JP2007138686A - 曲面梁柱ブロックによる地下貯留空間の構築 - Google Patents

Abstract

【課題】雨水の地下貯留を目的に設けられる地下貯留空間を、梁柱ブロックで簡単に構築するためのブロックとその構築方法を提案する。
【解決手段】ブロック１を、直方体の４つの垂直面を中央部に柱部を残存させる寸法の範囲内で半円柱状又は半楕円柱状等の曲面柱で全幅にわたり水平方向にくり貫いた形状とし、中央部に柱部材３を設け、上下面に対角線方向に梁部材２を設け、コンクリート、鋼鉄又はプラスチック等で整型する。
【選択図】図１

Description

市街化等の進行により、都市型の洪水被害が多発している現状がある。雨水の流出を出来るだけ遅くし河川の負担を減少させる目的で、森林の育成や各戸貯留の推進さらに防災調整池の義務付け等の各種の流出抑制策が実施されている。雨水の流出抑制策の一環として、雨水を地下に設けた空間に一時的に貯留する調整池工法がある。当該発明は、雨水の地下貯留を目的に設けられる地下貯留空間の構築を、曲面梁柱ブロックで簡単に構築するためのブロックとブロックの構築方法を提案するものである。

中空コンクリートブロックの組立て工法や、プレキャストの梁柱を連結緊張する工法があった。

従来の技術には下記のような課題があった。
（１）中空コンクリートブロック組立て工法では、水平面にできる梁が貯水槽内の維持管理作業に支障となった。
（２）プレキャストの梁柱を連結緊張する工法は、柱部材と梁部材の結合部の強度を確保するためのＰＣ緊張構造が複雑で、組立て作業が特殊専門で高度な技術力を必要とした。
上記のように従来の技術は、維持管理上の問題や、組立て工事の複雑さを有していた。

柱と梁が一体となった当該ブロックを併設して設置することで、維持管理のための通路を確保することができ、組立て時の連結緊張作業を省略することができる。上下面の梁は柱部に接近する程梁高が高くなる曲面となっているので、梁・柱の連結部は充分な強度を有する形状となる。また、曲面により連続した梁・柱は力をスムースに伝達するので、応力の分散伝達に優れ曲面のアーチ効果による無駄のない形状が実現している。

当該発明を用いることで、下記のような効果が得られる。
（１）梁・柱を有するブロックであるが、上下の梁は対角方向に柱と連結されているので、当該ブロックを併設して配列し場合でも、ブロック間に管理用の通路が確保される。
（２）ブロックを併設して配列するだけの作業であるので、作業が簡単で特殊専門技術を必要としない。

実施の例として、貯留空間構築における最良の形態を説明する。
梁（２）及び柱（３）を有するブロック（１）を成型し、突合せ面（６）を隣り合うブロック（１）の突合せ面（６）に合致させ併設配列を行うことで、貯水空間（５）を創出し、同時に維持管理用通路（５）を構築する。

曲面梁柱ブロックの立体図 曲面梁柱ブロックの併設配列を行った場合の立体図 曲面梁柱ブロックの併設配列を行った場合の立面図 曲面梁柱ブロックの平面図 曲面梁柱風呂区の正面図（側面図）

符号の説明

１ 曲面梁柱ブロック
２ 梁
３ 柱
４ 貯水空間
５ 管理用通路
６ 突合せ面

Claims (2)

1. 直方体の４つの垂直面を、中央部に柱部を残存させる寸法の範囲内で、半円柱状又は半楕円柱状等の曲面柱で全幅にわたり水平方向にくり貫いた形状を有し、且つ同直方体の２つの水平面を半円柱状又は半楕円柱状の曲面柱で全高さにわたり鉛直方向にくり貫いた形状を有する、中央部に柱部材を有し上下面に対角線方向に梁部材を有するブロックで、コンクリート又は鋼鉄又はプラスチック等の素材で成型されたもの。
2. 請求項１のブロックを水平方向に併設して、多空間構造を構築する方法。

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