JP2007124449A - マイクロフォンおよびマイクロフォンモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】サイズの小型化を図ることのできるマイクロフォンを提供する。
【解決手段】導電電極31と、その導電電極31との間に第1の音圧通路の一部を構成する間隙をおいて対向配置される可動ダイアフラム電極32とを有するシャッタ基板30を、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSとして形成する。これら導電電極31と可動ダイアフラム電極32との間への電圧印加を通じて静電引力を生じさせるとともに可動ダイアフラム電極32を導電電極31に吸着させることで、第1の音圧通路を開放、あるいは閉塞する。
【選択図】図5
【解決手段】導電電極31と、その導電電極31との間に第1の音圧通路の一部を構成する間隙をおいて対向配置される可動ダイアフラム電極32とを有するシャッタ基板30を、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSとして形成する。これら導電電極31と可動ダイアフラム電極32との間への電圧印加を通じて静電引力を生じさせるとともに可動ダイアフラム電極32を導電電極31に吸着させることで、第1の音圧通路を開放、あるいは閉塞する。
【選択図】図5
Description
本発明は、無指向性と単一指向性とを切り替え可能なマイクロフォン、および無指向性と単一指向性との間で指向性を調整可能なマイクロフォンモジュールに関する。
一般に、マイクロフォンは、その有する指向性の観点から、無指向性マイクロフォンOM(Omni-directional Microphone )や単一指向性マイクロフォンUM(Uni-directional Microphone)等に分類される。
このうち、無指向性マイクロフォンOMは、その構造を図15(a)に示すように、外部の音源から伝達された音圧に応じて振動する振動膜VFの前方のみが外部の音場に開放され、その後方は閉塞された構造となっている。こうした無指向性マイクロフォンOMでは、音源S1,S2の方向がいずれであれ、その音圧は前方からのみ振動膜VFに伝達されるようになっている。そのため、無指向性マイクロフォンOMは、振動膜VFの向きや角度に関係なく、設置された場所に集まった音のすべてを収音可能となっている。
これに対して単一指向性マイクロフォンUMは、その構造を図15(b)に示すように、振動膜VFの後方にも音の通路となる音孔Aが形成されている点が、上記無指向性マイクロフォンOMと相違した構造となっている。こうした単一指向性マイクロフォンUMでは、後方の音源S2の発生する音波は、音孔Aを通って振動膜VFに伝達されるとともに、音波は回り込み少し遅れて振動膜VFの前方側にも届く。そこで後方側に音速を遅らせるように障害物を置くなどの工夫をすることにより、前方から来た音波と後方から来た音波を同時に到達するようにすると、振動膜VFにて相殺することができる。一方、前方の音源S1の発生する音圧は、まず先に振動膜VFに伝達される。その後に裏側へ回り込む音波は、障害物によって到達が更に遅くなる。
こうした無指向性マイクロフォンOMと単一指向性マイクロフォンUMとは、搭載される機器の指向性に対する要求に応じて使い分けられている。ところが、搭載される機器によっては、状況に応じたマイクロフォンの指向性の変更が要望されることがある。
従来、こうした要望を実現する技術として特許文献1に記載のマイクロフォンモジュールが知られている。このマイクロフォンモジュールは、無指向性マイクロフォンOMと単一指向性マイクロフォンUMとの2つのマイクロフォンを備えて構成されている。そして各マイクロフォンの出力から各々異なる周波数帯域の成分を抽出した上でこれを合成して収音を行うとともに、各マイクロフォンの出力から抽出する周波数帯域成分を収音環境に応じて変更することで、収音環境に応じた好適な収音を可能としている。
もっとも、単純に無指向性と単一指向性とを選択的に切り換えるのであれば、上記2つのマイクロフォンを設けるとともに、収音に用いるマイクロフォンを必要に応じて切り換えることで実現することが可能ではある。しかしながら、そうした場合には、2種のマイクロフォンの設置が必須となり、設置サイズや製造コストの面で問題がある。
単体で指向性の切り換えが可能なマイクロフォンとしては、特許文献2に記載の指向性可変マイクロフォンが知られている。この指向性可変マイクロフォンは、振動膜の前方および後方をそれぞれ音孔を通じて外部開放させるとともに、パッキン、板ばね、カム等により構成された開閉機構の手動操作を通じてその後方の音孔を開放・閉塞することで、無指向性と単一指向性とを選択的に切り換えるように構成されている。
図16に、送話器に搭載されるこの指向性マイクロフォンの構造を示す。同図に示すように、指向性可変マイクロフォンの搭載される送話器の筐体100には、その送話口100aの内側に固定された状態で、マイクロフォン本体101が固定されている。このマイクロフォン本体101は、中空円筒形状に形成されたケース102と、内部空間を2分割するように同ケース102の内部に張設された振動膜103とを有して構成されている。そしてケース102の振動膜103の前方の壁面(前面)およびその後方の壁面(背面)には、その内外を連通する音孔B1、B2が形成されている。振動膜103前方の音孔B1は、送話口100aを介して送話器の筐体100の外部に連通されている。また振動膜103後方の音孔B2は、送話器の筐体100の側方に形成された挿通孔Cを通じて同筐体100の外部に連通されている。
こうしたマイクロフォン本体101の後方には、ケース102の背面側の音孔B2を閉塞するパッキン104が、板ばね105によってマイクロフォン本体101の背面に向けて付勢された状態で配設されている。またマイクロフォン本体101の側方には、そのパッキン104を開閉動作させるための操作ノブ106が、その中央付近に設けられたピン107を介して送話器の筐体100に回動可能に軸支されている。この操作ノブ106のピン107よりもマイクロフォン前方側の部分は、使用者によって押し込み操作される操作部106aとなっており、送話器の筐体100の外部に突出されている。一方、操作ノブ106のピン107よりもマイクロフォン後方側の部分は、上記操作部106aの押し込みに応じた操作ノブ106の回動を通じて、パッキン104を上記板ばね105の付勢力に抗してケース102の背面から離間する側に押し上げるカム部106bとなっている。
以上のように構成された指向性可変マイクロフォンでは、パッキン104によって振動膜103の後方の音孔B2を閉塞すると、振動膜103はその前方においてのみ、外部に開放されるため、無指向性マイクロフォンとして機能する。一方、パッキン104を押し上げて音孔B2を開放すると、振動膜103はその前方のみならず、その後方においても外部に開放されるため、単一指向性マイクロフォンとして機能する。こうした構成であれば、単体のマイクロフォンのみで、指向性の切り換えが可能となる。
特開平5−64284号公報
特開平3−68244号公報
ところで近年、半導体製造プロセスを利用して作製する、機械的な機能および電気的な機能を併せ持つ極めて小型の装置であるMEMS(微細電気機械システム:Micro Electro Mechanical Systems)が注目されている。そしてそうしたMEMS技術を用いてマイクロフォンの微細化が進められており、携帯電話やビデオカメラ、ボイスレコーダ等の携帯情報機器に搭載されるようになっている。
このような携帯情報機器に搭載されるマイクロフォンに対して、パッキンや板ばね、カム等からなる上記従来の指向性可変マイクロフォンの開閉機構を採用して指向性の切り換えを行おうとすれば、機器内部における開閉機構の占有スペースが大きくなり過ぎてしまう。そのため、上記のようにマイクロフォン自体の微細化が可能となった現状では、無指向性と単一指向性の2つのマイクロフォンを搭載した方が搭載性の面で有利であるが、その場合には、マイクロフォンの設置数が倍増することとなり、製造コストの増加や生産性の悪化を招いてしまうこととなる。
本発明の第1の目的は、サイズの小型化を図ることのできるマイクロフォンを提供する
ことにある。また本発明の第2の目的は、そうしたサイズの小型化の図られたマイクロフォンの生産性の更なる向上を図ることにある。
ことにある。また本発明の第2の目的は、そうしたサイズの小型化の図られたマイクロフォンの生産性の更なる向上を図ることにある。
なお、上記従来の指向性可変マイクロフォンでは、無指向性と単一指向性とのいずれかに指向性を二値的に切り換えることが可能なだけであり、指向性を細かく調整することはできない構造となっている。一方、上記従来のマイクロフォンモジュールであれば、両マイクロフォンの出力の合成比率を調整することで、指向性を細かく調整することは可能ではあるが、その合成比率の調整には複雑な演算処理が必要となっている。
こうした実状に鑑みてなされた本発明の第3の目的は、サイズの小型化を図ることができるとともに、指向性の細密な調整を容易に行うことができるマイクロフォンモジュールを提供することにある。
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載のマイクロフォンでは、外部から伝達された音圧により振動される振動膜と、外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する機構であって、半導体基板に形成された可動部品およびその可動部品の駆動に係る電気部品からなるシャッタ機構と、を備えるようにした。
かかる構成では、シャッタ機構によって第1の音圧通路が閉塞されると、外部の音圧は、第2の音圧通路を通じて振動膜の一面にのみ伝達されるため、当該マイクロフォンは無指向性とされるようになる。一方、シャッタ機構によって第1の音圧通路が開放されると、外部の音圧は、第2の音圧通路を通じて振動膜の一面に伝達されるとともに、第1の音圧通路を通じて同振動膜のもう一面にも伝達されるようになる。そしてこのときの第1の音圧通路の外部開放された方向から伝達された音圧は、振動膜に対してその前方および後方の双方から入力されて相殺されることから、当該マイクロフォンは単一指向性とされるようになる。
こうしたマクロフォンでは、指向性を変化させるべく第1の音圧通路を開放・閉塞するシャッタ機構が、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSによって形成されており、半導体製造プロセスを用いた微細化が可能であるため、容易にその小型化を図ることができる。
また同じく上記第1の目的を達成するため、請求項2に記載のマイクロフォンでは、外部からの音圧の伝達により振動される振動膜およびその振動膜の振動を電気信号に変換する変換部が形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する可動部品とその可動部品の駆動に係る電気部品とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、を備えるようにした。
かかる構成では、シャッタ基板に設けられた可動部材の駆動によって第1の音圧通路が閉塞されると、第2の音圧通路を通じてマイクロフォン基板の振動膜の一面にのみ伝達されるため、当該マイクロフォンは無指向性とされるようになる。一方、シャッタ基板に形成された可動部材の駆動によって第1の音圧通路が開放されると、外部の音圧は、第2の音圧通路を通じてマイクロフォン基板の振動膜の一面に伝達されるとともに、第1の音圧通路を通じて同振動膜のもう一面にも伝達されるようになる。そしてこのときの第1の音圧通路の外部開放された方向から伝達された音圧は、マイクロフォン基板の振動膜に対し
てその前方および後方の双方から入力されて相殺されることから、当該マイクロフォンは単一指向性とされるようになる。
てその前方および後方の双方から入力されて相殺されることから、当該マイクロフォンは単一指向性とされるようになる。
こうしたマクロフォンでは、上記振動膜および変換部を有して構成されたマイクロフォン基板、および指向性を変化させるべく第1の音圧通路を開放・閉塞するシャッタ機構の設けられたシャッタ基板が共に、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSとして形成されている。そのため、半導体製造プロセスを用いた微細化が可能となり、容易にその小型化を図ることができる。
さらに同じく上記第1の目的を達成するため、請求項3に記載のマイクロフォンでは、外部からの音圧の伝達により振動される可動ダイアフラム電極とその可動電極に間隙を置いて対向配置された固定電極とが形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する可動部品とその可動部品の駆動に係る電気部品とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、を備えるようにした。
かかる構成においても、シャッタ基板に設けられた可動部材の駆動によって第1の音圧通路の開放と閉塞とを切り換えることで、当該マイクロフォンの指向性が無指向性と単一指向性とに切り換えられる。こうしたマクロフォンでは、上記可動ダイアフラム電極および固定電極を有して構成されたマイクロフォン基板、および指向性を変化させるべく第1の音圧通路を開放・閉塞するシャッタ基板が共に、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSによって形成可能である。そのため、半導体製造プロセスを用いた微細化が可能となり、容易にその小型化を図ることができる。
一方、請求項4に記載のマイクロフォンでは、上記第1および第2の目的を達成するため、外部からの音圧の伝達により振動する可動ダイアフラム電極とその可動ダイアフラム電極に間隙をおいて対向配置された固定電極とが形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、外部から前記可動ダイアフラム電極の一方の面に至る音圧の伝達経路を形成する第1の音圧通路と、外部から前記可動ダイアフラム電極の他方の面に至る音圧の伝達経路を形成する第2の音圧通路と、導電電極とその導電電極との間に前記第1の音圧通路の一部を構成する間隙をおいて対向配置されるとともに前記導電電極との間の電圧印加により発生する静電引力によって該導電電極に吸着される可動ダイアフラム電極とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、を備えるようにした。
かかる構成では、シャッタ基板の導電電極と可動ダイアフラム電極との間に電圧を印加すると、静電引力によって可動ダイアフラム電極が導電電極に吸着され、それらの間隙に形成された第1の音圧通路の一部が閉塞される。このときの外部の音圧は、第2の音圧通路を通じてマイクロフォン基板の可動ダイアフラム電極の一面にのみ伝達されるため、当該マイクロフォンは無指向性とされるようになる。
一方、シャッタ基板の導電電極と可動ダイアフラム電極との間の電圧の印加を解除すると、吸着した可動ダイアフラム電極が導電電極から離間してそれらの間隙に形成された第1の音圧通路の一部が開放される。このときの外部の音圧は、第2の音圧通路を通じてマイクロフォン基板の可動ダイアフラム電極の一面に伝達されるとともに、第1の音圧通路を通じて同可動ダイアフラム電極のもう一面にも伝達されるようになる。そしてこのときの第1の音圧通路の外部開放された方向から伝達された音圧は、マイクロフォン基板の可動ダイアフラム電極に対してその前方および後方の双方から入力されて相殺されることから、当該マイクロフォンは単一指向性とされるようになる。
こうしたマクロフォンでは、外部から伝達された音圧を電気信号に変換するマイクロフォン本体、および指向性を変化させるべく第1の音圧通路を開放・閉塞するシャッタ機構が、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSによって形成されている。そのため、半導体製造プロセスを用いた構成部材の微細化が可能となり、容易にその小型化を図ることができる。またかかるマイクロフォンを構成するマイクロフォン基板とシャッタ基板とは、可動ダイアフラム電極とそれに間隙をおいて対向配置された電極とを有する点において構造が共通しており、両基板の製造工程および生産設備の多くを共有化することが可能となるため、生産性を向上することができるようにもなる。
なお請求項2〜4のいずれかに記載のマイクロフォン基板とシャッタ基板とを、請求項5に記載のように同一の半導体基板に一体形成することも可能である。こうした場合、部品点数が削減されるため、生産性を更に向上することができる。ちなみにこうしたマイクロフォン基板およびシャッタ基板の一体化は、例えば請求項6に記載のように、前記マイクロフォン基板の固定電極に前記第1の音圧通路の一部を構成する音孔と前記シャッタ基板の前記導電電極を形成するとともに、前記マイクロフォン基板の可動ダイアフラム電極と前記シャッタ基板の可動ダイアフラム電極とをその固定電極を挟んで対向するように配設した構成とすることでその具現が可能である。
他方、上記第3の目的を達成するため、請求項7に記載のマイクロフォンモジュールでは、請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで前記第1の音圧通路を開放するマイクロフォンの数と同第1の音圧通路を閉塞するマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備えるようにした。
また同じく上記第3の目的を達成するため、請求項9に記載のマイクロフォンモジュールでは、外部から伝達された音圧により振動される振動膜と、外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞するシャッタ機構と、を各々有して構成された複数のマイクロフォンをアレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで前記シャッタ機構により前記第1の音圧通路を開放するマイクロフォンの数と、前記シャッタ機構により前記第1の音圧通路を閉塞するマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備えるようにした。
こうした請求項7や請求項9に記載のマイクロフォンモジュールでは、それを構成するすべてのマイクロフォンについてその第1の音圧通路を閉塞して無指向性とすれば、それら各マイクロフォンの出力を合成して得られるモジュール全体としてのマイクロフォン出力も無指向性となる。ここでモジュールの各マイクロフォンのうち、第1の音圧通路を開放して単一指向性とされたマイクロフォンの数の比率を増加させれば、モジュール全体としてのマイクロフォン出力の指向性は単一指向性に近づくようになる。そして全マイクロフォンの第1の音圧通路を開放してすべてを単一指向性とすれば、モジュール全体としてのマイクロフォン出力は完全な単一指向性となる。このように上記各マイクロフォンモジュールでは、モジュールを構成する個別のマイクロフォン単位では、無指向性と単一指向性とのいずれかに指向性を二値的に切り換えるだけの簡易な構成でありながらも、モジュール全体としての指向性は、無指向性と単一指向性との間で細密に調整することができる。
なお請求項9に記載のマイクロフォンモジュールは、請求項10に記載のように、前記アレイ配置された各マイクロフォンの前記振動膜を同一の半導体基板に形成するとともに、各マイクロフォンの前記シャッタ機構を同一の半導体基板に形成するように構成するこ
ともできる。この場合、モジュールを構成する各マイクロフォンの振動膜やシャッタ機構をそれぞれ同一の半導体基板に同時に造り込むことができるため、その生産を容易とすることができる。
ともできる。この場合、モジュールを構成する各マイクロフォンの振動膜やシャッタ機構をそれぞれ同一の半導体基板に同時に造り込むことができるため、その生産を容易とすることができる。
また上記第3の目的を達成するため、請求項8に記載のマイクロフォンモジュールでは、請求項2〜6のいずれかに記載のマイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで前記第1の音圧通路を開放するマイクロフォンの数と同第1の音圧通路を閉塞するマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備え、更に前記アレイ配置された各マイクロフォンの前記マイクロフォン基板を共に同一の半導体基板に形成するとともに、同じく各マイクロフォンの前記シャッタ基板を共に同一の半導体基板に形成するようにした。
かかる構成では、モジュールを構成する個別のマイクロフォン単位では、無指向性と単一指向性とのいずれかに指向性を二値的に切り換えるだけの簡易な構成でありながらも、上記比率の変更を通じてモジュール全体としての指向性を、無指向性と単一指向性との間で細密に調整することができる。またモジュールを構成する各マイクロフォンのマイクロフォン基板やシャッタ基板をそれぞれ同一の半導体基板に同時に造り込むことができるため、その生産を容易とすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の指向性可変マイクロフォンを具体化した第1実施形態について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。この実施形態にかかる指向性可変マイクロフォンは、以下に詳述するように、振動膜および変換部を有して構成されたマイクロフォン基板、および指向性を切り換えるべく音圧通路を開放・閉塞するシャッタ機構の設けられたシャッタ基板を共に、いわゆるMEMSとして形成することにより、サイズの小型化を図るようにしている。
以下、本発明の指向性可変マイクロフォンを具体化した第1実施形態について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。この実施形態にかかる指向性可変マイクロフォンは、以下に詳述するように、振動膜および変換部を有して構成されたマイクロフォン基板、および指向性を切り換えるべく音圧通路を開放・閉塞するシャッタ機構の設けられたシャッタ基板を共に、いわゆるMEMSとして形成することにより、サイズの小型化を図るようにしている。
図1に、そうした本実施形態の指向性可変マイクロフォンの側部断面構造を示す。本実施形態の指向性可変マイクロフォンにあって中空箱型の筐体10の下底部10aおよび上底部10cには、筐体10の外部の音圧を該筐体10内部へ伝達するための音孔11a、11cがそれぞれ形成されている。また音孔11a、11cの形成された下底部10aおよび上底部10cの上面には、音孔11a、11cを通じた筐体10内への埃等の侵入を防止するクロス12a、12cがそれぞれ貼設されている。また筐体10の下底部10aに貼設された上記クロス12aの上面には、指向性の変更に係る音圧通路の開閉を行う、MEMS構造のシャッタ機構が形成されたシャッタ基板30が搭載されている。更にそのシャッタ基板30の上面には、音圧を受けて振動する振動膜とその振動膜の振動を電気信号に変換する変換部とがMEMS構造として形成されたマイクロフォン基板20が搭載されている。なお、本実施形態の指向性可変マイクロフォンでは、筐体10の下底部10aに、外部の音源の収音に係る電気信号の処理や指向性の可変制御等を司るICチップ60が併せ搭載されている。
図2には、上記マイクロフォン基板20の表面構造を、図3(a)には、図2中のY−Y’線に沿った断面構造を、図3(b)には、同図2中X−X’線に沿った断面構造をそれぞれ示す。
図3(a)および(b)に示されるように、マイクロフォン基板20は、例えばシリコン単結晶等の半導体材料によって形成された半導体基板40を基盤として形成されている。この半導体基板40の平面中央部には、その表裏を貫通する音響孔AH2が、その裏面側から表面側にかけて縮径するように形成されている。エッチストッパ膜41が形成され
た半導体基板40の表面には、その音響孔AH2の表面側の開口を覆うように、円板状の可動ダイアフラム電極21が張設されている。高弾性率を有して上記振動膜として機能するこの可動ダイアフラム電極21の上方には、例えば窒化珪素(SiN)からなる固定電極保護膜22bが、上記可動ダイアフラム電極21から一定の間隙をおいて持ち上げられた状態で半導体基板40の上面に固定されている。この固定電極保護膜22bの下部には、円板状の固定電極22aが形成されている。なお、これら固定電極保護膜22bおよび固定電極22aには、音圧を通過させる複数の音響孔AH1が透設されている。図2に示されるように、可動ダイアフラム電極21および固定電極22aからは、引出配線24、26が延出されており、これらをICチップ60(図1参照)に電気接続するためのボンディングワイヤが溶着される引出電極25,27にそれぞれ接続されている。
た半導体基板40の表面には、その音響孔AH2の表面側の開口を覆うように、円板状の可動ダイアフラム電極21が張設されている。高弾性率を有して上記振動膜として機能するこの可動ダイアフラム電極21の上方には、例えば窒化珪素(SiN)からなる固定電極保護膜22bが、上記可動ダイアフラム電極21から一定の間隙をおいて持ち上げられた状態で半導体基板40の上面に固定されている。この固定電極保護膜22bの下部には、円板状の固定電極22aが形成されている。なお、これら固定電極保護膜22bおよび固定電極22aには、音圧を通過させる複数の音響孔AH1が透設されている。図2に示されるように、可動ダイアフラム電極21および固定電極22aからは、引出配線24、26が延出されており、これらをICチップ60(図1参照)に電気接続するためのボンディングワイヤが溶着される引出電極25,27にそれぞれ接続されている。
このように構成されるマイクロフォン基板20にあっては、互いに所定の間隙をおいて対向配置された可動ダイアフラム電極21と固定電極22aとによって、平行二板式のコンデンサが形成されており、このコンデンサが振動膜である可動ダイアフラム電極21の振動を電気信号に変換する変換部として機能する。すなわち、音響孔AH1および音響孔AH2のうち少なくとも一方を介して外部からの音圧が可動ダイアフラム電極21に伝達されて振動すると、可動ダイアフラム電極21と固定電極22aとの間隔が変化して、それらによって構成されるコンデンサの静電容量が変化するようになる。こうした可動ダイアフラム電極21および固定電極22aに引出配線24,26および引出電極25,27を介して電気接続されたICチップ60は、そうした静電容量の変化に応じた電気信号(音圧信号)を生成して出力する。
次に、マイクロフォン基板20の可動ダイアフラム電極21および固定電極22aにて検知される音圧の指向性を切り換えるシャッタ基板30について、図4および図5を併せ参照して説明する。なお、図4は、シャッタ基板30の表面構造を、図5(a)および(b)は、音圧通路の開放状態および閉塞状態の別に、同シャッタ基板30の断面構造をそれぞれ示している。
図5(a)に示されるようにシャッタ基板30は、例えばシリコン単結晶のような半導体材料にて形成された半導体基板50をその基盤として形成されている。この半導体基板50の中央部には、その表裏を貫通する音響孔AH22がその裏面側から表面側にかけて縮径するように形成されている。半導体基板50の表面には保護膜51が形成されるとともに、その上面には、この音響孔AH22の表面側の開口を囲むように、円環状に形成された導電電極31が設けられている。こうした導電電極31の形成された上記保護膜51の上面には、更に保護膜53が積層されており、導電電極31が保護されている。
導電電極31の上方には、同導電電極31との間に所定の間隙をおいて持ち上げられた状態で可動ダイアフラム電極32が配設されている。可動ダイアフラム電極32は、例えば窒化シリコン(SiN)からなる高弾性率のダイアフラム部32aと、その下面にあって導電電極31と対向する位置に形成された、例えば多結晶シリコンからなる電極部32bとによって構成されている。またダイアフラム部32aの電極部32bの外周には、音圧を通過させる音響孔AH21が複数透設されている。
図4に示すように、導電電極31および可動ダイアフラム電極32の電極部32bからは、導電性の引出配線34,36がそれぞれ延出されている。これら引出配線34,36は、これらをICチップ60(図1参照)に電気接続するためのボンディングワイヤが溶着される引出電極35,37に接続されている。
なお、このように構成されるシャッタ基板30にあっては、半導体基板50に形成された音響孔AH22、両電極31,32間の間隙、および可動ダイアフラム電極32に形成
された音響孔AH21を介して、その裏面側から表面側に至る音圧の伝達通路が形成されている。
された音響孔AH21を介して、その裏面側から表面側に至る音圧の伝達通路が形成されている。
一方、このシャッタ基板30では、互いに所定の間隙をおいて対向配置された導電電極31と可動ダイアフラム電極32とによって、平行二板式のコンデンサが形成されている。そしてこのコンデンサを構成する導電電極31および可動ダイアフラム電極32(電極部32b)に対する電圧の印加が、それらに上記引出配線34,36および引出電極35,37を介して電気接続されたICチップ60(図1)によって制御されている。ここで導電電極31および可動ダイアフラム電極32(電極部32b)に電圧が印加されると、電位差が発生して静電引力により両電極31,32は互いに引き合うようになる。これにより、可動ダイアフラム電極32は、図5(b)に示すように導電電極31側に大きく撓むようになり、その結果、両電極31,32がその間隙を維持することができずに互いに接するようになると、シャッタ基板30の裏面側から表面側への上記音圧の伝達通路が閉塞されるようになる。
一方、導電電極31および可動ダイアフラム電極32の電極部32bへの電圧印加を解除すると、これら両電極31,32は互いに同電位となって静電引力が作用しなくなるため、図5(a)に示すように、両電極31,32は離間して、それらの間に再び間隙が形成されるようになる。
ここで図1に示すように、シャッタ基板30は、その半導体基板50に形成された音響孔AH22が、筐体10の下底部10aに形成された音孔11aの上方に位置するように配設されている。またマイクロフォン基板20は、その半導体基板40に形成された音響孔AH2が、上記シャッタ基板30の音響孔AH22の上方に位置するように配設されている。このようにマイクロフォン基板20およびシャッタ基板30が配設された本実施形態の指向性可変マイクロフォンでは、その筐体10の外部の音源で発生した音圧が、
・筐体10の下底部10aに形成された音孔11a。
・半導体基板50の中央部に形成された音響孔AH22。
・導電電極31と可動ダイアフラム電極32との間に形成された間隙。
・可動ダイアフラム電極32に形成された音響孔AH21。
・半導体基板40の中央部に形成された音響孔AH2。
を順に通過して、振動膜である可動ダイアフラム電極21の裏面に伝達されるようになる。なお以下では、この可動ダイアフラム電極21の裏面に至る音圧の伝達通路を、第1の音圧通路と記載する。
・筐体10の下底部10aに形成された音孔11a。
・半導体基板50の中央部に形成された音響孔AH22。
・導電電極31と可動ダイアフラム電極32との間に形成された間隙。
・可動ダイアフラム電極32に形成された音響孔AH21。
・半導体基板40の中央部に形成された音響孔AH2。
を順に通過して、振動膜である可動ダイアフラム電極21の裏面に伝達されるようになる。なお以下では、この可動ダイアフラム電極21の裏面に至る音圧の伝達通路を、第1の音圧通路と記載する。
一方、この指向性可変マイクロフォンでは、筐体10の外部の音源で発生した音圧は、・筐体10の上底部10cに形成された音孔11c。
・固定電極保護膜22bの中央部に形成された音響孔AH1。
・可動ダイアフラム電極21と固定電極22aとの間に形成された間隙。
を順に通過して可動ダイアフラム電極21の表面にも伝達されるようになる。なお以下では、この可動ダイアフラム電極21の表面に至る音圧の伝達通路を、第2の音圧通路と記載する。
・固定電極保護膜22bの中央部に形成された音響孔AH1。
・可動ダイアフラム電極21と固定電極22aとの間に形成された間隙。
を順に通過して可動ダイアフラム電極21の表面にも伝達されるようになる。なお以下では、この可動ダイアフラム電極21の表面に至る音圧の伝達通路を、第2の音圧通路と記載する。
さて、上記シャッタ基板30の可動ダイアフラム電極32と導電電極31との間に電圧を印可して、上記第1の音圧通路の一部を構成するそれら電極31,32の間隙が維持されなくなると、同第1の音圧通路は閉塞されることになる。このときの振動膜であるマイクロフォン基板20の可動ダイアフラム電極21には、上記第2の音圧通路を通じてその表面にのみ、筐体10の外部の音源の発生した音圧が伝達されるため、当該指向性可変マイクロフォンは無指向性とされるようになる。
一方、シャッタ基板30の両電極31,32a間の電圧の印加を解除して、両電極31、32の間に再び間隙が形成されると、上記第1の音圧通路は開放されることとなる。このときのマイクロフォン基板20の可動ダイアフラム電極21には、筐体10の外部の音源で生じる音圧が上記第2の音圧を通じて可動ダイアフラム電極21の表面に伝達されるとともに、第1の音圧通路を通じて同可動ダイアフラム電極21の裏面にも伝達されるようになる。そしてこのとき後方から来た音圧が第1の音圧通路と第2の音圧通路とを通ったときに同時に到達するように設計することによって、後方から来た音が相殺されるとともに前方からの音のみ振動膜が振動するため、当該指向性可変マイクロフォンは単一指向性となる。
続いて、以上のような本実施形態の指向性可変マイクロフォンを構成するマイクロフォン基板20およびシャッタ基板30の製造プロセスの一例を説明する。
まずここでは、図6および図7を参照して、マイクロフォン基板20の製造プロセスを説明する。
上述のマイクロフォン基板20を作製するに際しては、まず、例えばシリコン(Si)単結晶からなる半導体基板40を準備する。こうして準備された半導体基板40に対し、エッチストッパ形成工程として、例えばLP―CVD(減圧化学気相成長:Low Pressure
Chemical Vapor Deposition)法により、窒化珪素(SiN)からなるエッチストッパ膜41を0.05〜0.2[μm]だけ同半導体基板40の表裏両面に成膜する。そしてこのエッチストッパ形成工程によるエッチストッパ膜41の成膜後、第1の犠牲層形成工程として、P−CVD(プラズマ化学気相成長:Plasma Pressure Chemical Vapor Deposition )法、あるいは常圧CVD(常圧化学気相成長:Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、同半導体基板40の上表面側のエッチストッパ膜41上に、例えばPSG(phospho silicate glass)からなる犠牲層42を0.5〜1.0[μm]だけ成膜する。そして、図6(a)に示すように、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行う。
Chemical Vapor Deposition)法により、窒化珪素(SiN)からなるエッチストッパ膜41を0.05〜0.2[μm]だけ同半導体基板40の表裏両面に成膜する。そしてこのエッチストッパ形成工程によるエッチストッパ膜41の成膜後、第1の犠牲層形成工程として、P−CVD(プラズマ化学気相成長:Plasma Pressure Chemical Vapor Deposition )法、あるいは常圧CVD(常圧化学気相成長:Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、同半導体基板40の上表面側のエッチストッパ膜41上に、例えばPSG(phospho silicate glass)からなる犠牲層42を0.5〜1.0[μm]だけ成膜する。そして、図6(a)に示すように、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行う。
このようにしてエッチストッパ膜41および犠牲層42が形成された半導体基板40に対し、振動膜形成工程として、例えば多結晶シリコン(Poly−Si)からなる高弾性率膜43,43aを、LP―CVD法により0.5〜1.0[μm]だけ形成する。なお、図6(b)に示すように、この高弾性率膜43,43aを形成した後にあっても、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングによりパターン形成を行い、高弾性率膜43の右方部分を所定幅だけ残して除去する。
続いて、第2の犠牲層形成工程として、高弾性率膜43,43aが形成された半導体基板40の上表面に対し、P−CVD法あるいは常圧CVD法により、例えばPSGからなる犠牲層44を3.0[μm]だけ成膜する。この犠牲層44の成膜後、図6(c)に示すように、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより、同図中左方においては犠牲層44の上表面から高弾性率膜43aの上表面に至るまで開口部44aを、同図中右方においては犠牲層44の上表面からエッチストッパ膜41に至るまで開口部44bを、それぞれ形成する。
こうして開口部44a,44bが形成された後、固定電極形成工程として、例えば多結晶シリコン(Poly−Si)からなる導電膜45を、犠牲層44の上表面の高弾性率膜43に対向する部分に1.0[μm]だけLP−CVD法により成膜する。そうして成膜された導電膜45に対し、図6(d)に示すように、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングによりパターン形成を行う。
そして、この固定電極形成工程後、犠牲層44および導電膜45が形成された半導体基
板40の上表面に対し、保護膜形成工程として、窒化シリコンからなる保護膜46をP−CVD法により1.0[μm]だけ成膜する。そして、図7(a)に示されるように、この保護膜46の高弾性率膜43と対向する部分には、保護膜46の上表面から犠牲層44の上表面に至る貫通孔46aを、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて形成する。また、犠牲層44に形成される開口部44aに成膜される保護膜46を、同じく通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて除去することにより、貫通孔46bを形成する。
板40の上表面に対し、保護膜形成工程として、窒化シリコンからなる保護膜46をP−CVD法により1.0[μm]だけ成膜する。そして、図7(a)に示されるように、この保護膜46の高弾性率膜43と対向する部分には、保護膜46の上表面から犠牲層44の上表面に至る貫通孔46aを、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて形成する。また、犠牲層44に形成される開口部44aに成膜される保護膜46を、同じく通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて除去することにより、貫通孔46bを形成する。
続く基板加工工程として、図7(b)に示すように、例えば水酸化カリウム(KOH)やTMAH(Teramethylammonium Hydroxide)のような現像液を使用した異方性のウエットエッチング法により、半導体基板40の高弾性率膜43と対向する部分に、半導体基板40の裏面から犠牲層42の下表面に至る開口部40aを形成する。なお、同図7(b)に示されるように、半導体基板40に形成される開口部40aは、ウエットエッチングの異方性のため、その裏面側から表面側にかけて縮径されている。
こうして半導体基板40の裏面側に開口部40aが形成された後、続く犠牲層エッチング工程として、例えばフッ酸(HF)のような薬品を使用したウエットエッチング法により、半導体基板40上に形成された犠牲層をエッチングする。すなわち、保護膜46の下表面と半導体基板40の上表面との間に位置する犠牲層44に対しては、保護膜46に形成された貫通孔46aを利用して上記薬品にてこれを除去する。一方、エッチストッパ膜41のうち開口部40aと対向する部分および犠牲層42に対しては、半導体基板40に形成された開口部40aを利用して上記薬品にてこれらを除去する。これにより、図7(c)に示すように、高弾性率膜43と保護膜46との間に間隙APが形成され、高弾性率膜43は半導体基板40によって振動可能に支持されることとなる。すなわち、マイクロフォン基板20が形成されることとなる。
なお、図7(c)と、先の図3(b)と同様の図である図7(d)との対比からわかるように、半導体基板40の裏面側に形成された開口部40aは音響孔AH2として、高弾性率膜43は可動ダイアフラム電極21として、保護膜46およびその貫通孔46aは固定電極保護膜22bおよび音響孔AH1として機能する。
次に、シャッタ基板30の製造プロセスを、図8を用いて説明する。
上述のシャッタ基板30を作製するに際しては、まず、例えばシリコン(Si)単結晶からなる半導体基板50を準備する。この準備された半導体基板50に対し、保護膜・導電極形成工程として、窒化珪素(SiN)からなる保護膜51を同半導体基板50の表裏両面に例えばLP―CVD法により0.1[μm]だけ成膜する。そうして保護膜51がその上表面に成膜された半導体基板50に対し、同じくLP―CVD法を通じて、例えば多結晶シリコンからなる導電膜を0.5[μm]だけ形成する。すなわち、半導体基板50の上表面全面に保護膜51が形成された後、その保護膜51の上表面全面に第1の導電膜52が成膜される。そうした半導体基板50に対して、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行い、半導体基板50上の所定の位置にのみ第1の導電膜52を残留させる。そして、図8(a)に示されるように、そうした半導体基板50の上表面全面に対し再度、例えばLP―CVD法を通じて、例えば窒化珪素からなる保護膜53を0.1[μm]だけ成膜する。
次に、犠牲層・電極部形成工程として、保護膜53の形成された半導体基板50の上表面全面に対し、P−CVD法あるいは常圧CVD法により、例えばPSGからなる犠牲層54を0.5〜3.0[μm]だけ成膜する。そうした犠牲層54の成膜後、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて断面メサ形状に犠牲層54をパターニングし、断面メサ構造とする。そして、例えばLP―CVD法を通じて、例えば多結晶シリ
コンからなる導電膜55を半導体基板50の上表面全面に0.5[μm]だけ成膜する。その後再び、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行い、図8(b)に示すように、先の第1の導電膜52に対向する位置に第2の導電膜55を残留させる。
コンからなる導電膜55を半導体基板50の上表面全面に0.5[μm]だけ成膜する。その後再び、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行い、図8(b)に示すように、先の第1の導電膜52に対向する位置に第2の導電膜55を残留させる。
続いて、シャッタ膜形成工程として、保護膜53、犠牲層54、第2の導電膜55がその上面に形成された半導体基板50の上表面全面に対し、PE−CVD(プラズマ化学気相成長:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition )法により、例えば窒化シリコンからなる高弾性率膜56を形成する。その後、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じてパターン形成を行うことで、図8(c)に示すように、高弾性率膜56の上表面から犠牲層54の上表面に至る開口56aを形成する。
続く基板加工工程として、図8(d)に示すように、例えば水酸化カリウム(KOH)やTMAH(Teramethylammonium Hydroxide)のような現像液を使用した異方性のウエットエッチング法により、半導体基板50の裏面から犠牲層54の下表面に至る開口部50aを半導体基板50の中央部分に形成する。なお、同図8(d)に示されるように、半導体基板50に形成される開口部50aは、ウエットエッチングの異方性のため、その裏面側から表面側にかけて縮径されている。
こうして半導体基板50の裏面側に開口部50aが形成された後、続く犠牲層エッチング工程として、例えばフッ酸(HF)のような薬品を使用したウエットエッチング法により、半導体基板50上に形成された犠牲層をエッチングする。すなわち、高弾性率膜56の下表面と半導体基板50の上表面との間に位置する犠牲層54に対しては、高弾性率膜56に形成された開口56aおよび半導体基板50に形成された開口部50aを利用して上記薬品にてこれを除去する。これにより、図8(e)に示すように、高弾性率膜56と保護膜53との間に間隙が形成され、高弾性率膜56は半導体基板50によって大きく撓むことができるように支持されることとなる。すなわち、シャッタ基板30が形成されることとなる。
なお、図8(e)と、先の図5(a)と同様の図である図8(f)との対比からわかるように、半導体基板50の開口部50aは音響孔AH22として、高弾性率膜56および第2の導電膜55は可動ダイアフラム電極32として、高弾性率膜56の開口56aは音響孔AH21として、第1の導電膜52は導電電極31として、それぞれ機能する。
以上説明したように、この第1実施形態に係る指向性可変マイクフォンによれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の指向性可変マイクロフォンでは、外部から伝達された音圧を電気信号に変換するマイクロフォン基板20、および指向性を変化させるべく第1の音圧通路を開放・閉塞するシャッタ基板30を、半導体基板に形成された機械部品および電気部品からなる、いわゆるMEMSによって作製することとした。これにより、半導体製造プロセスを用いた構成部材の微細化が可能となり、容易にその小型化を図ることができるようになる。
(2)また、このような指向性可変マイクロフォンを構成するマイクロフォン基板20とシャッタ基板30とは、可動ダイアフラム電極21,32とこれらに間隙をおいて対向配置された固定電極22a,導電電極31とからなる平行二板式のコンデンサを有する等、多くの点において構造が共通している。そのため、これら両基板20,30の製造工程および生産設備の多くを共有化することが可能となり、生産性を向上することができるようになる。
こうした第1実施形態の指向性可変マイクロフォンは、以下のように変更して実施することもできる。
・本実施形態では、振動膜を有して音圧を感知するマイクロフォン部分と、そのマイクロフォン部分の指向性を切り換える音圧通路を開閉するシャッタ機構とをそれぞれ、MEMSにて形成するようにしていた。もっとも、マイクロフォン部分がMEMS以外の構造とされたマイクロフォンにも、上記シャッタ基板30のようなMEMSにて形成されたシャッタ機構を採用することで、そのサイズの大型化を抑えながら、指向性の切り換えを可能とすることができる。例えば図9には、エレクトレットコンデンサマイクロフォンに上記シャッタ基板30を採用して指向性の可変を図った指向性可変マイクロフォンの一例が示されている。同図に示すように、この指向性可変マイクロフォンにあって、下底部10aおよび上底部10cにそれぞれ音孔11a,11cの形成された中空箱形の筐体10の内部には、残留分極を有する誘電体からなるエレクトレット振動膜21a、および該エレクトレット振動膜21aに間隙をおいて対向する固定電極22aが、筐体10の側壁10bに支持された状態で配設されている。ここで固定電極22aには、多数の音響孔が透設されており、筐体10の外部の音源で発生した音圧は、エレクトレット振動膜21aの表面および裏面の双方に伝達可能となっている。一方、このエレクトレットコンデンサマイクロフォンでは、上記シャッタ基板30は、こうした筐体10の下底部10aの音孔11aの上方を覆うように配設されており、ICチップ60aからの指令に基づき、その音孔11aを通じた筐体10の外部からエレクトレット振動膜21aの裏面への音圧の伝達通路を選択的に開放・閉塞するようにしている。こうした構成においても、MEMSにて形成することでそのシャッタ機構を小型化することができるため、指向性の可変化に伴うマイクロフォンサイズの大型化を好適に抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図10および図11を参照して、先の第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、第1実施形態の指向性可変マイクロフォンのマイクロフォン基板20に形成された音圧感知用の平行二板式コンデンサとシャッタ基板30に形成したシャッタ機構用の平行二板式コンデンサとを同一の半導体基板に作製することで、部品点数を削減し、生産性を更に向上するようにしている。
次に、本発明の第2実施形態について、図10および図11を参照して、先の第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、第1実施形態の指向性可変マイクロフォンのマイクロフォン基板20に形成された音圧感知用の平行二板式コンデンサとシャッタ基板30に形成したシャッタ機構用の平行二板式コンデンサとを同一の半導体基板に作製することで、部品点数を削減し、生産性を更に向上するようにしている。
図10に、上記2つの平行二板式コンデンサが形成されたマイクロフォン・シャッタ基板70の断面構造を示す。このマイクロフォン・シャッタ基板70は、図1に示した第1実施形態の指向性可変マイクロフォンのものと同様の、上底部および下底部に音響孔の形成された中空箱形の筐体内に収容されている。そしてそうした筐体にあってマイクロフォン・シャッタ基板70は、筐体下底部の音響孔の上部開口を覆うように同筐体下底部の上面に搭載されている。そしてマイクロフォン・シャッタ基板70に形成された上記2つの平行二板式コンデンサの各電極は、筐体内に配設されたICチップに電気接続されるようになっている。
マイクロフォン・シャッタ基板70の基盤となる半導体基板40は、例えば例えばシリコン単結晶のような半導体材料にて形成され、その中央部には、その表裏を貫通する音響孔AH2がその裏面側から表面側にかけて縮径するように形成されている。こうした半導体基板40の上面には、エッチストッパ膜41が成膜されるとともに、その上面には、振動膜として機能する円板形状の可動ダイアフラム電極21が上記音響孔AH2の上部開口を覆うように張設されている。高弾性率を有するこの可動ダイアフラム電極71が張設された音響孔AH2の周囲には、一定厚さの犠牲層44が積層されるとともに、その上面には多結晶シリコンからなるn型の導電層72が設けられている。このn型の導電層72の中央部は、犠牲層44によって周囲を支持されることで、可動ダイアフラム電極71との間に一定の間隙をおいて持ち上げられた状態とされている。そして音圧を通過させる多数の音響孔AH11の形成されたこのn型の導電層72を固定電極として、上記可動ダイア
フラム電極71とともに、当該指向性可変マイクロフォンのマイクロフォン部分を構成する平行二板式コンデンサが形成されている。
フラム電極71とともに、当該指向性可変マイクロフォンのマイクロフォン部分を構成する平行二板式コンデンサが形成されている。
一方、導電層72の上面には、上記半導体基板40に形成された音響孔AH2を囲むように、p型の導電電極部72bが形成されている。なおn型の導電層72とp型の導電電極部72bとは、それらのpn接合部に形成される空乏層Dpにて互いに絶縁されている。こうした導電電極部72bの形成された導電層72の上面には、エッチストッパ膜84が成膜されるとともに、導電電極部72bとの間に一定の間隙が形成されるように中央部が持ち上がる態様で、例えば窒化珪素からなる、高い弾性率を有したダイアフラム73aが配設されている。このダイアフラム73aの下面には、導電電極部72bの上方に位置するように電極部73bが形成されるとともに、その電極部73bの周囲には、ダイアフラム73aの表裏を貫通する複数の音響孔AH12が形成されている。そしてダイアフラム73aおよび電極部73bからなる可動ダイアフラム電極73と上記導電層72の上面に形成された導電電極部72bとによって、シャッタ機構を構成する平行二板式コンデンサが形成されている。
こうしたマイクロフォン・シャッタ基板70では、そのマイクロフォン部分の振動膜である可動ダイアフラム電極71の裏面には、半導体基板40に形成された音響孔AH2を通じて外部から音圧が伝達されるようになっている。本実施形態では、こうした可動ダイアフラム電極71の裏面に至る音圧の伝達通路が、上記第1の音圧通路に相当する。一方、同可動ダイアフラム電極71の表面には、
・シャッタ機構部分の可動ダイアフラム電極73に形成される複数の音響孔AH12。 ・シャッタ機構部分の可動ダイアフラム電極73と導電層72との間に形成された間隙。
・シャッタ機構部分の可動ダイアフラム電極73に形成される複数の音響孔AH12。 ・シャッタ機構部分の可動ダイアフラム電極73と導電層72との間に形成された間隙。
・導電層72の中央部に形成された複数の音響孔AH11。
・導電層72と可動ダイアフラム電極71との間に形成された間隙。
を通じて外部から音圧が伝達されるようになっている。なお本実施形態では、こうした可動ダイアフラム電極71の表面に至る音圧の伝達通路が、上記第1の音圧通路に相当する。そして伝達された音圧により可動ダイアフラム電極71が振動すると、固定電極となる導電層72との間隙が変化して、それらによって構成されるコンデンサの容量が変化することから、その振動に応じた電気信号の生成が可能となっている。
さてこうしたマイクロフォン・シャッタ基板70では、導電層72の上面に形成された導電電極部72bとその上方に設けられた可動ダイアフラム電極73の導電電極部73bとの間に電圧を印可すると、これら両電極部間には電位差が発生して静電引力が生じることとなる。この静電引力により、可動ダイアフラム電極73が、導電層72との間隙を維持することができずに互いに接するまでに撓むと、振動膜である可動ダイアフラム電極71の表面に至る外部からの音圧の伝達通路が閉塞されることとなる。このときの外部の音圧は、可動ダイアフラム電極71の裏面のみに伝達されることから、当該指向性可変マイクロフォンは、無指向性とされるようになる。
一方、導電電極部72bと電極部73bとの間の電圧の印加を解除すると、これら両電極部は互いに同電位となって静電引力が生じないようになるため、可動ダイアフラム電極73は導電層72の上面から離間してそれらの間に再び間隙が形成されるようになる。その結果、振動膜である可動ダイアフラム電極71の表面に至る外部からの音圧の伝達通路が開放され、外部からの音圧が可動ダイアフラム電極71の表面、裏面の双方に伝達されるようになる。そしてこのときの可動ダイアフラム電極71の前方に位置する音源の発生した音圧は、可動ダイアフラム電極71に対してその前方および後方の双方から入力されて相殺されることから、当該指向性可変マイクロフォンは単一指向性とされるようになる
。
。
次に、こうしたマイクロフォン・シャッタ基板70の製造プロセスの一例を、図11を用いて説明する。なお、このマイクロフォン・シャッタ基板70の製造プロセスの一部は、先のマイクロフォン基板20の製造工程と重複しているため、その重複する工程(図7(a)および(b)に相当する工程)に関するここでの詳しい説明は割愛する。
マイクロフォン・シャッタ基板70の作製にあっては、まず、図11(a)に示される半導体基板40を準備する。すなわち、半導体基板40の上下両表面にエッチストッパ膜41が半導体基板40の上表面に形成されるとともに、犠牲層42、高弾性率膜43b、および犠牲層81が順次積層された半導体基板40を準備する。ここで、高弾性率膜43bは、例えばLP―CVD法により多結晶シリコン(Poly−Si)で形成された厚さ1.0[μm]の膜である。また、犠牲層81は、P−CVD法あるいは常圧CVD法によりPSGで形成された厚さ3.0[μm]の層である。
次に、このようにして準備された半導体基板40の上表面に形成された犠牲層81に対し、電極形成工程として、図11(b)に示されるように、例えば多結晶シリコン(Poly−Si)からなる導電層82を、例えばLP−CVD法を通じて10[μm]だけ成膜する。なおこのとき、導電層82にリン(P)を拡散させて同導電層82をn型としておく。また併せて、導電層82の上表面全面にレジストRを塗布し、このレジストRをマスクとして導電層82の一部にボロン(B)を注入し、これをp型とする。こうすることで、n型の導電層82の一部にp型の導電膜83が形成され、これらn型の導電層82とp型の導電膜83との界面に空乏層Dpが形成されることとなる。
次に、図11(c)に示されるように、音響孔形成工程としてまず、導電層82,83の上表面に残留しているレジストRを、例えば酸素プラズマを通じて剥離する。そうしてレジストRが除去された後、例えばLP−CVD法を通じて、導電層82の上表面に窒化珪素からなるエッチストッパ膜84を0.1[μm]だけ成膜する。その後、導電層82およびエッチストッパ膜84の高弾性率膜43bと対向する部分に対し、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて、エッチストッパ膜84の上表面から犠牲層81の上表面に至る貫通孔82a,84aを複数形成する。その後、エッチストッパ膜84に対しては0.5〜3.0[μm]だけ、貫通孔82a,84aに対しては犠牲層81の上表面に至るその内部に、P−CVD法あるいは常圧CVD法を通じてPSGからなる犠牲層85を成膜する。このように形成された犠牲層85に対し、熱処理による平坦化・パターニングを通じて、断面メサ構造に整形する。
続く可動ダイアフラム形成工程にあってはまず、図11(d)に示すように、例えばLP−CVD法を通じて、多結晶シリコンからなる導電膜86を犠牲層85の上表面に0.5[μm]だけ成膜する。そうして犠牲層85の上表面全面に成膜された導電膜86のうち、導電膜83に対向する部分以外の部分に対し、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じて、これらを取り除く。すなわち、導電膜83に対向する部分のみが残留する。そうした導電膜86の形成後、半導体基板40の上表面全面に対し、例えば窒化シリコンからなる高弾性率膜87をPE−CVD法により2.0[μm]だけ成膜する。そして、この成膜された高弾性率膜87に対し、通常のフォトリソグラフィおよびドライエッチングを通じたパターニングを行い、同高弾性率膜87の上表面から犠牲層85の上表面に至る貫通孔87aを形成する。一方、例えばKOHやTMAHのような現像液を使用した異方性のウエットエッチング法により、半導体基板40の高弾性率膜43bと対向する部分に、半導体基板40の裏面からエッチストッパ膜41の下表面に至る開口部40aを形成する。なお、同図11(d)に示されるように、半導体基板40に形成される開口部40aは、ウエットエッチングの異方性のため、その裏面側から表面側にかけて縮
径されている。
径されている。
こうして半導体基板40の裏面側に開口部40aが形成された後、例えばフッ酸(HF)のような薬品を使用したウエットエッチング法により、半導体基板40上に形成された犠牲層をエッチングする。すなわち、高弾性率膜87の下表面と導電層82の上表面との間に位置する犠牲層85、および導電層82の下表面と高弾性率膜43bの上表面との間に位置する犠牲層81に対しては、高弾性率膜87に形成された貫通孔87aおよび導電層82に形成された貫通孔82aを利用して上記薬品を浸透させ、これを除去する。また、高弾性率膜43bの下部に位置する犠牲層42に対しては、半導体基板40に形成された開口部40aを利用して上記薬品を浸透させ、これを除去する。これにより、高弾性率膜87と導電層82との間に間隙が形成され、高弾性率膜87は大きく撓むことができるようになる。更に、高弾性率膜43bと導電層82との間にも間隙が形成され、高弾性率膜43bも大きく撓むことができるようになる。
なお、図11(d)と、先の図10と同様の図である図11(e)との対比からわかるように、半導体基板40の裏面側に形成された開口部40aは音響孔AH2として、高弾性率膜43bは可動ダイアフラム電極71として機能する。また、高弾性率膜87およびその貫通孔87aはダイアフラム73aおよび音響孔AH12として、導電層82の貫通孔82aは音響孔AH11として機能する。
以上説明したように、第2実施形態に係る指向性可変マイクロフォンよれば、先の第1実施形態の上記(1)および(2)の効果に加え、新たに以下のような優れた効果を奏することができる。
(3)第1の音圧通路の一部を構成する音響孔AH11と導電電極部72bとをマイクロフォン・シャッタ基板70の導電層72に形成するとともに、可動ダイアフラム電極71と可動ダイアフラム電極73とをその導電層72を挟んで対向するように配設することとした。このようにマイクロフォン基板とシャッタ基板とを同一の半導体基板に作製することで、部品点数を削減し、生産性を更に向上することができるようになる。
(3)第1の音圧通路の一部を構成する音響孔AH11と導電電極部72bとをマイクロフォン・シャッタ基板70の導電層72に形成するとともに、可動ダイアフラム電極71と可動ダイアフラム電極73とをその導電層72を挟んで対向するように配設することとした。このようにマイクロフォン基板とシャッタ基板とを同一の半導体基板に作製することで、部品点数を削減し、生産性を更に向上することができるようになる。
こうした第2実施形態の指向性可変マイクロフォンは、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、第1の音圧通路の一部を構成する音響孔AH11と導電電極部72bとをマイクロフォン・シャッタ基板70の導電層72に形成し、可動ダイアフラム電極71と可動ダイアフラム電極73とをその導電層72を挟んで対向するように配設することとした。しかし、マイクロフォン基板20とシャッタ基板30との同一の半導体基板への作製態様はこれに限られず任意である。いわゆるMEMSを通じてこれら両基板を同一の半導体基板へ作製することができれば、上記(3)の効果を得ることはできる。
・上記実施形態では、第1の音圧通路の一部を構成する音響孔AH11と導電電極部72bとをマイクロフォン・シャッタ基板70の導電層72に形成し、可動ダイアフラム電極71と可動ダイアフラム電極73とをその導電層72を挟んで対向するように配設することとした。しかし、マイクロフォン基板20とシャッタ基板30との同一の半導体基板への作製態様はこれに限られず任意である。いわゆるMEMSを通じてこれら両基板を同一の半導体基板へ作製することができれば、上記(3)の効果を得ることはできる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる指向性可変マイクロフォンモジュールについて、図12〜図14を参照しつつ説明する。なお、これら図12〜図14において、先の図1〜図11に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
次に、本発明の第3実施形態にかかる指向性可変マイクロフォンモジュールについて、図12〜図14を参照しつつ説明する。なお、これら図12〜図14において、先の図1〜図11に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
この実施形態にかかる指向性可変マイクロフォンモジュールは、指向性可変マイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで無指向性に設定する指向性可変マイクロフォンの数と単一指向性に設定する指向性可変マイクロフォンの数との比率を制御するICチップを備えることで、指向性の細密で容易な調整を行おうとしている。
図12は、そうした指向性可変マイクロフォンモジュールの回路基板部分の分解斜視図を示している。また図13は、本実施形態の指向性可変マイクロフォンモジュールの側部断面構造を示したものである。
図13に示されるように、表裏を貫通する音孔16aの形成された回路基板15aの上面には、その音孔16aの上部開口を覆うように、シャッタセル30bが同一の基板上にアレイ配置されたシャッタアレイ基板30aが搭載され、さらにその上面に、シャッタセル30bと同数のマイクロフォンセル20bが同一の基板上にアレイ配置されたマイクロフォンアレイ基板20aが搭載される。またそれら両基板20a,30aの側方には、アレイ配置された複数のマイクロフォンのうちで無指向性に設定する指向性可変マイクロフォンの数と単一指向性に設定する指向性可変マイクロフォンの数との比率を制御するICチップ60b(開閉制御部)が回路基板15a上に搭載されている。ちなみに、このICチップ60bは、マイクロフォンアレイ基板20aの各マイクロフォンセル20bの出力を適宜合成して出力する機能も兼ね備えている。こうしたICチップ60bからの出力に表れる指向性は、各マイクロフォンセル20bの指向性を概ね平均化したものとなる。
なお、マイクロフォンアレイ基板20aに形成された各マイクロフォンセル20bはそれぞれ、先の図2に示したマイクロフォン基板20と基本的に同じ構造とされている。またシャッタアレイ基板30aに形成された各シャッタセル30bはそれぞれ、先の図3に示したシャッタ基板30と基本的に同じ構造とされている。
図13に示されるように、上記マイクロフォンアレイ基板20a、シャッタアレイ基板30aおよびICチップ60bの搭載された回路基板15aの上面に、金属材料により形成されたカバー15cを貼設することで、当該指向性マイクロフォンモジュールの主要構造を収容する筐体15が形成されている。この筐体15のカバー15cの上面には、外部から伝達された音圧を内部に通過させるための音孔16cが形成されるとともに、その音孔16cを通じた埃等の浸入を防ぐクロス17cが貼設されている。なお、筐体10の下底部を構成する上記回路基板15aの上面にも、その音孔16aの形成部分およびその周辺部には、同様のクロス17aが貼設されている。
以上のように構成された指向性可変マイクロフォンモジュールにおいて、ICチップ60bによる指向性の制御態様を図14に示す。
同図14に示されるように、アレイ配置された指向性可変マイクロフォンをすべて無指向性OMに設定すると、指向性可変マイクロフォンモジュール全体としての指向性は無指向性に設定されることとなる。ここで、アレイ配置された指向性可変マイクロフォンのうち単一指向性UMに設定する同マイクロフォンの数を増やしていくと、指向性可変マイクロフォンモジュール全体としての指向性は、無指向性から単一指向性に近づくようになる。そして、アレイ配置された指向性可変マイクロフォンをすべて単一指向性UMに設定すると、指向性可変マイクロフォンモジュール全体としての指向性は強い単一指向性に設定されることとなる。
以上説明した第3実施形態に係る指向性可変マイクロフォンよれば、先の第1実施形態の上記(1)および(2)の効果に加え、新たに以下のような優れた効果を奏することができる。
(4)上記第1実施形態の指向性可変マイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで単一指向性に設定するマイクロフォンの数と無指向性に設定するマイクロフォンの数との比率を変更するICチップ60bを備えることとした。これにより、モジュールを構成する個別のマイクロフォン単位では、無指向性と単一指向性とのいずれかに指向性を二値的に切り換えるだけの簡易な構成でありながらも、モジュール全体としての指向性は、無指向性と単一指向性との間で細密に調整することができる。
(4)上記第1実施形態の指向性可変マイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで単一指向性に設定するマイクロフォンの数と無指向性に設定するマイクロフォンの数との比率を変更するICチップ60bを備えることとした。これにより、モジュールを構成する個別のマイクロフォン単位では、無指向性と単一指向性とのいずれかに指向性を二値的に切り換えるだけの簡易な構成でありながらも、モジュール全体としての指向性は、無指向性と単一指向性との間で細密に調整することができる。
こうした第3実施形態の指向性可変マイクロフォンモジュールは、以下のように変更して実施することもできる。
・マイクロフォンアレイ基板20aおよびシャッタアレイ基板30aに形成されるマイクロフォンセル20bおよびシャッタセル30bの数や配列態様は、任意に変更可能ある。
・本実施形態では、各マイクロフォンセル20bを同一の基板(マイクロフォンアレイ基板20a)上に形成するようにしていたが、各マイクロフォンセル20bを個別の基板に別体として形成するようにしても良い。またシャッタセル30bについても同様に、それぞれ個別の基板に別体として形成するようにしても良い。
10,15…筐体、10a…下底部、10b…側壁、10c…上底部、11a,11c,16a,16c…音孔、12a,17a,17c…クロス、15a…回路基板、15c…カバー、20…マイクロフォン基板、20a…マイクロフォンアレイ基板、20b…マイクロフォンセル、21,32,71,73…可動ダイアフラム電極(可動部品)、21a…エレクトレット振動膜、22a…固定電極、22b…固定電極保護膜、24,26,34,36…引出配線、25,27,35,37…引出電極、30…シャッタ基板(シャッタ機構)、30a…シャッタアレイ基板(シャッタ機構)、30b…シャッタセル、31…導電電極、32a,73a…ダイアフラム部、32b,73b…電極部、40,50…半導体基板、40a,44a,44b,50a、56a…開口(部)、41,84…エッチストッパ膜、42,44,54,81,85…犠牲層、43,43a、43b,56,87…高弾性率膜、45,47,52,55,83,86…導電膜、46,51,53…保護膜、46a,46b,82a,84a,87a…貫通孔、60,60a,60b…ICチップ(開閉制御部)、70…マイクロフォン・シャッタ基板、72,82…導電層、
72b…導電電極部。
72b…導電電極部。
Claims (10)
- 外部から伝達された音圧により振動される振動膜と、
外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、
外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、
前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する機構であって、半導体基板に形成された可動部品およびその可動部品の駆動に係る電気部品からなるシャッタ機構と、
を備えることを特徴とするマイクロフォン。 - 外部からの音圧の伝達により振動される振動膜およびその振動膜の振動を電気信号に変換する変換部が形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、
外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、
外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、
前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する可動部品とその可動部品の駆動に係る電気部品とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、
を備えることを特徴とするマイクロフォン。 - 外部からの音圧の伝達により振動される可動ダイアフラム電極とその可動ダイアフラム電極に間隙をおいて対向配置された固定電極とが形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、
外部から前記可動ダイアフラム電極の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、
外部から前記可動ダイアフラム電極の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、
前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞する可動部品とその可動部品の駆動に係る電気部品とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、
を備えることを特徴とするマイクロフォン。 - 外部からの音圧の伝達により振動される可動ダイアフラム電極とその可動ダイアフラム電極に間隙をおいて対向配置された固定電極とが形成された半導体基板からなるマイクロフォン基板と、
外部から前記可動ダイアフラム電極の一方の面に至る音圧の伝達経路を形成する第1の音圧通路と、
外部から前記可動ダイアフラム電極の他方の面に至る音圧の伝達経路を形成する第2の音圧通路と、
導電電極とその導電電極との間に前記第1の音圧通路の一部を構成する間隙をおいて対向配置されるとともに前記導電電極との間の電圧印加により発生する静電引力によって該導電電極に吸着される可動ダイアフラム電極とが形成された半導体基板からなるシャッタ基板と、
を備えることを特徴とするマイクロフォン。 - 前記マイクロフォン基板と前記シャッタ基板とが同一の半導体基板とされてなる
請求項2〜4のいずれか1項に記載のマイクロフォン。 - 前記マイクロフォン基板の固定電極に前記第1の音圧通路の一部を構成する音孔と前記シャッタ基板の前記導電電極を形成するとともに、前記マイクロフォン基板の可動ダイアフラム電極と前記シャッタ基板の可動ダイアフラム電極とをその固定電極を挟んで対向するように配設した
ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロフォン。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォンを複数アレイ配置するとともに、それらマイクロフォンのうちで前記第1の音圧通路を開放するマイクロフォンの数と同第1の音圧通路を閉塞するマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備える
ことを特徴とするマイクロフォンモジュール。 - 請求項2〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォンを複数アレイ配置
するとともに、それらマイクロフォンのうちで前記第1の音圧通路を開放するマイクロフォンの数と同第1の音圧通路を閉塞するマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備え、
更に前記アレイ配置された各マイクロフォンの前記マイクロフォン基板が共に同一の半導体基板に形成されるとともに、同じく各マイクロフォンの前記シャッタ基板が共に同一の半導体基板に形成されてなる
ことを特徴とするマイクロフォンモジュール。 - 外部から伝達された音圧により振動される振動膜と、外部から前記振動膜の一方の面に至る音圧の伝達経路となる第1の音圧通路と、外部から前記振動膜の他方の面に至る音圧の伝達経路となる第2の音圧通路と、前記第1の音圧通路を選択的に開放・閉塞するシャッタ機構と、を各々有して構成された複数のマイクロフォンをアレイ配置するとともに、
それらマイクロフォンのうちで前記シャッタ機構により前記第1の音圧通路が開放されたマイクロフォンの数と、前記シャッタ機構により前記第1の音圧通路が閉塞されたマイクロフォンの数との比率を変更する開閉制御部を備える
ことを特徴とするマイクロフォンモジュール。 - 前記アレイ配置された各マイクロフォンの前記振動膜が同一の半導体基板に形成されるとともに、各マイクロフォンの前記シャッタ機構が同一の半導体基板に形成されてなる
請求項9に記載のマイクロフォンモジュール。
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JP2005315836A JP2007124449A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | マイクロフォンおよびマイクロフォンモジュール |
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