JP2007132775A - 蛋白質結晶検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛋白質結晶を小サイズの結晶を含めて高い精度で検出できる蛋白質結晶検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより前記液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出において、蛋白質結晶の特徴部分としてのエッジ抽出画像に該当する画素の塊であるラベルLa1,La2を対象として、ラベルLa1に外接する矩形枠FR1の大きさをラベルLa1のサイズとして検出し、矩形枠FR1の対角寸法Dを直径とする円C1を、エッジ抽出画像の密集度を判定するための判定領域として設定する。そして判定領域内の全画素数に対するエッジ抽出画像の抽出画素の割合を求め、検出されたラベルLa1のサイズが所定サイズ以上であり、且つ求められた割合が所定割合以上であれば結晶ありと判断する。
【選択図】図10

Description

本発明は、蛋白質溶液中の蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出方法に関するものである。
近年遺伝子情報を医療などの分野に有効に利用するための取り組みが活発化しており、その基礎技術として遺伝子を構成する蛋白質の構造を解析する努力が行われている。この蛋白質の構造解析は、蛋白質を構成するアミノ酸が3次元の線状に連なった立体構造を特定するものであり、X線結晶構造解析などの方法によって行われる。
このような蛋白質の構造解析を行うためには、まず解析対象の蛋白質を結晶化することが求められ、この蛋白質結晶化の方法として蒸気拡散法が知られている。この方法では、結晶化対象の蛋白質を含む蛋白質溶液から蒸発する溶媒成分を同一容器内に収容された結晶化溶液によって吸収させることにより、蛋白質溶液を過飽和状態に保って結晶を徐々に生成させる。
結晶化を促進させるための結晶生育条件は、現状では理論的には解明されていないため、多数の試験を系統的に実行した結果から最良の条件を求めるスクリーニングの手法が用いられる。このスクリーニングにおいては、従来より対象となる蛋白質溶液を各種の結晶生育条件、すなわち前述の結晶化溶液の種類・濃度や生育温度を変化させた幾通りもの条件下で、試験を反復実行する必要があった。
このような試験は、蛋白質溶液および結晶化溶液を収容した結晶化用マイクロプレートなどの結晶化容器を特定温度に設定された恒温室内に保管し、結晶化の有無や進行度合いを時間経過に伴って観察することによって行われる。この蛋白質結晶検出を目的とした観察作業を効率よく行うため、従来は試験担当者が顕微鏡視野内で蛋白質溶液を目視観察することによって行われていた作業、すなわち蛋白質結晶化状態の判定を画像認識によって行う蛋白質結晶化状態判定方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この蛋白質結晶状態判定においては、蛋白質溶液を撮像した原画像をテクスチャ解析の手法を用いて認識処理することにより、蛋白質溶液中の沈殿や結晶を識別して、結晶化状態を判定するようにしている。
特開2005−9949号公報
蒸気拡散法による蛋白質の結晶化においては結晶化の状態は様々であり、結晶化過程の蛋白質溶液中には、大小様々な大きさの結晶が混在している。結晶化状態を高精度で検出するためには、大きな結晶のみならず小さな結晶も極力検出できることが望ましい。しかしながら上述の特許文献例を含め、従来の蛋白質結晶検出のための画像認識においては、蛋白質溶液を保持する容器の画像など蛋白質結晶に該当しない画像要素や、画像中に不可避的に現れるノイズなどを除去するために行われる処理によって、画素数があるしきい値よりも小さい画像成分が除去されていた。このため従来の蛋白質結晶検出においては、溶液中に小さな蛋白質結晶が存在していても、画像処理において除去されてしまう場合が多く、蛋白質結晶を高精度で検出することが困難であった。
そこで本発明は、蛋白質結晶を小サイズの結晶を含めて高い精度で検出できる蛋白質結晶検出方法を提供することを目的とする。
本発明の蛋白質結晶検出方法は、蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより前記液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出方法であって、前記原画像を取得し、前記原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を行い、前記特徴画像において前記特徴部分に該当する画素の塊を認識し、前記認識した塊のサイズを検出し、前記検出されたサイズに基づいてこの塊を包含する閉領域を判定領域として設定し、前記判定領域内の全画素に対する前記特徴部分に該当する画素の割合を求め、前記塊のサイズが所定サイズ以上であり、且つ前記割合が所定割合以上であれば結晶ありと判断する。
また本発明の蛋白質結晶検出方法は、蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより前記液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出方法であって、前記原画像を取得し、前記原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を行い、前記結晶特徴画像において前記特徴部分に該当する画素の塊を認識し、前記塊のうち最も大きな塊の画素数をカウントし、前記結晶特徴画像に含まれる前記特徴部分に該当する画素の総数をカウントし、最も大きな塊の画素数が所定の画素数以下であり、且つ前記総数が所定の範囲であれば前記認識した塊のサイズを検出し、前記検出されたサイズに基づいてこの塊を包含する判定領域を設定し、この判定領域内における前記特徴部分に該当する画素の割合を求め、前記塊のサイズが所定のサイズ以上であり、且つ前記割合が所定の割合以上であれば結晶ありと判断する。
本発明によれば、蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素の塊のサイズを検出し、検出されたサイズに基づいて設定された判定領域の全画素に対する特徴部分に該当する画素の割合を求め、検出された塊のサイズが所定サイズ以上であり、且つ求められた割合が所定割合以上であれば結晶ありと判断することにより、蛋白質結晶の特徴部分が密集した度合いを定量的に評価して、蛋白質結晶を小サイズの結晶を含めて高い精度で検出することができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの斜視図、図3は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの部分断面図、図4は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの拡大部分断面図、図5は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法を示すフロー図、図6は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における結晶化判定処理を示すフロー図、図7(a)、図8(a)、図9(a)は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶画像を示す図、図7(b)、図8(b)、図9(b)は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶特徴画像を示す図、図10,図11は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶の密集度判定処理の説明図である。
まず図1を参照して、蛋白質結晶検出装置1の構成を説明する。蛋白質結晶検出装置1は、蒸気拡散法により蛋白質溶液内に生成した蛋白質結晶を検出するために使用される専用の検出装置である。ここでは、蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより、液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する。
図1において、蛋白質結晶検出装置1は、蛋白質溶液の液滴を撮像して観察するための観察部2を備えている。観察部2は、XYZテーブル機構を備えた観察ステージ3の上方
に、顕微光学系5およびカメラ6を配置した構成となっている。カメラ6の撮像動作はカメラ制御部8によって制御され、撮像結果はカメラ制御部8によって取り込まれる。観察ステージ3の上面には観察対象の試料を収納するウェル4aが複数設けられた結晶化プレート4が載置され保持される。
観察ステージ3に備えられたXYZテーブル機構を駆動することにより、結晶化プレート4はX,Y,Z方向に移動し、観察対象のウェル4aが顕微光学系5の下方に位置する。観察ステージ3の下方には照明部7が配置されており、カメラ6によってウェル4a内の試料を撮像する際には、照明部7によって下方から照明光を照射する。観察ステージ3、照明部7の動作は、機構制御部10によって制御され、さらに機構制御部10は処理・演算部9によって制御される。
処理・演算部9は結晶検出処理部9aおよび記憶部9bを備えている。結晶検出処理部9aは、カメラ6がウェル4aを撮像してカメラ制御部8に取り込まれた原画像を画像認識処理し、蛋白質結晶を検出する処理を行う。処理結果は記憶部9bに記憶される。処理・演算部9は、表示部11、操作・入力部12に接続されている。表示部11は液晶パネルなどの表示モニタであり、ウェル4aを撮像して得られた原画像や、原画像を結晶検出処理部9aによって処理した処理画像を表示するほか、各種操作を行う際の案内画面を表示する。操作・入力部12はキーボードやマウス、タッチパネルなどの入力手段であり、処理・演算部9による各処理を実行する際の操作コマンドの指示や、データ入力を行う。
図2,図3を参照して、結晶化プレート4について説明する。図2に示すように、結晶化プレート4には複数のウェル4aが格子状に形成されている。ウェル4aは、円形の凹部の中心に円柱状の液保持部4bが設けられたいわゆるカルデラ状の液体収納用の凹部であり、ウェル4a内には、結晶化の対象となる試料、すなわち結晶化対象の蛋白質を含んだ蛋白質溶液14と、結晶化に用いられる結晶化溶液13とが分注される。
図3はこれらの試料を収容した1つのウェル4aの断面を示している。ウェル4a内では、液保持部4bの頂部に設けられたポケット内に液滴状の蛋白質溶液14が載置状態で保持されており、液保持部4bを囲むリング状の貯液部4cには、結晶化溶液13が貯溜されている。後述するように蛋白質結晶化の開始に際しては、液保持部4bに保持された蛋白質溶液14に所定量の結晶化溶液13を貯液部4cから取り出して分注して混合した後、各ウェル4a上面に密封用のシール部材15が貼着される。
この状態の結晶化プレート4を所定の温度雰囲気下で保管することにより、蛋白質溶液14中の溶媒成分を蒸発させ、これにより蛋白質溶液14の蛋白質濃度を過飽和状態にまで高めて蛋白質結晶を生成する。このとき、蛋白質溶液14から蒸発する溶媒と結晶化溶液13に吸収される蒸気とが平衡状態を保ちながら蛋白質溶液14からの溶媒の蒸発が緩やかに進行することにより、安定した結晶生成が行われる。
観察部2はこのような結晶生成過程の結晶化プレート4を観察することにより、各ウェル4aにおける蛋白質結晶の有無や結晶化の度合いを検出する。すなわち、図1に示すように、観察ステージ3にセットされた結晶化プレート4をカメラ6の下方に水平移動させて、観察対象のウェル4a内の液保持部4bをカメラ6の撮像光軸に位置合わせするとともに、観察ステージ3を昇降させてウェル4a内における撮像対象の断面位置をカメラ6の合焦レベルに合わせる。そして下方の照明装置7から照明光を照射した状態で、カメラ6によって結晶化プレート4を撮像することにより、結晶化プレート4に保持された蛋白質溶液の画像が取り込まれる。
このカメラ6による撮像において、観察ステージ3のZ位置を調整することにより、ウ
ェル4aの凹部内に保持された蛋白質溶液14内における任意の水平断面の画像を取得することができる。すなわち観察ステージ3を所定ピッチで合焦方向(Z方向)に移動させながら、カメラ6で蛋白質溶液14を撮像することにより、図4に示すように、蛋白質溶液14において合焦方向の位置が異なる複数の水平断面を示すレイヤーL1,L2,L3,L4,L5の画像(以下、「レイヤー画像」と略称する。)が各断面毎に取り込まれる。
次に、蛋白質結晶検出処理について図5のフローに沿って説明する。まず、図1に示すように、観察対象となる結晶化プレート4を観察ステージ3に載置した後、焦点位置調整を行う(ST1)。すなわち観察ステージ3を昇降させて、ウェル4a内における撮像対象のレイヤーをカメラ6の合焦レベルに合わせる。そして当該レイヤーにおいて画像取込を行う(ST2)。すなわち照明装置7から照明光を照射し、結晶化プレート4に保持された液滴をカメラ6によって撮像して、蛋白質溶液のレイヤー画像を原画像として取り込む。次いでこの画像取込により予め設定されたレイヤー数N(ここではN=5)を対象とした枚数の画像取込が完了しているか否かを判断し、未完了であれば(ST1)に戻り、同様のステップを反復する。
このようにして取り込まれた原画像中には、蛋白質結晶が種々の形態で存在する。図7(a)、図8(a)、図9(a)は、このようにして得られた蛋白質結晶の画像を示している。図7(a)は大型結晶21の画像を示しており、図8(a)は小型結晶22が多数密集して存在する場合の画像を、さらに図9(a)は小型結晶22が疎らに存在する場合の画像をそれぞれ示している。
そして(ST3)において、N枚完了が確認されたならば、原画像を対象としてエッジ抽出処理を実行する(ST4)。すなわち、レイヤー画像を対象として微分処理によるエッジ抽出処理を行うことにより、原画像から特徴部分、すなわち蛋白質結晶のエッジ部分に該当する画素を抽出して強調した結晶特徴画像(以下、「エッジ抽出画像」という)を得る画像処理を行う。図7(b)、図8(b)、図9(c)は、このようにして得られたエッジ抽出画像を示している。図7(b)においては、大型結晶22のエッジ部分が抽出されたエッジ抽出画像21aが大型結晶21の輪郭に倣う形で現れている。また図8(b)、図9(b)においては、小型結晶22のエッジ部分が抽出されたエッジ抽出画像22aが、原画像における粗密度合いに応じた形で現れている。
次いでラベリング処理を実行する(ST5)。すなわち、エッジ抽出画像において、エッジ部分、すなわち特徴部分に該当する画素の塊を認識し、認識された塊毎にラベル番号を付す処理を行う。そしてラベリング処理が行われたエッジ抽出画像から、結晶化判定のためのパラメータを抽出する(ST6)。
以下、これらのパラメータについて説明する。まずラベル数L(n)は、レイヤー番号nのエッジ抽出画像にてラベリングされた塊の総数を示すものであり、各レイヤー毎に求められる。抽出総画素数GNは、N枚のエッジ抽出画像にて抽出された特徴部分に相当する画素数をカウントした数であり、抽出総画素数GNが大きいほど、当該ウェル内に蛋白質結晶が存在する可能性が高いことを示している。最大ラベル画素数GLは、レイヤー番号1〜Nの各エッジ抽出画像において認識された塊のうち、最も大きな塊の画素数をカウントした数であり、同様に最大ラベル画素数GLが大きいほど蛋白質結晶が存在する可能性が高い。すなわちこのパラメータ抽出においては、最も大きな塊の画素数をカウントし、結晶特徴画像に含まれる特徴部分に該当する画素の総数をカウントする。
さらにここでは、結晶化判定のためのパラメータとして、以下のように定義されるレイヤー間非変動率Aを求めている。レイヤー間非変動率Aは、特定の隣接する2つのレイヤ
ー、すなわち最大の画素数を有するエッジ抽出画像に対応するレイヤー(代表レイヤー)と、この代表レイヤーに隣接する上下2つのレイヤーのうちより大きい画素数に対応したレイヤー(隣接レイヤー)とを対象として、これら2つのレイヤー画像の画素数の比率(隣接レイヤー画素数/代表レイヤー画素数)を%で示すものである。レイヤー間非変動率が大きいほど、ある厚みを介して隣接した2つのレイヤーにわたって同一の物質が存在している蓋然性が高く、したがって蛋白質結晶の存在可能性が高いことを意味する。
このようなレイヤー間非変動率Aを求めることにより、2つのレイヤー間に同一の物質が共通して存在する割合を推定することができ、このレイヤー間非変動率を結晶化判定の判定パラメータとして用いることにより、後述するように、ある厚みを持った蛋白質結晶の存在と厚みが小さい沈殿物などの非結晶生成物の存在とを、数値データに基づいて識別することが可能となっている。
このように定義されたパラメータに基づき、以下に説明するアルゴリズムにしたがって、蛋白質結晶化判定が行われる。まず、図7に示すような大型結晶21を対象とした大型結晶判定処理(図5のフローにおいて破線枠Iにて示す)が行われる。すなわち、(ST6)にて得られた最大ラベル画素数GLが、予め定められたしきい値である結晶判定基準GL(TH)よりも大きいか否かを判断する(ST7)。
ここで結晶判定基準GL(TH)は、大型結晶21のエッジ抽出画像21a(図7(b)参照)に含まれるラベルの下限サイズに相当する画素数を基に設定されている。そして(ST7)の条件に該当し、最大ラベル画素数GLが結晶判定基準GL(TH)よりも大きいならば、大型結晶のエッジ抽出画像に相当するような画素数のラベルが検出されたことを示している。したがってこの場合には、図7に示すような大型結晶21が存在する可能性が高いと判断し、結晶あり判定がなされる(ST10)。
(ST7)の条件に該当しない場合には、大型結晶の存在可能性は低いものの、小型結晶の存在可能性ありと推定して、以下の判定処理に従う。すなわちまず抽出総画素数GNが生成物判定基準G1より大きいか否かを判断する(ST8)。ここで生成物判定基準G1は、図8(b)に示すように、小型結晶22のエッジ抽出画像22aを高密度で含むレイヤー画像の存在の可能性ありと判断して差し支えないような画素数に設定されている。
そして(ST8)の条件に該当し、抽出総画素数GNが生成物判定基準G1よりも大きいならば、小型結晶が高密度で存在する可能性ありと判断し、さらにこの可能性を高い蓋然性で推認可能か否かを判断するため、第1の小型結晶判定処理(図5のフローにおいて破線枠IIにて示す)に進む。ここでは、(ST6)で求められたレイヤー間非変動率Aが予め定められた微結晶判定基準A(TH)よりも大きいか否かを判断する(ST9)。
ここで微結晶判定基準A(TH)は、隣接する2つのレイヤー間にわたって同一の小型結晶が存在する可能性が高いと判断して差し支えないようなレイヤー間非変動率Aの値が用いられる。そして(ST9)の条件に該当し、すなわちレイヤー間非変動率Aが微結晶判定基準A(TH)よりも大きいならば、結晶あり判定がなされる(ST10)。また(ST9)の条件に該当しないならば、結晶無し判定がなされる(ST11)。
そして(ST8)において条件に該当しない場合には、さらに、抽出総画素数GNが、生成物判定基準G1以下であり且つ結晶無し判定基準G2以上であるという条件に該当するか否かを判断する(ST12)。ここで結晶無し判定基準G2は、図9(b)に示すように、小型結晶22のエッジ抽出画像22aが疎らに含まれている可能性ありと判断すべき画素数、換言すれば抽出された画素を画像上のノイズと見なして棄却することが適切ではないような画素数に設定されている。ここで(ST12)の条件に該当しないならば、
小型結晶の存在可能性はきわめて低いと判断して、結晶無し判定がなされる(ST11)。
また(ST12)の条件に該当する場合には、次に説明するように、疎らに存在する小型結晶22を対象とした検出処理、すなわち第2の小型結晶判定処理が実行される(ST13)。そしてこれにより、判定対象とすべき場合分けの全てについて、蛋白質結晶化判定処理が終了する。なお従来の蛋白質検出処理においては、(ST12)の条件に該当する小型結晶は、結晶化に至らない非結晶生成物として取り扱われていた。
第2の小型結晶判定処理について、図6のフローに沿って、図10を参照して説明する。この判定処理においては、各レイヤーにて得られたエッジ抽出画像を対象として以下の処理が順次実行される。まず、最初のレイヤーを対象とした判定処理が開始されると、当該エッジ抽出画像に含まれるラベルI(Iは各ラベルを特定するインデックス)の画素数K(I)をカウントする(ST21)。そして求められた画素数K(I)が、予め定められたエッジ判定基準K1以上であるという条件に該当するか否かを判断する(ST22)。
ここでエッジ判定基準K1は、抽出された画素の塊が図9(b)に示すエッジ抽出画像22aに該当するか否かを示すしきい値である。そしてここで(ST22)の条件に該当する場合には、当該ラベルIはエッジ抽出画像であるとみなして、当該ラベルIのサイズ計測を行う(ST23)。すなわちここでは、エッジ抽出画像において認識された塊のサイズを検出する処理が行われる。
このラベルのサイズ計測について、図10を参照して説明する。ここでは、図10(a)に示すように、隣接して存在する2つのラベルLa1,La2を対象とする場合について説明する。まず、一方のラベルLa1に着目し、図10(b)に示すように、ラベルLa1に外接する矩形枠FR1を設定する。ここで矩形枠FR1は、画像の直交座標系におけるX軸、Y軸に方向を合わせて設定される。そして矩形枠FR1の辺寸法X、Yの大きい方を当該ラベルLa1のサイズとして検出するとともに、矩形枠FR1の対角寸法Dを求める。
次いでサイズ判定が行われる(ST24)。すなわち検出されたサイズが予め定められた判定基準値KWより大きいか否かを判断する。ここで判定基準値KWは、当該ラベルのサイズが小型結晶22のエッジ抽出画像22aの平面的な拡がり度合いを示すサイズとして適切であるか否かを判定するためのしきい値である。そして(ST24)の条件に該当する場合には、当該ラベルは小型結晶22の存在を示すものであると判断して、当該ラベル近傍における密集度計則を行う(ST25)。
この密集度計測に際しては、図10(c)に示すように、図10(b)にて設定された矩形枠FR1に外接する円C1(対角寸法Dを直径とする円C1)を、密集度を判定するための判定領域に設定する。すなわちここでは、(ST23)にて検出されたラベルのサイズに基づいて、このラベルを包含する閉領域としての円C1を判定領域として設定する。次いで円C1内の全画素に対するエッジ抽出画素の割合を、密集度の指標として求める。
ここでは、判定領域である円C1内におけるエッジ抽出画素数をカウントし、求められたエッジ抽出画素数の円C1の総画素数に対する割合を%で求める。ここに示す例では、ラベルLa1のみならず、ラベルLa2に属するエッジ抽出画素のうち、円C1内に存在する部分が合わせてカウントされる。このような方法を採用することにより、複数のラベルが近接して存在する場合における密集度を簡便な方法で数値化することができる。
次いで密集度判定が行われる(ST26)。すなわちこのようにして求められた密集度が予め定められた密集度判定値よりも大きいか否かを判断する。ここで、求められた密集度が密集度判定値よりも大きいならば、図9に示すように、小型結晶22が局部的に集合して存在すると判断して結晶あり判定がなされ(ST27)、この後図5に示す処理フローに戻る。
そして(ST26)にて判定条件に該当しない場合には、インデックスIに1を加算して処理ステップを歩進させる(ST28)。(ST22)、(ST24)において条件に該当しない場合にも、同様に(ST28)に進む。ここでは、当該処理時におけるインデックスIがラベル数L(n)以上であるか否か、すなわち当該レイヤーにおいて全てのラベルを対象として上述処理が完了したか否かを判断し、この条件に該当しない場合には(ST21)に戻って同様の処理ステップを反復実行する。
次いで(ST27)にて全てのラベルIについての処理が完了したことを確認した後、次のレイヤーを対象として同様の処理を反復実行する。そして全レイヤーについて上述処理が完了したか否かを判断する(ST30)。ここで未完了ならば、(ST21)に戻って次のレイヤーを対象として同様の処理ステップを反復実行する。そして(ST30)にて、全レイヤーについて処理完了を確認した後に、結晶無し判定(または結晶以外の生成物あり判定)がなされ(ST31)、図5に示す処理フローに戻る。
なお、図10に示す例においては、密集度判定のための判定領域の設定に際し、矩形枠FR1に外接する円を用いた例を示しているが、判定領域の形状は円形領域には限定されず、種々の形態を選択可能である。図11は、矩形枠FR1の辺寸法X,Yを定数(K)倍して、辺寸法KX,KYの矩形の判定領域を設定した例を示している。要は、エッジ抽出画素の塊としてのラベルを包含する閉領域であって、この閉領域に基づいてサイズが明定可能な形態であればよい。
上記説明したように、本実施の形態に示す蛋白質結晶検出方法は、結晶化プレート4に保持された蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより、液滴に含まれる蛋白質結晶を検出するものである。そしてこの蛋白質結晶検出方法は、(1)蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を取得し、(2)原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を行い、(3)この結晶特徴画像において特徴部分に該当する画素の塊を認識し、認識された塊のうち最も大きな塊の画素数をカウントし、(4)結晶特徴画像に含まれる特徴部分に該当する画素の総数をカウントし、(5)最も大きな塊の画素数が所定の画素数以下であり、且つ前記総数が所定の範囲であれば前記認識した塊のサイズを検出し、(6)検出されたサイズに基づいてこの塊を包含する閉領域を判定領域として設定し、(7)判定領域内の全画素に対する特徴部分に該当する画素の割合を求め、(8)塊のサイズが所定サイズ以上であり、且つ前記割合が所定割合以上であれば結晶ありと判断するようにしている。
そして、原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を、特徴部分としての結晶のエッジを抽出するエッジ抽出処理によって行う形態となっている。さらに、塊のサイズを検出するに際し、塊に外接して設定された矩形枠のサイズを塊のサイズとして検出する方法を採用しており、この矩形枠のサイズに基づいて、判定領域のサイズを設定するようにしている。
このような方法を採用することにより、蛋白質結晶検出のための画像認識において、蛋白質溶液を保持する容器の画像など蛋白質結晶に該当しない画像要素や、画像中に不可避的に現れるノイズなどを除去するために行われる処理によって、画素数があるしきい値よ
りも小さい画像成分が除去されてしまうことによる検出誤差を排除して、蛋白質結晶を小サイズの結晶を含めて高い精度で検出することができる。
本発明の蛋白質結晶検出方法は、蛋白質結晶を小サイズの結晶を含めて高い精度で検出することができるという効果を有し、生化学分野などにおいて蛋白質の構造解析に先立って行われる蛋白質結晶化処理において有用である。
本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの斜視図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの部分断面図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出装置に使用される結晶化プレートの拡大部分断面図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法を示すフロー図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における結晶化判定処理を示すフロー図 (a)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶画像を示す図(b)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶特徴画像を示す図 (a)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶画像を示す図(b)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶特徴画像を示す図 (a)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶画像を示す図(b)本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶特徴画像を示す図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶の密集度判定処理の説明図 本発明の一実施の形態の蛋白質結晶検出方法における蛋白質結晶の密集度判定処理の説明図
符号の説明
1 蛋白質結晶検出装置
2 観察部
4 結晶化プレート
4a ウェル
6 カメラ
13 蛋白質溶液
14 結晶化溶液
21 大型結晶
21a エッジ抽出画像
22 小型結晶
22a エッジ抽出画像

Claims (8)

  1. 蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより前記液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出方法であって、
    前記原画像を取得し、
    前記原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を行い、
    前記特徴画像において前記特徴部分に該当する画素の塊を認識し、
    前記認識した塊のサイズを検出し、
    前記検出されたサイズに基づいてこの塊を包含する閉領域を判定領域として設定し、
    前記判定領域内の全画素に対する前記特徴部分に該当する画素の割合を求め、
    前記塊のサイズが所定サイズ以上であり、且つ前記割合が所定割合以上であれば結晶ありと判断することを特徴とする蛋白質結晶検出方法。
  2. 前記特徴部分が結晶のエッジであり、前記画像処理が前記エッジを抽出するエッジ抽出処理であることを特徴とする請求項1記載の蛋白質結晶検出方法。
  3. 前記塊に外接して設定された矩形枠のサイズを前記塊のサイズとして検出することを特徴とする請求項1または2記載の蛋白質結晶検出方法。
  4. 前記矩形枠のサイズに基づいて、前記判定領域のサイズを設定することを特徴とする請求項3記載の蛋白質結晶検出方法。
  5. 蛋白質溶液の液滴を撮像した原画像を画像認識することにより前記液滴に含まれる蛋白質結晶を検出する蛋白質結晶検出方法であって、
    前記原画像を取得し、
    前記原画像から蛋白質結晶の特徴部分に該当する画素を強調した結晶特徴画像を得る画像処理を行い、
    前記結晶特徴画像において前記特徴部分に該当する画素の塊を認識し、
    前記塊のうち最も大きな塊の画素数をカウントし、
    前記結晶特徴画像に含まれる前記特徴部分に該当する画素の総数をカウントし、
    最も大きな塊の画素数が所定の画素数以下であり、且つ前記総数が所定の範囲であれば前記認識した塊のサイズを検出し、
    前記検出されたサイズに基づいてこの塊を包含する判定領域を設定し、
    この判定領域内における前記特徴部分に該当する画素の割合を求め、
    前記塊のサイズが所定のサイズ以上であり、且つ前記割合が所定の割合以上であれば結晶ありと判断することを特徴とする蛋白質結晶検出方法。
  6. 前記特徴部分が結晶のエッジであり、前記画像処理が前記エッジを抽出するエッジ抽出処理であることを特徴とする請求項5記載の蛋白質結晶検出方法。
  7. 前記塊に外接して設定された矩形枠の大きさを前記塊のサイズとして検出することを特徴とする請求項5または6記載の蛋白質結晶検出方法。
  8. 前記矩形枠のサイズに基づいて、前記判定領域のサイズを設定することを特徴とする請求項7記載の蛋白質結晶検出方法。
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