JP2007121774A - 回転体駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents

回転体駆動装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動源から出力された回転駆動力の回転中心線と、回転体軸線との間に角度が生じても、回転体の周速の変動を抑えることができる回転体駆動装置及び該装置を装備した画像形成装置を提供する。
【解決手段】 回転体1と、該回転体1を回転させるための駆動源100とを具えた回転体駆動装置において、駆動源100は、回転体1の回転体軸102が連結される連結手段200を具え、この連結手段200は、駆動源100が発生した回転駆動力が直接、伝達されるとともに、回転駆動力の回転中心線と回転体軸線との間に角度が生じたとき、回転速度変動を抑制して回転体軸102に回転駆動力を伝達している。
【選択図】図3

Description

この発明は、像担持体としてのドラム状の感光体や、各種のローラ、などの回転体を回転駆動する装置及び該装置を装備した画像形成装置に関し、特に駆動源からの駆動力を回転体に伝達する回転体駆動の技術に係るものである。
従来から、歯車やベルトを用いて駆動モータからの駆動力を回転体としての像担持体である感光体に伝達する駆動伝達手段を備えた画像形成装置が知られている。図9は、画像形成装置に用いられる駆動伝達手段の一例を示した図である。この駆動伝達手段は、駆動モータ311の駆動力をギヤ312、313及びタイミングベルト317により感光体319の軸320に伝達している。タイミングベルト317は、駆動プーリ314と従動プーリ315とに掛け渡され、テンションプーリ316によって一定の張力がかかるようになっている。
一方、画像形成装置においては、画像走査部により感光体表面に静電潜像の書込みを行う際、及び感光体上に形成したトナー像を転写材に転写する際に、感光体表面の周速を一定に維持する必要がある。
なぜならば、感光体表面の周速にムラがあると、該感光体上に形成されるトナー像に歪みが生じて画質が低下したり、該トナー像を転写材に転写する際に、トナー像が乱れたりする等の問題が発生するからである。例えば、感光体表面にレーザ光を走査して静電潜像を形成するデジタル方式の画像形成装置においては、駆動伝達系の振動や回転ムラに起因する感光体表面の周速の周期的な変化により、該感光体上に形成される静電潜像の電位が周期的に変動する。このため、該静電潜像を現像して得たトナー像に濃度ムラが生じることがある。
また、感光体上に形成した各色のトナー像を、被転写体としての中間転写体や転写材上に順次重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置においては、該感光体の周速にムラがあると、中間調画像領域におけるトナー像の濃度ムラや、該感光体に加わる負荷変動によって各色トナー像の重ね合わせ位置がずれて、被転写体上に形成されたカラー画像に色ずれや滲みなどが発生することがある。
特に、タンデム型の画像形成装置のように、複数の感光体を有する画像形成装置では、各感光体が独立して構成されているため、上述のようなトナー像の位置ずれや、各感光体表面の周速の変動も、各感光体で独立した挙動を示す。このため、このような複数の感光体を有する画像形成装置においては、単一の感光体を使用する画像形成装置に比べて、そのトナー像の色ずれや滲み等の問題を解消するための難易度が著しく増大する。
このような感光体表面の周速の変動は、駆動伝達装置におけるギヤ312、313の偏心や歯のピッチムラによる速度変動や、タイミングベルト317の厚みによる速度変動により生じていた。
そこで前記のような不具合を解消するために、駆動モータの駆動軸と感光体の軸とをカップリング部材などの連結部材を用いて連結し、駆動モータの駆動力を、ギヤ等を用いずに直接感光体に伝達させ、感光体表面の周速の変動を抑えるようにした画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1は、その概略が図10に示すように構成されている。すなわち、駆動モータ428は、ブラケット425を介して側板431に取り付けられている。モータ428の駆動軸437の先端は、駆動カップリング438が取り付けられている。一方、感光体403の軸435は、軸受部材434を介して、後側板423に取り付けられており、感光体軸435の一端には従動カップリング439が取り付けられている。そして、従動カップリング439と駆動カップリング438が連結されている。
感光体の軸435については、現像ローラと感光体403との間で形成される現像ギャップ等に良好な精度を確保するため、画像形成装置の後側板423に精度良く取り付けられている。一方、モータ428が取り付けられるブラケット425は、一般に金属からなっており、プレス加工により成形されている。このため、ブラケット425の形状精度つまりブラケット自体やモータの取付け面としての面精度が低く、モータ428をブラケット425に取り付けた場合にモータ428の駆動軸437が傾いてしまい、感光体の軸435と駆動軸437との間に偏角が生じてしまう。感光体の軸435と駆動軸437との間に偏角が生じた状態で駆動軸437と感光体軸435を連結すると、駆動軸437の偏角によって感光体表面の周速が変動してしまうという問題がある。
すなわち、換言すれば、駆動源であるモータ428から出力された回転駆動力におけるその回転中心線と、この回転駆動力を受け取る感光体軸435の軸心線(回転体軸線)との間に角度(偏角)が生じたときに、つまりその角度の大きさおよびモータ428と感光体403との位置関係上の変位量によっては、両軸にそれぞれ所定の軸方向のスラスト力つまり両軸端の中間に両軸を引っ張る力や両軸端を反発させる力が生じて、この力が正常な回転を妨げる抵抗力になるとともに、この抵抗が回転に伴い変動したり、またたとえば上記のように、両軸端に設けたカップリング438,439同士の連結によって回転駆動力を伝達している場合には、回転に伴い謂わば該連結の強さの程度が強弱に変動したりして、感光体軸435に伝達された回転駆動力としては、その回転速度に変動が生じてしまう、と考えられる。
このような問題に対して、ブラケット425を精度良く形成することも考えられるが、ブラケット425の製造コストがアップしてしまう。また、感光体の軸435と駆動軸437とを一体に形成することも考えられるが、感光体の軸435が長くなった結果、軸精度を保つことが難しく、感光体軸435が偏心してしまうなどの問題が生じてしまう。他方、長くなった軸435上のどの部分で上記の偏角が生じるように湾曲などの変形が生じるかが、かえって不特定となり、これに伴い上記の速度変動に不規則性が生じるだけではなく、この不規則性が拡大するおそれがある。
なお、上記の偏角による回転対象での周速変動は、感光体403の例に限られず、現像ローラ、クリーニングローラや転写ベルトを駆動させる駆動ローラ等の回転体においても同様に発生する問題である。
特開2000−221863号公報
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、駆動源から出力された回転駆動力の回転中心線と、回転体軸線との間に角度が生じても、回転体の周速の変動を抑えることができる回転体駆動装置及び該装置を装備した画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転体と、該回転体を回転させるための駆動源とを具えた回転体駆動装置において、前記駆動源は、前記回転体の回転体軸が連結される連結手段を具え、この連結手段は、駆動源が発生した回転駆動力が直接、伝達されるとともに、前記回転駆動力の回転中心線と、前記回転体軸線との間に角度が生じたとき、回転速度変動を抑制して回転体軸に回転駆動力を伝達していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、連結手段は、前記角度が生じても、該回転体軸に等速回転を伝達することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、連結手段は、回転体軸に取り付け取り外し可能な取付部と、駆動源に取り付けられた取付部と、両取付部間に介装されて該両取付部間に発生する偏角を吸収する偏角吸収部と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、偏角吸収部は、コイルばね、蛇腹体、板ばね、のいずれかであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の回転体駆動装置を装備した画像形成装置であることを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、駆動源から出力された回転駆動力の回転中心線と、回転体軸線との間に角度が生じても、連結手段が、回転速度変動を抑制して回転体軸に回転駆動力を伝達するので、回転体軸か駆動源かのいずれか、または両方が、精度良く取り付けられなかったり、回転体から突出して延在された回転体軸の部分が長かったりしても、回転体軸の回転が不等速になるのを抑制できる。よって、回転体の周速の変動を抑制することができるという優れた効果が期待できる。
この発明の一実施の形態を、添付した図面を参照しながらタンデム型カラー画像形成装置である、電子写真方式のタンデム方式のカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した例として詳細に説明する。
[全体構成]
図1は、プリンタの概略構成図である。このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、言うまでもなく、イエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスユニット1Y、1M、1C、1Kの他には、光書込ユニット10、転写ユニット11、レジストローラ対19、3つの給紙カセット20、定着ユニット21などが配設されている。
[光書込ユニット]
光書込ユニット10は、4つの光書込器を備えている。それぞれの光書込器は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、プリンタ外の適宜の装置構成からプリンタが受信した画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
[プロセスユニット]
図2は、プロセスユニット1Y,1M,1C,1Kのうち、イエロー用のプロセスユニット1Yの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスユニット1M,1C,1Kについてもそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。図2において、プロセスユニット1Yは、ドラム状の感光体2Y、帯電器30Y、現像装置40Y、ドラムクリーニング装置48Yなどを有している。
帯電器30Yは、交流電圧が印加される帯電ローラを感光体2Yに摺接させることで、ドラム表面を一様帯電せしめる。帯電処理が施された感光体2Yの表面には、光書込ユニット10によって変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射される。すると、ドラム表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像装置40Yによって現像されてYトナー像となる。
現像装置40Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ローラ42Yを有している。また、第1搬送スクリュウ43Y、第2搬送スクリュウ44Y、現像ドクタ45Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)46Yなども有している。
ケーシング内には、磁性キャリアと、マイナス帯電性のYトナーとを含む二成分現像剤が収容されている。この二成分現像剤は第1搬送スクリュウ43Y、第2搬送スクリュウ44Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、現像ローラ42Yの表面に担持される。そして、現像ドクタ45Yによってその層厚が規制されてから感光体2Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体2Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体2Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費した二成分現像剤は、現像ローラ42Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
第1搬送スクリュウ43Yと、第2搬送スクリュウ44Yとの間には仕切壁47Yが設けられている。この仕切壁47Yにより、現像ローラ42Yや第1搬送スクリュウ43Y等を収容する第1供給部と、第2搬送スクリュウ44Yを収容する第2供給部とがケーシング内で分かれている。第1搬送スクリュウ43Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部内の二成分現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ローラ42Yに供給する。第1搬送スクリュウ43Yによって第1供給部の端部付近まで搬送された二成分現像剤は、仕切壁47Yに設けられた図示しない開口部を通って第2供給部内に進入する。第2供給部内において、第2搬送スクリュウ44Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部から送られてくる二成分現像剤を第1搬送スクリュウ43Yとは逆方向に搬送する。第2搬送スクリュウ44Yによって第2供給部の端部付近まで搬送された二成分現像剤は、仕切壁47Yに設けられたもう一方の図示しない開口部を通って第1供給部内に戻る。
透磁率センサからなるTセンサ46Yは、第2供給部の中央付近の底壁に設けられ、その上を通過する二成分現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサ46YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、記憶部としてRAM(random access memory)を備えており、このメモリ中にTセンサ46Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを制御用に読み出し可能に格納している。また、他の現像装置に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納している。Y用Vtrefは、図示しないYトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサ46Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないYトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部内にYトナーを補給させる。この補給により、現像装置40Y内の二成分現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像装置についても、同様のトナー補給制御が実施される。
Y用の感光体2Y上に形成されたYトナー像は、後述の紙搬送ベルトに搬送される転写紙上に転写される。転写後の感光体2Yの表面は、ドラムクリーニング装置48Yによって転写残トナーがクリーニングされた後、図示しない除電器によって除電される。そして、帯電器30Yによって一様帯電せしめられて次の画像形成に備えられる。他のプロセスユニットについても同様である。各プロセスユニットは、プリンタ本体に対して着脱可能になっており、寿命到達時に交換される。
[転写ユニット]
先に示した図1において、転写装置たる転写ユニット11は、紙搬送ベルト12、駆動ローラ13、張架ローラ14、4つの転写バイアスローラ17Y,17M,17C,17Kなどを有している。紙搬送ベルト12は、駆動ローラ13、張架ローラ14にテンション張架されながら、図示しない駆動系によって回転せしめられる駆動ローラ13によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの転写バイアスローラ17Y,17M,17C,17Kは、それぞれ図示しない電源から転写バイアスが印加される。そして、紙搬送ベルト12をその裏面から感光体2Y,2M,2C,2Kに向けて押圧してそれぞれ転写ニップを形成する。各転写ニップには、上記転写バイアスの影響により、感光体と転写バイアスローラとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y上に形成された上述のYトナー像は、この転写電界やニップ圧の影響により、紙搬送ベルト12上に搬送される転写紙P上に転写される。このYトナー像の上には、感光体2M,2C,2K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて転写される。かかる重ね合わせの転写により、紙搬送ベルト12上に搬送される転写紙P上には、紙の白色と相まったフルカラートナー像が形成される。
[給紙カセット]
転写ユニット11の下方には、複数枚の転写紙Pを重ねて収容する3つの給紙カセット20が多段に配設されており、それぞれのカセットは一番上の転写紙Pに給紙ローラを押し当てている。給紙ローラが所定のタイミングで回転駆動すると、一番上の転写紙Pが紙搬送路に給紙される。
[レジストローラ対]
給紙カセット20から紙搬送路に給紙された転写紙Pは、レジストローラ対19のローラ間に挟まれる。レジストローラ対19は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを各転写ニップにてトナー像を重ね合わせ得るタイミングで送り出す。これにより、各転写ニップで転写紙Pにトナー像が重ね合わせ転写される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、定着ユニット21に送られる。
[定着ユニット]
定着ユニット21は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する加熱ローラ21aと、これに圧接せしめられる加圧ローラ21bとによって定着ニップを形成している。そして、この定着ニップに転写紙Pを挟み込みながら、その表面にフルカラー画像を定着せしめる。定着ユニット21を通過した転写紙Pは、図示しない排紙ローラ対を経て機外へと排出される。
図3(A)は、プロセスユニットが画像形成装置内に装着された状態を示す概略模式図であり、図3(B)は、プロセスユニットが画像形成装置から取り外された状態を示す概略模式図である。
図3(A)に示すように、プロセスユニット1Yが取り付けられた状態のときは、感光体軸102が感光体2Yの中心孔に挿入されている。すなわち、回転駆動力が伝達されて回転運動する回転体である感光体2Yは、ドラム状の略円筒形状に形成され、この感光体2Yの回転中心線に、感光体軸102の中心軸線を、略一致させるように、該感光体2Y上における所定箇所に、前記の中心孔が形成されている。また、例えば、感光体軸102の横断面形状はその軸長手方向に連続して一様に同一な形状とされ、この感光体軸102の横断面形状と、感光体軸102が挿入される感光体2Yの軸挿入孔の開口形状つまり横断面形状とは、D字形や小判形に形成され、感光体軸102が感光体2Yの中心孔に挿入された場合には、両部材が嵌合されて、互いにその軸回りの周方向へ相対移動することを許容せずに、感光体軸102の回転力が感光体2Yに伝達できるようにしている。なお、たとえば感光体2Yを中空ドラム状に構成した場合には、少なくともその両端開口を閉止した部材の所定箇所に、感光体2Yの中心孔を設けるとともに、これらの両端の中間におけるいくつかの箇所で、感光体2Yを内側から支える部材の所定箇所に、前記の中心孔を設けた構成としてもよい。
また、プロセスユニット1Yが取り付けられた状態のときは、感光体軸102はその一端が、閉止された画像形成装置の面板69に回転可能に支持されている。また、同状態のときには、トナーを外周面に付着させてその回転に伴い所定の周上を搬送する回転体としての感光体2Yを回転駆動させる駆動源であるモータ100は、ブラケット80を介して後側板70に取り付けられており、この後側板70に固定されたモータ100によって、感光体軸102はその他端が、回転可能に支持されている。
そして、モータ100が発生した回転駆動力は、連結手段としての連結部材200に直接伝達され、この連結部材200に、感光体軸102の軸端が連結されている。そして、連結部材200に感光体軸102を接続することにより、感光体軸102とモータ100とをギヤなどを介さずに連結するようにしている。換言すれば、モータ100が有した駆動源本体としての回転運動するアウター・ロータから、回転駆動力が伝達されて回転運動する感光体2Yに至るまでの回転駆動力の伝達経路は、1本の略直線状の経路として形成されるとともに、この伝達経路上には、一切ギヤなどの回転駆動力の回転速度を明示的に変更する部材を介在させてなく、また連結部材200以外の連結および連結解除が可能な部材は、設けていない。
モータ100は、図4に示すように、アウター・ロータ・タイプのモータとされ、このアウター・ロータ101(モータ回転子)に連結部材200が直結されており、この連結部材200によって、ギヤなどを介さずに回転駆動力を出力して同軸上の駆動対象に伝達する所謂ダイレクトモータかつ軸レスのモータとされている。すなわち、アウター・ロータ101内には、図示しないインナー・ステータ・コア(モータ固定子)が、固定設置され、このステータ・コアが所定に生成する回転磁界の電磁力によって、アウター・ロータ101を、所定の回転方向に所定の回転速度で回転させるようにしている。
より詳細には、モータ100の構成は、その中心に略中空円筒形状に形成された外形状のインナー・ステータ・コアが固定設置され、このステータ・コアの外周全周を囲んでかつステータ・コアの軸心を中心にして、感光体軸102側の一端が開放され他端が閉塞された略環体状のアウター・ロータ101が回転可能に配置されている。
すなわち、ステータ・コアに付随した図示しない固定部材には図示しない軸受け状の部材を設けており、この軸受け状部材によって、テータ・コアの周囲に、アウター・ロータ101が回転可能に支持されている。したがって、ステータ・コアとアウター・ロータ101とは、1つの中心線を、それぞれの中心線に共用するとともに、両者の対面した内周面と外周面との間に、その周方向の全域に渡って、所定の均一な間隙距離が、確保されている。
また、ステータ・コアは、その周方向に所定数で等分に分割されて、これらの分割された各部には、それぞれ磁界発生用の図示しない駆動コイルが巻回されて設けられており、各部の駆動コイルは、それぞれ個別にモータ専用の図示しない駆動回路に電気的に配線接続されるとともに、図示しない電源に配線接続され、この電源から電力が供給されている。したがって、各部の駆動コイルは、駆動回路によって、所定極性の電流を任意のタイミングで通電可能に構成され、任意の駆動コイルを所定タイミングで励磁できるようにしている。また、駆動回路は、図示しない画像形成装置の制御部に配線接続され、制御部から、モータ動作の開始や停止、およびモータ回転方向や回転速度などを規定した指令信号を受信するようにしている。
他方、アウター・ロータ101はその内周面に、その周方向を遇数の所定数で等分に分割した形状の磁石部が設置され、これらの磁石部はそのステータ・コアに対向した面が、該周方向おいてS極面とN極面とを交互に交代するように配置されている。したがって、自らに作用する引張り力に弱く圧縮力に強い材料特性を有した磁石部を、このように回転運動するアウター・ロータ101の内周面に設置しているので、該回転運動によって生じる遠心力は、すべての磁石部に圧縮力として作用することになり、これによって磁石部の機械的な強度を見掛け上、増大させることができる。なお、少なくとも、外部に露出されたアウター・ロータ101の外周面は、突起物がない平滑な表面に形成されており、その回転運動時には空気抵抗を最小限にするようにしている。また、ステータ・コアに付随した固定部材はその感光体軸102側に面した部分が、同様に感光体軸102側に面したアウター・ロータ101の周縁よりも突出され、この突出した部分が、略リング状などの所定形状、かつアウター・ロータ101の回転中心線と直交する平坦面に形成され、この所定形状の平坦面が、ブラケット80に接する取り付け面とされている。
このように構成されたモータ100は、少なくとも画像形成時には、回転駆動力を出力して、感光体2Yを回転駆動するようにしている。すなわち、画像形成時には、画像形成装置の制御部から駆動回路に、所定の指令信号が出力され、この指令信号に基づき、駆動回路は、インナー・ステータ・コアに設けた各部の駆動コイルを所定に通電制御し、各駆動コイルを所定に励磁させて回転磁界を生成させ、該回転磁界による電磁的な作用によってアウター・ロータ101を所定の回転方向に所定速度で回転させて回転駆動力を発生するモータ動作をするようにしている。
より詳細には、所定に選択した各部の駆動コイルに対して、それぞれ所定極性の電流を供給して、該駆動コイルを謂わばN極またはS極の電磁石とするとともに、所定の転流タイミングで、謂わばN極の電磁石からS極の電磁石に切り換え、および、S極の電磁石からN極の電磁石に切り換えて、インナー・ステータ・コアの各駆動コイルから、アウター・ロータ101の各磁石部に対して、該アウター・ロータ101の回転角度位置に応じて、該アウター・ロータ101をその回転方向に回転するように作用する電磁的な吸引力および反発力が、常時、得られるようにしている。
なお、特に図示しないが、ステータ・コア側の固定部材上におけるアウター・ロータ101に対面した適宜の箇所には、アウター・ロータ101の適宜箇所に固着された所定磁気極性の検知片を、その検知範囲に収めたホール素子などの磁気センサが固定設置され、少なくとも、該磁気センサからの検出信号の出力用端子が駆動回路に配線接続されており、磁気センサの検出結果に基づき、アウター・ロータ101の回転角度位置を駆動回路が判断して、上記の転流タイミングを決定するようにしている。
このように構成された回転体駆動装置によれば、ギヤを全く介さずに連結部材200に回転力を感光体2Yに伝達することで、ギヤの偏心や歯のピッチムラによるギヤの速度変動による感光体2Yの周速の変動を防止することができる。また、駆動源内でのギヤ同士の接触による噛合音は発生しなく皆無となるので、感光体用の駆動源が騒音の発生源となることを未然に防止でき、少なくとも画像形成動作時の静粛化を図れる。
他方、ステータ・コアの周囲かつ外方にアウター・ロータ101を配置して、アウター・ロータ101を回転運動させているので、この回転運動した時のアウター・ロータ101の慣性モーメントは、ステータの内方にインナー・ロータを回転可能に配置した構成に比べて、大きくなり、より安定して一定速度で回転運動することになる。したがって、より安定した一定速度の回転駆動力を、アウター・ロータ101に直結した連結部材200を介して、モータ外に出力できる。また、モータ100から出力される回転駆動力の回転速度が、そのまま感光体2Yの回転速度となるので、感光体2Yの速度制御が簡素化できる。このため、感光体2Yの回転速度を特定の回転速度に、高精度かつ充分に安定して保つことが可能となる。この結果、上記した画像形成プロセスにおける感光体2Yが関与した部分においては、その形成途上の画像を高画質化が図れる。すなわち、少なくとも、各感光体単位で形成したトナー像の濃度ムラを抑制でき、またこのように複数の感光体2を並列位置したタンデム型カラー画像形成装置においては、その形成したカラートナー像に色ずれや滲みなどを生じさせずに済むことが期待できる。
図3(B)に示すように、プロセスユニット1Yを取り外すときは、面板69(図3(B)では、図示していない)を開けて、プロセスユニット1Yを画像形成装置から取り出す。すなわち、面板69は、たとえばその概略外形状が略四角形状の板状に形成され、その一方の垂直な周縁が、画像形成装置に垂直線を軸中心にしてヒンジ部材などによって枢支され、横開き可能に構成されており、面板69を開いた開放位置と、閉じた閉止位置とを、使用者の手動操作などによって適宜、選択できるようにしている。感光体2Yは、プロセスユニット1Yの枠体90(図3(B)では、図示していない)に保持されている。感光体軸102はその両軸端がそれぞれ、画像形成装置の後側板70と、連結部材200とによって、回転可能に片持ち支持されている。
図4(A)は、プロセスユニット1が画像形成に装着された状態での連結部材付近を拡大して示した概略断面図である。この図4(A)に示すように、後側板70の左側は感光体などのプロセスユニットが収納されるユニット側であり、図中右側はモータなどのプロセスユニットを駆動・制御する制御ユニットが収納された制御部側となっている。
ブラケット80は、図4(A)に示すように、後側板70に取り付けられて後側板70に固定され、後側板70は、垂直面を確保してあらかじめ画像形成装置内の所定箇所に設置されている。ブラケット80は、金属製の板状部材を成形してできており、板金を、プレス加工などの曲げ成形により所定形状に成形され、また適宜の所定箇所に開口や貫通孔が形成されている。ブラケット80は、後側板70に固定するための固定部83を有している。この固定部83には、図示しないねじ孔が設けられ、後側板70上の該ねじ孔に対応した箇所には、ねじ溝が形成されたねじ孔が形成されており、両ねじ孔を同軸上に位置させて重ね合わせて1本のねじ孔にし、固定部83のねじ孔からねじを差し込んで奥側の後側板70のねじ孔に螺着することにより、ブラケット80を後側板70にねじ止め固定している。そして、この固定する際に、後側板70に対するブラケット80の両部材の面方向における位置決めを容易にし、かつ、より正確にするために、後側板70は、所定箇所に形成した2つの位置決め孔71、72を備えており、これらの2つの位置決め孔71、72に対応して、ブラケット80に設けた2つの位置決めピン81、82ピンを、それぞれ挿入して、ブラケット80の位置決めしている。また、ブラケット80は、その外面がモータ100の取り付け面となる側板85を有しており、この側板85には、モータ100から突出された連結部材200の先端が、非接触に挿入されて側板85を貫通できる開口形状の駆動孔84が形成されている。
回転体軸としての感光体軸102は、後側板70の軸受73に圧入されている。また、感光体軸102は、その軸端から所定距離離れた軸上の箇所に、軸径方向の外方に突出した位置決めピン103を有している。したがって、軸受73を通過して感光体軸102が、後側板70を貫通するように、差し込んだ場合には、この位置決めピン103が、軸受73のユニット側側面と当接して、それ以上感光体軸102を差し込むことを制止し、かつ、後側板70に対する感光体軸102の軸方向の位置決めしている。
連結部材200は、アウター・ロータ101の内に挿入されてアウター・ロータ101にねじ止め結合されて一体化する駆動源側取付部としての駆動源側装着部210と、感光体軸102が挿入されて感光体軸102とねじ止めされる取付部としての感光体軸側装着部220と、感光体軸側装着部220および駆動源側装着部210の間に設けられ、円筒形圧縮コイルばね状に構成された偏角吸収部230とからなっている。この偏角吸収部230は、たわみやすいが、ねじりに対しては高剛性を有するよう設計されている。
より詳細には、図4(B)に示すように、駆動源側装着部210は、あらかじめアウター・ロータ101にその回転中心線と同軸状に配置され一体化されて設けられた中空管体状の連結部材装着部101aに、差し込まれ、かつ、互いの内外周面に設けたねじ山およびねじ溝の係合によって、離脱不可かつ相対回転不可に結合するように構成されている。
すなわち、駆動源側装着部210は、所定径かつ所定長さの中実状の長棒形状に形成され、その先端から基端側への所定範囲に渡って螺旋状のねじ山が所定に刻設されている。
他方、アウター・ロータ101には、その回転中心線と同軸状に、中空管体状の連結部材装着部101aが設けられている。すなわち、連結部材装着部101aはその基端が、アウター・ロータ101の円板部分の略中心に強固に接合され、かつ管体として連結部材装着部101aの中心線が、ロータ101の回転運動の中心線に一致するように、その延在方向が、設定されている。また、この略管体状の連結部材装着部101aは、発生した回転駆動力に応じて所定のねじれ剛性強度を確保した管内外壁間の管肉厚が設定されて、駆動源側装着部210が挿入可能な内径を確保しているとともに、駆動源側装着部210のねじ山を形成した箇所に対応した、少なくともその開口端から離れた奧側の箇所には、前記のねじ山が螺合するねじ溝が刻設されている。
したがって、駆動源側装着部210をその先端から、連結部材装着部101aに差し込んで、両部材のいずれかまたは両方を所定方向に相対回転させれば、各部材に設けたねじ部が互いに螺合して、両部材を離脱不可にかつ正確に同軸上に結合できる。なお、これらのねじ溝およびねじ山の螺旋としてその回る向きは、画像形成時の感光体2の回転方向と同一なアウター・ロータ101の回転運動方向の向きに応じて、ねじによる結合が緩むことなくより締まる向き、つまり互いのねじによる結合が深まる向きとされている。
感光体軸側装着部220は、感光体軸102よりも大径かつ有底の中空管体状に形成され、その管内径は、感光体軸102が差し込める径が確保され、かつ、その管内周面における開口端から奥側への所定範囲に渡って所定に螺旋状のねじ溝が刻設される一方、感光体軸102における駆動源側の端部は、その先端から基端側への所定範囲に渡って感光体2の中心孔に挿入される部分とは異なる該部分よりも略大きい径などの円形横断面形状に形成されるとともに、該所定範囲に渡って所定に螺旋状のねじ山が刻設されており、これらのねじ溝およびねじ山の螺旋としてその回る向きは、画像形成時の感光体2回転方向と同一なモータ100から出力される回転駆動力の回転方向に応じて、ねじによる結合が緩むことなくより締まる向き、つまり互いのねじによる結合が深まる向きとされている。
偏角吸収部230は、所定径の線状材を所定の外径を保ちながら所定ピッチで軸長手方向に進む螺旋コイル状に形成した構成とされ、その一端が、感光体軸側装着部220に強固に結合され、その他端が駆動源側装着部210に強固に結合されている。
なお、これらの駆動源側装着部210、感光体軸側装着部220、および偏角吸収部230は、その部材長手方向の中心線が、同一の直線状に揃えられて結合されている。
そして、次に、モータ100の端部から突出された連結部材200と感光体軸102との取り付けは、以下のように行なう。感光体軸102を画像形成装置に取り付けておく。次にモータ100をブラケット80に取り付ける。モータ100から突出された連結部材200を、ブラケット80の駆動孔84に、感光体2側に向うように挿入する。
この際に連結部材200の感光体軸側装着部220を、感光体軸102の先端に向けかつ両部材200,220を同軸上に揃え、次に感光体軸側装着部220を感光体軸102側に進ませて感光体軸側装着部220内に感光体軸102が挿入されるようにする。モータ100を両部材102,220にそれぞれ設けたねじ部が接する程度に挿入したら、感光体軸102を回転不可に固定する一方、モータ100のアウター・ロータ101を所定方向に回転させる。このようにして同軸を決めて軸同士を締結したあとに、上記したようにモータ100をブラケット80にねじ止め固定する。これによって、他の部材を用いることなく、感光体軸102を、アウター・ロータ101に一体化されている連結部材200の感光体軸側装着部220に螺着結合、つまり感光体軸102と感光体軸側装着部220とを同軸上に揃えて両部材102,220をねじ止めによって軸結合することができる。このようにして、感光体軸102とアウター・ロータ101とを連結部材200を介して一体とできる。
モータ100をブラケット80に取り付けた際に、ブラケット80のモータ取り付け面におけるその面精度が低く感光体軸102の軸線に対して直交した面が所定正確さにつまり所定精度に確保されていないなどに起因して、モータ100から出力される回転駆動力の回転中心線と、回転体軸線である感光体軸102の中心軸線との間に偏角が発生しても、図4(C)に示すように、偏角吸収部230がたわむので、感光体軸102の中心軸線に対して該軸方向に進むまたは後退する運動成分を吸収する、つまり軸方向への力(スラスト力)を伝達させずにほぼ遮断できる一方、同感光体軸102に対して回転方向の運動成分のみを伝達することができる。すなわち、換言すれば、回転中心線と軸中心線とが同一の直線上に揃わず、一方の線を延在した線とこれに交差した他方の線とで挟んだ角度として規定される偏角が生じた場合にも、偏角吸収部230は、その回転運動を継続しながら、発生した偏角に追従して該偏角方向に湾曲するように自らが変形するとともに、少なくとも、その回転方向である周方向への変形は最小限に留まって、駆動源であるモータ100と感光体2Yとの間で回転方向に速度変動が生じること、つまり回転方向に向う周方向の角度差が変動することを最小限に留めることができる。このため、両者間の偏角発生に拘わらず、感光体2Yの周速が不等速になるのを抑制することができる。この結果、感光体2Yの安定した定速回転が可能となる。
また、連結部材200においては、駆動源側装着部210を、アウター・ロータ101に一体的に設けられた連結部材装着部101aに、挿入して、アウター・ロータ101を何回転かさせて両部材を謂わばねじ止め結合して連結し両部材を相対回転不可に固定し一体化しているため、駆動源側装着部210とアウター・ロータ101との間に遊びがなく、アウター・ロータ101の回転運動にそのまま追従して駆動源側装着部210が回転運動し、これによってモータ100から出力される回転駆動力を遅れることなく感光体軸102に伝達することができる。
なお、このように構成した連結部材200においては、図5(A)に示すように、駆動源側装着部210および偏角吸収部230が、アウター・ロータ101内に位置してロータ101内に収納され、謂わばモータ100外には感光体軸側装着部220だけを突出させた構成としてもよい。すなわち、この構成では、駆動源側装着部210をアウター・ロータ101との所定の結合強度が所定に確保できる程度の長さに短縮し、この短縮した長さ分に応じて、連結部材装着部101aを短く形成するとともに、インナー・ステータ・コアの中心に形成した空間を、少なくとも、偏角吸収部230を収納しかつ収納した偏角吸収部230が偏角に応じて自らが変形し所定にたわんだ場合にも、周囲のインナー・ステータ・コア内周に接触しない程度に、拡大している。すなわち、上記の図4(A)の構成に比べて、コア内の収納空間における、少なくとも、偏角吸収部230を収納した部分は、その径を所定に拡大している。
したがって、このように構成した場合でも、上記した偏角が生じると、図5(B)に示すように、偏角吸収部230自身が変形してたわむので、上記の構成と同様に、偏角発生に拘わらず、感光体2Yの回転速度に変動が生じることを抑制でき、感光体2Yの安定した定速回転が可能となる。
また、偏角吸収部230を、アウター・ロータ101内に位置させ謂わばモータ100内に収納しているので、上記の図4(A)の構成に比べて、少なくとも、偏角吸収部230の全長の分だけ、連結部材200を含めたモータ100の外形状をコンパクト化できる。すなわち、連結部材200の感光体軸側装着部220だけがモータ100外に突出するように構成しているので、画像形成装置内でのモータ100の設置に必要なスペースを削減でき、省スペース化が図れ、他の部材配置を圧迫させずに済む。他方、このように連結部材200をモータ100に取り付けた状態でもコンパクトになるので、この状態でのモータ100の取扱い性を向上できる。
さらに、偏角吸収部230を、アウター・ロータ101内に位置させ謂わばモータ100内に収納しているので、偏角吸収部230の保護が図れ、偏角吸収部230による回転速度の変動防止機能を充分に発揮させることができる。すなわち、偏角吸収部230が、外部の他の部材と衝突や接触して、損傷することを防止できる。
しかし、上記のように謂わば軸端同士を互いに螺合させて連結した構成では、一方の部材を回転させる作業、つまり何回転かアウター・ロータ101を回転してねじ止め連結する作業が必要なので、連結作業に手間が掛かり、組立作業性が低下している。そこで、図6に示すように、駆動源側装着部210に駆動源側装着部210の軸長手方向に対して側方に突出するピン208を設ける一方、アウター・ロータ101の連結部材装着部101aに切り欠き部111を設け、駆動源側装着部210のピン208を切り欠き部111に嵌合させて、アウター・ロータ101を駆動源側装着部210に取り付けてもよい。
すなわち、ピン208は、駆動源側装着部210の外周面におけるその先端から所定に離れた箇所から、駆動源側装着部210の長手方向と略直交する方向に突出されて設けられ、伝達する回転駆動力に応じて所定強度を確保した外径が、設定されている。他方、切り欠き部111は、前記のピン突出箇所に応じて、連結部材装着部101aの外周をその先端から結部材装着部101aの延在方向に向けて所定長さ、ピン208の外径よりも所定に僅かに狭い溝巾を設定して切り欠き形成した長溝と、この長溝の終端に連接されたピン208と同径の丸孔とから構成されている。
したがって、ピン208と切り欠き部111との相互位置を合わせながら、結部材装着部101aの先端開口からピン208を設けた駆動源側装着部210を差し込むと、ピン208が僅かに結部材装着部101aを拡径するように押し広げながら前進し、ピン208が丸孔に到達すると、結部材装着部101aが元の径に復帰するので、ピン208が丸孔に略係止された状態となる。これによって駆動源側装着部210から結部材装着部101aが離脱することが防止されるとともに、他の操作をすることなく、このようにワンタッチで駆動源側装着部210を結部材装着部101aに装着することができる。他方、前記のように、駆動源側装着部210を結部材装着部101aに差し込んで、ピン208が丸孔に到達した際には、僅かでも嵌着音が生じ、また、少なくとも装着作業者がクリック感を感得できるので、丸孔へのピン208の嵌合状態を目視確認せずに、または目視確認が困難であっても、正常に装着が完了したことを装着作業者が認識できる。これらの結果、装着作業の容易化および確実化が図れる。
そして、このように装着した後には、アウター・ロータ101の回転運動による回転駆動力は、その挿入した軸長さにおける互いに接した内外周面の周面接触を補助にして、ピン208を介して連結部材200に伝達される。
このように、連結部材200の結部材装着部101aを、アウター・ロータ101の駆動源側装着部210に相対回転させたねじ止め操作により固定せず、アウター・ロータ101を駆動源側装着部210に挿入するだけで両部材の連結および固定が完了し、アウター・ロータ101の回転力を伝達することができるので、組立作業性を向上できる。また、感光体軸102の感光体軸側装着部220への装着をねじ止めの固定に換えて、上述のようにしてもよい。
図7は、連結部材における偏角吸収部の第1の変形例を示し、この第1の変形例の連結部材250の偏角吸収部251は、蛇腹体から構成されている。すなわち、たとえばこの偏角吸収部251としての蛇腹体は、金属材や合成樹脂材などの弾性変形可能な材料を用いて、所定径のリング状に形成された山部と谷部とをその全長方向に渡って交互に設けた概略管体状に構成されている。したがって、図7に示した第1の変形例においても、上記の偏角が生じた場合には、偏角吸収部251である蛇腹体全体が、その回転運動を継続しながら、発生した偏角に追従して該偏角方向に湾曲するように自らが変形する一方、周方向にはほぼ変形せずに最小限の変形量に留まるので、駆動源であるモータ100と駆動力を受ける回転体である感光体2Yとの間で回転方向に速度変動が生じること、つまり回転方向に向う周方向の角度差が変動することを最小限に留めて、実質的に防止することができる。
また、図8は、さらに別の第2の変形例であって、この第2の変形例の連結部材270の偏角吸収部271は、重ね板ばねから構成されている。この場合には、駆動源側装着部210と感光体軸側装着部220とで偏角吸収部271をボルト235で狭持してもよい。すなわち、たとえばこの偏角吸収部271としての重ね板ばねは、複数枚の板ばねを、それぞれの板厚方向に圧縮変形可能に重ねて、この重ねた厚さ方向を、偏角吸収部271の長さ方向にし、駆動源側装着部210および感光体軸側装着部220の各貫通孔に遊嵌されて該各部材を貫通しそれぞれの突出端が掛止されたボルト235およびナットの構成によって、該偏角吸収部271の長さを所定に短縮するように、駆動源側装着部210および感光体軸側装着部220が、該長さ方向の前後端を両側から押圧して挟持した構成とされている。したがって、このように重ね板ばねからなる偏角吸収部271を有した連結部材270においても、偏角が生じた場合には、重ね板ばね部分全体が、その回転運動を継続しながら、発生した偏角に追従して該偏角方向に湾曲するように変形する、つまり各板ばねの周方向においてより圧縮される部分が該回転運動に伴い該周上を移動する一方、ボルト235およびナットの構成によって、周方向にはほぼ変形せずに最小限の変形量に留められるので、駆動力伝達経路の途中に介在した偏角吸収部271の前後で速度変動が生じることを、防止することができる。
また、連結部材は、モータ100が発生した回転駆動力の分力のうち、感光体軸102の回転方向の分力を感光体軸102に伝達し、感光体軸102の軸方向の分力を吸収して感光体軸に伝達しないように構成されたものであればよい。例えば、ダブルオフセット形等速ジョイントなどを用いることができる。
以上、この実施の形態の回転体駆動装置においては、駆動源であるモータ100が、該モータ100における回転駆動力の発生源本体であるアウター・ロータ101に、その発生した回転駆動力が直接、伝達可能に直結され、かつ、被伝達対象の回転体軸である感光体軸102とを連結する連結手段としての連結部材200,250,270を有し、これら連結部材は、モータ100から出力された回転駆動力の回転中心線と感光体軸線との間に角度(偏角)が生じても、速度変動を抑制して感光体軸102に伝達することが可能となる。したがって、モータ100か、感光体軸102かのいずれか一方、または両方が、その向きを正確な所定方向から僅かでも変化して、前記の角度(偏角)が生じても、感光体2の周速が不等速になるのを抑制することができる。すなわち、たとえばモータ100を所定形状のブラケット80を介して特定の固定箇所に取り付けた構成において、このブラケット80の形状精度が低くて、ブラケット80上のモータ100が接する取り付け面やブラケット自体が固定箇所に接する面の面精度が低いこと、感光体軸102かモータ100かのいずれか、または両方が、作業ミスなどの人為的な理由で精度良く取り付けられなかったこと、などに起因して、前記の偏角が生じた場合にも、感光体2の速度変動を抑制できる。このため、感光体2を安定して所定速度に保って回転させることができ、該感光体2上に形成するトナー像の高画質化が図れ、少なくとも、感光体2の速度変動に起因した画質低下を防止できる。
他方、モータを組付ける対象固定部材としてブラケット自体の形状精度や、該組付け時の組付け精度が、感光体の回転駆動精度に影響を与えることが緩和されるので、該組付けが簡単にでき、自動組付けも可能となって、組立てコストを削減できるとともに、ブラケット自体の製作コストを抑制でき、これらの結果、低コスト化が図れる。
また、前記の偏角が生じる箇所は、駆動源であるモータ100から感光体2に至るまでの回転駆動力の伝達経路上における、連結部材に限定できるので、感光体2から突出して延在された感光体軸102の部分が長かったりしても、感光体2の回転が不等速になること、つまり少なくとも、感光体2が一定速度で不安定に回転運動することを防止できる。このため、感光体2とモータ100とを、ある程度離して配置できるので、該感光体2やモータ100の配置上の制約を緩和できる。
また、この実施形態では、駆動源であるモータが、その駆動力を直接、連結手段へ伝達して、軸直結とすることが可能となるため、偏角の影響を受け易いダイレクトモータの駆動に用いることで、ダイレクトモータ使用時のリスクを低減できる。すなわち、駆動源は、その発生した回転駆動力を、なんら他の部材を介在させることなく、直接、連結手段に伝達しているので、伝達損失を皆無にして、極めて高い伝達効率が得られるとともに、連結手段によって、偏角の影響が駆動源側に及ぶことを遮断して防止できる。したがって、偏角に起因してダイレクトモータに生じるリスクを低減させながら、ダイレクトモータによるメリットを最大限に享受することが可能となる。
前記の実施の形態においては、画像形成装置に実施した例として説明したが、必ずしも画像形成装置でなくともよく、駆動源からの駆動伝達により回転可能な各種の回転体用の駆動装置にも適用可能であり、さらに該回転体が最終的な駆動対象ではなく、回転体が他の別部材を駆動する装置構成に適用してもよい。
すなわち、回転体として感光体について説明したが、これに限られない。例えば、回転体として転写ユニット11における紙搬送ベルト12をベルト送り走行するための駆動ローラ13に、上記の回転体駆動装置の構成を適用してもよい。より具体的には、駆動ローラ13を回転駆動するための回転駆動力の発生源である駆動モータと駆動ローラ13の軸との連結に上述の連結部材200を適用することもできる。これにより、駆動モータから出力される回転駆動力の回転中心線と、駆動ローラの回転中心線であるローラ軸芯線との間に上記した偏角が生じても、駆動ローラ13を等速で回転させることができるので、搬送ベルト12の周速の変動を抑えることができ、転写ずれなどの画像の劣化を抑えることができる。すなわち、転写紙Pを搬送する搬送ベルト12の周速つまりベルト走行速度の変動を抑制でき、少なくとも、搬送ベルト12によって搬送され移動する転写紙Pの移動速度と、感光体表面の周速との間に変動する差を生じさせずに済む。特に、このように略直線状の搬送ベルト12のベルト走行面における上流から下流側に渡って、順次、各色用のプロセスユニット1Y〜1Kを並列配置したタンデム方式のカラー画像形成装置においては、少なくとも、最初のプロセスユニット1Yから最後のプロセスユニット1Kに至るまで、安定した一定速度で転写紙Pを搬送する必要があるので、このカラー画像形成装置に上記した効果が得られる回転体駆動装置は、最適となる。
また、回転体として現像装置の現像ローラに、上記の回転体駆動装置の構成を適用してもよい。より具体的には、現像ローラを駆動させるモータと現像ローラの軸との連結に連結部材200を適用することも可能であり、連結部材200を用いることで、モータから出力される回転駆動力の回転中心線と、現像ローラの回転中心線であるローラ軸芯線との間に上記した偏角が生じても、現像ローラは等速で回転させることができ、現像濃度ムラによる画像の劣化を抑制することができる。また、クリーニングローラを駆動させるモータとクリーニングローラの軸との連結や、転写ユニット11以外に画像形成装置内に設置された紙搬送ローラと駆動モータとの連結に連結部材200を用いることも可能である。
さらに、感光体から転写材に直接、トナー像を転写するのではなく、一旦、該トナー像を中間転写ベルトで担持したうえで、この中間転写ベルトから転写材に転写する方式の中間転写ベルト方式の画像形成装置において、感光体表面の周速度と同一のベルト送り走行速度が必要な中間転写ベルトを、ベルト送り駆動するための駆動ローラに、上記の回転体駆動装置の構成を適用してもよい。特に、略直線状の中間転写ベルトのベルト走行面を確保したうえで、該直線状のベルト走行面のベルト送り方向における上流から下流の所定範囲に渡って、各色用のプロセスユニット1Y〜1Kを、順次、並列配置したタンデム方式のカラー画像形成装置に、上記の回転体駆動装置を適用することは、上記の搬送ベルト12を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置と同様な理由から、最適となる。
さらに、このような画像形成装置としては、複写機、プリンタ、ファクシミリのいずれか、または、これらのいくつかを組合わせた複合機であってもよい。
次に、特許請求の範囲の請求項2以下に記載した発明の特有な効果について説明する。
請求項2に記載の発明によれば、駆動軸と回転体軸との間に角度が生じても、連結手段が回転体軸に等速回転を伝達することができるようにしている。すなわち、駆動源から出力される回転駆動力の回転中心線と、この回転駆動力が伝達されて回転運動する回転体の回転中心線とが、同一の直線上に揃うことなく、偏角などの偏差が生じた場合にも、つまり、駆動軸と回転体軸とに角度がついても、一定速度の回転駆動力が出力されていれば、常に、回転体の周速を等速とできる。このため、回転体が、像担持体である感光体ドラムなどのように、画像形成に関連した部材であれば、この部材を回転駆動して形成した画像に対する、濃度ムラなどを抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、連結手段が、回転体軸に取り付け取り外し可能な取付部と、駆動源に取り付けられた取付部と、両取付部間に介装されて該両取付部間に発生する偏角を吸収する偏角吸収部と、を有するので、該偏角吸収部による偏角の吸収をきわめて有効に行なえる。すなわち、連結手段の両端にそれぞれ設けた両取付部と、両取付部間に介装した偏角吸収部との、各部を明確に区別した構成としたので、互いに干渉することなく、各部の単位でそれぞれの機能を充実させることができる。他方、回転体軸側の取付部での取り付け方式と、駆動源側の取付部での取り付け方式と、を互いに異ならせることができる。このため、各取付部での、それぞれの取り付け対象や、それぞれの取り付け作業に、より適合した取り付け方式の構成を、各取付部に選択することが可能となる。たとえば、取り付け後の結合強度や駆動力伝達性能を考慮するだけではなく、取り付け時の作業性に配慮して、取り付け作業を容易化した構成の取付部を採用することも可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、偏角吸収部が、コイルばね、蛇腹体、板ばね、のいずれかからなっているので、構成の簡素化を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記のような回転体駆動装置を装備した画像形成装置を提供することができ、少なくとも、上述した実施形態の作用効果が得られる。
この発明の一実施の形態に係る電子写真方式のタンデム方式のカラーレーザプリンタの概略構成図である。 同上のイエロー用のプロセスユニットの概略構成を示す拡大図である。 (A)はプロセスユニットが画像形成装置内に装着された状態、(B)はプロセスユニットが画像形成装置から取り外された状態、をそれぞれ示す概略模式図である。 画像形成装置の連結部材付近を拡大して示した概略図である。 連結部材を説明する概略断面図である。 連結部材の作用を説明する概略断面図である。 連結部材の大部分を、モータ内に収納した構成を示した概略図である。 連結部材の大部分をモータ内に収納した構成における偏角が生じた状態を示し、該偏角発生時の連結部材の作用を説明する概略断面図である。 連結部材の別の例を説明する概略断面図である。 連結部材の偏角吸収部の第1の変形例を示す概略図である。 連結部材の偏角吸収部のさらに別の例として第2の変形例を示す概略図である。 画像形成装置に用いられる従来の伝達装置の一例を示す概略構成斜視図である。 画像形成装置に用いられる従来の伝達装置の一例を示す連結部材周辺の概略構成断面図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K プロセスユニット
2Y,2M,2C,2K 感光体
10 光書込ユニット 11 転写ユニット
19 レジストローラ対 20 給紙カセット
21 定着ユニット 69 面板
70 後側板 80 ブラケット
84 駆動孔 85 側板
100 駆動モータ(駆動源) 101 アウター・ロータ(モータ回転子)
101a 連結部材装着部(駆動源側装着部用)
102 感光体軸(回転体軸) 111 切り欠き部
208 ピン(相対回転不可用)
200,250,270 連結部材(連結手段)
210 駆動源側装着部(取付部) 220 感光体軸側装着部(取付部)
230,251,271 偏角吸収部

Claims (5)

  1. 回転体と、該回転体を回転させるための駆動源とを具えた回転体駆動装置において、
    前記駆動源は、前記回転体の回転体軸が連結される連結手段を具え、この連結手段は、駆動源が発生した回転駆動力が直接、伝達されるとともに、前記回転駆動力の回転中心線と、前記回転体軸線との間に角度が生じたとき、回転速度変動を抑制して回転体軸に回転駆動力を伝達していることを特徴とする回転体駆動装置。
  2. 連結手段は、前記角度が生じても、該回転体軸に等速回転を伝達する請求項1記載の回転体駆動装置。
  3. 連結手段は、回転体軸に取り付け取り外し可能な取付部と、駆動源に取り付けられた取付部と、両取付部間に介装されて該両取付部間に発生する偏角を吸収する偏角吸収部と、を有する請求項1又は2記載の回転体駆動装置。
  4. 偏角吸収部は、コイルばね、蛇腹体、板ばね、のいずれかである請求項3記載の回転体駆動装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の回転体駆動装置を装備した画像形成装置。
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