JP2007123911A - 温度調節器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に製造することができ、且つ、均熱性及び熱応答性に優れた温度調節器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板載置用プレート1と冷却用プレート3との間の熱電デバイス21は、その上側の銅箔電極5、5、…が、基板載置用プレート1の下面の略全域をおおう接着剤シート17によってプレート1の下面に接着されており、その下側の銅箔電極7、7、…が、冷却用プレート3の上面の略全域をおおう接着剤シート19によってプレート3の上面に接着されている。接着剤シート17と、それに接着された銅箔電極5との厚みの合計値、及び接着剤シート19と、それに接着された銅箔電極7との厚みの合計値は、それぞれ共に、熱抵抗が十分小さくなる25〜1000μm程度と薄く設定されている。少なくとも基板2に対応する領域の全域をカバーする広い領域にわたって、熱電変換素子9、13が分散配列されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハのような基板の温度制御に好適な温度調節器に関し、特に、ペルチェ効果を利用した半導体熱交換デバイスを用いた温度調節器及びその製造方法の改良に関するものである。
従来、半導体ウェハのような基板を温度制御対象とする温度調節器において、加熱/冷却するための手段としてペルチェ効果を利用した半導体熱電変換モジュール(以下、熱電モジュール)を備えた温度調節器が知られている。この温度調節器は、温度制御対象を載置するためのプレートと熱交換用のプレートとの間に、熱電モジュールを挟んだ構成となっている。熱電モジュールは、一般に、2枚の矩形状セラミック板の間に、電極によってパイ型に結合され且つ電気的には直列に接続された多数の直方体形のP型半導体素子とN型半導体素子との2次元配列を挟み込んだものである。熱電モジュールに電流を流すと、ペルチェ効果によって一方のセラミック板の表面(熱交換面)で吸熱をし、他方のセラミック板の表面(熱交換面)で放熱をする。
この温度調節器で、例えば温度制御対象を冷却する場合には、熱電モジュールを載置用プレート側で吸熱し熱交換用プレート側で放熱するように駆動し、そして、熱交換用プレートが、例えばその内部に流れる冷却水によって熱電モジュールから熱を奪う。
ところで、従来のこの種の温度調節器は、次のように製造されている。すなわち、まず、温度調節器のサイズに応じた個数の熱電モジュールを用意する。1つの熱電モジュールはせいぜい数cm×数cm程度のサイズであるため、例えば直径30cmウェハ用の温度調節器を作る場合、温度調節器の直径は30cmを超えるので、多数個の熱電モジュールが必要となる。次に、熱伝導性グリースを各熱電モジュールの2つの熱交換面にそれぞれ塗布する。次に、それらの熱電モジュールを上記載置用プレートと熱交換用プレートとので挟んで、両プレートの外面側から加圧することにより、それらの熱電モジュールを両プレートに圧接させる。そして、その圧接させた状態で、両プレート同士を複数のボルトを用いて締結して、両プレートの間に挟まれた熱電モジュールの位置を固定する。ボルト締結により、強い力で各プレートと熱電モジュールとが圧接されるので、各プレートの表面に細かい凹凸があっても各プレートと熱電モジュールが密着して両者間に十分大きい接触面積を確保することができる。
しかし、上述した従来の温度調節器の製造方法においては、ボルトの締結工程の存在により、工数が多くなるという問題がある。また、ボルトの締結に際して締めつけが強すぎると、プレートが変形してしまう虞もある。また、個々のボルトの締結具合にばらつきが生じると、熱電モジュールの位置がずれてしまったり、各プレートの間から熱電モジュールが押し出されてしまうという不具合が生じる虞もある。また、プレートへのボルトの取付け位置が、各プレートの強度や熱交換用プレート内の水路の配置等により制約を受ける場合には、それによって熱電モジュールの取付位置も制限されてしまい、その結果載置用プレート表面の温度分布にむらが生じ、温度制御対象の全ての部分を同一温度に制御する能力、つまり均熱性が悪くなるという問題もある。更に、従来の温度調節器では、熱電モジュールと各プレートとの間に、両者間を電気的に絶縁するためにセラミック板を介在させているので、このセラミック板が熱抵抗として作用し、特に載置用プレート側のセラミック板の熱抵抗によって、温度制御対象に対する十分高い熱応答性を得ることができない。そのため、温度制御対象の温度を、迅速に所望の温度値に制御することができない。
従って、本発明の目的は、容易に製造することができ、且つ、均熱性及び熱応答性に優れた温度調節器及びその製造方法を提供することにある。
本発明に従う温度調節器は、温度制御対象を載置するための載置用平板と、熱交換を行なうための熱交換平板と、それら2枚の平板の間に挟まれた、2次元配列された多数の熱電変換素子とそれら多数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している多数の電極とを持つ熱交換デバイスとを備える。熱交換デバイスの多数の熱電変換素子は、載置用平板上に載置される温度制御対象に対応する領域をカバーする温度制御領域の実質的全域にわたって分散して配置されている。
本発明によれば、温度制御対象に対応する領域の全域をカバーする温度制御領域にわたって、密に熱電変換素子を分散配列させることができるので確実に均熱性において優れる。
好適な実施形態では、熱交換デバイスに含まれる多数の熱電変換素子の全てが電気的に直列に接続されている。また、電極は金属箔、例えば銅箔やステンレス箔である。
好適な実施形態では、熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、接着剤により載置用平板又は熱交換平板に固定されている。その接着剤は、電気的絶縁性を有し、熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、その接着剤により、載置用平板又は熱交換平板に直接的に接着されている。接着剤で固定されている側の電極と接着剤とを合わせた厚みは、略25〜1000μmである。
好適な実施形態では、載置用平板又は熱交換平板の表面が、絶縁材料によりコートされており、コートされた表面に、熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が接着されている。
好適な実施形態では、熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、載置用平板又は前記熱交換平板に対し摺動可能な状態で取付けられており、他方の熱交換面が、載置用平板又は熱交換平板に固定されている。その他方の熱交換面は、載置用平板又は熱交換平板に、電気的絶縁性を持った接着剤で直接的に接着されている。より好適には、熱交換デバイスの一方の熱交換面が、熱交換平板に対して摺動可能になっており、他方の熱交換面が、載置用平板に接着剤で接着されている。
好適な実施形態では、載置用平板が、可撓性を有するシートである。
好適な実施形態では、複数の熱交換デバイスが、それらの熱交換面を直列に並べた形で積層されている。この場合、その複数の熱交換デバイスは、例えば、電気的絶縁性の接着剤により互いに接着されている。
好適な実施形態では、載置用平板と熱交換平板との間に補強部材が備えられる。その補強部材は、熱交換デバイスに含まれる熱電変換素子間を電気的に絶縁する格子状部材である。
好適な実施形態では、載置用平板と熱交換平板との間に、熱交換デバイスの多数の熱電変換素子を配置するための治具を備える。
好適な実施形態では、熱交換平板の内部には冷却水の通路を有する。
好適な実施形態では、載置用平板は、1又は複数のヒートパイプを備えるヒートプレートである。
本発明の第1の観点に従う温度調節器の製造方法は、接着剤シートの表面に金属箔を接着する第1の工程と、第1の工程の後に接着剤シートの表面の金属箔をパターンエッチングしてそれぞれ所定の配線パターンをもつ電極を形成する第2の工程と、第2の工程の後に接着剤シートを載置用平板又は熱交換平板の片面に接着する第3の工程と、第2の工程の後に金属箔の電極の所定位置に各熱電変換素子を接合する第4の工程とを有する。
本発明の第2の観点に従う温度調節器の製造方法は、接着剤シートの表面に金属箔を接着する第1の工程と、接着剤シートを載置用平板又は熱交換平板の片面に接着する第2の工程と、第1及び第2の工程の後に接着剤シート上の金属箔にパターンエッチングを施して接着剤シート上に所定のパターンをもつ電極を形成する第3の工程と、第3の工程の後に金属箔の電極の所定位置に各熱電変換素子を接合する第4の工程とを有する。
好適な実施形態では、接着剤シートによる接着を、接着剤シートを加熱して溶着させることにより行なう。
好適な実施形態では、熱電変換素子を電極に接合するときには、熱電変換素子の配置パターンに合わせて形成された熱電変換素子をセットするため貫通孔を有している熱電変換素子取付け用の治具を用いる。
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。この温度調節器により温度制御される対象物は、その形状等に格別の限定があるわけではないが、典型的な例としては半導体ウエハや、液晶基板等の基板が挙げられる。
上記温度調節器は、図1に示すように、温度制御対象たる基板2を載置するための基板載置用プレート1と、内部に冷却水が流れる冷却用プレート3と、両プレート1、3間に挟まれたペルチェ効果を利用した半導体熱電変換デバイス(以下、熱電デバイス)21とを備える。熱電デバイス21は、基板載置用プレート1の下面に接着された多数枚の銅箔電極5、5、…と、冷却用プレート3の上面に接着された多数枚の銅箔電極7、7、…と、上側の銅箔電極5、5、…と下側の電極7、7…との両電極に挟まれるようにして接合された多数個の直方体形のP型半導体素子(熱電変換素子)9、9、…、及びN型半導体素子(熱電変換素子)13、13、…とから構成される。この熱電デバイス21の上側の電極5、5、…と下側の電極7、7、…は、基板載置用プレート1の下面と冷却用プレート3の上面とをそれぞれを覆う2枚の接着剤シート17、19によって、基板載置用プレート1の下面と冷却用プレート3の上面にそれぞれ接着されている。つまり、熱電デバイス21の上側の電極5、5、…と下側の電極7、7、…(つまり、上側と下側の熱交換面)は、接着剤シート17、19によりプレート1、3に直接的に接着されている。図1では、図示の都合上、P型半導体素子9、9、…とN型半導体素子13、13、…をそれぞれ2個づつしか示していないが、実際には、P型半導体素子9、9、…もN型半導体素子13、13、…もそれぞれ例えば数百個程度の、多数個存在する。
図1で示す基板載置用プレート1は例えばアルミニウム、セラミックス、又は金属基複合材等の複数種類の金属材料(剛性材料)で構成されており、基板載置用プレート1の上面には、温度制御対象として上述したような半導体ウエハや、液晶基板等の基板が載置される。一方、冷却用プレート3も、例えばアルミニウム、セラミックス、又は金属基複合材等の複数種類の金属材料(剛性材料)で構成されており、冷却用プレート3の内部には、冷却水を通すための通路(冷却水配管)が、冷却用プレート3の実質的全域に冷却水が巡るように通っている。
基板載置用プレート1と冷却用プレート3との間には、前述したように熱電デバイス21が挟み込まれている。熱電デバイス21は、次のような構成となっている。即ち、上側の銅箔電極5、5、…の各々に、1つのP型半導体素子9と1つのN型半導体素子13が半田付けされたパイ型のユニット形成されており、更に、各パイ型ユニットのP型半導体素子9とその隣のパイ型ユニットのN型半導体素子13と下側の銅箔電極7、7、…の各々に半田付けされている。こうして、多数のP型半導体素子9、9、…とN型半導体素子13、13、…が上側と下側の電極5、5、…、7、7、…によって電気的に直列に接続されている。そして、このP型半導体素子9、9、…とN型半導体素子13、13、…の直列接続体(つまり熱電デバイス21)に直流電流を流すと、電流の方向に応じて、上側電極5、5、…側の面(上側熱交換面)で吸熱し、下側電極7、7、…側の面(下側熱交換面)で放熱をするか、又は下側熱交換面で吸熱し、上側熱交換面で放熱をする。具体的には、直流電流がP型半導体素子9側からN型半導体素子13に向かって流れている電極ではペルチェ効果により吸熱が、逆にN型からP型へと流れている電極では発熱がそれぞれ生じる。その結果、図1中、右から左へ電流が流れているときは熱が基板載置用プレート1から冷却用プレート3へ向かって移送され、逆に、図1中左から右へ電流が流れるときは、熱が冷却用プレート3から基板載置用プレート1へ向かって移送される。この実施形態では、熱電デバイス21を構成する半導体素子9、9、…、13、13、…が電気的に直列接続されているが、これらの半導体素子9、9、…、13、13、…をいくつかのグループに分け、各グループ内では直列接続されているからグループ同士は電気的に並列接続されるか、又は電気的に独立されるように構成しても良い。
上側の銅箔電極5、5、…は、基板載置用プレート1の下面の略全域をおおう接着剤シート17によって、プレート1の下面に接着されている。同様に、下側の銅箔電極7、7、…も、冷却用プレート3の上面の略全域をおおう接着剤シート19によって、プレート3の上面に接着されている。接着剤シート17、19は、接着だけでなく、電気的絶縁膜の役目も果たしている。
接着剤シート17、19には、例えばポリイミド樹脂のような電気的絶縁性と、耐熱性と接着性とを有する材料を、薄膜つまりフィルム状に形成したものが採用される。例えばポリイミド樹脂を用いた接着剤シート17、19は、200〜300℃程度の温度に加熱されることにより、接触した物体に溶着する性質を有する。この性質を利用して、上記溶着温度で、接着剤シート17は、上述したように基板載置用プレート1の下面に接着され、接着剤シート19は、冷却用プレート3の上面に接着され、さらに、接着剤シート17の下面に上側電極5、5、…が接着され、接着剤シート19の上面に下側電極7、7、…が接着されている。接着剤シート17と、それに接着された銅箔電極5との厚みの合計値、及び接着剤シート19と、それに接着された銅箔電極7との厚みの合計値は、熱抵抗を十分小さくするため、それぞれ共に25〜1000μm程度と薄く設定されている。
図2は、この温度調節器の熱電デバイス21のP型及びN型半導体素子(熱電変換素子)9、13の平面的配置を示した平面図である。
図2において、点線で示す円形領域400は、基板載置用プレート1(図2中の冷却用プレート3と同じ領域)上に載置される温度制御対象の基板2に対応する領域を示したものである。図示のように、少なくとも基板に対応する領域400の全域をカバーする広い温度制御領域401にわたって、熱電変換素子9、13が分散配列されている。対比のために、図3に従来の温度調節器の熱電変換素子の平面配置例を示す。従来技術の欄で述べたとおり、冷却用プレート501上に、複数個の矩形の熱電モジュール503、503、…が配置され、複数本のボルト505、505、…による締結で、それらの熱電モジュール503、503、…が固定されている。個々の熱電モジュール503が存在する領域には熱電変換素子509、513が存在するが、熱電モジュール503と熱電モジュール503との間の領域515には、熱電変換素子509、513は全く存在しない。図2と図3を対比して明らかなように、図2に示した本発明に従う温度調節器の方が図3の従来器より均熱性において優れる。
尚、本発明の温度調節器には、例えば図4に示すように、基板領域400内に、温度制御対象の基板2を昇降させるための昇降ピンが通るピン穴455a、455b、455cを設ける必要がある場合がある。このように、基板に対応する領域400の全域を完全にカバーするように熱電変換素子9、13を分散配列させても、熱電変換素子9、13の密度や間隔が場所によって変わったり、局所的に熱電変換素子9、13が抜ける箇所が幾つか存在したりする場合があるが、それでも従来の温度調節器に比べれば、基板に対応する領域400の全域に密に熱電変換素子9、13を分散配列させることができるので確実に均熱性において優れる。
このように、本発明に従う温度調節器において熱電変換素子9、13を基板対応領域400の全域にわたって分散配置することができるのは、この温度調節器の製造方法に依るところが大きい。
そこで次に、図1、2に示した本発明に従う温度調節器の製造方法について説明する。製造方法は、熱電デバイス21の電極5、7のパターニングとプレート1、3への接着の順序によって、大きく2つの方法に分けることができる。
まず、第1の製造方法を説明する。
最初に、ポリイミド製の接着剤シート17、19の表面に、それぞれ広い銅箔を、熱プレスなどの接着剤シート17、19の溶着を生じさせる方法で、接着する。その後、接着剤シート17、19のそれぞれの表面の銅箔をパターンエッチングすることにより、接着剤シート17、19のそれぞれの表面上に銅箔電極5、5、…、7、7、…を形成する。
その後、表面に電極5、5、…が接着された接着剤シート17を基板載置用プレート1の下面の略全域に、また、表面に電極7、7、…が接着された接着剤シート19を冷却用プレート3の上面の略全域に、熱プレス等の接着剤シート17、19の溶着を生じさせる方法で、接着する。
上記工程が終了すると、銅箔電極5、5、…上の所定位置に、P型半導体素子9、9、…及びN型半導体素子13、13、…をそれぞれ半田付けする。また、銅箔電極5、5、…上に半田付けされた各素子9、9、…、13、13、…を、下側の銅箔電極7、7、…上の所定位置にそれぞれ半田付けする。この工程の終了により、上記温度調節器の製造工程が完了する。尚、接着剤シート17、19をプレート1、3に接着する前に、先に電極5、5、…、7、7、…に、半導体素子9、9、…、13、13、…を半田付けしても良い。
次に、第2の製造方法を、図5の(a)〜(d)を参照して説明する。
まず、図5(a)に示すように、接着剤シート19の表面に熱プレス等の方法で広い銅箔7'を接着し、且つ、その接着剤シート19を熱プレス等の方法で冷却用プレート3の上面に接着する。また、図示しないが、同様にして、接着剤シート17の表面に広い銅箔を接着し、且つ、その接着剤シート19を基板載置用プレート1の下面に接着する。
次に、図5(b)に示すように、接着剤シート19上の銅箔7'にパターンエッチングを施して、接着剤シート19上に所定のパターンの銅箔電極7、7、…を形成する。図示しないが、同様にして、基板載置用プレート1に接着した接着剤シート17上にも、所定のパターンの銅箔電極5、5、…を形成する。
次に、図5(c)に示すように、下側の銅箔電極7、7、…上に、P型半導体素子9、9、…、及びN型半導体素子13、13、…を、半田付けする。
同様に、図5(d)に示すように、上側の銅箔電極5、5、…上にも、P型半導体素子9、9、…、及びN型半導体素子13、13、…を半田付けする。これで製造工程を完了する。
はじめに説明した第1の製造方法では、パターニングされた銅箔電極5、5、…、7、7、…が先に接着されている接着剤シート17、19を基板載置用プレート1及び冷却用プレート3に熱プレス等の方法で接着する。このとき、銅箔電極5、5、…、7、7、…の角に、強く圧力がかかって、接着剤シート17、19を傷つけてしまうことがある。そのため、接着剤シート17、19には傷に耐え得るだけの厚みが必要になる。
これに対し、第2の製造方法では、接着剤シート17、19を基板載置用プレート1及び冷却用プレート3に接着した後に、エッチングによって銅箔電極5、5、…、7、7、…のパターニングを行なうので、銅箔電極5、5、…、7、7、…の角で接着剤シート15、17に傷がつく心配がなくなり、よって、接着剤シート17、19をより薄くすることができる。その結果、接着剤シート17、19の熱抵抗が減り、熱応答性が向上する。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、基板載置用プレート1と冷却用プレート3に、熱電デバイス21の熱交換面である銅箔電極5、5、…、7、7、…が、ポリイミドフィルムのような電気的絶縁性と耐熱性とを有した接着剤シート17、19を用いて接着されている。そのため、図3に示した従来の温度調節器のように、基板載置用プレートと冷却用プレート501との間に、熱交換面がセラミック板である複数個の熱電モジュール503を挟み込んでボルト505、505、…で締結した構成と比較して、本実施形態の温度調節器は、図2に示したように、温度制御対象である半導体ウエハや液晶基板等の基板に対応する領域400の略全域に熱電変換素子9、13を分散配置できるので均熱性に優れ、且つ、熱電変換素子9、13とプレート1、3間の熱抵抗が小さいので熱応答性が高い。
また、本実施形態は、ボルトを用いないことによって、製造工数が多くなるという問題や、各プレート1、3へのボルトの埋込みによる各プレートの破損の虞や、個々のボルトの締結具合に生じるばらつきに起因する熱電モジュールの位置ずれや、各プレートの間からの熱電モジュールのはみ出し等の従来器が持っていた不具合からも解放される。更には、ボルトを用いないことによって、ボルトの位置を避けて熱電変換素子9、13を配置するという必要がない。このため、プレート1、3の実質的全面にわたって、熱電変換素子9、13を配置することができる。その結果、温度制御対象の基板2の温度むらが最小になるように、熱電変換素子9、13の配置の密度の調整も自由に可能であり、高い均熱性が得られる。
なお、上記実施形態では、熱電変換素子9、13の電極として銅箔電極5、7を用いたが、銅箔に代えてアルミニウム箔やステンレス箔、その他の導電性を有する材料を用いても差支えない。また、基板載置用プレート1には、プレート形ヒートパイプ、即ち、1又は複数のヒートパイプ構造をしたプレートを採用することも可能である。また、接着剤シート17を基板載置用プレート1として流用する(換言すれば、基板載置用プレート1を除去し、接着剤シート17上に、基板2を載置する)こともできる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。図7は、この温度調節器の熱電変換素子9、13の平面的配置を示した平面図である。尚、両図では、図1と機能的に同じ要素には同一の番号を付してある。これは、後の図面についても同様である。以下、図1と重複した説明を避けるため、変更点のみを説明する。
本実施形態では、基板載置用プレート1と冷却用プレート3とが、その外縁部に取付けられた複数本のボルト410によって固定されている。そして、冷却用プレート3の上面略全域に、電気的絶縁材料(例えば雲母)製の絶縁プレート200が、両者間に熱伝導性グリースの層202を介して、ボルト410の締結力で圧接されており、また、絶縁プレート200の上面に、熱電デバイス21の下側の電極7、7、…が、熱電グリースの層203を介して、ボルト410の締結力で圧接されている。
熱電デバイス21の上側電極5、5、…は、前の実施形態と同様、ポリイミド製などの接着剤シート17により基板載置用プレート1の下面に直接的に接着されている。
この温度調節器では、熱電デバイス21の上側の電極5、5、…は、基板載置用プレート1の下面に接着されて基板載置用プレート1に対する面内の位置が固定されている。これに対し、下側の電極7、7、…は、熱伝導性グリースの層202、203を介して冷却用プレート3の上面に接しているので、冷却用プレート3に対する面内の位置は、変化することができる。そのため、基板載置用プレート1と冷却用プレート3に異なる大きさの熱膨張又は収縮が生じても、熱電デバイス21に過大なストレスがかからない。尚、この効果を得るには、熱電デバイス21の上側の電極5、5、…又は下側の電極7、7、…のいずれか一方が、プレート1又は3に対して位置ずれ可能な状態で接していれば良い。一方、熱電デバイス21とプレート1、3との熱伝導性は、温度制御対象に対する熱応答性と均熱性を良くする観点から、冷却用プレート3との熱伝導性が高いことよりも、基板載置用プレート1との熱伝導性が高いことの方が重要である。その観点から、本実施形態に係る温度調節器は、熱電デバイス21と基板載置用プレート1との間は、接着剤シート17で直接的に接着することで、熱伝導性を最小限にし、そして、熱電デバイス21と冷却用プレート3との間は、熱伝導性を多少犠牲にしても、上述したグリース層202、203を介して圧接する構成で位置ずれ可能にすることによりプレート1、3の熱膨張又は収縮に伴うストレスを逃がすようにしている。
この熱膨張、収縮のストレスを逃がすという観点から考えられた別の構成として、次の第3の実施形態がある。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態では、熱電デバイス21が、複数のブロック21a、21b、…に分割されており、それに対応して、接着剤シート17、19もそれぞれ複数に分割されている(上側の接着剤シート17は、分割しなくても良い)。各熱電デバイスブロック21a、21b、…は、冷却用プレート3上を摺動することができる互いに分割された摺動プレート210a、210b、…の各々を介して、プレート1、3間を締結するボルト410によりプレート1、3間に挟み込まれている。
各熱電デバイスブロック、例えば熱電デバイスブロック21aは、その上側の電極5a、5a、…がそのブロック21a専用の接着剤シート17aで基板載置用プレート1の下面に直接的に固定され、その下側の電極7a、7a、…がそのブロック21a専用の接着剤シート19aで摺動プレート210aの上面に固定されている。このように、熱電デバイスブロック21a、21b、…は、構造的に互いに分離されている。
各摺動プレート210a、210b、…は、摺動可能な状態で、冷却用プレート3の上面に、熱伝導性グリース202a、202b、…を介してボルト410の締結力で圧接されている。摺動プレート210a、210b、…は、セラミックスや雲母等の電気的絶縁材料で作られたり、或は、この図に示すように接着剤シート19a、19b、…等で電極7a、7b、…と冷却用プレート3とが既に電気的に絶縁されていれば、アルミニウム等の金属で作ることもできる。
この温度調節器では、プレート1、3の熱膨張(熱変形)によって熱電デバイス21にかかるストレスを、摺動プレート210a、210b、…が冷却用プレート3上を摺動することで、逃がすことができる。また、各熱電デバイスブロック21a、21b、…が構造的に互いに分離していることにより、プレート1、3の各場所で生じる熱変形が他の場所の熱電デバイス21の部分に連鎖的に影響することを防ぐことができ、熱源デバイス21にかかるストレスの範囲を最小限に抑えることが可能になる。熱電デバイス21は複数ブロック21a、21b、…に分割されているが、各ブロックの形状やサイズは自由に設計でき、それらのブロックをタイル張りのように密に敷き詰めることができるので、熱電変換素子9、9、…13、13、…は図7に示したように温度制御領域401全体にわたって分散配列させることができ、図3に示した従来装置より均熱性に優れる。
尚、この温度調節器では、摺動プレート210a、210b、…を、冷却用プレート3の上面でなく基板載置用プレート1の下面に設けることもできるし、又はいずれか一方に限定することなく両方に設けることもできる。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態では、樹脂等(例えば、接着剤シート17、19と同じポリイミド)を用いて製造した可撓性を有する薄いシート(以下、可撓シート)45を熱電デバイス21の上側電極5、5、…と接着した接着剤シート17上に被せ、その可撓シート45上に、温度制御対象である基板2を載置する。可撓シート45は、接着剤シート17上に単に被せるだけにしても良いし、或は、接着剤シート17に接着しても良い。また、接着剤シート17も可撓性を有しているので、接着剤シート17を可撓シート45として流用する(換言すれば、可撓シート45を除去し、接着剤シート17上に、基板2を載置する)こともできる。また、可撓シート45の上面(又は、接着剤シート17の上面)には、温度制御対象である基板2への化学的な影響(例えば、接着剤シート17等から生じる可能性のある蒸気による基板2への影響)を防止するためのコーティングを施すことができる。
本実施形態では、基板載置用のプレートとして可撓性を有するシート45を用いることで、熱電デバイス21の熱交換面での発熱又は吸熱によって上下のプレート1、3に熱変形が生じても、熱電デバイス21にストレスがかからない。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態では、基板載置用プレート1の下面及び冷却用プレート3の上面が、電気的絶縁性を有する物質、例えばアルミナ(セラミックス材料)、の膜300、301でコートされている。この絶縁コート膜300、301は、例えば、アルミナをプレート1、3の表面に溶射する方法等で形成することができる。そして、絶縁コート膜300、301の表面に、熱源デバイス21の電極5、5、…、7、7、…が半田付け又は接着剤により直接的に接着され、それによりプレート1、3間に熱源デバイス21が固定されている。
本実施形態においても、上述した本発明の第1の実施形態におけると同様の効果を奏し得る。尚、本実施形態では、図6、7に示した第2の実施形態と同様に、冷却用プレート3をコートする絶縁コート膜301上面と電極7、7、…との間に熱伝導性グリースを介在させ、プレート1、3をボルトで締結し、そのボルトの締結力で、絶縁コート膜301上面に電極7、7、…を圧接させるようにすることができる。このようにすれば、電極7、7、…、が絶縁コート膜301上を摺動することができるので、プレート1、3の熱変形によって熱電デバイス21にかかるストレスを逃がすことができる。
図11は、本発明の第6の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態では、プレート1、3間に、複数の熱電デバイス21A、21B、21C…がそれらの熱交換面を直列に並べる形で積層されている。この図では、例えば3つの熱電デバイス21A、21B、21Cが積層されているが、積層する数は3つに限定されない。
熱電デバイス21A、21B、21Cの相互間及び上下のプレート1、3との接合は、全て接着剤シートを用いた直接的な接着によってなされている。例えば、上層の熱電デバイス21Aは、その上側の熱交換面(電極5A、5A、…)が基板載置用プレート1の下面に接着剤シート17で接着され、その下側の熱交換面(電極7A、7A、…)が接着剤シート105aにより中層の熱電デバイス21Bの上側の熱交換面(電極5B、5B、…)に接着されている。中層の熱電デバイス21Bの下側の熱交換面(電極7B、7B、…)は、接着剤シート105bにより下層の熱電デバイス21Cの上側の熱交換面(電極5C、5C、…)に接着されている。また、下層の熱電デバイス21Cの下側の熱交換面(電極7C、7C、…)は、冷却用プレート3の上面に接着剤シート19で接着されている。
この温度調節器は、例えば冷却用プレート3側から熱電デバイス21C、熱電デバイス21B、熱電デバイス21Aを順番に接着して行なう製造方法や、或は、予め熱電デバイス21A、21B、21Cを図示のように積層させ接着した後に、それをプレート1、3との間に挟み込み接着する方法などによって製造することができる。
熱電デバイス21A、21B、21Cの各々が作り出せる熱交換面間の最大の温度差は40℃程度であるが、それらの熱交換面を直列に並べる形で熱電デバイス21A、21B、21Cを積層することで、より大きい温度差(例えば100℃以上)をプレート1、3間に作り出すことができる。従って、温度制御対象である基板2の温度を、より高く又はより低くする、つまりより広い温度範囲で制御することができる。例えば、基板2を−100℃という極めて低い温度にすることができる。
尚、各熱電デバイス21A、21B、21Cが放熱する熱には、通常、各熱電デバイス21A、21B、21Cが外部から吸熱した熱に、各熱電デバイス21A、21B、21C自身の内部での電力ロスに相当する熱が加えられているので、放熱量の方が吸熱量よりも大きい。そのため、隣接する熱電デバイスから放熱された熱を吸熱することになる熱電デバイスは、隣接の熱電デバイスよりも吸熱能力が高くなければならないので、よりサイズの大きいものになる。従って、本実施形態の温度調節器は、図示していないが、基板2の冷却用に使うのであれば、実際は、熱電デバイスが下層になればなるほどサイズが大きくなる所謂ピラミッド型、又は、基板2の加熱用に使うのであれば、上層になればなるほどサイズが大きくなる所謂逆ピラミッド型に構成される。
図12は、本発明の第7の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態は、熱電デバイス42のパワーが大きい場合、つまり熱電変換素子25、25、…、31、31、…の電流容量が大きい(例えば、15A程度)場合に適した構成である。すなわち、図示のように、熱電変換素子25、25、…、31、31、…は、大電流を十分に流し得る十分な厚み(例えば、15Aの場合1mm)をもつ銅板電極37、37、…、41、41、…に半田付けされている。そして、銅板電極37、37、…、41、41、…は、肉厚の絶縁フィルム39、43に埋め込まれている。
絶縁フィルム39、43の材料には、例えばテフロン(米国デュポン社の四フッ化エチレン樹脂の商標名)が用いられる。絶縁フィルム39、43は、ポリイミド製等の接着剤シート17、19によってそれぞれ基板載置用プレート1及び冷却用プレート3に接着されている。尚、絶縁フィルム39、43が、絶縁性だけでなく接着性も有していれば、接着剤シート17、19を省略して、絶縁フィルム39、43を直接プレート1、3に接着してもよい。同様の観点から、絶縁フィルム39、43を省略して、銅板電極37、37、…、41、41、…を、電気的絶縁性を有する接着剤シート17、19に接着しても良い。
図13は、本発明の第8の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図である。
本実施形態では、プレート1、3間に、熱電変換素子9、9、…、13、13、…間、上側電極5、5、…間、及び下側電極7、7、…間を仕切る形で絶縁格子147が設けられている。絶縁格子147は、電気的絶縁性の材料で構成され、熱電デバイス21における熱電変換素子9、9、…、13、13、…間の隙間に壁を設け、その壁によって、プレート1、3間に挟まれる熱電変換素子9、9、…、13、13、…を補強し、且つ、隣り合う熱電変換素子9、9、…、13、13、…間、又は隣り合う銅箔電極5、5、…、7、7、…間の電気的な絶縁を確実なものにしている。
図14は、絶縁格子147の一例の全体構成を示す斜視図である。
絶縁格子147は、例えば、電気的絶縁性の材料から成る複数枚の帯状部材147a、147bを縦横に配列して構成される。即ち、複数の帯状部材147aが略等間隔で平行に立てて配置され、且つ、別の複数の帯状部材147bも略等間隔で平行に立てて配置され、そして両者が互いに直交した状態で組付けられて、この図に示すように、多数の直方体空間を仕切った絶縁格子147が形成される。
この絶縁格子147は、熱電デバイス21の製造工程において、パターニングされた銅箔電極5、5、…が接着されている接着剤シート17(或は、銅箔電極7、7、…が接着されている接着剤シート19)上に置くことにより、多数の熱電変換素子9、9、…、13、13、…の位置決めを正確に、しかも効率良く行える熱電変換素子取付用の治具として機能させることもできる。
そして、熱電変換素子9、9、…、13、13、…を銅箔電極5、5、…、7、7、…に半田付けした後も、図13に示したように絶縁格子147をそのままプレート1、3間に残しておけば、既に説明したように、絶縁格子147は補強部材として機能し、隣り合う熱電変換素子9、9、…、13、13、…同士、又は隣り合う銅箔電極5、5、…、7、7、…同士の間の電気的な絶縁の信頼性を向上させることができる。
上述したように絶縁格子147は、熱電変換素子取付用の治具として機能させることができるが、熱電変換素子取付用の治具には、他にもいくつかのものが考え得る。
図15は、熱電変換素子取付用の治具の第1の例を示す全体斜視図である。
この図に示す治具148は、電気的絶縁性の材料から成る1枚の板150に、各熱電変換素子9、9、…、13、13、…の配置箇所に対応した多数の矩形状の貫通孔149、149、…を設けたものである。
この治具148は、図13、14に示した絶縁格子147と同じ態様で、温度調節器の製造工程において使用される。また、この治具148は、プレート1、3間に残しておくことによって、絶縁格子147と同様に、補強部材として機能し、且つ、隣り合う熱電変換素子9、9、…、13、13、…同士、又は隣り合う銅箔電極5、5、…、7、7、…同士の間の電気的な絶縁の信頼性を向上させることができる。
図16は、熱電変換素子取付用の治具の第2の例を示す部分斜視図である。
この図に示す治具151は、図15に示した治具148の上面に、電気的絶縁性の材料から成る絶縁シート152を被せ、その絶縁シート152上に、この治具151の各箇所に設けられている熱電変換素子9、13セット用の各貫通孔(図15参照)に、熱電変換素子9、13をセットできるよう切込片153a〜153dが設けられている。各切込片153a〜153dは、熱電変換素子9、13がセットされたときに、図17に示すように、貫通孔149内に折り込まれて熱電変換素子9(又は13)を貫通孔149奥に案内し、熱電変換素子9(又は13)と貫通孔149との間の隙間を埋める。これにより、温度調節器の製造工程において、熱電変換素子9、13と貫通孔149、149、…に隙間がある等によって生じる恐れのある熱電変換素子9、13の位置ずれを、確実に防止することができる。
図18及び図19は、熱電変換素子取付用の治具の第3の例を示す全体斜視図である。
この図に示す治具500は、治具本体158と、治具本体158に開閉自在に結合された蓋160とを備えている。治具本体158は、電気的絶縁性の材料からなる1枚の板に、P型熱電半導体素子9、9、…の配置箇所に対応した多数の矩形状の貫通孔157P、157P、…、及びN型熱電半導体素子13、13、…の配置箇所に対応した多数の矩形状の貫通孔157N、157N、…が設けられたものである。一方、蓋体160は、一方の種類の熱電変換素子、例えばP型熱電半導体素子9、9、…のみの配置箇所に対応して、つまり、治具本体158の各貫通孔157P、157P、…のみに対応して、矩形状の貫通孔159、159、…が形成されている。
つまり、この治具500を用いて、各熱電変換素子9、13を銅箔電極5、7(又は銅板電極37、41)上に配置するときには、まず、図19に示すように、蓋160を閉じて治具本体158のN型熱電半導体素子13、13、…の配置用の貫通孔157N、157N、…を隠し、現れている貫通孔159、159、…(つまり治具本体158の貫通孔157P、157P、…)にP型熱電半導体素子9、9、…のみをセットする。そのあとに、蓋体160を開いて、残りの貫通孔157N、157N、…にN型熱電半導体素子13、13、…をセットする。
これによれば、各熱電変換素子9、13の配置箇所を混同することがなくなるので、迅速且つ正確に、各熱電変換素子9、13を所定位置に配置することができ、温度調節器の製造の効率化に貢献することができる。
以上、本発明の好適な幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。つまり、例えば、図6に示した第2の実施形態では、冷却用プレート3上にアルミナ等を溶射して絶縁膜を形成し、その絶縁膜表面に熱伝導性グリース203を介してボルト410の締結力で電極7、7、…を圧接させるようにしても良い。また、図11に示した第6の実施形態では、基板載置用のプレートとして樹脂等により成形した薄肉のシートを使用しても良い。また、第2〜第6、及び第8の実施形態では、大電流を十分に流しうる十分な厚みをもつ銅板を電極として使用すれば、熱電デバイスのパワーが大きい場合であっても使用することができる。また、電極5、7は、銅に限定することなく、他の金属、例えばステンレスを使用することも勿論可能である。
本発明の第1の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 図1に示した温度調節器の熱電デバイス21のP型及びN型半導体素子(熱電変換素子)9、13の平面的配置を示した平面図。 従来の温度調節器の熱電変換素子の平面配置例を示す図。 温度調節器に温度制御対象の基板2を昇降させるための昇降ピンが通るときの温度調節器の平面図。 図1に示す温度調節器の第2の製造方法を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 図6に示した温度調節器の熱電変換素子9、13の平面的配置を示した平面図。 本発明の第3の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 本発明の第5の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 本発明の第6の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 本発明の第7の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 本発明の第8の実施形態に係る温度調節器の断面構造を示す図。 絶縁格子147の一例の全体構成を示す斜視図。 熱電変換素子取付用の治具の第1の例を示す全体斜視図。 熱電変換素子取付用の治具の第2の例を示す部分斜視図。 熱電変換素子9、13を貫通孔149にセットしたときの断面図。 熱電変換素子取付用の治具の第3の例を示す全体斜視図。 蓋160を閉めたときの熱電変換素子取付用の治具の第3の例を示す全体斜視図。
符号の説明
1…基板載置用プレート 3…冷却用プレート 5、7…銅箔電極 9…P型熱電半導体素子 13…N型熱電半導体素子 17、19…接着剤シート 21…熱電デバイス

Claims (17)

  1. 温度制御対象を載置するための載置用平板と、
    熱交換を行なうための熱交換平板と、
    前記2枚の平板の間に挟まれた、2次元配列された多数の熱電変換素子と、それら多数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している多数の電極とを持つ熱交換デバイスと
    を備え、前記載置用平板上に載置される前記温度制御対象に対応する領域をカバーする温度制御領域の実質的全域にわたって前記多数の熱電変換素子が分散して配置されている温度調節器。
  2. 前記熱交換デバイスに含まれる前記多数の熱電変換素子の全てが電気的に直列に接続されている請求項1記載の温度調節器。
  3. 前記電極は金属箔である請求項1記載の温度調節器。
  4. 前記熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、接着剤により前記載置用平板又は前記熱交換平板に固定されている請求項1記載の温度調節器。
  5. 前記接着剤は、電気的絶縁性を有し、前記熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、前記接着剤により、前記載置用平板又は前記熱交換平板に直接的に接着されている請求項4記載の温度調節器。
  6. 前記接着剤で固定されている側の前記電極と前記接着剤とを合わせた厚みが、略25〜1000μmである請求項4又は5記載の温度調節器。
  7. 前記載置用平板又は前記熱交換平板の表面が、絶縁材料によりコートされており、前記コートされた表面に、前記熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が接着されている請求項1記載の温度調節器。
  8. 前記熱交換デバイスの少なくとも一方の熱交換面が、前記載置用平板又は前記熱交換平板に対し摺動可能な状態で取付けられており、他方の熱交換面が、前記載置用平板又は前記熱交換平板に固定されている請求項1記載の温度調節器。
  9. 前記他方の熱交換面が、前記載置用平板又は前記熱交換平板に、電気的絶縁性を持った接着剤で直接的に接着されている請求項8記載の温度調節器。
  10. 前記載置用平板が、可撓性を有するシートである請求項1記載の温度調節器。
  11. 複数の熱交換デバイスが、それらの熱交換面を直列に並べた形で積層されている請求項1記載の温度調節器。
  12. 前記複数の熱交換デバイスが、電気的絶縁性の接着剤により互いに接着されている請求項11記載の温度調節器。
  13. 前記載置用平板と前記熱交換平板との間に補強部材が備えられる請求項1記載の温度調節器。
  14. 前記熱交換平板の内部に冷却水の通路を有する請求項1記載の温度調節器。
  15. 前記載置用平板が、1又は複数のヒートパイプを備えるヒートプレートである請求項1記載の温度調節器。
  16. 温度制御対象を載置するための載置用平板と、熱交換を行なうための熱交換平板と、前記2枚の平板の間に挟まれた、2次元配列された多数の熱電変換素子とそれら多数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している多数の電極とを持つ熱交換デバイスとを備える温度調節器の製造方法において、
    接着剤シートの表面に金属箔が接着されたものを準備する第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記接着剤シートの表面の前記金属箔をパターンエッチングしてそれぞれ所定の配線パターンをもつ電極を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記接着剤シートを前記載置用平板又は前記熱交換平板の片面に接着する第3の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記金属箔の電極の所定位置に前記各熱電変換素子を接合する第4の工程と
    を有する温度調節器の製造方法。
  17. 温度制御対象を載置するための載置用平板と、熱交換を行なうための熱交換平板と、前記2枚の平板の間に挟まれた、2次元配列された多数の熱電変換素子とそれら多数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している多数の電極とを持つ熱交換デバイスとを備える温度調節器の製造方法において、
    接着剤シートの表面に金属箔が接着されたものを準備する第1の工程と、
    前記接着剤シートを前記載置用平板又は前記熱交換平板の片面に接着する第2の工程と、
    前記第1及び第2の工程の後に、前記接着剤シート上の金属箔にパターンエッチングを施して前記接着剤シート上に所定のパターンをもつ電極を形成する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記金属箔の電極の所定位置に前記各熱電変換素子を接合する第4の工程とを有する温度調節器の製造方法。
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