により形成する。
その後、赤色発光蛍光体を含有したフォトレジストをサファイア基板21の一方の主面に塗布した後に、フォトリソグラフィー法を用いて露光及び現像を行い、ストライプ状の赤色発光蛍光体膜23Rを形成する。次に、上記と同様の手法により、緑色発光蛍光体を含有したフォトレジスト及び青色発光蛍光体を含有したフォトレジストを用い、ストライプ状の緑色蛍光体膜23B及び青色蛍光体膜23Gをサファイア基板の同じ主面に形成する。
青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体及び赤色発光蛍光体としては、以下に示す蛍光体が挙げられる。
(青色発光蛍光体)
(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2 :Eu、 Sr2P2O7:Eu
(緑色発光蛍光体)
(Ba,Mg)2Al16O27:Eu,Mn、 BaMgAl16O27:Eu
(赤色発光蛍光体)
Y(P,V)O4:Eu、 Y2O2S:Eu
以上の工程を経て、図3(a)に示す発光素子20を製造することができる。
(青色発光蛍光体)
(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2 :Eu、 Sr2P2O7:Eu
(緑色発光蛍光体)
(Ba,Mg)2Al16O27:Eu,Mn、 BaMgAl16O27:Eu
(赤色発光蛍光体)
Y(P,V)O4:Eu、 Y2O2S:Eu
以上の工程を経て、図3(a)に示す発光素子20を製造することができる。
尚、上記の製造方法では、フォトリソグラフィー法を利用して蛍光体膜23R,23G,23Bを形成したが、赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体及び青色発光蛍光体を含有させたペースト状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂を各々用意し、これらをスクリーン印刷によりサファイア基板に塗布した後、硬化させて各蛍光体膜23R,23G,23Bを形成してもよい。
また、蛍光体膜23R,23G,23Bは、図3(a)に示すように、必ずしもストライプ状の形状に形成する必要はない。例えば、図3(b)に示すように、サファイア基板の主面の中央に蛍光体膜23Gを設け、蛍光体膜23Gを囲むように枠状の蛍光体膜23Bを形成し、さらに、蛍光体膜23Gを囲むように枠状の蛍光体膜23Rを形成してサファイア基板の表面を覆ってもよい。このように、蛍光体膜23R,23G,23Bの形状及び配置は適宜変更してもよい。
(第2の実施の形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る発光素子の斜視図である。
(第2の実施の形態)
図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る発光素子の斜視図である。
本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、図4に示す半導体多層構造22内の発光層がGaNとGa0.2In0.8Nからなる多重量子井戸構造(MQW)223から形成されている点、及び、青色発光蛍光体膜23Bが形成されておらず、これに対応する領域においてサファイア基板が露出している点にある。
このような発光素子では、p電極とn電極との間に電圧を印加すると、発光層223から青色光を発光する。そして、この青色光が蛍光体膜23R,23Gに達すると、各々の蛍光体が励起されて、赤色光及び緑色光を発光する。また、蛍光体膜23R,23Gが形成されていない領域からは青色光を放射する。これらの光の混合により白色光が得られるようになっている。
このような構成を備える本実施の形態の発光素子によれば、赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体を同一の樹脂に混入することなく、各々の蛍光体毎に分けて樹脂に混入し、蛍光体膜23R,23Gを形成したので、蛍光体の比重の違いによる蛍光体の濃度割合のばらつきを抑制することができる。
また、半導体積層体から発光される青色光は、赤色発光蛍光体膜23Rを通過せずにサファイア基板から発光素子の外部に直接放射される領域が存在する。そのため、赤色発光蛍光体膜23Rによる青色光の吸収を抑えることができる。
本実施の形態の発光素子の製造方法については、第1の実施の形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
尚、本実施の形態においても、蛍光体膜23R,23Gは、図5(a)に示すように、必ずしもストライプ状の形状に形成する必要はなく、第一の実施の形態と同様に、蛍光体膜23R,23Gの形状には特に限定されない。例えば、図5(b)に示すように、サファイア基板21の主面の中央に蛍光体膜23Gを設け、蛍光体膜23Gから一定距離をおいて蛍光体膜23Gを囲むように枠状の蛍光体膜23Bを形成してもよい。
20 発光素子(LEDチップ)
21 サファイア基板(基板)
22 半導体積層体
23R 赤色発光蛍光体膜
23G 緑色発光蛍光体膜
23B 青色発光蛍光体膜
21 サファイア基板(基板)
22 半導体積層体
23R 赤色発光蛍光体膜
23G 緑色発光蛍光体膜
23B 青色発光蛍光体膜
Claims (6)
- 基板と、
前記基板の一方の主面に設けられ、紫外光を発光する半導体積層体と、
前記基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜、緑色発光蛍光体膜及び青色発光蛍光体膜を有する発光素子であって、
前記赤色発光蛍光体膜、前記緑色発光蛍光体膜及び前記青色発光蛍光体は互いの形成領域が重なることなく前記基板の他方の主面を覆っていることを特徴とする発光素子。 - 前記赤色発光蛍光体膜、前記緑色発光蛍光体膜及び前記青色発光蛍光体膜は、各々の蛍光体を含有するフォトレジストから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
- 前記赤色発光蛍光体膜、前記緑色発光蛍光体膜及び前記青色発光蛍光体膜は、各々の蛍光体を含有するエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
- 基板と、
前記基板の一方の主面に設けられ、青色光を発光する半導体積層体と、
前記基板の他方の主面に設けられた赤色発光蛍光体膜及び緑色発光蛍光体膜を有する発光素子であって、
前記他方の主面には、前記赤色発光蛍光体膜及び前記緑色発光蛍光体膜が形成されない領域を有することを特徴とする発光素子。 - 前記赤色発光蛍光体膜及び前記緑色発光蛍光体膜は、各々の蛍光体を含有するフォトレジストから形成されていることを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
- 前記赤色発光蛍光体膜及び前記緑色発光蛍光体膜は、各々の蛍光体を含有するエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂から形成されていることを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005336934A JP2007142318A (ja) | 2005-11-22 | 2005-11-22 | 発光素子 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101071016B1 (ko) * | 2009-07-27 | 2011-10-06 | 한국광기술원 | 풀스펙트럼 발광다이오드, 이의 제조방법 및 발광다이오드들을 구비하는 감성 조명용 기구 |
US8278821B2 (en) | 2010-09-07 | 2012-10-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Light emitting device |
JP2012191230A (ja) * | 2012-06-04 | 2012-10-04 | Toshiba Corp | 発光装置 |
US10677437B2 (en) | 2016-09-21 | 2020-06-09 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Wavelength conversion device and lighting apparatus |
-
2005
- 2005-11-22 JP JP2005336934A patent/JP2007142318A/ja not_active Withdrawn
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