JP2007120005A - 制水扉の設置方法および制水扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】戸当り12を下部の分割戸当り部材17と上部の分割戸当り部材18とに分割可能に構成しておき、流路管1の途中にゲート室2を形成し、下部および上部の分割戸当り部材17,18をゲート室2内に搬入し、両分割戸当り部材17,18を連結して戸当り12を組立て、昇降自在な扉体13を戸当り12に取付け、ゲート室2上に据え付けた開閉装置14と扉体13とを連結した後、ゲート室2内の流路管1を切断して扉体13の開閉経路上から除去し、切断された短管部1aをゲート室2内から撤去する。
【選択図】図12
Description
上記不断水設置工法としては、例えば、先ず、図21の(a−1)(a−2)に示すように、設置箇所の地盤を掘削して流路管81の一部を露出させ、次に、コンクリートを打設して、上部が開放されたゲート室82を形成する。その後、上下一対のコの字形状の扉枠固定部材83を、ゲート室82内の流路管81を挟むようにして対向させボルト,ナットで接合し、流路管81の外周に固定し、コンクリート等で補強する。
(a)上記戸当りを複数の分割戸当り部材に分割可能に構成しておき、
(b)上記流路管の途中に、この流路管が貫通するゲート室を形成し、
(c)上記複数の分割戸当り部材のうち、少なくとも水没する部分の分割戸当り部材をゲート室内に設置し、
(d)ゲート室内の流路管を切断して扉体の開閉経路上から除去し、
(e)残りの上記分割戸当り部材をゲート室内に設置して戸当りを組立てるものである。
本第3発明における制水扉の設置方法は、分割戸当り部材をゲート室内に設置するにあたって、分割固定部材をゲート室内に設置して、上記分割固定部材に着脱自在に取付けられた分割戸当り部材によって戸当りを組立てるものである。
本第5発明における制水扉は、流体が通る流通口を有する戸当りと、流通口を開閉する扉体とを備えた制水扉であって、
上記流通口は戸当りの枠体に囲まれて形成され、
上記戸当りは枠体部分が2分割された分割戸当り部材からなり、
両分割戸当り部材を着脱自在に接合する接合手段が備えられているものである。
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図13に基いて説明する。
図1に示すように、1は下流側が下水処理施設等に接続される下水等の既設の流路管であり、コンクリート製の断面四角形の管からなり、地中に埋設されている。また、流路管1の途中には、底壁2aと前後左右の側壁2b〜2eと天井壁2fとで構成されるゲート室2が形成されている。尚、天井壁2fには、搬入出用の開口部3,4が形成されている。
図2に示すように、制水扉10は、流通口11を有する戸当り12と、流通口11を開閉する昇降自在な扉体13と、扉体13を昇降させる開閉装置14とを有している。図3に示すように、戸当り12は、四角枠状の枠体15と、この枠体15の上端左右両側部に立設された一対の縦フレーム体16とで構成されており、枠体15の部分で、凹形状の下部の分割戸当り部材17(一方の分割戸当り部材の一例)とH形状の上部の分割戸当り部材18(他方の分割戸当り部材の一例)とに2分割可能である。
(1)
先ず、図5に示すように、制水扉10の設置場所を掘削して流路管1を露出させる。
(2)
次に、図6に示すように、コンクリートを打設してゲート室2を形成する。この際、複数の基礎ボルト44をゲート室2の後側壁2cに植設する。
(3)
次に、図7に示すように、予め下部の分割案内板32aと下部の分割止水板34aとを取付けた下部の分割戸当り部材17を、開口部3からゲート室2内へ搬入し、受け材49で支持して仮置きする。この際、ナット45(図4参照)を螺合した基礎ボルト44を下部の分割戸当り部材17のボルト孔43に挿通しておく。
(4)
次に、図8に示すように、予め上部の分割案内板32bと上部の分割止水板34bとを取付けた上部の分割戸当り部材18を、開口部3からゲート室2内へ搬入する。そして、下部の分割戸当り部材17の一方のフランジ22と上部の分割戸当り部材18の他方のフランジ23とを接合し、各ボルト孔26にリーマボルト24を挿入してナット25を締付けることにより(図3参照)、下部の分割戸当り部材17と上部の分割戸当り部材18とを連結して、戸当り12を組立てる。これにより、流路管1が戸当り12の流通口11を貫通するとともに、戸当り12に左右一対の案内溝33が形成される。この際、ナット45(図4参照)を螺合した基礎ボルト44を上部の分割戸当り部材18のボルト孔43に挿通しておく。
(5)
次に、各基礎ボルト44にナット46を螺合して、両ナット45,46の締め具合等を調節し、戸当り12の垂直度や微小な位置等を調整する。その後、図9に示すように、コンクリート47を戸当り12と後側壁2cとの間に打設する。これにより、戸当り12が後側壁2cに据え付けられ、その後、上記受け材49を開口部3からゲート室2の外部へ搬出する。
(6)
次に、図10に示すように、予め他方の止水板35を取付けた扉体13を、開口部4からゲート室2内に搬入し、戸当り12の左右一対の案内溝33内へ差し込む。これにより、扉体13が戸当り12に取付けられる。
(7)
次に、図11に示すように、ゲート室2の天井壁2fに開閉台38を据付け、スピンドル40を開口部4からゲート室2内へ挿入し、スピンドル40の下端を扉体13の上端部に連結し、開閉装置14を設置する。そして、操作ハンドル41を操作して、扉体13を全開位置Oまで上昇させておく。
(8)
次に、図12,図13に示すように、切断装置50を用いて、ゲート室2内の流路管1を2箇所において切断し、切断した短管部1aを開口部3からゲート室2の外部へ搬出する。これにより、流路管1内の下水Wがゲート室2内に流出し、戸当り12の下部の分割戸当り部材17が水没するとともに、上部の分割戸当り部材18の下端部が水没する。この際、扉体13は全開位置Oまで上昇しているため、上流側の流路管1からゲート室2内に流出した下水Wは、ゲート室2内から下流側の流路管1へ流れる。
(9)
その後、下限ストッパーを調整して、扉体13の全閉位置Sを調整し、上限ストッパーを調整して、扉体13の全開位置Oを調整する。この際、下限ストッパーは水没しているため、下限ストッパーの調整は潜水作業となる。
図13に示すように、切断装置50は、無端状のワイヤーソー51と、このワイヤーソー51を高速で回転走行させる走行駆動装置52と、ワイヤーソー51をガイドする複数のプーリー53とで構成されている。上記ワイヤーソー51は、ワイヤーロープに切削用ダイヤモンド砥粒等を組み込んだものである。
ゲート室2の天井壁2fに走行駆動装置52を設置し、ワイヤーソー51を開口部3からゲート室2内へ導入して流路管1の一方の切断箇所Aに巻きつける。尚、一方の切断箇所Aは、流れ方向Fにおける扉体13と後側壁2cとの間に設定されている。上記プーリー53は、流路管1の上面に前後一対且つ左右一対ずつ取付けられており、ワイヤーソー51を走行駆動装置52から一方の切断箇所Aへ案内している。
上記(1)〜(9)の工程により、図1に示すように、流路管1内を流れる下水W(流体)を止めることなく制水扉10を設置することができ、流路管1の上流側から下流側への下水Wの供給が途絶えることはない。
(実施の形態2)
以下、本発明における第2の実施の形態を図14〜図18に基いて説明する。
(1)
先述した実施の形態1と同様、図5に示すように、流路管1を露出させる。
(2)
先述した実施の形態1と同様、図6に示すように、ゲート室2を形成し、複数の基礎ボルト44を後側壁2cに植設する。
(3)
次に、図16に示すように、下部および上部の分割埋設戸当り58a,58bを開口部3からゲート室2内へ搬入し、下部および上部の分割埋設戸当り58a,58bの各ボルト孔59に各基礎ボルト44を挿通してナット62,63を締め込み、下部および上部の分割埋設戸当り58a,58bを仮止めする。これにより、埋設戸当り58が仮組みされてゲート室2内に固定され、流路管1が埋設戸当り58の開口部58cを貫通する。
(4)
次に、先述した実施の形態1と同様、図17(a)に示すように、予め下部の分割案内板32aと下部の分割止水板34aとを取付けた下部の分割戸当り部材17を、ゲート室2内へ搬入し、受け材49で支持して下部の分割戸当り部材17を仮置きする。さらに、図17(b)に示すように、予め上部の分割案内板32bと上部の分割止水板34bとを取付けた上部の分割戸当り部材18を、ゲート室2内へ搬入する。そして、下部の分割戸当り部材17と上部の分割戸当り部材18とを連結して、戸当り12を組立てる。これにより、流路管1が戸当り12の流通口11を貫通するとともに、戸当り12に左右一対の案内溝33が形成される。
(5)
次に、埋設戸当り58の表面に戸当り12の裏面を当接させ、各基礎ボルト44にナット61を螺合する。そして、ナット61〜63を回して戸当り12と埋設戸当り58との垂直度や微小な位置等を調整し、その後、図18に示すように、コンクリート47を埋設戸当り58と後側壁2cとの間に打設する。これにより、戸当り12が埋設戸当り58と共に後側壁2cに据え付けられる。
(6)
次に、先述した実施の形態1と同様、予め止水板35を取付けた扉体13を案内溝33内へ差し込んで戸当り12に取付ける。
また、流路管1を切断するよりも前に、ゲート室2内に下水が流出していない状態で、ゲート室2内に制水扉10を設置しているため、制水扉10を設置する際の潜水作業を無くすことができる。尚、最後に、下限ストッパーを調整する際に潜水作業を行う必要があるが、この潜水作業に要する時間は従来に比べて大幅に短くて済み、したがって、作業効率が改善され、コストダウンを図ることができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態1,2では、図3に示すように、戸当り12を下部および上部の分割戸当り部材17,18に上下2分割しているが、本実施の形態3では、図19に示すように、戸当り12を、枠体15の部分で、左右一方の分割戸当り部材68と左右他方の分割戸当り部材69とに左右2分割している。
次に、上記のような構成の制水扉10を地中に埋設されている既設の流路管1の途中に新規に設置する方法を説明する。
(3)
その後、図20に示すように、予め案内板32と分割止水板34a,34bとを取付けた一方および他方の分割戸当り部材68,69を、ゲート室2内へ搬入し、受け材49で支持して仮置きする。この際、ナット45(図4参照)を螺合した基礎ボルト44を一方および他方の分割戸当り部材68,69の各ボルト孔43に挿通しておく。
(4)
次に、一方の分割戸当り部材68の一方のフランジ22と他方の分割戸当り部材69の他方のフランジ23とを接合し、各ボルト孔26にリーマボルト24を挿入してナット25を締付けることにより、両方の分割戸当り部材68,69を連結して、戸当り12を組立てる。これにより、流路管1が戸当り12の流通口11を貫通する。
上記各実施の形態では、扉体13と戸当り12の枠体15とをそれぞれ四角形状に形成しているが、四角形状に限定されるものではなく、丸形状等であってもよい。
上記実施の形態2では埋設戸当り58を上下に2分割したが、実施の形態3の戸当り12と同様に、埋設戸当り58を左右に2分割してもよい。
2 ゲート室
10 制水扉
11 流通口
12 戸当り
13 扉体
15 枠体
17,18 分割戸当り部材
21 第1の接合手段
22 一方のフランジ
23 他方のフランジ
24 リーマボルト(締結部材)
25 ナット(締結部材)
27 開閉経路
58a,58b 分割埋設戸当り(分割固定部材)
68,69 分割戸当り部材
Claims (5)
- 流通口を有する枠状の戸当りと上記流通口を開閉する扉体とを備えた制水扉を既設の流路管に設置する設置方法であって、
(a)上記戸当りを複数の分割戸当り部材に分割可能に構成しておき、
(b)上記流路管の途中に、この流路管が貫通するゲート室を形成し、
(c)上記複数の分割戸当り部材のうち、少なくとも水没する部分の分割戸当り部材をゲート室内に設置し、
(d)ゲート室内の流路管を切断して扉体の開閉経路上から除去し、
(e)残りの上記分割戸当り部材をゲート室内に設置して戸当りを組立てることを特徴とする制水扉の設置方法。 - (c)の工程の代わりに、全ての分割戸当り部材をゲート室内に設置して戸当りを組立て、(e)の工程を削除することを特徴とする請求項1記載の制水扉の設置方法。
- 分割戸当り部材をゲート室内に設置するにあたって、分割固定部材をゲート室内に設置して、上記分割固定部材に着脱自在に取付けられた分割戸当り部材によって戸当りを組立てることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制水扉の設置方法。
- 上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の設置方法で設置されたことを特徴とする制水扉。
- 流体が通る流通口を有する戸当りと、流通口を開閉する扉体とを備えた制水扉であって、
上記流通口は戸当りの枠体に囲まれて形成され、
上記戸当りは枠体部分が2分割された分割戸当り部材からなり、
両分割戸当り部材を着脱自在に接合する接合手段が備えられていることを特徴とする制水扉。
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