JP2007120934A - マイクロ波乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物の局部的な過熱を抑えながら短時間で被処理物の乾燥処理を行うことができるマイクロ波乾燥装置を提供する。
【解決手段】ペレット容器12内に樹脂ペレット40が充填された状態で、マイクロ波加熱機構13を稼働させ、マイクロ波を導波管14を介してオーブン11内にマイクロ波を供給する。これにより、オーブン11内のペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40が内部加熱される。又、マイクロ波加熱機構13により内部加熱されている際に、オーブン11の下端から、冷風供給機構16により樹脂ペレット40に対して冷風を吹き付けて樹脂ペレット40を外部冷却する。オーブン11内の空気や水蒸気等は、オーブン11の上端部11aに設けられた排気口を介して減圧機構17により排気し、オーブン11内を減圧状態に保つ。これらにより樹脂ペレットの局部的な過熱を抑えながら短時間で乾燥処理を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波を利用した内部加熱方式により被処理物を乾燥させるマイクロ波乾燥装置に係り、とりわけ、樹脂成形品の材料となる樹脂ペレット等の被処理物を乾燥させるのに適したマイクロ波乾燥装置に関する。
樹脂成形品の材料となる樹脂ペレットは、射出成形の前に十分に乾燥させる必要がある。これは、樹脂ペレットは、大気中に放置しておいた場合に吸水しやく、その結果、発泡や強度低下の原因となるからである。なお、樹脂ペレットにおける吸水の影響は、その含水率が十分の数%(0.数%)程度でも引き起こされる。このため、樹脂ペレットの含水率としては、0.1%以下、用途によっては、0.01%以下が要求されている。
一般に、樹脂ペレットを乾燥させるための装置としては、大気圧下や減圧下で熱風等により樹脂ペレットを乾燥させる外部加熱方式の乾燥装置が用いられている。このような外部加熱方式の乾燥装置では、例えば図3に示す外部加熱乾燥装置20のように、ペレット供給口としての上端部21aを介してオーブン21内に供給された樹脂ペレット40が、ヒータ22から供給される熱及び熱風供給機構23から供給される熱風により外部加熱方式により乾燥される。このとき、樹脂ペレット40が充填されたオーブン21内は、上端部21aを介して接続された減圧機構24により減圧状態に保たれている。なお、乾燥処理が行われた後の樹脂ペレット40は、オーブン21のペレット排出口としての下端部21bを介して外部へ排出される。
しかしながら、図3に示すような外部加熱乾燥装置20では、大量の樹脂ペレットを一度に乾燥させることができるという利点はあるものの、装置が巨大となるという問題がある。また、減圧下で加熱を行う場合には、乾燥処理という面では好ましいものの、大気圧下での加熱と比較して気圧が低い分だけ熱源(熱風)の熱容量が低下してしまい、熱伝導の低下(加熱効率の低下)を招くこととなる。このため、従来においては、減圧の程度と熱伝導とのバランスをとり、ほぼ最適な条件で乾燥処理を行うようにしているが、この場合には、乾燥処理に数十時間を要してしまう。
一方、樹脂ペレットを乾燥させるための別の装置として、減圧下でマイクロ波を利用して樹脂ペレットを乾燥させる内部加熱方式の乾燥装置が提案されている(特許文献1参照)。このような内部加熱方式の乾燥装置では、例えば図4に示すマイクロ波乾燥装置30のように、ペレット供給口31aを介してオーブン31内に供給された樹脂ペレット40が、発振機33及び導波管34により供給されるマイクロ波により内部加熱方式により乾燥される。このとき、樹脂ペレット40が充填されたオーブン31内は、排気口31cを介して接続された減圧機構35により減圧状態に保たれている。また、オーブン31内には攪拌羽根32が設けられており、オーブン31内で樹脂ペレット40が攪拌されるようになっている。なお、乾燥処理が行われた後の樹脂ペレット40は、オーブン31のペレット排出口31bを介して外部へ排出される。
ここで、図4に示すマイクロ波乾燥装置30におけるマイクロ波による加熱は、樹脂ペレット40自体が発熱体となる内部加熱であるので、樹脂ペレット40の状態にも依存するが、一般に、図3に示す外部加熱乾燥装置20における熱風等による加熱に比べて、減圧下でも数倍〜数十倍の加熱効率を得ることができる。このため、図4に示すマイクロ波乾燥装置30は、図3に示す外部加熱乾燥装置20に比べて有効な加熱手段となる。
しかしながら、図4に示すマイクロ波乾燥装置30では、樹脂ペレット40におけるマイクロ波の吸収及び発熱が、樹脂ペレット40を形成する材料の誘電率や形状、質量(熱容量)等に依存し、また、樹脂ペレット40を形成する材料の誘電率が特に固相と液相とで大きく異なってくるので、樹脂ペレット40内で局部的な過熱を発生しやすい。すなわち、固相状態の樹脂ペレット40が加熱されてその温度が液相に変わる融点付近になると、樹脂ペレット40の誘電率が急激に変化し、マイクロ波の吸収及び発熱が顕著になる。この場合、その時点でマイクロ波の供給が停止されれば問題はないが、通常、そのような制御は困難であり、樹脂ペレット40が溶融してしまう事態に至る。特に、熱伝導による放熱等を行うことが困難な減圧下では、その傾向が顕著となる。
特開2001−194067号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、被処理物の局部的な過熱を抑えながら短時間(数十分〜数時間)で被処理物の乾燥処理を行うことができるマイクロ波乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明は、マイクロ波を利用した内部加熱方式により被処理物を乾燥させるマイクロ波乾燥装置において、マイクロ波を吸収する誘電体からなる被処理物を収容するオーブンと、オーブン内にマイクロ波を供給してオーブン内に収容された被処理物を内部加熱するマイクロ波加熱機構と、オーブン内に収容された被処理物がマイクロ波加熱機構により内部加熱されている際に当該被処理物を外部冷却する外部冷却機構とを備えたことを特徴とするマイクロ波乾燥装置を提供する。
なお、本発明においては、オーブン内を減圧状態に保つ減圧機構をさらに備えることが好ましい。ここで、減圧機構により減圧状態に保たれたオーブン内の気圧は、50hPa以上でかつ大気圧よりも小さいことが好ましい。
また、本発明において、外部冷却機構は、被処理物に対して冷風を吹き付けることにより当該被処理物を外部冷却することが好ましい。ここで、外部冷却機構により吹き付けられる冷風の温度は−40℃〜−30℃であることが好ましい。また、オーブンは、その内部にマイクロ波を透過することが可能な筒状の容器を有し、筒状の容器の内部空間の中央部には、外部冷却機構により吹き付けられる冷風を通過させることが可能な筒状の内壁部材が設けられ、筒状の容器と筒状の内壁部材との間に被処理物が充填されていることが好ましい。
さらに、本発明において、オーブンは、マイクロ波加熱機構によりオーブン内に供給されたマイクロ波を攪拌する攪拌機構を有することが好ましい。
なお、本明細書において、「内部加熱」とは、マイクロ波の誘導加熱等を利用して被処理物自体を発熱体とする加熱をいう。また、「外部加熱」とは、ヒータからの熱や熱風等を利用して被処理物を物体内部からではなく物体外部の熱源により加熱することをいう。
さらに、「外部冷却」とは、冷風等を利用して被処理物を物体内部からではなく物体外部(物体表面側)から冷却することをいう。
本発明によれば、オーブン内に収容された、マイクロ波を吸収する誘電体からなる被処理物に対して、マイクロ波加熱機構により供給されたマイクロ波により内部加熱を行いながら、外部冷却機構により外部冷却を行うので、被処理物に含まれる水のみがマイクロ波による内部加熱により気化する一方で、被処理物を形成する材料(マイクロ波を吸収する誘電体)自体は、マイクロ波による内部加熱によりその温度が上がりにくく、また、外部冷却によりその温度が下がりやすい。このため、オーブン内に収容された被処理物の局部的な過熱を抑えながら短時間(数十分〜数時間)で被処理物の乾燥処理を行うことができる。
また、本発明によれば、減圧機構によりオーブン内の気圧を減圧状態に保つようにすれば、被処理物に含まれる水の沸点を降下させることができ、このため、被処理物を形成する材料(マイクロ波を吸収する誘電体)の局部的な過熱をより効果的に防止することができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
まず、図1により、本発明の一実施形態に係るマイクロ波乾燥装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るマイクロ波乾燥装置10は、マイクロ波を利用した内部加熱方式により、マイクロ波を吸収する誘電体からなる樹脂ペレット(被処理物)40を乾燥させるものである。なお、本実施形態においては、被処理物である樹脂ペレット40が、ナイロンからなる場合を例に挙げて説明する。
具体的には、マイクロ波乾燥装置10は、樹脂ペレット40を収容するオーブン11と、オーブン11内にマイクロ波を供給してオーブン11内に収容された樹脂ペレット40を内部加熱するマイクロ波加熱機構13とを備えている。ここで、オーブン11内には、その内部に樹脂ペレット40が充填されたペレット容器12が設けられている。また、マイクロ波加熱機構13は、マイクロ波を発生させる発振機13aと、発振機13aで発生されたマイクロ波をオーブン11内まで導く導波管14とを有している。さらに、オーブン11内には、マイクロ波加熱機構13によりオーブン11内に供給されたマイクロ波を攪拌させるスタラファン(攪拌機構)15が取り付けられている。
また、マイクロ波乾燥装置10は、オーブン11内に収容された樹脂ペレット40がマイクロ波加熱機構13により内部加熱されている際に樹脂ペレット40に対して冷風を吹き付けて樹脂ペレット40を外部冷却する冷風供給機構(外部冷却機構)16と、空気や水蒸気等を排気してオーブン11内を減圧状態に保つ減圧機構17とを備えている。なお、冷風供給機構16はオーブン11の下端部11bに接続され、減圧機構17はオーブン11の上端部11aに接続されている。
以下、図1に示すマイクロ波乾燥装置10の各部の詳細について説明する。
オーブン11は、マイクロ波加熱機構13により供給されたマイクロ波を閉じ込める包囲体である。ここで、オーブン11の材料としては、当該包囲体の外部にマイクロ波が漏洩しないように、また、誘導加熱によるマイクロ波の損失や加熱等がないように、SUS304やSUS306等の適当な金属が用いられる。なお、オーブン11内は減圧状態になるので、その状態に耐えられるだけの強度を持つ必要がある。また、オーブン11内には、樹脂ペレット40が気化した水分が付着するので、オーブン11の材料としては錆びにくい特性を持つものを用いる必要がある。なお、オーブン11の形状は筒状であれば任意の形状(角筒状や円筒状等)とすることが可能であるが、オーブン11内が減圧状態に保たれる場合には円筒状とすることが好ましい。
ここで、オーブン11の上端部11a及び下端部11bにはそれぞれ、樹脂ペレット40を供給するためのペレット供給口(図示せず)、及び乾燥処理が行われた後の樹脂ペレット40を排出するためのペレット排出口(図示せず)が設けられている。なお、ペレット供給口及びペレット排出口はいずれも、運転(乾燥処理)中は閉じられ、マイクロ波の漏洩や減圧時の空気の漏れ等を防止するように構成されている。また、オーブン11の下端部11bには、冷風供給機構16により供給された冷風をオーブン11内に取り込むための冷風供給口(図示せず)が設けられている。さらに、オーブン11の上端部11aには、減圧機構17により排気される空気や水蒸気等を取り出すための排気口(図示せず)が設けられている。なお、冷風供給口及び排気口はいずれも、マイクロ波が出て行かないような構造及び寸法を備えている。
ペレット容器12は、その内部に樹脂ペレット40を充填する容器である。ここで、ペレット容器12は、樹脂ペレット40を効率良く乾燥させるため、オーブン11の壁面(金属面)から61mm(マイクロ波の波長(λ)の半波長(λ/2))以上離した寸法とすることが好ましい。また、ペレット容器12は、マイクロ波を透過する材料で、かつ、冷却用気体である冷風や、乾燥処理により得られた水蒸気を通過させることが可能な通気性のある材料からなることが好ましい。具体的には例えば、ゴアテックス(登録商標)からなるメンブレンフィルターや、テフロン(登録商標)からなるメッシュ材等を用いることができる。さらに、ペレット容器12には強度を持たせるための枠材が設けられていることが好ましい。このような枠材としては、オーブン11で用いられる構造材の他、テフロン(登録商標)等のマイクロ波を吸収しにくい樹脂が好ましく用いられる。なお、ペレット容器12は、円筒状であることが好ましい。また、ペレット容器12は、その全体をメッシュ材等から形成してもよいが、冷却用気体である冷風がペレット容器12の下部から逃げずに上部まで届くように、当該下部を、冷風が通過しないメッシュ材以外の材料(例えば、マイクロ波を透過するシートやボード等)から形成してもよい。
マイクロ波加熱機構13の発振機13aは、所定の波長(λ)のマイクロ波を発振させる装置である。なお、発振機13aで発生されるマイクロ波の波長(λ)は122mm程度であることが好ましい。また、発振機13aで発生されるマイクロ波のエネルギーは、5kW以下であることが好ましい。
マイクロ波加熱機構13の導波管14は、発振機13aで発生されたマイクロ波をオーブン11内まで導く金属製の管である。ここで、導波管14とオーブン11との接触面(給電口)は、導波管14内が大気圧状態に保たれているので、減圧したときに空気を遮断するようにテフロン製や石英ガラス製のウィンドウを備えていることが好ましい。なお、導波管14は、発振機13aの構成によっては必ずしも必要ではない。
スタラファン(攪拌機構)15は、マイクロ波加熱機構13によりオーブン11内に供給されたマイクロ波を攪拌するための金属製又は樹脂製の羽根である。スタラファン15を用いることにより、定在波(マイクロ波)の発生や樹脂ペレット40の局部的な過熱の低減等を行うことができる。なお、樹脂ペレット40の局部的な過熱の低減等を図るためには、スタラファン15に加えて、ペレット容器12自体を回転させたり、ペレット容器12内に、樹脂ペレット40を攪拌するための攪拌羽根やスクリュー状の攪拌治具等を設けるようにしてもよい。
冷風供給機構16は、オーブン11内に収容された樹脂ペレット40に対して冷却用気体である窒素等の冷風を吹き付けるための装置である。なお、冷風供給機構16により吹き付けられる冷風の温度は、なるべく低い方が好ましいが、装置のコスト等を考慮すると、−40℃〜−30℃であることが好ましい。また、樹脂ペレット40の熱容量や樹脂ペレット40周囲の飽和水蒸気圧を下げるため、風速が高く、また、流量も大きい方が好ましい。さらに、冷風供給機構16により吹き付けられる冷風は、できるだけ除湿されてその含水率が低いことが好ましい。
減圧機構17は、空気や水蒸気等を排気してオーブン11内を減圧状態に保つための装置であり、例えばポンプやファン等を用いることができる。なお、減圧機構17により減圧状態に保たれたオーブン11内の気圧は、50hPa以上でかつ大気圧よりも小さいことが好ましい。オーブン11内の気圧を減圧状態に保つことにより、樹脂ペレット40に含まれる水の沸点を降下させることができるので、樹脂ペレット40に含まれる水を気化するために必要とされるエネルギーが小さくて済み、樹脂ペレット40を形成する材料(ナイロン)の局部的な過熱を効果的に防止することができる。なお、オーブン11内の気圧は、できるだけ減圧状態である方が好ましいが、あまり真空度が高くなると(気圧が低くなると)、マイクロ波の給電口付近でグロー放電が引き起こされて無駄にエネルギーが消費され、場合によっては被処理物である樹脂ペレット40にマイクロ波が到達しなくなるので、その下限値は50hPa程度とすることが好ましい。
次に、このような構成からなる本実施形態の作用について説明する。
図1に示すマイクロ波乾燥装置10においては、まず、オーブン11の上端部11aに設けられたペレット供給口(図示せず)を介して、ナイロンからなる樹脂ペレット40を供給し、ペレット容器12内に樹脂ペレット40を充填する。
この状態で、マイクロ波加熱機構13を稼働させ、発振機13aで発生されたマイクロ波を導波管14を介してオーブン11内まで導き、オーブン11内にマイクロ波を供給する。これにより、オーブン11内に供給されたマイクロ波により、オーブン11内のペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40が内部加熱される。なおこのとき、オーブン11内に供給されたマイクロ波は、スタラファン15により攪拌された上で樹脂ペレット40へ向けて送られる。
また、オーブン11内のペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40がマイクロ波加熱機構13により内部加熱されている際には、オーブン11の下端部11bに設けられた冷風供給口(図示せず)を介して冷風供給機構16により、ペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40に対して冷風が吹き付けられ、これにより樹脂ペレット40が外部冷却される。
すなわち、オーブン11内のペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40は、マイクロ波加熱機構13により供給されたマイクロ波により内部加熱されるとともに、冷風供給機構16により吹き付けられた冷風により外部冷却される。またこのとき、オーブン11内の空気や水蒸気等は、オーブン11の上端部11aに設けられた排気口(図示せず)を介して減圧機構17により排気され、オーブン11内が減圧状態に保たれている。これにより、ペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40の局部的な過熱を抑えながら短時間(数十分〜数時間)で樹脂ペレット40の乾燥処理を行うことができる。なおこのとき、マイクロ波加熱機構13により供給されたマイクロ波による内部加熱の程度、及び冷風供給機構16により供給される冷風による外部冷却の程度は、樹脂ペレット40を形成する材料の特性に応じて、両者のバランスを考慮して決められる。
そして最終的に、このようにして乾燥処理が行われた後の樹脂ペレット40は、オーブン11の下端部11bに設けられたペレット排出口(図示せず)を介して排出される。
ここで、被処理物である樹脂ペレット40を形成する材料であるナイロン(常温)の熱伝導率(κ)及び比熱(c)はそれぞれ、
κ=2.7×10−1[W/mK]
c=0.4〜0.58[kcal/kg℃]
である。一方、樹脂ペレット40内に含まれている水の熱伝導率(κ)及び比熱(c)はそれぞれ、
κ=約6×10−1[W/mK]
c=1[kcal/kg℃]
である。すなわち、ナイロンは水よりも熱しやすいが、熱を伝えにくい。
このため、ナイロンからなる樹脂ペレット40を外部加熱により乾燥する場合、樹脂ペレット40の表面は暖まりやすいが、その内部には熱が伝わりにくく、当該内部に含まれる水の温度が上がりにくい。逆に、樹脂ペレット40を外部冷却する場合には、その内部を冷却しにくいので、当該内部に含まれる水の温度も下がりにくい。
一方、ナイロンからなる樹脂ペレット40を、マイクロ波を利用した内部加熱方式により乾燥する場合には、ナイロンよりも水の方が加熱しやすい。以下、この点について詳細に説明する。
マイクロ波による内部加熱の特性は、一般に損失係数で表される。損失係数とは、物質の誘電体損失角(tanδ)と誘電率(ε)との積で表されるが、その値が大きいほど、マイクロ波を吸収しやすいといえる。また、マイクロ波がどこまで浸透するか(どの深さまで発熱効果を与えられるか)を表す指標として、物質の表面に比べて電力が半減(1/2)する距離である電力半減深度(D)がある。(なお、物質内で電力が減った分が発熱に寄与する。)
上述した誘電体損失角(tanδ)、誘電率(ε)、損失係数(tanδ・ε)及び電力半減深度(D)の各パラメータにつき、ナイロン及び水の値を列挙すると、次のとおりとなる。
ナイロン:tanδ≒0.02、ε≒3、
tanδ・ε≒0.03、D≒0.6m
水 :tanδ≒0.2、ε≒70、
tanδ・ε≒14、D≒0.01m
すなわち、ナイロンと水とを比較すると、損失係数(tanδ・ε)で約470倍、電力半減深度(D)でも約60倍も差があり、その分だけナイロンに比べて水の方がマイクロ波を吸収しやすい。
以上のことから、マイクロ波による内部加熱においては、ナイロンよりも水の方が数十倍加熱しやすい。また、外部冷却においては、ナイロンは冷却しやすいが、水はその2倍程度冷却されにくい。このため、ナイロン内に含まれる水は、マイクロ波による内部加熱により気化することとなる。ただし、ナイロン内に含まれる水は、ナイロン内では冷却されにくいので、水蒸気として外部に排出される。これに対し、ナイロン自体は、マイクロ波による内部加熱によりその温度が上がりにくく、また、外部冷却によりその温度が下がりやすい。このため、ナイロン自体は、全体として温度が上がりにくく、局部的な過熱は発生しにくい。なお、水の沸点は100℃であるが、ナイロンの耐熱温度は120℃〜150℃であるので、局部的な過熱が発生しなければ、ナイロンからなる樹脂ペレット40に熱変形等が発生することはない。
このように本実施形態によれば、オーブン11内のペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40に対して、マイクロ波加熱機構13により供給されたマイクロ波により内部加熱を行いながら、冷風供給機構16により吹き付けられた冷風により外部冷却を行うので、樹脂ペレット40に含まれる水のみがマイクロ波による内部加熱により気化する一方で、樹脂ペレットを形成するナイロン自体は、マイクロ波による内部加熱によりその温度が上がりにくく、また、外部冷却によりその温度が下がりやすい。このため、ペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40の局部的な過熱を抑えながら短時間(数十分〜数時間)で樹脂ペレット40の乾燥処理を行うことができる。
また、本実施形態によれば、減圧機構17によりオーブン11内の気圧を減圧状態に保つようにしているので、樹脂ペレット40に含まれる水の沸点を降下させることができ、このため、樹脂ペレット40を形成する材料(ナイロン)の局部的な過熱をより効果的に防止することができる。
さらに、本実施形態によれば、樹脂ペレット40の乾燥処理に用いられる加熱方式が熱伝導によらない内部加熱方式であるので、乾燥処理を開始するまでに要する、樹脂ペレット40の昇温時間が短くて済む。また、冷却方式も窒素等の冷風を内部加熱とともに吹き付ける方式であるので、樹脂ペレット40の冷却時間が短くて済み、また、乾燥処理を終了した後に別途冷却処理を行う必要がない。このため、樹脂ペレット40の乾燥処理において昇温、乾燥及び冷却の各工程が必要で、それぞれの工程にかなりの時間(数時間〜数十時間)を要していた従来の外部加熱方式に比べて、処理時間を大幅に削減することができる。また、この場合には、例えば、装置の占有空間を1/2にするために1回分(1バッチ分)の処理量が1/10に削減されたとしても、処理時間が1/10に削減されれば、全体の処理量(生産量)は変わらずに済む。このため、処理効率を上げるために1回分の処理量を多くする必要がなく、装置を小型化することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、ペレット容器12は樹脂ペレット40を充填するための一重の外壁部材からなっているが、これに限らず、例えば図2に示すマイクロ波乾燥装置10′のように、ペレット容器12の内部空間の中央部に、冷風供給機構16により吹き付けられる冷風を通過させることが可能な円筒状の内壁部材18を設けるようにしてもよい。これにより、冷風供給機構16によりオーブン11の下端部11bからペレット容器12の下端部(内壁部材18の下端部)へ向けて吹き付けられる冷風が、ペレット容器12内に充填された樹脂ペレット40により均等に供給されるようになり、樹脂ペレット40の冷却ムラを改善することができる。なお、内壁部材18は、冷却用気体である冷風や、乾燥処理により得られた水蒸気を通過させることが可能な通気性のある材料(ゴアテックス(登録商標)からなるメンブレンフィルターや、テフロン(登録商標)からなるメッシュ材等)からなることが好ましい。また、内壁部材18の形状は任意の形状とすることが可能であり、図2に示すような円筒状に限らず、角筒状でもよく、また、円錐状であってもよい。なお、内壁部材18が筒状である場合には、当該筒状の内壁部材18の上端部は、図2に示すように閉鎖していても、オーブン11の上端部11aに対して開放していても、どちらでもよい。
また、上述した実施形態においては、減圧機構17によりオーブン11内を減圧状態に保ちながら乾燥処理を行っているが、減圧機構17は必ずしも用いる必要はなく、オーブン11内を大気圧状態に保ちながら乾燥処理を行ってもよい。
さらに、上述した実施形態においては、乾燥対象となる被処理物として、ナイロンからなる樹脂ペレット40を用いる場合を例に挙げて説明したが、マイクロ波を吸収する誘電体からなるものであれば、これ以外の任意の物(セラミックス製品や、表面に塗料が塗布された成形型(中子等)等)を用いることもできる。
なお、上述の説明では、樹脂ペレットを乾燥させることを説明したが、本願発明はこれに限らず、紛体の乾燥にも適用することが可能である。
すなわち、ペレット容器12をマイクロ波の透過性の高い適切な目の大きさのフィルターに置き換えることで紛体を乾燥させる。また、紛体をフィルターの袋につめてペレット容器に入れることでも乾燥させることができる。このようにフィルターの袋に粉体をつめることで冷風による乾燥が袋と袋の間に冷風が吹きつけられるのでより効率良く紛体を乾燥されることができる。なお、フィルターは耐熱性が高い方が好ましい。
本発明の一実施形態に係るマイクロ波乾燥装置の全体構成を示す模式図。 図1に示すマイクロ波乾燥装置の一変形例を示す模式図。 従来の樹脂ペレット用の乾燥装置の一例を示す模式図。 従来の樹脂ペレット用の乾燥装置の他の例を示す模式図。
符号の説明
10,10′ マイクロ波乾燥装置
11 オーブン
11a 上端部
11b 下端部
12 ペレット容器
13 マイクロ波加熱機構
13a 発振機
14 導波管
15 スタラファン(攪拌機構)
16 冷風供給機構(外部冷却機構)
17 減圧機構
18 内壁部材
20 外部加熱乾燥装置
21 オーブン
21a 上端部
21b 下端部
22 ヒータ
23 熱風供給機構
24 減圧機構
30 マイクロ波乾燥装置
31 オーブン
31a ペレット供給口
31b ペレット排出口
31c 排気口
32 攪拌羽根
33 発振機
34 導波管
35 減圧機構
40 樹脂ペレット

Claims (7)

  1. マイクロ波を利用した内部加熱方式により被処理物を乾燥させるマイクロ波乾燥装置において、
    マイクロ波を吸収する誘電体からなる被処理物を収容するオーブンと、
    前記オーブン内にマイクロ波を供給して前記オーブン内に収容された前記被処理物を内部加熱するマイクロ波加熱機構と、
    前記オーブン内に収容された前記被処理物が前記マイクロ波加熱機構により内部加熱されている際に当該被処理物を外部冷却する外部冷却機構とを備えたことを特徴とするマイクロ波乾燥装置。
  2. 前記オーブン内を減圧状態に保つ減圧機構をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波乾燥装置。
  3. 前記減圧機構により減圧状態に保たれた前記オーブン内の気圧は、50hPa以上でかつ大気圧よりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載のマイクロ波乾燥装置。
  4. 前記外部冷却機構は、前記被処理物に対して冷風を吹き付けることにより当該被処理物を外部冷却することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波乾燥装置。
  5. 前記外部冷却機構により吹き付けられる前記冷風の温度は−40℃〜−30℃であることを特徴とする、請求項4に記載のマイクロ波乾燥装置。
  6. 前記オーブンは、その内部にマイクロ波を透過することが可能な筒状の容器を有し、前記筒状の容器の内部空間の中央部には、前記外部冷却機構により吹き付けられる前記冷風を通過させることが可能な筒状の内壁部材が設けられ、前記筒状の容器と前記筒状の内壁部材との間に前記被処理物が充填されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載のマイクロ波乾燥装置。
  7. 前記オーブンは、前記マイクロ波加熱機構により前記オーブン内に供給されたマイクロ波を攪拌する攪拌機構を有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ波乾燥装置。
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