JP2007129755A - マルチキャリア通信におけるキャリア位相のランダム化によるpar(ピーク対平均値パワー比)の低減 - Google Patents
マルチキャリア通信におけるキャリア位相のランダム化によるpar(ピーク対平均値パワー比)の低減 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】送信信号のピーク対平均値パワー比を低減させるマルチキャリア通信システムに関する。
【解決手段】各キャリア信号の位相特性をスクランブルすることには、値を各キャリア信号に関連づけるとともに、当該キャリア信号に関連づけられた前記値に基づいて各キャリア信号の位相変位を算出することも含まれる。かかる値は、当該キャリア信号によって搬送されたいずれの入力ビット値からも独立して決定される。各キャリア信号のために算出された位相変位は、前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするよう、当該キャリア信号の位相特性と結合される。入力信号のビットは、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を有する送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有する前記キャリア信号上に変調される。
【選択図】図1
【解決手段】各キャリア信号の位相特性をスクランブルすることには、値を各キャリア信号に関連づけるとともに、当該キャリア信号に関連づけられた前記値に基づいて各キャリア信号の位相変位を算出することも含まれる。かかる値は、当該キャリア信号によって搬送されたいずれの入力ビット値からも独立して決定される。各キャリア信号のために算出された位相変位は、前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするよう、当該キャリア信号の位相特性と結合される。入力信号のビットは、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を有する送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有する前記キャリア信号上に変調される。
【選択図】図1
Description
本明細書は、同時係属中であってその全体が参照のために取り込まれる1999年11月10日出願の米国仮特許出願番号60/164、543、発明の名称”マルチキャリアシステムにおけるデータレートを向上させるタイムダイバーシテイ方法”の出願日の利益を主張する。
本発明は、マルチキャリア変調を用いた通信システムに関する。特に、本発明は、送信信号のピーク対平均値パワー比を低減させるマルチキャリア通信システムに関する。
従来のマルチキャリア通信において、送信機は、通信チャネルを介し、マルチチャネル変調又は分離マルチトーン変換(DMT)を用いることにより通信を行っている。通信チャネルの使用可能な周波数帯域内に配されたキャリア信号(キャリア)又はサブチャネルは、システムのシンボル(すなわち、ブロック)送信(symbol transmission)レートで変調される。入力データビットを含む入力信号は、DMTモデム等のDMT送信機に送信される。かかるDMT送信機は、通常、タイムドメイン信号、すなわち、入力信号を表わす送信信号を生成するために、逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて、位相特性、すなわち、位相およびキャリア信号の振幅を変調する。DMT送信機は、通信チャネルを介し、複数のキャリアを直線状に組み合わせた前記送信信号を、DMT受信機に対して送信する。
入力データビットの任意順の変換結果として得られる位相および振幅は、送信情報を含むので、DMT送信信号のキャリア信号の位相および振幅はランダムであると考えられる。したがって、変調済みデータビットがランダムである場合、かかるDMT送信信号を、ガウス確率分布を有するものとみなすことができる。送信データビットがランダムであること、ならびに、かかるビットを変調することによりガウス確率分布が生成されることを確認するため、当該ビットが変調される前に入力データビットをスクランブルするため、DMT送信機においてビットスクランブラーが多用される。
キャリア又はサブチャネルに対して適切な送信パワーを割り当てることにより、当該システムは、所望の性能を発揮することが可能となる。また、ピーク対平均値比(PAR)すなわち、ピーク対平均値パワー比の低い送信信号を送信するためには、ガウス確率分布を有する送信信号を生成する必要がある。送信信号のPARは、信号諸元(例えば、電圧、電流、位相、周波数、電力)の時間平均値に対する前記信号諸元の瞬間的なピーク値(すなわち、最大振幅)である。DMTシステムにおいて、送信信号のPARは、一定数のシンボルが要求される時間間隔中に、前記ランダムな送信信号が一定のピーク電圧に達する確率によって決定される。DMT送信機から送信される送信信号のPARが、例えば、1E-7のクリッピング(clipping)の可能性を有するのと等しい14.5dBであるとする。信号のPARは、通信システムの総消費電力およびシステムのコンポーネント・リニアリテイー(componnet liearity)条件に影響を及ぼすので、DMT通信システムにおいて送受信された送信信号のPARは、DMT通信システムの設計に関して重視すべき事項である。
変調されたキャリアの位相がランダムでない場合には、PARを大幅に上昇させるようにしてもよい。変調されたキャリアの位相がランダムでない場合の例としては、以下のものがある。かかる場合としては、ビットスクバンブラーが用いられない場合、同じ入力データビットを変調するためにマルチキャリア信号が用いられる場合、および、変調用に用いられるキャリア信号の位相に対する入力データビットの写像(マッピング)であるコンステレーションマップが十分にランダムでない(すなわち、データビットの値0が、DMTキャリア信号の90度の位相特性に相当するとともに、データビットの値0がDMTキャリア信号の−90度の位相特性に相当する)場合がある。しかし、PARが上昇することにより、システムの電力消費が上昇し、及び/又は送信信号が欠落(clipping)する可能性が高くなってしまう。したがって、送信信号に低PARを提供するため、変調されたキャリア信号を効率的に変換することのできるシステムおよび方法が要望される。
本発明は、送信信号中の変調済キャリア信号の位相特性をスクランブルするシステムおよび方法に関する。ある側面において、ある値は、各キャリア信号に関連づけられている。位相変位は、各キャリア信号に関連付けられた当該値に基づいて各キャリア信号ごとに算出される。かかる値は、当該キャリア信号によって搬送されたいずれの入力ビット値からも独立して決定される。各キャリア信号用に算出された位相変位は、前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするため、当該キャリア信号の位相特性と結合される。
ある実施形態において、入力ビットストリームは、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を有する送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有する前記キャリア信号上に変調される。前記値は、乱数発生器、キャリア数、DMTシンボルのカウント数、スーパーフレームのカウント数、およびハイパーフレームのカウント数等の所定のパラメーターから得られる。また、他の実施形態においては、前記送信信号の振幅が一定のレベルを超えた場合に、所定の送信信号が送信される。
他の側面において、本発明は、各キャリア信号に、ある値を関連づける方法に関する。当該値は、当該キャリア信号によって搬送されたいずれの入力ビット値からも独立して決定される。各キャリア信号の位相変位は、当該キャリア信号と関連づけられた前記値に基づいて算出される。送信信号は、各キャリア信号用に算出された位相変位を用いて復調される。
他の側面において、本発明は、関連づけられた値に基づいて各キャリア信号の位相変位を算出する位相スクランブラーを備えたシステムに関する。また、当該位相スクランブラーは、前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするため、各キャリア信号用に算出された前記位相変位と当該キャリア信号の位相特性を結合する。ある実施形態において、変調器は、前記位相位相スクランブラーと通信し、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を有する送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有するキャリア信号上に入力信号のビットを変調する。
図1は、複数のキャリア信号を有する通信信号38を用いることにより、通信チャネル18を介して遠隔トランシーバー14と通信を行う分離マルチトーン(DMT)トランシーバー10を含むデジタル加入者線(DSL)通信システム2を示している。かかるDMTトランシーバー10は、DMT送信機22およびDMT受信機26を備えている。遠隔トランシーバー14は、送信機30および受信機34を備えている。ここでは分離マルチトーン変調について説明しているが、本発明の原理は、これらに限定されることはなく、直交多重振幅変調(OQAM)、DWMT(ディスクリート・ウェーブレット・マルチトーン)変調および、直交周波数分割多重(OFDM)等にも適用可能である。
通信チャネル18は、DMT送信機22から遠隔受信機34への下流方向への通信経路、および、遠隔送信機30からDMT受信機26への上流方向への通信経路を提供する。ある実施形態において、通信チャネル18は、電話加入者線のツイストペアである。他の実施形態において、通信チャネル18は、光ファイバー線、ツイスト線の二つのペアから構成されるクワッドケーブル、又は星形クワッドケーブルの一つであるクワッドケーブル、デイーゼルホーストーマーチンクワッド(Dieselhorst-Martin quad)ケーブル等であってもよい。無線通信システムの場合、トランシーバー10、14は、無線モデムであり、通信チャネル18は、それを介して送信信号38がトランシーバー10、14間で伝達される空気である。
ほんの一例として図1に示すDMT送信機22は、直交振幅変調(QAM)エンコーダー42、変調器46、ビット割り当てテーブル(BAT)44,位相スクランブラー66を含んでいる。DMT送信機22は、以下で説明するようにビットスクランブラー74を含んでいても良い。遠隔トランシーバー14の遠隔送信機30は、DMT送信機22と同じ部品を備えている。本実施形態は、DMT送信機22の詳細について述べているが、本発明のコンセプトは、DMT送信機22と同様の部品を備える受信機34、26にも適用することができるが、その場合、逆の機能を逆の順序で実行する。
QAMエンコーダー42は、入力シリアルデータビットストリーム54を受信するための一の入力端と、QAMエンコーダー42によってビットストリーム54によって生成されたQAMシンボル58を送信するための複数のパラレル出力端を有している。通常、QAMエンコーダー42は、タイムドメイン中の入力シリアビットストリ−ム54を周波数ドメイン中のパラレルQAMシンボル58中にマップする。特に、QAMエンコーダー42は、入力シリアビットストリ−ム54をN個の直交振幅変調(QAM)コンステレーションポイント58、すなわち、QAMシンボル58にマップする。ここで、Nは、変調器46によって生成されたキャリア信号の数を表している。BAT44は、各キャリア信号によって搬送されるビット数を特定するためQAMエンコーダー42と交信している。QAMシンボル58は、各キャリア信号の振幅および位相特性を表している。
変調器46は、DMT変調に関する機能を提供するとともに、QAMシンボル58を、それぞれが複数のタイムドメインサンプルから構成されるDMTシンボル70に変換する。この変調器46は、各キャリア信号を異なるQAMシンボル58を用いて変調する。かかる変調の結果、キャリア信号は、QAMシンボル58に基づく、つまり、入力ビットストリーム54に基づく位相および振幅特性を有することになる。特に、変調器46は、QAMシンボル58を一連のDMTシンボル70から構成される送信信号38に変換するため、逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いる。当該変調器46は、キャリア信号の変調を通じてQAMシンボル58をDMTシンボル70に変換する。他の実施形態において、変調器46は、逆分離フーリエ変換(IDFT)を用いてQAMシンボル58をDMTシンボル70に変換する。ある実施形態において、遠隔受信機34におけるキャリア信号のコーヒーレント復調用の参照信号を提供するため、送信信号38の受信中、送信信号38にパイロットトーンが含まれる。
変調器46は、また、各QAM変調キャリア信号のために算出された位相変位とそのキャリア信号の位相特性とを結合する位相スクランブラ66を備えている。本発明の原理に基づいて位相変位と位相特性を結合することにより、送信信号38中のキャリア信号の位相特性を実質的にスクランブルすることになる。キャリア信号の位相特性をスクランブルすることによって、その結果生じた送信信号38は、ほぼ最小化されたピーク対平均値比(PAR)を有することになる。位相スクランブラ66は、変調器46の一部であっても、その外部に設けてもよい。位相スクランブラ66の他の実施形態としては、これらに限定されることはないが、ローカルメモリ中に記憶されたソフトウエアプログラムであって、変調器46上で実行されるもの、数学的機能およびアルゴリズムが実行可能なデジタル信号処理器(DSP)等が含まれる。遠隔受信機34も同様に、DMT送信機22トランシーバー10の位相スクランブラー66によって既にその位相特性を調整されたキャリア信号の復調用に用いる位相スクランブラー66’を備えている。
各キャリア信号の位相変位を算出するため、位相スクランブラー66は、一以上の値をそのキャリア信号と関連づける。位相スクランブラー66は、QAMシンボル58とは別に、すなわち、キャリア信号上に変調されたビット値とは独立して、キャリア信号の各値を決定する。位相スクランブラー66が各キャリア信号に関連づける実際の値は、疑似−乱数発生器(pseudo-random number generator, pseudo-RNG)、DMTキャリアの数、DMTシンボルのカウント数、DMTスーパーフレームのカウント数、DMTハイパーフレームのカウント数、等の一以上の所定のパラメーターから得ることができる。DMT送信機22および遠隔受信機34では、各値を作り出すために用いられる技術に拘わらず与えられたキャリア信号に関連づけられた値が通信チャネル18の両側で検出することができるよう、同じ技術が用いられる。
次に、位相スクランブラー66は、キャリア信号の位相変位を算出するため、当該キャリア信号に関連づけられた値を式の結果に影響を及ぼす入力として用いることにより、所定の式を解く。位相変位の算出に適した式であればどのような式でも相変位の算出に用いることができる。当該式が、入力シリアルビットストリーム54のビット値に影響されない場合、算出された位相変位もかかるビット値とは独立している。
ある実施形態において(破線で示している)、DMT送信機22は、入力シリアルビットストリーム54を受信するとともに、実質的に変調されたデータビット76を出力するビットスクランブラー74を備えている。実質的に変調されたビット76は、次に、QAMエンコーダー42に引き渡される。ビットスクランブラー74がDMT送信機22に含まれている場合、位相スクランブラー66の動作により、送信信号38がガウス確率分布を有することをより確実にし、これにより、PARをほぼ最小化する。
図2は、送信信号38を生成するため、各キャリア信号の位相特性を調整するとともに、かかるキャリア信号を結合させるDMT送信機22において用いられるプロセスの実施形態を示している。このDMT送信機22は、キャリア信号に関連づけられた値を生成する(ステップ100)。当該値は、キャリア信号の位相特性を変更するのに用いられているので、DMT送信機22および遠隔受信機34の双方は、キャリア信号に関連づけられている値を認識しなければならない。DMT送信機22および遠隔受信機34のいずれかが、関連づけられた値を独立して得るか、又は、片方が他方に対して関連づけられた値を知らせる。例えば、ある実施形態において、DMT送信機22は、疑似−乱数発生器(pseudo-RNG)から値を得、次に、生成された値を遠隔受信機34に送信する。他の実施形態において、遠隔受信機3は、同じ疑似−乱数発生器(pseudo-RNG)および送信機が使用したのと同じシード(same seed)から(すなわち、送信機の疑似−乱数発生器は、受信機の疑似−乱数発生器と同じ一連の乱数を発生させる)前記値を得る。
他の実施形態として、DMT送信機22および遠隔受信機34は、それぞれ、DMTシンボルを数えるためのシンボルカウンタを維持することができる。DMT送信機22は、DMTシンボルを送信し、遠隔受信機34がそれを受信すると、自身のシンボルカウント数を増加させる。これにより、DMT送信機22および遠隔受信機34の両方がシンボルカウントを位相変位算出用の値として用いる場合、DMT送信機22および遠隔受信機34の双方は、かかる値が特定のDMTシンボルに関連づけられているとともに、当該DMTシンボルの各キャリア信号を伴うことを”知って”いる。
他の種類の所定パラメーターからも値を得ることができる。例えば、所定パラメーターが、DMTキャリア数であった場合には、特定のキャリア信号に関連づけられた値は、DMT信号中の当該信号のキャリア数である。キャリア信号の数は、DMTシンボル中の他のキャリア信号の周波数に対する当該キャリア信号の周波数の位置を表している。例えば、ある実施形態において、DSL通信システム2は、おのおのが4.3125KHzの周波数で分割された256個のキャリア信号であって、0kHzから1104kHzまで広がる周波数帯域を有するものを準備する。ここで、DMT送信機22は、0から255まで番号をつける。したがって、”DMTキャリア数50”は、215.625kHz(すなわち、51X4.3125kHz)の周波数に位置する51番目のDMTキャリア信号であることを表す。
再度述べるが、DMT送信機22および遠隔受信機34の両方が、値とキャリア信号との関連性(value--carrier signal association)を作るために同じ所定パラメーター(ここでは、DMTキャリア数)を用いているので、DMT送信機22および遠隔受信機34は、キャリア信号に関連づけられた値を知ることができる。他の実施形態において(送信機の疑似−乱数発生器とともに上記に例示されたように)、DMT送信機22は、通信チャネル18を介して当該値を遠隔受信機34に(又はその逆に)送信することができる。
他の実施形態において、シンボルのカウントと関連する他の所定パラメーターを用いることができる。かかる所定パラメーターの一例としては、69個のDMTシンボル毎に増加するスーパーフレームカウンタがある。スーパーフレームカウンタを実現する代表的な例としては、シンボルカウントに対してモジュロ68演算(modulo 68 operation on the symbol count)を実行することである。他の例として、DMT送信機22は、ハイパーフレームを数えるためにハイパーフレームカウンタを維持してもよい。ハイパーフレームカウントを実現する代表的な例としては、スーパーフレームカウントに対してモジュロ255演算を実行することである。このように、ハイパーフレームカウントは、スーパフレームカウントが255に達するたびに1だけ増加する。
その結果、いくつかの所定パラメーターは、キャリア信号ごとに変化する値を生成するように思われる。例えば、前記所定パラメーターがDMTキャリア数である場合、キャリア信号の周波数に基づいて値が変化する。他の例としては、各キャリア信号用に疑似−乱数発生器が新たな乱数を発生させる。
他の所定パラメーターは、DMTシンボル70毎に変化する値を生成する。例えば、所定パラメーターがシンボルカウント、スーパーフレームカウント、あるいはハイパーフレームカウントである場合、関連するシンボル、スーパーフレーム又はハイパーフレーム中のDMTシンボル70の数値上の位置(numerical position)によって値が変化する。疑似−乱数発生器、シンボルカウント、スーパーフレームカウント、およびスーパーフレーム等の所定パラメーターも、時間によって値が変化するパラメーターとして知られている。与えられたキャリア信号の位相変位を算出する式に代入する値は、所定パラメーターの一又はその組み合わせにより与えられる。
ある実施形態において、DMTシンボル70上の送信信号38のクリッピングを回避するため、1つのDMTシンボル70づつ(on a DMT symbol 70 by DMT symbol 70 basis)位相スクランブルが用いられる。本実施形態において、DMT送信機22は、位相変位を算出するために、シンボルカウント等の時間によって変化する所定パラメーターに基づいた値を使用している。キャリア信号に関連して変化する他の種類の所定パラメーターを用いることによっても本発明の原理を実施することが可能であることが理解されよう。上述のように、トランシーバー10、14は、キャリア信号の変調および復調の同期をとるため、その値をお互いにやりとりするようにしてもよい(ステップ 110)。
次に、DMT送信機22は、各キャリア信号の位相特性を調整するのに用いられる位相変位を算出する(ステップ 115)。各QAMー変調済キャリア信号の位相特性と結合される位相変位の量は、用いられる式および当該キャリア信号に関連づけられた一以上の値によって変化する。
次に、DMT送信機22は、各キャリア信号用に算出された位相変位を当該キャリア信号の位相特性と結合する(ステップ 120)。キャリア信号の位相特性をスクランブルすることにより、位相スクランブラー66は、複数のキャリア信号の結合PAR(未スクランブルの位相特性に関する)、すなわち、送信信号38のPARを低減させる。以下の三つの位相変化の例、PS#1からPS#3は、算出された位相変位を各キャリア信号の位相特性に結合させるため、位相スクランブラー66によって用いられた方法を示している。
位相変位の例#1
位相変位例#1は、Nxπ/3、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。この例では、キャリア番号Nが50とすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、50xπ/3(mod2π)=2/3πを加えた位相変位を有することになる。キャリア番号Nが51とすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、51xπ/3(mod2π)=πを加えた位相変位を有することになる。キャリア番号Nが0である場合、そのキャリア信号の位相特性に位相変位が加えられることはない。
位相変位例#1は、Nxπ/3、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。この例では、キャリア番号Nが50とすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、50xπ/3(mod2π)=2/3πを加えた位相変位を有することになる。キャリア番号Nが51とすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、51xπ/3(mod2π)=πを加えた位相変位を有することになる。キャリア番号Nが0である場合、そのキャリア信号の位相特性に位相変位が加えられることはない。
位相変位の例#2
位相変位例#2は、(N+M)xπ/4、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことであり、Mは、シンボルカウント数である。この例では、キャリア番号Nが50であって、DMTシンボルカウントMが8であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(50+8)xπ/4(mod2π)=π/2を加えた位相変位を有することになる。また、キャリア番号Nが50であって、DMTシンボルカウントMが9であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(50+9)xπ/4(mod2π)=3π/4を加えた位相変位を有することになる。
位相変位例#2は、(N+M)xπ/4、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことであり、Mは、シンボルカウント数である。この例では、キャリア番号Nが50であって、DMTシンボルカウントMが8であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(50+8)xπ/4(mod2π)=π/2を加えた位相変位を有することになる。また、キャリア番号Nが50であって、DMTシンボルカウントMが9であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(50+9)xπ/4(mod2π)=3π/4を加えた位相変位を有することになる。
位相変位の例#3
位相変位例#3は、(XN)xπ/6、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。ここで、XN は、N個の疑似乱数集まりである。この例では、キャリア番号Nが5であって、XNが[3、8、1、4、9、5、・・・」であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(9)xπ/6(mod2π)=π/3を加えた位相特性を有することになる。(ここで、9は、XN の第5番目の値であることに注意すること)。キャリア番号Nが6であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(5)xπ/6(mod2π)=5π/3を加えた位相変位有することになる。
位相変位例#3は、(XN)xπ/6、モジュロ(mod)2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。ここで、XN は、N個の疑似乱数集まりである。この例では、キャリア番号Nが5であって、XNが[3、8、1、4、9、5、・・・」であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(9)xπ/6(mod2π)=π/3を加えた位相特性を有することになる。(ここで、9は、XN の第5番目の値であることに注意すること)。キャリア番号Nが6であるとすると、そのキャリア信号は、その位相特性に、(5)xπ/6(mod2π)=5π/3を加えた位相変位有することになる。
位相変位例#3は、位相スクランブラー66によって付加的および/または別の位相変化技術を用いてもよく、また、PS#1、PS#2およびPS#3は、本発明の原理を示した単なる例示にすぎない、ということが理解される。次に、DMT送信機22は、送信信号38を形成するために、キャリア信号同士を結合させる(ステップ 130)。かかる送信信号が以下に述べるようにクリッピングされていなければ、DMT送信機22は、続いて、当該送信信号38を遠隔受信機34に送信する(ステップ 160)。
送信信号のクリッピング
高い電圧ピーク値(すなわち、高PAR)を有する送信信号38によって、DMT送信機22および通信チャネル18中に非線形歪みを誘起させることが可能となる。こうして生じ得る送信信号38の非線形歪みの一例としては、送信信号38の振幅制限(つまり、クリッピング)がある。例えば、DMTシンボル70中の一以上のタイムドメインサンプルが、DMT70用に許容される最大デジタル値よりも大きい場合、特定のDMTシンボル70は、タイムドメイン内になるよう上限がかけられる。マルチキャリア通信システムにおいて、クリッピングがなされると、送信信号38は、入力シリアルデータビット信号54を正確に表さなくなってしまう。
高い電圧ピーク値(すなわち、高PAR)を有する送信信号38によって、DMT送信機22および通信チャネル18中に非線形歪みを誘起させることが可能となる。こうして生じ得る送信信号38の非線形歪みの一例としては、送信信号38の振幅制限(つまり、クリッピング)がある。例えば、DMTシンボル70中の一以上のタイムドメインサンプルが、DMT70用に許容される最大デジタル値よりも大きい場合、特定のDMTシンボル70は、タイムドメイン内になるよう上限がかけられる。マルチキャリア通信システムにおいて、クリッピングがなされると、送信信号38は、入力シリアルデータビット信号54を正確に表さなくなってしまう。
ある実施形態において、DSL通信システム2は、送信信号38のクリッピングを1つのDMTシンボル70づつ(on a DMT symbol 70 by DMT symbol 70 basis)回避する。DMT送信機22は、送信信号38のクリッピングを検出する(ステップ 140)。クリッピングされた送信信号38を生成するため、タイムドメイン内になるよう特定のDMTシンボル70に上限がかけられた場合、DMT送信機22は、所定の送信信号78をクリッピングされた送信信号38の代わりに置き換える(ステップ 150)。
所定の送信信号78は、DMT送信機22と遠隔受信機34間のシンボルのタイミングを維持するため、DMT70と同じ時間間隔(例えば、250ミリセカンド)を有している。所定の送信信号78は、入力シリアルデータビット信号54に基づいて(別個に)生成されたものではなく、遠隔受信機34によって代替信号であると識別されるビット値のパターンである。ある実施形態において、所定の送信信号78は、遠隔受信機34によって容易に検出される既知の擬似ランダム列パターン(pseudo-random sequence pattern)である。他の実施形態において、所定の送信信号78は、DMT送信機22の出力において作られたゼロ電圧信号(すなわち、全てのキャリア信号上に変調されたゼロボルト)である”全てがゼロ”の信号である。遠隔受信機34による簡単な検出に加え、電圧がゼロボルトの信号を使用することで、DMT送信機22の電力消費が低減される。また、所定の送信信号78の受信中、遠隔受信機34におけるキャリア信号の干渉復調(coherent demodulation)用の参照信号を提供するため、当該所定送信信号78にパイロットトーンが含まれている。
遠隔受信機34が送信信号38を受信した後、遠隔受信機34は、送信信号38が所定の送信信号78と同じであるか否かを判断する。ある実施形態において、遠隔受信機34が送信信号78と同じであると認識した場合、遠隔受信機34は送信信号78を無視(すなわち、廃棄)する。
所定送信信号78の送信に続き、位相スクランブラー66は、QAMー変調キャリア信号の位相特性を(時間経過によって変化する所定のパラメーターの一つに基づいて)変更する(ステップ 120)。例えば、QAMシンボル58のセットが、複数のタイムドメインサンプルを備えたDMTシンボル70を作り出しており、そのタイムドメインの一つが、DMTシンボル70に許容される最大のデジタル値よりも大きいと仮定する。したがって、遠隔受信機34に対して送信がなされる場合、送信信号38がクリッピングされるので、DMT送信機22は、代わりに所定の送信信号78を送信する。
所定送信信号78の送信を行った後、DMT送信機22は、次のDMTシンボル70’中でクリッピングされた送信信号38を生成させる原因となったビット値をもう一度送信しようと試みる。本実施形態において、位相変位は、時間経過とともに変化する値に基づいて行われるので、次のDMTシンボル70’用に算出された位相変位は、以前にDMTシンボル70用に算出されたクリッピング済みのタイムドメインを伴うものとは異なる。かかる異なった位相変位は、クリッピング済みのタイムドメインを伴うDMTシンボル70のキャリア信号とは異なる位相特性を有する次のDMTシンボル70’のキャリア信号を作り出するため、変調済みキャリア信号の位相特性と結合される。
DMT通信システム2は、クリッピング(例えば、107 個のタイムドメインサンプル70毎に約1回のクリッピング)を実行する通信信号38を、時々生成する。しかし、次のDMTシンボル70’が、クリッピングを実行するタイムドメインサンプルを一つでも含んでいた場合には、クリッピングされた送信信号38の代わりに所定送信信号78が遠隔受信機34に再び送信される(ステップ 150)。クリッピングされたタイムドメインサンプルは、以前にクリッピングされたDMTシンボル70と同じ又は異なるキャリア信号上に存在してもよい。DMT送信機22は、自身がクリッピングされていない次のDMTシンボル70’を生成するまで、所定送信信号78を送信し続ける。DMT送信機22がクリッピングされていないDMTシンボル70’を生成すると、DMT送信機22は、送信信号38を遠隔受信機34に送信する(ステップ 160)。DMTシンボル70に対応する送信信号38がタイムドメイン中にクリッピングされる送確率は、送信信号38のPARに基づいて決定される。
例えば、以下の位相変位例、PST#4は、送信信号38のクリッピングを回避する目的で異なる移動変位を各キャリア信号の位相特性に結合するため、位相スクランブラー66によって用いられた方法を示している。
位相変位の例#4
位相変位例#4(PS#4)は、π/3x、mod2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。ここで、Mは、DMTシンボルにカウント数である。この例では、DMTシンボルのカウント数が5の際に、DMTシンボル70がクリッピングされると、現在クリッピングされている送信信号38の代わりに、所定送信信号78が送信される。DMTシンボル70および70’のいずれをも生成するために用いられたQAMシンボル58は同じであるが、DMTシンボルの期間の後、DMTカウントMは6となり、これにより、次のDMTシンボル70’用に異なるタイムドメインサンプルのセットが生成される。
位相変位例#4(PS#4)は、π/3x、mod2πによってキャリア番号Nに関連づけられているQAMー変調信号の位相特性を調整するのと同じことである。ここで、Mは、DMTシンボルにカウント数である。この例では、DMTシンボルのカウント数が5の際に、DMTシンボル70がクリッピングされると、現在クリッピングされている送信信号38の代わりに、所定送信信号78が送信される。DMTシンボル70および70’のいずれをも生成するために用いられたQAMシンボル58は同じであるが、DMTシンボルの期間の後、DMTカウントMは6となり、これにより、次のDMTシンボル70’用に異なるタイムドメインサンプルのセットが生成される。
この異なるセットのタイムドメインサンプル(したがって、送信信号38)がクリッピングされていない場合、DMT送信機22は、送信信号38を送信する。タイムドメインサンプル70の異なるセット中のタイムドメインサンプルの一つ(したがって、送信信号38)がクリッピングされている場合、DMT送信機22は、所定送信信号78を再度送信する。クリッピングされたタイムドメインサンプルなしでDMTシンボル70が生成されるまで、処理が続けられる。ある実施形態において、所定数のクリッピング済みDMTシンボル70’を生成した後、送信機22は、QAMシンボル58の特性セット用に非クリッピングDMTシンボル70’を生成しようとするのを中止する。この時、送信機22は、もっとも新しく生成されたクリッピング済みDMTシンボル70’または所定送信信号78のいずれかを送信することができる。
DMTシンボル70がクリッピングされた場合、送信信号38の代わりに所定送信信号78が送信されるので、DSL通信システム2のPARは低減される。例えば、タイムドメイン送信信号38のクリッピング確率が通常は10−7 であるDMT通信システム2は、そのクリッッピング確率が10−5 、下限が12.8dBという低いPAR(14.5dBと比較すると)で動作する。10−5のクリッッピング確率で操作すると、DMTシンボル70は、512個のタイムドメインサンプル70を有すると推測され、DMT送信機22は、105/512個、すなわち195個のDMTシンボル70毎に、1のクリッピング済みDMTシンボルを経験する。これにより、所定の(データを搬送しない)送信信号78が、195個のDMTシンボル毎に、平均して1回送信される。クリッッピング確率を10−5まで増加させることにより、スループプットが約0.5%(1/195)低下するが、送信信号38のPARは、電力消費およびコンポーネント・リニアリテイーという形で送信機の複雑さを低減させる1.7dBだけ低減される。
本発明を、特定の好ましい実施の形態を参照して示し、かつ説明したが、形態および詳細における種々の変更が、以下の特許請求の範囲によって明確にされた本発明の精神と範囲から逸脱することなく、なされ得ることは、当業者であれば理解するであろう。例えば、本明細書においては、DSLを用いて発明を説明したが、さまざまな方式のDSL、例えば、ADSL、VDSL,SDSL、HDSL、HDSL2またはSHDSLも使用できることが理解されよう。本発明の原理は、DSLシステムを介して運ばれるアプリケーションのいかなる組合せ(例えば、在宅勤務、ビデオ会議、高速インターネットアクセス、ビデオオンデマンド)にも適用されることは言うまでもない。
本発明は、添付した特許請求の範囲によって詳細に特定される。上記で説明した本発明の効果だけでなく、本発明の更なる効果も、添付図面に関連する以下の説明を参照することによって、より深く理解することができる。
図1は、遠隔トランシーバーと交信するDMT(deiscrete multitone modulation)トランシーバーを含み、キャリア信号の位相特性を実質的にスクランブルする位相スクランブラーを有するデジタル加入者線通信システムの一実施形態のブロック図である。
図2は、送信信号中のキャリア信号の位相特性をスクランブルするプロセスの一実施形態のフロー図である。
Claims (39)
- 入力ビットストリームを変調するための複数のキャリア信号であって、各キャリア信号が入力ビットストリームと関連づけられた位相特性を有するものを備えた送信信号を用いて第2トランシーバーと通信を行う第1トランシーバー、を備えたマルチキャリア変調システムにおいて前記キャリア信号の前記位相特性をスクランブルする方法であって、
各キャリア信号と、当該キャリア信号によって搬送されたいずれかの入力ビット値から独立して決定された値と、を関連づけるステップ、
当該キャリア信号に関連づけられた前記値に基づいて、各キャリア信号の位相変位を算出するステップ、および、
前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするよう、各キャリア信号のために算出された前記位相変位と当該キャリア信号の位相特性を結合するステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を有する送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有する前記キャリア信号上に、前記入力ビットストリームのビットを変調するステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、各トランシーバーにおいて、各キャリア信号と関連づけられた前記値を独立して得るステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、各キャリア信号と関連づけられた前記値を、一のトランシーバーから他のトランシーバーに送信するステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、各キャリア信号と関連づけられた前記値を用いるトランシーバー間の同期を維持するステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、前記値は、各キャリア信号とともに変化すること、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、前記値は、各DMTシンボルとともに変化すること、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、前記値は、所定のパラメーターから得られること、
を特徴とするもの。 - 請求項8の方法において、前記所定パラメーターは、キャリア数であること、
を特徴とするもの。 - 請求項8の方法において、前記所定パラメーターは、シンボルのカウント数(symbol count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項8の方法において、前記所定パラメーターは、ハイパーフレームのカウント数(hyperframe count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項8の方法において、前記所定パラメーターは、スーパーフレームのカウント数(superframe count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、前記入力ビットストリームの前記ビットをスクランブルするステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項1の方法において、さらに、前記送信信号の振幅が、一定のレベルを超えた場合に、所定の送信信号を送信するステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項14の方法において、前記所定の送信信号は、所定パターンのビットを備えていること、
を特徴とするもの。 - 請求項14の方法において、前記所定の送信信号は、パイロットトーンを備えていること、
を特徴とするもの。 - 請求項16の方法において、前記パイロットトーンは、前記第1トランシーバーと前記第2トランシーバー間の同期タイミングを維持するために用いられること、
を特徴とするもの。 - 請求項15の方法において、前記所定パターンのビット中の各ビット値は、ゼロであること、
を特徴とするもの。 - 請求項15の方法において、前記所定パターンのビットは、擬似ランダム列パターン(pseudo-random sequence pattern)であること、
を特徴とするもの。 - 入力ビットストリームを変調するための複数のキャリア信号であって、各キャリア信号が入力ビットストリームを伴う位相特性を有するものを備えた送信信号を用いて第2トランシーバーと通信を行う第1トランシーバー、を備えたマルチキャリア変調システムにおいて前記キャリア信号の前記位相特性をスクランブルする方法であって、
各キャリア信号と、当該キャリア信号によって搬送されたいずれかの入力ビット値から独立して決定された値と、を関連づけるステップ、
当該キャリア信号に関連づけられた前記値に基づいて各キャリア信号の位相変位を算出するステップ、および、
各キャリア信号のために算出された前記位相変位を用いて前記送信信号を復調するステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、さらに、各トランシーバーにおいて、各キャリア信号と関連づけられた前記値を独立して得るステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、さらに、各キャリア信号と関連づけられた前記値を、一のトランシーバーから他のトランシーバーに送信するステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、さらに、各キャリア信号と関連づけられた前記値を用いるトランシーバー間の同期を維持するステップを備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、前記値は、各キャリア信号とともに変化すること、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、前記値は、各DMTシンボルとともに変化すること、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、前記値は、所定のパラメーターから得られること、
を特徴とするもの。 - 請求項26の方法において、前記所定パラメーターは、キャリア数であること、
を特徴とするもの。 - 請求項26の方法において、前記所定パラメーターは、シンボルのカウント数(symbol count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項26の方法において、前記所定パラメーターは、ハイパーフレームのカウント数(hyperframe count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項26の方法において、前記所定パラメーターは、スーパーフレームのカウント数(superframe count)であること、
を特徴とするもの。 - 請求項20の方法において、さらに、前記送信信号の振幅が、一定のレベルを超えた場合に、所定の送信を受信するステップを備えたこと、
- 請求項31の方法において、前記所定の送信信号は、所定パターンのビットを備えていること、
を特徴とするもの。 - 請求項31の方法において、前記所定の送信信号は、パイロットトーンを備えていること、
を特徴とするもの。 - 請求項33の方法において、前記パイロットトーンは、前記第1トランシーバーと前記第2トランシーバー間の同期タイミングを維持するために用いられること、
を特徴とするもの。 - 請求項32の方法において、前記所定パターンのビット中の各ビット値は、ゼロであること、
を特徴とするもの。 - 請求項32の方法において、前記所定パターンのビットは、擬似ランダム列パターン(pseudo-random sequence pattern)であること、
を特徴とするもの。 - 各キャリア信号が位相特性を有する複数のキャリア信号を備えた送信信号を用いて通信チャネルを介して通信を行うトランシーバーであって、
前記キャリア信号に関連づけられた値に基づいて各キャリア信号の位相変位を算出するとともに、前記複数のキャリア信号の前記位相特性を実質的にスクランブルするよう各キャリア信号のために算出された前記位相変位と当該キャリア信号の位相特性を結合する位相スクランブラー、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - 請求項37のトランシーバーにおいて、さらに、前記位相位相スクランブラーと通信する変調器であって、低減されたピーク対平均値パワー比(PAR)を伴う送信信号を生成するため、前記実質的にスクランブルされた位相特性を有するキャリア信号上に入力信号のビットを変調するもの、を備えたこと、
を特徴とするもの。 - マルチキャリア変調システムにおいて通信チャネルを介して通信を行う方法であって、
前記通信チャネルを介してそれぞれがビット値パターンを有する一連のDMTシンボルからなる送信信号を受信するステップ、
受信された各DMTシンボルのビット値パターンを、所定のビット値パターンと比較するステップ、
当該DMTシンボルの前記ビット値パターンが、前記所定ビット値パターンと合致する場合、前記一連のDMTシンボル中の前記受信DMTシンボルのひとつを廃棄し、合致しない場合には、当該DMTシンボルを復調するステップ、を備えたこと、
を特徴とするもの。
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